JP2017227824A - マスクブランク、転写用マスクの製造方法および半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

マスクブランク、転写用マスクの製造方法および半導体デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】透光性基板の主表面上にパターン形成用薄膜とハードマスク膜がこの順に積層された構造を備えたマスクブランクにおいて、透光性基板の主表面をほとんどエッチングすることなくハードマスク膜を除去することが可能で、転写精度の高い転写用マスクを製造する上で好適なマスクブランクを提供する。【解決手段】マスクブランクのパターン形成用薄膜は、クロム、ケイ素およびタンタルから選ばれる少なくとも1以上の元素を含有し、ハードマスク膜は、アルミニウムおよび酸素を含有し、前記パターン形成用薄膜の表面に接して形成されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、マスクブランク、そのマスクブランクを用いた転写用マスクの製造方法に関するものである。また、本発明は、前記の転写用マスクの製造方法によって製造された転写用マスクを用いた半導体デバイスの製造方法に関するものである。
近年、半導体デバイスのパターンの微細化に伴い、転写用マスクに形成される転写パターンの微細化が進んできている。転写用マスクにおける転写パターンを構成する薄膜は、クロムを含有する材料(以下、クロム系材料という。)が広く用いられている。そのような転写用マスクは、クロム系材料の遮光膜を備えるマスクブランクを用いて製造される。具体的には、有機系材料からなるレジストパターンをマスクとするドライエッチングで遮光膜に転写パターンを形成する。一般に、クロム系材料の遮光膜に対するドライエッチングには、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスが用いられる。有機系材料のレジスト膜は、この塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスのドライエッチングに対する耐性が低く、レジスト膜を大幅に厚く形成する必要がある。遮光膜に形成すべき転写パターンが微細化してきており、レジストパターンをマスクにして、遮光膜をパターニングすることが難しくなってきている。
このため、近年では、特許文献1に開示されているような、クロム系材料の遮光膜の上に、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスを用いたドライエッチングに対して耐性を有する材料(SiO等)からなるハードマスク膜を設けたマスクブランクが用いられている。このマスクブランクの遮光膜に転写パターンを形成するには、レジストパターンをマスクとするフッ素系ガスによるドライエッチングでハードマスク膜に転写パターンを形成してから、そのハードマスク膜のパターンをマスクとする塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスを用いたドライエッチングでクロム系材料の遮光膜に転写パターンを形成するという複数段階のエッチングが行われる。この特許文献1のマスクブランクは、バイナリマスク(転写用マスク)を製造する用途のほか、透光性基板を掘り込んで位相シフトパターンを形成する掘込レベンソン型の位相シフトマスク(転写用マスク)を製造する用途にも適用可能である。
特許文献2には、クロムを含有する材料からなる3層構造の遮光膜と、ケイ素およびタンタルから選ばれる少なくとも1以上の元素を含有する材料からなるハードマスク膜がこの順に積層されたマスクブランクが開示されている。
一方、特許文献3には、石英からなる透明基板の上に、Alからなる透明導電膜と、SiOからなる透明な第1の位相シフト膜、Crを主成分とする遮光膜をこの順に形成し、遮光膜に主透光部と補助透光部のパターンを形成し、第1の位相シフト膜に補助透光部のパターンを形成して位相シフトマスクを製造する方法が開示されている。
特開2013−238777号公報 特開2015−194725号公報 特表2006−084507号公報
特許文献1に開示されているように、上記のハードマスク膜を備えるマスクブランクからバイナリマスクを製造する場合、クロム系材料の遮光膜に転写パターンを形成した後、フッ素系ガスを用いたドライエッチングで残存するハードマスク膜を除去する必要がある。しかし、転写パターンが形成された遮光膜における透光部の領域は、透光性基板が露出した状態になっている。この状態でハードマスク膜を除去するためのフッ素系ガスを用いたドライエッチングを行うと、合成石英ガラスなどからなる透光部の領域の透光性基板もドライエッチングされ、遮光パターン剥がれなどの問題が発生しやすくなる。また、透光部の領域は、マイクロローディング効果などによって不均一にエッチングされやすいので、場所によって露光光に対する位相差が生じ、このマスクブランクを用いて製造された転写用マスクの転写性能が低下するなどの問題が起きる。
一方、上記のハードマスクを備えるマスクブランクから掘込レベンソン型の位相シフトマスクを製造する場合も、残存するハードマスク膜を除去するときに、設計上、掘り込むべきではない透光部の領域の透光性基板が掘り込まれてしまうという問題がある。
特許文献2に開示されているように、マスクブランクから掘込レベンソン型の位相シフトマスクを製造するプロセスでは、最初に、遮光膜に形成すべき転写パターンを遮光膜に形成してから、透光性基板の掘り込むべき領域を掘り込むという順序で行うことが一般的である。掘込レベンソン型の位相シフトマスクは、遮光膜のパターンの透光部に透光性基板の表面を掘り込んだ掘込部と掘り込まない非掘込部を交互に設けることで、掘込部を透過する露光光と非掘込部を透過する露光光との間で位相シフト効果を生じさせ、転写対象物(ウェハ上のレジスト膜)に微細パターンを露光転写する。しかしながら、この交互掘込工程の前の段階で透光部の領域の透光性基板が不均一にドライエッチングされると隣接するパターン間の位相差を所望の値に制御することが困難になり、レベンソン型の位相シフトマスクの転写性能が低下する。なお、透光性基板は、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスによるドライエッチングに対する耐性が非常に高いため、遮光膜に転写パターンを形成するときのドライエッチングでは、透光性基板の透光部になる領域は実質的に掘り込まれない。
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、透光性基板の主表面上にパターン形成用薄膜、およびそのエッチングに対して高いドライエッチング耐性を有するハードマスク膜がこの順に積層された構造を備えたマスクブランクにおいて、透光性基板の主表面をほとんどエッチングすることなくハードマスク膜を除去することが可能で、転写精度の高い転写用マスクを製造する上で好適なマスクブランクを提供することを目的としている。また、このマスクブランクを用いて製造される転写用マスクを提供することを目的としている。さらに、このような転写用マスクを製造する方法を提供することを目的としている。そして、本発明は、このような転写用マスクを用いた半導体デバイスの製造方法を提供することを目的としている。
前記の課題を達成するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
透光性基板の主表面上にパターン形成用薄膜とハードマスク膜がこの順に積層した構造を備えたマスクブランクであって、
前記パターン形成用薄膜は、クロム、ケイ素およびタンタルから選ばれる少なくとも1以上の元素を含有し、
前記ハードマスク膜は、アルミニウムおよび酸素を含有し、前記パターン形成用薄膜の表面に接して形成されていることを特徴とするマスクブランク。
(構成2)
前記ハードマスク膜は、アルミニウムおよび酸素からなることを特徴とする構成1記載のマスクブランク。
(構成3)
前記ハードマスク膜は、厚さが3nm以上であることを特徴とする構成1または2に記載のマスクブランク。
(構成4)
前記ハードマスク膜は、アモルファス構造および微結晶構造の少なくともいずれかの構造を有することを特徴とする構成1から3のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成5)
前記パターン形成用薄膜は、露光光に対する光学濃度が2.0よりも大きいことを特徴とする構成1から4のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成6)
前記パターン形成用薄膜は、クロムを含有する材料で形成され、
前記ハードマスク膜の上に保護膜を備え、前記保護膜は、ケイ素と酸素を含有する材料またはタンタルを含有する材料で形成されていることを特徴とする構成1から5のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成7)
構成1から5のいずれかに記載のマスクブランクを用いた転写用マスクの製造方法であって、
転写パターンを有するレジスト膜をマスクとし、塩素系ガスを用いるドライエッチングにより前記ハードマスク膜に転写パターンを形成する工程と、
前記転写パターンを有するハードマスク膜をマスクとし、ドライエッチングにより前記パターン形成用薄膜に転写パターンを形成する工程と、
アルカリ液を用いて前記転写パターンを有するハードマスク膜を除去する工程と
を有することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
(構成8)
構成6記載のマスクブランクを用いた転写用マスクの製造方法であって、
転写パターンを有するレジスト膜をマスクとし、フッ素系ガスを用いるドライエッチングにより前記保護膜に転写パターンを形成する工程と、
前記転写パターンを有する保護膜をマスクとするエッチングにより前記ハードマスク膜に転写パターンを形成する工程と、
前記転写パターンを有する保護膜をマスクとし、ドライエッチングにより前記パターン形成用薄膜に転写パターンを形成する工程と、
アルカリ液を用いて前記転写パターンを有するハードマスク膜を除去する工程と
を有することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
(構成9)
構成7または8に記載の転写用マスクの製造方法により製造された転写用マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を備えることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
本発明のマスクブランクは、透光性基板の主表面上にパターン形成用薄膜とハードマスク膜をこの順に備えたマスクブランクであって、パターン形成用薄膜は、クロム、ケイ素およびタンタルから選ばれる少なくとも1以上の元素を含有し、ハードマスク膜は、アルミニウムおよび酸素を含有し、前記パターン形成用薄膜の表面に接して形成されていることを特徴とする。このような構造のマスクブランクとすることにより、このハードマスク膜は、パターン形成用薄膜を塩素系ガスと酸素ガスの混合ガス、またはフッ素系ガスを用いてドライエッチング加工する際に十分耐性の高いハードマスク膜となり、かつアルカリ除去液を用いることにより透光性基板をほとんどエッチングせずにこのハードマスク膜を除去することが可能になる。このため、このマスクブランクを用いて製造された転写用マスクは、パターン形成精度が高く、パターン剥がれなどによる欠陥も少なく、また、露光光に対する位相精度が高いものとなる。
