JP2015135513A - フォトマスクブランクス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明基板21の一主面上に少なくとも遮光膜23が形成された、フォトマスクブランクスであって、前記遮光膜23上に非感光性のシリコン系ポリマー層24が、10nm〜100nmの範囲の膜厚で形成されており、前記シリコン系ポリマー層24の上に電子線レジスト膜が積層されており、前記シリコン系ポリマー層24は、シロキサン構造、トリアルキルシリル構造、トリアルコキシシリル構造、またはポリシラン構造のうちのいずれかの構造のシリコン系ポリマーを含む。
【選択図】図2
Description
一方、フォトリソグラフィに用いられるフォトマスク(レチクルとも称する)における解像度向上のために、光を通過させる部分と遮光する部分で構成された従来のバイナリマスクの微細化、高精度化が進められているとともに、光の干渉を利用して解像度向上を図るため光を透過させる部分と半透過させる部分で構成されたハーフトーン型位相シフトマスクなどの位相シフトマスクの実用化が進行している。
また、1枚のフォトマスク内におけるCDの面内分布の均一性(Critical Dimension Uniformity:以後、CDUとも記す)も重要である。
CDUの定義は様々であり、同一CDでありながらピッチを変化させた形状を含んで定義する場合もある。
しかし、CDは、マスクパターン作成に用いる電子線描画装置などの描画装置の精度、電子線レジストなどのレジストの特性、遮光膜などの被エッチング加工物の特性、エッチング加工精度などの様々な要因により、設計寸法通りにはならずにCD誤差(CDEとも称する:Critical Dimension Error)を生じている。
特にピッチを変化させた形状におけるCDUは、エッチング条件および加工物の特性によりCDEが大きい。
しかし、この従来の方法では、45nmノード(ハーフピッチ65nm)以降のフォトマスクを製造するのがすでに困難になってきている。
一例としては、前記の粗密特性を含んだCDUが挙げられ、従来の方法では異なるピッチを含んだCDUは3σで4.8nm(ITRS2005:the International Technology Roadmap for Semiconductors)が求められ、同一ピッチ・同一線幅のCDUは3σ2.6nmから換算し、ピッチ成分によるCDEが4nm以下が期待されているのに対し、ピッチ成分によるCDEは8nm程度(260nm1対1〜孤立パターンまで)であり、要求されるであろうCDUが許容範囲に入らないという問題が生じている。
レジストに関しては、高解像性、安定性などが要求されているが、しかし、ハーフピッチ45nmの半導体デバイス開発を間近に控えた現在、解像性、安定性などの諸特性に優れた新しいレジストの実用化の目処は立っていない。
また、ドライエッチング装置・条件に関しても、均一性、解像性を高め且つ対レジスト高選択比の装置・条件が期待されているが、現在実用化の目処は立っていない。
そこで、現在のレジストの解像性を最大限に発揮し、遮光膜などのドライエッチングを含むフォトマスク加工側での解像性向上を図る方法の開発が求められている。
エッチングバイアスは、レジストパターン寸法に対するエッチング後の被エッチング対象物の寸法変化量として定義される(サイドエッチング量)。
すなわち、エッチングされる部分が小さい場合、大きい部分と比較し、エッチングバイアスが小さくなるという現象が生じ、CDUが損なわれる。この現象をドライエッチング条件を変更することによって改善しようとすると、例えば、異方性エッチング性を高めたエッチング条件にすると、パターンの疎密差によるCDEは改善されるが、レジストのドライエッチング耐性が問題となり、エッチングの最中にレジストパターンが消失してしまうという問題が生じる。
また同手法を適用した場合、同一ピッチ・同一寸法によるCDUの低下という問題も生じる。ドライエッチング条件を含め装置の開発が必要である。
一方、ドライエッチング耐性を上げるためにシリコン系電子線レジストが提案されているが、シリコン含有量を増やしてドライエッチング耐性を上げるとレジストの解像力が低下し、エッチング耐性と解像力が相反する関係にあり、ハーフピッチ65nm以降のテクノロジーに対する実用化の目処も立っていない。
