JP5606028B2 - フォトマスクブランクおよびフォトマスクの製造方法 - Google Patents

フォトマスクブランクおよびフォトマスクの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5606028B2
JP5606028B2 JP2009210534A JP2009210534A JP5606028B2 JP 5606028 B2 JP5606028 B2 JP 5606028B2 JP 2009210534 A JP2009210534 A JP 2009210534A JP 2009210534 A JP2009210534 A JP 2009210534A JP 5606028 B2 JP5606028 B2 JP 5606028B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
light shielding
photomask
antireflection layer
surface antireflection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009210534A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011059502A (ja
JP2011059502A5 (ja
Inventor
雅広 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP2009210534A priority Critical patent/JP5606028B2/ja
Publication of JP2011059502A publication Critical patent/JP2011059502A/ja
Publication of JP2011059502A5 publication Critical patent/JP2011059502A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5606028B2 publication Critical patent/JP5606028B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)

Description

本発明は、半導体デバイスなどの製造過程において使用されるフォトマスクブランク、フォトマスクおよびフォトマスクの製造方法に関する。
近年、半導体デバイスの設計仕様でいうハーフピッチ(hp)32nm世代の開発が進められている。これはArFエキシマレーザー露光光の波長193nmの1/6に相当している。ハーフピッチ32nm以降の世代におけるマスク技術では、従来の位相シフト法、斜入射照明法や瞳フィルター法などの超解像技術(Resolution Enhancement Technology:RET)と光近接効果補正(Optical Proximity Correction:OPC)技術の適用だけでは不十分となってきており、超高NA技術(液浸リソグラフィー)やダブルパターニング/ダブル露光技術が必要となってきている。
フォトマスクの遮光膜に形成される転写パターンについても微細化が進んでいる。フォトマスクは、透明基板上に遮光膜が形成されたフォトマスクブランクに、レジスト塗布、電子線露光描画および現像処理を行って転写パターンが形成されたレジスト膜(レジストパターン)を形成し、このレジストパターンをマスクとしたドライエッチングにより、遮光膜に転写パターンを形成することで作製される。しかし、転写パターンの微細化に伴い、レジストパターンの線幅も小さくなり、レジスト膜厚がパターン線幅に対して相対的に高くなること等が起因し、レジストパターンの倒壊や欠落が発生するという問題が発生していた。この問題を解決するには、レジスト膜の膜厚を薄くする必要があるが、従来のフォトマスクブランクではCr系の遮光膜を使用していたこと、Cr系遮光膜をドライエッチングする際に使用するエッチングガスとして塩素と酸素の混合ガスが用いられること、レジスト膜は酸素プラズマに対する耐性が低く、ドライエッチング時にレジスト膜が多く消費されることがあり、レジスト膜を所定以上に薄くすることが困難であった。また、遮光膜には所定の遮光性能が必要であることから遮光膜を薄膜化することにも限界があった。
この問題に対応するため、酸素を実質的に含まないエッチングガスでドライエッチング可能な材料である遷移金属シリサイド系材料で遮光膜を形成したフォトマスクブランクを用いる方法が考えられる。しかし、遷移金属シリサイド系材料は、Cr系材料に比べてレジスト膜材料に対する濡れ性(密着性)が大幅に低く、レジスト膜厚を薄くできるにも関わらず、レジストパターンの倒壊や欠落が生じてしまう。他方、転写パターンの微細化に対応するためには、レジストパターンをマスクとして遮光膜に転写パターンを形成するよりも、レジスト膜よりもエッチング耐性が高く、薄膜化が可能なエッチングマスク(ハードマスク)を間に介する方が、遮光膜に形成される転写パターンの精度を高くできる。
これらの問題の解決策として、遷移金属シリサイド系の遮光膜/Cr系のエッチングマスク膜を形成したフォトマスクブランクを用いる方法が考えられている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、Cr系のエッチングマスク膜の膜厚を薄くすることによって、エッチングマスク膜のみをエッチングするためのレジスト膜の膜厚も薄くすることができ、レジスト膜の負担を軽減できる。したがって、このCr系のエッチングマスク膜にマスクパターンを転写したときの解像性の低下は改善される。加えて、この対応策では、レジストに比べ遮光膜に対してより高いエッチング選択性を有し、かつレジストに比べて膜厚が大幅に薄いエッチングマスク膜が遮光膜のエッチング用マスクとなることで、遮光膜パターンの限界線幅(CD;Critical Dimension)の改善が図れることが予想される。
このような遮光膜のドライエッチングに伴う透明基板のダメージを防止する従来技術として、透明基板と遮光膜との間にエッチングストッパ膜を介在したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このエッチングストッパ膜は、MoSi系の遮光膜のエッチングガスであるフッ素系のガスを用いたドライエッチングに対して耐性を有し、かつ酸素を含む塩素系ガスでエッチングされる。
特開2007−241065号公報
フォトマスクブランクからフォトマスクを作製する際、透光性基板上の薄膜(前記の遮光膜やエッチングマスク膜等)に対してドライエッチングを行うが、形成される転写パターンの側壁の断面形状は表面側から下面側にかけて垂直であることが理想的である。しかし、ドライエッチングが薄膜の下面まで到達した段階では、薄膜の表面側は転写パターンの溝幅とほぼ同じであるに対し、下面は側壁側のエッチングが十分進行せずに転写パターンの溝幅よりも狭く、側壁の断面形状は傾斜している状態の部分が多数存在する。このため、側壁の形状を垂直に近づけるための追加のエッチング(オーバーエッチング)を行う必要がある。特に、エッチングマスク膜の場合、その下層の遮光膜に転写パターンを転写するためのマスクとなるため、側壁の断面形状は、遮光膜の転写パターンのCDリニアリティに大きく影響する。しかし、前記Cr系のエッチングマスク膜のドライエッチング時に側壁の断面形状を立たせるためのオーバーエッチングを長く行うと、それに接して形成されている遷移金属シリサイド系(特にMoSi系)の遮光膜の表面側にダメージを与えてしまうため、オーバーエッチングをあまり掛けられないという問題がある。このため、このような構成のフォトマスクブランクでは、解像性、CDリニアリティ、スルーピッチをあまり上げられないという問題がある。
また、Cr系のエッチングマスク膜に形成された転写パターンをマスクとする遮光膜のドライエッチング終了後、エッチングマスク膜をドライエッチングにより剥離するが、このときにも遷移金属シリサイド系(特にMoSi系)の遮光膜の表面側にダメージを与えてしまう。通常、遮光膜の表面側は露光光に対する反射を抑制する必要があることから、遮光膜は、透光性基板側から主に遮光性能を確保するための遮光層と、表面反射を抑制するための表面反射防止層の少なくとも2層構造となっていることが多い。また、通常フォトマスクブランクの生産スルーピッチ向上の観点から、表面反射防止層を形成する材料は遮光膜の材料と同じ系統の材料(特許文献1の場合、同じMoSi系材料)を用いる。遷移金属シリサイド系の表面反射防止層がダメージを受けると、遮光膜の表面反射率が上昇してしまうことや、パターンプロファイルが劣化してしまう等の問題がある。
一方、遷移金属シリサイド系の遮光膜のドライエッチング時においても、遮光膜の側壁の断面形状を立たせるためにオーバーエッチングを長く過ぎると、直下の透光性基板にダメージを与えてしまうという問題がある。したがって、遮光膜の加工においても、解像性、CDリニアリティ、スルーピッチを上げられないという問題が生じる。
本発明の目的とするところは、遮光膜にダメージを与えることなくエッチングマスク膜の解像性、CDリニアリティ、スルーピッチの向上を実現させるフォトマスクブランク、フォトマスクおよびその製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、遮光膜の加工時に、透光性基板にダメージを与えずに、遮光膜の解像性、CDリニアリティ、スルーピッチの向上を実現するフォトマスクブランク、フォトマスクおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の第1の特徴は、ArF露光光が適用されるフォトマスクを作製するために用いられ、透光性基板上に、順次、遮光膜、エッチングマスク膜が形成されたフォトマスクブランクであって、遮光膜は、少なくとも遷移金属シリサイドを含む遮光層と、この遮光層の上に形成され、タンタル酸化物およびタンタル酸窒化物から選ばれるタンタル化合物からなる材料、または、前記タンタル化合物にホウ素および炭素から選ばれる1以上の元素を含有する材料からなる表面反射防止層と、前記遮光層と前記透光性基板との間に形成され酸素、窒素のうち少なくとも一方を含むクロム化合物からなる層と、を備え、エッチングマスク膜は、酸素、窒素のうち少なくとも一方を含むクロム化合物からなることを要旨とする。
ここで、表面反射防止層は、酸素の含有量が50原子%以上であることが好ましく、さらに遮光層は、材料中の炭素、ホウ素、ヘリウム、水素、アルゴンおよびキセノンの合計含有量が10原子%以下であることが好ましい。加えて、表面反射防止層は、膜厚が20nm以下であることが好ましい。
このように、酸素を含む塩素系ガスによるドライエッチングに対して高い耐性を有するタンタル化合物を遮光膜の表面反射防止層に適用することで、その表面反射防止層に接して形成されるエッチングマスク膜にクロム化合物からなる材料を用いて酸素を含む塩素系ガスでドライエッチングを行っても、表面反射防止層へのダメージは遷移金属シリサイドを用いた場合に比べて大幅に抑制することができる。
遮光層は、モリブデンシリサイドを含み、膜中のモリブデンの含有比率が9原子%以上、40原子%以下であり、前記遮光膜の合計膜厚が60nm以下であることが好ましい。
このように遮光層を上記条件のモリブデンシリサイドで形成したことにより、単位膜厚当たりの光学濃度を大きく稼ぐことが可能となり、波長が193nmのArFエキシマレーザー露光光における遮光性が相対的に大きくなる。したがって、全体として薄い膜厚の遮光膜もArFエキシマレーザー露光光における遮光性を相対的に大きくすることができ、半導体デバイスの設計仕様でいうハーフピッチ(hp)32nm世代以降のフォトマスクを製造することができるフォトマスクブランクを実現できる。なお、光学濃度をより向上させる観点では、遮光層は、モリブデンの含有比率が20原子%以上、40原子%以下であるモリブデンシリサイドを含むことがより好ましい。
エッチングマスク膜は、クロムに加えて、窒素、酸素のうち少なくともいずれかの成分を含み、膜中のクロム含有比率が50原子%以下であり、かつ膜厚が5nm以上、20nm以下であることが好ましい。
クロム化合物からなる層は、膜中のクロムの含有比率が50原子%以下であり、かつ膜厚が5nm以上、20nm以下であることが好ましい。
本発明の第2の特徴は、フォトマスクの製造方法であって、前記のフォトマスクブランクのうち、裏面反射防止層がクロム化合物からなる構成のものを用い、エッチングマスク膜上に形成されたレジストパターンをマスクとしてエッチングマスク膜に、酸素を含む塩素系ガスを用いるドライエッチングを行いパターン転写する工程と、エッチングマスク膜に形成されたパターンをマスクとして前記表面反射防止層および遮光層に、フッ素系ガスを用いるドライエッチングを行いパターン転写する工程と、前記表面反射防止層および遮光膜へのパターン転写後、酸素を含む塩素系ガスを用いるドライエッチングを行って、遮光層に形成されたパターンをマスクとして前記クロム化合物からなる層にパターンを転写し、かつ前記エッチングマスク膜を除去する工程と、を備えることを要旨とする。
このフォトマスクの製造方法では、遮光層と透光性基板の間に裏面反射防止層をクロム化合物で形成している。表面反射防止層および遮光層にパターンを転写するドライエッチングを行う際のエッチングガスであるフッ素系ガスに対し、裏面反射防止層は高い耐性を有するためエッチングストッパとしても機能する。また、遮光層のパターンをマスクとして裏面反射防止膜をドライエッチングする際、酸素を含む塩素系ガスをエッチングガスとして用いるが、透光性基板はこれに対して高い耐性を有する。このため、この裏面反射防止層へのパターン転写のドライエッチング時に、裏面反射防止層の側壁を立たせるためのオーバーエッチングを多く行った場合でも、透光性基板にダメージを抑制することができる。さらに、表面反射防止層をタンタル化合物で形成し、かつエッチングマスク膜をクロム化合物で形成していることから、裏面反射防止層にパターン転写するドライエッチング時、エッチングマスク膜を同時に除去するようにしても、表面反射防止層にかかるダメージを抑制することができる。
本発明によれば、フォトマスクブランクの遮光層に遷移金属シリサイド化合物を、エッチングマスク膜にクロム化合物をそれぞれ用いた場合において、遮光層の上層であり、エッチングマスク膜との間に設けられる表面反射防止層に、エッチングマスク膜をドライエッチングする際のエッチングガスである酸素を含む塩素系ガスに対して高い耐性を有するタンタル化合物を適用することにより、エッチングマスク膜にレジストパターンを転写する際にオーバーエッチングを長く行っても表面反射防止層へのダメージは大幅に抑制される。これにより、エッチングマスク膜のパターン側壁の断面形状をほぼ垂直に立たせることができ、解像性、CDリニアリティ、スルーピッチを改善することができるフォトマスクブランクおよびフォトマスクを実現できる。
