JP6608613B2 - 位相シフトマスクブランク、位相シフトマスクの製造方法及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

位相シフトマスクブランク、位相シフトマスクの製造方法及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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本発明は、半導体装置の製造に用いられる位相シフトマスクの製造方法、該位相シフトマスクの製造に用いられる位相シフトマスクブランクに関するものである。
一般に、半導体装置の製造工程では、フォトリソグラフィー法を用いて微細パターンの形成が行われている。また、この微細パターンの形成には通常何枚もの転写用マスク(通常、フォトマスクとも呼ばれている)が使用される。この転写用マスクは、一般に透光性のガラス基板上に、金属薄膜等からなる遮光性の微細パターンを設けたものであり、この転写用マスクの製造においてもフォトリソグラフィー法が用いられている。
この転写用マスクは同じ微細パターンを大量に転写するための原版となるため、転写用マスク上に形成されたパターンの寸法精度は、作製される微細パターンの寸法精度に直接影響する。半導体回路の集積度が向上するにつれ、パターンの寸法は小さくなり、転写用マスクの精度もより高いものが要求されている。
従来から、このような転写用マスクとしては、ガラス基板等の透光性基板上に、遮光膜からなる転写パターンが形成されたバイナリマスクや、位相シフト膜、あるいは位相シフト膜及び遮光膜からなる転写パターンが形成された位相シフトマスクなどがよく知られている。
例えば、特開2010−134206号公報(特許文献1)には、透明基板上に露光光を所定の透過率で透過し位相を変える単層の半透明膜でマスクパターンを形成したハーフトーン型位相シフトマスクであって、前記マスクパターンが、ウエハ上に転写されたときにハーフピッチ38nm〜55nmノードの範囲となるパターンであり、前記半透明のマスクパターンを透過した透過光と前記透明基板を透過した透過光との位相差が161°以上172°以下である位相シフトマスクが記載されている。
また、高精度な光半透過膜パターン(位相シフト膜パターン)を有するハーフトーン型位相シフトマスクを作製するためのハーフトーン型位相シフトマスクブランクとしては、例えば、国際公開第2004/090635号公報(特許文献2)にあるような、基板側から金属シリサイド系の転写用マスク膜(光半透過膜)、クロム系化合物からなる遮光膜及びケイ素化合物からなるハードマスク膜の膜構成を有する位相シフトマスクブランクが提案されている。
特開2010−134206号公報 国際公開第2004/090635号公報
近年はさらにウエハ上に転写される転写パターンの微細化が進み、ウエハ上に転写される転写パターンのハーフピッチが20nm以下で適用される位相シフトマスク及び位相シフトマスクブランクが要求されている。また、微細かつパターン精度の優れた高品質の半導体装置を製造するため、使用される位相シフトマスクは、位相シフトマスクに形成されている位相シフト膜パターンの寸法が、70nm以下のホールパターンやライン&スペースパターン、さらには45nm以下のSRAF(Sub Resolution Assist Features)パターンなどが形成される。このように、70nm以下のホールパターンやライン&スペースパターン、45nm以下のSRAFパターンを有する位相シフトマスクを作製する場合に、以下のような課題を有する。
特許文献2に開示されているような位相シフトマスクブランクをパターニングする場合、まず、位相シフトマスクブランクの表面に形成した所定のレジストパターンをマスクとして、フッ素系ガスによるドライエッチングにより、ケイ素化合物からなるハードマスク膜をパターニングする。次に、パターニングされたハードマスク膜をマスクとして、塩素と酸素の混合ガスによるドライエッチングにより、クロム系化合物からなる遮光膜をパターニングする。続いて、パターニングされた遮光膜をマスクとして、フッ素系ガスによるドライエッチングにより、金属シリサイド系の転写用マスク膜(光半透過膜)をパターニングする。
ところで、上記のクロム系遮光膜は、組成に含まれるクロム元素の割合が多ければ、消衰係数が高くなるので膜厚を薄くしても高い光学濃度が得られる点で有利であるが、クロム元素の割合が高いほどエッチングレートが遅くなりパターニングに時間を要するので、遮光膜のパターニングが完了する前に上層のハードマスク膜のパターンが消失してしまうおそれがある。
一方、組成に含まれるクロム元素の割合が少なければ、エッチングレートは速くなるが、消衰係数が低くなるので所定の光学濃度を得るためには膜厚を厚くする必要がある。また、クロム系遮光膜のドライエッチングに用いる塩素と酸素の混合ガスは等方性エッチングの性質を有するため、クロム成分が少なくエッチングレートが速くて膜厚が厚ければパターンの側壁もエッチングガスによって侵食されてしまい、パターンの断面がえぐれた形状になるという問題もある。例えば寸法が100nm以上のパターンであれば、遮光膜のエッチングによって遮光膜パターンの断面がえぐれた形状になったとしても、形成された遮光膜パターンの高さに対して遮光膜パターンとその直下の転写用マスク膜(光半透過膜)との接触面積が稼げるので遮光膜パターンが倒れてしまう危険性はほとんどないが、寸法が70nm以下のホールパターンやライン&スペースパターン、さらには45nm以下のSRAF(Sub Resolution Assist Features)パターンの場合に、上記と同程度のえぐれ現象が生じると、遮光膜パターンの高さに対して遮光膜パターンと位相シフト膜との接触面積が狭くなりすぎてしまい、遮光膜パターンが倒れてしまうことがある。遮光膜パターンの倒れが生じると、該遮光膜パターンをマスクとした位相シフト膜のパターニングが困難になる。
また、遮光膜パターンの断面のえぐれの程度が大きいと、上層のハードマスク膜パターンよりも遮光膜パターンの寸法が細くなり、たとえ遮光膜パターンの倒れが生じないとしても、この遮光膜パターンをマスクとしてパターニングして形成される転写用マスク膜のパターン精度が劣化する。
以上のように、従来構成のマスクブランクを用いて、例えば、寸法が70nm以下のホールパターンやライン&スペースパターン、さらには45nm以下のSRAFパターンのような微細なパターンを転写用マスク膜に形成しようとする場合、高いパターン精度を得ることが困難である。
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、第1に、パターン寸法が70nm以下のホールパターンやライン&スペースパターン、さらには、パターン寸法が45nm以下のSRAFパターンのような微細な位相シフト膜パターンであっても高精度で形成することができる位相シフトマスクブランクを提供することであり、第2に、このような位相シフトマスクブランクを用いて、微細な位相シフト膜パターンが高精度で形成された位相シフトマスクの製造方法を提供することであり、第3に、かかる位相シフトマスクを用いて、ウエハ上に転写された転写パターンのハーフピッチが20nm以下の世代に対応したパターン精度の優れた高品質の半導体装置の製造方法を提供することである。
本発明者は、透光性基板上に、位相シフト膜、遮光膜及びハードマスク膜が順に積層された構造を有する位相シフトマスクブランクにおいて、上記位相シフト膜の膜厚、遮光膜及びハードマスク膜の材料に着目して鋭意検討した結果、得られた知見に基づき本発明を完成した。
すなわち、上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
透光性基板上に、位相シフト膜、遮光膜及びハードマスク膜が順に積層された構造を有する位相シフトマスクブランクであって、
前記位相シフト膜は、ケイ素と、酸素及び窒素から選択される少なくとも一つを含有する材料からなり、且つ、前記位相シフト膜は、該位相シフト膜を透過した光と、前記透光性基板を透過した光との位相差が150°以上170°以下となるように45nm以上65nm以下の範囲で設定された膜厚を有し、
前記ハードマスク膜は、前記遮光膜上の表面に接して形成され、少なくともケイ素とタンタルの何れか一方又は両方を含有しており、
前記遮光膜は、少なくともクロムを含有する材料からなり、前記ハードマスク膜と接する前記遮光膜の上層は、クロムと、酸素及び窒素から選択される少なくとも一つを含有し、クロムの含有量が55原子%以上100原子%未満であることを特徴とする位相シフトマスクブランク。
構成1によれば、ハードマスク膜の直下にあるクロムを含有する遮光膜の上層は、クロムの含有量が55原子%以上100原子%未満と多い(クロムリッチ)ため、エッチングレートが遅くエッチング中のサイドエッチが生じにくい(パターンの側壁が侵食されにくい)。遮光膜の上層のサイドエッチが生じにくいことで、遮光膜の上層には、直上のハードマスク膜のパターン形状がほぼ正確に転写される。ハードマスク膜のパターン形状がほぼ正確に転写された上層を遮光膜が有することで、遮光膜のパターンをマスクとして、異方性のエッチングガスであるフッ素系ガスでパターニングされるケイ素と、酸素及び/又は窒素を含有する位相シフト膜にも、ハードマスク膜のパターンをほぼ正確に形成することができる。また、位相シフト膜は、該位相シフト膜を通過した光と、透光性基板を通過した光との位相差が150°以上170°以下となるように45nm以上65nm以下の範囲で設定された膜厚であるので、位相シフト膜パターンの寸法が、70nm以下のホールパターンやライン&スペースパターン、さらには、パターン寸法が45nm以下のSRAFパターンを忠実に形成することができる。
