JP5700003B2 - 高ドライエッチング耐性ポリマー層を付加したフォトマスクブランクスを用いたフォトマスクの製造方法 - Google Patents
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Description
一方、フォトリソグラフィに用いられるフォトマスク(レチクルとも称する)における解像度向上のために、光を通過させる部分と遮光する部分で構成された従来のバイナリマスクの微細化、高精度化が進められているとともに、光の干渉を利用して解像度向上を図るため光を透過させる部分と半透過させる部分で構成されたハーフトーン型位相シフトマスクなどの位相シフトマスクの実用化が進行している。
しかし、この従来の方法では、45nmノード(ハーフピッチ65nm)以降のフォトマスクを製造するのがすでに困難になってきている。一例としては、前記の粗密特性を含んだCDUが挙げられ、従来の方法では異なるピッチを含んだCDUは3σで4.8nm(ITRS2005:the International Technology Roadmap for Semiconductors)が求められ、同一ピッチ・同一線幅のCDUは3σ2.6nmから換算し、ピッチ成分によるCDEが4nm以下が期待されているのに対し、ピッチ成分によるCDEは8nm程度(260nm1対1〜孤立パターンまで)であり、要求されるであろうCDUが許容範囲に入らないという問題が生じている。
レジストに関しては、高解像性、安定性などが要求されているが、しかし、ハーフピッチ45nmの半導体デバイス開発を間近に控えた現在、解像性、安定性などの諸特性に優れた新しいレジストの実用化の目処は立っていない。また、ドライエッチング装置・条件に関しても、均一性、解像性を高め且つ対レジスト高選択比の装置・条件が期待されているが、現在実用化の目処は立っていない。
そこで、現在のレジストの解像性を最大限に発揮し、遮光膜などのドライエッチングを含むフォトマスク加工側での解像性向上を図る方法の開発が求められている。
(第1の実施形態)
図1は、本発明のフォトマスクブランクスの第1の実施形態の一例を示す断面模式図である。
図1に示すように、本発明のフォトマスクブランクスは、透明基板11と、この透明基板11の一主面上に形成された遮光膜13と、遮光膜13上に非感光性のシリコン系ポリマー層14が塗布形成により設けられており、シリコン系ポリマー層14は塩素系ガスによるドライエッチング耐性が大きいことを特徴とするものである。
また、本発明のフォトマスクブランクスの形態としては、シリコン系ポリマー層14の上にさらに電子線レジストが積層されたレジスト付きフォトマスクブランクスであってもよい。
図2は本発明のフォトマスクブランクスの第2の実施形態の一例を示す断面模式図である。
図2に示すように、本発明のフォトマスクブランクスは、透明基板21と、この透明基板21の一主面上に積層されたハーフトーン材料膜22と、このハーフトーン材料膜22上に積層された遮光膜23と、遮光膜23上に非感光性のシリコン系ポリマー層24が塗布形成により設けられており、シリコン系ポリマー層24は塩素系ガスによるドライエッチング耐性が大きいことを特徴とするものである。
また、本発明のフォトマスクブランクスの形態としては、シリコン系ポリマー層24の上にさらに電子線レジストが積層されたレジスト付きフォトマスクブランクスであってもよい。
本発明のフォトマスクブランクスにおいて、透明基板11、21としては、光学研磨された合成石英ガラス、蛍石、フッ化カルシウムなどを用いることができるが、通常、多用されており品質が安定し、短波長の露光光の透過率の高い合成石英ガラスがより好ましい。
たとえば、クロムを遮光膜とした場合には、45nm〜100nm程度の範囲の膜厚で用いられるが、微細パターンを形成するためには、膜厚は小さいほうがより好ましい。遮光膜13、23の膜厚が45nm未満では、マスク作製後の遮光性が不十分となり、一方、膜厚が100nmを超えると遮光膜パターンとしての解像力が低下するからである。