また、本発明によれば、遮光膜へのパターン転写終了後にエッチングマスク膜を剥離除去する際に酸素を含む塩素系ガスを用いたドライエッチングを行う際、表面反射防止層へのダメージは大幅に抑制される。これにより、遮光膜の表面反射率の上昇やパターンプロファイルが劣化を大幅に抑制することができる。
さらに、本発明によれば、上記の構成に加え、遮光膜の透光性基板側にクロム化合物からなる裏面反射防止層を設けたことにより、裏面反射防止層が、表面反射防止層および遮光層にパターン転写するドライエッチングの際に用いられるフッ素系ガスに対してエッチングストッパの役割を果たし、裏面反射防止層へのパターン転写のドライエッチングに用いられる酸素を含む塩素系ガスに対して透光性基板は高い耐性を有するため、遮光膜に転写パターンを形成する際における透光性基板へのダメージを大幅に抑制することができる。これにより、表面反射防止層および遮光層へのパターン転写時にオーバーエッチングを長くかけること、裏面反射防止層へのパターン転写時にオーバーエッチングを長くかけられることから遮光膜のパターン側壁の断面形状をほぼ垂直に立たせることができ、解像性、CDリニアリティ、スルーピッチを改善することができるフォトマスクブランクおよびフォトマスクを実現できる。
さらに、本発明によれば、エッチングマスク膜のパターン形成工程においてオーバーエッチングをかけることを可能となし、エッチングマスク膜の解像性、CDリニアリティ、スルーピッチを向上させることができるフォトマスクの製造方法を実現できる。
本発明の第1の実施の形態に係るフォトマスクブランクの断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るフォトマスクの断面図である。 (a)〜(d)は、本発明の第1の実施の形態に係るフォトマスクブランクの製造工程を示す工程断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態に係るフォトマスクの製造工程を示す工程断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るフォトマスクブランクの断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るフォトマスクの断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の第2の実施の形態に係るフォトマスクの製造工程を示す工程断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るフォトマスクブランクの断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るフォトマスクの断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の第3の実施の形態に係るフォトマスクの製造工程を示す工程断面図である。 薄膜中のMo/Mo+Si比率および窒素含有比率と単位膜厚当たりの光学濃度との関係を示す図である。 (a)〜(c)は、比較例のフォトマスクの製造工程を示す工程断面図である。
以下、本発明に係るフォトマスクブランクについて詳細に説明する。
本発明に係るフォトマスクブランクは、ArF露光光が適用されるフォトマスク(例えば、ArFエキシマレーザー露光用のフォトマスク)であって半導体デバイスの設計仕様でいうハーフピッチ(hp)32nm世代以降で使用されるフォトマスクを作製するために用いられる。
〈フォトマスクブランクの概略構成〉
このフォトマスクブランクは、透光性基板上に、順次、遮光膜、エッチングマスク膜が形成されてなる。遮光膜は、少なくとも遷移金属シリサイドを含む遮光層と、この遮光層の上に接して形成され、かつ酸素、窒素のうち少なくとも一方を含むタンタル化合物からなる表面反射防止層とを備える。エッチングマスク膜は、酸素、窒素のうち少なくとも一方を含むクロム化合物からなる。
本発明では、酸素、窒素のうち少なくとも一方を含むクロム化合物からなるエッチングマスク膜は、MoSi系材料からなる遮光層やタンタル化合物材料からなる表面反射防止層等の遮光膜のドライエッチングガスであるフッ素系ガスに対するエッチング選択比を有する。しかし、エッチングマスク膜はフッ素系ガスによるエッチング中は物理的なエッチングの影響は少なからず受けるため、全く膜減りしないわけではない。よって、本発明では、Cr系のエッチングマスク膜を最適化しても、遮光膜全体の膜厚が65nm以上になると、フッ素系ガスによるドライエッチングのエッチング時間が長くなる。すると、このドライエッチング後のCr系のエッチングマスク膜の膜厚が薄くなり膜エッジ部が後退してしまう。したがって、Cr系のエッチングマスク膜のLER(Line Edge Roughness)が悪化するため、遮光膜パターンの解像性40nm未満の実現は困難になる。
これに加え、遮光膜に転写パターンを転写するためのレジスト膜の薄膜化や、電磁界(EMF)効果に起因するシミュレーション負荷の軽減を考慮すると、遮光膜10の膜厚は、少なくとも65nm未満とすべきであり、60nm以下とすることが望ましい。また、この遮光膜の膜厚を満たすため、遮光層の膜厚を40nm以下とすることが望ましい
また、遮光膜に裏面反射防止層を設けず、遮光層を透光性基板表面に接するように設け、裏面反射率を低下させる役割を持たせる構成とする場合においては、裏面反射防止機能を持たせるために酸素や窒素を上記比率よりも多く含有させる必要があり、遮光性能が若干低下するので、遮光層の膜厚を50nm以下とすることが望ましい。
〈遮光層について〉
遮光層は、上述したように遷移金属シリサイドを含む材料を用いている。適用可能な遷移金属としては、モリブデン、タンタル、タングステン、チタン、クロム、ハフニウム、ニッケル、バナジウム、ジルコニウム、ルテニウム、ロジウムなどを挙げることができる。遷移金属シリサイドは、これらの遷移金属をシリコンに一種あるは二種以上を添加したものである。
遮光層は、遮光性が非常に高い材料が好ましい。図11に、遮光層中に遷移金属のモリブデンとケイ素と窒素を含有する薄膜において、膜中の窒素含有比率が0原子%,10原子%,20原子%,30原子%,35原子%,40原子%のそれぞれの場合について、層中のモリブデンの含有比率をモリブデンとケイ素の合計含有比率で除した比率(以下、(Mo/Mo+Si)比率という。)と、単位膜厚当たりの光学濃度(ΔOD[/nm@193.4nm])との関係を示す。遮光層の窒素含有比率が増加するに従い、単位膜厚当たりの光学濃度は低下していく。一方、(Mo/Mo+Si)比率については、所定比率までは増加するに従い、単位膜厚当たりの光学濃度も増加する関係になるが、40原子%以下で、いずれの窒素含有比率の場合も頭打ちの傾向を示している。モリブデンとケイ素を含有する材料は、モリブデンの含有比率が高いと、耐薬性や耐洗浄性(特に、アルカリ洗浄や温水洗浄)が低下するという問題がある。これらのことを考慮すると、転写用マスクとして使用する際の必要最低限の耐薬性、耐洗浄性を確保できるモリブデンの含有比率である40原子%を上限とすることが好ましい。
前記のとおり、遮光膜に転写パターンを転写するためのレジスト膜の薄膜化や、電磁界(EMF)効果に起因するシミュレーション負荷の軽減を考慮すると、遮光膜10の膜厚は、少なくとも65nm未満とすべきであり、60nm以下とすることが望ましく、また、遮光膜は、遮光層と表面反射防止膜の2層積層構造、あるいはさらに遮光層と透光性基板との間に裏面反射防止層を備える3層積層構造とすることが通常である。これらの条件を考慮すると、遮光層の単位膜厚当たりの光学濃度は、ΔOD=0.05nm−1@193.4nm(波長が193.4nmのArFエキシマレーザー露光光における単位膜厚当たりの光学濃度ΔODが0.075)以上であることが少なくとも望まれる。この場合、遮光層の窒素含有比率を40原子%以下とする必要がある。また、窒素含有比率が40原子%の場合、(Mo/Mo+Si)比率は、15原子%以上28原子%以下とする必要がある。
遮光膜の薄膜化を考慮すると、ΔOD=0.06nm−1@193.4nm以上であることが望ましい。この場合、遮光層の窒素含有比率を33原子%以下とする必要がある。窒素含有比率が33原子%の場合、(Mo/Mo+Si)比率は、20原子%以上30原子%以下とする必要があり、窒素含有比率が30原子%の場合、(Mo/Mo+Si)比率は、15原子%以上33原子%以下とする必要がある。さらに、EMF効果に係るシミュレーション負荷のさらなる軽減を考慮すると、遮光層は、ΔOD=0.07nm−1@193.4nm以上であることがより望ましい。この場合、遮光層11の窒素含有比率を23原子%以下とする必要がある。窒素含有比率が23原子%の場合、(Mo/Mo+Si)比率は、20原子%以上30原子%以下とする必要があり、窒素含有比率が20原子%の場合、(Mo/Mo+Si)比率は、17原子%以上33原子%以下とする必要がある。遮光層の窒素含有比率が10原子%以上であると、裏面反射防止層を備えない構成(遮光層と表面反射防止層の2層積層構造)であっても裏面反射率を露光転写に影響のない範囲に抑制することが可能である。種々の露光条件に対応することを考慮すると、裏面反射率を30%以下に抑制することが求められる。裏面反射防止層を備えない構成でこれを達成するには、遮光層の窒素含有比率を20原子%以上とすることが望ましい。遮光層の窒素含有比率が10原子%未満の方が光学濃度は高いが、裏面反射防止層13を設けて裏面反射率を低減させる必要が生じる。
なお、図11では、遷移金属にモリブデンを適用した場合について傾向を示したが、他の遷移金属を適用した場合についても概ね同様の傾向を示す。また、酸素は、層中の含有比率に対する消衰係数の低下度合が窒素に比べて大きく、酸素の含有に率に比例して遮光層に必要な膜厚がより厚くなってしまう。窒素だけでも露光光に対する裏面反射率を低減させることは可能であることから、遮光層の酸素の含有比率は、10原子%未満であることが好ましく、さらに好ましくは、酸素を実質的に含有しない(コンタミ等によって含有されることを許容する程度)ことが好ましい。遮光層は、遮光性能への影響を与えない範囲(トータル10原子%以下)であれば、材料中に炭素、ホウ素、ヘリウム、水素、アルゴン、キセノン等を含んでもよい。
〈表面反射防止層について〉
表面反射防止層に適用するタンタル化合物材料としては、タンタル酸化物、タンタル窒化物、タンタル酸窒化物等のほか、これらにホウ素を加えた材料(TaBO,TaBN,TaBNO)が挙げられ、またこれらの材料に炭素(TaOC、TaOCN、TaBCO,TaBCN,TaBOCN)を加えてもよい。特にホウ素を加えることにより表面反射防止層の平滑化、アモルファス化、表面粗さの向上が図れる。ホウ素や炭素については、タンタルよりも遮光性能の低い元素であるので添加量は20原子%以下が好ましい。
また、表面反射防止層は、酸素を50原子%以上含有するタンタル酸化物を主成分とすることが好ましく、さらに膜厚が10nm以上、20nm以下であることが好ましい。この表面反射防止層の材料として酸化タンタルを主成分とする材料(TaO、TaBO、TaBNO、TaOC、TaOCN、TaBCO、TaBCON等)を選択した場合、酸素(O)の含有量が多いほど表面の反射防止効果に優れ、酸素の含有量は50原子%以上が適している。この表面反射防止層の膜厚は、下層の遮光層の光学特性(屈折率n,消衰係数k等)に依存し、露光にArFエキシマレーザー(波長193nm)を用いる場合には、10nm以上、20nm以下の範囲で調整する。
〈裏面反射防止層について〉
遮光膜は、遮光層の下に、酸素、窒素のうち少なくとも一方を含む遷移金属シリサイド化合物からなる裏面反射防止層を備える構成であってもよい。この裏面反射防止層としては、例えば、MoSiON、MoSiO、MoSiN、MoSiOC、MoSiCN、MoSiOCNなどのモリブデンシリサイド化合物や、その他の遮光層で適用可能な遷移金属を含有する遷移金属シリサイド化合物、もしくはCrOCNなどのクロム化合物などを用いることができる。上記のモリブデンシリサイド化合物やその他の遷移金属シリサイド化合物を裏面反射防止層として用いる場合は、遮光層のドライエッチングで用いられるフッ素系ガスで遮光層と共に連続的にドライエッチングすることができる。上記クロム化合物を裏面反射防止層として用いる場合は、後述するエッチングマスク膜を塩素系ガスでドライエッチングにより剥離(ドライ剥離)する際に、一緒にエッチングを行うことができる。
また、裏面反射防止層としてクロム化合物を用いる場合は、膜中のクロムの含有比率が50原子%以下であり、かつ膜厚が5nm以上、20nm以下であることが好ましい。
ここで、クロム化合物で形成する裏面反射防止層は、Cr成分がリッチな材料の方が表面反射防止層および遮光層のエッチングガスであるフッ素系ガスを用いたドライエッチングのエッチングレートが遅いので好ましい。しかし、この裏面反射防止層はエッチングストッパとしての機能を果たせばよいため、後工程でドライエッチングする観点からはある程度エッチングレートは速くてもよい。
また、Cr成分がリッチであると、露光光に対する反射が高くなり、裏面反射防止としての機能が低下してしまう(遮光膜の裏面反射率が高くなってしまう)。これらの観点を考慮すると、Cr化合物を用いる裏面反射防止層は、膜中のクロムの含有比率が50原子%以下であることが好ましい。
上述のように、裏面反射防止層は塩素系ガスを用いたドライエッチングでは、ある程度エッチングレートが速くてもよく、膜厚も20nm以下に薄くしてもよいが、上層膜のためのエッチングストッパとしての機能を果たすため、裏面反射防止機能を果たすためには、少なくとも5nm以上の膜厚が必要となる。
〈エッチングマスク膜について〉
エッチングマスク膜は、クロム(Cr)に加えて、窒素、酸素のうち少なくともいずれかの成分を含み、膜中のクロム含有比率が50原子%以下であり、かつ膜厚が5nm以上、20nm以下であることが好ましい。
このようなCr系のエッチングマスク膜パターンのLER(Line Edge Roughness)を低減する観点からは、Cr系のエッチングマスク膜は、Cr成分がリッチな材料の方が遮光膜のエッチングガスであるフッ素系ガスを用いたドライエッチングのエッチングレートが遅いので好ましい。しかし、エッチングマスク膜の上層のレジストパターンのLERを低減する観点からは、Cr系エッチングマスク膜は、Cr成分がリッチな材料では塩素系(Cl+O)ドライエッチングのエッチングレートが遅いので好ましくない。これらの観点を考慮すると、Cr系のエッチングマスク膜は、膜中のクロムの含有比率が50原子%以下であることが好ましい。
また、レジストパターンのLERを低減する観点からは、Cr系エッチングマスク膜の膜厚は20nm以下であることが好ましい。そして、下層の遮光膜にマスクパターンを転写するエッチングプロセスが完了するまで、エッチングマスクがマスクパターンを維持しなければならないため、Cr系のエッチングマスク膜の膜厚は5nm以上であることが好ましい。
以上、本発明のフォトマスクブランクについて説明したが、本発明のフォトマスクブランクは、位相シフト効果を用いないバイナリ型フォトマスクブランク、レジスト膜付フォトマスクブランクを含む。
