JP5606028B2 - フォトマスクブランクおよびフォトマスクの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明に係るフォトマスクブランクは、ArF露光光が適用されるフォトマスク(例えば、ArFエキシマレーザー露光用のフォトマスク)であって半導体デバイスの設計仕様でいうハーフピッチ(hp)32nm世代以降で使用されるフォトマスクを作製するために用いられる。
このフォトマスクブランクは、透光性基板上に、順次、遮光膜、エッチングマスク膜が形成されてなる。遮光膜は、少なくとも遷移金属シリサイドを含む遮光層と、この遮光層の上に接して形成され、かつ酸素、窒素のうち少なくとも一方を含むタンタル化合物からなる表面反射防止層とを備える。エッチングマスク膜は、酸素、窒素のうち少なくとも一方を含むクロム化合物からなる。
遮光層は、上述したように遷移金属シリサイドを含む材料を用いている。適用可能な遷移金属としては、モリブデン、タンタル、タングステン、チタン、クロム、ハフニウム、ニッケル、バナジウム、ジルコニウム、ルテニウム、ロジウムなどを挙げることができる。遷移金属シリサイドは、これらの遷移金属をシリコンに一種あるは二種以上を添加したものである。
表面反射防止層に適用するタンタル化合物材料としては、タンタル酸化物、タンタル窒化物、タンタル酸窒化物等のほか、これらにホウ素を加えた材料(TaBO,TaBN,TaBNO)が挙げられ、またこれらの材料に炭素(TaOC、TaOCN、TaBCO,TaBCN,TaBOCN)を加えてもよい。特にホウ素を加えることにより表面反射防止層の平滑化、アモルファス化、表面粗さの向上が図れる。ホウ素や炭素については、タンタルよりも遮光性能の低い元素であるので添加量は20原子%以下が好ましい。
遮光膜は、遮光層の下に、酸素、窒素のうち少なくとも一方を含む遷移金属シリサイド化合物からなる裏面反射防止層を備える構成であってもよい。この裏面反射防止層としては、例えば、MoSiON、MoSiO、MoSiN、MoSiOC、MoSiCN、MoSiOCNなどのモリブデンシリサイド化合物や、その他の遮光層で適用可能な遷移金属を含有する遷移金属シリサイド化合物、もしくはCrOCNなどのクロム化合物などを用いることができる。上記のモリブデンシリサイド化合物やその他の遷移金属シリサイド化合物を裏面反射防止層として用いる場合は、遮光層のドライエッチングで用いられるフッ素系ガスで遮光層と共に連続的にドライエッチングすることができる。上記クロム化合物を裏面反射防止層として用いる場合は、後述するエッチングマスク膜を塩素系ガスでドライエッチングにより剥離(ドライ剥離)する際に、一緒にエッチングを行うことができる。
エッチングマスク膜は、クロム(Cr)に加えて、窒素、酸素のうち少なくともいずれかの成分を含み、膜中のクロム含有比率が50原子%以下であり、かつ膜厚が5nm以上、20nm以下であることが好ましい。
〈フォトマスクブランクの構成〉
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るフォトマスクブランク1の積層状態を示す断面図である。このフォトマスクブランク1は、波長200nm以下の露光光が適用されるフォトマスク(例えば、ArFエキシマレーザー露光用のフォトマスク)であって半導体デバイスの設計仕様でいうハーフピッチ(hp)32nm世代以降で使用されるフォトマスクを作製するために用いられる。
図2は、第1の実施の形態に係るフォトマスク100を示す。このフォトマスク100は、ArFエキシマレーザー露光光が適用されるフォトマスクであって半導体デバイスの設計仕様でいうハーフピッチ(hp)32nm世代以降で使用される。
〈フォトマスクブランクの作製〉
次に、図3(a)〜(d)を用いてフォトマスクブランクを作製した実施例1−1について説明する。なお、本実施例において、遮光膜やエッチングマスク膜などの各膜は、成膜法としてスパッタリング法で行われ、スパッタ装置としてDCマグネトロンスパッタ装置を用いて成膜している。ただし、本発明を実施するにあたっては、特にこの成膜法や成膜装置に限定されるものではなく、例えばRFマグネトロンスパッタ装置などの他の方式のスパッタ装置を使用してもよい。
以下、上記フォトマスクブランク1を用いたフォトマスク100の作製について、図4(a)〜(c)を用いて説明する。
〈フォトマスクブランクの作製〉
この実施例1−2では、表面反射防止層13を実施例1−2で用いたTaBOで形成した点が実施例1−1とは異なり、その他の点については、実施例1−1と同様である。具体的には、表面反射防止層13は、Ta:B=80:20(原子%比)のターゲットを用い、流量58sccmのArと、流量32.5sccmのO2とを混合したガスをチャンバ内に導入し、続いてDC電源の電力を0.7kWに設定し、上記遮光層(MoSi)12の上に、表面反射防止層(TaO)13を膜厚が15nmとなるように形成する(図3(c)参照)。このようにして形成された遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.0であった。次に、上記基板を450℃で30分間加熱処理(アニール)し、膜応力を低減させた。
このフォトマスクブランク1を用い、実施例1−1と同様のプロセスによってフォトマスク100を作製した。作製したフォトマスク100において、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において16.8%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのCl2とO2の混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaBO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。
〈フォトマスクブランクの作製〉
この実施例1−3では、裏面反射防止層11をMoSiNで形成し、遮光層12をMoSiCHで形成した点が実施例1−1とは異なり、その他の点については、実施例1−1と同様である。