以上のように、構成1によれば、微細な位相シフト膜パターンであっても、本発明の位相シフトマスクブランクの位相シフト膜に高精度で形成することができ、結果、微細かつパターン精度に優れた位相シフトマスクを製造することができる。
(構成2)
前記遮光膜は前記上層と、前記位相シフト膜と接する下層とを有する積層構造であって、
前記上層は、前記クロムの含有量が65原子%以上であり、かつ、酸素及び窒素の合計含有量が35原子%以下であり、
前記下層は、クロムと、酸素とを含み、前記クロムの含有量が60原子%未満であり、かつ、酸素の含有量が20原子%以上であることを特徴とする構成1記載の位相シフトマスクブランク。
構成2のように、前記遮光膜は前記上層と、前記位相シフト膜と接する下層とを有する積層構造とし、前記上層は、前記クロムの含有量が65原子%以上であり、かつ、酸素及び窒素の合計含有量が35原子%以下であり、前記下層は、クロムと、酸素とを含み、前記クロムの含有量が60原子%未満であり、かつ、酸素の含有量が20原子%以上としているので、ハードマスク膜の直下にある遮光膜の上層は、エッチングレートが遅くエッチング中のサイドエッチが生じにくいことで、ハードマスク膜のパターン形状がほぼ正確に転写される。さらに、遮光膜の下層は、上層よりもクロムの含有量が少なく、かつ酸素の含有量が20原子%以上と多いため、下層のエッチングレートが速い膜設計となるので、遮光膜全体としてのエッチングレートを速くすることができる。従って、ハードマスク膜のパターンが消失することなく、遮光膜のパターニングを完了することができる。これにより、遮光膜表面のエッチングダメージを抑制することができるので、遮光膜の光学特性(表面反射率、位相シフト膜と遮光膜との積層膜における光学濃度)の影響を最小限にすることができる。
(構成3)
前記遮光膜は、前記上層と前記下層との間に中間層が形成されていることを特徴とする構成1又は2記載の位相シフトマスクブランク。
構成3のように、遮光膜を、位相シフト膜側から下層、中間層、上層が順に積層された構造とすることにより、各層のクロム含有量を調整して遮光膜のエッチングレートを三段階にコントロールすることができ、遮光膜のパターン側壁にサイドエッチの進行度の相違による段差の形成を抑制し、遮光膜のパターンの断面形状を向上させることができる。従って、遮光膜パターンをマスクにしてフッ素系ガスを用いたドライエッチングにより形成される位相シフト膜パターンの断面形状も向上させることができる。
(構成4)
前記中間層に含まれるクロムの含有量は、前記下層に含まれるクロムの含有量よりも少ないことを特徴とする構成3記載の位相シフトマスクブランク。
構成4のように、中間層に含まれるクロムの含有量は、下層に含まれるクロムの含有量よりも少ないことで、遮光膜全体としてのエッチングレートを速めることができ、遮光膜パターンのパターニング精度、さらには遮光膜パターンをマスクにして形成される位相シフト膜のパターニング精度を高めることができる。
(構成5)
前記遮光膜の膜厚は、35nm以上55nm以下であることを特徴とする構成1乃至4の何れか一に記載の位相シフトマスクブランク。
構成5のように、遮光膜の膜厚が35nm以上55nm以下であることにより、遮光膜の全体の厚さを薄膜化して、該遮光膜パターンをマスクとして形成される位相シフト膜パターンのパターニング精度を高めることができる。
(構成6)
前記上層の膜厚は、1.5nm以上8nm以下であることを特徴とする構成1乃至5の何れか一に記載の位相シフトマスクブランク。
構成6のように、遮光膜の上層の膜厚を1.5nm以上8nm以下の範囲とすることにより、上層のエッチング時間を好適に抑制しつつ、上層でのパターニング精度を良好に維持することができる。
(構成7)
前記ハードマスク膜は、酸素を含有する材料からなることを特徴とする構成1乃至6の何れか一に記載の位相シフトマスクブランク。
ハードマスク膜は、直下の遮光膜とエッチング選択性の高い素材であることが必要であるが、構成7のように、ハードマスク膜をケイ素やタンタルに加え酸素を含有する材料を選択することにより、クロム系の素材からなる遮光膜との高いエッチング選択性を確保することができ、レジストの薄膜化のみならずハードマスク膜の膜厚も薄くすることが可能である。従って、マスクブランク表面に形成されたレジストパターンの転写精度が向上する。
(構成8)
前記ハードマスク膜の膜厚は、1.5nm以上10nm以下であることを特徴とする構成7記載の位相シフトマスクブランク。
パターン寸法が70nm以下のホールパターンやライン&スペースパターン、さらには、パターン寸法が45nm以下のSRAFパターンのような微細な位相シフト膜パターンを高精度に形成するため、構成8のように、ハードマスク膜の膜厚は、1.5nm以上10nm以下とすることが好ましい。なお、ハードマスク膜直下の遮光膜へのエッチングダメージ抑制を考慮すると、ハードマスク膜の好ましい膜厚は、2nm以上8nm以下が望ましい。
(構成9)
構成1乃至8の何れか一に記載の位相シフトマスクブランクの前記ハードマスク膜上にレジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクにして前記ハードマスク膜を、フッ素系ガスを用いたドライエッチングによりパターニングして、ハードマスク膜パターンを形成する工程と、
前記ハードマスク膜パターンをマスクにして、前記遮光膜を、塩素ガスと酸素ガスの混合ガスを用いたドライエッチングによりパターニングして、遮光膜パターンを形成する工程と、
前記遮光膜パターンをマスクにして、前記位相シフト膜を、フッ素系ガスを用いたドライエッチングによりパターニングして、位相シフト膜パターンを形成する工程と、を有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
構成9にあるように、本発明に係る位相シフトマスクブランクを用いて上記製造工程により位相シフトマスクを製造することによって、パターン寸法が70nm以下のホールパターンやライン&スペースパターン、さらには、パターン寸法が45nm以下のSRAFパターンのような微細な位相シフト膜パターンが高精度に形成された位相シフトマスクを得ることができる。
(構成10)
前記遮光膜パターンをマスクにして、前記透光性基板を、フッ素系ガスを用いたドライエッチングによりエッチング除去して、該位相シフト膜パターンを透過した透過光と、前記透光性基板を透過した透過光との位相差を所定の位相差に調整することを特徴とする構成9記載の位相シフトマスクの製造方法。
構成10にあるように、前記遮光膜パターンをマスクにして、前記透光性基板を、フッ素系ガスを用いたドライエッチングによりエッチング除去して、該位相シフト膜パターンを透過した透過光と、前記透光性基板を透過した透過光との位相差を所定の位相差(例えば、165°以上185°以下等)に調整する。遮光膜パターンをマスクにして形成された薄膜の位相シフト膜パターンと透光性基板の掘り込み部により、パターン寸法が70nm以下のホールパターンやライン&スペースパターン、さらには、パターン寸法が45nm以下のSRAFパターンのような微細の位相シフトパターンが高精度で形成された位相シフトマスクを得ることができる。
(構成11)
構成10に記載の転写用マスクの製造方法により製造された転写用マスクを用い、リソグラフィー法により前記転写用マスクの転写パターンを半導体基板上にパターン転写する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
構成11にあるように、上記の微細な位相シフトパターンが高精度で形成された位相シフトマスクを用いて、ウエハ上に転写された転写パターンのハーフピッチが20nm以下の世代に対応したパターン精度の優れた高品質の半導体装置を得ることができる。
本発明の位相シフトマスクブランクによれば、パターン寸法が70nm以下のホールパターンやライン&スペースパターン、さらには、パターン寸法が45nm以下のSRAFパターンのような微細な転写パターン(位相シフト膜パターン)であっても高精度で形成することができる。すなわち、本発明の位相シフトマスクブランクによれば、ハードマスク膜の直下にあるクロムを含有する遮光膜の上層部は、クロムの含有量が55原子%以上100原子%未満と多い(クロムリッチ)ため、エッチングレートが遅くエッチング中のサイドエッチが生じにくい(パターンの側壁が侵食されにくい)。遮光膜の上層部のサイドエッチが生じにくいことで、遮光膜の上層部には、直上のハードマスク膜のパターン形状がほぼ正確に転写される。ハードマスク膜のパターン形状がほぼ正確に転写された上層を遮光膜が有することで、遮光膜のパターンをマスクとして、異方性のエッチングガスであるフッ素系ガスでパターニングされるケイ素と、酸素及び/又は窒素を含有する位相シフト膜にも、ハードマスク膜のパターンをほぼ正確に形成することができる。また、位相シフト膜は、該位相シフト膜を通過した光と、透光性基板を通過した光との位相差が150°以上170°以下となるように45nm以上65nm以下の範囲で設定された膜厚であるので、位相シフト膜パターンの寸法が45nm以下のSRAFパターンを忠実に形成することができる。
