JP4831368B2 - グレートーンマスクブランク及びグレートーンマスク - Google Patents

グレートーンマスクブランク及びグレートーンマスク Download PDF

Info

Publication number
JP4831368B2
JP4831368B2 JP2008209128A JP2008209128A JP4831368B2 JP 4831368 B2 JP4831368 B2 JP 4831368B2 JP 2008209128 A JP2008209128 A JP 2008209128A JP 2008209128 A JP2008209128 A JP 2008209128A JP 4831368 B2 JP4831368 B2 JP 4831368B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
light
semi
transparent
etching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008209128A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010044275A (ja
Inventor
英雄 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP2008209128A priority Critical patent/JP4831368B2/ja
Priority to KR1020090062558A priority patent/KR101295235B1/ko
Priority to TW098123527A priority patent/TWI442172B/zh
Priority to CN201210412083.6A priority patent/CN102929096B/zh
Priority to CN 200910160207 priority patent/CN101650527B/zh
Publication of JP2010044275A publication Critical patent/JP2010044275A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4831368B2 publication Critical patent/JP4831368B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、半導体集積回路等の製造などに用いられるフォトマスク(グレートーンマスク)の素材となるフォトマスクブランク(グレートーンマスクブランク)、特にFPD(フラットパネルディスプレイ)用として好適なグレートーンマスクの素材となるグレートーンマスクブランク及びグレートーンマスクに関する。
近年、TFT液晶表示装置の製造において、製造工程を簡略化するためにグレートーンマスクが用いられている。通常のフォトマスクは、透光部と遮光部とからなり、マスクを透過する露光光の強度は実質的に遮光及び透光の2値であるが、グレートーンマスクは、透光部と半透光部と遮光部とからなり、各々の部分から透過する露光光の強度を変え、遮光、半透光及び透光の3値となっている。グレートーンマスクを用いた露光は、通常のフォトマスク2枚分の工程を、グレートーンマスクを用いて1枚のフォトマスクで行うものである。
このようなグレートーンマスクの製造方法の1つとして、遮光膜としてクロム化合物を用い、半透光部は遮光膜を部分的にエッチングして厚みを低減して、所定の透過率が得られるようにしたものが提案されている(特許文献1:特開平7−49410号公報)。
しかし、このように部分的にエッチングする方法では、半透光部をフォトマスク全面に亘って均一にエッチングすることが難しいため、遮光膜と半透光膜との2層構造とし、それぞれに選択的エッチング可能な材料を用いたフォトマスクブランクを使用する方法が提案されている。このようなものとしては、遮光膜にCr、半透光膜にMoSiを用い、遮光膜のCrのパターニングには、塩素系ガスを用いたドライエッチング、又は硝酸第二セリウムと過塩素酸の混合溶液を用いたウエットエッチングを行い、MoSiのエッチングには、フッ素系ガスを用いる方法が開示されている(特許文献2:特開2005−37933号公報)。
特開平7−49410号公報 特開2005−37933号公報
半透光膜と遮光膜とを有するグレートーンマスクでは、反射率を低減するためには軽元素を添加する方法があるが、軽元素を添加して反射率が低減すると、膜の単位厚さ当たりの遮光性が低下するため、半透光膜の反射率を十分低くするために、膜厚を厚くしなければならないという問題がある。膜厚が増大すると、膜の加工性が低下してしまう。
また、半透光膜は、通常、露光光の位相をシフトする作用を有するため、膜厚が厚くなると、位相のシフト量が大きくなる。この位相のシフト量が大きくなると、半透光部と透光部とをそれぞれ通った光が干渉して、半透光部と透光部の境界に光の干渉によって、透過率の低い部分が形成されてしまうという問題がある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、半透光部の膜厚を厚くすることなく、半透光部に必要な透過率と反射率とが確保されたグレートーンマスク、及びその素材となるグレートーンマスクブランクを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、透光部と、露光光を露光に寄与しない程度に遮光する遮光部と、露光光に対し、透光部の透過率より低く、遮光部の透過率より高い透過率を有し、露光に寄与する透過率を有する半透光部とを有するグレートーンマスクを、透明基板上に、半透光膜、この半透光膜の反射率を調整する反射防止膜である第一反射防止膜、及び遮光膜を備え、これらの膜が、上記透明基板側から、半透光膜、第一反射防止膜、遮光膜の順に形成されてなるグレートーンマスクブランクを素材とし、半透光部と遮光部とを、各々、半透光膜、及び半透光膜の反射率を調整する反射防止膜である第一反射防止膜を含み、遮光膜を含まない半透光部と、半透光膜、半透光膜の反射率を調整する反射防止膜である第一反射防止膜、及び遮光膜を含む遮光部とで構成することにより、半透光部の膜厚を厚くすることなく、半透光部に必要な透過率と反射率とが確保されたグレートーンマスクとなり、更に、膜厚が低減されることによって、半透光部と透光部の境界の光の干渉による、透過率の低下を防ぐことができることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、下記グレートーンマスクブランク及びグレートーンマスクを提供する。
