JP2017227824A - マスクブランク、転写用マスクの製造方法および半導体デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2には、クロムを含有する材料からなる3層構造の遮光膜と、ケイ素およびタンタルから選ばれる少なくとも1以上の元素を含有する材料からなるハードマスク膜がこの順に積層されたマスクブランクが開示されている。
特許文献2に開示されているように、マスクブランクから掘込レベンソン型の位相シフトマスクを製造するプロセスでは、最初に、遮光膜に形成すべき転写パターンを遮光膜に形成してから、透光性基板の掘り込むべき領域を掘り込むという順序で行うことが一般的である。掘込レベンソン型の位相シフトマスクは、遮光膜のパターンの透光部に透光性基板の表面を掘り込んだ掘込部と掘り込まない非掘込部を交互に設けることで、掘込部を透過する露光光と非掘込部を透過する露光光との間で位相シフト効果を生じさせ、転写対象物(ウェハ上のレジスト膜)に微細パターンを露光転写する。しかしながら、この交互掘込工程の前の段階で透光部の領域の透光性基板が不均一にドライエッチングされると隣接するパターン間の位相差を所望の値に制御することが困難になり、レベンソン型の位相シフトマスクの転写性能が低下する。なお、透光性基板は、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスによるドライエッチングに対する耐性が非常に高いため、遮光膜に転写パターンを形成するときのドライエッチングでは、透光性基板の透光部になる領域は実質的に掘り込まれない。
(構成1)
透光性基板の主表面上にパターン形成用薄膜とハードマスク膜がこの順に積層した構造を備えたマスクブランクであって、
前記パターン形成用薄膜は、クロム、ケイ素およびタンタルから選ばれる少なくとも1以上の元素を含有し、
前記ハードマスク膜は、アルミニウムおよび酸素を含有し、前記パターン形成用薄膜の表面に接して形成されていることを特徴とするマスクブランク。
前記ハードマスク膜は、アルミニウムおよび酸素からなることを特徴とする構成1記載のマスクブランク。
前記ハードマスク膜は、厚さが3nm以上であることを特徴とする構成1または2に記載のマスクブランク。
前記ハードマスク膜は、アモルファス構造および微結晶構造の少なくともいずれかの構造を有することを特徴とする構成1から3のいずれかに記載のマスクブランク。
前記パターン形成用薄膜は、露光光に対する光学濃度が2.0よりも大きいことを特徴とする構成1から4のいずれかに記載のマスクブランク。
前記パターン形成用薄膜は、クロムを含有する材料で形成され、
前記ハードマスク膜の上に保護膜を備え、前記保護膜は、ケイ素と酸素を含有する材料またはタンタルを含有する材料で形成されていることを特徴とする構成1から5のいずれかに記載のマスクブランク。
構成1から5のいずれかに記載のマスクブランクを用いた転写用マスクの製造方法であって、
転写パターンを有するレジスト膜をマスクとし、塩素系ガスを用いるドライエッチングにより前記ハードマスク膜に転写パターンを形成する工程と、
前記転写パターンを有するハードマスク膜をマスクとし、ドライエッチングにより前記パターン形成用薄膜に転写パターンを形成する工程と、
アルカリ液を用いて前記転写パターンを有するハードマスク膜を除去する工程と
を有することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
構成6記載のマスクブランクを用いた転写用マスクの製造方法であって、
転写パターンを有するレジスト膜をマスクとし、フッ素系ガスを用いるドライエッチングにより前記保護膜に転写パターンを形成する工程と、
前記転写パターンを有する保護膜をマスクとするエッチングにより前記ハードマスク膜に転写パターンを形成する工程と、
前記転写パターンを有する保護膜をマスクとし、ドライエッチングにより前記パターン形成用薄膜に転写パターンを形成する工程と、
アルカリ液を用いて前記転写パターンを有するハードマスク膜を除去する工程と
を有することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
構成7または8に記載の転写用マスクの製造方法により製造された転写用マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を備えることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
[マスクブランクとその製造]