また、このような本発明のマスクブランクを用いることにより、微細パターンが高精度で形成された転写用マスクを製造することができる。
さらに、かかる転写用マスクを用いて、パターン精度の優れた高品質の半導体装置を製造することができる。
本発明に係る位相シフトマスクブランクの第1の実施の形態の断面概略図である。 本発明に係る位相シフトマスクブランクの第2の実施の形態の断面概略図である。 (a)〜(e)は本発明に係る位相シフトマスクブランクを用いた位相シフトマスクの製造工程を示す位相シフトマスクブランク等の断面概略図である。 本発明の実施例1における遮光膜パターンの断面形状を示す断面図である。 本発明の実施例2における遮光膜パターンの断面形状を示す断面図である。 本発明の比較例における遮光膜パターンの断面形状を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳述する。
前述のように、本発明者は、透光性基板上に、位相シフト膜、遮光膜及びハードマスク膜が順に積層された構造を有する位相シフトマスクブランクにおいて、上記位相シフト膜の膜厚、遮光膜及びハードマスク膜の材料に着目して鋭意検討した結果、以下の構成を有する本発明によって前記の課題を解決できることを見出したものである。
すなわち、本発明は、上記構成1にあるとおり、透光性基板上に、位相シフト膜、遮光膜及びハードマスク膜が順に積層された構造を有する位相シフトマスクブランクであって、前記位相シフト膜は、ケイ素と、酸素及び窒素から選択される少なくとも一つを含有する材料からなり、且つ、前記位相シフト膜は、該位相シフト膜を透過した光と、前記透光性基板を透過した光との位相差が150°以上170°以下となるように45nm以上65nm以下の範囲で設定された膜厚を有し、前記ハードマスク膜は、前記遮光膜上の表面に接して形成され、少なくともケイ素とタンタルの何れか一方又は両方を含有しており、前記遮光膜は、少なくともクロムを含有する材料からなり、前記ハードマスク膜と接する前記遮光膜の上層は、クロムと、酸素及び窒素から選択される少なくとも一つを含有し、クロムの含有量が55原子%以上100原子%未満であることを特徴とする位相シフトマスクブランクである。
図1は、本発明に係る位相シフトマスクブランクの第1の実施の形態を示す断面概略図である。
図1にあるとおり、本発明の第1の実施の形態に係る位相シフトマスクブランク10は、透光性基板1上に、位相シフト膜2、遮光膜3、及びハードマスク膜4が順に積層された構造を有する。また、上記遮光膜3は、下層31及び上層33の積層構造である。
上記位相シフトマスクブランク10において、上記位相シフト膜2はケイ素と、酸素及び窒素から選択される少なくとも一つを含有しており、上記ハードマスク膜4はケイ素とタンタルの何れか一方又は両方を含有している。また上記遮光膜3は少なくともクロムを含有している。なお、詳しくは後述するが、上記位相シフト膜2は、露光光における屈折率を高くし、所定の位相差を得るために必要な膜厚を薄くする観点から、ケイ素と窒素を含有する素材を適用することが特に好ましく、上記ハードマスク膜4は、ケイ素やタンタルのほか、酸素を含有する素材を適用することが特に好ましい。
ここで、上記位相シフトマスクブランク10における透光性基板1としては、半導体装置製造用の転写用マスクに用いられる基板であれば特に限定されない。位相シフトマスクブランクに使用する場合、使用する露光波長に対して透明性を有するものであれば特に制限されず、合成石英ガラス基板や、その他各種のガラス基板(例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、無アルカリガラス等)が用いられる。この中でも合成石英ガラス基板は、微細パターン形成に有効なArFエキシマレーザー(波長193nm)又はそれよりも短波長の領域で透明性が高いので、特に好ましく用いられる。
上記ハードマスク膜4は、ケイ素(Si)を含有する材料やタンタル(Ta)を含有する材料を用いることができる。ハードマスク膜4に好適なケイ素(Si)を含有する材料としては、ケイ素(Si)に、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)、ホウ素(B)及び水素(H)から選らばれる1以上の元素を含有する材料が挙げられる。また、このほかのハードマスク膜4に好適なケイ素(Si)を含有する材料としては、ケイ素(Si)及び遷移金属に、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)、ホウ素(B)及び水素(H)から選らばれる1以上の元素を含有する材料が挙げられる。また、この遷移金属としては、例えば、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、スズ(Sn)が挙げられる。これらの中でも、ケイ素(Si)のほかに、酸素(O)を含有する材料で形成されていることが特に好ましい。具体例としては、SiO、SiON、Si及SiOCNが挙げられる。
一方、ハードマスク膜4に好適なタンタル(Ta)を含有する材料としては、タンタル(Ta)に、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)、ホウ素(B)及び水素(H)から選らばれる1以上の元素を含有する材料が挙げられる。これらの中でも、タンタル(Ta)に、酸素(O)を含有する材料が特に好ましい。このような材料の具体例としては、酸化タンタル(TaO)、酸化窒化タンタル(TaON)、ホウ化酸化タンタル(TaBO)、ホウ化酸化窒化タンタル(TaBON)等が挙げられる。
このようなハードマスク膜4は、クロム(Cr)を含有する材料で形成された遮光膜3との間で十分なエッチング選択性を有しており、遮光膜3にほとんどダメージを与えずにハードマスク膜4をエッチング除去することが可能である。
上記ハードマスク膜4の膜厚は特に制約される必要はないが、少なくとも直下の遮光膜3のエッチングが完了する前に消失しない程度の膜厚が必要である。一方、ハードマスク膜4の膜厚が厚いと、直上のレジストパターンを薄膜化することが困難である。このような観点から、本実施の形態においては、上記ハードマスク膜4の膜厚は、1.5nm以上10nm以下の範囲であることが好ましい。特に2nm以上8nm以下であることが好適である。
上記位相シフト膜2は、ケイ素と、酸素及び/又は窒素を含有する材料で形成されるが、本発明に適用可能な上記光半透過膜2の構成は特に限定される必要はなく、例えば従来から使用されている位相シフトマスクにおける位相シフト膜の構成を適用することができる。
このような位相シフト膜2の例としては、例えば遷移金属及びケイ素からなる金属シリサイド、あるいは遷移金属とケイ素に、酸素、窒素及び炭素から選ばれる1以上の元素を含有させた材料からなる金属シリサイド系の光半透過膜、ケイ素に酸素、窒素、炭素、ホウ素等を含有させた材料からなるケイ素系の光半透過膜が好ましく挙げられる。上記金属シリサイド系の光半透過膜に含まれる遷移金属としては、例えばモリブデン、タンタル、タングステン、チタン、クロム、ニッケル、バナジウム、ジルコニウム、ルテニウム、ロジウム等が挙げられる。この中でも特にモリブデンが好適である。
上記遷移金属とケイ素を含有する材料としては、具体的には、遷移金属シリサイド、又は遷移金属シリサイドの窒化物、酸化物、炭化物、酸窒化物、炭酸化物、あるいは炭酸窒化物を含む材料が好適である。また、上記ケイ素を含有する材料としては、具体的には、ケイ素の窒化物、酸化物、炭化物、酸窒化物(酸化窒化物)、炭酸化物(炭化酸化物)、あるいは炭酸窒化物(炭化酸化窒化物)を含む材料が好適である。
また、本発明においては、上記位相シフト膜2が、単層構造、あるいは、低透過率層と高透過率層とからなる積層構造の何れにも適用することができる。
上記位相シフト膜2は、70nm以下のホールパターンやライン&スペースパターン、さらには、寸法が45nm以下のSRAFパターンを忠実に形成するため、位相シフト膜を通過した光と、透光性基板を通過した光との位相差が150°以上170°以下となるように45nm以上65nm以下の範囲で設定された膜厚とする。
また、上記遮光膜3は、クロムを含有する材料で形成される。
上記クロムを含有する材料としては、例えばCr単体、あるいはCrX(ここでXはN、C、O等から選ばれる少なくとも一種)などのCr化合物(例えばCrN,CrC,CrO,CrON,CrCN,CrOC,CrOCNなど)が挙げられる。
図1に示す位相シフトマスクブランク10のような透光性基板1上に位相シフト膜2、遮光膜3、及びハードマスク膜4が順に積層された積層膜からなる薄膜を形成する方法は特に制約される必要はないが、なかでもスパッタリング成膜法が好ましく挙げられる。スパッタリング成膜法によると、均一で膜厚の一定な膜を形成することができるので好適である。
本発明の第1の実施の形態に係る位相シフトマスクブランク10においては、上述の構成1にあるとおり、遮光膜3は、下層31及び上層33の積層構造であって、少なくともクロムを含有しており、少なくとも上層33は、クロムと、酸素及び窒素から選択される少なくとも一つを含み、クロムの含有量が55原子%以上100原子%未満であることを特徴としている。