本発明に係るフォトマスクブランクでは、上記した構成のモリブデンシリサイドを含む遮光層としたことにより、遮光膜の薄膜化(転写パターンの薄膜化)が達成できる。したがって、マスクパターン加工時におけるレジストパターンの倒壊や欠落の防止を図ることができる。また、遮光膜の薄膜化によって、マスクパターンの側壁高さも低くなることから、側壁高さ方向のパターン精度が向上し、CD精度(特にリニアリティ)を高めることができる。特に高NA(液浸)世代で使用されるフォトマスクに関しては、シャドーイング対策として、マスクパターンを薄くする(マスクパターンの側壁高さを低くする)必要があるが、その要求に応えられる。
また、本発明では、遮光層のモリブデン含有率が上述の範囲であると、この範囲外の組成のものに比較して、フッ素系ガスによるドライエッチングにおけるエッチング速度が相対的に大きくなる。
次に、図面を参照して、本発明の各実施の形態に係るフォトマスクブランク、フォトマスクおよびフォトマスクの製造方法について説明する。ただし、図面は模式的なものであり、各層の厚みや厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。
[第1の実施の形態]
〈フォトマスクブランクの構成〉
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るフォトマスクブランク1の積層状態を示す断面図である。このフォトマスクブランク1は、波長200nm以下の露光光が適用されるフォトマスク(例えば、ArFエキシマレーザー露光用のフォトマスク)であって半導体デバイスの設計仕様でいうハーフピッチ(hp)32nm世代以降で使用されるフォトマスクを作製するために用いられる。
図1に示すように、このフォトマスクブランク1は、透光性基板2上に、順次、遮光膜10、エッチングマスク膜20が形成されてなる。遮光膜10は、透光性基板2の上に接して形成された裏面反射防止層11と、裏面反射防止層11の上に接して形成された遮光層12と、この遮光層12の上に接して形成された表面反射防止層13と、からなる。
本実施の形態では、透光性基板2の構成材料として、合成石英、CaF、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、低熱膨張ガラス、アルミノシリケートガラスなどを適用することができる。
裏面反射防止層11は、フッ素系ガスを用いてドライエッチングが可能な、例えばMoSiON、MoSiN、MoSiOC、MoSiCN、MoSiOCNなどで形成されている。
遮光層12は、フッ素系ガスを用いてドライエッチングが可能なMoSiで形成されている。なお、遮光層12としては、このMoSi以外に、少なくとも遷移金属シリサイドを含む材料を用いることができる。適用可能な遷移金属としては、上記モリブデン以外に、タンタル、タングステン、チタン、クロム、ハフニウム、ニッケル、バナジウム、ジルコニウム、ルテニウム、ロジウムなどを挙げることができる。遷移金属シリサイドは、これらの遷移金属をシリコンに一種あるいは二種以上を添加したものである。
表面反射防止層13は、酸素を含む塩素系ガスを用いたドライエッチングに高い耐性を有し、かつフッ素系ガスを用いてドライエッチングが可能な材料、すなわち酸素、窒素のうち少なくとも一方を含むタンタル化合物(TaBO、TaBN、TaBNO等)で形成されている。したがって、表面反射防止層13は、本来の表面反射防止機能に加えてエッチングストッパとしての機能を兼ね備える。なお、本実施の形態では、タンタル化合物として、酸素を50原子%以上含有するタンタル酸化物を用いる。具体的には、タンタル酸化物として、酸化タンタル(TaO)を用いている。
エッチングマスク膜20は、酸素を含む塩素系ガスでドライエッチングが可能な材料、すなわち、酸素、窒素のうち少なくとも一方を含むクロム化合物で形成されている。なお、クロム化合物としては、CrOCN、CrNなどを挙げることができる。
上述したように、本実施の形態に係るフォトマスクブランク1は、透光性基板2の上に、順次、裏面反射防止層11、遮光層12、表面反射防止層13、エッチングマスク膜20が積層されてなる。なお、遮光膜10は、裏面反射防止層11と遮光層12と表面反射防止層13とからなる。
本実施の形態に係るフォトマスクブランク1では、フォトマスクの作製工程において、エッチングマスク膜20をパターニングする際に、エッチングマスク膜20の加工断面の側壁立ち上がりを得るためにオーバーエッチングをかけても、表面反射防止層13の表面にダメージを与えることを抑制できる。したがって、エッチングマスク膜20のパターニング工程において解像性、CDリニアリティを向上させることができる。また、本実施の形態に係るフォトマスクブランク1では、遮光膜10を加工した後に、エッチングマスク膜20を剥離除去するために、酸素を含む塩素系ガスでドライエッチングを施した場合に、表面反射防止層13や遮光層12へダメージが生じることを抑制でき、表面反射防止層13の反射率が変化したり、パターンプロファイルが劣化したりすることを抑制できるという利点がある。
〈フォトマスクの構成〉
図2は、第1の実施の形態に係るフォトマスク100を示す。このフォトマスク100は、ArFエキシマレーザー露光光が適用されるフォトマスクであって半導体デバイスの設計仕様でいうハーフピッチ(hp)32nm世代以降で使用される。
第1の実施の形態に係るフォトマスク100は、上記フォトマスクブランク1を用いて作製されたものである。図2に示すように、透光性基板2上に、パターニングが施された遮光膜10を備えてなる。遮光膜10は、透光性基板2に接して形成された裏面反射防止層11と、裏面反射防止層11に接して形成された遮光層12と、この遮光層12の上に形成された表面反射防止層13と、からなる。
第1の実施の形態に係るフォトマスク100は、後述する実施例1−2で行う加工が施され作製されるが、電子線描画装置を用いて描画(露光)されて形成されたレジストパターンが忠実に転写された構造を有する。また、表面反射防止層13は、ドライエッチングによるダメージが少なく、表面反射防止層13の構成材料本来の光反射率の変動が防止されている。
第1の実施の形態に係るフォトマスク100は、位相シフト効果を用いないバイナリ型フォトマスク、位相シフト効果を用いる位相シフトマスクの中ではレベンソン型位相シフトマスク、エンハンサーマスクを含む。加えて、フォトマスクにはレチクルも含む。
(実施例1−1)
〈フォトマスクブランクの作製〉
次に、図3(a)〜(d)を用いてフォトマスクブランクを作製した実施例1−1について説明する。なお、本実施例において、遮光膜やエッチングマスク膜などの各膜は、成膜法としてスパッタリング法で行われ、スパッタ装置としてDCマグネトロンスパッタ装置を用いて成膜している。ただし、本発明を実施するにあたっては、特にこの成膜法や成膜装置に限定されるものではなく、例えばRFマグネトロンスパッタ装置などの他の方式のスパッタ装置を使用してもよい。
本実施例では、透光性基板2としてサイズ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英基板を用いた。図3(a)〜(c)に示すように、透光性基板2上に、順次、MoSiONでなる裏面反射防止層11、MoSiでなる遮光層12、Ta化合物としてのTaOでなる表面反射防止層13を形成する。遮光膜10は、裏面反射防止層11と遮光層12と表面反射防止層13とでなる。
具体的には、先ず、スパッタ装置のチャンバ内に、透光性基板2を配置させる。Mo:Si=21:79(原子%比)のターゲットを用い、アルゴン(Ar)と酸素(O)と窒素(N)とヘリウム(He)をスパッタリングガス圧0.2Pa(ガス流量比 Ar:O:N:He=5:4:49:42)とし、DC電源の電力を3.0kWで、モリブデン、シリコン、酸素、窒素(Moが0.3原子%、Siが24.6原子%、Oが22.5原子%、Nが52.6原子%)からなる裏面反射防止層11を膜厚7nmとなるように形成する(図3(a)参照)。
続いて、図3(b)に示すように、上記ターゲットと同様のMo:Si=21:79(原子%比)のターゲットを用いArとHeとの混合ガスをスパッタリングガス圧0.2Pa(ガス流量比 Ar:He=20:120)とし、DC電源の電力を2.0kWで、モリブデンおよびシリコン(Moが21.0原子%、Siが79.0原子%)からなる遮光層12を、膜厚30nmとなるように形成する。因みに、裏面反射防止層11および遮光層12の元素分析は、ラザフォード後方散乱分析法を用いた。
その後、Taターゲットを用い、流量58sccmのArと、流量32.5sccmのOとを混合したガスをチャンバ内に導入し、続いてDC電源の電力を0.7kWに設定し、上記遮光層(MoSi)12の上に、表面反射防止層(TaO)13を膜厚が11nmとなるように形成する(図3(c)参照)。このようにして形成された遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.0であった。次に、上記基板を450℃で30分間加熱処理(アニール)し、膜応力を低減させた。
上記のように作製した遮光膜10の表面反射防止層13の反射率(表面反射率)は、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において22.8%であった。屈折率n、消衰係数kの値を光学式薄膜特性測定装置(n&k1280:n&kテクノロジー社製)で算出したところ、MoSiONでなる裏面反射防止層11の屈折率nは2.39、消衰係数kは0.78であり、MoSiでなる遮光層12の屈折率nは2.42、消衰係数kは2.89であり、TaOでなる表面反射防止層13の屈折率nは2.23、消衰係数kは1.09であった。また、XPS分析(蛍光X線分析)を行ったところ表面反射防止層(TaO)13の酸素(O)含有量は58原子%であった。
次いで、図3(d)に示すように、Crをターゲットとして用い、ArとCOとNとHeをスパッタリングガス圧0.2Pa(ガス流量比Ar:CO:N:He=21:37:11:31)とし、DC電源の電力1.8kWで、CrOCN膜(膜中のCr含有率:33原子%)でなるエッチングマスク膜20を15nmの膜厚となるように形成する。因みに、エッチングマスク膜20の元素分析は、ラザフォード後方散乱分析法を用いた。
そして、エッチングマスク膜(CrOCN)20を、上記アニール温度よりも低い温度でアニールすることにより、遮光膜10の膜応力に影響を与えずエッチングマスク膜20の応力を極力低く(好ましくは膜応力が実質ゼロ)なるように調整した。このようにして、ArFエキシマレーザー露光用の遮光膜10を形成したフォトマスクブランク1を得た。
〈フォトマスクの作製〉
以下、上記フォトマスクブランク1を用いたフォトマスク100の作製について、図4(a)〜(c)を用いて説明する。
上記フォトマスクブランク1をスピンコータにセットし、エッチングマスク膜20の上に、電子線描画(露光)用の化学増幅型ポジレジスト(PRL009:富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)膜30をスピンコーティング法により膜厚が100nmとなるように塗布した。その後、化学増幅型ポジレジスト膜30に対し、電子線描画装置を用いて所望の回路パターンの描画を行った後、所定の現像液で現像してレジストパターン31を形成した(図4(a)参照)。
次に、図4(a)に示すように、レジストパターン31をマスクとして、エッチングマスク膜(CrOCN膜)20のドライエッチングを行った。ここで、エッチングガスとしては、ClとOの混合ガス(Cl:O=4:1)を用いた。このドライエッチングにおいて、オーバーエッチングを行い、エッチングマスク膜20の加工部の断面形状が立つように形成した。その後、残留したレジストパターン31を薬液により剥離除去した。
ここで、エッチングマスク膜20の下地の表面反射防止層(TaO)13は、エッチングマスク膜20のドライエッチング条件では、エッチングされにくく、エッチングマスク膜20に対して十分なエッチング選択比を有している。この結果、レジストパターン31のパターンがエッチングマスク膜20に精度よく転写された。加えて、このドライエッチングにおいて、表面反射防止層13へのダメージが生じることを抑制できる。
次いで、図4(b)に示すように、パターニングされたエッチングマスク膜20をマスクとして、表面反射防止層13、遮光層(MoSi)12および裏面反射防止層(MoSiON)11を、六フッ化イオウ(SF)とHeとの混合ガスを用いてドライエッチングを行い、表面反射防止層13、遮光層12および裏面反射防止層11のパターン形成を行った。
次いで、図4(c)に示すように、エッチングマスク膜20を、ClとOの混合ガスでドライエッチングによって除去し、洗浄を行ってフォトマスク100を得た。
上記のように作製したフォトマスク100において、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において23.0%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのClとOの混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。
この実施例において、エッチングマスク膜20をパターニングした後、レジストパターン31を剥離除去した理由は、次工程で遮光膜10をドライエッチングする際に、マスクパターンの側壁高さ(エッチングマスク膜20の側壁高さ)が低い方が、CD精度をより高く、マイクロローディング効果をより小さくすることができ、より加工精度に優れるためである。すなわち、レジストパターン31を除去することによりマスクの高さが低くなるからである。なお、そこまでの加工精度が要求されないフォトマスクを作製する場合おいては、遮光膜10をドライエッチングした後にレジストパターン31を剥離除去してもよい。
(実施例1−2)
〈フォトマスクブランクの作製〉
この実施例1−2では、表面反射防止層13を実施例1−2で用いたTaBOで形成した点が実施例1−1とは異なり、その他の点については、実施例1−1と同様である。具体的には、表面反射防止層13は、Ta:B=80:20(原子%比)のターゲットを用い、流量58sccmのArと、流量32.5sccmのOとを混合したガスをチャンバ内に導入し、続いてDC電源の電力を0.7kWに設定し、上記遮光層(MoSi)12の上に、表面反射防止層(TaO)13を膜厚が15nmとなるように形成する(図3(c)参照)。このようにして形成された遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.0であった。次に、上記基板を450℃で30分間加熱処理(アニール)し、膜応力を低減させた。
