JP2007001226A - 金属シートと繊維強化プラスチックの複合部材の成形方法、及び該成形に使用する金属シートと繊維強化プラスチック基材の複合基材 - Google Patents

金属シートと繊維強化プラスチックの複合部材の成形方法、及び該成形に使用する金属シートと繊維強化プラスチック基材の複合基材 Download PDF

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彰彦 北野
Masahiro Nishihara
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雅浩 山内
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Abstract

【課題】
本発明は、不連続繊維からなる繊維強化プラスチックの長所である、高い生産性を維持しながら、弱点とされる脆性的な破壊挙動を延性的な破壊に転換して、接合部強度、及び面外衝撃特性を向上させる同時に、従来のように、補強金属を予め最終形状に加工しておかねばならないといった、前処理工程が不要な、低コスト成形方法を提供することを課題とする。
【解決手段】
金属シートと繊維強化プラスチックの複合部材の製造方法であって、不連続強化繊維と樹脂を含む繊維強化プラスチック基材を成形型で加熱、加圧成形する工程を有し、かつ該工程では成形型間の少なくとも一部に、開口部を有する金属シートを配置し、該成形型を閉じる動きで当該金属シートを変形させると同時に繊維強化プラスチックとを一体化することを特徴とする金属シートと繊維強化プラスチックの複合部材の成形方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車部材、スポーツ用具等に好適に用いられる金属シートと繊維強化プラスチックの複合部材、および該部材の成形に使用する金属シートと繊維強化プラスチック基材の複合基材に関する。さらに詳しくは、低コストで、良好な成形性(特に成形追従性)を有し、繊維強化プラスチック部材とした場合、優れた力学物性(中でも耐衝撃性)を発現する部材の製造方法、および基材に関する。
強化繊維とマトリックス樹脂を含む繊維強化プラスチックは、比強度、比弾性率が高く、力学特性に優れること、耐候性、耐薬品性などの高機能特性を有することなどから、航空機や自動車部材、建材、スポーツ部材用途において注目され、その需要は年々高まりつつある。
強化繊維としては、ガラス繊維や炭素繊維等の無機繊維や、アラミド繊維などの有機繊維が使用されるが、その使用形態は、大別して、連続繊維と不連続繊維に大別される。連続繊維とは、長さが数m以上の繊維のことで、織物や編み物等の織布に加工した後樹脂をハンドレイアッップなどで含浸させたり、連続繊維に未硬化の樹脂を含浸させたプリプレグと呼ばれる基材を積層してオートクレーブで加熱、加圧して部材を製造する。不連続繊維とは、連続繊維を数mmから数cmに切断した形態のことで、チョップド糸、カット糸など呼ばれ、チョップド糸を面内に規則的あるいは、不規則的に配向させたマット等に加工した後、ハンドレイアッップなどで樹脂を含浸させて部材を製造したり、未硬化の樹脂を予め含浸せたSMC(シートモールディングコンパウンド)基材、予め樹脂と混練したBMC(バルクモールディングコンパウンド)基材等をプレスで加熱、加圧して部材を製造する。
前記の成形に用いる基材のうち、SMC基材、BMC基材といった強化繊維が不連続繊維である基材は、予め樹脂が強化繊維に含浸されているため工程がシンプル(樹脂を流し込む工程が不要)で生産性が高い、強化繊維が短いため基材が容易に流動して複雑形状の製造が可能であるという特長があり、バスタブなどの建材部品やスポイラーなどの自動車部品の製造等に広く普及している。
特に、SMC基材は、ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂等の樹脂シート上に、10mm〜50mmに切断したガラス繊維や炭素繊維からなる強化繊維を、ランダム、あるいは一方向に散布・含浸した、厚さ数mmのシート状基材であり、成形型のキャビティーに相当する体積のこれらの基材を成形型内に配置した後、プレスで加熱、加圧しながら基材を押し広げ、流動させて最終形状に賦形、樹脂硬化させて部材を製造するもので、金属プレス成型法に類似しているため、フードやドアパネルなどの自動車部品の製造に普及し始めている。
しかしながら、SMC基材等の強化繊維が不連続繊維である基材は、強化繊維が短く切断されていることから、強化繊維が連続繊維である基材に比べ成形した部材の伸度、強度が低く、破壊も脆性的で、接合部の強度が低い、面外衝撃性に劣るという問題がある。