上記のように、ハードマスク膜4の直下にあるクロムを含有する遮光膜3の上層33は、クロムの含有量が55原子%以上100原子%未満とクロムの含有量が多い(クロムリッチ)ため、塩素ガスと酸素ガスの混合ガスを用いたドライエッチングのエッチングレート(以下、説明の便宜上、単に「エッチングレート」と説明することもあるが、塩素ガスと酸素ガスの混合ガスを用いたドライエッチングのエッチングレートを意味するものとする。)が遅く、エッチング中のサイドエッチが生じにくい(換言すれば、パターンの側壁が侵食されにくい)。遮光膜3の上層33部分でのサイドエッチが生じにくいことで、遮光膜3の上層33には、直上のハードマスク膜4のパターン形状がほぼ正確に転写される。マスクブランク10の表面に形成するレジスト膜を薄膜化することで、ハードマスク膜4には、最終的に位相シフト膜2に形成されるべき転写パターンを有するレジストパターンが正確に転写されるので、ハードマスク膜4のパターン形状がほぼ正確に転写され、レジスト膜に形成されたパターン形状(例えばパターン寸法)との差異が極めて少ない上層33を遮光膜3が有することができる。そのため、該遮光膜3のパターンをマスクとして異方性エッチングによりパターニングされるケイ素含有の位相シフト膜2にも、ハードマスク膜4のパターンをほぼ正確に形成することができる。要するに、位相シフト膜2のパターンを、レジストパターンないしはハードマスク膜パターンと寸法の乖離することなく形成することができるので、位相シフト膜2に形成するパターン精度を高くすることができる。
以上のように、本実施形態の位相シフトマスクブランク10において、上記遮光膜3は、ハードマスク膜4のパターンをできるだけ忠実に位相シフト膜2に転写する目的で設けられている。上記位相シフトマスクブランク10を用いて製造される位相シフトマスクにおいては、最終的な転写パターンは位相シフト膜2に形成されたパターンであり、上記遮光膜3に形成されるパターンは転写パターンとはならないため遮光膜パターンの断面形状自体はそれほど重要ではない。遮光膜3のパターンの断面形状において、上記下層31部分において多少サイドエッチによる側壁の侵食があっても、上述したように本発明の上記積層構造の遮光膜3は、ハードマスク膜4のパターンをできるだけ忠実に位相シフト膜2に転写することができるので、遮光膜3の断面形状の問題はない。
本実施の形態によれば、パターン寸法が70nm以下の微細なホールパターンやライン&スペースパターン、さらには、パターン寸法が45nm以下のSRAFパターンであっても、位相シフト膜に高い精度で形成することができ、その結果、パターン精度に優れた位相シフトマスクを製造することができる。
上記遮光膜3の上記上層33は、クロムの含有量が65原子%以上であり、かつ、酸素及び窒素の合計含有量が35原子%以下であり、上記下層31は、クロムと、酸素とを含み、クロムの含有量が60原子%未満であり、かつ、酸素の含有量が20原子%以上であることが好ましい(構成2の発明)。
上記上層33と上記下層31を上述の構成とすることで、遮光膜の上層33は、エッチングレートが遅くエッチング中のサイドエッチが生じにくいことで、ハードマスク膜のパターン形状がほぼ正確に転写され、さらに、下層31のエッチングレートが速い膜設計となるので、遮光膜全体としてのエッチングレートを速くすることができる。従って、ハードマスク膜のパターンが消失することなく、遮光膜のパターニングを完了することができる。これにより、遮光膜表面のエッチングダメージを抑制することができるので、遮光膜の光学特性(表面反射率、位相シフト膜と遮光膜との積層膜における光学濃度)の影響を最小限にすることができる。
なお、下層31は、遮光膜3の総膜厚に対して、70%〜97%の膜厚であることが好ましい。下層31の膜厚が薄すぎると、遮光膜3全体のエッチングレートを速める効果が少なくなり、膜厚が厚すぎると、下層31でのサイドエッチが深くなりすぎてしまう恐れがある。
なお、上記下層は、その膜厚方向で、組成傾斜膜としても良い。
上記遮光膜3において、下層31は、クロムの含有量が40原子%以上であることが好ましい。
上記構成2によると、遮光膜3の下層31におけるクロム含有量は60原子%未満である。下層31においてクロム含有量が少なすぎると、例えばArFエキシマレーザー光(波長193nm)における消衰係数kが低くなるため、所定の光学濃度を得るためには、遮光膜3(特に下層31)の膜厚を厚くする必要が生じる。そこで、下層31のクロム含有量を40原子%以上とすることで、上記消衰係数kが高くなるため、遮光膜3全体を薄膜化することができ、その結果、遮光膜パターンをマスクとして形成される位相シフト膜パターンのパターニング精度を高められる。
以上のことから、遮光膜3の下層31におけるクロム含有量は、40原子%以上60原子%未満であることが好ましく、特に好ましくは、45原子%以上57原子%未満である。
また、上記遮光膜3において、下層31は、酸素の含有量が30原子%以下であることが好ましい。
構成1によると、遮光膜3の下層31における酸素の含有量は20原子%以上であるが、下層31において酸素含有量が多すぎると、エッチングレートが速くなりすぎてしまい、パターン側壁における上層33と下層31の境界に段差が生じてしまうという問題が生じる。従って、下層31の酸素含有量は30原子%以下であることが好ましい。下層31の酸素含有量が上記の範囲であれば、下層31のエッチングレートがより速くなるため、遮光膜3全体のエッチングレートを速く保つことができる。また、下層31に含まれる酸素含有量が上記の範囲であれば、下層31のクロムの結合サイトに空き(正孔)が相対的に多くなり、このクロムの空きサイトと位相シフト膜2の酸素が化学的結合を持って接合するため、遮光膜パターンと位相シフト膜2との密着性を高める効果も得られる。このように、遮光膜パターンと位相シフト膜2との密着性が良いと、例えば、パターン寸法が70nm以下のホールパターンやライン&スペースパターン、さらにはパターン寸法が45nm以下のSRAFパターンの微細パターンを形成する場合であっても遮光膜パターンの倒れをより効果的に抑制することができる。
以上のことから、遮光膜3の下層31における酸素の含有量は、20原子%以上30原子%未満であることが好ましい。
また、上記遮光膜3における塩素ガスと酸素ガスの混合ガスを用いたドライエッチングのエッチングレートは、上記上層33が遅く、上記下層31が速い膜構成とすることが好ましい。さらに好ましくは、上記下層31におけるエッチングレートは、上記上層33におけるエッチングレートの3倍以上であることが望ましい。
このように、下層31におけるエッチングレートが、上層33におけるエッチングレートより速い、好ましくは3倍以上とすることにより、上層33から下層31にエッチングが移行するときに深さ方向のエッチングレートが速まり、上層33でのサイドエッチの進行を抑制しつつ下層31の深さ方向のエッチングを完結することができるので好ましい。
なお、遮光膜3の各層のエッチングレートの調整方法は特に限定されないが、遮光膜3を構成する各層の組成をそれぞれ異ならせることによって行うことが本発明には好適である。基本的には、遮光膜3の各層のエッチングレートの調整は、各層のクロム含有量や酸素含有量を調整することで可能であるが、エッチングレートを速めることができる元素(例えばスズ、インジウムやモリブデン)の添加量を調整することによって各層のエッチングレートを調整するようにしてもよい。この中でもスズは、クロム系材料膜の光学特性へ与える影響が少なく、また、少量の添加でエッチングレートを速めることができることから特に好ましい。
遮光膜3にスズを添加する場合、少なくとも下層31にスズを添加することにより、遮光膜3をエッチング時のオーバーエッチングの時間を短縮することができるので、ハードマスク膜の消失をより効果的に抑制することができる。そして、上層33の側壁がエッチングガスに曝される時間を短縮することができるので、上層33のサイドエッチング(サイドエッチ)によるパターン寸法の細りも抑制することができ、寸法精度に優れた遮光膜パターンを形成することができる。
また、上層33にもスズを添加すると、エッチングにかかる時間はさらに短縮することができるが、過度に添加すると上層33のサイドエッチングの進行も早めるため好ましくない。上層33にスズを添加する場合は、クロムとスズの総和原子数に対するスズの割合が下層31のほうが多くなるように添加することで、上層のサイドエッチングを効果的に抑制でき、かつ、遮光膜パターン形成にかかるエッチング時間を短縮することができる。
遮光膜3にスズを添加した薄膜を形成する場合、クロムとスズの総和原子数に対するスズの割合は0.55以下とすることが好ましい。スズの割合が0.55を超えると、遮光膜における光学特性が所望の値からずれてしまう恐れがある。また、膜中に占めるスズ酸化物の割合が増加し、クロム系薄膜をエッチングするためのエッチングガス(具体的には、塩素系エッチングガス)との反応性が悪くなりエッチングレートがかえって遅くなる可能性がある。より好ましい前記スズの割合は0.3以下である。
一方、スズの添加量は少量でも適切な効果を発揮するが、明確な効果が発現されるのは、前記スズの割合が0.01以上であり、好ましくは0.1以上である。
なお、上記第1の実施の形態に係る位相シフトマスクブランク10の遮光膜3として、下層31と上層33の積層構造を挙げて説明したが、上層33の材料からなる単層構造であっても良い。
本発明においては、遮光膜3は、位相シフト膜側から下層、中間層、上層が順に積層された構造としてもよい。
図2は、このような本発明に係る位相シフトマスクブランクの第2の実施の形態を示す断面概略図である。