現在、各種のレジスト材料が検討されているが、上記のように高解像、高耐ドライエッチング性などの良い特性を具えたレジスト材料は未だ見出されていない。
しかし、遮光膜としての本来の光学特性を維持するためには、遮光膜を一定の膜厚以下に薄くすることは困難であるという問題があった。
すなわち、ハーフピッチ65nm以降のフォトリソグラフィ技術に用いられ、微小パターンの寸法精度に優れ、かつ寸法の面内分布の均一性が高いマスクパターンを有するマスクを安価に製造するフォトマスクの製造方法に用いられるフォトマスクブランクスを提供するものである。
また、請求項7の発明に係るフォトマスクブランクスは、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のフォトマスクブランクスにおいて、前記シリコン系ポリマー層の塩素系ガスによるドライエッチング耐性が、前記電子線レジスト膜の2倍以上であることを特徴とするものである。
本発明のフォトマスクブランクスによれば、現状のレジストを変更することなく、解像力、ピッチ依存のCD特性が向上したフォトマスクを得ることが可能となる。
また、マスク製造プロセスの余裕度が大幅に増えるため、ドライエッチングにおけるパターンの疎密差によるCD誤差(シフト量)が低減され、微細でCD寸法精度に優れ、CDの面内分布の均一性が高いマスクパターンを有するフォトマスクを得ることができる。
また、フッ素系ガスによりドライエッチングできる化合物を主成分とするハーフトーン材料膜を用いた本発明のフォトマスクの製造方法では、下層のハーフトーン材料膜をドライエッチングしてパターニングするときに、遮光膜上のシリコン系ポリマー層も同時にエッチングされ、完成されたフォトマスク上にはシリコン系ポリマー層が残ることがなく、シリコン系ポリマー層の除去が不要であるという製造工程上の効果を奏する。
したがって、フォトマスク製造だけでなく半導体デバイス製造などにも適用することが可能である。
(第1の実施形態)
図1は、本発明のフォトマスクブランクスの第1の実施形態の一例を示す断面模式図である。
図1に示すように、本発明のフォトマスクブランクスは、透明基板11と、この透明基板11の一主面上に形成された遮光膜13と、遮光膜13上に非感光性のシリコン系ポリマー層14が塗布形成により設けられており、シリコン系ポリマー層14は塩素系ガスによるドライエッチング耐性が大きいことを特徴とするものである。
また、本発明のフォトマスクブランクスの形態としては、シリコン系ポリマー層14の上にさらに電子線レジストが積層されたレジスト付きフォトマスクブランクスであってもよい。
図2は本発明のフォトマスクブランクスの第2の実施形態の一例を示す断面模式図である。
図2に示すように、本発明のフォトマスクブランクスは、透明基板21と、この透明基板21の一主面上に積層されたハーフトーン材料膜22と、このハーフトーン材料膜22上に積層された遮光膜23と、遮光膜23上に非感光性のシリコン系ポリマー層24が塗布形成により設けられており、シリコン系ポリマー層24は塩素系ガスによるドライエッチング耐性が大きいことを特徴とするものである。
また、本発明のフォトマスクブランクスの形態としては、シリコン系ポリマー層24の上にさらに電子線レジストが積層されたレジスト付きフォトマスクブランクスであってもよい。
本発明のフォトマスクブランクスにおいて、透明基板11、21としては、光学研磨された合成石英ガラス、蛍石、フッ化カルシウムなどを用いることができるが、通常、多用されており品質が安定し、短波長の露光光の透過率の高い合成石英ガラスがより好ましい。
クロム系膜は、通常、クロム、酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロムの中から選ばれる材料の単層膜が用いられるが、それらのクロム系材料の中でも、成膜が容易で汎用性の高いクロム膜、または膜応力の低減が容易な窒化クロム膜がより好ましい。
たとえば、クロムを遮光膜とした場合には、45nm〜100nm程度の範囲の膜厚で用いられるが、微細パターンを形成するためには、膜厚は小さいほうがより好ましい。
遮光膜13、23の膜厚が45nm未満では、マスク作製後の遮光性が不十分となり、一方、膜厚が100nmを超えると遮光膜パターンとしての解像力が低下するからである。
