JP2015133279A - スパークプラグの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この方法によれば、第1のオーバーシュート量と第2のオーバーシュート量との少なくとも一方に基づいて、設定接触荷重と設定距離とのうちの少なくとも一方を調整することにより、加締め治具の目標移動距離と実際の移動距離との差を低減させるので、加締め治具の移動距離を、予め定められた目標移動距離に近づけることができる。
この方法によれば、第1のオーバーシュート量と第2のオーバーシュート量の少なくとも一方の値を設定距離から減算するので、加締め治具の移動距離を目標移動距離に近づけることができる。
この方法によれば、加締めプレス工程で処理中の個々のワークに関する第1のオーバーシュート量を直ちに求めて高速に制御処理を行う必要がない。
この方法によれば、第1のオーバーシュート量にかなりのバラツキがある場合にも、設定距離を適切に調整することが可能である。
この方法によれば、加締め治具の現実の移動速度から、第1のオーバーシュート量を適切に推定することができる。
この方法によれば、第2のオーバーシュート量にかなりのバラツキがある場合にも、設定距離を適切に調整することが可能である。
この方法によれば、第2のオーバーシュート量にかなりのバラツキがある場合にも、設定距離を適切に調整することが可能である。
この方法によれば、加締め治具の現実の移動速度から、第2のオーバーシュート量を適切に推定することができる。
前記加締め治具の過荷重の前記推定値を前記設定接触荷重から減算する接触荷重調整を行うことによって、前記目標移動距離と前記実際の移動距離との差を低減させる、ものとしてもよい。
この方法によれば、個々のワークに関する過荷重OLを直ちに求めて高速に制御処理を行う必要がない。
この方法によれば、加締め治具の過荷重にかなりのバラツキがある場合にも、設定接触荷重を適切に調整することが可能である。
この方法によれば、加締め治具の現実の移動速度から、加締め治具の過荷重を適切に推定することができる。
この方法によれば、絶縁体の外径が9mm以下である小径スパークプラグにおいて、加締め治具の移動距離を目標移動距離に近づけることが可能である。
(1)アプローチ工程:この工程は、加締め治具530を、ワーク(絶縁体10と主体金具50)の上方に退避した作業原点から、ワークに接触する手前の位置(探り開始位置)まで高速に移動させる工程である。
(2)探り工程:この工程は、加締め治具530を低速で移動させることによって、主体金具50の被カシメ部53に接触させる工程である。この探り工程の途中において、加締め治具530が被カシメ部53に接触する。探り工程の終点は、図4(B)の状態に対応しており、ロードセル520で検出される荷重(接触荷重)が、予め設定された設定接触荷重Ltまで達している。この設定接触荷重Ltは、加締め治具530が被カシメ部53に接触した状態を検出するための荷重であり、ゼロよりもやや大きな値に設定される。
(3)加圧駆動工程:この工程は、探り工程よりも高い速度で加締め治具530を更に前進(図2では下降)させて、被カシメ部53を加締めるとともに被座屈部58を座屈させる工程である。なお、加締め治具530は、探り工程の終点で停止することなくそのまま加圧駆動工程に推移する。加圧駆動工程では、加締め治具530が予め設定された目標移動距離Atだけ移動する。加圧駆動工程の終点は、図4(C)の状態に対応している。「目標移動距離At」は、加圧駆動工程において加締め治具530が移動する距離の目標値である。また、この「目標移動距離At」は、探り工程において加締め治具530が被カシメ部53に接触してから加圧駆動工程の最後に停止するまでの間に加締め治具530が移動する距離の目標値である。すなわち、理想的な動作では、探り工程における過移動(後述する第1のオーバーシュート量)がゼロなので、加圧駆動工程単独の目標移動距離Atと、探り工程及び加圧駆動工程の両工程に亘る目標移動距離Atとは等しい。後述する現実の動作においては、現実の移動距離を、理想的な動作における「目標移動距離At」に可能な限り近づけることが望まれる。
(4)停止工程:この工程は、加締め治具530を停止した状態で維持することによって、被座屈部58を確実に座屈させる工程である。上記加圧駆動工程と停止工程とを合わせた工程を、「座屈工程」とも呼ぶ。
(5)戻り工程:この工程は、加締め治具530を作業原点まで後退させることによって、ワークを解放する工程である。
これらの5つの工程を有する加締めプレス工程を実行することによって、被カシメ部53の加締めと、被座屈部58の座屈を実行することができる。また、被座屈部58を、予め設定された目標座屈量だけ座屈させることが可能である。
(1)設定距離調整方法1:探り工程における第1のオーバーシュート量OD1の実測値を、その直後の加圧駆動工程における設定距離Asから減算することによって、新たな設定距離(As−OD1)を求める。