図2に示されるとおり、本発明の第2の実施の形態に係る位相シフトマスクブランク20は、上述の第1の実施の形態と同様、透光性基板1上に、位相シフト膜2、遮光膜3、及びハードマスク膜4が順に積層された構造を有し、上記遮光膜3は、下層31、中間層32及び上層33の積層構造である(構成3の発明)。
第2の実施の形態のように、遮光膜3を、位相シフト膜2側から下層31、中間層32及び上層33が順に積層された構造とすることにより、遮光膜3の上層33と下層31(最下層)との間に中間層32が形成され、三層構造の遮光膜となるので、例えば各層のクロム含有量を調整して遮光膜のエッチングレートを三段階にコントロールすることが可能になる。例えば中間層32のクロム含有量は、下層31に含まれるクロム含有量よりも少ない(構成4の発明)ことで、遮光膜3全体としてのエッチングレートを速めることができ、遮光膜パターンのパターンング精度、さらには遮光膜パターンをマスクにして形成される位相シフト膜のパターニング精度を高めることができる。
また、上記第1及び第2の実施の形態において、上記遮光膜3の膜厚は、35nm以上55nm以下であることが好適である(構成5の発明)。
遮光膜3の膜厚が35nm以上55nm以下であることにより、遮光膜の全体の厚さを薄膜化して、該遮光膜パターンをマスクとして形成される位相シフト膜パターンのパターニング精度を高めることができる。
また、上記第1及び第2の実施の形態において、上記遮光膜3の上層33の膜厚は、1.5nm以上8nm以下であることが好適である(構成6の発明)。
上層33の膜厚が1.5nmを下回ると、ドライエッチング時の上層33のパターン側壁の侵食のリスクが高くなる。また、上層33の厚さが8nmを超えると、上層33のエッチング時間が長くなる恐れが生じる。従って、遮光膜3の上層33の厚さを、上記の1.5nm以上8nm以下の範囲とすることにより、上層33のエッチング時間を好適に抑制しつつ、上層33でのパターニング精度を良好に維持することができる。なお、上層33の好ましい厚さは、3nm以上8nm以下である。
遮光膜3が3層構造の場合、上層33の厚さは上述と同様に1.5nm以上8nm以下であることが好ましい。また、中間層32の膜厚は、3nm以上50nm以下が好ましく、3nm以上40nm以下の範囲が特に好ましい。下層31の膜厚は、10nm以上50nm以下が好ましく、20nm以上40nm以下の範囲が特に好ましい。このような膜厚の構成であれば、パターン側壁の段差を抑制できるとともに、オーバーエッチングにかかる時間を短縮し、クロム系遮光膜のサイドエッチに係る寸法精度の劣化を抑制することができる。
また、上記第1及び第2の実施の形態において、上記ハードマスク膜4は、ケイ素とタンタルの何れか一方又は両方を含有しているが、特にケイ素やタンタルのほか、酸素を含有する材料で形成することが好ましい(構成7の発明)。
上記ハードマスク膜4は、直下の遮光膜3とエッチング選択性の高い素材であることが必要であるが、特にハードマスク膜4にケイ素やタンタルに加え酸素を含有する素材を選択することにより、クロム系の素材からなる遮光膜3との高いエッチング選択性を確保することができるため、レジスト膜の薄膜化のみならずハードマスク膜4の膜厚も薄くすることが可能である。従って、位相シフトマスクブランク表面に形成された転写パターンを有するレジストパターンのハードマスク膜4への転写精度が向上する。
このようなハードマスク膜4を構成する材料の具体例としては、酸化シリコン(SiO)、酸化窒化シリコン(SiON)、酸化タンタル(TaO)、酸化窒化タンタル(TaON)、ホウ化酸化タンタル(TaBO)及びホウ化酸化窒化タンタル(TaBON)が挙げられる。
なお、ケイ素と酸素を含有する材料で形成されたハードマスク膜4は、有機系材料のレジスト膜との密着性が低い傾向があるため、ハードマスク膜4の表面をHMDS(Hexamethyldisilazane)処理を施し、表面の密着性を向上させることが好ましい。
また、上記第1及び第2の実施の形態において、上記ハードマスク膜4の膜厚は、1.5nm以上10nm以下とするのが好適である(構成8の発明)。ハードマスク膜4直下の遮光膜3へのエッチングダメージ抑制を考慮すると、ハードマスク膜4の好ましい膜厚は、2nm以上8nm以下が望ましい。
また、上記第1及び第2の実施形態において、上記位相シフト膜2は、特に、ケイ素と窒素を含有する材料で形成されることが好ましい。
上記位相シフト膜2にケイ素と窒素を含有する素材を適用することで、クロム系の遮光膜3とのエッチング選択性を確保することができるとともに、露光光における屈折率が高い材料であるので、所望の位相差に必要な位相シフト膜2の膜厚を薄くすることができる。また、ケイ素と窒素を含有する素材であれば、エッチングガスとして異方性のフッ素系ガスを使用したパターニングを適用することができる。従って、ハードマスク膜4のパターン形状がほぼ正確に転写された遮光膜3のパターンをマスクとする異方性エッチングによって位相シフト膜2にもパターン精度に優れた転写パターンを形成することができる。
また、上記第1及び第2の実施の形態において、上記位相シフト膜2と上記遮光膜3の積層構造におけるArFエキシマレーザー光(波長193nm)に対する透過率が0.2%以下であることが好ましい。
このように、位相シフト膜2と遮光膜3の積層構造におけるArFエキシマレーザー光(波長193nm)に対する透過率が0.2%以下であることによって、例えば遮光帯に要求される露光光のArFエキシマレーザーに対する良好な遮光性(光学濃度2.7以上)を備えることができる。
また、上記第1及び第2の実施の形態において、上記位相シフト膜2と上記遮光膜3の積層構造における800〜900nmの波長領域の少なくとも一部の波長における光の透過率が50%以下であることが好ましい。
波長800〜900nmの近赤外領域の光はレジストを感光しないため、露光機に位相シフトマスクブランクを配置する場合の位置決めに使用される光である。本構成のように、位相シフト膜2と遮光膜3の積層構造における800〜900nmの波長領域の少なくとも一部の波長における光の透過率が50%以下であることによって、露光機への位相シフトマスクブランクの配置が容易になる。
また、上記第1及び第2の実施の形態においては、上記ハードマスク膜4及び位相シフト膜2は、いずれもフッ素系ガスを用いたドライエッチングによってパターニングすることができる材料で構成することで、遮光膜3の上層33に直上のハードマスク膜4のパターン形状がほぼ正確に転写されることと相俟って、該遮光膜3をマスクとする異方性エッチングによるパターニングによって位相シフト膜2にパターン形状精度に優れた転写パターンを形成することができる。
本発明は、上記の本発明に係る位相シフトマスクブランクを用い位相シフトマスクの製造方法についても提供するものである(構成9の発明)。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る位相シフトマスクブランク10又は第2の実施形態に係る位相シフトマスクブランク20を用いた位相シフトマスクの製造工程を示す位相シフトマスクブランク等の断面概略図である。なお、図3は製造工程の理解を容易にするためのものであり、図3に示すパターンの断面形状は実際に形成される断面形状を正確に現したものではない。
まず、例えば位相シフトマスクブランク10の表面に所定のレジストパターン5を形成する(図3(a)参照)。このレジストパターン5は最終的な転写パターンとなる位相シフト膜2に形成されるべき所望のパターンを有する。なお、位相シフトマスクブランク20を用いる場合も製造工程は同様である。
次に、位相シフトマスクブランク10のハードマスク膜4上に形成された上記の位相シフト膜のパターンを有するレジストパターン5をマスクとして、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、ハードマスク膜4に位相シフト膜のパターンに対応するハードマスク膜パターン4aを形成する(図3(b)参照)。
次に、上記のように形成されたハードマスク膜パターン4aをマスクとして、塩素ガスと酸素ガスの混合ガスを用いたドライエッチングにより、積層構造の遮光膜3に位相シフト膜のパターンに対応する遮光膜パターン3aを形成する(図3(c)参照)。
次に、上記のように形成された遮光膜パターン3aをマスクとして、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、位相シフト膜2に位相シフト膜パターン2aを形成する(図3(d)参照)。なお、この位相シフト膜2のエッチング工程において、表面に露出しているハードマスク膜パターン4aは除去される。
次いで、上記遮光膜パターン3a上の全面にレジスト膜を塗布し、所定の露光、現像処理によって遮光膜に形成する遮光パターン(例えば遮光帯パターン)に対応するレジストパターン(図示せず)を形成する。そして、該レジストパターンをマスクとして、塩素ガスと酸素ガスの混合ガスを用いたドライエッチングにより、位相シフト膜パターン2a上に所定の遮光パターン3bを形成する。最後に残存するレジストパターンを除去することにより、位相シフトマスク(例えばハーフトーン型位相シフトマスク)30が出来上がる(図3(e)参照)。