例えば、モリブデンシリサイド化合物を主成分とするハーフトーン材料膜22として、モリブデンシリサイド酸化膜(MoSiO)、モリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)、モリブデンシリサイド酸化窒化膜(MoSiON)などの光半透過膜が挙げられる。
またハーフトーン材料膜として、タンタルハフニウム膜などのタンタル系膜、あるいは酸化窒化シリコンなどの薄膜も挙げられる。
これらのシリコン系ポリマー層14、24は、上記の構造を主成分とするポリマーを含む溶液を遮光膜13、23上にスピン塗布などの方法で塗布形成することで得ることができる。
上記のポリマーを含む溶液は、ポリマー、架橋剤および溶剤からなり、さらに必要に応じて架橋触媒、界面活性剤などを含有してもよい。
本発明において、シリコン系ポリマー層14、24はドライエッチングによりパターン状に形成するので感光性は必要とせず、操作性の点から通常の紫外光や可視光領域で非感光性であることが望ましい。
また、シリコン系ポリマー層14、24はマスク描画用の電子線に対しても感度は不必要であり、非感電子線性であることが望ましい。
本発明では、非感光性と非感電子線性を併せて非感光性と称する。
本発明で用いるシロキサン構造を有するシリコン系ポリマーの構造の細部は特に限定されないが、緻密な塗布膜を形成しやすい点でシロキサンラダーポリマーがより好ましく、シリコン原子上の置換基として有機基を有するオルガノシロキサンポリマーであることがより好ましい。
例えば、シロキサン構造を有するシリコン系ポリマーの具体例として、メチルシロキサン、メチルシルセスキオキサン、フェニルシロキサン、フェニルシルセスキオキサン、メチルフェニルシロキサン、メチルフェニルシルセスキオキサンのそれぞれのポリマー、およびハイドロジェンシロキサンポリマー、およびハイドロジェンシルセスキオキサンポリマーなどが挙げられる。
上記のポリシラン構造において、側鎖には、水素原子または置換もしくは非置換の炭化水素基、アルコシキ基等を有するのが好ましく、炭化水素基としては、脂肪族、脂環式または芳香族炭化水素基が用いられる。
脂肪族または脂環式炭化水素基の場合、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
また、芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
なお、置換炭化水素基としては、上記に例示した非置換の炭化水素基の水素原子の一部または全部をアルコキシ基等で置換したものが挙げられる。
アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。
例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、ビニル化合物などを挙げることができる。
架橋剤としては、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン、またはテトラメトキシメチルグリコールウリルなどのメラミン系、置換尿素系架橋剤が挙げられる。
上記の有機溶剤は単独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
有機溶剤の含有量は特に限定されず、塗布特性、塗布膜厚に応じて適宜設定することができる。
一般的には、溶剤を除いたシリコン系ポリマーを主とする固形分濃度が1〜30重量%程度の範囲で用いられる。
本発明のフォトマスクブランクスにおいては、シリコン系ポリマー層14、24の膜厚は、10nm〜100nmの範囲であるのが好ましい。
シリコン系ポリマー層14、24の膜厚が10nm未満であると、下層の遮光膜13、23をドライエッチングするときの耐性が不十分であり、一方、膜厚が100nmを超えると、シリコン系ポリマー層14、24のパターン加工時の解像力が低下してくるからである。
ハーフトーン材料膜22のパターンエッチング時に、同時に、より確実にシリコン系ポリマー層24をエッチング除去し得るからである。
この場合、レジストの膜厚はシリコン系ポリマー層14、24を用いない通常の膜厚よりも薄層とすることができ、膜厚100nm〜300nmの範囲にして用いることが可能である。
