JP4268771B2 - スパークプラグ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用スパークプラグの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスパークプラグにおいて、燃焼室からのガスの漏洩を防止するために、絶縁体の外面と主体金具の内面との間の環状空間にタルク(滑石)を主体とした粉末を使用したシール充填材層を設けた構成のものが広く知られる。そして、スパークプラグは、燃焼室内での燃焼行程にて生じる燃焼ガスの影響から高温高圧に晒され、時には振動等が加わる厳しい環境下で使用されるため、そのような環境下でも機能を全うするような配慮が求められており、特に、シール充填材におけるシール性が十分に確保されるものが望ましいとされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近では、高出力、低燃費を実現する手法としてガソリンの直噴化やリーンバーン化が盛んに進められている。そのようなエンジンではバルブ径の拡大や、バルブの位置がシリンダヘッドのほぼ中心にあるプラグホールへ接近するなどの傾向にあり、そのためにプラグホールの径をできる限り小さくするべく、スパークプラグの小型化の要求が高まっている。具体的には、主体金具のうちでレンチ等の工具と嵌合する機関取り付けのための工具係合部の平行する2面の対面距離が従来の16mm以上のものから、14mmといったように16mm未満に小さくしたものが要求されるようになっている。そして、このような小型化の要求を満足しつつも、シール性(耐ゆるみ性)、耐衝撃性に対する配慮のなされたスパークプラグの提供が望まれている。
【0004】
本発明の課題は、タルクを主体とした粉末を使用しつつ高温環境においても優れたシール性を確保できるシール充填材層を備えたスパークプラグとその製造方法とを提供することにある。特に、耐衝撃性、シール性に優れた小型のスパークプラグ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
本発明は、中心電極と、その中心電極の径方向周囲を取り囲む絶縁体と、絶縁体の径方向周囲を取り囲む主体金具と、中心電極との間に火花放電ギャップを形成するように、これと対向する形で配置された接地電極を有するとともに、タルクを主体に構成され、主体金具の内面と絶縁体の外面との隙間に充填されてこれをシールするシール充填材層を備え、シール充填材層の充填密度が1.5g/cm 3 〜3.0g/cm 3 であるスパークプラグの製造方法を提供する。
【0006】
上記構成のごとく、充填密度が1.5g/cm3〜3.0g/cm3となるように、主体金具の内面と絶縁体の外面との隙間にシール充填材層が充填されることにより、シール充填材の圧縮性が顕著に改善され、シール充填材層によるシール性が向上する。これにより、過酷な使用条件に晒されて振動、圧力等による負荷が当該シール充填材層に生じても、主体金具と絶縁体との間の気密性を良好に確保することが可能となる。特に、スパークプラグにおいて、前記火花放電ギャップを前方側としたときに、主体金具の後端側周縁部が絶縁体の外面に向けて加締められて加締め部を形成する形状である場合、上記シール充填材層によれば高温下又は高圧下において変質しにくく、加締め部の緩みを有効に制御でき、シール性を向上させることができる。
【0007】
また、機関取り付けのための主体金具に形成される工具係合部の平行する2面の対面距離(以下、対辺寸法ともいう)をWとした場合、W<16mmとなるスパークプラグでは、主体金具におけるシール充填材層を囲む部分の内径DSが、9.0mm<DS<13.0mmを満たすとともに、絶縁体におけるシール充填材層に囲まれる部分の外径をDIとした場合に、DS−DI>1.6mm、かつDI≧7.0mmを満たすよう設定し、さらにシール充填材層の充填密度を1.5g/cm3〜3.0g/cm3であることが望ましい。
【0008】
小型のスパークプラグにおいては、主体金具及び絶縁体の径を縮小化することが要求される、具体的には、主体金具の工具係合部の対辺寸法が16mm未満のものが要求されるようになっている。一方、スパークプラグの機械的強度の観点から絶縁体の径の縮小化には限界があるため、絶縁体については十分な強度をもたせることが必要となる。そこで、主体金具と絶縁体の間にシール充填材層を設けないようにして、絶縁体の径を大きく設定するスパークプラグを構成することが考えられる。しかし、上述した工具係合部の対辺寸法が16mm未満に小さくしたものでは、必然的に主体金具の肉厚が薄くなり、主体金具のボリュームも減少して強度が落ちることから、シール充填材層を設けない設計のスパークプラグでは、耐衝撃性に弱く、衝撃を加えた後の気密性の低下が著しくなる問題がある。
【0009】