まず、接合部に関しては、一般的に大きな入力が接合部に作用するため接合部が破壊すると重大事故に繋がりかねないことから、破壊が延性的でベアリング強度に優れる接合用の金属材をインサートする手段が講じられる。例えば、特許文献1には、接合部の強度を向上させる目的で、ボルト孔を有する金属製補強材を下型に固定し、その上にシート状の樹脂成形材料(SMC基材)を載置して加熱・加圧成形することを特徴とする金属製補強材を埋設した樹脂製品の製造方法が開示されている。金属補強材は、位置ズレを防止するために、下型に形成されたスリットに嵌合される。金属補強材は、嵌合されているため、成形中にSMC基材の流動によって移動することはなく、成形中は所定の位置、及び形状を保持したままである。
また、特許文献2には、「組立式水槽用単位板の製造方法」という発明名称で、組み立て時の接合部となる単位板の四隅に、金網あるいは孔を有する金属板からなる板材の裏面に突起状の凸部を形成し、該凸部を嵌着するための凹部を成形型に形成し、該型に板材を凸部および凹部を嵌着合致させた後、SMC基材を該型上に装置し成型することを特徴とする補強板を有する組立式水槽用単位板の製造方法が開示されている。板材には、予め穿孔しておくことで、接着が強固となるとされている。板材は、型の凹部に板材の凸部が嵌着してプレス成形される。
一方、面外衝撃とは、走行中の自動車フードに、崖上から小石が落下して当たるといった曲げモードの衝撃のことで、SMC基材を成形して得た自動車フードの場合、落石は強化繊維を破断させることなく、樹脂部分だけが破壊して、自動車フードを貫通し、エンジンルーム内にまで到達するという事態が発生する可能性がある。このため、強化繊維の一部を連続繊維からなる織物にするなどして、比較的広い面積に亘り耐衝撃性を向上させる手段が講じられる。連続繊維からなる織物は、柔軟なため成形中に変形、移動が可能であり、部材形状が凹凸のある複雑な場合でも、耐衝撃性が必要とされる所定の箇所に連続繊維が行きわたる成形が可能という特徴がある。
以上のように、従来は、SMC基材などを成形して得た不連続繊維強化プラスチック部材の欠点である、低伸度、低強度を克服するために、延性材料である金属材料や、変形性に優れる連続繊維を併用するという技術が用いられている。
しかしながら、金属材料をL字鋼やIビームなどの特定形状に加工してSMC基材と共に成形して、補強した部材を製造する場合、特定形状に加工した金属材料を部材中の適切な位置に固定する必要があり、成形型との隙間が小さい場合などには、流動化したSMC基材を行き渡らせることが難しい。金属材料と繊維強化プラスチックとの接着性を考えても、特許文献2にあるように、金属に穿孔を施し、その孔に流動化したSMC基材が流入する方が好ましいが、金属材料が高剛性、高強度であると、成形型に傷が付くおそれがあり、大量生産には向かない。
一方で、連続繊維を強化材として使用した場合には、強度は向上するものの、繊維強化複合材料であるがゆえに、破壊は脆性的で、衝撃エネルギーが大きくなると、貫通をまぬがれない。また、部材が複数に分離する可能性があり、分断した部材片が二次被害を引き起こす可能性もある。これを解決するためには、延性材料である金属材料をSMC基材による成形体に挿入する手段が考えられるが、金属材料を部材形状に加工する工程が必要で、SMCの大量生産性を損なう可能性がある。たとえ、部材形状をした金属材料の入手が容易であったとしても、金属材料の上下にあるSMC基材が混じり合わなかったり、金属材料との接着性が不十分となる可能性がある。また、金属材料による重量増加もSMCの特徴である軽量、高剛性という特長を著しく損なうことになる。面状の成形部材を想定した場合には、金属材料として、薄い金属箔を適用することも考えられるが、アルミ泊のような金属箔の多くは、既に塑性変形しており、伸度も小さく、成形時のSMC基材等の流動抵抗で千切れてしまい、部材全面を補強することが出来ないばかりか、耐衝撃性を大幅に向上させることも難しい。
なお、特許文献2には、金属材料として金網で単板の4隅を補強することが記載されているが、成形のどの時点で金網を用いるのか、すなわち、SMC基材の片側に位置するのか、SMC基材中に埋没するのかといった位置に関する記載、および、成形型でのプレス時にインサートされるのか、SMC基材に予め一体化されているのか記載されていない。また金網が成形中に変形するのか、させるのかといった、金網に関する記載がない。
特許文献3には、SMC基材やBMC基材と糸または金属に発熱体を巻き付けたヒーターとを一体化した浴室用成形ユニットが開示されているが、該金属は、糸で代用可能であることが示唆しているように、発熱体を巻き付ける芯の役割であり、耐衝撃性といった機械的特性向上効果を目的としたものではない。 また、特許文献4には、金属板とSMC基材を成形して得られた繊維強化プラスチックの間にウレタン系フォーム製断熱材を挟み込んだ蓄熱タンク用断熱パネルが開示されているが、SMC基材を成形して得られた繊維強化プラスチックは断熱材であるウレタンフォームを保持する役割を果たしており、金属とSMCは一部で結合されているにすぎず、金属との併用による耐衝撃性向上などの相乗効果に関する記載はない。