本発明の第1の実施形態におけるマスクブランクの構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態におけるバイナリマスクの製造工程を示す製造工程図である。 本発明の第2の実施形態におけるマスクブランクの構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態におけるバイナリマスクの製造工程を示す製造工程図である。 本発明の第3の実施形態における位相シフトマスクの製造工程を示す製造工程図である。 本発明の第4の実施形態における位相シフトマスクの製造工程を示す製造工程図である。 本発明の第5の実施形態におけるマスクブランクの構成を示す断面図である。 本発明の第6の実施形態におけるマスクブランクの構成を示す断面図である。
<第1の実施形態>
[マスクブランクとその製造]
本発明の第1の実施形態に係るマスクブランクは、パターン形成用薄膜が遮光膜であるバイナリマスク(転写用マスク)を製造するために用いられるマスクブランクである。但し、後述の第3の実施形態で示すように、この第1の実施形態に関わる係るマスクブランクは、掘込レベンソン型位相シフトマスク、あるいはCPL(Chromeless Phase Lithography)マスクを製造するためのマスクブランクとしても用いることができる。
図1に、この第1の実施形態のマスクブランクの構成を示す。この第1の実施形態に係るマスクブランク101は、透光性基板1の主表面上に、遮光膜(パターン形成用薄膜)2、ハードマスク膜3を備えている。この第1の実施形態の特徴は、ハードマスク膜3として、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスあるいはフッ素系ガスを用いたドライエッチングに対して高いドライエッチング耐性を有し、かつアルカリ液に対して高い溶解性を示し、透光性基板1との間で高いエッチング選択性を有するアルミニウムと酸素を含有する材料を用いていることである。
透光性基板1は、露光光に対して高い透過率を有するものであれば、特に制限されない。本発明では、合成石英ガラス基板、その他各種のガラス基板(例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス等)を用いることができる。これらの基板の中でも特に合成石英ガラス基板は、ArFエキシマレーザー光またはそれよりも短波長の領域で透過率が高いので、高精細の転写パターン形成に用いられる本発明のマスクブランクの基板として好適である。
遮光膜2は、クロム、ケイ素およびタンタルから選ばれる少なくとも1以上の元素を含有する材料からなり、その膜構造は、単層構造および2層以上の積層構造のいずれでもよい。積層構造の場合は、露光光あるいは欠陥検査を行うときの検査光に対して反射率低減を行う反射低減効果をもたせることができる。また、単層構造の遮光膜および2層以上の積層構造の遮光膜の各層は、膜または層の厚さ方向でほぼ同じ組成である構成であっても、層の厚さ方向で組成傾斜した構成であってもよい。クロム、ケイ素およびタンタルから選ばれる少なくとも1以上の元素を含有する膜は、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスあるいはフッ素系ガスを用いることによりドライエッチングできる膜である。
遮光膜2は、クロムを含有する材料で形成することが好ましい。遮光膜2を形成するクロムを含有する材料としては、クロム金属の他、クロム(Cr)に酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)、ホウ素(B)およびフッ素(F)から選ばれる1つ以上の元素を含有する材料が挙げられる。一般に、クロム系材料は、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスでエッチングされるが、クロム金属はこのエッチングガスに対するエッチングレートがあまり高くない。塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスのエッチングガスに対するエッチングレートを高める点を考慮すると、遮光膜2を形成する材料としては、クロムに酸素、窒素、炭素、ホウ素およびフッ素から選ばれる1つ以上の元素を含有する材料が好ましい。また、遮光膜2を形成するクロムを含有する材料にモリブデン(Mo)、インジウム(In)およびスズ(Sn)のうち1つ以上の元素を含有させてもよい。モリブデン、インジウムおよびスズのうち1つ以上の元素を含有させることで、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスに対するエッチングレートをより速くすることができる。なお、クロムを含有する材料で遮光膜2を形成した場合は、ケイ素の含有量は、5原子%以下であることが好ましく、3原子%以下であるとより好ましく、実質的に含有していないとさらに好ましい。ケイ素を含有すると塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスに対するエッチングレートが低下し、遮光膜2のドライエッチング上好ましくないからである。
遮光膜2を形成するケイ素を含有する材料には、遷移金属を含有させてもよく、遷移金属以外の金属元素を含有させてもよい。遮光膜2に遷移金属を含有させると、含有させない場合に比べて遮光性能が大きく向上し、遮光膜2の厚さを薄くすることが可能となるためである。遮光膜2に含有させる遷移金属としては、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ハフニウム(Hf)、ニッケル(Ni)、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、ニオブ(Nb)、パラジウム(Pd)等のいずれか1つの金属またはこれらの金属の合金が挙げられる。ケイ素を含有する材料で遮光膜2を形成する場合、遷移金属以外の金属(スズ(Sn)インジウム(In)、ガリウム(Ga)等)を含有させてもよい。
遮光膜2は、ケイ素と窒素からなる材料、またはケイ素と窒素からなる材料に半金属元素、非金属元素および貴ガスから選ばれる1以上の元素を含有する材料で形成することができる。この場合の遮光膜2には、いずれの半金属元素を含有してもよい。この半金属元素の中でも、ホウ素、ゲルマニウム、アンチモンおよびテルルから選ばれる1以上の元素を含有させると、遮光膜2をスパッタリング法で成膜するときにターゲットとして用いるケイ素の導電性を高めることが期待できるため、好ましい。
遮光膜2は、下層と上層を含む積層構造である場合、下層をケイ素からなる材料またはケイ素に炭素、ホウ素、ゲルマニウム、アンチモンおよびテルルから選ばれる1以上の元素を含有する材料で形成し、上層をケイ素と窒素からなる材料またはケイ素と窒素からなる材料に半金属元素、非金属元素および貴ガスから選ばれる1以上の元素を含有する材料で形成することができる。
また、遮光膜2がタンタルを含有する材料の場合は、タンタル金属の他、タンタルに窒素、酸素、ホウ素および炭素から選ばれる1つ以上の元素を含有させた材料などが挙げられる。例えば、Ta、TaN、TaO、TaON、TaBN、TaBO、TaBON、TaCN、TaCO、TaCON、TaBCN、TaBOCN等が挙げられる。また、遮光膜2の遮光層としてTaやTaNを用いる場合は、TaやTaNは露光光に対して反射率が高いため、その遮光層の上にTaOやMoSiなどからなる反射防止層を設けた積層構造とすることが望ましい。なお、タンタルを含有する材料で遮光膜2を形成した場合は、タンタル含有材料へのケイ素の含有量は、5原子%以下であることが好ましく、3原子%以下であるとより好ましく、実質的に含有していないとさらに好ましい。
遮光膜2は、アモルファス構造あるいは微結晶構造であることが、表面ラフネス、および形成された遮光パターンのラインエッジラフネス(LER:Line Edge Roughness)を低減する上で好ましい。
遮光膜2は、スパッタリングにより形成することが好ましく、DCスパッタリング、RFスパッタリングおよびイオンビームスパッタリングなどのいずれのスパッタリング法も適用可能である。スパッタリングで遮光膜2を形成することにより、遮光膜2をアモルファスあるいは微結晶構造の膜にすることができる。
遮光膜2は、バイナリマスクとして露光光を十分遮光して十分な転写特性を得るため、露光光に対して2.0よりも大きい光学濃度(OD)を確保することが求められる。光学濃度は2.8以上であると好ましく、3.0以上であるとより好ましい。
ハードマスク膜3は、アルミニウムおよび酸素を含有する材料からなり、その膜構造は、単層構造および2層以上の積層構造のいずれでもよい。また、単層構造のハードマスク膜および2層以上の積層構造のハードマスク膜の各層は、膜または層の厚さ方向でほぼ同じ組成である構成であっても、層の厚さ方向で組成傾斜した構成であってもよい。そして、ハードマスク膜3は、被加工物である遮光膜2に転写パターンを形成するドライエッチング時にエッチングマスクとして用いられるため、遮光膜2の表面に接して形成される。
ハードマスク膜3は、アルミニウムおよび酸素以外の元素の合計含有量が5原子%以下であることが好ましく、3原子%以下であるとより好ましく、アルミニウムおよび酸素からなる材料で形成するのがさらに好ましい。アルミニウムおよび酸素からなる材料とは、これらの構成元素のほか、スパッタリングで成膜する際、ハードマスク膜3に含有されることが不可避な元素(ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)およびキセノン(Xe)等の貴ガス、水素(H)、炭素(C)、窒素(N)等)のみを含有する材料のことをいう。
ハードマスク膜3中でアルミニウムと結合する他の元素の存在を極小にすることにより、ハードマスク膜3中におけるアルミニウムと酸素の結合の比率を大幅に高めることができる。これにより、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスあるいはフッ素系ガスによるドライエッチングのエッチング耐性をより高くすることができる。また、アルカリ液に対する溶解速度を基板との間で十分な選択性が得られるだけの速さとすることができる。なお、アルミニウムおよび酸素からなる材料は、Alターゲット(アルミナターゲット)を用いたRFスパッタリングで成膜できるので、成膜が容易で、品質が安定するという特徴もある。
ハードマスク膜3には、半金属、非金属、およびタングステン(W)などの金属を含有することも可能であるが、ケイ素(Si)に関しては含有していない方が好ましい。ケイ素を含有するとアルカリ液に対する溶解性が低下し、ハードマスク膜3を除去するのが困難になるからである。ハードマスク膜3は、膜中のアルミニウムおよびケイ素の合計含有量[原子%]に対するケイ素の含有量[原子%]の比率(以下、「Si/[Si+Al]比率」という。)が1/5未満であることが少なくとも求められる。ハードマスク膜3は、膜中のSi/[Si+Al]比率が1/6以下であると好ましく、1/10以下であるとより好ましく、ゼロであるとさらに好ましい。なお、ここでの半金属としては、ホウ素(B)、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)およびテルル(Te)等が挙げられ、非金属としては、炭素(C)、フッ素(F)および水素(H)を挙げることができる。
ハードマスク膜3は、遮光膜2を塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスあるいはフッ素系ガスによりドライエッチングするときのエッチング耐性と、ハードマスク膜3を除去するときのアルカリ液に対する溶解性の観点から、膜中のアルミニウムおよび酸素の合計含有量[原子%]に対する酸素の含有量[原子%]の比率(以下、「O/[Al+O]比率」という。)が0.5以上であると好ましい。また、ハードマスク膜3中におけるO/[Al+O]比率は、0.55以上であるとより好ましく、0.58以上であるとさらに好ましい。一方、ハードマスク膜3中におけるO/[Al+O]比率は、0.6以下であることが求められる。