そこで、主体金具の工具係合部の対辺寸法が16mm未満に設定される小型のスパークプラグでは、絶縁体及び主体金具の各種寸法設定を上述のように(請求項2記載の発明のように)設定した上で、主体金具と絶縁体との間にシール充填材層を設けることによって、主体金具に加わる衝撃をやわらげ、金具の変形に対して緩衝作用を生じさせることができ、耐衝撃性、気密性を満足する構造を実現することができる。特に、充填密度が1.5g/cm3〜3.0g/cm3の範囲に調整されたシール充填材層を備えるようにすることで、主体金具の内面と絶縁体の外面との径差が従来のものに比較して縮小化され、シール充填材層の充填量が制限される小型のスパークプラグであっても、耐衝撃性、気密性に優れた構造を実現することができる。
【0010】
なお、小型のスパークプラグとすることで主体金具の内面と絶縁体の外面の径差が縮小化される訳だが、上記のごとく主体金具の内面と絶縁体外面の径差DS−DIをDS−DI>1.6mmとすることにより、主体金具と絶縁体との隙間内にシール充填材層を均一かつ適切な密度(1.5g/cm3〜3.0g/cm3の充填密度)に充填することができる。主体金具と絶縁体の径差DS−DIが1.6mm以下となると、粉末の状態にて充填する場合には径差が小さすぎ、シール充填材層による充填が困難となる。一方粉末をリング状に予備成形した上で、主体金具と絶縁体の隙間にその予備成形体(リング)を配置(充填)する方法を用いる場合には、リングの厚みを0.8mmより小さくする必要があるが、このように薄くリングを成形するのは困難を伴い、リング自体の強度も低下する可能性がある。また、絶縁体の外径DIが7.0mm未満であると絶縁体の強度が不十分となりスパークプラグとして機能上不適当であるが、上記のごとくDI≧7.0mmとすると、当該絶縁体において十分な強度をもたせることができる。
【0011】
なお、上記のようなスパークプラグにおいては構造上主体金具の肉厚(具体的には工具係合部の肉厚)を必要以上に大きくすることが困難であるため、充填密度を3.0g/cm3より大きくしようとすると、シール充填材層の充填時におけるプレス圧力を大きくする必要があり、その圧力に起因して工具係合部が公差を逸脱する形で変形する可能性がある。故に、シール充填材層の充填密度は上記寸法設定(即ち、W<16mm、9.0mm<DS<13.0mm、DS−DI>1.6mm、及びDI≧7.0mm)において3.0g/cm3以下とすることが望ましい。このように、シール充填材層の充填密度を3.0g/cm3以下とすると、主体金具の肉厚を大きくとることが困難な小型スパークプラグにおいても、主体金具の変形を公差内に制限させつつ充填密度を高めることができ、高精度なものとなる。なお、対面寸法Wについては12mm以上とするのが望ましい。これを12mm未満とすると、主体金具の肉厚が薄くなりすぎ、十分な強度を保つことが困難となる。
【0012】
本発明のスパークプラグの製造方法においては、具体的には、
主体金具の内側に絶縁体を配置して、両者の隙間にタルクを主体とする充填材粉末を充填することにより粉末充填層を形成する充填工程と、
その状態で該粉末充填層を前記主体金具の軸線方向に圧縮することにより、前記シール充填材層を形成する圧縮工程と、
充填工程に先立って、前記充填材粉末を前記隙間に対応するリング状形態に成形する成形工程を含み、
成形工程を行う前に予め、充填材粉末となるべきタルク粉末の平均粒径を30μm〜200μmの範囲に、かつ、該タルク粉末の見かけ密度を0.5g/cm 3 〜1.3g/cm 3 の範囲に調整し、
充填工程において前記隙間に充填材粉末の成形体を配置し、圧縮工程において、その成形体を粉末充填層として、成形工程よりも高圧にてこれを圧縮することにより充填密度が1.5g/cm 3 〜3.0g/cm 3 であるシール充填材層を形成する。
【0013】
上記方法のごとく、前記充填工程に先立って、前記充填材粉末を前記隙間に対応するリング状形態に成形する成形工程を行うことにより、主体金具と絶縁体との間の狭い隙間に、所定量の原料粉末を簡単かつ確実に充填することができ、製造能率の向上に寄与する。また、成形工程を実施する前において予め、タルク粉末の平均粒径を30μm〜200μmの範囲に調整し、かつ、見かけ密度を0.5〜1.3g/cm3の範囲に調整することが望ましい。即ち、この範囲に調整されたタルク粉末を成形工程に用いるとよい。このように見かけ密度を調整することにより該タルク粉末を主体として構成されるリング状の成形体を適切な強度をもって形成することができ、ひいてはシール充填材層を適切な密度とすることができる。また、上記のように見かけ密度を調整することにより、成形工程において、リング状の成形体を適切な密度に成形することが可能となる。また、平均粒径を上記範囲に調整することにより、見かけ密度を上記範囲に調整し易くなり、充填後においても、主体金具の形状精度を維持しつつシール充填材層を適切な密度に形成しやすくなる。