上記のように作製した遮光膜10の表面反射防止層13の反射率(表面反射率)は、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において16.7%であった。屈折率n、消衰係数kの値を光学式薄膜特性測定装置(n&k1280:n&kテクノロジー社製)で算出したところ、TaBOでなる表面反射防止層13の屈折率nは2.35、消衰係数kは1.05であった。また、XPS分析(蛍光X線分析)を行ったところ表面反射防止層(TaBO)13の酸素(O)含有量は56原子%であった。次いで、実施例1−1と同様の条件でエッチングマスク膜20の形成し、ArFエキシマレーザー露光用の遮光膜10を形成したフォトマスクブランク1を得た。
〈フォトマスクの作製〉
このフォトマスクブランク1を用い、実施例1−1と同様のプロセスによってフォトマスク100を作製した。作製したフォトマスク100において、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において16.8%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのClとOの混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaBO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。
(実施例1−3)
〈フォトマスクブランクの作製〉
この実施例1−3では、裏面反射防止層11をMoSiNで形成し、遮光層12をMoSiCHで形成した点が実施例1−1とは異なり、その他の点については、実施例1−1と同様である。
具体的には、先ず、スパッタ装置のチャンバ内に、透光性基板2を配置させる。Mo:Si=4:96(原子%比)のターゲットを用い、ArとNとHeをスパッタリングガス圧0.1Pa(ガス流量比 Ar:N:He=6:11:16)とし、DC電源の電力を3.0kWで、モリブデン、シリコン、窒素(Moが2.3原子%、Siが56.5原子%、Nが41.2原子%)からなる裏面反射防止層11を膜厚12nmとなるように形成する(図3(a)参照)。
続いて、図3(b)に示すように、上記ターゲットと同様のMo:Si=21:79(原子%比)のターゲットを用いArとCH(メタン)とHeをスパッタリングガス圧0.3Pa(ガス流量比 Ar:CH:He=10:1:50)とし、DC電源の電力を2.0kWで、モリブデン、シリコン、炭素(C)および水素(H)(Moが19.8原子%、Siが76.7原子%、Cが2.0原子%、Hが1.5原子%)からなる遮光層12を、膜厚32nmとなるように形成する。因みに、裏面反射防止層11および遮光層12の元素分析は、ラザフォード後方散乱分析法を用いた。
その後、Taのターゲットを用い、流量58sccmのArと、流量32.5sccmのOとを混合したガスをチャンバ内に導入し、続いてDC電源の電力を0.7kWに設定し、上記遮光層(MoSi)12の上に、表面反射防止層(TaO)13を膜厚が11nmとなるように形成する(図3(c)参照)。このようにして形成された遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて2.9であった。次に、上記基板を450℃で30分間加熱処理(アニール)し、膜応力を低減させた。
上記のように作製した遮光膜10の表面反射防止層13の反射率(表面反射率)は、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において20.2%であった。屈折率n、消衰係数kの値を光学式薄膜特性測定装置(n&k1280:n&kテクノロジー社製)で算出したところ、MoSiNでなる裏面反射防止層11の屈折率nは2.53、消衰係数kは0.46であり、MoSiCHでなる遮光層12の屈折率nは1.99、消衰係数kは2.79であり、TaOでなる表面反射防止層13の屈折率nは2.23、消衰係数kは1.09であった。また、XPS分析(蛍光X線分析)を行ったところ表面反射防止層(TaO)13の酸素(O)含有量は56原子%であった。次いで、実施例1−1と同様の条件でエッチングマスク膜20の形成し、ArFエキシマレーザー露光用の遮光膜10を形成したフォトマスクブランク1を得た。
〈フォトマスクの作製〉
このフォトマスクブランク1を用い、実施例1−1と同様のプロセスによってフォトマスク100を作製した。作製したフォトマスク100において、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において20.5%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのClとOの混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。
(実施例1−4)
〈フォトマスクブランクの作製〉
この実施例1−4では、表面反射防止層13を実施例1−2で用いたTaBOで形成した点が実施例1−3とは異なり、その他の点については、実施例1−3と同様である。この遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.0であった。次に、上記基板を450℃で30分間加熱処理(アニール)し、膜応力を低減させた。
上記のように作製した遮光膜10の表面反射防止層13の反射率(表面反射率)は、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において15.7%であった。次いで、実施例1−1と同様の条件でエッチングマスク膜20の形成し、ArFエキシマレーザー露光用の遮光膜10を形成したフォトマスクブランク1を得た。
〈フォトマスクの作製〉
このフォトマスクブランク1を用い、実施例1−1と同様のプロセスによってフォトマスク100を作製した。作製したフォトマスク100において、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において16.0%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのClとOの混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaBO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。
[第2の実施の形態]
(フォトマスクブランクの構成)
図5は、本発明の第2の実施の形態に係るフォトマスクブランク1Aの積層状態を示す断面図である。なお、本実施の形態に係るフォトマスクブランク1Aの説明において、上記第1の実施の形態に係るフォトマスクブランク1と同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図5に示すように、このフォトマスクブランク1Aは、透光性基板2上に、順次、遮光膜10、エッチングマスク膜20が形成されてなる。遮光膜10は、透光性基板2に接して形成された遮光層15と、この遮光層15の上に接して形成された表面反射防止層13とからなる。第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態のフォトマスクブランク1と異なる構成は、遮光層15が透光性基板2に接して形成され、かつ裏面反射防止機能を有する点である。
この裏面反射防止機能も有する遮光層15は、フッ素系ガスを用いてドライエッチングが可能な、例えばMoSiON、MoSiN、MoSiOC、MoSiCN、MoSiOCNなどで形成されている。遮光膜10全体で所定の光学濃度(OD)を満たしつつ、遮光膜10全体のより薄膜化を目指す観点では、酸素を含まないMoSiN、MoSiCNなどが好ましい。
〈フォトマスクの構成〉
図6は、第1の実施の形態に係るフォトマスク100Aを示す。このフォトマスク100Aは、ArFエキシマレーザー露光光が適用されるフォトマスクであって半導体デバイスの設計仕様でいうハーフピッチ(hp)32nm世代以降で使用される。
第2の実施の形態に係るフォトマスク100Aは、上記フォトマスクブランク1Aを用いて作製されたものである。図6に示すように、透光性基板2上に、パターニングが施された遮光膜10を備えてなる。遮光膜10は、透光性基板2に接して形成された遮光層15と、この遮光層15の上に接して形成された表面反射防止層13とからなる。
第2の実施の形態に係るフォトマスク100Aは、後述する実施例2−1で行う加工が施され作製されるが、電子線描画装置を用いて描画(露光)されたレジストパターンが忠実に転写された構造を有する。また、表面反射防止層13は、ドライエッチングによるダメージが極めて少なく、表面反射防止層13の構成材料本来の光反射率の変動が防止されている。さらに、透光性基板2の露出部は、遮光層15のドライエッチングに伴うダメージが極めて少ない。
第2の実施の形態に係るフォトマスク100Aは、位相シフト効果を用いないバイナリ型フォトマスク、位相シフト効果を用いる位相シフトマスクの中ではレベンソン型位相シフトマスク、エンハンサーマスクを含む。加えて、フォトマスクにはレチクルも含む。
(実施例2−1)
〈フォトマスクブランクの作製〉
図5に示すように、透光性基板2としてサイズ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英基板を用い、透光性基板2上に、順次、MoSiNでなる遮光層15、Ta化合物としてのTaOでなる表面反射防止層13を形成する。遮光膜10は、遮光層15と表面反射防止層13とでなる。
具体的には、先ず、スパッタ装置のチャンバ内に、透光性基板2を配置させる。Mo:Si=21:79(原子%比)のターゲットを用い、ArとNをスパッタリングガス圧0.07Pa(ガス流量比 Ar:N=25:28)とし、DC電源の電力を2.1kWで、モリブデン、シリコン、窒素(Moが14.7原子%、Siが56.2原子%、Nが29.1原子%)からなる遮光層15を膜厚48nmとなるように形成する(図5参照)。因みに、遮光層15の元素分析は、ラザフォード後方散乱分析法を用いた。
次いで、遮光層15の上に、TaO(Taが42原子%、Oが58原子%)からなる表面反射防止層(TaO)13を膜厚が12nmとなるように形成する。なお、表面反射防止層13の元素分析は、XPS分析(蛍光X線分析)を用いた。このようにして形成された遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.1であった。屈折率n、消衰係数kの値を光学式薄膜特性測定装置(n&k1280:n&kテクノロジー社製)で算出したところ、MoSiNでなる遮光層15の屈折率nは2.42、消衰係数kは1.91であり、TaOでなる表面反射防止層13の屈折率nは2.23、消衰係数kは1.09であった。
上記のように作製した遮光膜10の表面反射防止層13の反射率(表面反射率)は、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において28.7%であった。
次いで、Crをターゲットとして用い、ArとCOとNとHeをスパッタリングガス圧0.2Pa(ガス流量比Ar:CO:N:He=21:37:11:31)とし、DC電源の電力1.8kWで、CrOCN膜(膜中のCr含有率:33原子%)でなるエッチングマスク膜20を15nmの膜厚となるように形成する。因みに、エッチングマスク膜20の元素分析は、ラザフォード後方散乱分析法を用いた。
そして、エッチングマスク膜(CrOCN)20を、上記アニール温度よりも低い温度でアニールすることにより、遮光膜10の膜応力に影響を与えずエッチングマスク膜20の応力を極力低く(好ましくは膜応力が実質ゼロ)なるように調整した。このようにして、ArFエキシマレーザー露光用の遮光膜10を形成したフォトマスクブランク1Aを得た。
〈フォトマスクの作製〉
以下、上記フォトマスクブランク1Aを用いたフォトマスク100Aの作製について、図7(a)〜(c)を用いて説明する。
上記フォトマスクブランク1Aをスピンコータにセットし、エッチングマスク膜20の上に、電子線描画(露光)用の化学増幅型ポジレジスト(PRL009:富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)膜30をスピンコーティング法により膜厚が100nmとなるように塗布した。その後、化学増幅型ポジレジスト膜30に対し、電子線描画装置を用いて所望の回路パターンの描画を行った後、所定の現像液で現像してレジストパターン31を形成した(図7(a)参照)。
次に、図7(a)に示すように、レジストパターン31をマスクとして、エッチングマスク膜(CrOCN膜)20のドライエッチングを行った。ここで、エッチングガスとしては、ClとOの混合ガス(Cl:O=4:1)を用いた。このドライエッチングにおいて、オーバーエッチングを行い、エッチングマスク膜20の加工部の断面形状が立つように形成した。その後、残留したレジストパターン31を薬液により剥離除去した。
ここで、エッチングマスク膜20の下地の表面反射防止層(TaO)13は、エッチングマスク膜20のドライエッチング条件では、エッチングされにくく、エッチングマスク膜20に対して十分なエッチング選択比を有している。この結果、レジストパターン31のパターンがエッチングマスク膜20に精度よく転写された。加えて、このドライエッチングにおいて、表面反射防止層13へのダメージが生じることを抑制できる。
次いで、図7(b)に示すように、パターニングされたエッチングマスク膜20をマスクとして、表面反射防止層13、遮光層(MoSiN)15を、六フッ化イオウ(SF)とHeとの混合ガスを用いてドライエッチングを行い、表面反射防止層13、遮光層15のパターン形成を行った。
次いで、図7(c)に示すように、エッチングマスク膜20を、ClとOの混合ガスでドライエッチングによって除去し、洗浄を行ってフォトマスク100Aを得た。
上記のように作製したフォトマスク100Aにおいて、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において29.0%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのClとOの混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。
(実施例2−2)
〈フォトマスクブランクの作製〉
この実施例2−2では、表面反射防止層13を実施例1−2で用いたTaBO(Taが35.0原子%、Bが9.0原子%、Oが56.0原子%)で膜厚が10nmで形成した点、および遮光層15を膜厚50nmで形成した点が実施例2−1とは異なり、その他の点については、実施例2−1と同様である。このようにして形成された遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.2であった。また、遮光膜10の表面反射防止層13の反射率(表面反射率)は、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において22.1%であった。なお、表面反射防止層13の元素分析は、XPS分析(蛍光X線分析)を用いた。屈折率n、消衰係数kの値を光学式薄膜特性測定装置(n&k1280:n&kテクノロジー社製)で算出したところ、TaBOからなる表面反射防止層13の屈折率nは2.35、消衰係数kは1.05であった。次いで、実施例2−1と同様の条件でエッチングマスク膜20の形成し、ArFエキシマレーザー露光用の遮光膜10を形成したフォトマスクブランク1Aを得た。