ハードマスク膜3は、アモルファス構造とすることが好ましい。より具体的には、ハードマスク膜3はアルミニウムおよび酸素の結合を含む状態のアモルファス構造であることが好ましい。アモルファス構造のハードマスク膜3は表面ラフネスが小さくなり、ハードマスク膜3に転写パターンを形成したときのLERが小さなものとなる。
ハードマスク膜3は、スパッタリングにより形成することが好ましく、RFスパッタリング、DCスパッタリングおよびイオンビームスパッタリングなどの方法が適用可能である。この中でRFスパッタリングは成膜レートも速く、また欠陥も発生しにくいので好ましい。スパッタリングにより、形成されるハードマスク膜3をアモルファスあるいは微結晶構造の膜にすることができる。
ハードマスク膜3は、厚さが3nm以上であることが好ましい。ハードマスク膜3をアルミニウムおよび酸素を含有する材料で形成することにより、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスあるいはフッ素系ガスに対するエッチングレートは大幅に小さくなるが、ハードマスク膜3が全くエッチングされないわけではない。このため、ハードマスク膜3の厚さは3nm以上必要で、4nm以上であると好ましく、5nm以上であるとより好ましい。一方、レジストパターンをマスクにしてハードマスク膜3をドライエッチング加工するときのレジスト膜の必要膜厚を鑑みると、ハードマスク膜3の厚さは20nm以下であることが望まれ、15nm以下であると好ましく、10nm以下であるとより好ましい。レジスト膜が厚いと、レジストパターンが倒れやすいためである。
以上のように、この第1の実施形態のマスクブランク101は、透光性基板1、パターン形成用薄膜である遮光膜2、および遮光膜2に接して形成されたアルミニウムおよび酸素を含有するハードマスク膜3を備えている。このハードマスク膜3は、遮光膜2にパターンを形成するときに行われる塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスあるいはフッ素系ガスによるドライエッチングに対する耐性が高く、アルカリ液に対して溶解性が高い。これにより、遮光膜2に転写パターンを形成するときのドライエッチング時にハードマスク膜3がマスクとして機能しつつ、透光性基板1および遮光膜2に実質的なダメージは与えずにアルカリ液でハードマスク膜3を除去することができる。
第1の実施形態のマスクブランク101は、上記の構成からなるが、ハードマスク膜3の表面に接して、有機系材料のレジスト膜が形成されたものをマスクブランクとすることもできる。この場合、レジスト膜の膜厚は100nm以下であると、このレジスト膜にパターンを形成したときのレジストパターン倒れを防止する観点から望ましい。DRAM hp32nm世代に対応する微細パターンの場合、ハードマスク膜3に形成すべき転写パターン(位相シフトパターン)に、線幅が40nmのSRAF(Sub−Resolution Assist Feature)が設けられることがある。このような場合でも、レジストパターンの断面アスペクト比は1:2.5と低くなるので、レジスト膜の現像やリンスのときに、レジストパターンが倒れたり剥がれたりしにくくなる。なお、レジスト膜の膜厚は、80nm以下であると、レジストパターンの倒れや剥がれがさらに抑制されるため、より好ましい。
[転写用マスク(バイナリマスク)とその製造]
この第1の実施形態に係る転写用マスクであるバイナリマスク201(図2(e)参照)は、上記のアルミニウムと酸素を含有するハードマスク膜3を有するマスクブランク101を用いて製造されることを特徴としている。その主要な工程は、転写パターンを有するレジスト膜をマスクとし、塩素系ガスを用いるドライエッチングによりハードマスク膜3に転写パターンを形成する工程と、転写パターンを有するハードマスク膜をマスクとし、ドライエッチングにより遮光膜2に転写パターンを形成する工程と、アルカリ液を用いて前記転写パターンを有するハードマスク膜を除去する工程からなる。
以下、その製造工程を製造工程図(概略断面図)である図2を参照しながら説明する。
まず、マスクブランク101におけるハードマスク膜3に接して、レジスト膜をスピン塗布法によって形成する。次に、レジスト膜に対して、遮光膜2に形成すべき転写パターンを電子線で描画し、さらに現像処理等の所定の処理を行い、レジストパターン5aを形成する(図2(a)参照)。続いて、レジストパターン5aをマスクとして、三塩化ホウ素ガス(BCl)と塩素ガス(Cl)の混合ガスなどの塩素系ガスを用いたドライエッチングを行い、ハードマスク膜3にパターン(ハードマスクパターン3a)を形成する(図2(b)参照)。
次に、レジストパターン5aを除去し(図2(c)参照)、しかる後ハードマスクパターン3aをマスクとしてドライエッチングを行い、遮光膜2に遮光パターン2aを形成する(図2(d)参照)。ここで、このドライエッチングのガスとしては、遮光膜2が主成分元素としてクロムを含有するときは塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスを用い、主成分元素としてケイ素またはタンタルを含有するときはフッ素系ガスを用いる。塩素系ガスとしては塩素(Cl)が含まれていれば特に制限はなく、例えば、Cl、SiCl、CHCl、CHCl、BCl等が挙げられる。また、フッ素系ガスとしては、フッ素(F)が含まれていれば特に制限はなく、例えば、CHF、CF、C、C、SF等が挙げられる。この遮光膜2のドライエッチングの際、遮光パターン2aのパターン側壁の垂直性を高めるため、および遮光パターン2aの面内のCD均一性を高めるために追加のエッチング(オーバーエッチング)を行うとよい。
その後、アルカリ液を用いてハードマスクパターン3aを除去し(図2(e)参照)、必要に応じてマスク欠陥検査を行って転写用マスク(バイナリマスク)201が出来上がる。アルミニウムと酸素を含有する材料からなるハードマスクパターン3aはアルカリ液に対して高い溶解性を示す。一方、ガラス材料からなる透光性基板1およびクロム、ケイ素およびタンタルから選ばれる少なくとも1以上の元素を主構成元素として含有する遮光膜2はアルカリ液に対する溶解性は低い。このため、このアルカリ液によるハードマスクパターン3aの除去のときに透光性基板1の表面が露出している基板表面露出部分11や遮光パターン2aはほとんどエッチングされない。このため、製造されたバイナリマスク201は、遮光パターン2aの線幅変化やパターン剥がれなどの問題を受けない良好なものとなる。また、透光性基板1の表面が露出している基板表面露出部分11はほとんどダメージを受けないので、ハードマスクパターン3a除去による位相差分布の発生などの問題も起こりにくい。
ここで、アルカリ液としては、アンモニア過水、TMAH(Tetramethylammonium hydroxide)、アンモニア水、TEAH(Tetraethylammonium hydroxide)、TBAH(Tetrabuthylammonium hydroxide)、KOH水溶液、NaOH水溶液等を挙げることができる。これらの中で特にアンモニア過水はマスクの洗浄効果もあるので、欠陥の少ない転写用マスクを製造する上で好ましく用いることができる。
第1の実施形態で用いたハードマスク膜3は、上記のように、遮光膜2をエッチングするときに十分なエッチング耐性を持ち、また透光性基板1や遮光パターン2aに対してダメージを与えずに除去することが可能である。このため、第1の実施形態のバイナリマスク201は、マスク製造起因の位相差の問題も生じず、かつパターン剥がれ等の欠陥も少ない転写用マスクとなる。
[半導体デバイスの製造]
第1の実施形態の半導体デバイスの製造方法は、第1の実施形態の転写用マスク(バイナリマスク)201または第1の実施形態のマスクブランク101を用いて製造されたバイナリマスク201を用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写することを特徴としている。第1の実施形態のバイナリマスク201は、透光性基板1をエッチングすることもなくハードマスクパターン3aを除去することができているので、位相差分布などが発生する問題もない。このため、第1の実施形態のバイナリマスク201を用いて半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写すると、半導体デバイス上のレジスト膜に設計仕様を十分に満たす精度でパターンを形成することができる。
<第2の実施形態>
[マスクブランクとその製造]
本発明の第2の実施形態に係るマスクブランクは、第1の実施形態のマスクブランク101と同様にバイナリマスクを製造するときに用いるマスクブランクである。また、このマスクブランクは、第4の実施形態で述べるように、掘込レベンソン型位相シフトマスク、あるいはCPLマスクを製造する際に用いることもできる。図3に、この第2の実施形態のマスクブランクの構成を示す。この第2の実施形態のマスクブランク102は、透光性基板1上に、パターン形成用薄膜としての遮光膜2、ハードマスク膜3、および保護膜4が順に積層された構造からなるものである。なお、以後、第1の実施形態のマスクブランクと同様の構成については同一の符号を使用し、ここでの説明を省略する。
第2の実施形態の特徴は保護膜4であり、透光性基板1からハードマスク膜3までは第1の実施形態と全て同じである。保護膜4は、ケイ素と酸素を含有する材料、またはタンタルを含有する材料からなり、アルカリ液に対する溶解性が低い膜である。ここで、ケイ素と酸素を含有する材料としては、例えば、SiO、SiO、SiON、SiOC等を挙げることができ、タンタルを含有する材料としては、Ta、TaN、TaO、TaON、TaBN、TaBO、TaBON、TaCN、TaCO、TaCON、TaBCN、TaBOCN等が挙げられる。これらの材料はフッ素系ガスでエッチングすることが可能である。
保護膜4は、単層構造および2層以上の積層構造のいずれも適用可能であるが、単層構造が、製造工程が少なくてすみ、成膜時に発生する欠陥の発生も少なくなるという点で好ましい。保護膜4は、膜または層の厚さ方向でほぼ同じ組成である構成であっても、厚さ方向で組成傾斜した構成であってもよい。
保護膜4の機能は、レジスト膜の現像時にハードマスク膜3を保護することである。アルミニウムと酸素を含有する材料からなるハードマスク膜3はアルカリ液で溶解する。有機材料からなるレジスト膜の現像液には、一般に、TMAHなどのアルカリ液が用いられるため、レジスト膜の現像時に、形成されたレジストパターン開口部のハードマスク膜3が露出した部分が表面から溶解していく。レジスト膜に形成されるパターン(すなわち、パターン形成用薄膜に形成されるパターン)が面内における疎密差が大きい場合、現像で除去されるレジスト膜の面積の差が大きく、不要なレジスト膜が除去されるまでの時間に面内で比較的大きな差が生じる。先にレジスト膜を除去し終えた領域は、不要なレジスト膜が全ての領域で除去し終えるまでの間、ハードマスク膜3の表面が現像液に晒され続ける。
現像液(アルカリ液)によるハードマスク膜3の溶解は、等方性の傾向を示す。このため、現像液によってハードマスク膜3が底部まで溶解した後は、その等方性の傾向に起因してその溶解した領域のハードマスク膜3の側壁側からレジスト膜が上面に存在している領域のハードマスク膜3の内側に向かって溶解が進行する。このような状況になると、レジストパターンのパターン幅よりも直下のハードマスク膜3のパターン幅の方が小さくなってしまい、このハードマスクパターン上のレジストパターンは剥がれたり倒れたりしやすくなる。保護膜4はアルカリ液に対してほとんど溶解しないので、このレジストパターン現像時に生じる問題を抑止することができる。
