JP2015136902A - 繊維強化複合材の成形方法および成形装置 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、同じ構成要素には同じ符号を付して、重複する説明を省略する場合もある。
また、図面は、理解し易くするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示す。図示された各構成要素の厚み、長さ等は図面作成の都合上から、実際とは異なる。
(実施の形態1)
図1〜図4A,図4Bは本発明の実施の形態1を示す。
この成形装置は、第1金型である可動側金型10と、第2金型である固定側金型11とで構成されている。可動側金型10は凸状のキャビティ形成面15aを有し、固定側金型11の凹状のキャビティ形成面15bと共に成形品を成形する成形空間を形成する。可動側金型10の内部でキャビティ形成面15aの最近傍には、冷却回路16と電気式ヒーター等の加熱回路17が設けられている。固定側金型11の内部でキャビティ形成面15bの最近傍にも、冷却回路16と加熱回路17が設けられている。
固定側金型11側に配置されている被加工材押さえプレート14は、固定金型11側に可動して、金属箔13および熱可塑性の繊維強化複合材12を、固定側金型11とで挟み込んで繊維強化複合材12および金属箔13を拘束する。図1では、金属箔13が可動側金型10の側で、繊維強化複合材12が固定側金型11の側に配置したが、金属箔13が固定側金型11の側で、繊維強化複合材12が可動側金型10の側に配置しても良い。
ステップS1では、図3Aに示すように繊維強化複合材12および金属箔13を金型内へ搬送する。このとき、繊維強化複合材12および金属箔13は、固定側金型11と被加工材押さえプレート14との間に搬送される。型締め前の要部の拡大図を図4Aに示す。
かかる構成によれば、熱可塑性の繊維強化複合材12および金属箔13を金型内で加熱し、マトリックス樹脂20を再溶融させ、同時に圧縮加工することでマトリックス樹脂20を金型のキャビティ内に流動させるとともに、金属箔13をアンカー効果によってマトリックス樹脂20と接合させることで、連続繊維から成る繊維強化複合材12の片側全面に金属箔13を接合した成形品18を得ることが出来る。
図5Aと図5Bは本発明の実施の形態2を示す。
実施の形態1ではキャビティ形成面15aに微小凸凹19が形成されていたが、この実施の形態2では図5Aに示すように、キャビティ形成面15aには微小凸凹19が形成されていない。さらにこの実施の形態2では、金属箔13には、孔22が予め形成されている。金属箔13の孔22が予め形成されている個所は、例えば、底面が四角形の深皿状の成形物の場合、その四角形底面の四隅の角の頂部15c(図1を参照)の付近、または成形品上で金属箔13が繊維強化複合材から剥がれやすくなる部位に予め生成されている。
かかる構成によれば、孔22が形成された金属箔13を使用しており、溶融したマトリックス樹脂20の一部が金属箔13上の孔22に流れ込み、冷却後、固化することで、固化したマトリックス樹脂20が孔22を有した金属箔13を、孔22の壁面22aとで接触している部位の摩擦力によって固定するため、繊維強化複合材12と金属箔13との接合効果が得られる。
また、実施の形態1に示した微小凸凹19を有したキャビティ形成面15aを用いて、実施の形態2に示す方法で成形を行っても良い。
図6Aと図6Bは本発明の実施の形態3を示す。
実施の形態2では金属箔13の孔22に対応する位置のキャビティ形成面15aはフラットであったが、この実施の形態3では図6Aに示すように、金属箔13に形成された孔22の位置に対応して凹部23が、キャビティ形成面15aに形成されている。凹部23の長さL1は孔22の長さL2よりも大きい。
また、金属箔13は可動側金型のキャビティ形成面15a側、固定側金型のキャビティ形成面15b側のいずれに配置しても良い。
図7A〜図7Dは本発明の実施の形態4を示す。
実施の形態2では金属箔13として型締めする前の状態で既に孔22が形成されたものを使用したが、この実施の形態4では図7Aに示すように、金属箔13には孔22が形成されていないものを使用している。