ここで、「第1のオーバーシュート量OD1の実測値」とは、探り工程における過荷重OLに対応する距離OD1を意味している(図6)。すなわち、第1のオーバーシュート量OD1の実測値は、ロードセル520で測定された荷重が設定接触荷重Ltに到達した時点におけるリニアスケール540の第1の測定値と、過荷重OLに達した時点におけるリニアスケール540の第2の測定値との差分として決定される。なお、調整前の設定距離Asは、目標移動距離Atと等しい値、又は、目標移動距離Atよりも若干小さな値に設定されるのが普通である。
ここで、「平均値OD1ave」としては、同じ品番(又は型番)のスパークプラグ用のワーク(絶縁体10と主体金具50)に対する実測値から算出された平均値を使用することが好ましい。特に、最も最近の所定期間(例えば直近の1時間)に亘る平均値や、或いは、最も最近の所定個数(例えば直近の20個)に亘る平均値を使用することが好ましい。これらは、いわゆる「移動平均」であり、加締めプレス工程の環境の変化を反映した適切な平均値として使用することが可能である。これらの点は、過去の実測値や平均値を使用する他の調整方法(後述)においても同様である。この設定距離調整方法2によれば、第1のオーバーシュート量OD1にかなりのバラツキがある場合にも、設定距離Asを適切に調整することが可能である。また、個々のワークに関する第1のオーバーシュート量OD1を直ちに求めて高速に制御処理を行う必要がないので、プレス設備の応答性や制御装置550の処理速度が遅い場合にも、適切な設定距離調整を行うことができる。但し、新たな品番(又は型番)のスパークプラグ用のワークに対しては、この設定調整方法2を採用することはできないので、ある程度の個数のワークに対する実測値が得られるまでは、他の調整方法を採用することが好ましい。この点は、過去の実測値や平均値を使用する他の調整方法(後述)においても同様である。
この設定距離調整方法4は、上述した設定距離調整方法2における「第1のオーバーシュート量OD1の過去の実測値から算出された平均値OD1ave」を「第2のオーバーシュート量OD2の過去の実測値から算出された平均値OD2ave」に置き換えたものである。従って、上述した設定距離調整方法2と同様な効果を有している。また、設定距離調整方法2と同様の変形が可能である。
この設定距離調整方法5は、上述した設定距離調整方法3における「第1のオーバーシュート量OD1の推定値OD1pre」を「第2のオーバーシュート量OD2の推定値OD2pre」に置き換えたものである。従って、上述した設定距離調整方法3と同様な効果を有している。また、設定距離調整方法3と同様の変形が可能である。
(1)設定接触荷重調整方法1:探り工程における第1のオーバーシュート量OD1に対応する加締め治具530の過荷重OLの過去の実測値から算出された平均値OLaveを設定接触荷重Ltから減算することによって、新たな設定接触荷重(Lt−OLave)を求める。
ここで、「平均値OLave」としては、同じ品番(又は型番)のスパークプラグ用のワーク(絶縁体10と主体金具50)に対する実測値から算出された平均値を使用することが好ましい。特に、最も最近の所定期間(例えば直近の1時間)に亘る平均値や、或いは、最も最近の所定個数(例えば直近の20個)に亘る平均値を使用することが好ましい。この設定接触荷重調整方法1によれば、加締め治具530の過荷重OLにかなりのバラツキがある場合にも、設定接触荷重Ltを適切に調整することが可能である。また、個々のワークに関する過荷重OLを直ちに求めて高速に制御処理を行う必要がないので、プレス設備の応答性や制御装置550の処理速度が遅い場合にも、適切な設定接触荷重調整を行うことができる。但し、新たな品番(又は型番)のスパークプラグ用のワークに対しては、この設定接触荷重調整方法1を採用することはできないので、ある程度の個数のワークに対する実測値が得られるまでは、他の調整方法を採用することが好ましい。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
上記実施形態では、リニアスケール540を用いて加締め治具530の移動距離を測定していたが、リニアスケール以外の位置センサを用いて加締め治具530の移動距離を測定してもよい。また、位置センサを用いることなく、加締め治具530の移動距離を決定してもよい。例えば、駆動装置510がパルスモータ(ステッピングモータ)を使用している場合には、パルスモータの駆動パルス数に基づいて加締め治具530の移動距離を決定することが可能である。
スパークプラグとしては、図1に示したもの以外の種々の構成を有するスパークプラグを本発明に適用することが可能である。
4…シール体
5…ガスケット
6…リング部材
8…板パッキン
9…タルク
