JP6313649B2 - ガスセンサの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、排気ガスなどの被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するための酸素ガスセンサやNOxガスセンサ、HCガスセンサ等のガスセンサの製造方法に関する。
このようなガスセンサ(例えば酸素センサ)には、例えば、検知部をなす先端側に一対の電極(検知用電極)が設けられた酸素イオン導電性を有する固体電解質よりなる帯板状、或いは棒状(軸状)等をなす所定の長さの検出素子(以下、単に素子ともいう)が用いられる。このガスセンサ(以下、単にセンサともいう)は、例えばエンジンの排気ガス管に取付けられるネジ部を備えて筒状に形成された金具本体(主体金具)の内側(内部)に、その先後を貫通するように素子が位置決めされて固定され、その素子の先端側の検知部を金具本体の先端から先方に突出させる構成を有している(例えば、特許文献1(図1)参照)。このガスセンサは、金具本体のネジ部を介して排気管にねじ込み方式で固定され、素子の先端側を排気管内に突出させて排気ガスに晒すようにし、ガス濃度差に基づいて発生する電気信号を、素子の後端寄り部位に設けられた電極端子に接続されたリード線を介し、外部に設けられたECU(エンジンコントロールユニット)に出力して、空燃比制御等されるのに使用される。
このようなガスセンサでは、その使用過程において、金具本体の内周面(内側)と素子の外周面との間にガスが入り込んでセンサ内を通過して外部にリーク(漏洩)することを防止する必要がある。このため、この金具本体の内側(内周面)と素子の外側(外周面)との間(空間)にはシール材が配置され、該シール材を先後に圧縮する状態を保持することによって、その内側における先後方向のシールを保持している。ここで、シール材としては、例えば、滑石粉末が用いられる。そして、その場合には、例えば、金具本体の内周面のうちの先端(又は先端寄り部位)部位に小径部(内側に張り出す環状の段部)を形成し、その小径部における後端向き環状面(円形の棚)にホルダ(環状部材)を配置し、このホルダの後面(後端向き環状面)に滑石粉末を配置、充填し、この滑石粉末の後面(後端向き環状面)に、これを先後に圧縮する押え具(環状部材)を、要すれば、リングワッシャ(パッキン)等を介在させるようにして配置し、その押え具を先方に向けて押圧して、滑石粉末を先後に圧縮し、その充填密度(内圧)を高めることで、シール状態としている。そして、その圧縮状態が保持されるように、金具本体の後端部を、内側(本体の中心軸線側)に折り曲げ、かつ先方に向けて圧縮変形する、カシメ加工(塑性変形)を行い、そのシールの保持が確保されていた。
一方、この様なシール材の圧縮を安定して行うために、従来、次のような工程がとられていた。すなわち、従来は、シール材の圧縮を、金具本体の後端部のカシメ加工と同時に、すなわち、後端部を前記したように、折り曲げ、かつ先方に向けて圧縮変形するときのその変形をそのまま利用して押え具を先方に向けて押圧するのではなく、カシメ加工の前に、それとは別に、事前にシール材の圧縮が行われていた。具体例としては、カシメ加工の前に、同じプレス装置ではあるが、別に設けられたシール材の圧縮用のプレス手段、例えば油圧シリンダのピストンロッドの先端に取付けられた、筒状又はリング状の圧縮用金型によって、所定の圧縮用荷重F1を押え具に付与し、この押え具を介してシール材を先後方向に圧縮して、シール材を所定の圧縮状態(所定密度)に保持する。そして、この圧縮状態において、カシメ加工用に、別途、同軸配置で設けられたプレス手段、例えば油圧シリンダのピストンロッドの先端に取付けられた、リング状のカシメ用金型によって、金具本体の後端部にカシメ加工をするためのカシメ用荷重F2を付与する。すなわち、押え具を先方に向けて押圧することによってシール材を先後に圧縮している状態の下で、カシメ加工を行っていた。
なお、シール材を圧縮するために事前に付与される圧縮用荷重F1は、上記したシール性の確保の観点から設定される。また、カシメ用荷重F2は、圧縮用荷重F1によってシール材の圧縮が適正に行われていることを前提として、金具本体の後端部が、所望とするカシメ加工(塑性変形)状態となって、その加工後に押え具に圧接するか、或いはそれを適量、先方に押す形となるなどの条件に基づき設定される。そして、シール材は、カシメ用荷重F2の除去後においても、所望とする圧縮状態に保持される。因みに、金具本体の後端部の変形のし易さ(強度)にもよるが、カシメ用荷重F2は、通常、圧縮用荷重F1より大きい値に設定される。
特開2002−202279号公報