以上のように、脆性材料で、接合、耐衝撃性に劣るSMC基材などを成形して得た不連続繊維強化プラスチック部材の自動車部材への適用を拡大し、より軽量で地球に優しい軽量自動車部材や、高齢者に適する軽量スポーツ部材など創出するためにも、補強した不連続繊維強化プラスチックの製造方法がFRP業界の課題となっている。
特開昭63−227319号公報 特開昭58−1683号公報 特開平8−216291号公報 特開2002−347887号公報
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、強化繊維として不連続繊維を用いた繊維強化プラスチック(以下FRPと略す)の長所である、高い生産性を維持しながら、弱点とされる脆性的な破壊挙動を延性的な破壊に転換して、接合部強度、及び面外衝撃特性を向上させる同時に、従来必要であった補強金属を予め最終形状に加工するといった前処理工程が不要な、低コスト成形方法を提供すること。
本発明は、かかる課題を解決するために、次の手段を採用するものである。すなわち、
(1)不連続強化繊維と樹脂を含む繊維強化プラスチック基材を成形型で加熱、加圧成形する工程を有し、かつ該工程では成形型間の少なくとも一部に、開口部を有する金属シートを配置し、該成形型を閉じる動きで当該金属シートを変形させると同時に繊維強化プラスチックとを一体化することを特徴とする金属シートと繊維強化プラスチックの複合部材の成形方法。
(2)前記繊維強化プラスチック基材がSMC基材である前記(1)記載の金属シートと繊維強化プラスチックの複合部材の成形方法
(3)前記金属シートが、金網である前記(1)ないし(2)のいずれかに記載の金属シートと繊維強化プラスチックの複合部材の成形方法。
(4)前記金属シートは、その開口部の面積が70%〜99%の範囲内である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の金属シートと繊維強化プラスチックの複合部材の成形方法。
(5)前記成形方法において、成形型を閉じる速度が、0.05mm/min〜10mm/minの範囲内である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の金属シートと繊維強化プラスチックの複合部材の成形方法。
(6)強化繊維と樹脂を含む繊維強化プラスチック基材と、開口部を有する金属シートを、予め一体化したことを特徴とする金属シートと繊維強化プラスチック基材の複合基材。
(7)前記金属シートが、金網である前記(6)に記載の金属シートと繊維強化プラスチック基材の複合基材。
(8)前記金属シートは、その開口部の面積が70%〜99%の範囲内である前記(6)または(7)のいずれかに記載の金属シートと繊維強化プラスチック基材の複合基材。
(9)前記繊維強化プラスチック基材がSMC基材である前記(6)から(8)のいずれかに記載の金属シートと繊維強化プラスチック基材の複合基材。
(10)前記(6)〜(9)のいずれかに記載の基材を用いて成形する金属シートと繊維強化プラスチックの複合部材の成形方法。

本発明では、不連続の強化繊維を用いた繊維強化プラスチック基材を用いるため、従来と同様の高生産性が可能であると同時に、新規設備も不要であるため、経済性にも優れる。さらに、本発明の製造方法は、延性のある金属製のシートを最終形状に成形型中で変形させるものであるから、成形型を傷めず、金属材料を最終形状に予め加工するという工程が不要であるため大幅なコストダウンが可能である。さらに、金属シートを含まない繊維強化プラスチックが脆性的に破壊するのに対し、本発明の繊維強化プラスチック部材は、金属シートを含んでいるので、高伸度で延性的な破壊挙動を呈する。このため、接合部のベアリング強度が著しく向上するとともに、落石などによる面外衝撃に対しても、損傷が小さく、かつ、落石の貫通を抑制できて部材の内容物を保護することが可能となる。さらに、本発明の一実施態様である、繊維強化プラスチック基材と金属シートを予め一体化した基材は、成形型に、繊維強化プラスチック基材と金属シートを同時に載置できることから、生産性に優れ、かつ、金属シートの剛性により繊維強化プラスチック基材のみに比べ、基材全体の剛性が向上するので、高温でも基材の搬送、移動が容易となり、生産性がさらに向上する。
以下、本発明の最良の実施態様を、図1で説明する。
まず、本発明における不連続強化繊維と樹脂を含む繊維強化プラスチック基材1としては、バスタブなどの建材部品やスポイラーなどの自動車部品の製造に広く普及しているSMC(シートモールディングコンパウンド)基材、BMC(バルクモールディングコンパウンド)基材を用いることができる。これらは、長さ数mm〜数cmの強化繊維を樹脂中に規則的あるいは、不規則的に配向させた中間基材であり、後述する成形型で加熱、加圧成形することで最終部材形状が得られる。なお、SMC基材のうち高VfのものをHMC基材と称する場合があるが、Vfが異なるほかは技術的には差がないため、SMC基材に含むものとする。