このフォトマスクブランク1を用い、実施例1−1と同様のプロセスによってフォトマスク100を作製した。作製したフォトマスク100において、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において20.5%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのCl2とO2の混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。
〈フォトマスクブランクの作製〉
この実施例1−4では、表面反射防止層13を実施例1−2で用いたTaBOで形成した点が実施例1−3とは異なり、その他の点については、実施例1−3と同様である。この遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.0であった。次に、上記基板を450℃で30分間加熱処理(アニール)し、膜応力を低減させた。
このフォトマスクブランク1を用い、実施例1−1と同様のプロセスによってフォトマスク100を作製した。作製したフォトマスク100において、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において16.0%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのCl2とO2の混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaBO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。
(フォトマスクブランクの構成)
図5は、本発明の第2の実施の形態に係るフォトマスクブランク1Aの積層状態を示す断面図である。なお、本実施の形態に係るフォトマスクブランク1Aの説明において、上記第1の実施の形態に係るフォトマスクブランク1と同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図6は、第1の実施の形態に係るフォトマスク100Aを示す。このフォトマスク100Aは、ArFエキシマレーザー露光光が適用されるフォトマスクであって半導体デバイスの設計仕様でいうハーフピッチ(hp)32nm世代以降で使用される。
(実施例2−1)
〈フォトマスクブランクの作製〉
図5に示すように、透光性基板2としてサイズ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英基板を用い、透光性基板2上に、順次、MoSiNでなる遮光層15、Ta化合物としてのTaOでなる表面反射防止層13を形成する。遮光膜10は、遮光層15と表面反射防止層13とでなる。
以下、上記フォトマスクブランク1Aを用いたフォトマスク100Aの作製について、図7(a)〜(c)を用いて説明する。
〈フォトマスクブランクの作製〉
この実施例2−2では、表面反射防止層13を実施例1−2で用いたTaBO(Taが35.0原子%、Bが9.0原子%、Oが56.0原子%)で膜厚が10nmで形成した点、および遮光層15を膜厚50nmで形成した点が実施例2−1とは異なり、その他の点については、実施例2−1と同様である。このようにして形成された遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.2であった。また、遮光膜10の表面反射防止層13の反射率(表面反射率)は、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において22.1%であった。なお、表面反射防止層13の元素分析は、XPS分析(蛍光X線分析)を用いた。屈折率n、消衰係数kの値を光学式薄膜特性測定装置(n&k1280:n&kテクノロジー社製)で算出したところ、TaBOからなる表面反射防止層13の屈折率nは2.35、消衰係数kは1.05であった。次いで、実施例2−1と同様の条件でエッチングマスク膜20の形成し、ArFエキシマレーザー露光用の遮光膜10を形成したフォトマスクブランク1Aを得た。
このフォトマスクブランク1Aを用い、実施例2−1と同様のプロセスによってフォトマスク100Aを作製した。作製したフォトマスク100Aにおいて、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において22.4%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのCl2とO2の混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaBO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。
〈フォトマスクブランクの作製〉
この実施例2−3では、遮光層15を実施例2−1と同じターゲットを用いるが成膜条件を変えたMoSiNで膜厚を33nmで形成した点、および表面反射防止層13を実施例2−1と同じ組成のTaOであるが膜厚を11nmで形成した点を除き、実施例2−1と同様である。このようにして形成された遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.2であった。
このフォトマスクブランク1Aを用い、実施例2−1と同様のプロセスによってフォトマスク100Aを作製した。作製したフォトマスク100Aにおいて、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において16.6%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのCl2とO2の混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。
〈フォトマスクブランクの作製〉