10…絶縁体
11…襞部
12…軸孔
13…脚長部
15…段部
17…先端側胴部
18…後端側胴部
19…鍔部
20…中心電極
21…電極母材
25…芯材
30…接地電極
33…先端部
40…端子金具
50…主体金具
51…工具係合部
51f…傾斜面
52…取付ネジ部
53…被カシメ部
54…鍔部
56…段部
58…被座屈部
59…ネジ首
90…貴金属チップ
100…スパークプラグ
200…エンジンヘッド
201…取付ネジ孔
500…プレス機
510…駆動装置
520…ロードセル
530…加締め治具
532…湾曲部
534…テーパ面
540…リニアスケール
550…制御装置
<1>本発明の第1の形態は、後端に被カシメ部を有するとともに前記被カシメ部よりも先端側に工具係合部と被座屈部とを有する筒状の主体金具の内部に、絶縁体を挿入した状態で、加締めプレス機を用いて前記被カシメ部を加締めて前記絶縁体を固定するとともに前記被座屈部を座屈させる加締めプレス工程を備えるスパークプラグの製造方法であって、前記加締めプレス工程は、
(1)前記加締めプレス機の加締め治具を、変形前の前記被カシメ部に接触前進させ、前記加締めプレス機の圧力センサで検出される前記加締め治具の荷重を設定接触荷重に到達させる工程と、
(2)前記工程(1)の後、前記加締め治具をさらに設定距離にわたって前進させた後に停止させ、前記加締め治具を停止状態で維持する座屈工程と、
を含み、
前記工程(1)における前記加締め治具の過移動である第1のオーバーシュート量と、前記工程(2)における前記加締め治具の過移動である第2のオーバーシュート量と、の少なくとも一方に基づいて、前記設定接触荷重と前記設定距離とのうちの少なくとも一方を調整することによって、前記加締め治具が前記被カシメ部に接触してから前記停止状態に至るまでの目標移動距離と、前記加締め治具の実際の移動距離との差を低減させる、ことを特徴とする。
この方法によれば、第1のオーバーシュート量と第2のオーバーシュート量との少なくとも一方に基づいて、設定接触荷重と設定距離とのうちの少なくとも一方を調整することにより、加締め治具の目標移動距離と実際の移動距離との差を低減させるので、加締め治具の移動距離を、予め定められた目標移動距離に近づけることができる。
<2>本発明の第2の形態は、後端に被カシメ部を有するとともに前記被カシメ部よりも先端側に工具係合部と被座屈部とを有する筒状の主体金具の内部に、絶縁体を挿入した状態で、加締めプレス機を用いて前記被カシメ部を加締めて前記絶縁体を固定するとともに前記被座屈部を座屈させる加締めプレス工程を備えるスパークプラグの製造方法であって、前記加締めプレス工程は、
(1)前記加締めプレス機の加締め治具を、前記被カシメ部に接触前進させ、前記加締めプレス機の圧力センサで検出される前記加締め治具の荷重を設定接触荷重に到達させる工程と、
(2)前記工程(1)の後、前記加締め治具をさらに設定距離にわたって前進させた後に停止させ、前記加締め治具を停止状態で維持する座屈工程と、
を含み、
前記工程(1)における前記加締め治具の過移動である第1のオーバーシュート量と、前記工程(2)における前記加締め治具の過移動である第2のオーバーシュート量と、のうち、少なくとも前記第1のオーバーシュート量に基づいて、前記設定接触荷重と前記設定距離とのうちの少なくとも一方を調整することによって、前記加締め治具が前記被カシメ部に接触してから前記停止状態に至るまでの目標移動距離と、前記加締め治具の実際の移動距離との差を低減させる、ことを特徴とする。
この方法によれば、第1のオーバーシュート量と第2のオーバーシュート量とのうち、少なくとも第1のオーバーシュート量に基づいて、設定接触荷重と設定距離とのうちの少なくとも一方を調整することにより、加締め治具の目標移動距離と実際の移動距離との差を低減させるので、加締め治具の移動距離を、予め定められた目標移動距離に近づけることができる。
Claims (12)
- 後端に被カシメ部を有するとともに前記被カシメ部よりも先端側に工具係合部と被座屈部とを有する筒状の主体金具の内部に、絶縁体を挿入した状態で、加締めプレス機を用いて前記被カシメ部を加締めて前記絶縁体を固定するとともに前記被座屈部を座屈させる加締めプレス工程を備えるスパークプラグの製造方法であって、
前記加締めプレス工程は、
(1)前記加締めプレス機の加締め治具を、前記被カシメ部に接触前進させ、前記加締めプレス機の圧力センサで検出される前記加締め治具の荷重を設定接触荷重に到達させる工程と、
(2)前記工程(1)の後、前記加締め治具をさらに設定距離にわたって前進させた後に停止させ、前記加締め治具を停止状態で維持する座屈工程と、
を含み、