上記繊維強化プラスチック基材に含まれる不連続強化繊維としては、ガラス繊維や炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チラノ繊維、玄武岩繊維、セラミックス繊維等の無機繊維や、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、PBO繊維などの有機繊維が好ましく使用できるが、中でも、炭素繊維が、比強度(重さ当たりの強度)、比剛性(重さ当たりの弾性率)に優れるため最も好ましい。炭素繊維の強度は、3GPa〜10GPa程度で、弾性率は、200GPa〜700GPa、比重は1.6〜2.0が知られているが、本発明では、後述する金属シートの目開き部分に繊維が入り込むことのできる、弾性率が200GPa〜350GPaの範囲内の柔軟な繊維が好ましい。また、強化繊維の長さは、同じく、金属シートの目開き部分に入り込める5mmから30mmの範囲内が好ましい。
上記繊維強化プラスチック基材に含まれる樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、フェノキシ樹脂、アルキド樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等の熱可塑樹脂が使用できる。
上記不連続強化繊維と樹脂を含む繊維強化プラスチック基材は、上記の樹脂中あるいは、上記の樹脂表面に、上記した強化繊維が、規則的あるいは、不規則に配向したシート状の繊維強化プラスチック基材(SMC基材)あるいは塊(バルク)状繊維強化プラスチック基材(BMC基材)を用いることが好ましい。SMC基材、BMC基材は、通常それぞれの形態への調製方法による強化繊維長に差があり、これに由来する物性差が存在する。すなわち、SMC基材は不連続強化繊維未硬化の樹脂を含浸させて作成するため強化繊維長は元の繊維長のままであるのに対し、BMC基材では混練工程で強化繊維の切断が起こることから、SMC基材を用いる方が物性的に有利となることから好ましい。
また、形態面でもSMC基材は、シート状であるため、成形型を覆うように配置しやすく、複雑形状であっても低い成形圧力で基材が充填できること、基材の温度上昇が早く、短時間で良好な流動性が得られて、低圧で複雑形状部分まで基材がいきわたること、保管や計量が容易でもあること、さらには、後述する金属シートと同じシート状であるため、基材と金属シートの接触面積が大きく良好な接着性能が得られるばかりか、両者を貼り合わせることで取り扱い性を向上させることが可能となり、高い生産性が得られるので、本発明において最も好ましい繊維強化プラスチック基材といえる。
次に、上記した繊維強化プラスチック基材は、両面成形型2(上型2aと下型2bで構成され、上型と下型の間には、部材形状に相当する成形型キャビティー(空間)3が存在する:本発明において単に成形型といった場合は、両面成形型を指すものとする)で加熱および加圧して、部材の形状へと賦形・硬化される。シート状、あるいは、塊状の繊維強化プラスチック基材を一枚/一塊り、あるいは、複数枚/複数塊り、成形型の一箇所あるいは、複数箇所に分散して配置し、両面成形型2を閉じていく。両面成形型2の動きで繊維強化プラスチック基材1に圧力がかかり、圧力により繊維強化プラスチック基材1は変形ながら、成形型キャビティー3に行き亘り、部材形状に賦形される。樹脂が硬化、あるいは、固化した後、成形型から脱型して、金属シートと繊維強化プラスチックの複合部材が得られる。
本発明で用いる成形型としては、金属製、セラミック製、樹脂製、コンクリート製のものが使用できるが、金属製のものが、耐熱性、耐摩耗製の点で好ましく使用できる。具体的には、ビッカース硬さ(JIS Z 2244)が160以上のS45C、S55Cなどのスチールが好ましい。また、金属シートとの接触などによる傷が入りにくいように、ショットピーニングやメッキなどの処理を金型表面に施しても差し支えない。成形型のキャビティーは、部材の一部となる製品部分と最終的に部材とならない非製品部分からなる。非製品部分は、部材を成形型から取り出す脱型工程において、力を作用させる部分に利用したり、部材を移動させる際の掴み部分として利用する。また、成形型は、金属シートを成形型の閉じる力で変形させていく必要があるため、成形後の部材形状や金属シートの厚さにも依存するが厚さを数十〜数百mmとすることが好ましい。成形型は油圧や空気圧で昇降するが、より大きな型締め力を発現させるには、油圧式が好ましい。
本発明では、上記工程の成形型を閉じる(図1では、上型2aが下降して閉じる様子を示している)前に、両面成形型2の少なくとも一部に開口部を有する金属シート4を配置し(図1では、下型2b上に配置した様子を示している)、該成形型を閉じる動きで当該金属シートを変形および、繊維強化プラスチック基材と一体化させる。