請求項1:
350nm以上500nm未満の間にピーク波長を有する光を露光光とし、透光部と、露光光を露光に寄与しない程度に遮光する遮光部と、露光光に対し、上記透光部の透過率より低く、上記遮光部の透過率より高い透過率を有し、露光に寄与する透過率を有する半透光部とを有し、露光光に対して透光、遮光及び半透光の3値をなすグレートーンマスクの素材となるグレートーンマスクブランクであって、
透明基板上に、半透光膜、半透光膜の反射率を調整する反射防止膜である第一反射防止膜、及び遮光膜を備え、これらの膜が、上記透明基板側から、半透光膜、第一反射防止膜、遮光膜の順に形成されてなることを特徴とするグレートーンマスクブランク。
請求項
上記第一反射防止膜と上記遮光膜とのエッチング特性が異なることを特徴とする請求項1記載のグレートーンマスクブランク。
請求項
上記第一反射防止膜と上記半透光膜とのエッチング特性が同じであることを特徴とする請求項記載のグレートーンマスクブランク。
請求項
上記第一反射防止膜と上記半透光膜とのエッチング特性が異なることを特徴とする請求項記載のグレートーンマスクブランク。
請求項
上記第一反射防止膜がフッ素を含むエッチングガスによってドライエッチングされ、かつ塩素と酸素を含むエッチングガスには耐性を有し、上記遮光膜がフッ素を含むエッチングガスによるドライエッチングに耐性を有し、かつ塩素と酸素を含むエッチングガスでエッチングされることを特徴とする請求項記載のグレートーンマスクブランク。
請求項
上記遮光膜がフッ素を含むエッチングガスによってドライエッチングされ、かつ塩素と酸素を含むエッチングガスには耐性を有し、上記第一反射防止膜がフッ素を含むエッチングガスによるドライエッチングに耐性を有し、かつ塩素と酸素を含むエッチングガスでエッチングされることを特徴とする請求項記載のグレートーンマスクブランク。
請求項
上記遮光膜の上に、更に第二反射防止膜を備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載のグレートーンマスクブランク。
請求項
350nm以上500nm未満の間にピーク波長を有する光を露光光とし、透光部と、露光光を露光に寄与しない程度に遮光する遮光部と、露光光に対し、上記透光部の透過率より低く、上記遮光部の透過率より高い透過率を有し、露光に寄与する透過率を有する半透光部とを有し、露光光に対して透光、遮光及び半透光の3値をなすグレートーンマスクであって、
半透光膜、及び半透光膜の反射率を調整する反射防止膜である第一反射防止膜を含み、遮光膜を含まない半透光部と、半透光膜、半透光膜の反射率を調整する反射防止膜である第一反射防止膜、及び遮光膜を含む遮光部とを備えることを特徴とするグレートーンマスク。
本発明によれば、半透光膜の上に半透光膜の反射率を調整する反射防止膜を形成することによってパターン形成後の半透光部の反射率を低減することができる。
更に、半透光膜の反射率を調整する反射防止膜と、半透光膜の反射率を調整する反射防止膜上に形成された遮光膜とのエッチング特性を異なるものとすることによって、加工を容易にするだけでなく、半透光膜の透過率の制御性を改善することができる。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明のグレートーンマスクブランクは、石英基板等の透明基板上に、半透光膜と遮光膜とを有し、これらは、例えば、図1に示されるように、透明基板1側から半透光膜2、半透光膜の反射率を調整する反射防止膜(第一反射防止膜)3、遮光膜4の順に形成される。半透光膜2、第一反射防止膜は、グレートーンマスクの半透光部を形成するための膜、遮光膜3は、グレートーンマスクの遮光部を形成するための膜であり、このようなグレートーンマスクブランクを素材としてグレートーンマスクを作製した後は、半透光膜2、半透光膜の反射率を調整する反射防止膜(第一反射防止膜)3及び遮光膜4は、図2に示されるように、グレートーンマスクの半透光部(この場合、半透光膜及び第一反射防止膜を含み、遮光膜を含まない)21、遮光部(この場合、半透光膜、第一反射防止膜及び遮光膜を含む)41となり、また、両者が除去された部分は透光部11となる。
本発明のグレートーンマスクは、透光部と半透光部と遮光部とを有する。透光部は、通常は、透明基板が表出した部分で、露光に寄与する透過率を有する。また、遮光部は、露光光を露光に寄与しない程度に遮光する機能を有する。一方、半透光部は、露光光に対し、透光部の透過率より低く、遮光部の透過率より高い透過率を有し、かつ露光に寄与する透過率を有する。また、グレートーンマスクブランク上に形成される半透光膜、半透光膜の反射率を調整する反射防止膜(第一反射防止膜)及び遮光膜は、遮光膜が、露光光を露光に寄与しない程度に遮光する機能を有し、半透光膜及び第一反射防止膜が、それら全体で、露光光に対し、透明基板の透過率より低く、遮光膜の透過率より高い透過率を有し、かつ露光に寄与する透過率を有する。
本発明のグレートーンマスクブランクは、透明基板上に、半透光膜、半透光膜の反射率を調整する反射防止膜(第一反射防止膜)及び遮光膜を備え、これらの膜が、上記透明基板側から、半透光膜、第一反射防止膜、遮光膜の順に形成されている。このような構成とすることによって、遮光膜のみをエッチングしたときに反射防止膜を膜の最表面層とすることによって、反射率が低減できる。
膜そのものの反射率を低減するためには、一般に酸素や窒素などを添加することでも反射率はある程度低減できるが、反射率の低減効果が十分でないだけでなく、光の遮光特性が低くなるために、所定の透過率を得るための膜厚が厚くなるという問題がある。また、半透光膜の膜厚が厚くなると透光部との位相差が大きくなり、透光部と半透光部の境界に半透光部分よりも透過率の低い部分が形成され、設計と遮光性の異なる部分が形成されるという問題もある。
これに対し、本発明では、半透光膜の上に反射防止膜を形成することによって、半透光機能を担わせる部分の膜厚を薄くして、加工性を改善するだけでなく、透光部と半透光部との位相差を小さくすることによって、正確にパターンを形成することができるようになる。更に、反射防止膜と半透光膜の各々の膜がないときと比べて片方の膜を、位相を進むようにし、他方を遅れるようにして、更に半透光部と透光部の位相差を小さくすることによって、更に半透光部と透光部の境界の透過率の低下を低減することもできる。