(第1の実施形態)
図3およびそれに続く図4は、上記の本発明の第1の実施形態のフォトマスクブランクスを用いたフォトマスクの製造方法の一実施形態を示す工程断面模式図である。
図3及び図4においては、図1に示すフォトマスクブランクスを用いてフォトマスクを製造する場合を示すので、図1と同じ箇所は同じ符号を用いている。
以下、図面を参照しながら、順に説明する。
上記のように、シリコン系ポリマー層14の膜厚は10nm〜100nmの範囲であるのが好ましい。
電子線レジストなどのレジストとしては、ネガ型、ポジ型のいずれも適用できる。
本製造方法では、レジスト膜15はシリコン系ポリマー層14のドライエッチング加工のみに用いるので、レジスト膜15を通常の塗布膜厚よりも薄く塗布し、薄層として用いることができる。
例えば、シリコン系ポリマー層14を用いない通常のドライエッチングの場合、レジスト膜の膜厚は300nm程度は必要であり、300nm未満では場合によっては遮光膜13のドライエッチング中にレジスト膜が膜減りし、甚だしい場合にはエッチング加工途中で消失してしまう危険性がある。
これに対し、本製造方法では、レジスト膜15の膜厚を100nm〜300nmの範囲にしても、シリコン系ポリマー層14のドライエッチング中にレジスト膜15ほとんど損傷せず微細パターンを形成できる。
レジスト膜15の膜厚が100nm未満では、ドライエッチングの耐性が不十分となり、且つ一方、膜厚が300nmを超えるとレジストパターンの解像力が低下してくるからである。
電子線描画時、遮光膜13は基板の帯電を防止し、描画パターンを精密に描く効果を示す。
シリコン系ポリマー層14は、CF4、CHF3、C2F6などのガス、あるいはこれらの混合ガス、あるいはこれらのガスに酸素を混合したガスをエッチングガスとして用いることによりドライエッチングを行うことができる。
遮光膜13がクロムである場合には、従来公知の塩素、あるいは塩素と酸素の混合ガスをエッチングガスとして用いることによりドライエッチングを行うことができる。
本製造方法においては、シリコン系ポリマーパターン14aの塩素系ガスによるドライエッチング耐性は、通常用いられるレジスト膜、例えば前記のレジストパターン15aの2倍以上の耐性を示すものである。
このため、遮光膜13を微細にパターンエッチングすることができる。
図5およびそれに続く図6は、上記の本発明の第2の実施形態のフォトマスクブランクスを用いたフォトマスクの製造方法の一実施形態を示す工程断面模式図である。
図5および図6においては、図2に示すフォトマスクブランクスを用いてフォトマスクを製造する場合を示すので、図2と同じ箇所は同じ符号を用いている。
第2の実施形態においては、ハーフトーン材料膜上に積層された遮光膜をパターン形成する工程までは、上記の第1の実施形態において説明した遮光膜パターンを形成する工程と同じであるが、以下、図面を参照しながら、あらためて順に説明する。
上記のように、シリコン系ポリマー層24の膜厚はハーフトーン材料膜22の膜厚よりも小さく、シリコン系ポリマー層24の膜厚が10nm〜100nmの範囲であるのが好ましい。
本製造方法では、レジスト膜25はシリコン系ポリマー層24のドライエッチング加工のみに用いるので、レジスト膜25を通常の塗布膜厚よりも薄く塗布し、薄層として用いることができる。
例えば、シリコン系ポリマー層24を用いない通常のドライエッチングの場合、レジスト膜の膜厚は300nm程度は必要であり、300nm未満では場合によっては遮光膜23のドライエッチング中にレジスト膜が膜減りし、甚だしい場合にはエッチング加工途中で消失してしまう危険性がある。
これに対し、本製造方法では、レジスト膜25の膜厚を100nm〜300nmの範囲にしても、シリコン系ポリマー層24のドライエッチング中にレジスト膜25ほとんど損傷せず微細パターンを形成できる。
レジスト膜25の膜厚が100nm未満では、ドライエッチングの耐性が不十分となり、且つ一方、膜厚が300nmを超えるとレジストパターンの解像力が低下してくるからである。
電子線描画時、遮光膜23は基板の帯電を防止し、描画パターンを精密に描く効果を示す。
シリコン系ポリマー層24は、CF4、CHF3、C2F6などのガス、あるいはこれらの混合ガス、あるいはこれらのガスに酸素を混合したガスをエッチングガスとして用いることによりドライエッチングを行うことができる。