本発明における開口部を有する金属シート4とは、両面成形型2の動く力で容易に変形することができる、金網やパンチングメタルのことである。開口部を有する金属シート4は、上記した繊維強化プラスチック基材1の上、及び/又は、下への配置、又は、繊維強化プラスチック基材で挟み込む配置等が可能であるが、開口部を有する金属シート4を繊維強化プラスチック基材1で挟み込んで配置すると、開口部を有する金属シートが直接成形型と接触する事を防止でき、成形型を傷つけにくく、成形型の寿命が延びる、あるいは、成形型傷の補修期間が長くなるなどの特長があることから好ましい。挟み込むことで、金属シートの開口部を通じて一方の側の基材が反対側に混ざり込んで、互いに硬化反応したり、固化することが可能となり、金属シートがより強固に繊維強化プラスチックに固定できるというメリットもある。さらに、金属材料を完全に挟み込むと、金属材料が露出することがなくなり、金属腐食も抑制でき、意匠上からも好ましい。
本発明における開口部を有する金属シートは、金網やパンチングメタルであり開口部を有しているため、繊維強化プラスチック基材が流動する工程で、強化繊維が、開口部に絡まって、金属シートと繊維強化プラスチックが強固に結合する役割を果たす。また、金属シートの開口部の数が多くなるほど変形が容易であることから、成形型に傷が付きにくい。尚開口部を有する金属シートは、厚みが0.05mm〜2mmが好ましい。本範囲内でより薄いと、金属シートが千切れてしまう可能性があり、本範囲より大きいと、変形しにくく、成形型を破損することがあるからである。より好ましい厚さは、0.5〜1mmの範囲内である。
また、本発明における開口部を有する金属シートは、成形型と硬度が同じまたは、成形型より硬度が低い材質であることが好ましい。成形型と金属シートが接触した場合に、金属シートの方が硬いと、成形型に小さな傷が入り、長期の使用で成形型を修理する必要が発生し、連続生産できる時間が短くなり、生産性が低下、コスト高となる。金属シートに選定の余地がない場合は、成形型の材質を変更したり、成形型の表面にショットピーニングやメッキなどの表面硬度を大きくする処理を施すことも好ましい。尚、金属シートは、部分的に塑性変形を伴って、最終的には部材中に固定される。塑性変形を伴うことで、部材中の金属シートは変形前の形に戻ろうとする挙動を示すことなく、より長期の使用に耐えることが可能となる。
本発明における開口部を有する金属シートの例として、JIS−G3555「織金網」やJIS−G3556「工業用織金網」、JIS−H6102「一般用非鉄金属製金網」などに規定されている金網、より詳しくは、平織金網、綾織金網、畳織金網、筵織金網、撚線織金網、簾織金網等が挙げられる。金網は、線材が交差しており、部材への衝突物を、ネットのメカニズムで捕捉することができると同時に、交差部分で目ズレ(金網を構成する金属線の交差角度が変化可能であり(例えば、2本の金属繊維のなす角度が90度であったものが、45度になる。あるいは、別の表現をすれば、金網の模様が正方形であったのが菱形に変形する)、かつ、多数の開口部(目空き部)を有するため、成形型に傷を殆ど付けずに容易に変形ができること、金属繊維に強化繊維が絡まって金網と繊維強化プラスチックとは強固に結合されること、さらには、工業的に大量生産されているため、入手が容易、低コストでこと、等から本発明における開口部を有する金属シートとして好ましい。
金網を構成する線材としては、鉄線、亜鉛引鉄線、ステンレス線(SUS−304、SUS−316、SUS−316L等)、硬鋼線、アルミニウム線、銅線、真鍮線、青銅線、燐青銅線、ニッケル線、モネルメタル線、チタン線などが好ましく用いられる。成形型の硬さとの関係では、ビッカース硬さが、成形型より小さいことが好ましい。銅合金の場合、ビッカース硬さは60〜130程度である。
中でも、ステンレス製の線材は、延性が大きく好ましい。また、アルミニウム製の線材も軽量性で好ましい。また、チタン製の線材は炭素繊維との電気腐食が起こらないため、強化繊維として炭素繊維を用いる場合に好ましい。線材の線径は0.05〜2mmの細いものが好ましい。本範囲内であると、成形型の動きで線材が容易に変形できるからである。また、線径が2mmを越えると、変形しにくいため成形型が傷が付く可能性があるからである。最も好ましい線径は0.5〜1mmの範囲内である。尚、線径はマイクロメーターで測定することができる。 金網の織構造としては、平織金網、綾織金網、畳織金網、筵織金網、撚線織金網、簾織金網などがあるが、本発明では、単位面積当たりの線材の交点が多く、方向性の少ない平織金網が好ましい。また、綾織金網も、平織金網より形状追従性が大きくて、金網を複雑形状に変形させる必要がある場合に好ましい織構造である。より詳しくは、金網のメッシュ(25.4mm間の目の数、JIS−G3555参照)が2〜20の金網が好ましい。本範囲内であると、小石などの落錘衝撃で貫通することを抑制する事ができると同時に、成形型内での変形も比較的容易だからである。