保護膜4は、スパッタリングにより形成することが好ましく、RFスパッタリング、DCスパッタリングおよびイオンビームスパッタリングなどの方法が適用可能である。保護膜4の膜厚は、ハードマスク膜3をアルカリ液から保護するには1.5nm以上であることが求められ、4nm以上であると好ましく、5nm以上であるとより好ましい。保護膜4は、レジストパターンをマスクとするドライエッチングで加工する必要がある。そのときのレジスト膜の必要膜厚を鑑みると、保護膜4の厚さは20nm以下であることが望まれ、15nm以下であると好ましく、10nm以下であるとより好ましい。レジスト膜が厚いと、レジストパターンが倒れやすいためである。
以上のように、この第2の実施形態のマスクブランク102は、透光性基板1、パターン形成用薄膜である遮光膜2、遮光膜2に接して形成されたアルミニウムおよび酸素を含有するハードマスク膜3および保護膜4を備えている。ハードマスク膜3は、遮光膜2にパターンを形成するときに行われる塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスあるいはフッ素系ガスによるドライエッチングに対する耐性が高く、アルカリ液に対して溶解性が高い。また、保護膜4は、アルカリ液に対する溶解性が低いが、フッ素系ガスによるドライエッチングで除去する必要がある。第2の実施形態のマスクブランク102は、このような特性を有するハードマスク膜3と保護膜4が積層していることにより、レジスト膜に遮光膜2に形成するパターンを形成する現像処理を行うときに、ハードマスク膜3を現像液(アルカリ液)から保護し、遮光膜2に転写パターンを形成するときのドライエッチング時にハードマスク膜3がマスクとして機能し、保護膜4を除去するときには、ハードマスク膜3をアルカリ液で溶解させることで保護膜4を除去(リフトオフ)することができる。
[転写用マスクとその製造]
第2の実施形態に係る転写用マスク202は、ハードマスク膜3の上にアルカリ現像液によるハードマスク膜3の溶解を防止する保護膜4が設けられたマスクブランク102を用いて製造されるバイナリマスク(転写用マスク)である。マスクブランクの項目で述べたように、保護膜4により、現像液によるハードマスク膜3の溶解とそれに伴うレジストパターンの倒れや剥がれが抑制されて、パターン欠陥の少ないバイナリマスクとなる。以下、その製造工程を製造工程図である図4を参照しながら説明する。
まず、マスクブランク102における保護膜4に接して、レジスト膜をスピン塗布法によって形成する。次に、レジスト膜に対して、遮光膜2に形成すべき転写パターンを電子線で描画し、さらに現像処理等の所定の処理を行い、レジストパターン5aを形成する(図4(a)参照)。ここで、保護膜4はアルカリ液であるレジストの現像液に対する溶解性は低く、保護膜4へのダメージは無視されるほど小さい。
続いて、レジストパターン5aをマスクとして、保護膜4をフッ素系ガスを用いてドライエッチングし、保護膜パターン4aを形成する(図4(b)参照)。
その後、レジストパターン5aをレジスト剥離液やアッシングなどによって除去し(図4(c)参照)、保護膜パターン4aをマスクにしてハードマスク膜3に対して三塩化ホウ素ガス(BCl)と塩素ガス(Cl)の混合ガスなどの塩素系ガスを用いたドライエッチングを行い、ハードマスクパターン3aを形成する(図4(d)参照)。なお、十分なパターンの精度が得られるのであれば、保護膜パターン4aを形成するときのフッ素系ガスを用いたドライエッチングで、保護膜パターン4aとともにハードマスクパターン3aも形成してもよい。
しかる後、保護膜パターン4aまたはハードマスクパターン3aをマスクとして遮光膜2に対してドライエッチングを行い、遮光パターン2aを形成する(図4(e)参照)。ここで、このドライエッチングのガスとしては、第1の実施の形態と同様に、遮光膜2が主成分元素としてクロムを含有するときは塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスを用い、主成分元素としてケイ素またはタンタルを含有するときはフッ素系ガスを用いる。この遮光膜2のドライエッチングの際、遮光パターン2aのパターン側壁の垂直性を高めるため、および遮光パターン2aの面内のCD均一性を高めるために追加のエッチング(オーバーエッチング)を行うとよい。
その後、アルカリ液を用いてハードマスクパターン3aを除去し(図4(f)参照)、必要に応じてマスク欠陥検査を行って転写用マスク(バイナリマスク)202を作製する。ここで、ハードマスクパターン3a上の保護膜パターン4aは、ハードマスクパターン3aを除去する際にリフトオフによって除去される。また、遮光膜2が主成分元素としてケイ素またはタンタルを含有する膜の場合は、遮光パターン2aをドライエッチングするときのエッチングガスとしてフッ素系ガスが用いられるため、その際に保護膜パターン4aは除去される。
第2の実施形態による転写用マスクの製造方法によれば、遮光膜2に転写パターンを形成するときのドライエッチング時にハードマスク膜3がマスクとして機能しながらも、透光性基板1および遮光パターン2aにほとんどダメージを与えずにハードマスクパターン3aを除去することができる。加えて、アルカリ液に対してほぼ不溶な保護膜4を用いているため、レジストパターン剥がれや倒れが生じにくい。このため、製造された転写用マスクであるバイナリマスク202は、遮光パターン2aの線幅変化やマスク製造起因の位相差(面内位相差)が少なく、且つパターン剥がれ起因の欠陥が少ない良好なものとなる。
[半導体デバイスの製造]
第2の実施形態の半導体デバイスの製造方法は、第2の実施形態の転写用マスク(バイナリマスク)202または第2の実施形態のマスクブランク102を用いて製造されたバイナリマスク202を用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写することを特徴としている。第2の実施形態のバイナリマスク202は、透光性基板1をエッチングすることなくハードマスクパターン3aを除去することができるので、位相差分布などが発生する問題も生じにくい。加えて、保護膜4を用いた効果により、現像時のパターン剥がれおよび倒れ起因のパターン欠陥も少ない。
このため、第2の実施形態のバイナリマスク202を用いて半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写すると、半導体デバイス上のレジスト膜に設計仕様を十分に満たす精度でパターンを高い歩留まりで形成することができる。
<第3の実施形態>
[マスクブランクとその製造]
本発明の第3の実施形態に係るマスクブランクは、掘込レベンソン型位相シフトマスク、あるいはCPLマスクを製造するときに用いるマスクブランクである。そのマスクブランクの構造と製造方法は第1の実施形態のマスクブランク101と同じであり、その特徴と効果も第1の実施形態のマスクブランクと同じである。
[転写用マスクとその製造]
第3の実施形態に係る転写用マスク203は、マスクブランク101を用いて製造される掘込レベンソン型位相シフトマスクである。以下、その製造工程を製造工程図である図5を参照しながら説明する。
まず、マスクブランク101におけるハードマスク膜3に接して、レジスト膜をスピン塗布法によって形成する。次に、レジスト膜に対して、遮光膜2に形成すべき転写パターンを電子線で描画し、さらに現像処理等の所定の処理を行い、第1のレジストパターン5aを形成する(図5(a)参照)。続いて、レジストパターン5aをマスクとして、三塩化ホウ素ガス(BCl)と塩素ガス(Cl)の混合ガスなどの塩素系ガスを用いたドライエッチングを行い、ハードマスク膜3にパターン(ハードマスクパターン3a)を形成する(図5(b)参照)。
次に、第1のレジストパターン5aを除去し(図5(c)参照)、しかる後ハードマスクパターン3aをマスクとしてドライエッチングを行い、遮光膜2に遮光パターン2aを形成する(図5(d)参照)。ここで、このドライエッチングのガスとしては、遮光膜2が主成分元素としてクロムを含有するときは塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスを用い、主成分元素としてケイ素またはタンタルを含有するときはフッ素系ガスを用いる。塩素系ガスやフッ素系ガスの例は第1の実施形態と同じである。第1の実施形態と同様に、この遮光膜2のドライエッチングの際、遮光パターン2aのパターン側壁の垂直性を高めるため、および遮光パターン2aの面内のCD均一性を高めるためにオーバーエッチングを行うとよい。
その後、レジスト膜をスピン塗布法によって形成し、レジスト膜に対して、位相シフト部を形成するためのパターンを電子線で描画し、さらに現像処理等の所定の処理を行って第2のレジストパターン6bを形成する(図5(e)参照)。
次に、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより透光性基板1に位相シフト部になる掘込部12を形成する(図5(f)参照)。フッ素系ガスとしては、例えば、CHF、CF、C、C、SF等を挙げることができる。ここで、透光性基板1bの掘込部12の深さが露光光に位相差を与えるので、掘込部12の深さが所定の範囲(150度以上200度以下の範囲内で所定の位相差を与える深さの範囲)に入るように精度よくエッチングする必要がある。このときのエッチングマスクは、ハードマスクパターン3aとレジストパターン6bであるが、掘込部12のパターンエッジ部の位置を決めるのはハードマスクパターン3aのパターンエッジであり、掘込部12はハードマスクパターン3aによってセルフアライン的に形成される。アルミニウムと酸素を含有するハードマスク膜3は、透光性基板1をドライエッチングするときに十分なエッチング耐性を持つので、所望の形状と深さに掘込部12を形成する上で好適である。
その後、レジストパターン6bをレジスト剥離液やアッシングにより除去し(図5(g)参照)、しかる後、アルカリ液を用いてハードマスクパターン3aを除去する(図5(h)参照)。その後、必要に応じてマスク洗浄やマスク欠陥検査を行って転写用マスク(レベンソン型位相シフトマスク)203を得る。
アルミニウムと酸素を含有する材料からなるハードマスクパターン3aはアルカリ液に対して高い溶解性を示す。一方、ガラス材料からなる透光性基板1およびクロム、ケイ素およびタンタルから選ばれる少なくとも1以上の元素を主構成元素として含有する遮光膜2はアルカリ液に対する溶解性が低い。このため、このアルカリ液によるハードマスクパターン3aの除去のときに透光性基板1の表面が露出している部分や遮光パターン2aは、ほとんどエッチングされない。レベンソン型位相シフトマスクの場合、上述のように掘込部12の深さや形状が露光時の位相差に直結する重要な要素であるため、ハードマスクパターン3aの除去の際に透光性基板1がエッチングされないことは転写精度の高いレベンソン型位相シフトマスクを製造する上で極めて重要である。第3の実施形態で作製されたレベンソン型位相シフトマスクは、位相精度とパターン寸法精度の高い転写用マスクである。
なお、第3の実施形態ではレベンソン型位相シフトマスクを例にとって説明してきたが、CPLマスクにも適用可能である。
[半導体デバイスの製造]
第3の実施形態の半導体デバイスの製造方法は、第3の実施形態の転写用マスク(レベンソン型位相シフトマスク)203または第3の実施形態のマスクブランク101を用いて製造されたレベンソン型位相シフトマスク203を用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写することを特徴としている。第3の実施形態のレベンソン型位相シフトマスク203は、透光性基板1をエッチングすることもなくハードマスクパターン3aを除去することができるので、この工程に伴って位相差分布などが発生する問題もなく、位相精度が高い。このため、第3の実施形態のレベンソン型位相シフトマスク203を用いて半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写すると、半導体デバイス上のレジスト膜に設計仕様を十分に満たす精度でパターンを形成することができる。特にレベンソン型位相シフトマスク203は露光光の位相差を利用して高い解像度を得る転写用マスクのため、位相精度が高いことは転写精度を高める上で極めて重要である。