【0014】
なお、見かけ密度が0.5g/cm3未満であると、リング状形態の成形体の強度が不足し、結果としてシール充填材層を、十分な充填密度でかつ均一な密度に形成することが困難となる。他方1.3g/cm3を超えると、シール充填材層(成形体)の充填時においてプレス圧を大きくせねばならず、それに起因して主体金具が公差内を逸脱する形で変形する等の不具合が生じる可能性がある。また、30μm〜200μmの範囲に調整した平均粒径の充填材粉末を用いることにより見かけ密度を適切な範囲に精度高く設定できる。平均粒径が30μm未満、又は200μmを超えると、適切な見かけ密度とすることが困難となる。なお、この平均粒径は80μm〜150μmの範囲に調整することが望ましい。
【0015】
具体的には、上記範囲に調整されたタルク粉末とバインダーとを混合させて原料粉末を製造する原料粉末製造工程と、該原料粉末を所定粒度に調整しつつ充填材粉末を製造する充填材粉末製造工程とを設けることができ、この充填材粉末によりシール充填材層が構成されることとなる。なお、これら工程の詳細については後述する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のいくつかの実施の形態を図面を用いて説明する。
図1に示す本発明の一例たる抵抗体入りスパークプラグ100は、筒状の主体金具1、先端部が突出するようにその主体金具1内に嵌め込まれた絶縁体2、先端部を突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられた中心電極3、及び主体金具1に一端が結合され、他端側が中心電極3と対向するように配置された接地電極4等を備えている。接地電極4と中心電極3の間には火花放電ギャップgが形成されている。
【0017】
絶縁体2は、例えばアルミナあるいは窒化アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、その内部には自身の軸方向に沿って中心電極3を嵌め込むための貫通孔6を有している。貫通孔6の一方の端部側に端子金具13が挿入・固定され、同じく他方の端部側に中心電極3が挿入・固定されている。また、該貫通孔6内において端子金具13と中心電極3との間に抵抗体15が配置されている。この抵抗体15の両端部は、導電性ガラスシール層16,17を介して中心電極3と端子金具13とにそれぞれ電気的に接続されている。
【0018】
主体金具1は、炭素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパークプラグ100のハウジングを構成するとともに、その外周面には、スパークプラグ100を図示しないエンジンブロックに取り付けるためのねじ部7が形成されている。なお、1eは、主体金具1を取り付ける際に、スパナやレンチ等の工具を係合させる工具係合部であり、六角状の軸断面形状を有している。他方、主体金具1の後方側開口部内面と、絶縁体2の外面との間に形成される環状空間には、フランジ状の突出部2e(以下、第一絶縁体側係合凸部2eとも言う)の後方側周縁と係合するリング状のパッキン(線パッキン62)が配置され、そのさらに後方側にはタルク(滑石)を主体とする無機物質粉末からなる等のシール充填材層61(以下、単に充填材層61とも言う)を介してリング状のパッキン(パッキン60)が配置されている。そして、絶縁体2を主体金具1に向けて前方側に押し込み、その状態で主体金具1の後端側周縁部をパッキン60に向けて内側に加締めることにより加締め部1dが形成され、絶縁体2が主体金具1に対して固定されている。
【0019】
また、主体金具1のねじ部7の基端部には、ガスケット30がはめ込まれている。このガスケット30は、炭素鋼等の金属板素材を曲げ加工したリング状の部品であり、ねじ部7をシリンダヘッド側のねじ孔にねじ込むことにより、主体金具1の工具係合部1eよりも前方側に形成されるフランジ状のガスシール部1fとねじ孔の開口周縁部との間で、軸線方向に圧縮されてつぶれるように変形し、ねじ孔とねじ部7との間の隙間をシールする役割を果たす。
【0020】
次に、シール充填材層61について説明する。
本発明のスパークプラグ100において、シール充填材層61は、主体金具1の内面と絶縁体2の外面との間に形成される環状空間に充填密度が1.5g/cm3〜3.0g/cm3となるように充填される。この範囲を満たすよう充填することにより、高圧縮状態が維持され、耐衝撃性が向上することとなる。なお、望ましくは2.0g/cm3〜3.0cm3とするのがよい。当該シール充填材層61の充填密度を2.0g/cm3以上とすることにより耐衝撃性が更に向上し、高圧縮状態が極めて良好に維持される。なお、シール充填材層61はバインダーを含有しており、そのバインダーは、常温で液体状態が維持され、かつ沸点が150℃以上であることが望ましい。これによりシール充填材層61の耐熱性が向上し、高温下であっても安定した品質が維持されることとなる(即ち高温下にあっても変質しにくくなる)。そして、本発明においてシール充填材層61に使用するバインダーの好適例として、水ガラス、コロイダルシリカ、リン酸アルニウム等の無機物(以下、無機バインダーとも言う)、或いはシリコーンオイル、シリコーンワニス等のシリコーン(以下シリコーン系バインダーとも言う)を含有するようにできる。このように無機物或いはシリコーンをバインダーとして使用することにより、高温下に晒される過酷な使用条件においてもシール充填材層61の変質がしにくく、高温下においても高圧縮状態が良好に維持されてシール性が向上する。