本発明の第1の実施形態に係るマスクブランクは、パターン形成用薄膜が遮光膜であるバイナリマスク(転写用マスク)を製造するために用いられるマスクブランクである。但し、後述の第3の実施形態で示すように、この第1の実施形態に関わる係るマスクブランクは、掘込レベンソン型位相シフトマスク、あるいはCPL(Chromeless Phase Lithography)マスクを製造するためのマスクブランクとしても用いることができる。
図1に、この第1の実施形態のマスクブランクの構成を示す。この第1の実施形態に係るマスクブランク101は、透光性基板1の主表面上に、遮光膜(パターン形成用薄膜)2、ハードマスク膜3を備えている。この第1の実施形態の特徴は、ハードマスク膜3として、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスあるいはフッ素系ガスを用いたドライエッチングに対して高いドライエッチング耐性を有し、かつアルカリ液に対して高い溶解性を示し、透光性基板1との間で高いエッチング選択性を有するアルミニウムと酸素を含有する材料を用いていることである。
この第1の実施形態に係る転写用マスクであるバイナリマスク201(図2(e)参照)は、上記のアルミニウムと酸素を含有するハードマスク膜3を有するマスクブランク101を用いて製造されることを特徴としている。その主要な工程は、転写パターンを有するレジスト膜をマスクとし、塩素系ガスを用いるドライエッチングによりハードマスク膜3に転写パターンを形成する工程と、転写パターンを有するハードマスク膜をマスクとし、ドライエッチングにより遮光膜2に転写パターンを形成する工程と、アルカリ液を用いて前記転写パターンを有するハードマスク膜を除去する工程からなる。
以下、その製造工程を製造工程図(概略断面図)である図2を参照しながら説明する。
第1の実施形態の半導体デバイスの製造方法は、第1の実施形態の転写用マスク(バイナリマスク)201または第1の実施形態のマスクブランク101を用いて製造されたバイナリマスク201を用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写することを特徴としている。第1の実施形態のバイナリマスク201は、透光性基板1をエッチングすることもなくハードマスクパターン3aを除去することができているので、位相差分布などが発生する問題もない。このため、第1の実施形態のバイナリマスク201を用いて半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写すると、半導体デバイス上のレジスト膜に設計仕様を十分に満たす精度でパターンを形成することができる。
[マスクブランクとその製造]
本発明の第2の実施形態に係るマスクブランクは、第1の実施形態のマスクブランク101と同様にバイナリマスクを製造するときに用いるマスクブランクである。また、このマスクブランクは、第4の実施形態で述べるように、掘込レベンソン型位相シフトマスク、あるいはCPLマスクを製造する際に用いることもできる。図3に、この第2の実施形態のマスクブランクの構成を示す。この第2の実施形態のマスクブランク102は、透光性基板1上に、パターン形成用薄膜としての遮光膜2、ハードマスク膜3、および保護膜4が順に積層された構造からなるものである。なお、以後、第1の実施形態のマスクブランクと同様の構成については同一の符号を使用し、ここでの説明を省略する。
保護膜4は、単層構造および2層以上の積層構造のいずれも適用可能であるが、単層構造が、製造工程が少なくてすみ、成膜時に発生する欠陥の発生も少なくなるという点で好ましい。保護膜4は、膜または層の厚さ方向でほぼ同じ組成である構成であっても、厚さ方向で組成傾斜した構成であってもよい。
第2の実施形態に係る転写用マスク202は、ハードマスク膜3の上にアルカリ現像液によるハードマスク膜3の溶解を防止する保護膜4が設けられたマスクブランク102を用いて製造されるバイナリマスク(転写用マスク)である。マスクブランクの項目で述べたように、保護膜4により、現像液によるハードマスク膜3の溶解とそれに伴うレジストパターンの倒れや剥がれが抑制されて、パターン欠陥の少ないバイナリマスクとなる。以下、その製造工程を製造工程図である図4を参照しながら説明する。
続いて、レジストパターン5aをマスクとして、保護膜4をフッ素系ガスを用いてドライエッチングし、保護膜パターン4aを形成する(図4(b)参照)。