また、半透光膜が遮光膜よりも基板側にあることによって、全ての膜を成膜したグレートーンマスクブランクをパターニングして(膜のパターニング後に更に膜を成膜する工程を設けることなく)グレートーンマスクを作製することができる。
半透光膜の反射率を調整する反射防止膜(以下、第一反射防止膜という)は、遮光膜とエッチング特性が異なっていた方が、遮光膜だけを制御よくエッチングで取り除くことができ好ましい。第一反射防止膜と遮光膜とのエッチング特性が同じだと、精度よく遮光膜だけをエッチングすることが難しく、遮光膜をエッチングする際に第一反射防止膜もエッチングされてしまったり、遮光膜が部分的に残ったりして、半透光部の透過率の面内や基板間のばらつきを生じる原因になるおそれがある。更に、第一反射防止膜を遮光膜とエッチング特性が異なるようにすると、面内の反射率分布を一定にしやすいという利点もある。
また、第一反射防止膜と半透光膜のエッチング特性は、同じにしても、異なるものとしてもよい。第一反射防止膜と半透光膜とのエッチング特性を同じにすると、第一反射防止膜と半透光膜を同時にエッチングすることが可能となり、マスク製造工程を簡略化できる。
一方、第一反射防止膜と半透光膜とのエッチング特性を異なるようにすると、第一反射防止膜は、半透光膜のエッチングマスクとして機能させることができ、制御よく半透光膜を加工することができる。第一反射防止膜を用いずに、遮光膜をエッチングマスクとして機能させることもできるが、遮光膜を所定の透過率(遮光度)が得られるようにしようとすると、膜厚を厚くする必要があるため、エッチングマスクとして用いても加工精度を十分に上げにくい。第一反射防止膜をエッチングマスクとして機能させることによって半透光膜の加工精度を効果的に上げることができる。
第一反射防止膜と遮光膜のエッチング特性を異なるようにするには、例えば、CF4、SF6などのフッ素を含むフッ素系エッチングガスによってドライエッチングされ、塩素ガスと酸素ガスの混合ガスのような塩素と酸素を含む塩素酸素系エッチングガスには耐性を有する膜と、上記フッ素系エッチングガスによるドライエッチングに耐性を有し、上記塩素酸素系エッチングガスでエッチングされる膜の組み合わせにすればよい。
具体的には、例えば、第一反射防止膜がフッ素系エッチングガスによってドライエッチングされ、塩素酸素系エッチングガスには耐性を有し、遮光膜がフッ素系エッチングガスによるドライエッチングに耐性を有し、塩素酸素系エッチングガスでエッチングされるようにすることができる。
第一反射防止膜と遮光膜のエッチング特性が異なる場合、遮光膜パターンをマスクにして、第一反射防止膜をパターニングすることができるが、このとき、第一反射防止膜と半透光膜とのエッチング特性が同じ場合、例えば、半透光膜がフッ素系エッチングガスによってドライエッチングされ、塩素酸素系エッチングガスには耐性を有する場合は、第一反射防止膜を、レジストをマスクとしてエッチングするときと同じフッ素系エッチングガスで、半透光膜をエッチングすることができる。また、レジストの目減り量が少ないため、薄いレジスト膜で、精度よくエッチングすることができる。
一方、第一反射防止膜と半透光膜のエッチング特性が異なる場合、例えば、半透光膜がフッ素系エッチングガスによるドライエッチングに耐性を有し、塩素酸素系エッチングガスでエッチングされる場合は、第一反射防止膜をエッチングマスクとして半透光膜をパターン形成することができる。遮光膜と半透光膜のエッチング特性が同じときは、半透光膜のエッチングと、半透光部とする部分に残っている遮光膜とを同時に除去することが可能であるため、グレートーンマスク製造工程を簡略化できるという利点がある。更に、半透光膜を塩素酸素系エッチングガスでエッチングできる場合は、基板が粗面化しにくいという利点がある。
また、遮光膜がフッ素系エッチングガスによってドライエッチングされ、塩素酸素系エッチングガスには耐性を有し、第一反射防止膜がフッ素系エッチングガスによるドライエッチングに耐性を有し、塩素酸素系エッチングガスでエッチングされるようにしてもよい。
このような構成とした場合、遮光膜をパターニングするときに、レジストをマスクとしてエッチングを行うが、レジストの膜減りを低減することができ、薄いレジスト膜でパターン形成でき、粗密依存性も少ない良好な遮光膜パターンを精度よく形成することができる。第一反射防止膜と遮光膜のエッチング特性が異なる場合、遮光膜パターンをマスクにして、第一反射防止膜をパターニングすることができるが、第一反射防止膜と半透光膜とのエッチング特性が同じ場合、例えば、半透光膜がフッ素系エッチングガスによるドライエッチングに耐性を有し、塩素酸素系エッチングガスでエッチングされる場合、第一反射防止膜と同時に半透光膜をエッチングしてパターンを形成でき、その後に、半透光部となる部分のマスクとして用いた遮光膜のみを除去することで、パターンが形成できる。特に、遮光膜が塩素酸素系エッチングガスでエッチングされるときは、基板がエッチングされにくく、基板表面の荒れや白濁を防止することができる。
一方、第一反射防止膜と半透光膜のエッチング特性が異なる場合、例えば、半透光膜がフッ素系エッチングガスによってドライエッチングされ、塩素酸素系エッチングガスには耐性を有する場合は、第一反射防止膜をエッチングマスクとして半透光膜をパターン形成することができる。遮光膜と半透光膜のエッチング特性が同じときは、半透光膜のエッチングと、半透光部とする部分に残っている遮光膜とを同時に除去することが可能であるため、グレートーンマスク製造工程を簡略化できるという利点がある。
膜の具体的な材質として、フッ素系のエッチングガスでドライエッチングでき、塩素酸素系のエッチングガスではエッチングされないものとしては、シリコン、シリコン化合物を用いることによって、このようなエッチング特性を満たすことができる。シリコン化合物としては、シリコンと遷移金属とを少なくとも含むものが好ましく、例えば、遷移金属とシリコンとを、MoSi、TaSi、ZrSi、WSi等とし、更に、酸素、窒素、炭素等の軽元素を含有するものが好ましい。膜の透過率(遮光性)は、膜厚や、組成、例えば、軽元素、特に酸素や窒素の量を変えることで調整できる。