〈フォトマスクの作製〉
このフォトマスクブランク1Aを用い、実施例2−1と同様のプロセスによってフォトマスク100Aを作製した。作製したフォトマスク100Aにおいて、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において22.4%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのClとOの混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaBO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。
(実施例2−3)
〈フォトマスクブランクの作製〉
この実施例2−3では、遮光層15を実施例2−1と同じターゲットを用いるが成膜条件を変えたMoSiNで膜厚を33nmで形成した点、および表面反射防止層13を実施例2−1と同じ組成のTaOであるが膜厚を11nmで形成した点を除き、実施例2−1と同様である。このようにして形成された遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.2であった。
上記のように作製した遮光膜10の表面反射防止層13の反射率(表面反射率)は、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において16.4%であった。屈折率n、消衰係数kの値を光学式薄膜特性測定装置(n&k1280:n&kテクノロジー社製)で算出したところ、MoSiNでなる遮光層15の屈折率nは1.67、消衰係数kは2.90であった。次いで、実施例2−1と同様の条件でエッチングマスク膜20の形成し、ArFエキシマレーザー露光用の遮光膜10を形成したフォトマスクブランク1Aを得た。
〈フォトマスクの作製〉
このフォトマスクブランク1Aを用い、実施例2−1と同様のプロセスによってフォトマスク100Aを作製した。作製したフォトマスク100Aにおいて、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において16.6%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのClとOの混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。
(実施例2−4)
〈フォトマスクブランクの作製〉
この実施例2−4では、表面反射防止層13を実施例1−2で用いたTaBO(Taが35.0原子%、Bが9.0原子%、Oが56.0原子%)で膜厚が15nmで形成した点を除き、実施例2−3と同様である。このようにして形成された遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.3であった。また、遮光膜10の表面反射防止層13の反射率(表面反射率)は、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において15.2%であった。なお、表面反射防止層13の元素分析は、XPS分析(蛍光X線分析)を用いた。次いで、実施例2−1と同様の条件でエッチングマスク膜20の形成し、ArFエキシマレーザー露光用の遮光膜10を形成したフォトマスクブランク1Aを得た。
〈フォトマスクの作製〉
このフォトマスクブランク1Aを用い、実施例2−1と同様のプロセスによってフォトマスク100Aを作製した。作製したフォトマスク100Aにおいて、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において15.5%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのClとOの混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaBO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。
(実施例2−5)
〈フォトマスクブランクの作製〉
この実施例2−5では、遮光層15を実施例2−1とは異なるターゲット(Mo:Si=9.5:90.5(原子%比))を用い、さらに成膜条件を変えたMoSiNで膜厚を36nmで形成した点、および表面反射防止層13を実施例2−1と同じ組成のTaOであるが膜厚を11nmで形成した点を除き、実施例2−1と同様である。このようにして形成された遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.0であった。
上記のように作製した遮光膜10の表面反射防止層13の反射率(表面反射率)は、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において15.8%であった。屈折率n、消衰係数kの値を光学式薄膜特性測定装置(n&k1280:n&kテクノロジー社製)で算出したところ、MoSiNでなる遮光層15の屈折率nは1.24、消衰係数kは2.77であった。次いで、実施例2−1と同様の条件でエッチングマスク膜20の形成し、ArFエキシマレーザー露光用の遮光膜10を形成したフォトマスクブランク1Aを得た。
〈フォトマスクの作製〉
このフォトマスクブランク1を用い、実施例2−1と同様のプロセスによってフォトマスク100Aを作製した。作製したフォトマスク100Aにおいて、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において16.1%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのClとOの混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。
(実施例2−6)
〈フォトマスクブランクの作製〉
この実施例2−6では、表面反射防止層13を実施例1−2で用いたTaBO(Taが35.0原子%、Bが9.0原子%、Oが56.0原子%)で膜厚が15nmで形成した点を除き、実施例2−5と同様である。このようにして形成された遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.3であった。また、遮光膜10の表面反射防止層13の反射率(表面反射率)は、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において13.3%であった。なお、表面反射防止層13の元素分析は、XPS分析(蛍光X線分析)を用いた。次いで、実施例2−1と同様の条件でエッチングマスク膜20の形成し、ArFエキシマレーザー露光用の遮光膜10を形成したフォトマスクブランク1Aを得た。
〈フォトマスクの作製〉
このフォトマスクブランク1Aを用い、実施例2−1と同様のプロセスによってフォトマスク100Aを作製した。作製したフォトマスク100Aにおいて、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において13.7%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのClとOの混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaBO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。
[第3の実施の形態]
(フォトマスクブランクの構成)
図8は、本発明の第3の実施の形態に係るフォトマスクブランク1Bの積層状態を示す断面図である。なお、本実施の形態に係るフォトマスクブランク1Bの説明において、上記第1の実施の形態に係るフォトマスクブランク1と同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図8に示すように、このフォトマスクブランク1Bは、透光性基板2上に、順次、遮光膜10、エッチングマスク膜20が形成されてなる。遮光膜10は、透光性基板2に接して形成された裏面反射防止層14と、裏面反射防止層14の上に接して形成された遮光層12と、この遮光層12の上に接して形成された表面反射防止層13とからなる。
第3の実施の形態において、上記第1の実施の形態のフォトマスクブランク1と異なる構成は、裏面反射防止層14が、酸素、窒素のうち少なくとも一方を含むクロム化合物で形成されている点のみである。
裏面反射防止層14は、膜中のクロムの含有比率が50原子%以下のクロム化合物であり、膜厚が5nm以上、20nm以下であることが好ましい。
因みに、Cr系の裏面反射防止層14は、Cr成分を多く含む材料では塩素系(Cl+O)ドライエッチングのエッチングレートが遅いので好ましくない。したがって、この観点からはCr系の裏面反射防止層14は、Cr成分が少なく、高窒化、高酸化されたCr系材料が好ましい。しかし、MoSi系の材料でなる遮光層12のフッ素系ガスを用いたドライエッチングにおいては、裏面反射防止層14のCr成分が多い方がフッ素系ドライエッチングのエッチングレートが遅くて好ましい。このような関係から、Cr系の裏面反射防止層14の膜中のCr含有比率が50原子%以下であることが好ましい。
裏面反射防止層14は、表面反射防止層13、遮光層12をドライエッチングする際のエッチングストッパとして機能する。したがって、この裏面反射防止層14は、遮光層12のエッチング(オーバーエッチングを含む)が完了するまで、透光性基板2を露出させない程度の膜厚として5nm以上の膜厚が必要である。また、裏面反射防止層14を最終的に除去する時間を短縮させるためにも、20nm以下の膜厚であることが好ましい。
〈フォトマスクの構成〉
図9は、第3の実施の形態に係るフォトマスク100Bを示す。このフォトマスク100Aは、ArFエキシマレーザー露光光が適用されるフォトマスクであって半導体デバイスの設計仕様でいうハーフピッチ(hp)32nm世代以降で使用される。
第3の実施の形態に係るフォトマスク100Bは、上記フォトマスクブランク1Bを用いて作製されたものである。図9に示すように、透光性基板2上に、パターニングが施された遮光膜10を備えてなる。遮光膜10は、透光性基板2に接して形成された裏面反射防止層14と、裏面反射防止層14の上に接して形成された遮光層12と、この遮光層12の上に接して形成された表面反射防止層13とからなる。
第3の実施の形態に係るフォトマスク100Bは、後述する実施例3−1で行う加工が施され作製されるが、電子線描画装置を用いて描画(露光)されたレジストパターンが忠実に転写された構造を有する。また、表面反射防止層13は、ドライエッチングによるダメージが極めて少なく、表面反射防止層13の構成材料本来の光反射率の変動が防止されている。さらに、透光性基板2の露出部は、裏面反射防止層12のドライエッチングに伴うダメージが極めて少ない。
第3の実施の形態に係るフォトマスク100Bは、位相シフト効果を用いないバイナリ型フォトマスク、位相シフト効果を用いる位相シフトマスクの中ではレベンソン型位相シフトマスク、エンハンサーマスクを含む。加えて、フォトマスクにはレチクルも含む。
(実施例3−1)
〈フォトマスクブランクの作製〉
図8に示すように、透光性基板2としてサイズ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英基板を用い、透光性基板2上に、順次、CrOCNでなる裏面反射防止層14、MoSiでなる遮光層12、Ta化合物としてのTaOでなる表面反射防止層13を形成する。
具体的には、先ず、スパッタ装置のチャンバ内に、透光性基板2を配置させる。Crターゲットを用い、アルゴン(Ar)と窒素(N)をスパッタリングガス圧0.1Pa(ガス流量比 Ar:N=4:1)とし、DC電源の電力を1.3kWで、CrOCN(Crが33.7原子%、Cが11.1原子%、Oが38.9原子%、Nが16.3原子%)でなる裏面反射防止層14を膜厚7nmとなるように形成した。
続いて、Mo:Si=21:79(原子%比)のターゲットを用いArとHeとの混合ガスをスパッタリングガス圧0.2Pa(ガス流量比 Ar:He=20:120)とし、DC電源の電力を2.0kWで、モリブデンおよびシリコン(Moが21.0原子%、Siが79.0原子%)からなる遮光層12を、膜厚25nmとなるように形成する。因みに、裏面反射防止層14および遮光層12の元素分析は、ラザフォード後方散乱分析法を用いた。
その後、Taターゲットを用い、流量58sccmのArと、流量32.5sccmのOとを混合したガスをチャンバ内に導入し、続いてDC電源の電力を0.7kWに設定し、上記遮光層(MoSi)12の上に、表面反射防止層(TaO)13を膜厚が11nmとなるように形成する。このようにして形成された遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.0であった。次に、上記基板を450℃で30分間加熱処理(アニール)し、膜応力を低減させた。
上記のように作製した遮光膜10の表面反射防止層13の反射率(表面反射率)は、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において22.8%であった。屈折率n、消衰係数kの値を光学式薄膜特性測定装置(n&k1280:n&kテクノロジー社製)で算出したところ、CrOCNでなる裏面反射防止層14の屈折率nは2.01、消衰係数kは1.24であり、MoSiでなる遮光層12の屈折率nは2.42、消衰係数kは2.89であり、TaOでなる表面反射防止層13の屈折率nは2.23、消衰係数kは1.09であった。また、XPS分析(蛍光X線分析)を行ったところ表面反射防止層(TaO)13の酸素(O)含有量は58原子%であった。
次いで、図8に示すように、Crをターゲットとして用い、ArとCOとNとHeをスパッタリングガス圧0.2Pa(ガス流量比Ar:CO:N:He=21:37:11:31)とし、DC電源の電力1.8kWで、CrOCN膜(膜中のCr含有率:33原子%)でなるエッチングマスク膜20を10nmの膜厚となるように形成する。このときエッチングマスク膜(CrOCN)20を、上記アニール温度よりも低い温度でアニールすることにより、遮光膜10の膜応力に影響を与えずエッチングマスク膜20の応力を極力低く(好ましくは膜応力が実質ゼロ)なるように調整した。このようにして、ArFエキシマレーザー露光用の遮光膜10を形成したフォトマスクブランク1Bを得た。
〈フォトマスクの作製〉
以下、上記フォトマスクブランク1Bを用いてフォトマスク100Bの作製について、図10(a)〜(c)を用いて説明する。