<第4の実施形態>
[マスクブランクとその製造]
本発明の第4の実施形態に係るマスクブランクは、掘込レベンソン型位相シフトマスク、あるいはCPLマスクを製造するときに用いるマスクブランクである。そのマスクブランクの構造と製造方法は第2の実施形態のマスクブランク102と同じであり、その特徴と効果も第2の実施形態のマスクブランクと同じである。
[転写用マスクとその製造]
第4の実施形態に係る転写用マスク204は、マスクブランク102を用いて製造される掘込レベンソン型位相シフトマスクである。以下、その製造工程を製造工程図である図6を参照しながら説明する。
まず、マスクブランク102における保護膜4に接して、レジスト膜をスピン塗布法によって形成する。次に、レジスト膜に対して、遮光膜2に形成すべき転写パターンを電子線で描画し、さらに現像処理等の所定の処理を行い、レジストパターン5aを形成する(図6(a)参照)。ここで、保護膜4はアルカリ液であるレジストの現像液に対する溶解性は低く、保護膜4へのダメージは無視されるほど小さい。続いて、レジストパターン5aをマスクとして、フッ素系ガスを用いて保護膜4をドライエッチングし、保護膜パターン4aを形成する(図6(b)参照)。
その後、レジストパターン5aをレジスト剥離液やアッシングなどによって除去し(図6(c)参照)、保護膜パターン4aをマスクにしてハードマスク膜3に対して三塩化ホウ素ガス(BCl)と塩素ガス(Cl)の混合ガスなどの塩素系ガスを用いたドライエッチングを行い、ハードマスクパターン3aを形成する(図6(d)参照)。なお、十分なパターンの精度が得られるのであれば、保護膜パターン4aを形成するときのフッ素系ガスを用いたドライエッチングで、保護膜パターン4aとともにハードマスクパターン3aも形成してもよい。
しかる後、保護膜パターン4aまたはハードマスクパターン3aをマスクとして遮光膜2に対してドライエッチングを行い、遮光パターン2aを形成する(図6(e)参照)。
このドライエッチングのガスとしては、第1の実施形態と同様に、遮光膜2が主成分元素としてクロムを含有するときは、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスを用い、主成分元素としてケイ素またはタンタルを含有するときは、フッ素系ガスを用いる。ここで、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスを用いた場合は、保護膜パターン4aがエッチングマスクとなり、フッ素系ガスを用いた場合は、ハードマスクパターン3aがエッチングマスクとなる。なお、図6中の図6(e)以降の図は、遮光膜2のドライエッチングに際して塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスを用いた場合を示す。
その後、レジスト膜をスピン塗布法によって形成し、レジスト膜に対して、位相シフト部を形成するためのパターンを電子線で描画し、さらに現像処理等の所定の処理を行って第2のレジストパターン6bを形成する(図6(f)参照)。
次に、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより透光性基板1に位相シフト部になる掘込部12を形成する(図6(g)参照)。フッ素系ガスとしては、例えば、CHF、CF、C、C、SF等を挙げることができる。ここで、掘込部12が形成された透光性基板1bのこの掘込部12の深さが露光光に位相差を与えるので、掘込部12の深さが所定の範囲(150度以上200度以下の範囲内で所定の位相差を与える深さの範囲)に入るように精度よくエッチングする必要がある。このとき、保護膜パターン4aもエッチングされて第2の保護膜パターン4bになる。なお、このエッチングのときのエッチングマスクは、ハードマスクパターン3aとレジストパターン6bであるが、掘込部12のパターンエッジ部の位置を決めるのはハードマスクパターン3aのパターンエッジであり、掘込部12はハードマスクパターン3aによってセルフアライン的に形成される。アルミニウムと酸素を含有するハードマスク膜3は、透光性基板1をドライエッチングするときに十分なエッチング耐性を持つので、所望の形状と深さに掘込部12を形成する上で好適である。
その後、第2のレジストパターン6bをレジスト剥離液やアッシングにより除去し(図6(h)参照)、しかる後、アルカリ液を用いてハードマスクパターン3aを除去する(図6(i)参照)。このとき第2の保護膜パターン4bはリフトオフによって除去される。なお、遮光膜2が主成分元素としてケイ素またはタンタルを含有する膜の場合は、遮光パターン2aをドライエッチングするときのエッチングガスとしてフッ素系ガスが用いられるため、その際に保護膜パターン4aは除去される。
その後、必要に応じてマスク洗浄やマスク欠陥検査を行って転写用マスク(レベンソン型位相シフトマスク)204が作製される。
アルミニウムと酸素を含有する材料からなるハードマスクパターン3aはアルカリ液に対して高い溶解性を示す。一方、ガラス材料からなる透光性基板1およびクロム、ケイ素およびタンタルから選ばれる少なくとも1以上の元素を主構成元素として含有する遮光膜2はアルカリ液に対する溶解性が低い。このため、このアルカリ液によるハードマスクパターン3aの除去のときに透光性基板1の表面が露出している部分や遮光パターン2aはほとんどエッチングされない。レベンソン型位相シフトマスクの場合、上述のように掘込部12の深さや形状が露光時の位相差に直結する重要な要素であるため、ハードマスクパターン3aの除去の際に透光性基板1がエッチングされないことは転写精度の高いレベンソン型位相シフトマスクを製造する上で極めて重要である。加えて、アルカリ液に対してほぼ不溶な保護膜4を用いているため、レジストパターン剥がれや倒れが生じにくい。このため、第4の実施形態で作製されるレベンソン型位相シフトマスクは位相精度とパターン寸法精度が高く、欠陥の少ない転写用マスクである。
なお、第4の実施形態ではレベンソン型位相シフトマスクを例にとって説明してきたが、CPLマスクにも適用可能である。
[半導体デバイスの製造]
第4の実施形態の半導体デバイスの製造方法は、第4の実施形態の転写用マスク(レベンソン型位相シフトマスク)204または第4の実施形態のマスクブランク102を用いて製造されたレベンソン型位相シフトマスク204を用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写することを特徴としている。第4の実施形態のレベンソン型位相シフトマスク204は、透光性基板1をエッチングすることもなくハードマスクパターン3aを除去することができるので、この工程に伴って位相差分布などが発生する問題もなく、位相精度も高い。保護膜4の効果によって欠陥も少ない。このため、第4の実施形態のレベンソン型位相シフトマスク204を用いて半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写すると、半導体デバイス上のレジスト膜に設計仕様を十分に満たす精度でパターンを形成することができる。特にレベンソン型位相シフトマスク204は露光光の位相差を利用して高い解像度を得る転写用マスクのため、位相精度が高いことは転写精度を高める上で極めて重要である。
<第5の実施形態>
[マスクブランクとその製造]
本発明の第5の実施形態に係るマスクブランクは、レベンソン型位相シフトマスク、あるいはCPLマスクを製造するときに用いるマスクブランクである。そのマスクブランク103の構造は、透光性基板1上に、エッチングストッパー膜21、位相シフト膜22、遮光膜2、およびハードマスク膜3が順次形成されたものとなっている(図7参照)。ここで、透光性基板1、遮光膜2およびハードマスク膜3は第1の実施形態と同じである。
エッチングストッパー膜21は、主構成元素としてアルミニウム(Al)、ケイ素(Si)および酸素(O)を含む材料からなる。
エッチングストッパー膜21の酸素含有量は、露光光に対する透過率の関係で60原子%以上であることが好ましい。エッチングストッパー膜21はこのマスクブランクを使用して製造された転写用マスクに残る膜なので、この膜の露光光に対する透過率が低いと、転写露光時の露光効率が低下する。露光光に対する透光性基板1の透過率を100%としたときのエッチングストッパー膜21の透過率は、95%以上であることが好ましく、96%以上であるとより好ましく、97%以上であるとさらに好ましい。一方で、エッチングストッパー膜21の酸素の含有量は66%以下であることが望ましい。
エッチングストッパー膜21は、ケイ素(Si)およびアルミニウム(Al)の合計含有量[原子%]に対するケイ素(Si)の含有量[原子%]の比率(以下、「Si/[Si+Al]比率」という。)が4/5以下であることが好ましい。エッチングストッパー膜21のSi/[Si+Al]比率を4/5以下とすることにより、フッ素系ガスによるドライエッチングに対するエッチングストッパー膜21のエッチングレートを透光性基板1のエッチングレートの1/3以下とすることができる(透光性基板1とエッチングストッパー膜21との間で3倍以上のエッチング選択比が得られる。)。また、エッチングストッパー膜21におけるSi/[Si+Al]比率は3/4以下であるとより好ましく、2/3以下であるとさらに好ましい。Si/[Si+Al]比率が2/3以下の場合、フッ素系ガスによるドライエッチングに対するエッチングストッパー膜21のエッチングレートを透光性基板1のエッチングレートの1/5以下とすることができる(透光性基板1とエッチングストッパー膜21との間で5倍以上のエッチング選択比が得られる。)。
エッチングストッパー膜21は、Si/[Si+Al]比率が1/5以上であることが好ましい。エッチングストッパー膜21のSi/[Si+Al]比率を1/5以上とすることにより、露光光に対する透光性基板1(合成石英ガラス)の透過率を100%としたときのエッチングストッパー膜21の透過率を95%以上とすることができる。また、同時に、薬液洗浄に対する耐性も高くすることができる。また、エッチングストッパー膜21におけるSi/[Si+Al]比率は1/3以上であるとより好ましい。Si/[Si+Al]比率が1/3以上の場合、露光光に対する透光性基板1の透過率を100%としたときのエッチングストッパー膜21の透過率を97%以上とすることができる。
エッチングストッパー膜21は、ケイ素、アルミニウムおよび酸素からなる材料で形成するとよい。ケイ素、アルミニウムおよび酸素からなる材料とは、これらの構成元素のほか、スパッタリングで成膜する際、エッチングストッパー膜21に含有されることが不可避な元素(ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)およびキセノン(Xe)等の貴ガス、水素(H)、炭素(C)等)のみを含有する材料のことをいう。エッチングストッパー膜21中にケイ素やアルミニウムと結合する他の元素の存在を極小にすることにより、エッチングストッパー膜21中におけるケイ素および酸素の結合とアルミニウムおよび酸素の結合の比率を大幅に高めることができる。これにより、フッ素系ガスによるドライエッチングのエッチング耐性をより高くし、薬液洗浄に対する耐性をより高め、露光光に対する透過率をより高めることができる。