さらに、本発明における開口部を有する金属シートは、開口部の面積とシートの面積の比で定義される目空き率が70〜99%の範囲内であることが好ましい。金網の場合は、空間率と呼ばれる。目空き率が大きいほど成形型内で変形しやすく、複雑形状部材の成形が容易となる。目空き率は、面積計で開口部の面積を測定し、シート全体の面積で除して計算できる。あるいは、金属シートが均一厚みである場合は、シートの面積を求めそれに厚みを乗じて開口部がないと仮定した場合の金属シートの重さを計算しておき、それで、実測したシートの重さを除した値が目空き率となる。
このように、本発明における開口部を有する金属シートは柔軟であり、従来繊維強化プラスチック基材に埋め込まれていたIビームなどの金属部材と異なり、成形型に傷を付けることなく変形させることが可能であり、Iビームのように、予め機械加工を施すことなく、脆性的に破壊する繊維強化プラスチックを延性的な挙動へと転換することができることから、接合部での突発的な脆性破壊を抑制でき、小石などの高速の飛来物による衝撃においても、飛来物の貫通を抑制できる。さらに、本発明における開口部を有する金属シートは、変形性能が高いため、部材の形状をマイナーチェンジした場合、あるいは、成形型を再加工して形状を変更した場合でも、従来適用されていたIビームなどの金属部材のように部材形状、加工法を再設計する必要はなく、修正なしでそのまま使用できるというメリットも有する。
尚、予測される飛来物の大きさが予測される場合には、開口部を有する金属シートの開口部の大きさを飛来物より小さくしておくことが好ましい。また、同一または、異なる種類の金属シートを複数枚挿入しても、貫通衝撃性能を向上させることができる。この場合、複数枚の金属シートは、接触するように重ねても、非接触(金属シート間に繊維強化プラスチックが存在する)状態にしても差し使えない。
上記した繊維強化プラスチック基材1と、開口部を有する金属シート4を、両面成形型2の内部に配置し、成形型により加熱、加圧際、成形型の移動速度は、0.5mm/sec〜100mm/secの範囲内が好ましい。0.5mm/sec以下では、生産性が低く、また、基材が硬化して流動性を失う可能性があるからである。逆に100mm/secより大きいと、基材が流動出来なかったり、金属シートの変形が追従できずに、金属シートが破断する可能性があるからである。また、基材を配置して間もない、基材の流動性が大きい間は成形型の移動速度を100mm/secに近い速度とし、基材と金属シートが変形して、基材の流動性が無くなってくると0.5mm/secに近い速度へと成形型の移動速度を変化させることも好ましい態様の一つである。さらに、金属シートが金網で、線径が大きい場合などで、成形型の速度を遅くしたい場合には、基材の硬化を遅らせるために、成形型の温度を下げることが有効である。逆に、成形型の速度を早くしたい場合は、基材の流動性を向上させるために、強化繊維の量を減らしたり、繊維強化プラスチック基材を薄いシート状にして、予め成形型全面に基材を配置する、あるいは、金属シートの線材をより弾性率の低い材質にする(例えば、スチール製からアルミニウム製にする)、メッシュの大きな金網にするなどが有効な対処法である。
また、繊維強化プラスチック基材と、開口部を有する金属シートを別個に準備して成形型に配置し、成形過程で一体化する方法を採ると、少量他品種に好ましく適用できる。一方、予め繊維強化プラスチック基材と開口部を有する金属シートが一体化されたものを成形型に配置する方方法を採ると、同一のものを大量生産し、低コスト化できることから好ましい。予め繊維強化プラスチック基材と開口部を有する金属シートを一体化する方法としては、例えば、SMC基材やプリプレグの製造工程における基材の巻き上げ工程で、金網などの金属シートをSMC基材、あるいはプリプレグ基材と一体化し同時に巻き上げて製造する方法が挙げられる。一例としてSMC基材の製造工程中で、開口部を有する金属シートをSMC基材と一体し製造する装置を図6に示す。図6において繊維ボビン6から供給される強化繊維を繊維切断装置8で所定の長さに切断し、切断された繊維9を樹脂フィルム7上に散布して、SMC基材10とした後、開口部を有する金属シート11を重ねて圧着ロール12で加圧し一体化して金属シートと繊維強化プラスチック基材との複合基材を得る。前記例では片側のみに金属シートを配置した金属シートと繊維強化プラスチック基材との複合基材が得られるが、該装置において開口部を有する金属シート11を重ねたのちに、切断された繊維9を金網上に散布する機構を設けたり、別途成形したSMC基材10を金網上に重ねることで、金属シートを繊維強化プラスチック基材で挟み込んだ形態の金属シートと繊維強化プラスチック基材との複合基材を得ることも可能である。かかる一体化の方式は、繊維強化プラスチック基材の片側に金属シートを配置しても、金属シートを繊維強化プラスチック基材で挟み込んでも差し支えないが、挟み込んだ方が、金属シートが成形型と直接接触し難いため、成形型が傷つきにくく、成形型寿命が延びて、長時間の連続生産が可能で好ましい。成形型が傷つかないことで、成形部材の表面の平滑性が得られ、意匠性上も好ましい。また、一体化させる際には、加圧や加熱を施しても差し支えない。加圧することで、気泡が抜け、密着性が良好となり、強化繊維の一部が開口部に絡ませることも可能となる。