このようなものとして具体的には、例えば、MoSiN、MoSiON、MoSiO、TaSiON、TaSiN、TaSiO、ZrSiON、ZrSiN、ZrSiO、WSiON、WSiN、WSiOなどが挙げられる。なかでもMoSiON、MoSiNは、フッ素系のドライエッチングで特にエッチングしやすく、塩素酸素系のドライエッチングで耐性が良好であり好ましい。膜の構成元素の組成比は、例えば、遷移金属は0原子%以上70原子%以下、特に0原子%を超えて30原子%以下、シリコンは20原子%以上100原子%以下、特に40原子%以上100原子%未満、酸素は0原子%以上70原子%以下、特に0原子%を超えて60原子%以下、窒素は0原子%以上60原子%、特に0原子%を超えて50原子%以下とすればよい。
また、塩素酸素系のエッチングガスでエッチングでき、フッ素系のエッチングガスでエッチングされないものとしては、クロムを含むもの(クロム又はクロム化合物)を用いることによって特性を満たすことができる。クロム化合物としては、クロムと、酸素、窒素、炭素等の軽元素とを含有するもの、とりわけシリコンを含まないものが好ましい。膜の透過率(遮光性)は、膜厚や、組成、例えば、軽元素、特に酸素や窒素の量を変えることで調整できる。
このようなものとして具体的には、例えば、CrC、CrCN、CrCO、CrCON、CrN、CrON、CrOなどが挙げられる。膜の構成元素の組成比は、例えば、クロムは0原子%を超えて100原子%以下、特に20原子%以上100原子%以下、炭素は0原子%以上30原子%以下、特に0原子%を超えて20原子%以下、酸素は0原子%以上60原子%以下、特に0原子%を超えて50原子%以下、窒素は0原子%以上50原子%、特に0原子%を超えて40原子%以下とすればよい。
膜の構成として更に具体的には、半透光膜としてMoSiN、第一反射防止膜としてMoSiN、遮光膜としてCrN、また、半透光膜としてCrN、第一反射防止膜としてMoSiN、遮光膜としてCrNなどを組合せればよいが、これらに限定されるものではない。
半透光膜、遮光膜は、いずれか又は両方が単層でも多層でもよく、また、組成が膜厚方向に異なる構成としてもよく、光学特性が所定の特性を満たすように調整してもよい。
これら半透光膜と遮光膜の成膜方法は、特に制限はないが、スパッタ法を用いると膜材質の制約が少なく、均一な膜を得ることができる。スパッタ法では、膜を構成する遷移金属(例えば、Mo、Ta、Zr、W)及び/又はシリコンを含むターゲット、或いはクロムターゲットなどを用い、所定の光学特性が得られるように、膜を構成する軽元素に応じて、酸素を含むガス、窒素を含むガス、炭素を含むガスなどの反応性ガスの量や成膜条件(例えば、ターゲットの構成、ターゲットへの印加電量等)などを調整すればよい。
半透光部の透過率は、遮光部と透光部の間、即ち、透光部の透過率より低く、遮光部の透過率より高いものであり、これは得られるマスクの使用方法によって調整されるものであるが、通常、半透光膜と第一反射防止膜とを合わせて、例えば
10〜80%、より一般的には15〜60%とされる。
また、遮光部の透過率は、露光光を露光に寄与しない程度に遮光するものであることから、半透光膜、第一反射防止膜及び遮光膜を合わせて、例えば、光学濃度で2以上、好ましくは3以上あればよい。
更に、透過率調整は半透光膜が主として行うようにし、反射率の低減は第一反射防止膜で行うようにすることにより、膜の設計が容易となり、膜厚の低減効果も大きいため、第一反射防止膜の光学濃度は半透光膜よりも小さい方が好ましい。
各々の膜の膜厚としては、上記光学特性を満たすように調整すればよく、例えば、半透光膜は3〜100nm、特に3〜80nm、第一反射防止膜は5〜30nm、特に5〜20nm、遮光膜は40〜200nmとすればよい。
露光光には特に制限はないが、350nm以上500nm未満の間にピーク波長を有する光が好ましく、特に、436nm(g線)、405nm(h線)及び365nm(i線)から選ばれる少なくとも1つの波長をピーク波長として有する光が好ましい。また、露光光は、単一波長の光(レーザ光等のコヒーレントな光)であっても、波長幅を有する光(スペクトルを有する光)であってもよい。
基板については、上記露光光に対しい透明であればよく、合成石英や、ソーダ硝子などでよいが、合成石英が、熱膨張が小さいために好ましい。
更に、遮光膜の上に、更に第二反射防止膜を形成すると、遮光膜の反射率を低減することができるため好ましい。第二反射防止膜を設ける場合、第二反射防止膜は、遮光膜とエッチング特性が同じであることが好ましい。具体的には、遮光膜と第二反射防止膜が共に、フッ素を含むエッチングガスによってドライエッチングされ、かつ塩素と酸素を含むエッチングガスには耐性を有するもの、又は遮光膜と第二反射防止膜が共に、フッ素を含むエッチングガスによるドライエッチングに耐性を有し、かつ塩素と酸素を含むエッチングガスでエッチングされるものが好ましい。
また、半透光膜と基板との間に更に別の反射防止膜、密着性改善膜、表面粗さを改善するための下地層などを形成してもよい。
グレートーンマスクは、公知のリソグラフィーの手法によって、グレートーンマスクブランクから製造することができる。具体的には、下記方法が挙げられる。
(製造方法1) 半透光膜と第一反射防止膜のエッチング特性が同じ場合
例えば、石英基板の上に半透光膜、第一反射防止膜、遮光膜、第二反射防止膜の順に形成され、半透光膜と第一反射防止膜とはエッチング特性が同じ膜、遮光膜と第二反射防止膜とは同じエッチング特性の膜、第一反射防止膜と遮光膜とはエッチング特性が異なる膜として形成されたグレートーンマスクブランクを用いる。
基板とこの直上に形成される膜、例えば半透光膜のエッチング特性は同じでも異なっていてもよいが、異なっていた方が、基板を過剰に掘り込まなくてすみ、半透光部と透光部を透過した光の位相差が大きくならないため好ましい。
まず、第二反射防止膜の上にレジストを塗布する。レジストはネガ型でもポジ型でもよい。ポジ型レジストを用いた場合、透光部とする部分の描画(露光)、現像を行い、レジストパターンを形成する。次に、レジストパターンをマスクとして、第一反射防止膜にはエッチング耐性があり、遮光膜と第二反射防止膜をエッチングするエッチング条件でドライエッチングする。エッチングはウエットエッチングでもよい。このとき、第一反射防止膜はエッチングストッパとして機能するため、制御よくエッチングされる。次に、レジストパターンと反射防止膜、遮光膜のパターンをマスクとして、第二反射防止膜及び遮光膜にはエッチング耐性があり、第一反射防止膜と半透光膜がエッチングされるエッチャントを用いて、第一反射防止膜と半透光膜をエッチングし、透光部を形成する。ここではレジストパターンと第二反射防止膜、遮光膜のパターンをエッチングマスクとしたが、レジストを除去、洗浄して、第二反射防止膜、遮光膜のパターンをエッチングマスクとしてエッチングしてもよい。