第2の実施形態の半導体デバイスの製造方法は、第2の実施形態の転写用マスク(バイナリマスク)202または第2の実施形態のマスクブランク102を用いて製造されたバイナリマスク202を用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写することを特徴としている。第2の実施形態のバイナリマスク202は、透光性基板1をエッチングすることなくハードマスクパターン3aを除去することができるので、位相差分布などが発生する問題も生じにくい。加えて、保護膜4を用いた効果により、現像時のパターン剥がれおよび倒れ起因のパターン欠陥も少ない。
このため、第2の実施形態のバイナリマスク202を用いて半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写すると、半導体デバイス上のレジスト膜に設計仕様を十分に満たす精度でパターンを高い歩留まりで形成することができる。
[マスクブランクとその製造]
本発明の第3の実施形態に係るマスクブランクは、掘込レベンソン型位相シフトマスク、あるいはCPLマスクを製造するときに用いるマスクブランクである。そのマスクブランクの構造と製造方法は第1の実施形態のマスクブランク101と同じであり、その特徴と効果も第1の実施形態のマスクブランクと同じである。
第3の実施形態に係る転写用マスク203は、マスクブランク101を用いて製造される掘込レベンソン型位相シフトマスクである。以下、その製造工程を製造工程図である図5を参照しながら説明する。
なお、第3の実施形態ではレベンソン型位相シフトマスクを例にとって説明してきたが、CPLマスクにも適用可能である。
第3の実施形態の半導体デバイスの製造方法は、第3の実施形態の転写用マスク(レベンソン型位相シフトマスク)203または第3の実施形態のマスクブランク101を用いて製造されたレベンソン型位相シフトマスク203を用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写することを特徴としている。第3の実施形態のレベンソン型位相シフトマスク203は、透光性基板1をエッチングすることもなくハードマスクパターン3aを除去することができるので、この工程に伴って位相差分布などが発生する問題もなく、位相精度が高い。このため、第3の実施形態のレベンソン型位相シフトマスク203を用いて半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写すると、半導体デバイス上のレジスト膜に設計仕様を十分に満たす精度でパターンを形成することができる。特にレベンソン型位相シフトマスク203は露光光の位相差を利用して高い解像度を得る転写用マスクのため、位相精度が高いことは転写精度を高める上で極めて重要である。
[マスクブランクとその製造]
本発明の第4の実施形態に係るマスクブランクは、掘込レベンソン型位相シフトマスク、あるいはCPLマスクを製造するときに用いるマスクブランクである。そのマスクブランクの構造と製造方法は第2の実施形態のマスクブランク102と同じであり、その特徴と効果も第2の実施形態のマスクブランクと同じである。
第4の実施形態に係る転写用マスク204は、マスクブランク102を用いて製造される掘込レベンソン型位相シフトマスクである。以下、その製造工程を製造工程図である図6を参照しながら説明する。
このドライエッチングのガスとしては、第1の実施形態と同様に、遮光膜2が主成分元素としてクロムを含有するときは、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスを用い、主成分元素としてケイ素またはタンタルを含有するときは、フッ素系ガスを用いる。ここで、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスを用いた場合は、保護膜パターン4aがエッチングマスクとなり、フッ素系ガスを用いた場合は、ハードマスクパターン3aがエッチングマスクとなる。なお、図6中の図6(e)以降の図は、遮光膜2のドライエッチングに際して塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスを用いた場合を示す。
その後、必要に応じてマスク洗浄やマスク欠陥検査を行って転写用マスク(レベンソン型位相シフトマスク)204が作製される。
なお、第4の実施形態ではレベンソン型位相シフトマスクを例にとって説明してきたが、CPLマスクにも適用可能である。