遮光膜23がクロムである場合には、従来公知の塩素、あるいは塩素と酸素の混合ガスをエッチングガスとして用いることによりドライエッチングを行うことができる。
本製造方法においては、シリコン系ポリマーパターン24aの塩素系ガスによるドライエッチング耐性は、通常用いられるレジスト膜、例えば前記のレジストパターン25aの2倍以上の耐性を示すものである。
このため、遮光膜23を微細にパターンエッチングすることができる。
このとき、同時に、遮光膜パターン23a上のシリコン系ポリマーパターン24aもドライエッチングされる。図6(i)は、ドライエッチングの中間段階を示す図であり、ハーフトーン材料膜22がエッチングされると共に、シリコン系ポリマーパターン24aもエッチングされて膜減りしている状態を示す。
通常、シリコン系ポリマーパターン24aはハーフトーン材料膜22よりも早くエッチングされ、さらに本製造方法の好ましい形態においては、シリコン系ポリマー層の膜厚はハーフトーン材料膜の膜厚よりも小さい。
そのため、シリコン系ポリマーパターン24aが残存することによりハーフトーン材料膜22が過剰にエッチングされてサイドエッチングが入ったり、あるいは露出した透明基板21表面を損なうようなことがなく、ハーフトーン材料膜22を適正エッチングでパターン化することができる。
一般に、遮光膜パターン23aはマスク外周部などに部分的に残して半導体デバイス露光時の遮光用に用いられることが多い。
光学研磨した6インチ角、0.25インチ厚の透明な合成石英基板を洗浄し、その一主面上にハーフトーン材料膜としてモリブデンシリサイド化合物を主成分とし、かつ、酸素を含む層を以下の条件で形成した。ここで膜厚は、ArFエキシマレーザ用で透過率6%および位相差180度とするため70nmとした。
<ハーフトーン材料膜のスパッタリング条件>
成膜装置:プレーナ型DCマグネトロンスパッタリング装置
ターゲット:モリブデン:シリコン=1:4(原子比)
ガス及び流量:アルゴンガス50sccm+酸素ガス50sccm
スパッタ圧力:0.3パスカル
スパッタ電流:3.5アンペア
<遮光膜のスパッタリング条件>
成膜装置:プレーナ型DCマグネトロンスパッタリング装置
ターゲット:金属クロム
ガス及び流量:アルゴンガス50sccm
スパッタ圧力:0.3パスカル
スパッタ電流:3.5アンペア
シリコン系ポリマーとしては、テトラメトキシシランとメチルトリメトキシシランを反応させて得たシロキサンポリマーをn−ブタノールとメチル−3−メトキシプロピオネートを等量含む混合溶剤に溶解した溶液を用いた。
本製造方法においては、シリコン系ポリマー層と電子線レジストとのインターミキシングは起こらず、レジストの解像性に影響はなかった。
<シリコン系ポリマー層のエッチング条件>
エッチングガス CF4
ガス圧力 10mTorr
ICPパワー(高密度プラズマ発生) 950W
バイアスパワー(引き出しパワー) 50W
<クロム遮光膜のエッチング条件>
エッチングガス Cl2+O2ガス(2:3)
圧力 10mTorr
ICPパワー(高密度プラズマ発生) 500W
バイアスパワー(引き出しパワー) 25W
<ハーフトーン材料膜およびシリコン系ポリマー層のエッチング条件>
エッチングガス CF4
ガス圧力 10mTorr
ICPパワー(高密度プラズマ発生) 950W
バイアスパワー(引き出しパワー) 50W
本実施例によるハーフトーン型位相シフトマスクは、合成石英基板上にモリブデンシリサイド化合物を主成分とするハーフトーン位相シフト層によりマスクパターンが形成され、さらにその一部にクロム遮光膜が積層された構成をなすものである。
本実施例のハーフトーン型位相シフトマスクには、CDUの評価用に図7に示すようにピッチを変えたパターンを形成した。図7は評価用パターンが有するスペース幅が密なパターン(7−1)と疎なパターン(7−2)とを例示する拡大模式図である。
図7において、紙面黒部がハーフトーン部もしくは遮光部を示す。
実施例1で示したモリブデンシリサイド化合物を主成分とするハーフトーン材料膜の上にクロムよりなる遮光膜を形成した段階までの基板を比較例とし、比較例のハーフトーン位相シフトマスクブランクスとした。シリコン系ポリマー層を設けていない比較例としたこのブランクスは従来公知の構成である。シリコン系ポリマー層を設けていない比較例のブランクスを用いて、従来法により加工してハーフトーン型位相シフトマスクを得た。