【0021】
なお、充填材粉末中あるいはシール充填材中の上記性質を有するバインダー(具体的には無機バインダー、或いはシリコーン系バインダー)の含有量は2〜7重量%であることが望ましい。このバインダーの含有量が2重量%未満となると、充填材粉末の圧縮性改善効果が不十分となり、シール充填材層の高温でのシール性が損なわれることにつながる。他方、7重量%を超えると、充填材粉末の流動性が損なわれ、スパークプラグ製造時において次のような不具合により、シール不良発生やスパークプラグの製造歩留まり低下を招くこととなる。
1:主体金具と絶縁体との隙間へ充填材粉末を直接充填し、これを圧縮する工程を採用する場合は、上記隙間への粉末のスムーズな流入が妨げられる。
2:充填材粉末を金型プレスにより予備成形し、得られる予備成形体を上記隙間へ配置する工程を採用する場合は、金型キャビティへの粉末のスムーズな流入が妨げられる。
なお、バインダーの含有量は、望ましくは3〜5重量%となっているのがよい。
【0022】
また、図9(a)の断面図(図1におけるA−A断面図)にも示されるように、工具係合部1eは、工具(スパークプラグレンチ等)が係合し作用する工具作用面70を側面とする形にて、断面六角形状(いわゆるHEX形状)に形成されており、側面において互いに平行する2面(工具作用面70,70)の対面距離(即ち、断面外形線における対辺寸法)Wが16mm未満とされる。このような対面距離Wが16mm未満のスパークプラグにおいて、主体金具1におけるシール充填材層61を囲む部分の内径DSが9.0mm<DS<13.0mmを満たすとともに、絶縁体2におけるシール充填材層61に囲まれる部分の外径をDIとした場合に、DS−DI>1.6mm、かつDI≧7.0mmを満たすよう設定される。なお、本発明においてシール充填材層61に囲まれる部分とは、軸線方向(スパークプラグ100の中心軸線O(図1、図10)の方向)に関し、パッキン60及び線パッキン62の互いに対向する端縁間の部分を指す。即ち、スパークプラグ100において、火花放電ギャップgが形成される側を前方側とした場合に、その前方側に設けられる線パッキン62の軸線方向後方端と、後方側に設けられるパッキン60の軸線方向前方端との間の部分を意味している。なお、図10においては、その端縁間の距離を軸線方向端縁間距離Lとして表している。そして、この軸線方向端縁間距離L内の範囲における絶縁体2の外径DI、同じく軸線方向端縁間距離L内の範囲における主体金具1の内径DSが上記範囲にそれぞれ設定されることとなる。
【0023】
そして、このように寸法設定されたスパークプラグにおいてシール充填材層61の充填密度が1.5g/cm3〜3.0g/cm3となるように調整される。なお、充填密度を2.5g/cm3以下とすると、上記寸法範囲をとる小型スパークプラグにおいて一層の効果的となる。また、2.0g/cm3〜2.5g/cm3の範囲に設定することにより、耐衝撃性、気密性を更に高めることができ、かつ形状精度の高い好適なスパークプラグを実現できる。
【0024】
なお、本発明において、シール充填材層の充填密度は以下のごとく算出されたものを用いることとする。即ち、シール充填材層の軸線方向両端に隣接するパッキンの軸線方向端縁間(即ち、シール充填材層の前方側に隣接するパッキン(図10では線パッキン62)の軸線方向後方端と、シール充填材層の後方側に隣接するパッキン(図10ではパッキン60)の軸線方向前方端との間)において絶縁体の外周面と主体金具の内周面により形成される隙間(環状空間)の体積(以下、端縁間隙間体積ともいう)をV、主体金具内周面と絶縁体外周面との間に充填されるシール充填材層全体の質量Mとした場合のM/Vの値を充填密度と規定する。なお、両パッキンの軸線方向端縁間距離は図10に示したようにLとされるため、端縁間隙間体積VはV=(DS−DI)×Lとされる。そして、充填密度をρとした場合、ρ=M/((DS−DI)×L)として規定し、この式によるρが、1.5g/cm3≦ρ≦3.0g/cm3となっていれば本発明の技術的範囲に含まれるものとなる。また、それ以外の好適例も同様である(即ち、2.0g/cm3≦ρ≦2.5g/cm3となっていれば上記のごとく好適範囲となる)。
【0025】