第4の実施形態の半導体デバイスの製造方法は、第4の実施形態の転写用マスク(レベンソン型位相シフトマスク)204または第4の実施形態のマスクブランク102を用いて製造されたレベンソン型位相シフトマスク204を用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写することを特徴としている。第4の実施形態のレベンソン型位相シフトマスク204は、透光性基板1をエッチングすることもなくハードマスクパターン3aを除去することができるので、この工程に伴って位相差分布などが発生する問題もなく、位相精度も高い。保護膜4の効果によって欠陥も少ない。このため、第4の実施形態のレベンソン型位相シフトマスク204を用いて半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写すると、半導体デバイス上のレジスト膜に設計仕様を十分に満たす精度でパターンを形成することができる。特にレベンソン型位相シフトマスク204は露光光の位相差を利用して高い解像度を得る転写用マスクのため、位相精度が高いことは転写精度を高める上で極めて重要である。
[マスクブランクとその製造]
本発明の第5の実施形態に係るマスクブランクは、レベンソン型位相シフトマスク、あるいはCPLマスクを製造するときに用いるマスクブランクである。そのマスクブランク103の構造は、透光性基板1上に、エッチングストッパー膜21、位相シフト膜22、遮光膜2、およびハードマスク膜3が順次形成されたものとなっている(図7参照)。ここで、透光性基板1、遮光膜2およびハードマスク膜3は第1の実施形態と同じである。
エッチングストッパー膜21の酸素含有量は、露光光に対する透過率の関係で60原子%以上であることが好ましい。エッチングストッパー膜21はこのマスクブランクを使用して製造された転写用マスクに残る膜なので、この膜の露光光に対する透過率が低いと、転写露光時の露光効率が低下する。露光光に対する透光性基板1の透過率を100%としたときのエッチングストッパー膜21の透過率は、95%以上であることが好ましく、96%以上であるとより好ましく、97%以上であるとさらに好ましい。一方で、エッチングストッパー膜21の酸素の含有量は66%以下であることが望ましい。
第5の実施形態に係る転写用マスクは、マスクブランク103を用いて製造されるレベンソン型位相シフトマスクであり、その製造工程は第3の実施形態の転写用マスクの製造方法に準ずる。第3の実施形態との違いは、位相シフト部を形成する部材が、第3の実施形態の透光性基板1ではなく位相シフト膜22であることと、第5の実施形態には第3の実施形態では備えていなかった位相シフト膜22をエッチングするときのエッチングストッパー膜21を備えていることである。
なお、第5の実施形態ではレベンソン型位相シフトマスクを例にとって説明してきたが、CPLマスクにも適用可能である。
第5の実施形態の半導体デバイスの製造方法は、第5の実施形態の転写用マスク(レベンソン型位相シフトマスク)または第5の実施形態のマスクブランク103を用いて製造されたレベンソン型位相シフトマスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写することを特徴としている。第5の実施形態のレベンソン型位相シフトマスクは、透光性基板1をエッチングすることなくハードマスク膜3のパターンを除去することができる。また、位相シフト膜22にパターン欠陥がある場合もEB欠陥修正により高い精度でパターン欠陥修正を行うことができる。このため、第5の実施形態のレベンソン型位相シフトマスクを用いて半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写すると、半導体デバイス上のレジスト膜に設計仕様を十分に満たす精度でパターンを形成することができる。特にレベンソン型位相シフトマスクは露光光の位相差を利用して高い解像度を得る転写用マスクのため、位相精度が高いことは転写精度を高める上で極めて重要である。
[マスクブランクとその製造]
本発明の第6の実施形態に係るマスクブランクは、レベンソン型位相シフトマスク、あるいはCPLマスクを製造するときに用いるマスクブランクである。そのマスクブランク104の構造は、透光性基板1上に、エッチングストッパー膜21、位相シフト膜22、遮光膜2、ハードマスク膜3および保護膜4が順次形成されたものとなっている(図8参照)。ここで、透光性基板1、エッチングストッパー膜21、位相シフト膜22、遮光膜2およびハードマスク膜3は第5の実施形態と、また、保護膜4は第2の実施形態と構造も製法も同じである。第6の実施形態の構造のマスクブランクの効果は、「転写用マスクとその構造」の項目で述べる。
第6の実施形態に係る転写用マスクは、マスクブランク104を用いて製造されるレベンソン型位相シフトマスクであり、その製造工程は第4の実施形態の転写用マスクの製造方法に準ずる。第4の実施形態との違いは、第5の実施形態のときと同様に、位相シフト部を形成する部材が、第4の実施形態の透光性基板1から位相シフト膜22に変わることと、位相シフト膜をエッチングするときのエッチングストッパー膜21を設けたことである。