上記フォトマスクブランク1Bをスピンコータにセットし、エッチングマスク膜20の上に、電子線描画(露光)用の化学増幅型ポジレジスト(PRL009:富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)膜30をスピンコーティング法により膜厚が100nmとなるように塗布した。その後、化学増幅型ポジレジスト膜30に対し、電子線描画装置を用いて所望の回路パターンの描画を行った後、所定の現像液で現像してレジストパターン31を形成した(図10(a)参照)。
次に、図10(a)に示すように、レジストパターン31をマスクとして、エッチングマスク膜(CrOCN膜)20のドライエッチングを行った。ここで、エッチングガスとしては、ClとOの混合ガス(Cl:O=4:1)を用いた。このドライエッチングにおいて、オーバーエッチングを行い、エッチングマスク膜20の加工部の断面形状が立つように形成した。その後、残留したレジストパターン31を薬液により剥離除去した。
ここで、エッチングマスク膜20の下地の表面反射防止層(TaO)13は、エッチングマスク膜20のドライエッチング条件では、エッチングされにくく、エッチングマスク膜20に対して十分なエッチング選択比を有している。この結果、レジストパターン31のパターンがエッチングマスク膜20に精度よく転写される。加えて、このドライエッチングにおいて、表面反射防止層13へのダメージが生じることを抑制できた。
次いで、図10(b)に示すように、パターニングされたエッチングマスク膜20をマスクとして、表面反射防止層13および遮光層(MoSi)12を、六フッ化イオウ(SF)とHeとの混合ガスを用いてドライエッチングを行い、表面反射防止層13および遮光層12のパターン形成を行った。このドライエッチングでは、裏面反射防止層14がエッチングストッパとして機能するため、オーバーエッチングをかけて表面反射防止層13および遮光層12の加工断面の側壁の立ち上がりをほぼ垂直に加工することができた。
次いで、図10(c)に示すように、共にCr系材料でなる、エッチングマスク膜20と裏面反射防止層14を、ClとOの混合ガスでドライエッチングによって除去し、洗浄を行ってフォトマスク100Bを得た。
上記のように作製したフォトマスク100Bにおいて、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において23.0%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1Bで測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのClとOの混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。また、このフォトマスク100Bの遮光膜10のパターン形成部分の断面TEM画像では、遮光膜10の加工断面の側壁形状はほぼ垂直であり、精度よく加工できていた。また、透光性基板12のダメージも確認されなかった。
なお、本実施の形態では、裏面反射防止層14の膜厚を7nm、エッチングマスク膜20の膜厚を10nmと同等の膜厚としているため、裏面反射防止層14とエッチングマスク膜20がほぼ同時に除去することができ、表面反射防止層13および透光性基板2の表面にダメージが発生し難くいという利点がある。
(実施例3−2)
〈フォトマスクブランクの作製〉
この実施例3−2では、表面反射防止層13を実施例1−2で用いたTaBO(Taが35.0原子%、Bが9.0原子%、Oが56.0原子%)で膜厚が15nmで形成した点以外については、実施例3−1と同様である。このようにして形成された遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.1であった。なお、表面反射防止層13の元素分析は、XPS分析(蛍光X線分析)を用いた。次に、上記基板を450℃で30分間加熱処理(アニール)し、膜応力を低減させた。
上記のように作製した遮光膜10の表面反射防止層13の反射率(表面反射率)は、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において16.7%であった。屈折率n、消衰係数kの値を光学式薄膜特性測定装置(n&k1280:n&kテクノロジー社製)で算出したところ、TaBOでなる表面反射防止層13の屈折率nは2.35、消衰係数kは1.05であった。次いで、実施例1−1と同様の条件でエッチングマスク膜20の形成し、ArFエキシマレーザー露光用の遮光膜10を形成したフォトマスクブランク1Bを得た。
〈フォトマスクの作製〉
このフォトマスクブランク1Bを用い、実施例3−1と同様のプロセスによってフォトマスク100Bを作製した。作製したフォトマスク100において、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において16.9%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのClとOの混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaBO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。また、このフォトマスク100Bの遮光膜10のパターン形成部分の断面TEM画像では、遮光膜10の加工断面の側壁形状はほぼ垂直であり、精度よく加工できていた。また、透光性基板12のダメージも確認されなかった。
(実施例3−3)
〈フォトマスクブランクの作製〉
この実施例3−3では、遮光層13を実施例1−2で用いたMoSiCH(Moが19.8原子%、Siが76.7原子%、Cが2.0原子%、Hが1.5原子%)で膜厚が32nmで形成した点以外については、実施例3−1と同様である。このようにして形成された遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.0であった。
上記のように作製した遮光膜10の表面反射防止層13の反射率(表面反射率)は、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において20.2%であった。次いで、実施例3−1と同様の条件でエッチングマスク膜20の形成し、ArFエキシマレーザー露光用の遮光膜10を形成したフォトマスクブランク1Bを得た。
〈フォトマスクの作製〉
このフォトマスクブランク1Bを用い、実施例3−1と同様のプロセスによってフォトマスク100Bを作製した。作製したフォトマスク100において、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において20.4%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのClとOの混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。また、このフォトマスク100Bの遮光膜10のパターン形成部分の断面TEM画像では、遮光膜10の加工断面の側壁形状はほぼ垂直であり、精度よく加工できていた。また、透光性基板12のダメージも確認されなかった。
(実施例3−4)
〈フォトマスクブランクの作製〉
この実施例3−4では、表面反射防止層13を実施例3−2で用いたTaBOで形成した点以外については、実施例3−3と同様である。この遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.1であった。
上記のように作製した遮光膜10の表面反射防止層13の反射率(表面反射率)は、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において15.7%であった。次いで、実施例3−1と同様の条件でエッチングマスク膜20の形成し、ArFエキシマレーザー露光用の遮光膜10を形成したフォトマスクブランク1Bを得た。
〈フォトマスクの作製〉
このフォトマスクブランク1Bを用い、実施例3−1と同様のプロセスによってフォトマスク100Bを作製した。作製したフォトマスク100において、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において16.0%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのClとOの混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaBO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。また、このフォトマスク100Bの遮光膜10のパターン形成部分の断面TEM画像では、遮光膜10の加工断面の側壁形状はほぼ垂直であり、精度よく加工できていた。また、透光性基板12のダメージも確認されなかった。
(比較例)
図12(a)〜(c)は、比較例を示す工程断面図である。
この比較例では、透光性基板2としてサイズ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英基板を用い、透光性基板2上に、順次、裏面反射防止機能を有するMoSiN(Mo:Si:N=1:3:1.5[原子比])からなる遮光層10A、MoSiON(Mo:Si:O:N=1:4:1:4[原子比])からなる表面反射防止層10Bを形成する。これら遮光層10A、表面反射防止層10Bは、共にMoSiで形成される。遮光層10A、表面反射防止層10Bの膜厚は、順次、50nm、10nmとした。
次いで、Crをターゲットとして用い、CrN(Cr:N=9:1[原子比])でなるエッチングマスク膜20を10nmの膜厚となるように形成する。このようにして、ArFエキシマレーザー露光用の遮光膜10を形成したフォトマスクブランクを得た。
このように作製したフォトマスクブランクを用いて、図12(a)〜(c)に示すような工程を経てフォトマスクを作製した。
具体的には、上記フォトマスクブランクをスピンコータにセットし、エッチングマスク膜20の上に、電子線描画(露光)用の化学増幅型ポジレジスト(PRL009:富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)膜30をスピンコーティング法により膜厚が100nmとなるように塗布した。その後、化学増幅型ポジレジスト膜30に対し、電子線描画装置を用いて所望の回路パターンの描画を行った後、所定の現像液で現像してレジストパターン31を形成した(図12(a)参照)。
次に、図12(a)に示すように、レジストパターン31をマスクとして、エッチングマスク膜(CrN膜)20のドライエッチングを行った。ここで、エッチングガスとしては、ClとOの混合ガス(Cl:O=4:1)を用いた。このドライエッチングにおいて、エッチングマスク膜20の加工部の断面形状が立つようにオーバーエッチングを施そうとすると、表面反射防止膜10Bにダメージが発生するため、加工部の断面形状が垂直になるまではオーバーエッチングが掛けられなかった。その後、残留したレジストパターン31を薬液により剥離除去した。
次いで、図12(b)に示すように、パターニングされたエッチングマスク膜20をマスクとして、遮光膜10を、六フッ化イオウ(SF)とHeとの混合ガスを用いてドライエッチングを行い、遮光膜10を一括してパターン形成した。
次いで、図12(c)に示すように、エッチングマスク膜20をClとOの混合ガスでドライエッチングによって除去し、洗浄を行ってフォトマスクを得た。
上記フォトマスクの作製では、エッチングマスク膜20のドライエッチングによるパターニングにおいて、加工断面の側壁が立ち上がるようにオーバーエッチングを施すことができず、下方に向かってパターン線幅(溝幅)が狭くなる側壁形状となってしまった。このため、このエッチングマスク膜20のパターンをマスクとしてドライエッチングを行った遮光膜10のパターン線幅(溝幅)も設計寸法よりも狭くなってしまい、マスク加工精度が得られず、遮光膜パターンの解像性40nm未満の実現ができなかった。
また、図12(c)に示すエッチングマスク膜20の除去工程において、MoSi系材料がClとOの混合ガスに対する耐性があまり高くないこと、CrNからなるエッチングマスク膜20がCr含有率が高いことからエッチングレートが遅いことに起因し、MoSi系でなる表面反射防止層10Cの表面にダメージが発生した。このため、遮光膜10の表面反射率が7%程度も上昇してしまい、またマスク面内での表面反射率の均一性も得られなかった。
(その他の実施の形態)
以上、本発明の第1及び第2の実施の形態ならびに実施例1および2について説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上記第1および第2の実施の形態においては、表面反射防止層13の構成材料をタンタル化合物としてタンタル酸化物である酸化タンタル(TaO)を主成分としたが、窒素(N)を含むTaONや、さらにホウ素(B)も含むTaBOなどを主成分とする構成材料を用いてもよい。なお、これら構成材料においても、酸素が50重量%以上含有するタンタル酸化物が好ましい。また、表面反射防止層13の構成材料をタンタル化合物として窒化タンタルを用いることも可能である。
また、上記第1および第2の実施の形態においては、遮光層12の構成材料としてモリブデンシリサイドを含む材料を用いたが、モリブデン以外に適用可能な遷移金属としては、タンタル、タングステン、チタン、クロム、ハフニウム、ニッケル、バナジウム、ジルコニウム、ルテニウム、ロジウムなどを挙げることができ、シリコンにこれらの中から一種あるいは二種以上を添加して用いてもよい。
上記第1および第2の実施の形態においては、フォトマスクブランク1、1Aがレジストを含まない構成であるが、本発明に係るフォトマスクブランクはエッチングマスク膜20上にレジストが塗布された構成のものをも含む。
上記各実施例においては、Cr系のエッチングマスク膜20のドライエッチングにおいて、ClとOの混合ガスを用いたが、この他に、Cl、SiCl、HCl、CCl、CHClなどを挙げることができる。また、モリブデンシリサイド系の遮光層12のドライエッチングにおいては、フッ素系ガスとしてSFを用いたが、この他に、CF、C、CHFなどのフッ素系ガス、これらとHe、H、N、Ar、C、Oなどの混合ガスを用いてもよい。
上記各実施例においては、化学増幅型ポジレジストを用いたが、これに限定されるものではなく、電子線描画が可能な各種のフォトレジストを適用できることは云うまでもない。
本発明に係るフォトマスクは、例えば半導体製造過程においてフォトリソグラフィー法で微細パターンを形成する際に露光用マスクとして利用でき、また、本発明に係るフォトマスクブランクは、一定の加工処理などを施すことによってフォトマスクを作製できる中間体として利用することができる。
1,1A フォトマスクブランク
2 透光性基板
10 遮光膜
11,14 裏面反射防止層
12 遮光層
13 表面反射防止層
20 エッチングマスク膜
30 化学増幅型ポジレジスト膜
31 レジストパターン
100,100A フォトマスク