上記エッチング中に、レジストが消滅するようにレジストの膜厚を設定した場合は、エッチング後にレジストの除去をおこなう必要がなくなり好ましい。上記エッチング後にレジストが残存している場合はレジストを除去し、洗浄した後に、再度レジストを塗布する。レジストはポジ型でもネガ型でもよいが、ポジ型の場合は、半透光部とする部分の描画(露光)、現像を行い、レジストパターンを形成する。次に、レジストパターンをマスクとして、第一反射防止膜にはエッチング耐性があり、遮光膜と第二反射防止膜とをエッチングするドライ又はウエットエッチングで、第二反射防止膜と遮光膜をエッチングし、半透光部とする部分を形成する。その後にレジストを除去し、グレートーンマスクが完成する。
より具体的には、例えば、以下の方法が採用できる。
石英基板の上に半透光膜、第一反射防止膜、遮光膜及び第二反射防止膜が順に形成され、半透光膜及び第一反射防止膜が、フッ素を含むエッチングガスによってドライエッチングされ、かつ塩素と酸素を含むエッチングガスには耐性を有する膜、遮光膜及び第二反射防止膜が、フッ素を含むエッチングガスによるドライエッチングに耐性を有し、かつ塩素と酸素を含むエッチングガスでエッチングされる膜である場合、まず、第二反射防止膜の上にポジ型レジストを塗布し、透光部とする部分の描画(露光)、現像を行い、レジストパターンを形成する。次に、レジストパターンをマスクとして、塩素ガスと酸素ガスの混合ガスで第二反射防止膜と遮光膜とをエッチングする。このとき、第一反射防止膜はエッチングストッパとして機能する。次に、レジストパターンと第二反射防止膜、遮光膜のパターンをマスクとして、フッ素系ガスであるSF6を用いて、第一反射防止膜と半透光膜をエッチングし、透光部を形成する。次にレジストを除去し、洗浄した後に、再度レジストを塗布して、半透光部とする部分の描画(露光)、現像を行い、レジストパターンを形成する。次に、レジストパターンをマスクとして、塩素ガスと酸素ガスの混合ガスで第二反射防止膜と遮光膜をエッチングし、半透光部とする部分を形成する。その後にレジストを除去して、グレートーンマスクが完成する。
(製造方法2) 半透光膜が第一反射防止膜のエッチング特性が異なり、遮光膜と同じ場合
例えば、石英基板の上に半透光膜、第一反射防止膜、遮光膜、第二反射防止膜の順に形成され、半透光膜と遮光膜と第二反射防止膜は同じエッチング特性の膜、第一反射防止膜だけが、半透光膜、遮光膜及び第二反射防止膜とエッチング特性が異なる膜として形成されたグレートーンマスクブランクを用いる。
基板とこの直上に形成される膜、例えば半透光膜のエッチング特性は同じでも異なっていてもよいが、異なっていた方が、基板を過剰に掘り込まなくてすみ、半透光部と透光部を透過した光の位相差が大きくならないため好ましい。
まず、第二反射防止膜の上にレジストを塗布する。レジストはネガ型でもポジ型でもよい。ポジ型レジストを用いた場合、透光部とする部分の描画(露光)、現像を行い、レジストパターンを形成する。次に、レジストパターンをマスクとして、第一反射防止膜にはエッチング耐性があり、遮光膜と第二反射防止膜をエッチングするエッチング条件でドライエッチングする。エッチングはウエットエッチングでもよい。このとき、第一反射防止膜はエッチングストッパとして機能するため、制御よくエッチングされる。次に、レジストパターンと第二反射防止膜、遮光膜のパターンをマスクとして、第二反射防止膜及び遮光膜にはエッチング耐性があり、第一反射防止膜がエッチングされるエッチャントを用いて、第一反射防止膜をエッチングし、透光部とする部分を形成する。ここではレジストパターンと第二反射防止膜、遮光膜のパターンをエッチングマスクとしたが、レジストを除去、洗浄して、第二反射防止膜、遮光膜のパターンをエッチングマスクとしてエッチングしてもよい。
上記エッチング中に、レジストが消滅するようにレジストの膜厚を設定した場合は、エッチング後にレジストの除去をおこなう必要がなくなり好ましい。上記エッチング後にレジストが残存している場合はレジストを除去し、洗浄した後に、再度レジストを塗布する。レジストはポジ型でもネガ型でもよいが、ポジ型の場合は半透光部とする部分と透光部とする部分の描画(露光)、現像を行い、レジストパターンを形成する。次に、第一反射防止膜はエッチング耐性があり、遮光膜と第二反射防止膜と半透光膜をエッチングするドライ又はウエットエッチングで、レジストパターンをエッチングマスクとして第二反射防止膜と遮光膜をエッチングし、同時に第一反射防止膜のパターンをエッチングマスクにして、半透光膜をエッチングして、半透光部とする部分を形成する。その後にレジストを除去し、グレートーンマスクが完成する。
より具体的には、例えば、以下の方法が採用できる。
石英基板の上に半透光膜、第一反射防止膜、遮光膜及び第二反射防止膜が順に形成され、第一反射防止膜が、フッ素を含むエッチングガスによってドライエッチングされ、かつ塩素と酸素を含むエッチングガスには耐性を有する膜、半透光膜、遮光膜及び第二反射防止膜が、フッ素を含むエッチングガスによるドライエッチングに耐性を有し、かつ塩素と酸素を含むエッチングガスでエッチングされる膜である場合、まず、第二反射防止膜の上にポジ型レジストを塗布し、透光部とする部分の描画(露光)、現像を行い、レジストパターンを形成する。次に、レジストパターンをマスクとして、塩素ガスと酸素ガスの混合ガスで第二反射防止膜と遮光膜をエッチングする。このとき、第一反射防止膜はエッチングストッパとして機能する。次に、レジストパターンと第二反射防止膜、遮光膜のパターンをマスクとして、フッ素系ガスであるSF6を用いて、第一反射防止膜をエッチングし、透光部とする部分を形成する。次にレジストを除去し、洗浄した後に、再度レジストを塗布して、半透光部とする部分及び透光部とする部分の描画(露光)、現像を行い、レジストパターンを形成する。次に、レジストパターンをマスクとして、塩素ガスと酸素ガスの混合ガスで第二反射防止膜と遮光膜をエッチングし、半透光部とする部分を形成すると同時に、第一反射防止膜のパターンをエッチングマスクにして、半透光膜をエッチングする。その後にレジストを除去して、グレートーンマスクが完成する。
なお、上記グレートーンマスクの製造方法の例では、第二反射防止膜を有するものの場合を示したが、第二反射防止膜を形成していないグレートーンマスクブランクからグレートーンマスクを製造する場合は、第二反射防止膜及び遮光膜のエッチングを、遮光膜のエッチングとし、第二反射防止膜及び遮光膜のパターンをエッチングマスクとして利用する代わりに、遮光膜のパターンのエッチングマスクとして利用すればよい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