具体的には、図9(a)の寸法W、DS、DIにおいて、W=14mm、DS=11.2mm、DI=9.0mm、或いはW=12mm、DS=9.2mm、DI=7.0mmといったものを例示できる。これ以外でも対面距離(対辺寸法)Wが16mm未満(14mm、12mm等)の小型のスパークプラグにおいて様々な寸法とすることができる。
【0026】
また、主体金具1の工具係合部1eの形状は六角形状に限定されず、図9(b)のように24角形状(いわゆるBi−HEX形状)の工具係合部としてもよい。この場合においても同様に上記寸法範囲内に設定されることとなる。なお、寸法例を挙げると、図9(b)の寸法W、DS、DIにおいて、W=14mm、DS=12mm、DI=10.5mmといった設定、或いはW=12mm、DS=9.7mm、DI=7.5mmといったように、対面距離(対辺寸法)Wが16mm未満(12mm、14mm等)である小型形状とすることができる。また、上記したHEX、Bi−HEXのいずれの形状においても、貫通孔6を有する形にて中空状に形成される絶縁体2の内径DH(即ち、シール充填材層61が配置される部分に対応する貫通孔6の径)は3.0mm以上(例えば、3,0mm、3.5mm等)となるように設定される。
【0027】
以下、上記スパークプラグ100の製造方法について説明する。なお、バインダーとして水ガラスを例にとり説明するが、上記無機バインダー、シリコーン系バインダーにおいても同様の製造方法を採ることができる。まず、図2に示すように、タルク粉末TPに対し、指定された量の水ガラスWG及び水Wを配合し、これを混合攪拌して原料粉末LPを製造する原料粉末製造工程を行う。なお、タルク粉末TPについては、予め平均粒径を30μm〜200μmの範囲に調整し、かつ、見かけ密度を0.5g/cm3〜1.3g/cm3の範囲に調整しておく。このように見かけ密度を調整することにより、後述する成形工程において、リング状の成形体を適切な密度に成形することが可能となる。また、平均粒径を上記範囲に調整することにより、見かけ密度を上記範囲に調整し易くなり、充填後においても、主体金具の形状精度を維持しつつシール充填材層を適切な密度に形成しやすくなる。
【0028】
また、水Wの配合量は、水ガラスWGの配合量と並んで重要であるが、これについては後に詳しく説明する。また、水ガラスは、例えばケイ酸ソーダあるいはケイ酸カリウム(あるいはそれらの混合物)の水溶液を好ましく使用でき、そのケイ酸塩成分は、M2O・nSiO2(MはNa又はK))のものを使用する。その溶液の水分量は充填材粉末への混合の容易性を考慮して適宜の値を採用する。なお、本明細書において充填材粉末中あるいはシール充填材層中の水ガラスは、水分含有比率1:1のものを使用する。また、使用するタルク粉末TP中の水分量は0.5〜3.5重量%とするのがよい。水分量が0.5重量%未満になると、充填材粉末の圧縮性が低下する。他方、水分量が3.5重量%を超えると、得られる充填材粉末の水分量が過剰となって流動性が損なわれる場合がある。
【0029】
次に、充填材粉末製造工程は以下のごとく行うことができる。図3(a)に示すように、原料粉末LPは流動性改善のために造粒され、造粒充填材粉末GPとされる。造粒方法は各種公知の方法を採用可能であるが、例えば対ロール間で原料粉末LPを圧縮して板状成形物を作り、この板状成形物を破砕後、整粒(例えば篩による分級)して、所定の粒度を有する造粒充填材粉末GPを得る方法を例示できる。
【0030】
図3(b)〜(d)に示すように、この造粒充填材粉末GPを、金型100のキャビティ101(104は、成形体に空隙を作るためのコアである)に、ボックスフィーダ105等を用いて充填し、パンチ102,103で圧縮することにより、充填材粉末の成形体PCを作る。
【0031】
上記成形工程において充填材粉末は、得られる成形体PCの見かけ密度が2〜2.4g/cm3となるように圧縮することが望ましい。成形体PCの見かけ密度が2g/cm3未満では成形体PCの強度が不足し、小さな衝撃で成形体PCが欠けたり割れたりするなどの不具合を生ずることがある。他方、見かけ密度が2.4g/cm3を超える場合は、成形体PCを金型キャビティ103内で強圧縮せざるを得なくなり、例えば図3(e)に示すように、キャビティ101内面と成形体PCとの摩擦が大きくなって、金型100から成形体PCを離型する際に、割れや欠けを生じやすくなる場合がある。なお、該見かけ密度は、より望ましくは2.2〜2.3g/cm3に調整するのがよい。
【0032】
そして、金型プレスによる上記成形体PCの作製に際しては、その金型プレス成形される充填材粉末中の水分量を1.5〜3.5重量%の範囲にて調整することが望ましい。水分量が1.5重量%未満になった場合、成形体PCの見かけ密度を上記2g/cm3以上の値に確保することが困難となる場合がある。他方、水分量が3.5重量%を超えると、充填材粉末の流動性が悪化し、充填材粉末の金型キャビティへのスムーズな供給が妨げられる場合がある。