上述の説明からも明らかなように、本発明の第1の実施形態に係る位相シフトマスクブランク10あるいは第2の実施形態に係る位相シフトマスクブランク20を用いて上記製造工程に従って位相シフトマスクを製造することにより、パターン寸法が70nm以下のホールパターンやライン&スペースパターン、さらには、パターン寸法が45nm以下のSRAFパターンのような微細パターンであっても高いパターン精度で形成された転写用マスクを得ることができる。すなわち、本発明の実施形態に係る位相シフトマスクブランク10あるいは位相シフトマスクブランク20によれば、遮光膜3の上層33は、クロムの含有量が55原子%以上100原子%未満と多い(クロムリッチ)ため、エッチングレートが遅く、該上層33のパターンのサイドエッチが少ない。そのため、レジスト膜ないしはハードマスク膜4に形成された転写パターン形状がほぼ正確に転写された上層33を有する遮光膜3のパターンを形成することができるので、該遮光膜パターンをマスクとして位相シフト膜2をパターニングすることにより、位相シフト膜2にもパターン精度の優れた転写パターンを形成することができる。
以上のとおり、パターン寸法が70nm以下のホールパターンやライン&スペースパターン、さらには、パターン寸法が45nm以下のSRAFパターンのような微細パターンを形成しても、遮光膜パターンの倒れなどの不具合はなく、位相シフト膜2のパターンも高いパターン精度で形成することができ、微細パターンが高いパターン精度で形成された位相シフトマスクが得られる。
また、上記遮光膜パターン3aをマスクにして、前記透光性基板1を、フッ素系ガスを用いたドライエッチングによりエッチング除去して、該位相シフト膜パターン2aを透過した透過光と、前記透光性基板を透過した透過光との位相差を所定の位相差に調整して位相シフトマスクを作製することもできる(構成10の発明)。
上記位相シフトマスクの作製方法(製造方法)は、位相シフト膜2がそもそも備わっている位相差(位相シフト膜2を透過した光と透光性基板1を透過した光との位相差)よりもさらに、位相差を設ける場合に好適である。上記位相シフトマスクの位相差は、透光性基板1の掘り込み深さと位相シフト膜2の膜厚により(例えば、位相差が170°超185°以下等)決定される。
また、上述の本発明に係る位相シフトマスクの製造方法により製造された、上記の微細パターンが高いパターン精度で形成された位相シフトマスクを用いて、リソグラフィー法により当該位相シフトマスクの転写パターン(位相シフト膜パターン)を半導体基板上にパターン転写する工程を含む半導体装置の製造方法によれば、ウエハ上に転写された転写パターンのハーフピッチが20nm以下の世代に対応したパターン精度の優れた高品質の半導体装置を得ることができる。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、ウエハ上に転写された転写パターンのハーフピッチが20nmに限らず、16nm、14nm、10nm、7nmやそれ以降の世代にも対応できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
(実施例1)
本実施例は、波長193nmのArFエキシマレーザーを露光光として用いるハーフトーン型位相シフトマスクの製造に使用する位相シフトマスクブランクに関するもので、前述の第1の実施の形態に対応する実施例である。
本実施例に使用する位相シフトマスクブランクは、図1に示すような、透光性基板(合成石英ガラス基板)1上に、位相シフト膜2、二層積層構造の遮光膜3、ハードマスク膜4を順に積層した構造のものである。この位相シフトマスクブランクは、以下のようにして作製した。
ガラス基板として合成石英ガラス基板(大きさ約152mm×152mm×厚み6.35mm)を準備した。
次に、枚葉式DCスパッタリング装置内に上記合成石英ガラス基板を設置し、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)との混合焼結ターゲット(Mo:Si=12原子%:88原子%)を用い、アルゴン(Ar)、窒素(N)及びヘリウム(He)の混合ガス(流量比 Ar:N:He=8:72:100,圧力=0.2Pa)をスパッタリングガスとし、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、合成石英ガラス基板上に、モリブデン、シリコン及び窒素からなるMoSiNの位相シフト膜を64nmの厚さで形成した。形成したMoSiN膜の組成は、Mo:Si:N=4.1:35.6:60.3(原子%比)であった。この組成はXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)により測定した。
次に、スパッタリング装置から基板を取り出し、上記合成石英ガラス基板上の位相シフト膜に対し、大気中での加熱処理を行った。この加熱処理は、450℃で30分間行った。この加熱処理後の位相シフト膜に対し、位相シフト量測定装置を使用してArFエキシマレーザーの波長(193nm)における透過率と位相シフト量を測定したところ、透過率は7.35%、位相シフト量は162度であった。
次に、上記位相シフト膜を成膜した基板を再びスパッタリング装置内に投入し、上記位相シフト膜の上に、CrOCN膜からなる下層、及びCrN膜からなる上層の積層構造の遮光膜を形成した。具体的には、クロムからなるターゲットを用い、アルゴン(Ar)と二酸化炭素(CO)と窒素(N)とヘリウム(He)の混合ガス雰囲気(流量比 Ar:CO:N:He=20:24:22:30、圧力0.3Pa)中で、反応性スパッタリングを行うことにより、上記光半透過膜上に厚さ47nmのCrOCN膜からなる遮光膜下層を形成した。続いて、同じくクロムターゲットを用い、アルゴン(Ar)と窒素(N)の混合ガス雰囲気(流量比 Ar:N=25:5、圧力0.3Pa)中で、反応性スパッタリングを行うことにより、上記下層の上に厚さ5nmのCrN膜からなる遮光膜上層を形成した。
形成した遮光膜下層のCrOCN膜の組成は、Cr:O:C:N=49.2:23.8:13.0:14.0(原子%比)、遮光膜上層のCrN膜の組成は、Cr:N=76.2:23.8(原子%比)であった。これらの組成はXPSにより測定した。
次いで、上記遮光膜の上に、SiON膜からなるハードマスク膜を形成した。具体的には、シリコンのターゲットを用い、アルゴン(Ar)と一酸化窒素(NO)とヘリウム(He)の混合ガス雰囲気(流量比 Ar:NO:He=8:29:32、圧力0.3Pa)中で、反応性スパッタリングを行うことにより、上記遮光膜の上に厚さ5nmのSiON膜からなるハードマスク膜を形成した。形成したSiON膜の組成は、Si:O:N=37:44:19(原子%比)であった。この組成はXPSにより測定した。
上記位相シフト膜と遮光膜の積層膜の光学濃度は、ArFエキシマレーザーの波長(193nm)において2.7以上(透過率0.2%以下)であった。また、波長880nm(露光装置に搭載する基板位置決めに用いられる波長)における透過率は50%以下であった。
以上のようにして本実施例の位相シフトマスクブランクを作製した。
次に、この位相シフトマスクブランクを用いて、前述の図3に示される製造工程に従って、ハーフトーン型位相シフトマスクを製造した。なお、以下の符号は図1及び図3中の符号と対応している。
まず、上記位相マスクブランク10の上面にHMDS処理を行い、スピン塗布法によって、電子線描画用の化学増幅型レジストを塗布し、所定のベーク処理を行って、膜厚80nmのレジスト膜を形成した。
次に、電子線描画機を用いて、上記レジスト膜に対して所定のデバイスパターン(位相シフト膜2に形成すべき位相シフトパターンに対応するパターンで、ライン&スペースパターンを含む。)を描画した後、レジスト膜を現像してレジストパターン5を形成した(図3(a)参照)。
次に、上記レジストパターン5をマスクとして、ハードマスク膜4のドライエッチングを行い、ハードマスク膜パターン4aを形成した(図3(b)参照)。ドライエッチングガスとしてはフッ素系ガス(SF)を用いた。
上記レジストパターン5を除去した後、上記ハードマスク膜パターン4aをマスクとして、上層及び下層の積層膜からなる遮光膜3のドライエッチングを連続して行い、遮光膜パターン3aを形成した(図3(c)参照)。ドライエッチングガスとしてはClとOの混合ガス(Cl:O=8:1(流量比))を用いた。なお、遮光膜3のエッチングレートは、上層が2.9Å/秒、下層が5.1Å/秒であった。
続いて、上記遮光膜パターン3aをマスクにして、位相シフト膜2のドライエッチングを行い、位相シフト膜パターン2aを形成した(図3(d)参照)。ドライエッチングガスとしてはフッ素系ガス(SF)を用いた。なお、この光半透過膜2のエッチング工程において、表面に露出しているハードマスク膜パターン4aは除去された。
次に、上記図3(d)の状態の基板上の全面に、スピン塗布法により、前記レジスト膜を再び形成し、電子線描画機を用いて、所定のデバイスパターン(例えば遮光帯パターンに対応するパターン)を描画した後、現像して所定のレジストパターンを形成した。続いて、このレジストパターンをマスクとして、露出している遮光膜パターン3aのエッチングを行うことにより、例えば転写パターン形成領域内の遮光膜パターン3aを除去し、転写パターン形成領域の周辺部には遮光帯パターン3bを形成した。この場合のドライエッチングガスとしてはClとOの混合ガス(Cl:O=8:1(流量比))を用いた。
最後に、残存するレジストパターンを除去し、ハーフトーン型位相シフトマスク30を作製した(図3(e)参照)。
[遮光膜パターンの評価]