石英基板の上にスパッタ法で、Ar(20sccm)、N2(5sccm)を真空チャンバーに流し、MoSiターゲットとSiターゲットを用いて、半透光膜としてMoSiN膜を膜厚15nmとして形成した。
次に、この半透光膜上にスパッタ法で、Ar(5sccm)、N2(50sccm)、O2(2sccm)を真空チャンバーに流し、MoSiターゲットとSiターゲットを用いて、第一反射防止膜としてMoSiON膜を膜厚31nmとして形成した。第一反射防止膜を形成した段階での透過率は、波長365nmにおいて20%、第一反射防止膜側からの反射率は、波長365nmにおいて15%であった。
次に、この第一反射防止膜上にスパッタ法で、Ar(20sccm)、N2(1sccm)を真空チャンバーに流し、Crターゲットを用いて、遮光膜としてCrN膜を膜厚60nmとして形成した。
更に、この遮光膜上にスパッタ法で、Ar(15sccm)、N2O(12sccm)を真空チャンバーに流し、Crターゲットを用いて、第二反射防止膜として、CrON膜を膜厚20nmとして形成して、グレートーンマスクブランクを得た。
[比較例1]
石英基板の上にスパッタ法で、Ar(5sccm)、N2(50sccm)、O2(2sccm)を真空チャンバーに流し、MoSiターゲットとSiターゲットを用いて、半透光膜としてMoSiN膜を膜厚80nm形成した。半透光膜を形成した段階での透過率は、波長365nmにおいて20%、半透光膜側からの反射率は、波長365nmにおいて15%であった。
次に、この半透光膜上にスパッタ法で、Ar(20sccm)、N2(1sccm)を真空チャンバーに流し、Crターゲットを用いて、遮光膜としてCrN膜を膜厚60nmとして形成した。
更に、この遮光膜上にスパッタ法で、Ar(15sccm)、N2O(12sccm)を真空チャンバーに流し、Crターゲットを用いて、反射防止膜として、CrON膜を膜厚20nmとして形成して、グレートーンマスクブランクを得た。
上記例で得られたグレートーンマスクブランクは、各々の膜を、フォトリソグラフィーの手法によりエッチングして、透光部、半透光部及び遮光部を有するグレートーンマスクとすることができる。実施例1で得られたグレートーンマスクの半透光部は、膜厚46nm(半透光膜15nmと第一反射防止膜31nm)で、透過率が20%、反射率が15%となっているのに対し、同じ透過率と反射率が得られる比較例1で得られたグレートーンマスクの半透光部は、膜厚80nm(半透光膜のみで80nm)である。従って、本発明では、半透光部が薄膜化される。
[実施例2]
石英基板の上にスパッタ法で、Ar(20sccm)、N2(1sccm)を真空チャンバーに流し、Crターゲットを用いて、半透光膜としてCrN膜を膜厚12nmとして形成した。
次に、この半透光膜上にスパッタ法で、Ar(5sccm)、N2(50sccm)を真空チャンバーに流し、MoSiターゲットとSiターゲットを用いて、第一反射防止膜としてMoSiN膜を膜厚12nmとして形成した。第一反射防止膜を形成した段階での透過率は、波長365nmにおいて20%、第一反射防止膜側からの反射率は、波長365nmにおいて26%であった。
次に、この第一反射防止膜上にスパッタ法で、Ar(20sccm)、N2(1sccm)を真空チャンバーに流し、Crターゲットを用いて、遮光膜としてCrN膜を膜厚60nmとして形成した。
更に、この遮光膜上にスパッタ法で、Ar(15sccm)、N2O(12sccm)を真空チャンバーに流し、Crターゲットを用いて、第二反射防止膜として、CrON膜を膜厚20nmとして形成して、グレートーンマスクブランクを得た。
[実施例3]
石英基板の上にスパッタ法で、Ar(20sccm)、N2(1sccm)を真空チャンバーに流し、Crターゲットを用いて、半透光膜としてCrN膜を膜厚10nmとして形成した。
次に、この半透光膜上にスパッタ法で、Ar(15sccm)、N2O(12sccm)を真空チャンバーに流し、Crターゲットを用いて、第一反射防止膜としてCrON膜を膜厚11nmとして形成した。第一反射防止膜を形成した段階での透過率は、波長365nmにおいて20%、第一反射防止膜側からの反射率は、波長365nmにおいて26%であった。
更に、この第一反射防止膜上にスパッタ法で、Ar(20sccm)、N2(5sccm)を真空チャンバーに流し、MoSiターゲットとSiターゲットを用いて、MoSi遮光膜としてMoSiN膜を膜厚60nmとして形成して、グレートーンマスクブランクを得た。
[比較例2]
石英基板の上にスパッタ法で、Ar(15sccm)、N2O(12sccm)を真空チャンバーに流し、Crターゲットを用いて、半透光膜としてCrN膜を膜厚46nmとして形成した。半透光膜を形成した段階での透過率は、波長365nmにおいて20%、半透光膜側からの反射率は、波長365nmにおいて28%であった。
次に、この半透光膜上にスパッタ法で、Ar(20sccm)、N2(5sccm)を真空チャンバーに流し、MoSiターゲットとSiターゲットを用いて、MoSi遮光膜としてMoSiN膜を膜厚60nmとして形成して、グレートーンマスクブランクを得た。
上記例で得られたグレートーンマスクブランクは、各々の膜を、フォトリソグラフィーの手法によりエッチングして、透光部、半透光部及び遮光部を有するグレートーンマスクとすることができる。実施例2で得られたグレートーンマスクの半透光部は、膜厚24nm(半透光膜12nmと第一反射防止膜12nm)で、透過率が20%、反射率が26%、実施例3で得られたグレートーンマスクの半透光部は、膜厚21nm(半透光膜10nmと第一反射防止膜11nm)で、透過率が20%、反射率が26%となっているのに対し、比較例2で得られたグレートーンマスクの半透光部は、透過率が20%となるように膜厚を合わせると、膜厚46nm(半透光膜のみで46nm)で、反射率が28%である。いずれの場合も、本発明の半透光部が薄膜化され、優位性があることがわかる。
本発明のグレートーンマスクブランクの一例を示す断面図である。 本発明のグレートーンマスクの一例を示す断面図である。
符号の説明
1 透明基板
2 半透光膜
3 半透光膜の反射率を調整する反射防止膜(第一反射防止膜)
4 遮光膜
11 透光部
21 半透光部
41 遮光部