キャビティ形成面15aに微小凸凹19は施さないものとする。また、金属箔13は可動側金型のキャビティ形成面15a側、固定側金型のキャビティ形成面15b側のいずれに配置しても良い。
型締め前の金属箔13には、図7Cに示したように孔22が形成されていないが、例えば、底面が四角形の深皿状の成形物の場合、型締めすることによって、その四角形底面の四隅の角の頂部15cに位置する金属箔13の部分に張力が作用して、図7Dに示したように頂部15cの付近で金属箔13を破断させることで、容易に孔22を形成することができる。
(実施の形態5)
図8A〜図8Dは本発明の実施の形態5を示す。
ここで用いる金属箔13は、型締め前の状態では孔22を有していないが、型締め途中に金属箔13の一部が破断することによって、孔22が形成される。キャビティ形成面15aの表面の、金属箔13の破断によって発生する孔22と接触する部位に、凹部23が形成されている。さらに、キャビティ形成面15aには、実施の形態1で見られた微小凸凹19は施さないものとする。
型締め前の金属箔13には、図8Cに示したように孔22が形成されていないが、型締めすることによって、可動側金型のキャビティ形成面15aの角の頂部15cと接する金属箔13の特定個所には、金属箔13の一部を破断する大きさの張力が作用して、図8Dに示したように前記特定個所で金属箔13が破断して孔22が形成される。
金属箔13の一部が型締め中に破断して孔22を生成すること、およびキャビティ形成面15aにおける微小凸凹19の有無と凹部23以外の構成や成形方法は、実施の形態1と同様である。また、金属箔13への孔22の生成方法は、実施の形態4と同様である。
(実施の形態6)
図9A,図9Bは本発明の実施の形態6を示す。
型締め前の状態の金属箔13は、キャビティ形成面15a側、固定側金型のキャビティ形成面15b側のいずれにも接触しない。さらに、キャビティ形成面15aに、微小凸凹19は施さないものとする。金属箔13における孔22の有無および金属箔の配置場所、キャビティ形成面15aにおける微小凸凹19の有無以外の構成や成形方法は、実施の形態1,2と同じである。
(実施の形態7)
図10A,図10Bは本発明の実施の形態7を示す。
金属箔13が型締め中に一部が破断して孔22を生成すること、および金属箔13の配置場所、キャビティ形成面15aにおける微小凸凹19の有無以外の構成や成形方法は、実施の形態1と同様である。また、型締め途中に金属箔13の一部を破断させる方法については、実施の形態4と同様である。
型締め前の金属箔13には、図10Cに示したように孔22が形成されていないが、型締めすることによって、可動側金型のキャビティ形成面15aの角の頂部15cに対応する金属箔13の特定個所には、金属箔13の一部を破断する大きさの張力が作用して、図10Dに示したように前記特定個所で金属箔13が破断して孔22が形成される。そして、溶融した第1,第2繊維強化複合材12a,12bのマトリックス樹脂20が、孔22に流入して、冷却されることによって、第1繊維強化複合材12aのマトリックス樹脂20と、第2繊維強化複合材12bのマトリックス樹脂20とが孔22の内部で一体化されて固化するため、第1,第2繊維強化複合材12a,12bと金属箔13との接合効果が得られる。
上記の各実施の形態の金属箔は、融点と熱伝導率が共に繊維強化複合材の中のマトリックス樹脂よりも高い箔であって、具体的には、アルミ箔,銅箔などを使用できる。
11 固定側金型
12 繊維強化複合材
12a,12b 第1,第2繊維強化複合材
13 金属箔
13a 金属箔13に転写された凸凹
14 被加工材押さえプレート
15a 可動側金型のキャビティ形成面
15b 固定側金型のキャビティ形成面
15c キャビティ形成面15aの角の頂部
15d キャビティ形成面15aの平面部
16 冷却回路
17 加熱回路
18 成形品
19 微小凸凹
20 マトリックス樹脂
21 強化繊維織物
22 孔
23 凹部
Claims (10)
- 強化繊維とマトリックス樹脂から成る繊維強化複合材と、金属箔とを、キャビティ形成面を有する金型内に配置し、前記金型内で前記繊維強化複合材および前記金属箔を加熱・加圧・冷却して、
前記キャビティ形成面に形成されている凸凹を前記金属箔に転写させ、溶融した前記マトリックス樹脂を前記金属箔に転写された凸凹に流入させた上で固化させて、前記繊維強化複合材と前記金属箔を接合する