エッチングストッパー膜21は、アモルファス構造とすることが好ましい。より具体的には、エッチングストッパー膜21は、ケイ素および酸素の結合とアルミニウムおよび酸素の結合を含む状態のアモルファス構造であることが好ましい。アモルファス構造とすることにより、エッチングストッパー膜21の表面粗さを良好なものとしつつ、露光光に対する透過率を高めることができる。
エッチングストッパー膜21は、厚さが3nm以上であることが好ましい。ケイ素、アルミニウムおよび酸素を含有する材料からなるエッチングストッパー膜21は、フッ素系ガスに対するエッチングレートが透光性基板1に対するエッチングレートより大幅に小さいが、そのドライエッチングの際に全くエッチングされないわけではない。また、エッチングストッパー膜21を薬液洗浄した場合においても、全く膜減りしないわけではない。エッチングストッパー膜21は、位相シフト膜22をフッ素系ガスによりドライエッチングする際のエッチングストッパー機能を担うので、エッチングストッパー膜21の厚さは3nm以上あることが望まれる。エッチングストッパー膜21の厚さは4nm以上であると好ましく、5nm以上であるとより好ましい。
エッチングストッパー膜21は、露光光に対する透過率が比較的高い材料であるが、厚さが厚くなるにつれて透過率は低下する。また、エッチングストッパー膜21は、透光性基板1を形成する材料よりも屈折率が高く、エッチングストッパー膜21の厚さが厚くなるほど、位相シフト膜22に実際に形成するマスクパターン(Bias補正やOPC(Optical Proximity Correction)やSRAF(Sub―Resolution Assist Features)等を付与したパターン)を設計する際に与える影響が大きくなる。これらの点を考慮すると、エッチングストッパー膜21は、20nm以下であることが望まれ、15nm以下であると好ましく、10nm以下であるとより好ましい。
エッチングストッパー膜21は、ArFエキシマレーザーの露光光に対する屈折率n(以下、単に屈折率nという。)が1.73以下であると好ましく、1.72以下であるとより好ましい。位相シフト膜22に実際に形成するマスクパターンを設計する際に与える影響を小さくするためである。エッチングストッパー膜21は、アルミニウムを含有する材料で形成されるため、透光性基板1と同じ屈折率nとすることができない。エッチングストッパー膜21は、屈折率nが1.57以上で形成される。一方、エッチングストッパー膜21は、ArFエキシマレーザーの露光光に対する消衰係数k(以下、単に消衰係数kという。)が0.04以下であると好ましい。エッチングストッパー膜21の露光光に対する透過率が高くするためである。エッチングストッパー膜21は、消衰係数kが0.000以上の材料で形成される。
位相シフト膜22は、ケイ素と酸素を含有する露光光に対して透明な材料からなり、露光光を95%以上の透過率で透過させる機能(透過率)と、位相シフト膜を透過した前記露光光に対して前記位相シフト膜の厚さと同じ距離だけ空気中を通過した前記露光光との間で150度以上200度以下の位相差を生じさせる機能とを有することが好ましい。位相シフト膜22の露光光透過率は、露光効率向上の観点から、96%以上であるとより好ましく、97%以上であるとさらに好ましい。
近年、位相シフトマスクを露光装置のマスクステージにセットし、転写対象物(半導体ウェハ上のレジスト膜等)に露光転写する際、位相シフトパターンのパターン線幅(特にライン・アンド・スペースパターンのパターンピッチ)による露光転写のベストフォーカスの差が大きいことが問題となってきている。位相シフトパターンのパターン線幅によるベストフォーカスの変動幅を小さくするには、位相シフト膜22における所定の位相差を170度以下とするとよい。
位相シフト膜22の厚さは185nm以下であることが好ましく、177nm以下であるとより好ましく、175nm以下であるとより好ましい。一方で、位相シフト膜22の厚さは143nm以上であることが好ましく、153nm以上であるとより好ましい。
位相シフト膜22において、前記の光学特性と膜の厚さに係る諸条件を満たすため、位相シフト膜の露光光(ArFエキシマレーザー光)に対する屈折率nは、1.52以上であると好ましく、1.54以上であるとより好ましい。また、位相シフト膜22の屈折率nは、1.68以下であると好ましく、1.63以下であるとより好ましい。位相シフト膜22のArFエキシマレーザー露光光に対する消衰係数kは、0.02以下が好ましく、0に近いことがより好ましい。
なお、位相シフト膜22を含む薄膜の屈折率nと消衰係数kは、その薄膜の組成だけで決まるものではない。その薄膜の膜密度や結晶状態なども屈折率nや消衰係数kを左右する要素である。このため、スパッタリングで薄膜を成膜するときの諸条件を調整して、その薄膜が所定の屈折率nおよび消衰係数kとなるように成膜する。位相シフト膜22を反応性スパッタリングで成膜する場合、上記の屈折率nと消衰係数kの範囲にするには、貴ガスと反応性ガス(酸素ガス)の混合ガスの比率を調整することが有効であるが、それだけに限られることではない。反応性スパッタリングで成膜する際における成膜室内の圧力、スパッタターゲットに印加する電力、ターゲットと透光性基板1との間の距離等の位置関係など多岐に渡る。また、これらの成膜条件は成膜装置に固有のものであり、形成される位相シフト膜22が所定の屈折率nおよび消衰係数kになるように適宜調整されるものである。
エッチングストッパー膜21および位相シフト膜22は、スパッタリングによって形成されるが、DCスパッタリング、RFスパッタリングおよびイオンビームスパッタリングなどのいずれのスパッタリングも適用可能である。導電性が低いターゲット(SiOターゲット、Alターゲットなど)を用いる場合においては、RFスパッタリングやイオンビームスパッタリングを適用することが好ましいが、成膜レートを考慮すると、RFスパッタリングを適用することが好ましい。第5の実施形態の構造のマスクブランクの効果は、「転写用マスクとその構造」の項目で述べる。
[転写用マスクとその製造]
第5の実施形態に係る転写用マスクは、マスクブランク103を用いて製造されるレベンソン型位相シフトマスクであり、その製造工程は第3の実施形態の転写用マスクの製造方法に準ずる。第3の実施形態との違いは、位相シフト部を形成する部材が、第3の実施形態の透光性基板1ではなく位相シフト膜22であることと、第5の実施形態には第3の実施形態では備えていなかった位相シフト膜22をエッチングするときのエッチングストッパー膜21を備えていることである。
第5の実施形態では、アルミニウムと酸素を含有する材料からなるハードマスク膜3を第3の実施形態と同様に用いているため、第3の実施形態と同様に、透光性基板1をエッチングすることなくハードマスク膜3のパターンを除去することができる。その上、膜厚と屈折率の管理により位相差を十分に制御できる位相シフト膜22と、位相シフト膜22をドライエッチングする際のエッチングストッパーとなるエッチングストッパー膜21を用いているため、面内均一性を含めた位相精度の高い位相シフトパターンを形成することができる。
また、位相シフト膜22をドライエッチングして位相シフトパターンを形成する際のマイクロトレンチも抑制できる。ここで、マイクロトレンチとは、被加工物に対してドライエッチングを行ったときにパターンの側壁近傍に発生する狭い溝のことであり、位相シフトパターンにマイクロトレンチが発生すると転写露光時の露光光に対する位相に乱れを起こす基となる。
さらに、アルミニウムを含有するエッチングストッパー膜21は、形成した位相シフトパターンに対して電子線を用いたパターン欠陥修正(EB欠陥修正)を行う場合に、欠陥修正処理の終点検出が容易になり、且つこの修正時に発生するエッチングに対しても十分なエッチングストッパーになるため、精度の高いEB欠陥修正を行うことができる。
このようなことから、第5の実施形態で作製されるレベンソン型位相シフトマスクは、位相精度とパターン寸法精度が高く、且つ高い精度でパターン欠陥修正が行える転写用マスクである。
なお、第5の実施形態ではレベンソン型位相シフトマスクを例にとって説明してきたが、CPLマスクにも適用可能である。
[半導体デバイスの製造]
第5の実施形態の半導体デバイスの製造方法は、第5の実施形態の転写用マスク(レベンソン型位相シフトマスク)または第5の実施形態のマスクブランク103を用いて製造されたレベンソン型位相シフトマスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写することを特徴としている。第5の実施形態のレベンソン型位相シフトマスクは、透光性基板1をエッチングすることなくハードマスク膜3のパターンを除去することができる。また、位相シフト膜22にパターン欠陥がある場合もEB欠陥修正により高い精度でパターン欠陥修正を行うことができる。このため、第5の実施形態のレベンソン型位相シフトマスクを用いて半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写すると、半導体デバイス上のレジスト膜に設計仕様を十分に満たす精度でパターンを形成することができる。特にレベンソン型位相シフトマスクは露光光の位相差を利用して高い解像度を得る転写用マスクのため、位相精度が高いことは転写精度を高める上で極めて重要である。
<第6の実施形態>
[マスクブランクとその製造]
本発明の第6の実施形態に係るマスクブランクは、レベンソン型位相シフトマスク、あるいはCPLマスクを製造するときに用いるマスクブランクである。そのマスクブランク104の構造は、透光性基板1上に、エッチングストッパー膜21、位相シフト膜22、遮光膜2、ハードマスク膜3および保護膜4が順次形成されたものとなっている(図8参照)。ここで、透光性基板1、エッチングストッパー膜21、位相シフト膜22、遮光膜2およびハードマスク膜3は第5の実施形態と、また、保護膜4は第2の実施形態と構造も製法も同じである。第6の実施形態の構造のマスクブランクの効果は、「転写用マスクとその構造」の項目で述べる。
[転写用マスクとその製造]
第6の実施形態に係る転写用マスクは、マスクブランク104を用いて製造されるレベンソン型位相シフトマスクであり、その製造工程は第4の実施形態の転写用マスクの製造方法に準ずる。第4の実施形態との違いは、第5の実施形態のときと同様に、位相シフト部を形成する部材が、第4の実施形態の透光性基板1から位相シフト膜22に変わることと、位相シフト膜をエッチングするときのエッチングストッパー膜21を設けたことである。
第6の実施形態では、アルミニウムと酸素を含有する材料からなるハードマスク膜を第3の実施形態と同様に用いているため、第3の実施形態と同様に、透光性基板1をエッチングすることなくハードマスク膜3のパターンを除去することができる。その上、膜厚と屈折率の管理により位相差を十分に制御できる位相シフト膜22と、位相シフト膜22をドライエッチングする際のエッチングストッパーとなるエッチングストッパー膜21を用いているため、面内均一性を含めた位相精度の高い位相シフトパターンを形成することができる。
また、位相シフト膜22をドライエッチングして位相シフトパターンを形成する際のマイクロトレンチも抑制できる。また、アルミニウムを含有するエッチングストッパー膜21によって黒欠陥を精度よくEB欠陥修正することができる。加えて、アルカリ液に対してほぼ不溶な保護膜4を用いているため、レジストパターン形成時にレジストパターン剥がれや倒れなどの欠陥が生じにくい。
これらのことから、第6の実施形態で作製されるレベンソン型位相シフトマスクは、位相精度とパターン寸法精度が高く、欠陥の少ない転写用マスクである。
なお、第6の実施形態ではレベンソン型位相シフトマスクを例にとって説明してきたが、CPLマスクにも適用可能である。
[半導体デバイスの製造]