Claims (8)

  1. 350nm以上500nm未満の間にピーク波長を有する光を露光光とし、透光部と、露光光を露光に寄与しない程度に遮光する遮光部と、露光光に対し、上記透光部の透過率より低く、上記遮光部の透過率より高い透過率を有し、露光に寄与する透過率を有する半透光部とを有し、露光光に対して透光、遮光及び半透光の3値をなすグレートーンマスクの素材となるグレートーンマスクブランクであって、
    透明基板上に、半透光膜、半透光膜の反射率を調整する反射防止膜である第一反射防止膜、及び遮光膜を備え、これらの膜が、上記透明基板側から、半透光膜、第一反射防止膜、遮光膜の順に形成されてなることを特徴とするグレートーンマスクブランク。
  2. 上記第一反射防止膜と上記遮光膜とのエッチング特性が異なることを特徴とする請求項1記載のグレートーンマスクブランク。
  3. 上記第一反射防止膜と上記半透光膜とのエッチング特性が同じであることを特徴とする請求項記載のグレートーンマスクブランク。
  4. 上記第一反射防止膜と上記半透光膜とのエッチング特性が異なることを特徴とする請求項記載のグレートーンマスクブランク。
  5. 上記第一反射防止膜がフッ素を含むエッチングガスによってドライエッチングされ、かつ塩素と酸素を含むエッチングガスには耐性を有し、上記遮光膜がフッ素を含むエッチングガスによるドライエッチングに耐性を有し、かつ塩素と酸素を含むエッチングガスでエッチングされることを特徴とする請求項記載のグレートーンマスクブランク。
  6. 上記遮光膜がフッ素を含むエッチングガスによってドライエッチングされ、かつ塩素と酸素を含むエッチングガスには耐性を有し、上記第一反射防止膜がフッ素を含むエッチングガスによるドライエッチングに耐性を有し、かつ塩素と酸素を含むエッチングガスでエッチングされることを特徴とする請求項記載のグレートーンマスクブランク。
  7. 上記遮光膜の上に、更に第二反射防止膜を備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載のグレートーンマスクブランク。
  8. 350nm以上500nm未満の間にピーク波長を有する光を露光光とし、透光部と、露光光を露光に寄与しない程度に遮光する遮光部と、露光光に対し、上記透光部の透過率より低く、上記遮光部の透過率より高い透過率を有し、露光に寄与する透過率を有する半透光部とを有し、露光光に対して透光、遮光及び半透光の3値をなすグレートーンマスクであって、
    半透光膜、及び半透光膜の反射率を調整する反射防止膜である第一反射防止膜を含み、遮光膜を含まない半透光部と、半透光膜、半透光膜の反射率を調整する反射防止膜である第一反射防止膜、及び遮光膜を含む遮光部とを備えることを特徴とするグレートーンマスク。
JP2008209128A 2008-08-15 2008-08-15 グレートーンマスクブランク及びグレートーンマスク Active JP4831368B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008209128A JP4831368B2 (ja) 2008-08-15 2008-08-15 グレートーンマスクブランク及びグレートーンマスク
KR1020090062558A KR101295235B1 (ko) 2008-08-15 2009-07-09 그레이톤 마스크 블랭크, 그레이톤 마스크, 및 제품 가공 표지 또는 제품 정보 표지의 형성방법
TW098123527A TWI442172B (zh) 2008-08-15 2009-07-10 Gray tone mask substrate, gray tone mask and product processing mark or product information marking method
CN201210412083.6A CN102929096B (zh) 2008-08-15 2009-07-30 灰色调掩模坯和灰色调掩模
CN 200910160207 CN101650527B (zh) 2008-08-15 2009-07-30 灰色调掩模坯、灰色调掩模及制品加工标识或制品信息标识的形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008209128A JP4831368B2 (ja) 2008-08-15 2008-08-15 グレートーンマスクブランク及びグレートーンマスク