Claims (8)

  1. ArF露光光が適用されるフォトマスクを作製するために用いられ、透光性基板上に、順次、遮光膜、エッチングマスク膜が形成されたフォトマスクブランクであって、
    前記遮光膜は、少なくとも遷移金属シリサイドを含む遮光層と、該遮光層の上に形成され、タンタル酸化物およびタンタル酸窒化物から選ばれるタンタル化合物からなる材料、または、前記タンタル化合物にホウ素および炭素から選ばれる1以上の元素を含有する材料からなる表面反射防止層と、前記遮光層と前記透光性基板との間に形成され酸素、窒素のうち少なくとも一方を含むクロム化合物からなる層と、を備え、
    前記エッチングマスク膜は、酸素、窒素のうち少なくとも一方を含むクロム化合物からなる
    ことを特徴とするフォトマスクブランク。
  2. 前記表面反射防止層は、酸素の含有量が50原子%以上であることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスクブランク。
  3. 前記遮光層は、材料中の炭素、ホウ素、ヘリウム、水素、アルゴンおよびキセノンの合計含有量が10原子%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のフォトマスクブランク。
  4. 前記表面反射防止層は、膜厚が20nm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のフォトマスクブランク。
  5. 前記遮光層は、モリブデンシリサイドを含み、膜中のモリブデンの含有比率が9原子%以上、40原子%以下であり、前記遮光膜の合計膜厚が60nm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のフォトマスクブランク。
  6. 前記エッチングマスク膜は、クロムに加えて、窒素、酸素のうち少なくともいずれかの成分を含み、膜中のクロム含有比率が50原子%以下であり、かつ膜厚が5nm以上、20nm以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のフォトマスクブランク。
  7. 前記クロム化合物からなる層は、膜中のクロムの含有比率が50原子%以下であり、かつ膜厚が5nm以上、20nm以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のフォトマスクブランク。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のフォトマスクブランクを用い、
    前記エッチングマスク膜上に形成されたレジストパターンをマスクとして前記エッチングマスク膜に、酸素を含む塩素系ガスを用いるドライエッチングを行いパターン転写する工程と、
    前記エッチングマスク膜に形成されたパターンをマスクとして前記表面反射防止層および遮光層に、フッ素系ガスを用いるドライエッチングを行いパターン転写する工程と、
    前記表面反射防止層および遮光層へのパターン転写後、酸素を含む塩素系ガスを用いるドライエッチングを行って、遮光層に形成されたパターンをマスクとして前記クロム化合物からなる層にパターン転写し、かつ前記エッチングマスク膜を除去する工程と、
    を備えることを特徴とするフォトマスクの製造方法。
JP2009210534A 2009-09-11 2009-09-11 フォトマスクブランクおよびフォトマスクの製造方法 Active JP5606028B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009210534A JP5606028B2 (ja) 2009-09-11 2009-09-11 フォトマスクブランクおよびフォトマスクの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009210534A JP5606028B2 (ja) 2009-09-11 2009-09-11 フォトマスクブランクおよびフォトマスクの製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2011059502A JP2011059502A (ja) 2011-03-24
JP2011059502A5 JP2011059502A5 (ja) 2012-09-20
JP5606028B2 true JP5606028B2 (ja) 2014-10-15