比較例としたこのハーフトーン型位相シフトマスクの外観は、実施例1のハーフトーン型位相シフトマスクと同じであり、合成石英基板上にモリブデンシリサイド化合物を主成分とするハーフトーン位相シフト層によりマスクパターンが形成され、さらにその一部にクロム遮光膜が積層された構成をなすものである。
実施例1と比較例は、ブランクスとしては外観上相違があるものの、フォトマスクとした場合には外観上差異は無かった。
比較例のハーフトーン型位相シフトマスクも、実施例1と同様に、CDUの評価用に図7に示すようにピッチを変えたパターンを形成した。
その結果を図8に示す。
図8は、隣接するパターンのスペース幅が略200nm〜10000nmの範囲において、ドライエッチングによる寸法シフト差をレジストパターンのCDからマスクパターンのCDまでのCD誤差(シフト量)として示したものである。
図8の横軸は図7に示したパターンのスペース幅(nm)、縦軸はCDシフト量(nm)を示し、実施例1および比較例において、それぞれのパターンのラインが3本の場合と、7本の場合を図示してある。
表1では、パターンのラインが7本の場合と、3本の場合に分けて、実施例1の場合(A:7本、B:3本)と比較例の場合(C:7本、D:3本)のCDシフト量を示す。
一方、従来法はパターンの疎密に大きく依存しており、特にスペース幅が小さい領域において、CDシフト量の変化が著しいことが示された。
すなわち、従来法では粗密パターンを含むCD均一性の高いフォトマスクの製造は困難であったが、本発明のマスクブランクスを用い、本発明の製造方法によれば、微細パターンの精度に優れ、粗密を含むCD均一性の高いマスクパターンを有するフォトマスクを得ることができた。
なお、本実施例では、全体のシフト量が従来法より約5nm程度大きいが、これはパターン設計時に予めオフセットしておく、または本材料に対するエッチング条件の最適化により改善は容易である。
13、23 遮光膜
13a、23a 遮光膜パターン
14、24 シリコン系ポリマー層
14a、24a シリコン系ポリマーパターン
15、25 レジスト膜
15a、25a レジストパターン
16、26 電子線
22 ハーフトーン材料膜
22a ハーフトーンマスクパターン
Claims (7)
- 透明基板の一主面上に少なくとも遮光膜が形成された、フォトマスクブランクスであって、
前記遮光膜上に非感光性のシリコン系ポリマー層が、10nm〜100nmの範囲の膜厚で形成されており、
前記シリコン系ポリマー層の上に電子線レジスト膜が積層されており、
前記シリコン系ポリマー層は、シロキサン構造、トリアルキルシリル構造、トリアルコキシシリル構造、またはポリシラン構造のうちのいずれかの構造のシリコン系ポリマーを含むことを特徴とするフォトマスクブランスクス。 - 前記遮光膜が、クロムを含むことを特徴とする請求項1に記載のフォトマスクブランクス。
- 前記遮光膜が、ハーフトーン材料膜上に積層して形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフォトマスクブランクス。
- 前記シリコン系ポリマー層の膜厚が、前記ハーフトーン材料膜の膜厚よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載のフォトマスクブランクス。
- 前記ハーフトーン材料膜が、フッ素系ガスによりドライエッチングできる化合物を含むことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のフォトマスクブランクス。
- 前記電子線レジスト膜の膜厚が、100nm〜300nmの範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のフォトマスクブランクス。
- 前記シリコン系ポリマー層の塩素系ガスによるドライエッチング耐性が、前記電子線レジスト膜の2倍以上であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のフォトマスクブランクス。
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