ところで、上記した従来のカシメ加工にあたり、圧縮用荷重F1の付与を油圧シリンダによって行う場合には、その制御を次のようにしていた。というのは、油圧ポンプを含むパワーユニットの駆動により、所定の時間をかけてその油圧シリンダ(以下、単にシリンダともいう)のピストンロッドの押出し(行工程)を行い、所定の圧縮用荷重F1が得られるようする。そして、その圧縮用荷重F1に至った時点において、すなわち、シール材が所定の圧縮状態となった時点において、これに続くカシメ加工を行うまで、その油圧シリンダにおける行工程の制御弁のポートを閉じ、そのピストンロッドの押出しを停止させる制御を行っていた。しかして、カシメ加工は、一定の圧縮用荷重F1を付与しているピストンロッドを停止させた状態で、それと別に、同軸配置されたカシメ加工用の油圧シリンダのピストンロッドを押出し、その先端に取付けられたカシメ用金型にて、金具本体の後端部をカシメ用荷重F2にて圧縮する。このカシメ加工においては、そのカシメ用荷重F2により、金具本体の後端部は適量、内側に折り曲げられると共に、先方に向けて圧縮変形され、圧縮用荷重F1の付与により押えられていた押え具の後面に、例えば、丁度、当接するか、適度の圧縮力で圧接する設定とされる。これにより、カシメ用荷重F2の除去後においても、シール材は所望とする圧縮状態に保持されることになる。
ところが、上記した従来のカシメ加工法では次のような問題があった。上記方法においては、設定された一定の圧縮用荷重F1の付与により、同一被加工品(ガスセンサ)の製造においては、いずれのシール材も同じ圧縮状態となる筈である。そして、本来、シール材圧縮用の油圧シリンダのピストンロッドの先端の停止位置は同じ位置でよい、といえる。しかし、実際には、シール材や金具本体等の部品にも寸法公差が付与されているなどから、その停止位置は同一とはならずバラツキが生じる。とくに、シール材が滑石粉末である場合には、その体積(又は重量)にバラツキが生じやすい。こうしたことから、一定の圧縮用荷重F1の付与であるとしても、上記ピストンロッドの先端の停止位置は微妙に異なる。具体的には、例えば、シール材が所定量よりも少ない場合、圧縮用のピストンロッドの先端の停止位置は、本来停止すべき位置よりも先方に位置することになる。したがって、この場合には、これを押圧する押え具も、設計上の位置より、その分、先方に位置することになる。一方、この状態において、所定のカシメ用荷重F2の付与によって、金具本体の後端部をカシメ加工すると、その開始時における押え具が、本来の位置よりも先方にあるのであるから、そのカシメ加工後におけるその後端部は、これに到達せず、押え具との間で空隙が生じてしまうことがある。このような場合、そのカシメ加工後において、カシメ用のシリンダのピストンロッドを後退させてカシメ用荷重F2を除去すると共に、圧縮用のシリンダのピストンロッドを後退させて圧縮用荷重F1を除去すると、シール材は、自身の圧縮における弾性(復元性)に基づき、その空隙分、圧縮状態の弛緩(圧縮力の減少)を生じる。結果、シール性や素子の固定力が低下してしまう。
逆に、シール材が所定量よりも多い場合、圧縮用シリンダのピストンロッドの先端の停止位置は、本来停止すべき位置より後方になる。すなわち、押え具の位置が本来の位置より後方になる。したがって、この状態において、一定のカシメ用荷重F2を付与して、金具本体の後端部をカシメ加工するときは、その開始時における押え具が、本来の位置よりも後方にあるのであるから、押え具をより先方に向けて押圧することになり、シール材が過度に圧縮されることになる。そして、このような場合、素子にクラックや折損が生じることがある。
さらに、圧縮用荷重F1の付与により、シール材の圧縮が設計値のとおりであり、圧縮用のシリンダのピストンロッドの先端の停止位置も設計位置のとおりであるとし、その状態で、カシメ用荷重F2の付与によって金具本体の後端部をカシメ加工したとしても、上記したのと同様の問題が生じることがある。というのは、上記もしたように、金具本体の後端部等の肉厚や先後長等の寸法に付与されている公差等の存在に基づき、その後端部の変形容易性が微妙に異なるためである。このため、一定のカシメ用荷重F2を付与したとしても、それにより変形に不足や過多が生じることがある。このように、従来、所定の圧縮用荷重F1においてシール材を圧縮してピストンロッドを停止し、その状態で所定のカシメ用荷重F2で、金具本体の後端部のカシメ加工を行う場合には、使用されるシール材の体積、重量等のバラツキにより、その圧縮時におけるピストンロッドの先端の停止位置に微妙な相違が発生することや、金具本体の後端部等の寸法公差や、変形容易性の微妙な相違により、その後、所定のカシメ用荷重F2の付与によってその後端部をカシメ加工する場合においては、そのカシメ加工にバラつきが生じる。そして、このようなバラツキの発生は、シール性や、素子の固定力の低下、又は素子のクラックの発生のみならず、金具本体の後端部の変形不良(外観不良)による加工歩留りの低下を招くことにもなる。
本発明は、上記したように、所定の圧縮用荷重F1によるシール材の圧縮状態において、金具本体の後端部のカシメ加工を行うことによって、その内側におけるシール性の確保、および素子の固定をする工程を含むガスセンサの製造方法において発生していた、前記した諸課題を解消し、信頼性の高いガスセンサを提供することをその目的とする。