Family

ID=43947178

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009210534A Active JP5606028B2 (ja) 2009-09-11 2009-09-11 フォトマスクブランクおよびフォトマスクの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5606028B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5820555B2 (ja) * 2011-03-31 2015-11-24 Hoya株式会社 マスクブランク及び位相シフトマスクの製造方法
JP6058318B2 (ja) * 2011-09-14 2017-01-11 Hoya株式会社 マスクブランク、転写用マスク、転写用マスクの製造方法、および半導体デバイスの製造方法
KR20140117429A (ko) * 2012-01-23 2014-10-07 아사히 가라스 가부시키가이샤 나노임프린트 몰드용 블랭크, 나노임프린트 몰드 및 그들의 제조 방법
JP6185721B2 (ja) * 2013-01-29 2017-08-23 Hoya株式会社 マスクブランク、マスクブランクの製造方法、転写用マスクの製造方法、および半導体デバイスの製造方法
JP5837257B2 (ja) * 2013-09-24 2015-12-24 Hoya株式会社 マスクブランク、転写用マスクおよび転写用マスクの製造方法
JP2016057578A (ja) * 2014-09-12 2016-04-21 信越化学工業株式会社 フォトマスクブランク
US10551733B2 (en) * 2015-03-24 2020-02-04 Hoya Corporation Mask blanks, phase shift mask, and method for manufacturing semiconductor device
JP6398927B2 (ja) * 2015-09-18 2018-10-03 信越化学工業株式会社 フォトマスクブランク、その製造方法及びフォトマスク
JP6400763B2 (ja) * 2017-03-16 2018-10-03 Hoya株式会社 マスクブランク、転写用マスクおよび半導体デバイスの製造方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57161857A (en) * 1981-03-31 1982-10-05 Dainippon Printing Co Ltd Photomask blank plate
JPS57161856A (en) * 1981-03-31 1982-10-05 Dainippon Printing Co Ltd Photomask
JPH0650387B2 (ja) * 1986-03-31 1994-06-29 アルバツク成膜株式会社 フオトマスクおよびその製造方法
JPH0650388B2 (ja) * 1986-04-04 1994-06-29 アルバツク成膜株式会社 フオトマスクおよびその製造方法
JPH0463349A (ja) * 1990-07-03 1992-02-28 Toppan Printing Co Ltd フォトマスクブランクおよびフォトマスク
JP4443873B2 (ja) * 2003-08-15 2010-03-31 Hoya株式会社 位相シフトマスクの製造方法
JP4509050B2 (ja) * 2006-03-10 2010-07-21 信越化学工業株式会社 フォトマスクブランク及びフォトマスク
JP4883278B2 (ja) * 2006-03-10 2012-02-22 信越化学工業株式会社 フォトマスクブランク及びフォトマスクの製造方法
JP4737426B2 (ja) * 2006-04-21 2011-08-03 信越化学工業株式会社 フォトマスクブランク
KR20100009558A (ko) * 2007-04-27 2010-01-27 호야 가부시키가이샤 포토마스크 블랭크 및 포토마스크

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011059502A (ja) 2011-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5606028B2 (ja) フォトマスクブランクおよびフォトマスクの製造方法
JP6729508B2 (ja) フォトマスクブランク及びフォトマスク
JP4989800B2 (ja) マスクブランク及び転写用マスクの製造方法
JP5558359B2 (ja) フォトマスクブランク、フォトマスク及びその製造方法、並びに半導体デバイスの製造方法
TWI673564B (zh) 光罩基底、轉印用光罩之製造方法及半導體裝置之製造方法
TWI481949B (zh) 光罩基底、光罩及此等之製造方法
US8048594B2 (en) Photomask blank, photomask, and methods of manufacturing the same
US20200150524A1 (en) Mask blank, transfer mask, method for manufacturing transfer mask, and method for manufacturing semiconductor device
US8043771B2 (en) Phase shift mask blank and method of manufacturing phase shift mask
JP5714266B2 (ja) マスクブランク、転写用マスクおよびこれらの製造方法
JP6601245B2 (ja) フォトマスクブランク、フォトマスクの製造方法及びマスクパターン形成方法
JP6398927B2 (ja) フォトマスクブランク、その製造方法及びフォトマスク
JP6526938B1 (ja) マスクブランク、位相シフトマスクおよび半導体デバイスの製造方法
WO2010113787A1 (ja) マスクブランク及び転写用マスクの製造方法
JP6544964B2 (ja) マスクブランク、位相シフトマスクの製造方法、及び、半導体デバイスの製造方法
WO2021192734A1 (ja) マスクブランク及び転写用マスクの製造方法
JP2017227824A (ja) マスクブランク、転写用マスクの製造方法および半導体デバイスの製造方法
JP6608613B2 (ja) 位相シフトマスクブランク、位相シフトマスクの製造方法及び半導体装置の製造方法
JP4831368B2 (ja) グレートーンマスクブランク及びグレートーンマスク
WO2020137518A1 (ja) マスクブランク、位相シフトマスクおよび半導体デバイスの製造方法
JP2014160273A (ja) フォトマスクブランクの製造方法およびフォトマスクの製造方法
TW202303261A (zh) 光罩基底、相位偏移光罩及半導體裝置之製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120807

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120807

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131008

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140326

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140812

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140826

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5606028

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250