また、金属シートは、繊維強化プラスチック基材の全面ではなく、一部に挟み込まれていても差し支えない。さらに、前記した開口部が70〜90%の金属シートを用いると、直径数cmのロールに巻き上げることが可能となり、より好ましい。特に、金属シートとして、金網を使用した場合は、巻き癖と呼ばれる、ロールから解いた際に、基材が平面とはならずカールした状態となる現象を抑制できるので、もっとも好ましい。さらに、金属シートと基材とを予め一体化させておくことで、基材の腰が強くなり、搬送などのハンドリング性が向上するというメリットもある。金属シートに接着性や耐酸化性を向上させる目的で表面処理を施した場合などは、直接作業者が金属シートに触れると表面を汚染して、表面処理効果を害する可能性があり、予め金属シートと基材中に挟み込んでおくことで、この可能性を抑制できる。さらに、基材の裁断が容易になるというメリットもある。以上、不連続繊維と開口部を有する金属シートを用いた実施態様を述べたが、不連続繊維以外に、勿論、連続繊維を併用しても差し支えない
以下に本発明の実施例と比較例を説明する。
(実施例1)
長さ25mmに切断した炭素繊維ストランド(東レ(株)製品T700S−12K−60E:ストランド数12000本、強度5GPa、弾性率235GPa)と、不飽和ポリエステル樹脂からなる厚さ5mmのSMC基材(炭素繊維の重量含有率は50%)2枚でスチール製(SUS304製)の平織金網(メッシュ:20番、線材の径:0.5mm、開口率89%)を挟み込んで平板形状のまま、深さ25mmのバット形状(200mm×200mm)の上下両面成形金型(S45C製)の下型上に配置し、上型を速度1mm/secで下降させて、SMC基材を流動、金網を変形させながら圧力20MPa型温度は150℃、加圧時間5分間で、厚さ5mmのバット状部材を成形した。
脱型したバット形状の部材を切断して、断面を観察したところ、金網は、部材のコーナー部分で変形しており、厚みのほぼ中央に位置していた。金網の網目を上面から下面に貫通している炭素繊維が多数観察され、また、表面からは、金網が部材中に存在しているとは目視で確認できなかった。
次に、部材から試験片(25m幅×200mm長さ、厚さ5mm)を切り出して、万能試験機で引張試験(ゲージ長さ100mm、引張速度2.5mm/min)したところ、図3に示す荷重−変位曲線が得られ、部材が延性的に破壊することが確認できた。また、金網とFRPが剥離するようなこともなかった。
さらに、部材から、貫通落錘試験用の試験片(150mm×60mm、厚さ5mm)を切り出し、試験(落錘高さ1.8m、落錘子の重さ5.4kg、落錘子の先端径15.9mm)したところ、衝撃部に局所的な凹み(深さ3mm)/塑性変形による永久変形が認められたが、貫通は認められなかった。
(実施例2)
長さ15mmに切断した炭素繊維ストランド(東レ(株)製品T700S−12K−60E:ストランド数12000本、強度5GPa、弾性率235GPa)と、不飽和ポリエステル樹脂からなる厚さ5mmのSMC基材(炭素繊維の重量含有率は45%)と、アルミニウム製の平織金網(メッシュ:3番、線材の径:1mm、開口率93%)を用い、2枚のSMC基材で金網を挟み込んで平板形状のまま、実施例1と同じ、深さ25mmのバット形状(200mm×200mm)の上下両面成形金型(S45C製)の下型上に配置し、上型を速度1mm/secで下降させて、SMC基材を流動、金網を変形させながら圧力20MPaで成形(成形型の温度は150℃、加圧時間は5分間)した。
脱型した厚さ5mmのバット形状の部材を切断して、断面を観察したところ、金網の端部の一部が部材表面に露出していたものの、部材のコーナー形状に沿って変形しており、金網は部材の厚みのほぼ中央に位置していた。
次に、部材から試験片(25m幅×200mm長さ)を切り出して、実施例1と同じ条件で引張試験したところ、実施例1同様、部材が延性的に破壊することが確認できた。また、金網とFRPが剥離するようなこともなかった。
さらに、実施例1と同じく、部材から貫通落錘試験用の試験片(150mm×60mm)を切り出し、実施例1と同じ条件で試験したところ、衝撃部に局所的な凹み(深さ2mm)/塑性変形による永久変形が認められたが、貫通は認められなかった。
(実施例3)