第6の実施形態の半導体デバイスの製造方法は、第6の実施形態のレベンソン型位相シフトマスクまたは第6の実施形態のマスクブランク104を用いて製造されたレベンソン型位相シフトマスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写することを特徴としている。第6の実施形態のレベンソン型位相シフトマスクは、透光性基板1をエッチングすることなくハードマスク膜3のパターンを除去することができる。レジストパターン剥がれや倒れなどの欠陥が生じにくく、位相シフト膜22に黒欠陥がある場合もEB欠陥修正により高い精度でパターン欠陥修正を行うことができる。このため、第6の実施形態のレベンソン型位相シフトマスクを用いて半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写すると、半導体デバイス上のレジスト膜に設計仕様を十分に満たす精度でパターンを高い歩留まりで形成することができる。特にレベンソン型位相シフトマスクは露光光の位相差を利用して高い解像度を得る転写用マスクのため、位相精度が高いことは転写精度を高める上で極めて重要である。
以下、実施例により、本発明の実施形態を、図2および図3を参照しながら、さらに具体的に説明する。
(実施例1)
[マスクブランクの製造]
主表面の寸法が約152mm×約152mmで、厚さが約6.35mmの合成石英ガラスからなる透光性基板1を準備した。この透光性基板1は、端面および主表面を所定の表面粗さ以下(二乗平均平方根粗さRqで0.2nm以下)に研磨され、その後、所定の洗浄処理および乾燥処理を施されたものである。
次に、透光性基板1の主表面に接してクロムを含有する遮光膜2を59nmの厚さで形成した。この遮光膜2は、クロムのほかに酸素と炭素を含有するCrOC膜である。具体的には、枚葉式DCスパッタリング装置内に透光性基板1を設置し、クロム(Cr)ターゲットを用いて、二酸化炭素(CO)およびヘリウム(He)の混合ガス雰囲気での反応性スパッタリング(DCスパッタリング)によって、遮光膜2を形成した。その後、上記遮光膜2(CrOC膜)が形成された透光性基板1に対して、加熱処理を施し、応力の調整を行った。具体的には、ホットプレートを用いて、大気中で加熱温度を280℃、加熱時間を5分として、加熱処理を行った。
加熱処理後の遮光膜2に対し、X線光電子分光分析法(ESCA、RBS補正有り)で分析を行った結果、界面領域を除くバルク部における遮光膜2の各構成元素の含有量は、平均値でCrが71原子%、Oが15原子%、そしてCが14原子%であった。また、加熱処理後の遮光膜2に対し、分光光度計(アジレントテクノロジー社製 Cary4000)を用いてArFエキシマレーザーの光の波長(約193nm)における光学濃度(OD)を測定したところ、光学濃度は3.0以上であった。
次に、遮光膜2の上にアルミニウムと酸素からなるハードマスク膜3を15nmの膜厚で形成した。具体的には、枚葉式RFスパッタリング装置内に遮光膜2が形成された透光性基板1を設置し、Alターゲットを用い、アルゴンガスをスパッタリングガスとするRFスパッタリングによって、ハードマスク膜3を形成した。別の透光性基板上に同条件で形成したハードマスク膜に対してX線光電子分光法による分析を行った結果、Al:Oは42:58(原子%比)であった。
以上の工程により、透光性基板1上に遮光膜2およびハードマスク膜3がこの順で形成されたマスクブランク101を作製した。
別の透光性基板上に形成されたハードマスク膜、および別の透光性基板上に形成された遮光膜のそれぞれに対し、塩素ガス(Cl)と酸素ガス(O)の混合ガス(ガス流量比 Cl:O=4:1)をエッチングガスに用いたドライエッチングを同一条件で行った。そして、それぞれのエッチングレートを算出し、それを基に両者間のエッチング選択比を算出した。その結果、遮光膜のエッチングレートに対するハードマスク膜のエッチング選択比は10以上であり、ハードマスク膜は遮光膜をドライエッチングする際に十分なエッチング耐性を持つことを確認した。
[転写用マスク(バイナリマスク)の製造]
次に、この実施例1のマスクブランク101を用い、以下の手順で実施例1のバイナリマスク201を作製した。最初に、スピン塗布法によって、ハードマスク膜3の表面に接して、電子線描画用化学増幅型レジストからなるレジスト膜を膜厚80nmで形成した。次に、このレジスト膜に対して、遮光膜2に形成すべき転写パターンを電子線描画し、所定の現像処理を行い、レジストパターン5aを形成した(図2(a)参照)。
次に、レジストパターン5aをマスクとし、三塩化ホウ素ガス(BCl)と塩素ガス(Cl)の混合ガスを用いたドライエッチングを行い、ハードマスク膜3にハードマスクパターン3aを形成した(図2(b)参照)。
次に、レジストパターン5aをアッシングにより除去した(図2(c)参照)。続いて、ハードマスクパターン3aをマスクとし、塩素と酸素の混合ガス(ガス流量比 Cl:O=4:1)を用いたドライエッチングを行い、遮光膜2に遮光パターン2aを形成した(図2(d)参照)。
次に、アンモニア過水を用いてハードマスクパターン3aを除去して、透光性基板1上に遮光パターン2aが形成されたバイナリマスクを得た(図2(e)参照)。
遮光パターン2aの面内のCD均一性を検査したところ、良好な結果であった。また、遮光パターン2aの断面をSEM(Scanning Electron Microscope)で観察したところ、遮光パターン2aの側壁の垂直性は高く、透光性基板1のエッチングも認められなかった。これは、アルミニウムと酸素を含有するハードマスク膜3が遮光膜2をドライエッチングする際に十分なエッチングマスクとして機能することと、このハードマスク膜3を除去する際に透光性基板1にダメージ(エッチング)を与えないことによるものと考えられる。
このバイナリマスク201の面内の複数箇所に対し、AIMS193(Carl Zeiss社製)を用いて、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写した時における転写像のシミュレーションを行った。このシミュレーションの露光転写像を検証したところ、設計仕様を十分に満たしていた。この結果から、実施例1のバイナリマスク201を露光装置のマスクステージにセットし、半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したとしても、最終的に半導体デバイス上に形成される回路パターンを高精度に形成できると言える。
(実施例2)
[マスクブランクの製造]
この実施例2のマスクブランク102は、ハードマスク膜3の上に保護膜4が形成されていることを除いて、実施例1のマスクブランク101と同様にして製造されたものである。以下、実施例1のマスクブランク101と相違する箇所である保護膜4について説明する。
この実施例2では、ハードマスク膜3の厚さを5nmとし、そのハードマスク膜3の表面に接して、ケイ素と酸素を含有したSiOからなる膜を保護膜4として3nmの厚さで形成した。具体的には、枚葉式RFスパッタリング装置内にハードマスク膜3が形成された後の透光性基板1を設置し、二酸化ケイ素(SiO)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)ガス(圧力=0.03Pa)をスパッタリングガス、RF電源の電力を1.5kWとして、RFスパッタリングにより、ハードマスク膜3の上に、ケイ素と酸素からなる保護膜4を3nmの厚さで形成した。別の透光性基板上に同条件で形成した保護膜に対してX線光電子分光法による分析を行った結果、Si:Oは36:64(原子%比)であった。
[転写用マスク(バイナリマスク)の製造]
次に、この実施例2のマスクブランク102を用い、以下の手順で実施例2のバイナリマスク202を作製した。
最初に、保護膜4の表面にHMDS処理を施した。続いて、スピン塗布法によって、保護膜4の表面に接して、電子線描画用化学増幅型レジストからなるレジスト膜を膜厚80nmで形成した。次に、このレジスト膜に対して、遮光膜2に形成すべき転写パターンを電子線描画し、所定の現像処理を行い、レジストパターン5aを形成した(図4(a)参照)。
次に、レジストパターン5aをマスクとして、保護膜4をCFガスを用いてドライエッチングし、保護膜パターン4aを形成した(図4(b)参照)。
その後、レジストパターン5aをアッシングによって除去し(図4(c)参照)、保護膜パターン4aをマスクにしてハードマスク膜3に対して三塩化ホウ素ガス(BCl)と塩素ガス(Cl)の混合ガスを用いたドライエッチングを行い、ハードマスクパターン3aを形成した(図4(d)参照)。
続いて、保護膜パターン4aをマスクとして、塩素と酸素の混合ガス(ガス流量比 Cl:O=4:1)を用いたドライエッチングを行い、遮光膜2に遮光パターン2aを形成した(図4(e)参照)。
次に、アンモニア過水を用いてハードマスクパターン3aを除去して、透光性基板1上に遮光パターン2aが形成されたバイナリマスク202を得た(図4(f)参照)。
遮光パターン2aの面内のCD均一性を検査したところ、良好な結果であった。また、遮光パターン2aの断面をSEMで観察したところ、遮光パターン2aの側壁の垂直性は高く、透光性基板1のエッチングも認められなかった。これは、アルミニウムと酸素を含有するハードマスク膜3が遮光膜2をドライエッチングする際に十分なエッチングマスクとして機能することと、このハードマスク膜3を除去する際に透光性基板1にダメージ(エッチング)を与えないことによるものと考えられる。また、パターン欠陥検査を行ったところ、レジストパターン倒れ起因と考えられる欠陥は認められなかった。これは保護膜4の効果が現れたものと考えられる。
このバイナリマスク201の面内の複数箇所に対し、AIMS193を用いて、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写した時における転写像のシミュレーションを行った。このシミュレーションの露光転写像を検証したところ、設計仕様を十分に満たしていた。この結果から、実施例2のバイナリマスク201を露光装置のマスクステージにセットし、半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したとしても、最終的に半導体デバイス上に形成される回路パターンを高精度に形成できると言える。
(実施例3)
実施例3では、実施例1で作製したマスクブランク101を用いて掘込レベンソン型位相シフトマスク203を作製した。以下、図5を参照しながらその製造工程を説明する。
まず、スピン塗布法によって、ハードマスク膜3の表面に接して、電子線描画用化学増幅型レジストからなるレジスト膜を膜厚80nmで形成した。次に、このレジスト膜に対して、遮光膜2に形成すべき転写パターンを電子線描画し、所定の現像処理を行い、第1のレジストパターン5aを形成した(図5(a)参照)。続いて、第1のレジストパターン5aをマスクとし、三塩化ホウ素ガス(BCl)と塩素ガス(Cl)の混合ガスを用いたドライエッチングを行い、ハードマスク膜3にハードマスクパターン3aを形成した(図5(b)参照)。
次に、第1のレジストパターン5aをアッシングにより除去した(図5(c)参照)。続いて、ハードマスクパターン3aをマスクとし、塩素と酸素の混合ガス(ガス流量比 Cl:O=4:1)を用いたドライエッチングを行い、遮光膜2に遮光パターン2aを形成した(図5(d)参照)。この際、所定のオーバーエッチングを行った。
その後、スピン塗布法によって150nmの膜厚でレジスト膜を形成し、レジスト膜に対して、位相シフト部を形成するためのパターンを電子線で描画し、さらに現像処理等の所定の処理を行って第2のレジストパターン6bを形成した(図5(e)参照)。
次に、CFガスを用いたドライエッチングにより透光性基板1に位相シフト部になる掘込部12を形成した(図5(f)参照)。ここで、透光性基板1の掘込部12の深さが173nmになるようにドライエッチング時間を制御した。この透光性基板1の掘込量は、計算上、掘込のない露光光透過面13に対して180度の位相差を与える(ArFエキシマレーザー露光光の場合)。