例えば、モリブデンシリサイド化合物を主成分とするハーフトーン材料膜22として、モリブデンシリサイド酸化膜(MoSiO)、モリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)、モリブデンシリサイド酸化窒化膜(MoSiON)などの光半透過膜が挙げられる。またハーフトーン材料膜として、タンタルハフニウム膜などのタンタル系膜、あるいは酸化窒化シリコンなどの薄膜も挙げられる。
本発明において、シリコン系ポリマー層14、24はドライエッチングによりパターン状に形成するので感光性は必要とせず、操作性の点から通常の紫外光や可視光領域で非感光性であることが望ましい。また、シリコン系ポリマー層14、24はマスク描画用の電子線に対しても感度は不必要であり、非感電子線性であることが望ましい。本発明では、非感光性と非感電子線性を併せて非感光性と称する。
例えば、シロキサン構造を有するシリコン系ポリマーの具体例として、メチルシロキサン、メチルシルセスキオキサン、フェニルシロキサン、フェニルシルセスキオキサン、メチルフェニルシロキサン、メチルフェニルシルセスキオキサンのそれぞれのポリマー、およびハイドロジェンシロキサンポリマー、およびハイドロジェンシルセスキオキサンポリマーなどが挙げられる。
上記のポリシラン構造において、側鎖には、水素原子または置換もしくは非置換の炭化水素基、アルコキシ基等を有するのが好ましく、炭化水素基としては、脂肪族、脂環式または芳香族炭化水素基が用いられる。脂肪族または脂環式炭化水素基の場合、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。なお、置換炭化水素基としては、上記に例示した非置換の炭化水素基の水素原子の一部または全部をアルコキシ基等で置換したものが挙げられる。アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。
例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、ビニル化合物などを挙げることができる。
有機溶剤の含有量は特に限定されず、塗布特性、塗布膜厚に応じて適宜設定することができる。一般的には、溶剤を除いたシリコン系ポリマーを主とする固形分濃度が1〜30重量%程度の範囲で用いられる。
本発明のフォトマスクブランクスにおいては、シリコン系ポリマー層14、24の膜厚は、10nm〜100nmの範囲であるのが好ましい。シリコン系ポリマー層14、24の膜厚が10nm未満であると、下層の遮光膜13、23をドライエッチングするときの耐性が不十分であり、一方、膜厚が100nmを超えると、シリコン系ポリマー層14、24のパターン加工時の解像力が低下してくるからである。
(第1の実施形態)
図3およびそれに続く図4は、上記の本発明の第1の実施形態のフォトマスクブランクスを用いたフォトマスクの製造方法の一実施形態を示す工程断面模式図である。
図3及び図4においては、図1に示すフォトマスクブランクスを用いてフォトマスクを製造する場合を示すので、図1と同じ箇所は同じ符号を用いている。以下、図面を参照しながら、順に説明する。
本発明の製造方法では、レジスト膜15はシリコン系ポリマー層14のドライエッチング加工のみに用いるので、レジスト膜15を通常の塗布膜厚よりも薄く塗布し、薄層として用いることができる。例えば、シリコン系ポリマー層14を用いない通常のドライエッチングの場合、レジスト膜の膜厚は300nm程度は必要であり、300nm未満では場合によっては遮光膜13のドライエッチング中にレジスト膜が膜減りし、甚だしい場合にはエッチング加工途中で消失してしまう危険性がある。これに対し、本発明の製造方法では、レジスト膜15の膜厚を100nm〜300nmの範囲にしても、シリコン系ポリマー層14のドライエッチング中にレジスト膜15はほとんど損傷せず微細パターンを形成できる。レジスト膜15の膜厚が100nm未満では、ドライエッチングの耐性が不十分となり、且つ一方、膜厚が300nmを超えるとレジストパターンの解像力が低下してくるからである。
シリコン系ポリマー層14は、CF4 、CHF3 、C2 F6などのガス、あるいはこれらの混合ガス、あるいはこれらのガスに酸素を混合したガスをエツチングガスとして用いることによりドライエッチングを行うことができる。