【0033】
以下は、スパークプラグの組立工程の説明である。
図5に示すように、主体金具1の内面にはその内周面に沿って環状の第一主体金具側係合凸部1hが形成されている。他方、絶縁体2には上述のごとく、その外周面に沿って環状の第一絶縁体側係合凸部2eが形成されている。本実施例では、主体金具1の挿通孔1gの前端側が段部により縮径されており、この段部が第一主体金具側係合凸部1hとして機能している。なお、図5は、主体金具1内に板パッキン20(図1参照)を挿入した後、絶縁体2に形成される第二絶縁体側係合凸部2i(図1)が、主体金具1側に形成される第二主体金具側係合凸部1i(図1)と板パッキン20を挟んで当たる位置まで絶縁体2を挿入した状態(加締め部1d(図1)形成前)を示す。
【0034】
次に、主体金具1と絶縁体2との隙間にシール充填材層61を形成する工程について説明する。図5のように、絶縁体2の挿入後において主体金具1と絶縁体2との隙間に線パッキン62を挿入し、続いて、充填材粉末を隙間に充填する充填工程を実施する。図5では、充填材粉末は、前記した成形体PCの形で隙間に挿入され、粉末充填層を形成することとなる。
【0035】
成形体PC挿入後は、図6に示すように当該成形体PC(粉末充填層)を主体金具1の軸線方向に圧縮する圧縮工程を実施する。圧縮工程においては挿入された成形体をパイプ等を用いて軸線方向に圧縮する。この圧縮力は、成形体PCを製造する際の圧縮力よりも高く設定される。これにより成形体PCは、図7に示すようなシール充填材層61となる。このように、充填工程に先立ってリング状形態に成形する成形工程を実施するとともに、充填工程において隙間に充填材粉末の成形体を配置し、圧縮工程において、成形工程よりも高圧にてこれを圧縮することにより、絶縁体と主体金具との間の狭い隙間に、所定量の原料粉末を簡単かつ確実に充填することができるとともに、圧縮力を粉末充填層に均一に付加することができ、ひいては形成されるシール充填材層のシール性を一層良好なものとすることができる。
【0036】
そして、図7のごとく主体金具1の後端側周縁を軸線方向に圧縮することにより内向きに曲げつつこれを絶縁体2に向けて加締めることにより加締め部1dを形成する。シール充填材層61は、上記加締め部1dの形成により圧縮状態が保持され、良好なシール性を継続的に発揮することとなる。
【0037】
具体的には、図7において、加締めベース110のセット孔110aに主体金具1の先端部を挿入し、主体金具1に形成されたフランジ状のガスシール部1fをその開口周縁に支持させる。その状態で加締めパンチ111を主体金具1の後端面に接近させ、加締めベース110と加締めパンチ111にて主体金具1を狭圧することにより工具係合部1eとガスシール部1fとの間に形成される薄肉部1jを挫屈変形させつつ、主体金具1の後端側周縁部をパッキン60に向けて内側に加締めることにより加締め部1dが形成される。このとき、加締め部1dの形成に伴う主体金具1の後端開口部の内向きの変形と、薄肉部1jの挫屈変形に伴い、加締め部1dと第一絶縁体側係合凸部2eは、パッキン60,線パッキン62を介して成形体PC(粉末充填層)を圧縮し、シール充填材層61を形成する。すなわち、主体金具1の加締めと粉末充填層の圧縮が同時に行われる形となる。
【0038】
また、加締め部1dの形成方法としては、上述の手法(冷間加締め)に限らず、熱間加締めにより形成することもできる。熱間加締めによる加締め部1dの形成は、上述の図7の示すように、加締めベース110と加締めパンチ111とにより主体金具1を狭圧しつつ、この状態で加締めベース110と加締めパンチ111間に電流(例えば100A程度)を0.5〜1秒間流す。電流は加締めパンチ111から主体金具1の工具係合部1e、薄肉部1j、ガスシール部1fを経由して加締めベース110に流れる。このとき、薄肉部1jの肉厚が最も薄く抵抗値が高いため、薄肉部1jのみが強く加熱され赤熱する。これにより、加締め部1dの形成と粉末充填層の圧縮が同時に行われるとともに、さらに薄肉部1jの座屈変形に要する荷重が減少することになり、加締めに要する荷重が小さくて済む。
【0039】
なお、スパークプラグが冷間加締めにより形成されたか熱間加締めにより形成されたかは、スパークプラグを半割にして観察することにより容易に判る。冷間加締めにより形成されたスパークプラグ(図7参照)では、座屈変形した薄肉部1jが半径方向の外方又は内方(図7では外方)のいずれか一方側に向かう形で変形している。これに対し、熱間加締めにより形成されたスパークプラグでは、座屈変形した薄肉部1jが半径方向の外方と内方の両方に膨らんだ用に変形している。
【0040】