この実施例2−4では、表面反射防止層13を実施例1−2で用いたTaBO(Taが35.0原子%、Bが9.0原子%、Oが56.0原子%)で膜厚が15nmで形成した点を除き、実施例2−3と同様である。このようにして形成された遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.3であった。また、遮光膜10の表面反射防止層13の反射率(表面反射率)は、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において15.2%であった。なお、表面反射防止層13の元素分析は、XPS分析(蛍光X線分析)を用いた。次いで、実施例2−1と同様の条件でエッチングマスク膜20の形成し、ArFエキシマレーザー露光用の遮光膜10を形成したフォトマスクブランク1Aを得た。
このフォトマスクブランク1Aを用い、実施例2−1と同様のプロセスによってフォトマスク100Aを作製した。作製したフォトマスク100Aにおいて、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において15.5%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのCl2とO2の混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaBO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。
〈フォトマスクブランクの作製〉
この実施例2−5では、遮光層15を実施例2−1とは異なるターゲット(Mo:Si=9.5:90.5(原子%比))を用い、さらに成膜条件を変えたMoSiNで膜厚を36nmで形成した点、および表面反射防止層13を実施例2−1と同じ組成のTaOであるが膜厚を11nmで形成した点を除き、実施例2−1と同様である。このようにして形成された遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.0であった。
このフォトマスクブランク1を用い、実施例2−1と同様のプロセスによってフォトマスク100Aを作製した。作製したフォトマスク100Aにおいて、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において16.1%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのCl2とO2の混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。
〈フォトマスクブランクの作製〉
この実施例2−6では、表面反射防止層13を実施例1−2で用いたTaBO(Taが35.0原子%、Bが9.0原子%、Oが56.0原子%)で膜厚が15nmで形成した点を除き、実施例2−5と同様である。このようにして形成された遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.3であった。また、遮光膜10の表面反射防止層13の反射率(表面反射率)は、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において13.3%であった。なお、表面反射防止層13の元素分析は、XPS分析(蛍光X線分析)を用いた。次いで、実施例2−1と同様の条件でエッチングマスク膜20の形成し、ArFエキシマレーザー露光用の遮光膜10を形成したフォトマスクブランク1Aを得た。
このフォトマスクブランク1Aを用い、実施例2−1と同様のプロセスによってフォトマスク100Aを作製した。作製したフォトマスク100Aにおいて、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において13.7%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのCl2とO2の混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaBO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。
(フォトマスクブランクの構成)
図8は、本発明の第3の実施の形態に係るフォトマスクブランク1Bの積層状態を示す断面図である。なお、本実施の形態に係るフォトマスクブランク1Bの説明において、上記第1の実施の形態に係るフォトマスクブランク1と同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図9は、第3の実施の形態に係るフォトマスク100Bを示す。このフォトマスク100Aは、ArFエキシマレーザー露光光が適用されるフォトマスクであって半導体デバイスの設計仕様でいうハーフピッチ(hp)32nm世代以降で使用される。
〈フォトマスクブランクの作製〉
以下、上記フォトマスクブランク1Bを用いてフォトマスク100Bの作製について、図10(a)〜(c)を用いて説明する。
〈フォトマスクブランクの作製〉
この実施例3−2では、表面反射防止層13を実施例1−2で用いたTaBO(Taが35.0原子%、Bが9.0原子%、Oが56.0原子%)で膜厚が15nmで形成した点以外については、実施例3−1と同様である。このようにして形成された遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.1であった。なお、表面反射防止層13の元素分析は、XPS分析(蛍光X線分析)を用いた。次に、上記基板を450℃で30分間加熱処理(アニール)し、膜応力を低減させた。
このフォトマスクブランク1Bを用い、実施例3−1と同様のプロセスによってフォトマスク100Bを作製した。作製したフォトマスク100において、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において16.9%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのCl2とO2の混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaBO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。また、このフォトマスク100Bの遮光膜10のパターン形成部分の断面TEM画像では、遮光膜10の加工断面の側壁形状はほぼ垂直であり、精度よく加工できていた。また、透光性基板12のダメージも確認されなかった。