図5およびそれに続く図6は、上記の本発明の第2の実施形態のフォトマスクブランクスを用いたフォトマスクの製造方法の一実施形態を示す工程断面模式図である。図5および図6においては、図2に示すフォトマスクブランクスを用いてフォトマスクを製造する場合を示すので、図2と同じ箇所は同じ符号を用いている。
第2の実施形態においては、ハーフトーン材料膜上に積層された遮光膜をパターン形成する工程までは、上記の第1の実施形態において説明した遮光膜パターンを形成する工程と同じであるが、以下、図面を参照しながら、あらためて順に説明する。
本発明の製造方法では、レジスト膜25はシリコン系ポリマー層24のドライエッチング加工のみに用いるので、レジスト膜25を通常の塗布膜厚よりも薄く塗布し、薄層として用いることができる。例えば、シリコン系ポリマー層24を用いない通常のドライエッチングの場合、レジスト膜の膜厚は300nm程度は必要であり、300nm未満では場合によっては遮光膜23のドライエッチング中にレジスト膜が膜減りし、甚だしい場合にはエッチング加工途中で消失してしまう危険性がある。これに対し、本発明の製造方法では、レジスト膜25の膜厚を100nm〜300nmの範囲にしても、シリコン系ポリマー層24のドライエッチング中にレジスト膜25はほとんど損傷せず微細パターンを形成できる。レジスト膜25の膜厚が100nm未満では、ドライエッチングの耐性が不十分となり、且つ一方、膜厚が300nmを超えるとレジストパターンの解像力が低下してくるからである。
シリコン系ポリマー層24は、CF4 、CHF3 、C2 F6などのガス、あるいはこれらの混合ガス、あるいはこれらのガスに酸素を混合したガスをエツチングガスとして用いることによりドライエッチングを行うことができる。
光学研磨した6インチ角、0.25インチ厚の透明な合成石英基板を洗浄し、その一主面上にハーフトーン材料膜としてモリブデンシリサイド化合物を主成分とし、かつ、酸素を含む層を以下の条件で形成した。ここで膜厚は、ArFエキシマレーザ用で透過率6%および位相差180度とするため70nmとした。
<ハーフトーン材料膜のスパッタリング条件>
成膜装置: プレーナ型DCマグネトロンスパッタリング装置
ターゲット: モリブデン:シリコン=1:4(原子比)
ガス及び流量: アルゴンガス50sccm+酸素ガス50sccm
スパッタ圧力: 0.3パスカル
スパッタ電流: 3.5アンペア
<遮光膜のスパッタリング条件>
成膜装置: プレーナ型DCマグネトロンスパッタリング装置
ターゲット: 金属クロム
ガス及び流量: アルゴンガス50sccm
スパッタ圧力: 0.3パスカル
スパッタ電流: 3.5アンペア
シリコン系ポリマーとしては、テトラメトキシシランとメチルトリメトキシシランを反応させて得たシロキサンポリマーをn−ブタノールとメチル−3−メトキシプロピオネートを等量含む混合溶剤に溶解した溶液を用いた。
<シリコン系ポリマー層のエッチング条件>
エツチングガス CF4
ガス圧力 10mTorr
ICPパワー(高密度プラズマ発生) 950W
バイアスパワー(引き出しパワー) 50W
<クロム遮光膜のエッチング条件>
エッチングガスCl2+O2ガス(2:3)
圧力 10mTorr
ICPパワー(高密度プラズマ発生) 500W
バイアスパワー(引き出しパワー) 25W
<ハーフトーン材料膜およびシリコン系ポリマー層のエッチング条件>
エツチングガス CF4
ガス圧力 10mTorr
ICPパワー(高密度プラズマ発生) 950W
バイアスパワー(引き出しパワー) 50W
本実施例のハーフトーン型位相シフトマスクには、CDUの評価用に図7に示すようにピッチを変えたパターンを形成した。図7は評価用パターンが有するスペース幅が密なパターン(7−1)と疎なパターン(7−2)とを例示する拡大模式図である。図7において、紙面黒部がハーフトーン部もしくは遮光部を示す。