上記圧縮工程において、圧縮される粉末充填層(この場合、成形体PC)中の水分量は、0.5〜3.5重量%となっているのがよい。水分量が0.5重量%未満になると、粉末の圧縮性が損なわれ、得られるシール充填材層61のシール力が不足する場合がある。他方、水分量が3.5重量%を超えた場合、粉末充填層が周辺部材間に形成される隙間等に漏れ出す不具合が生ずることもある。
【0041】
成形体PCを使用する場合、前述の通りその成形工程において、充填材粉末中の水分量を1.5〜3.5重量%に調整することが望ましい。そして、該水分量を採用した場合、成形直後の成形体PCの水分含有量も概ね1.5〜3.5重量%の範囲のものとなる。これは、後続の圧縮工程における粉末充填層中の望ましい水分量の範囲内に属するものであるから全く問題は生じない。また、逆に考えれば、粉末充填層中の望ましい水分量は、成形時の望ましい範囲よりも低水分側に広いことから、圧縮工程を実施するまでの間に成形体PC中の水分が蒸発等により減少しても、0.5重量%以上の水分量が残留していれば問題なく圧縮工程を行なうことができるのである。なお、図4に示すように、残留水分量が0.5重量%以下とならない範囲で、成形体PCをヒータ加熱して強制乾燥させてから圧縮工程を行うようにしてもよい。
【0042】
なお、充填材粉末は、図8に示すように、予備成形を行わずに絶縁体2と主体金具1との隙間に直接充填するようにしてもよい。この場合、成形を行わないので、充填材粉末中の水分量を成形に適した1.5重量%以上に増加させる必要がなくなり、はじめから0.5〜3.5重量%の広い範囲にて調整を行うことが可能となる。なお、図8においては、主体金具1内に予め線パッキン62をセットしておき、その状態で筒状の治具120を主体金具1の後端側周縁部に装着して、前述の造粒充填材粉末GPを第一絶縁体側係合凸部2e及び線パッキン62の後方に流し入れるようにしている。そして、充填された粉末GP上にパッキン60をセットすれば、以下は図7と同様の工程が採用できる。
【0043】
本発明の効果を確認するために以下の実験を行った。
【実施例】
適当な粒度分布に調整した滑石原料(純度95%以上)に無機バインダー(本実施例では水ガラス)を5重量%混合し、攪拌機を使用して良く混合した。次いで、上記混合粉末をロールプレス機に通して、1〜3mmのシート状にしたあと、篩を使用して粗砕・分級して300〜1000μm程度に整粒した。そして、上述した組立工程により上記整粒粉末(充填材粉末)を、スパークプラグの絶縁体との外面と主体金具の内面との間に挿入し、プレス機にて加締めた。このとき、図7のごとく滑石充填粉末の上下に線パッキンを設けた。このようにして、表1に示す試験品1ないし7を得た。一方、比較品として有機バインダー(本実施例ではフェノール樹脂)を5重量%混合し、上記と同様の方法にてスパークプラグの絶縁体の外面と主体金具の内面との間に充填し、これを試験品8ないし10とした。
【0044】
バインダーの種類と加締めの組付け後のシール充填材層の充填密度を数段階に設定(試験品1ないし7)して、スパークプラグに組付けた場合の性能(気密性及び耐衝撃性)を従来品(試験品8,9,10)と比較した。試験方法はJISB8031における6.4項(耐衝撃性試験)及び6.5項(気密性試験)に基づいて実施した。充填密度の測定は、製品を解体し、シール充填材層が位置する絶縁体の外面と主体金具との間の環状空間に対する実際のシール充填材層の充填量から実測した。
【0045】
なお、JISB8031、6.4項の耐衝撃性試験において、10分間とされる衝撃時間を20分及び30分とした場合についても併せて性能評価を行った。その結果を表1に耐衝撃性結果に示す。なお、耐衝撃性試験後において規定された性能を満たすものを○、満たさないものを×として示している。本試験結果によれば、シール充填材層の充填密度が1.5g/cm3以上であるものは、衝撃時間が20分であっても規定性能を満たし、さらに、2.0g/cm3以上のものは30分であっても性能を維持することが判明した。
【0046】
【表1】
【0047】
また、加熱気密性については6.5項の気密性試験において、150℃の雰囲気温度の場合に加え、常温、200℃の場合における試験をも行い、当該気密性試験にて規定される手法によりプラグ内部からの空気の漏れ量を測定した。なお、雰囲気温度が150℃の場合、無機バインダーによるシール充填材層は有機バインダーの充填層と比較して漏れ量が小さく、無機バインダーの使用による漏洩防止効果が明確となった。特に、200℃の雰囲気の場合、有機バインダーを使用したシール充填材層においては当該気密性試験に規定する性能基準である1ml/minを超える空気漏洩量が測定され、一方、無機バインダーを使用したシール充填材層は200℃の雰囲気であっても当該気密性試験に規定される性能を満たし、高温下であっても気密性(シール性)が良好に維持されることが判明した。なお、バインダーとしてシリコーン系バインダー(シリコーンオイル、シリコーンワニス)を用いた場合でも、ほぼ同様の結果が得られた。
【0048】