上記の位相シフト膜2のエッチング工程(図3(d)の工程)終了後の遮光膜パターンの断面形状を確認したところ、図4に示されるような断面形状であった。すなわち遮光膜の上層側壁はハードマスク膜のパターンからわずかに侵食されるものの、ハードマスク膜パターンによって画定された形状が得られ、ハードマスク膜パターンが精度良く転写されていた。なお、この時点でハードマスク膜パターン4a(Hardmask)は除去されているため、図4ではその前の状態を破線で示している。
また、上記レジスト膜に形成するライン&スペースパターンのライン幅を、100nmから5nmずつ40nm幅まで減少させて遮光膜パターンの形成状態を確認した結果、40nm幅までのパターン形成を行うことができた。
[位相シフト膜パターンの評価]
上記遮光膜パターンをマスクとしたドライエッチングにより形成された位相シフト膜パターン(Halftone)について評価したところ、図4からも明らかなように、遮光膜上層パターンによって画定された形状が得られ、CD特性に優れたライン&スペースパターンのライン幅が40nmの位相シフト膜パターンを形成することができた。すなわち、微細パターンであっても、ハードマスク膜パターンとの寸法の乖離も少ないパターン精度の優れた転写パターンを形成することができた。
(実施例2)
本実施例は、波長193nmのArFエキシマレーザーを露光光として用いるハーフトーン型位相シフトマスクの製造に使用する位相シフトマスクブランクに関するもので、前述の第2の実施の形態に対応する実施例である。
本実施例に使用する位相シフトマスクブランクは、図2に示すような、透光性基板(合成石英ガラス基板)1上に、位相シフト膜2、三層積層構造の遮光膜3、ハードマスク膜4を順に積層した構造のものである。この位相シフトマスクブランクは、以下のようにして作製した。
ガラス基板として合成石英ガラス基板(大きさ約152mm×152mm×厚み6.35mm)を準備した。
次に、枚葉式DCスパッタリング装置内に上記合成石英ガラス基板を設置し、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)との混合焼結ターゲット(Mo:Si=12原子%:88原子%)を用い、アルゴン(Ar)、窒素(N)及びヘリウム(He)の混合ガス(流量比 Ar:N:He=8:72:100,圧力=0.2Pa)をスパッタリングガスとし、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、合成石英ガラス基板上に、モリブデン、シリコン及び窒素からなるMoSiNの位相シフト膜を64nmの厚さで形成した。形成したMoSiN膜の組成は、Mo:Si:N=4.1:35.6:60.3(原子%比)であった。この組成はXPSにより測定した。
次に、スパッタリング装置から基板を取り出し、上記合成石英ガラス基板上の位相シフト膜に対し、大気中での加熱処理を行った。この加熱処理は、450℃で30分間行った。この加熱処理後の光半透過膜に対し、位相シフト量測定装置を使用してArFエキシマレーザーの波長(193nm)における透過率と位相シフト量を測定したところ、透過率は7.35%、位相シフト量は162度であった。
次に、上記位相シフト膜を成膜した基板を再びスパッタリング装置内に投入し、上記位相シフト膜の上に、CrOCN膜からなる下層(最下層)、CrOCN膜からなる中間層、CrN膜からなる上層の積層構造の遮光膜を形成した。具体的には、クロムからなるターゲットを用い、アルゴン(Ar)と二酸化炭素(CO)と窒素(N)とヘリウム(He)の混合ガス雰囲気(流量比 Ar:CO:N:He=20:24:22:30、圧力0.3Pa)中で、反応性スパッタリングを行うことにより、上記位相シフト膜上に厚さ15nmのCrOCN膜からなる遮光膜下層を形成した。続いて、同じくクロムターゲットを用い、アルゴン(Ar)と二酸化炭素(CO)と窒素(N)とヘリウム(He)の混合ガス雰囲気(流量比 Ar:CO:N:He=20:25:13:30、圧力0.3Pa)中で、反応性スパッタリングを行うことにより、上記下層の上に厚さ27nmのCrOCN膜からなる遮光膜中間層を形成し、続いて、同じくクロムターゲットを用い、アルゴン(Ar)と窒素(N)の混合ガス雰囲気(流量比 Ar:N=25:5、圧力0.3Pa)中で、反応性スパッタリングを行うことにより、上記中間層の上に厚さ3.7nmのCrN膜からなる遮光膜上層を形成した。
形成した遮光膜下層のCrOCN膜の組成は、Cr:O:C:N=49.2:23.8:13.0:14.0(原子%比)であった。また、遮光膜中間層のCrOCN膜の組成は、Cr:O:C:N=55.2:22:11.6:11.1(原子%比)、遮光膜上層のCrN膜の組成は、Cr:N=76.2:23.8原子%比)であった。これらの組成はXPSにより測定した。
次いで、上記遮光膜の上に、SiON膜からなるハードマスク膜を形成した。具体的には、シリコンのターゲットを用い、アルゴン(Ar)と一酸化窒素(NO)とヘリウム(He)の混合ガス雰囲気(流量比 Ar:NO:He=8:29:32、圧力0.3Pa)中で、反応性スパッタリングを行うことにより、上記遮光膜の上に厚さ5nmのSiON膜からなるハードマスク膜を形成した。形成したSiON膜の組成は、Si:O:N=37:44:19(原子%比)であった。この組成はXPSにより測定した。
上記位相シフト膜と遮光膜の積層膜の光学濃度は、ArFエキシマレーザーの波長(193nm)において2.7以上(透過率0.2%以下)であった。また、波長880nm(露光装置に搭載する基板位置決めに用いられる波長)における透過率は50%以下であった。
以上のようにして本実施例のマスクブランク20を作製した。
次に、この位相シフトマスクブランクを用いて、前述の図3に示される製造工程に従って、ハーフトーン型位相シフトマスクを製造した。なお、以下の符号は図2及び図3中の符号と対応している。
まず、上記位相シフトマスクブランク20の上面にHMDS処理を行い、スピン塗布法によって、電子線描画用の化学増幅型レジストを塗布し、所定のベーク処理を行って、膜厚120nmのレジスト膜を形成した。
次に、電子線描画機を用いて、上記レジスト膜に対して所定のデバイスパターン(光半透過膜(位相シフト膜2)に形成すべき位相シフトパターンに対応するパターンで、ラインアンドスペースを含む。)を描画した後、レジスト膜を現像してレジストパターン5を形成した(図3(a)参照)。
次に、上記レジストパターン5をマスクとして、ハードマスク膜4のドライエッチングを行い、ハードマスク膜パターン4aを形成した(図3(b)参照)。ドライエッチングガスとしてはフッ素系ガス(SF)を用いた。
上記レジストパターン5を除去した後、上記ハードマスク膜パターン4aをマスクとして、上層、中間層及び下層の積層膜からなる遮光膜3のドライエッチングを連続して行い、遮光膜パターン3aを形成した(図3(c)参照)。ドライエッチングガスとしてはClとOの混合ガス(Cl:O=8:1(流量比))を用いた。なお、遮光膜3のエッチングレートは、上層が2.9Å/秒、中間層が5.1Å/秒、下層が9.1Å/秒であった。
続いて、上記遮光膜パターン3aをマスクにして、位相シフト膜2のドライエッチングを行い、位相シフト膜パターン2aを形成した(図3(d)参照)。ドライエッチングガスとしてはフッ素系ガス(SF)を用いた。なお、この位相シフト膜2のエッチング工程において、表面に露出しているハードマスク膜パターン4aは除去された。
次に、上記図3(d)の状態の基板上の全面に、スピン塗布法により、前記レジスト膜を再び形成し、電子線描画機を用いて、所定のデバイスパターン(例えば遮光帯パターンに対応するパターン)を描画した後、現像して所定のレジストパターンを形成した。続いて、このレジストパターンをマスクとして、露出している遮光膜パターン3aのエッチングを行うことにより、例えば転写パターン形成領域内の遮光膜パターン3aを除去し、転写パターン形成領域の周辺部には遮光帯パターン3bを形成した。この場合のドライエッチングガスとしてはClとOの混合ガス(Cl:O=8:1(流量比))を用いた。
最後に、残存するレジストパターンを除去し、ハーフトーン型位相シフトマスク20を作製した(図3(e)参照)。
[遮光膜パターンの評価]
上記の位相シフト膜2のエッチング工程(図3(d)の工程)終了後の遮光膜パターンの断面形状を確認したところ、図5に示されるような断面形状であった。すなわち遮光膜の上層側壁はハードマスク膜のパターンからほんのわずかに侵食されるものの(実施例1よりも少ない)、ハードマスク膜パターンによって画定された形状がほぼ正確に得られ、ハードマスク膜パターンが精度良く転写されていた。これは、下層のエッチングレートが速いものの、その上の中間層のエッチングレートが遅いため、結果的にエッチングガスによるパターン側壁の侵食を効果的に抑制することができたためである。遮光膜パターンの断面形状は実施例1よりも良好であった。なお、この時点でハードマスク膜パターン4aは除去されているため、図5ではその前の状態を破線で示している。
また、上記レジスト膜に形成するラインアンドスペースパターンのライン幅を、100nmから5nmずつ40nm幅まで減少させて遮光膜パターンの形成状態を確認した結果、40nm幅までのパターン形成を行うことができた。
[位相シフト膜パターンの評価]