これらのことから、第6の実施形態で作製されるレベンソン型位相シフトマスクは、位相精度とパターン寸法精度が高く、欠陥の少ない転写用マスクである。
なお、第6の実施形態ではレベンソン型位相シフトマスクを例にとって説明してきたが、CPLマスクにも適用可能である。
第6の実施形態の半導体デバイスの製造方法は、第6の実施形態のレベンソン型位相シフトマスクまたは第6の実施形態のマスクブランク104を用いて製造されたレベンソン型位相シフトマスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写することを特徴としている。第6の実施形態のレベンソン型位相シフトマスクは、透光性基板1をエッチングすることなくハードマスク膜3のパターンを除去することができる。レジストパターン剥がれや倒れなどの欠陥が生じにくく、位相シフト膜22に黒欠陥がある場合もEB欠陥修正により高い精度でパターン欠陥修正を行うことができる。このため、第6の実施形態のレベンソン型位相シフトマスクを用いて半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写すると、半導体デバイス上のレジスト膜に設計仕様を十分に満たす精度でパターンを高い歩留まりで形成することができる。特にレベンソン型位相シフトマスクは露光光の位相差を利用して高い解像度を得る転写用マスクのため、位相精度が高いことは転写精度を高める上で極めて重要である。
(実施例1)
[マスクブランクの製造]
主表面の寸法が約152mm×約152mmで、厚さが約6.35mmの合成石英ガラスからなる透光性基板1を準備した。この透光性基板1は、端面および主表面を所定の表面粗さ以下(二乗平均平方根粗さRqで0.2nm以下)に研磨され、その後、所定の洗浄処理および乾燥処理を施されたものである。
以上の工程により、透光性基板1上に遮光膜2およびハードマスク膜3がこの順で形成されたマスクブランク101を作製した。
次に、この実施例1のマスクブランク101を用い、以下の手順で実施例1のバイナリマスク201を作製した。最初に、スピン塗布法によって、ハードマスク膜3の表面に接して、電子線描画用化学増幅型レジストからなるレジスト膜を膜厚80nmで形成した。次に、このレジスト膜に対して、遮光膜2に形成すべき転写パターンを電子線描画し、所定の現像処理を行い、レジストパターン5aを形成した(図2(a)参照)。
[マスクブランクの製造]
この実施例2のマスクブランク102は、ハードマスク膜3の上に保護膜4が形成されていることを除いて、実施例1のマスクブランク101と同様にして製造されたものである。以下、実施例1のマスクブランク101と相違する箇所である保護膜4について説明する。
次に、この実施例2のマスクブランク102を用い、以下の手順で実施例2のバイナリマスク202を作製した。
最初に、保護膜4の表面にHMDS処理を施した。続いて、スピン塗布法によって、保護膜4の表面に接して、電子線描画用化学増幅型レジストからなるレジスト膜を膜厚80nmで形成した。次に、このレジスト膜に対して、遮光膜2に形成すべき転写パターンを電子線描画し、所定の現像処理を行い、レジストパターン5aを形成した(図4(a)参照)。
その後、レジストパターン5aをアッシングによって除去し(図4(c)参照)、保護膜パターン4aをマスクにしてハードマスク膜3に対して三塩化ホウ素ガス(BCl3)と塩素ガス(Cl2)の混合ガスを用いたドライエッチングを行い、ハードマスクパターン3aを形成した(図4(d)参照)。
実施例3では、実施例1で作製したマスクブランク101を用いて掘込レベンソン型位相シフトマスク203を作製した。以下、図5を参照しながらその製造工程を説明する。
実施例4では、実施例2で作製したマスクブランク102を用いて掘込レベンソン型位相シフトマスク204を作製した。以下、図6を参照しながらその製造工程を説明する。
最初に、保護膜4の表面にHMDS処理を施した。続いて、スピン塗布法によって、保護膜4の表面に接して、電子線描画用化学増幅型レジストからなるレジスト膜を膜厚80nmで形成した。次に、このレジスト膜に対して、遮光膜2に形成すべき転写パターンを電子線描画し、所定の現像処理を行い、レジストパターン5aを形成した(図6(a)参照)。
その後、レジストパターン5aをアッシングによって除去し(図6(c)参照)、保護膜パターン4aをマスクにしてハードマスク膜3に対して三塩化ホウ素ガス(BCl3)と塩素ガス(Cl2)の混合ガスを用いたドライエッチングを行い、ハードマスクパターン3aを形成した(図6(d)参照)。