〈フォトマスクブランクの作製〉
この実施例3−3では、遮光層13を実施例1−2で用いたMoSiCH(Moが19.8原子%、Siが76.7原子%、Cが2.0原子%、Hが1.5原子%)で膜厚が32nmで形成した点以外については、実施例3−1と同様である。このようにして形成された遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.0であった。
このフォトマスクブランク1Bを用い、実施例3−1と同様のプロセスによってフォトマスク100Bを作製した。作製したフォトマスク100において、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において20.4%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのCl2とO2の混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。また、このフォトマスク100Bの遮光膜10のパターン形成部分の断面TEM画像では、遮光膜10の加工断面の側壁形状はほぼ垂直であり、精度よく加工できていた。また、透光性基板12のダメージも確認されなかった。
〈フォトマスクブランクの作製〉
この実施例3−4では、表面反射防止層13を実施例3−2で用いたTaBOで形成した点以外については、実施例3−3と同様である。この遮光膜10の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.1であった。
このフォトマスクブランク1Bを用い、実施例3−1と同様のプロセスによってフォトマスク100Bを作製した。作製したフォトマスク100において、遮光膜10の反射率(表面反射率)を測定したところ、ArFエキシマレーザー露光光(波長193nm)において16.0%であり、エッチングマスク膜20を形成する前のフォトマスクブランク1で測定した反射率からの上昇は極小である。エッチングマスク膜20の除去工程等でのCl2とO2の混合ガスによるドライエッチングに対し、表面反射防止層(TaBO)13のダメージの発生が抑制できていることがわかる。また、このフォトマスク100Bの遮光膜10のパターン形成部分の断面TEM画像では、遮光膜10の加工断面の側壁形状はほぼ垂直であり、精度よく加工できていた。また、透光性基板12のダメージも確認されなかった。
図12(a)〜(c)は、比較例を示す工程断面図である。
(その他の実施の形態)
2 透光性基板
10 遮光膜
11,14 裏面反射防止層
12 遮光層
13 表面反射防止層
20 エッチングマスク膜
30 化学増幅型ポジレジスト膜
31 レジストパターン
100,100A フォトマスク
Claims (8)
- ArF露光光が適用されるフォトマスクを作製するために用いられ、透光性基板上に、順次、遮光膜、エッチングマスク膜が形成されたフォトマスクブランクであって、
前記遮光膜は、少なくとも遷移金属シリサイドを含む遮光層と、該遮光層の上に形成され、タンタル酸化物およびタンタル酸窒化物から選ばれるタンタル化合物からなる材料、または、前記タンタル化合物にホウ素および炭素から選ばれる1以上の元素を含有する材料からなる表面反射防止層と、前記遮光層と前記透光性基板との間に形成され酸素、窒素のうち少なくとも一方を含むクロム化合物からなる層と、を備え、
前記エッチングマスク膜は、酸素、窒素のうち少なくとも一方を含むクロム化合物からなる
ことを特徴とするフォトマスクブランク。 - 前記表面反射防止層は、酸素の含有量が50原子%以上であることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスクブランク。
- 前記遮光層は、材料中の炭素、ホウ素、ヘリウム、水素、アルゴンおよびキセノンの合計含有量が10原子%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のフォトマスクブランク。
- 前記表面反射防止層は、膜厚が20nm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のフォトマスクブランク。
- 前記遮光層は、モリブデンシリサイドを含み、膜中のモリブデンの含有比率が9原子%以上、40原子%以下であり、前記遮光膜の合計膜厚が60nm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のフォトマスクブランク。
- 前記エッチングマスク膜は、クロムに加えて、窒素、酸素のうち少なくともいずれかの成分を含み、膜中のクロム含有比率が50原子%以下であり、かつ膜厚が5nm以上、20nm以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のフォトマスクブランク。
- 前記クロム化合物からなる層は、膜中のクロムの含有比率が50原子%以下であり、かつ膜厚が5nm以上、20nm以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のフォトマスクブランク。
- 請求項1から7のいずれか一項に記載のフォトマスクブランクを用い、
前記エッチングマスク膜上に形成されたレジストパターンをマスクとして前記エッチングマスク膜に、酸素を含む塩素系ガスを用いるドライエッチングを行いパターン転写する工程と、
前記エッチングマスク膜に形成されたパターンをマスクとして前記表面反射防止層および遮光層に、フッ素系ガスを用いるドライエッチングを行いパターン転写する工程と、
前記表面反射防止層および遮光層へのパターン転写後、酸素を含む塩素系ガスを用いるドライエッチングを行って、遮光層に形成されたパターンをマスクとして前記クロム化合物からなる層にパターン転写し、かつ前記エッチングマスク膜を除去する工程と、
を備えることを特徴とするフォトマスクの製造方法。
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