繊維強化複合材の成形方法。 - 強化繊維とマトリックス樹脂から成る繊維強化複合材と、孔を有した金属箔とを、金型内に配置し、前記金型内で前記繊維強化複合材および前記金属箔を加熱・加圧・冷却して、
溶融した前記マトリックス樹脂を前記金属箔の前記孔に流入させた上で固化させて、前記孔の壁面とこの壁面に接触している固化した前記マトリックス樹脂との摩擦力によって前記繊維強化複合材と前記金属箔を接合する
繊維強化複合材の成形方法。 - 強化繊維とマトリックス樹脂から成る繊維強化複合材と、孔を有した金属箔とを、金型内に配置し、
前記金型内で前記繊維強化複合材および前記金属箔を加熱・加圧・冷却して、
溶融した前記マトリックス樹脂の一部が、前記金属箔の前記マトリックス樹脂の側の面から前記金属箔の前記孔を介して前記金属箔の前記マトリックス樹脂の側とは反対側の面に回り込んで固化して、前記マトリックス樹脂が前記金属箔の両側から前記金属箔を挟むことによって前記繊維強化複合材と前記金属箔を接合する
繊維強化複合材の成形方法。 - 強化繊維とマトリックス樹脂から成る繊維強化複合材と、金属箔とを、金型内に配置して型締めし、加熱・加圧・冷却することによって、
前記型締め途中に金属箔の一部が破断することで前記金属箔の一部に孔が発生し、
前記加熱によって溶融した前記マトリックス樹脂の一部が前記金属箔の前記孔に流入し、
前記冷却によって前記マトリックス樹脂が固化することによって、前記孔の壁面とこの壁面に接触している固化した前記マトリックス樹脂との摩擦力によって前記繊維強化複合材と前記金属箔を接合する
繊維強化複合材の成形方法。 - 強化繊維とマトリックス樹脂から成る繊維強化複合材と、金属箔とを、金型内に配置して型締めし、加熱・加圧・冷却することによって、
前記金属箔が前記型締めの途中で一部が破断することで前記金属箔の一部に孔が発生し、
前記加熱によって溶融した前記マトリックス樹脂の一部が、前記金属箔の前記マトリックス樹脂の側の面から前記金属箔の前記孔を介して前記金属箔の前記マトリックス樹脂の側とは反対側の面に回り込んで固化して、前記マトリックス樹脂が前記金属箔の両側から前記金属箔を挟むことによって前記繊維強化複合材と前記金属箔を接合する
繊維強化複合材の成形方法。 - 金型内に、孔を有した金属箔と、前記金属箔を挟んで前記金属箔の上下面に、強化繊維とマトリックス樹脂から成る第1,第2繊維強化複合材とを配置し、
前記金型内で前記第1,第2繊維強化複合材および前記金属箔を加熱・加圧・冷却して、
前記加熱によって溶融した前記第1,第2繊維強化複合材の前記マトリックス樹脂の一部が、前記金属箔の両側から前記金属箔の前記孔に流入して前記冷却によって固化して一体化する
繊維強化複合材の成形方法。 - 金型内に、金属箔と、前記金属箔を挟んで前記金属箔の上下面に、強化繊維とマトリックス樹脂から成る第1,第2繊維強化複合材を配置して型締めし、加熱・加圧・冷却することによって、
前記型締め途中に前記金属箔の一部が破断することで前記金属箔の一部に孔が発生し、
前記加熱によって溶融した前記第1,第2繊維強化複合材の前記マトリックス樹脂が、前記金属箔の両側から前記金属箔の前記孔に流入して前記冷却によって固化して一体化する
繊維強化複合材の成形方法。 - 請求項1から7のいずれかの繊維強化複合材の成形方法によって成形された成形品。
- 強化繊維とマトリックス樹脂から成る繊維強化複合材と、金属箔とを、キャビティ形成面を有する金型内に配置し、金型内で繊維強化複合材および金属箔を加熱・加圧・冷却する成形装置であって、
前記金型の前記金属箔の側のキャビティ形成面に、前記金属箔に転写させる形状の凸凹が形成されている
繊維強化複合材の成形装置。 - 強化繊維とマトリックス樹脂から成る繊維強化複合材と、金属箔とを、キャビティ形成面を有する金型内に配置し、金型内で前記繊維強化複合材および前記金属箔を加熱・加圧・冷却する成形装置であって、
前記金型の前記金属箔の側のキャビティ形成面に、前記加熱によって溶融して前記マトリックス樹脂が前記金属箔の孔に流入する位置に対応して凹部が形成されている
繊維強化複合材の成形装置。
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