また、遮光パターン2aおよび透光性基板1の掘込部12(位相シフトパターン)の断面をSEMで観察したところ、遮光パターン2aの側壁の垂直性は高かった。位相シフトパターンの掘込深さと形状は、エッチングレートとエッチング時間から求めた予想通りであり、ハードマスク膜3を除去したときの透光性基板1のエッチングは特に認められなかった。また、パターン欠陥検査を行ったところ、レジストパターン倒れ起因と考えられる欠陥は認められなかった。これは保護膜4の効果が現れたものと考えられる。
[マスクブランクの製造]
比較例のマスクブランクは、実施例1のマスクブランク101においてハードマスク膜3をSiO2に置き換えたもので、その膜厚を含め他は全て実施例1のマスクブランク101を作製したときと同じである。
そのマスクブランクを用いて製造する転写用マスクは掘込レベンソン型位相シフトマスクであり、下記の工程を除いてそのマスクの製造工程は実施例3と同じである。
1b 透光性基板
2 遮光膜
2a 遮光パターン
3 ハードマスク膜
3a ハードマスクパターン
4 保護膜
4a、4b 保護膜パターン
5a 第1のレジストパターン
6b 第2のレジストパターン
11 基板表面露出部分
12 掘込部
13 露光光透過面
21 エッチングストッパー膜
22 位相シフト膜
101、102、103、104 マスクブランク
201、202 転写用マスク(バイナリマスク)
203、204 転写用マスク(レベンソン型位相シフトマスク)
Claims (9)
- 透光性基板の主表面上にパターン形成用薄膜とハードマスク膜がこの順に積層した構造を備えたマスクブランクであって、
前記パターン形成用薄膜は、クロム、ケイ素およびタンタルから選ばれる少なくとも1以上の元素を含有し、
前記ハードマスク膜は、アルミニウムおよび酸素を含有し、前記パターン形成用薄膜の表面に接して形成されていることを特徴とするマスクブランク。 - 前記ハードマスク膜は、アルミニウムおよび酸素からなることを特徴とする請求項1記載のマスクブランク。
- 前記ハードマスク膜は、厚さが3nm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のマスクブランク。
- 前記ハードマスク膜は、アモルファス構造および微結晶構造の少なくともいずれかの構造を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のマスクブランク。
- 前記パターン形成用薄膜は、露光光に対する光学濃度が2.0よりも大きいことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のマスクブランク。
- 前記パターン形成用薄膜は、クロムを含有する材料で形成され、
前記ハードマスク膜の上に保護膜を備え、前記保護膜は、ケイ素と酸素を含有する材料またはタンタルを含有する材料で形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のマスクブランク。 - 請求項1から5のいずれかに記載のマスクブランクを用いた転写用マスクの製造方法であって、
転写パターンを有するレジスト膜をマスクとし、塩素系ガスを用いるドライエッチングにより前記ハードマスク膜に転写パターンを形成する工程と、
前記転写パターンを有するハードマスク膜をマスクとし、ドライエッチングにより前記パターン形成用薄膜に転写パターンを形成する工程と、
アルカリ液を用いて前記転写パターンを有するハードマスク膜を除去する工程と
を有することを特徴とする転写用マスクの製造方法。 - 請求項6記載のマスクブランクを用いた転写用マスクの製造方法であって、
転写パターンを有するレジスト膜をマスクとし、フッ素系ガスを用いるドライエッチングにより前記保護膜に転写パターンを形成する工程と、
前記転写パターンを有する保護膜をマスクとするエッチングにより前記ハードマスク膜に転写パターンを形成する工程と、
前記転写パターンを有する保護膜をマスクとし、ドライエッチングにより前記パターン形成用薄膜に転写パターンを形成する工程と、
アルカリ液を用いて前記転写パターンを有するハードマスク膜を除去する工程と
を有することを特徴とする転写用マスクの製造方法。 - 請求項7または8に記載の転写用マスクの製造方法により製造された転写用マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を備えることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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