前記工程(1)における前記加締め治具の過移動である第1のオーバーシュート量と、前記工程(2)における前記加締め治具の過移動である第2のオーバーシュート量と、の少なくとも一方に基づいて、前記設定接触荷重と前記設定距離とのうちの少なくとも一方を調整することによって、前記加締め治具が前記被カシメ部に接触してから前記停止状態に至るまでの目標移動距離と、前記加締め治具の実際の移動距離との差を低減させる、
ことを特徴とするスパークプラグの製造方法。 - 請求項1に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記第1のオーバーシュート量の実測値又は推定値と、前記第2のオーバーシュート量の推定値と、のうちの少なくとも一つを前記設定距離から減算する設定距離調整を行うことによって、前記目標移動距離と前記実際の移動距離との差を低減させる、ことを特徴とするスパークプラグの製造方法。 - 請求項2に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記第1のオーバーシュート量の過去の実測値から算出された推定値を、前記設定距離から減算することによって前記設定距離調整を行う、ことを特徴とするスパークプラグの製造方法。 - 請求項2又は請求項3に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記第1のオーバーシュート量の前記推定値は、前記第1のオーバーシュート量の過去の実測値から算出された平均値である、ことを特徴とするスパークプラグの製造方法。 - 請求項2又は請求項3に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記工程(1)において前記加締め治具が前記被カシメ部に接触する時の前記加締め治具の移動速度と、前記第1のオーバーシュート量の過去の実測値との間の関係に基づいて、前記工程(1)における前記加締め治具の現実の当該移動速度から前記第1のオーバーシュート量の前記推定値を決定する、ことを特徴とするスパークプラグの製造方法。 - 請求項2に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記第2のオーバーシュート量の過去の実測値から算出された推定値を、前記設定距離から減算することによって前記設定距離調整を行う、ことを特徴とするスパークプラグの製造方法。 - 請求項2又は請求項6に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記第2のオーバーシュート量の前記推定値は、前記第2のオーバーシュート量の過去の実測値の平均値である、ことを特徴とするスパークプラグの製造方法。 - 請求項2又は請求項6に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記工程(2)において前記加締め治具が前記被座屈部を座屈させる時の前記加締め治具の移動速度と、前記第2のオーバーシュート量の過去の実測値との間の関係に基づいて、前記工程(2)における前記加締め治具の現実の当該移動速度から前記第2のオーバーシュート量の前記推定値を決定する、ことを特徴とするスパークプラグの製造方法。 - 請求項1,6,7,8のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記第1のオーバーシュート量に対応する前記加締め治具の過荷重の過去の実測値に基づいて前記第1のオーバーシュート量に対応する前記加締め治具の過荷重の推定値を求め、
前記加締め治具の過荷重の前記推定値を前記設定接触荷重から減算する接触荷重調整を行うことによって、前記目標移動距離と前記実際の移動距離との差を低減させる、ことを特徴とするスパークプラグの製造方法。 - 請求項9に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記加締め治具の過荷重の前記推定値は、前記第1のオーバーシュート量に対応する前記加締め治具の過荷重の過去の実測値の平均値である、ことを特徴とするスパークプラグの製造方法。 - 請求項9に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記工程(1)において前記加締め治具が前記被カシメ部に接触する時の前記加締め治具の移動速度と、前記第1のオーバーシュート量に対応する前記加締め治具の過荷重の過去の実測値との間の関係に基づいて、前記工程(1)における前記加締め治具の現実の当該移動速度から前記加締め治具の過荷重の前記推定値を決定する、ことを特徴とするスパークプラグの製造方法。 - 請求項1〜11のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記主体金具の後端位置における前記絶縁体の外径が、9mm以下である、ことを特徴とするスパークプラグの製造方法。
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