上記遮光膜パターンをマスクとしたドライエッチングにより形成された位相シフト膜パターンについて評価したところ、図5からも明らかなように、遮光膜上層パターンによって画定された形状が得られ、CD特性に優れたライン&スペースパターンのライン幅が40nmの位相シフト膜パターンを形成することができた。すなわち、微細パターンであっても、ハードマスク膜パターンとの寸法の乖離も少ないパターン精度の優れた転写パターンを形成することができた。
(実施例3)
位相シフト膜とハードマスク膜は実施例1と同様の膜で、遮光膜の構成のみ異なる位相シフトマスクブランクを作製した。本実施例の遮光膜は、単層構造の遮光膜で、実施例1の遮光膜における下層の成膜中の混合ガス雰囲気を調整して、以下の組成からなるCrOCN膜とした。CrOCN膜の組成は、Cr:O:C:N=55.2:22.1:11.6:11.1(原子%比)である。CrOCN膜の膜厚は46nmで、上記位相シフト膜と遮光膜の積層膜の光学濃度は、ArFエキシマレーザーの波長(193nm)において2.7以上(透過率0.2%以下)であった。
[遮光膜パターンの評価]
上述の実施例1と同様にハーフトーン型位相シフトマスクを製造し、遮光膜パターン、位相シフト膜パターンを評価した。
上記レジスト膜に形成するラインアンドスペースパターンのライン幅を、100nmから5nmずつ45nm幅まで減少させて遮光膜パターンの形成状態を確認した結果、45nm幅までパターン形成を行うことができた。
[位相シフト膜パターンの評価]
上記遮光膜パターンをマスクとしたドライエッチングにより形成された位相シフト膜パターンについて評価したところ、遮光膜上層パターンによって画定された形状が得られ、CD特性に優れたライン&スペースパターンのライン幅が45nmの位相シフト膜パターンを形成することができた。すなわち、微細パターンであっても、ハードマスク膜パターンとの寸法の乖離も少ないパターン精度の優れた転写パターンを形成することができた。
(実施例4)
位相シフト膜と遮光膜は実施例1と同様の膜で、ハードマスク膜の構成のみ異なる位相シフトマスクブランクを作製した。本実施例のハードマスク膜は、SiO膜とした。SiO膜は、枚葉RFスパッタリング装置により成膜され、SiO(x<2)のターゲットを用い、アルゴン(Ar)と酸素(O)の混合ガス雰囲気中で、上記遮光膜の上に厚さ5nmのSiO膜からなるハードマスク膜を形成した。
以上のようにして本実施例の位相シフトマスクブランクを作製した。
次に、この位相シフトマスクブランクを用いて、ハーフトーン型位相シフトマスクを製造するが、上述の実施例1と異なる点は、上記遮光膜パターン3aをマスクにして、位相シフト膜2のドライエッチングを行い、位相シフト膜パターン2aを形成した後、引き続き、合成石英ガラス基板を4nmエッチングして除去するようにして位相シフト膜パターンの位相差は、166°になるようにした。
[遮光膜パターンの評価]
上述の実施例1と同様にハーフトーン型位相シフトマスクを製造し、遮光膜パターン、位相シフト膜パターンを評価した。
上記レジスト膜に形成するラインアンドスペースパターンのライン幅を、100nmから5nmずつ45nm幅まで減少させて遮光膜パターンの形成状態を確認した結果、45nm幅までパターン形成を行うことができた。
[位相シフト膜パターンの評価]
上記遮光膜パターンをマスクとしたドライエッチングにより形成された位相シフト膜パターンについて評価したところ、遮光膜上層パターンによって画定された形状が得られ、CD特性に優れたライン&スペースパターンのライン幅が45nmの位相シフト膜パターンを形成することができた。すなわち、微細パターンであっても、ハードマスク膜パターンとの寸法の乖離も少ないパターン精度の優れた転写パターンを形成することができた。
(比較例)
位相シフト膜とハードマスク膜は実施例1と同様の膜で、遮光膜の構成のみ異なる位相シフトマスクブランクを作製した。すなわち、本比較例の遮光膜は、単層構造の遮光膜で、実施例1の遮光膜における下層の組成と同じ組成で、光学濃度が3.0以上で、膜厚100nmの薄膜である。
この比較例の位相シフトマスクブランクを用いて、実施例1と同様の方法でハーフトーン型位相シフトマスクを作製した。
[遮光膜パターンの評価]
遮光膜3のパターニング工程(図3(c)の工程)終了後の遮光膜パターンの断面形状を確認したところ、図6に示されるような断面形状であった。すなわち遮光膜はパターンの壁面にエッチングの侵食によって大きくえぐれた形状になっていた。また、ハードマスク膜のパターンよりもライン幅が細くなっており、ハードマスク膜パターンとの寸法の乖離が大きい傾向となった。
また、実施例1と同様に、上記レジスト膜に形成するラインアンドスペースパターンのライン幅を、100nmから5nmずつ減少させて遮光膜パターンの形成状態を確認した結果、80nm幅で遮光膜パターンの倒れが生じた。
従って、本比較例の位相シフトマスクブランクを用いて、例えばラインアンドスペース80nm以下の微細パターンを形成しようとしても、遮光膜パターンの倒れが生じてしまい、最終的な転写パターンとなる位相シフト膜のパターニングは困難である。
以上、本発明の実施形態及び実施例について説明したが、これは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載した技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。
1 透光性基板
2 位相シフト膜
3 遮光膜
31 遮光膜の下層
32 遮光膜の中間層
33 遮光膜の上層
4 ハードマスク膜
5 レジストパターン
10,20 位相シフトマスクブランク
30 位相シフトマスク

Claims (11)

  1. 透光性基板上に、位相シフト膜、遮光膜及びハードマスク膜が順に積層された構造を有する位相シフトマスクブランクであって、
    前記位相シフト膜は、ケイ素と、酸素及び窒素から選択される少なくとも一つを含有する材料からなり、且つ、前記位相シフト膜は、該位相シフト膜を透過した光と、前記透光性基板を透過した光との位相差が150°以上170°以下となるように45nm以上65nm以下の範囲で設定された膜厚を有し、
    前記ハードマスク膜は、前記遮光膜上の表面に接して形成され、少なくともケイ素とタンタルの何れか一方又は両方を含有しており、
    前記遮光膜は、少なくともクロムを含有する材料からなり、前記ハードマスク膜と接する前記遮光膜の上層は、クロムと、酸素及び窒素から選択される少なくとも一つを含有し、クロムの含有量が55原子%以上100原子%未満であることを特徴とする位相シフトマスクブランク。
  2. 前記遮光膜は前記上層と、前記位相シフト膜と接する下層とを有する積層構造であって、
    前記上層は、前記クロムの含有量が65原子%以上であり、かつ、酸素及び窒素の合計含有量が35原子%以下であり、
    前記下層は、クロムと、酸素とを含み、前記クロムの含有量が60原子%未満であり、かつ、酸素の含有量が20原子%以上であることを特徴とする請求項1記載の位相シフトマスクブランク。
  3. 前記遮光膜は、前記上層と前記下層との間に中間層が形成されていることを特徴とする請求項2記載の位相シフトマスクブランク。
  4. 前記下層に含まれるクロムの含有量は、前記中間層に含まれるクロムの含有量よりも少ないことを特徴とする請求項3記載の位相シフトマスクブランク。
  5. 前記遮光膜の膜厚は、35nm以上55nm以下であることを特徴とする請求項1乃至の何れか一に記載の位相シフトマスクブランク。
  6. 前記上層の膜厚は、1.5nm以上8nm以下であることを特徴とする請求項1乃至の何れか一に記載の位相シフトマスクブランク。
  7. 前記ハードマスク膜は、酸素を含有する材料からなることを特徴とする請求項1乃至の何れか一に記載の位相シフトマスクブランク。
  8. 前記ハードマスク膜の膜厚は、1.5nm以上10nm以下であることを特徴とする請求項記載の位相シフトマスクブランク。
  9. 請求項1乃至の何れか一に記載の位相シフトマスクブランクの前記ハードマスク膜上にレジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクにして前記ハードマスク膜を、フッ素系ガスを用いたドライエッチングによりパターニングして、ハードマスク膜パターンを形成する工程と、
    前記ハードマスク膜パターンをマスクにして、前記遮光膜を、塩素ガスと酸素ガスの混合ガスを用いたドライエッチングによりパターニングして、遮光膜パターンを形成する工程と、
    前記遮光膜パターンをマスクにして、前記位相シフト膜を、フッ素系ガスを用いたドライエッチングによりパターニングして、位相シフト膜パターンを形成する工程と、を有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
  10. 前記遮光膜パターンをマスクにして、前記透光性基板を、フッ素系ガスを用いたドライエッチングによりエッチング除去して、該位相シフト膜パターンを透過した透過光と、前記透光性基板を透過した透過光との位相差を所定の位相差に調整することを特徴とする請求項記載の位相シフトマスクの製造方法。
  11. 請求項10に記載の転写用マスクの製造方法により製造された転写用マスクを用い、リソグラフィー法により前記転写用マスクの転写パターンを半導体基板上にパターン転写する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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