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010044275A JP2010044275A (ja) 2010-02-25
JP4831368B2 true JP4831368B2 (ja) 2011-12-07

Family

ID=42015700

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008209128A Active JP4831368B2 (ja) 2008-08-15 2008-08-15 グレートーンマスクブランク及びグレートーンマスク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4831368B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5123349B2 (ja) * 2010-04-19 2013-01-23 Hoya株式会社 多階調マスクの製造方法
KR101504557B1 (ko) 2014-03-23 2015-03-20 주식회사 에스앤에스텍 블랭크 마스크 및 이를 이용한 포토 마스크
JP7303077B2 (ja) 2019-09-10 2023-07-04 アルバック成膜株式会社 マスクブランクスの製造方法及びフォトマスクの製造方法、マスクブランクス及びフォトマスク

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06123961A (ja) * 1992-10-12 1994-05-06 Hoya Corp 位相シフトマスク及び位相シフトマスクブランク並びに位相シフトマスクの製造方法
JPH0749410A (ja) * 1993-08-06 1995-02-21 Dainippon Printing Co Ltd 階調マスク及びその製造方法
JP4348534B2 (ja) * 2003-03-31 2009-10-21 信越化学工業株式会社 フォトマスクブランク及びフォトマスク並びにフォトマスクブランクの製造方法
JP4393290B2 (ja) * 2003-06-30 2010-01-06 Hoya株式会社 グレートーンマスクの製造方法及び薄膜トランジスタ基板の製造方法
KR101004395B1 (ko) * 2004-06-16 2010-12-28 호야 가부시키가이샤 포토마스크 블랭크 및 포토마스크
JP4766518B2 (ja) * 2006-03-31 2011-09-07 Hoya株式会社 マスクブランク及びフォトマスク

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010044275A (ja) 2010-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI481949B (zh) 光罩基底、光罩及此等之製造方法
KR101263500B1 (ko) 반투명 적층막, 포토마스크 블랭크, 포토마스크 및 이들의 제조방법
KR101680865B1 (ko) 포토마스크의 제조방법
KR101255414B1 (ko) 포토마스크 블랭크의 제조 방법 및 포토마스크의 제조 방법
TW201921097A (zh) 空白光罩及光罩
TWI467316B (zh) 光罩之製造方法
KR101780068B1 (ko) 마스크 블랭크 및 전사용 마스크의 제조 방법
TWI453529B (zh) 相偏移光罩基底及相偏移光罩之製造方法
JP6601245B2 (ja) フォトマスクブランク、フォトマスクの製造方法及びマスクパターン形成方法
TWI479257B (zh) 光罩基板、光罩及其製造方法
JP5642643B2 (ja) フォトマスクブランク及びその製造方法、並びにフォトマスク及びその製造方法
JP5606028B2 (ja) フォトマスクブランクおよびフォトマスクの製造方法
WO2010050447A1 (ja) フォトマスクブランク、フォトマスク及びその製造方法
KR20170122181A (ko) 마스크 블랭크, 전사용 마스크, 전사용 마스크의 제조방법 및 반도체 디바이스의 제조방법
JP5317310B2 (ja) マスクブランク及び転写用マスクの製造方法
JP3993005B2 (ja) ハーフトーン型位相シフトマスクブランク、ハーフトーン型位相シフトマスク及びその製造方法、並びにパターン転写方法
TWI758382B (zh) 相移光罩基底、相移光罩之製造方法、及顯示裝置之製造方法
JP2018116269A (ja) 表示装置製造用の位相シフトマスクブランク、表示装置製造用の位相シフトマスクの製造方法、並びに表示装置の製造方法
JP4831368B2 (ja) グレートーンマスクブランク及びグレートーンマスク
JP2009092823A (ja) フォトマスクブランクスおよびフォトマスク
JP2007271661A (ja) マスクブランク及びハーフトーン型位相シフトマスク
JP5829302B2 (ja) フォトマスクブランクの製造方法およびフォトマスクの製造方法
JP5362388B2 (ja) フォトマスクの製造方法及びパターン転写方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100622

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101025

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101027

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101222

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110427

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110722

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110801

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110824

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110906

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4831368

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140930

Year of fee payment: 3