実施例1で示したモリブデンシリサイド化合物を主成分とするハーフトーン材料膜の上にクロムよりなる遮光膜を形成した段階までの基板を比較例とし、比較例のハーフトーン位相シフトマスクブランクスとした。シリコン系ポリマー層を設けていない比較例としたこのブランクスは従来公知の構成である。シリコン系ポリマー層を設けていない比較例のブランクスを用いて、従来法により加工してハーフトーン型位相シフトマスクを得た。比較例としたこのハーフトーン型位相シフトマスクの外観は、実施例1のハーフトーン型位相シフトマスクと同じであり、合成石英基板上にモリブデンシリサイド化合物を主成分とするハーフトーン位相シフト層によりマスクパターンが形成され、さらにその一部にクロム遮光膜が積層された構成をなすものである。実施例1と比較例は、ブランクスとしては外観上相違があるものの、フォトマスクとした場合には外観上差異は無かった。
比較例のハーフトーン型位相シフトマスクも、実施例1と同様に、CDUの評価用に図7に示すようにピッチを変えたパターンを形成した。
なお、本実施例では、全体のシフト量が従来法より約5nm程度大きいが、これはパターン設計時に予めオフセットしておく、または本材料に対するエッチング条件の最適化により改善は容易である。
13、23 遮光膜
13a、23a 遮光膜パターン
14、24 シリコン系ポリマー層
14a、24a シリコン系ポリマーパターン
15、25 レジスト膜
15a、25a レジストパターン
16、26 電子線
22 ハーフトーン材料膜
22a ハーフトーンマスクパターン
Claims (5)
- ハーフピッチ65nm以降の半導体デバイスの高集積化、超微細化を実現するための、フォトマスクの製造方法であって、透明基板の一主面上に少なくとも遮光膜が形成され、前記遮光膜上に塩素系ガスによるドライエッチング耐性が大きい非感光性の有機基を有するシリコン系ポリマー層であって、テトラメトキシシランとメチルトリメトキシシランを反応させて得たシロキサンポリマーを含むシリコン系ポリマー層が、10nm〜100nmの範囲の膜厚でスピン塗布形成されたフォトマスクブランクスを用い、且つ、前記透明基板を合成石英ガラスとし、前記遮光膜がクロムを主成分としており、順に、(1)前記シリコン系ポリマー層の上に電子線レジスト膜を薄層で塗布形成する工程と、(2)前記電子線レジスト膜を電子線描画装置により電子線でパターン描画してレジストパターンを形成する工程と、(3)前記レジストパターンをマスクとして前記シリコン系ポリマー層をフッ素系ガスによりドライエッチングしてシリコン系ポリマーパターンを形成する工程と、(4)前記レジストパターンを剥膜する工程と、(5)前記シリコン系ポリマーパターンをマスクとして前記遮光膜を塩素系ガスによりドライエッチングして遮光膜パターンを形成する工程と、を有することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
- 請求項1に記載のフォトマスクの製造方法において、前記工程(4)と前記工程(5)を入れ替えたことを特徴とするフォトマスクの製造方法。
- 請求項1または請求項2に記載のフォトマスクの製造方法において、前記遮光膜が、ハーフトーン材料膜上に積層して形成されており、前記ハーフトーン材料膜が、フッ素系ガスによりドライエッチングできる化合物を主成分とし、前記工程(1)〜(5)に続いて、順に、(6)前記遮光膜パターンをマスクとして前記ハーフトーン材料膜をフッ素系ガスによりドライエッチングしてマスクパターンを形成し、同時に、前記シリコン系ポリマーパターンをドライエッチングにより除去する工程と、(7)前記遮光膜パターンの一部または全部を除去する工程と、を有することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
- 前記電子線レジスト膜の膜厚が、100nm〜300nmの範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のフォトマスクの製造方法。
- 前記シリコン系ポリマー層の塩素系ガスによるドライエッチング耐性が、前記電子線レジスト膜の2倍以上であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のフォトマスクの製造方法。
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