実施例1に使用したSMC基材(繊維:炭素繊維、樹脂不飽和ポリエステル樹脂、厚さ5mm)の製造工程において、繊維と樹脂が一体化したSMC基材を直径60cmの紙管に巻き上げる前に、実施例1のスチール金網(SUS304製平織金網、メッシュ:20番、線材の径:0.5mm、開口率89%)を、SMC基材に密着(ロールで圧着ロール一体化)する機構を有する装置(図6)を使用し、SMC基材(繊維強化プラスチック基材)と金属シートが一体化した複合基材を製造した。本複合基材を、実施例1と同じ条件でバット状部材を金型成形した。本複合基材は、SMC基材のみに比較して、腰がある(剛性がある)ため、曲がったりせず金型に簡単にセットすることができた。さらに、実施例1と同様に、脱型したバット形状の部材を切断して、断面を観察したところ、金網は、部材のコーナー部分で変形しており、厚みのほぼ中央に位置していた。さらに、金網の網目を上面から下面に貫通している炭素繊維が多数観察され、また、表面からは、金網が部材中に存在しているとは目視で確認できなかった。
(比較例1)
実施例1において、金網を使用せずに繊維強化プラスチック基材のみにして成形型成型を行った以外は、実施例1と全く同様にしてえられた、繊維強化プラスチック部材を、実施例1と同一条件での引張試験したところ、図4に示すように、脆性的に破壊した。さらに、実施例1と同様の落錘試験した結果、落錘子は貫通し、試験片には貫通孔が残った。
(比較例2)
実施例1において、金網の代わりに、厚さ0.05mmの開口部のないアルミニウム箔を用いた他は、実施例1と全く同様にして、成形型成型を行った。上型が下降する最中にアルミニウム箔は千切れ、アルミニウム箔がある場所と無い箇所が生じた。実施例1と同様の引張試験したところ、アルミニウムが千切れて、FRPのみとなっている箇所で破断し、荷重−変位曲線は比較例1と同様、脆性的に破断した(図4)。試験片の樹脂を焼き飛ばして、アルミニウム箔の状態をしらべたところ、千切れに加え、皺もはいっていることが確認できた。
(比較例3)
実施例1において、予め部材の(バット)形状に加工しておいた金網を用いた他は、同一の材料を用いて、SMC基材で金網を挟み込んで、嵩高の状態のまま上型を下降させていったところ、下側のSMC基材が引き裂かれて割れ、部材の下面に、意匠上好ましくないウエルドラインが残った。
本発明の製造方法の一例を表す概略図である。 本発明の実施例1の成形方法の概略図である。 本発明の実施例1の引張試験の荷重−変位チャートである。 本発明の比較例1および比較例2の引張試験の荷重−変位チャートである。 本発明の実施例1と比較例1の落錘衝撃試験後の試験片の状態を示す図である。 開口部を有する金属シートをSMC基材と一体し金属シートと繊維強化プラスチック基材との複合基材を製造する装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1:繊維強化プラスチック基材
2:両面成形型
2a:上型
2b:下型
3:成形型キャビティー
4:開口部を有する金属シート
5:金属シートと繊維強化プラスチックの複合部材
6:繊維ボビン
7:樹脂フィルム
8:繊維切断装置
9:切断された繊維(非連続繊維)
10:SMC基材
11:開口部を有する金属シート
12:圧着ロール
13:金属シートと繊維強化プラスチック基材との複合基材
14:巻き上げロール

Claims (10)

  1. 不連続強化繊維と樹脂を含む繊維強化プラスチック基材を成形型で加熱、加圧成形する工程を有し、かつ該工程では成形型間の少なくとも一部に、開口部を有する金属シートを配置し、該成形型を閉じる動きで当該金属シートを変形させると同時に繊維強化プラスチックとを一体化することを特徴とする金属シートと繊維強化プラスチックの複合部材の成形方法。
  2. 前記繊維強化プラスチック基材がSMC基材である請求項1記載の金属シートと繊維強化プラスチックの複合部材の成形方法
  3. 前記金属シートが、金網である請求項1ないし2のいずれかに記載の金属シートと繊維強化プラスチックの複合部材の成形方法。
  4. 前記金属シートは、その開口部の面積が70%〜99%の範囲内である請求項1〜3のいずれかに記載の金属シートと繊維強化プラスチックの複合部材の成形方法。
  5. 前記成形方法において、成形型を閉じる速度が、0.5mm/sec〜100mm/secの範囲内である請求項1〜4のいずれかに記載の金属シートと繊維強化プラスチックの複合部材の成形方法。
  6. 強化繊維と樹脂を含む繊維強化プラスチック基材と、開口部を有する金属シートを、予め一体化したことを特徴とする金属シートと繊維強化プラスチック基材の複合基材。
  7. 前記金属シートが、金網である請求項6に記載の金属シートと繊維強化プラスチック基材の複合基材。
  8. 前記金属シートは、その開口部の面積が70%〜99%の範囲内である請求項6または7のいずれかに記載の金属シートと繊維強化プラスチック基材の複合基材。
  9. 前記繊維強化プラスチック基材がSMC基材である請求項6から8のいずれかに記載の金属シートと繊維強化プラスチック基材の複合基材。
  10. 請求項6〜9のいずれかに記載の基材を用いて成形する金属シートと繊維強化プラスチックの複合部材の成形方法。
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