バインダーとして耐熱性の高い無機バインダー或いはシリコーンバインダーを使用することによりスパークプラグにおける加熱気密性を向上させることができ、加締め組付け後のシール充填材層の充填密度が1.5g/cm3以上(望ましくは2.0g/cm3以上)の充填材粉末を、絶縁体と主体金具の間に充填して加締める(接合する)ことにより、耐衝撃性を向上させたスパークプラグを得ることができた。
【0049】
次に、平均粒径150μmの滑石原料に無機バインダーとして水ガラスを5重量%添加し、攪拌機でよく混合した後、ロールプレス機で1〜3mmのシート状に押し固めたものを、軽くほぐし、篩により300μm〜1000μmに分級した造粒充填材粉末を製造した。その造粒充填材粉末を主体金具1と絶縁体2との隙間に挿入し、図6のごとくパイプ状の金型で加圧して押し固めた後、図7のごとく主体金具1を加締めて組立て品を得た。ただし、各試験品毎に、シール充填材層の充填密度は粉末充填量と抑え荷重をかえてコントロールし、主体金具1の内径DSと絶縁体2の外径DI、及び工具係合部1eの対辺寸法Wを数段階に設定してスパークプラグを組立て、衝撃試験を行った。衝撃試験は上記表1の実験と同様に、JISB8031、6.4項の耐衝撃性試験において規定された試験機を使用し、なお、その耐衝撃性試験において、10分間とされる衝撃時間を5分、20分及び30分とした場合についても併せて性能評価を行った。その結果を表2に示す。なお、ゆるみの発生したもの、即ち、上記耐衝撃性試験において規定される性能を満たさなかったものには×として示し、ゆるみの発生の無いものについては○を付して示している。さらに、6.5項の気密性試験において、150℃の雰囲気温度の場合に加え、常温、200℃の場合における試験をも行い、当該気密性試験にて規定される手法によりプラグ内部からの空気の漏れ量を測定した。結果については同じく表2にて示す。
【0050】
【表2】
【0051】
表2においてNO19,NO23と他の実験結果を比較すると明らかなように、DS−DI>1.6mm、及び充填密度1.5g/cm3をともに満たす形状設定のものは、いずれも衝撃時間5分の耐衝撃性試験において規定性能を満たすことが確認された。また、同一径差(2.2mm)である、NO15〜18とNO20〜22を比較すると、より充填密度の高いNO15〜18において、耐衝撃性及び加熱機密性が共に向上した。さらに、NO11〜14に対して径差及び充填密度がともに大きいNO15〜18においては耐衝撃性及び加熱気密性がともに向上し、NO15〜18が極めて優れたものであることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例たるスパークプラグを示す縦半断面図。
【図2】図1のスパークプラグに使用される充填材粉末の調整工程説明図。
【図3】充填材粉末の造粒工程及び成形工程の説明図。
【図4】成形体を加熱して水分量を調整する方法の説明図。
【図5】スパークプラグの組立工程の説明図。
【図6】図5に続く説明図。
【図7】図6に続く説明図。
【図8】スパークプラグの組立工程の別の例を示す説明図。
【図9】図1のA−A断面図及び24角形状(Bi−HEX形状)の場合の断面図。
【図10】図1の要部拡大図。
【符号の説明】
1 主体金具
2 絶縁体
3 中心電極
4 接地電極
61 シール充填材層
PC 成形体 (粉末充填層)
Claims (1)
- 中心電極と、その中心電極の径方向周囲を取り囲む絶縁体と、前記絶縁体の径方向周囲を取り囲む主体金具と、前記中心電極との間に火花放電ギャップを形成するように、これと対向する形で配置された接地電極を有するとともに、タルクを主体に構成され、前記主体金具の内面と前記絶縁体の外面との隙間に充填されてこれをシールするシール充填材層を備えたスパークプラグの製造方法であって、
前記主体金具の内側に前記絶縁体を配置して、両者の隙間にタルクを主体とする充填材粉末を充填することにより粉末充填層を形成する充填工程と、
その状態で該粉末充填層を前記主体金具の軸線方向に圧縮することにより、前記シール充填材層を形成する圧縮工程と、
前記充填工程に先立って、前記充填材粉末を前記隙間に対応するリング状形態に成形する成形工程を含み、
前記成形工程を行う前に予め、前記充填材粉末となるべきタルク粉末の平均粒径を30μm〜200μmの範囲に、かつ、該タルク粉末の見かけ密度を0.5g/cm 3 〜1.3g/cm 3 の範囲に調整し、
前記充填工程において前記隙間に前記充填材粉末の成形体を配置し、前記圧縮工程において、その成形体を粉末充填層として、前記成形工程よりも高圧にてこれを圧縮することにより充填密度が1.5g/cm 3 〜3.0g/cm 3 である前記シール充填材層を形成することを特徴とするスパークプラグの製造方法。
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