その後、レジストパターン6bをアッシングにより除去した(図5(g)参照)。しかる後、アンモニア過水を用いてハードマスクパターン3aを除去し(図5(h)参照)、掘込レベンソン型位相シフトマスク203を得た。
作製した掘込レベンソン型位相シフトマスク203の遮光パターン2aの面内のCD均一性を検査したところ、良好な結果であった。また、遮光パターン2aおよび透光性基板1の掘込部12(位相シフトパターン)の断面をSEMで観察したところ、遮光パターン2aの側壁の垂直性は高かった。これは、アルミニウムと酸素を含有するハードマスク膜3が遮光膜2をドライエッチングする際に十分なエッチングマスクとして機能していることによると考えられる。位相シフトパターンの掘込深さと形状は、透光性基板1をドライエッチングするときの見込み通りであり(エッチングレートとエッチング時間から求めた予想通りであり)、ハードマスク膜3を除去したときの透光性基板1のエッチングは特に認められなかった。
この掘込レベンソン型位相シフトマスク203の面内の複数箇所に対し、AIMS193を用いて、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写した時における転写像のシミュレーションを行った。このシミュレーションの露光転写像を検証したところ、設計仕様を十分に満たしていた。この結果から、この掘込レベンソン型位相シフトマスク203を露光装置のマスクステージにセットし、半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したとしても、最終的に半導体デバイス上に形成される回路パターンを高精度に形成できると言える。
(実施例4)
実施例4では、実施例2で作製したマスクブランク102を用いて掘込レベンソン型位相シフトマスク204を作製した。以下、図6を参照しながらその製造工程を説明する。
最初に、保護膜4の表面にHMDS処理を施した。続いて、スピン塗布法によって、保護膜4の表面に接して、電子線描画用化学増幅型レジストからなるレジスト膜を膜厚80nmで形成した。次に、このレジスト膜に対して、遮光膜2に形成すべき転写パターンを電子線描画し、所定の現像処理を行い、レジストパターン5aを形成した(図6(a)参照)。
次に、レジストパターン5aをマスクとして、保護膜4をCFガスを用いてドライエッチングし、保護膜パターン4aを形成した(図6(b)参照)。
その後、レジストパターン5aをアッシングによって除去し(図6(c)参照)、保護膜パターン4aをマスクにしてハードマスク膜3に対して三塩化ホウ素ガス(BCl)と塩素ガス(Cl)の混合ガスを用いたドライエッチングを行い、ハードマスクパターン3aを形成した(図6(d)参照)。
続いて、保護膜パターン4aをマスクとし、塩素と酸素の混合ガス(ガス流量比 Cl:O=4:1)を用いたドライエッチングを行い、遮光膜2に遮光パターン2aを形成した(図6(e)参照)。この際、所定のオーバーエッチングを行った。
その後、スピン塗布法によって150nmの膜厚でレジスト膜を形成し、レジスト膜に対して、位相シフト部を形成するためのパターンを電子線で描画し、さらに現像処理等の所定の処理を行って第2のレジストパターン6bを形成した(図6(f)参照)。
次に、CFガスを用いたドライエッチングにより透光性基板1に位相シフト部になる掘込部12を形成した(図6(g)参照)。ここで、透光性基板1の掘込部12の深さが173nmになるようにドライエッチング時間を制御した。この透光性基板1の掘込量は、計算上、掘込のない露光光透過面13に対して180度の位相差を与える(ArFエキシマレーザー露光光の場合)。
その後、レジストパターン6bをアッシングにより除去した(図6(h)参照)。しかる後、アンモニア過水を用いてハードマスクパターン3aを除去した(図6(i)参照)。このとき、保護膜パターン4aはリフトオフされ、除去される。上記工程により、掘込レベンソン型位相シフトマスク203を得た。
作製した掘込レベンソン型位相シフトマスク204の遮光パターン2aの面内のCD均一性を検査したところ、良好な結果であった。
また、遮光パターン2aおよび透光性基板1の掘込部12(位相シフトパターン)の断面をSEMで観察したところ、遮光パターン2aの側壁の垂直性は高かった。位相シフトパターンの掘込深さと形状は、エッチングレートとエッチング時間から求めた予想通りであり、ハードマスク膜3を除去したときの透光性基板1のエッチングは特に認められなかった。また、パターン欠陥検査を行ったところ、レジストパターン倒れ起因と考えられる欠陥は認められなかった。これは保護膜4の効果が現れたものと考えられる。
この掘込レベンソン型位相シフトマスク204の面内の複数箇所に対し、AIMS193を用いて、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写した時における転写像のシミュレーションを行った。このシミュレーションの露光転写像を検証したところ、設計仕様を十分に満たしていた。この結果から、この掘込レベンソン型位相シフトマスク204を露光装置のマスクステージにセットし、半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したとしても、最終的に半導体デバイス上に形成される回路パターンを高精度に形成できると言える。
(比較例1)
[マスクブランクの製造]
比較例のマスクブランクは、実施例1のマスクブランク101においてハードマスク膜3をSiOに置き換えたもので、その膜厚を含め他は全て実施例1のマスクブランク101を作製したときと同じである。
そのマスクブランクを用いて製造する転写用マスクは掘込レベンソン型位相シフトマスクであり、下記の工程を除いてそのマスクの製造工程は実施例3と同じである。
実施例1と異なる工程の1つは、ハードマスク膜のドライエッチング工程で、比較例1ではドライエッチングのガスとしてCFガスを用いた。実施例1と異なる工程のもう1つの工程は、ハードマスク膜(ハードマスクパターン)の除去工程で、比較例1ではハードマスク膜の除去をCFガスを用いたドライエッチングにより行った。このCFガスを用いたハードマスク膜のドライエッチングでは、ハードマスク膜をエッチングするとともに同じ材料系である透光性基板もエッチングし、掘込部の深さが変化する。このため、掘込レベンソン型位相シフトマスクで重要な位相精度が低下する。
この掘込レベンソン型位相シフトマスクの遮光パターンの面内のCD均一性を検査したところ、良好な結果であった。また、遮光パターンおよび位相シフトパターンの断面をSEMで観察したところ、遮光パターンの側壁の垂直性は高く、透光性基板のエッチングも認められなかった。一方、位相シフトパターンは、その掘込量が想定より大きく、面内ばらつきも大きかった。
この掘込レベンソン型位相シフトマスクの面内の複数箇所に対し、AIMS193を用いて、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写した時における転写像のシミュレーションを行った。このシミュレーションの露光転写像を検証したところ、設計仕様を十分に満たせていなかった。これは、位相差の設計値からのずれが大きいことに起因するものと推測される。この結果から、比較例1の掘込レベンソン型位相シフトマスクを露光装置のマスクステージにセットし、半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写した場合、半導体デバイス上に形成される回路パターン転写の精度は十分ではなく、歩留まりが低いものになったと考えられる。
1 透光性基板
1b 透光性基板
2 遮光膜
2a 遮光パターン
3 ハードマスク膜
3a ハードマスクパターン
4 保護膜
4a、4b 保護膜パターン
5a 第1のレジストパターン
6b 第2のレジストパターン
11 基板表面露出部分
12 掘込部
13 露光光透過面
21 エッチングストッパー膜
22 位相シフト膜
101、102、103、104 マスクブランク
201、202 転写用マスク(バイナリマスク)
203、204 転写用マスク(レベンソン型位相シフトマスク)

Claims (9)

  1. 透光性基板の主表面上にパターン形成用薄膜とハードマスク膜がこの順に積層した構造を備えたマスクブランクであって、
    前記パターン形成用薄膜は、クロム、ケイ素およびタンタルから選ばれる少なくとも1以上の元素を含有し、
    前記ハードマスク膜は、アルミニウムおよび酸素を含有し、前記パターン形成用薄膜の表面に接して形成されていることを特徴とするマスクブランク。
  2. 前記ハードマスク膜は、アルミニウムおよび酸素からなることを特徴とする請求項1記載のマスクブランク。
  3. 前記ハードマスク膜は、厚さが3nm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のマスクブランク。
  4. 前記ハードマスク膜は、アモルファス構造および微結晶構造の少なくともいずれかの構造を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のマスクブランク。
  5. 前記パターン形成用薄膜は、露光光に対する光学濃度が2.0よりも大きいことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のマスクブランク。
  6. 前記パターン形成用薄膜は、クロムを含有する材料で形成され、
    前記ハードマスク膜の上に保護膜を備え、前記保護膜は、ケイ素と酸素を含有する材料またはタンタルを含有する材料で形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のマスクブランク。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載のマスクブランクを用いた転写用マスクの製造方法であって、
    転写パターンを有するレジスト膜をマスクとし、塩素系ガスを用いるドライエッチングにより前記ハードマスク膜に転写パターンを形成する工程と、
    前記転写パターンを有するハードマスク膜をマスクとし、ドライエッチングにより前記パターン形成用薄膜に転写パターンを形成する工程と、
    アルカリ液を用いて前記転写パターンを有するハードマスク膜を除去する工程と
    を有することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
  8. 請求項6記載のマスクブランクを用いた転写用マスクの製造方法であって、
    転写パターンを有するレジスト膜をマスクとし、フッ素系ガスを用いるドライエッチングにより前記保護膜に転写パターンを形成する工程と、
    前記転写パターンを有する保護膜をマスクとするエッチングにより前記ハードマスク膜に転写パターンを形成する工程と、
    前記転写パターンを有する保護膜をマスクとし、ドライエッチングにより前記パターン形成用薄膜に転写パターンを形成する工程と、
    アルカリ液を用いて前記転写パターンを有するハードマスク膜を除去する工程と
    を有することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
  9. 請求項7または8に記載の転写用マスクの製造方法により製造された転写用マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を備えることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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