請求項1に記載の本発明は、筒状をなす金具本体の内側に、その先後を貫通するように検出素子が配置され、この金具本体の内側と該検出素子の外側との間にはシール材が配置され、該シール材が先後に圧縮された状態が保持されることによって、該金具本体の内側における先後方向のシールが保持されてなる構成を有するガスセンサの製造方法であって、
該ガスセンサは、前記金具本体の後端部が、内側に折り曲げられ、かつ先方に向けて圧縮変形されるカシメ加工が行われることで、前記シール材の後方に配置された押え具を先方に向けて押圧する状態を保持することによって、該シール材の圧縮状態が保持される構成を有しており、
前記押え具を先方に向けて押圧することによって前記シール材を先後に圧縮している状態の下で、前記カシメ加工が行われる工程を含むガスセンサの製造方法において、
前記シール材を先後に圧縮するため、予め設定された一定のシール材圧縮用荷重を、前記押え具に加えた状態か、加え続けている状態における該押え具、又は該押え具を先方に押圧しているプレス部材の所定位置を基準位置としておき、
前記金具本体の後端部に、所定のカシメ用金型にてカシメ加工用荷重を加えることによって、該後端部を内側に折り曲げ、かつ先方に向けて圧縮変形してカシメ加工を行うにあたり、先方に向けて圧縮変形する該後端部が、前記押え具を先方に向けて押圧することになって、前記基準位置の先方への変位が発生した時、又は、該基準位置の先方への変位が所定量になった時に、該カシメ加工用荷重を除去する制御をすることを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、前記変位の検出を、接点付きダイヤルゲージで行うことを特徴とする請求項1に記載のガスセンサの製造方法である。請求項3に記載の本発明は、前記シール材が、滑石粉末であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のガスセンサの製造方法である。
本発明では、一定のシール材圧縮用荷重(以下、圧縮用荷重F1又は荷重F1ともいう)を加えた状態、又は、そのシール材圧縮用荷重を加え続けている状態において、カシメ加工用荷重を加えて金具本体の後端部のカシメ加工を行うこととしている。そして、そのカシメ加工において、先方に向けて圧縮変形する該後端部が、前記押え具を先方に向けて押圧することになり、それによって前記基準位置の先方への変位が発生した時、又は、該基準位置の先方への変位が所定量になった時に、該カシメ加工用荷重を除去する制御をすることとしている。これにより、その変位が所定量になる時に、その制御をするとしても、その変位量を、例えば、0.1mmとか、0.2mmといった微小な大きさに設定しておくことで、圧縮用荷重F1によって所望とする圧縮状態とされているシール材の圧縮状態を実質的に変化させることなく、金具本体の後端部が、所望とする圧縮変形状態となるカシメ加工とすることができる。もちろん、変位発生時において、その制御をする場合にも同様の効果が得られる。
このため、本発明においては、例えば、シール材に滑石粉末を用い、その量にバラツキがあったり、金具本体等に、寸法公差等に基づく微妙なバラツキがあるとしても、そのシール材は圧縮用荷重F1による所定の圧縮状態(密度)から、実質的な変化を生じさせることなく、その後端部を所望とする圧縮変形状態にあるカシメ加工することができる。しかも、そのシール材(滑石粉末)が所定量よりも少ない場合であるとしても、その後端部の変形不足(カシメ量不足)とならないから、シール材の弛緩の発生防止に有効である。また、逆にそのシール材が所定量よりも多い場合であるとしても、それが過度に圧縮されることにはならないから、素子にクラックや折損が生じることも防止される。
前記カシメ加工用荷重を除去する制御は、例えば、油圧シリンダにより、そのピストンロッドの押出しによってカシメ加工用荷重を付与する場合には、前記変位の発生時、またはその変位が所定量になった時に、そのピストンロッドの押出しを停止し、若しくは、後退させる等の制御を行えばよい。なお、前記基準位置の先方への変位が所定量となった時に、該制御をする場合において設定すべきその変位の量、すなわち、前記所定量(以下、変位量ともいう)は、シール材の圧縮が過大とならず、或いは、カシメ加工用荷重を除去しても、シール材が所望とする圧縮状態に保持されて、金具本体の後端部が押え具に圧接する範囲で、制御の応答性等を考慮して設定すればよい。また、カシメ加工用荷重の除去後に、圧縮変形後の後端部が、自身のスプリングバックにより一部復元するときには、その復元状態において、前記後端部が押え具に圧接し、かつ、シール材が所望とする圧縮状態に保持されるように、前記変位量を設定すればよい。
前記変位の発生時や、その変位量の検出は、歪ゲージや光センサ等のセンサを用いて行い、その検出(検出信号)に基づいて、スイッチングして、カシメ加工用荷重を除去する制御をしてもよいが、この検出は、接点付きダイヤルゲージを用いるのが、前記変位量の設定やその変更も容易であり、しかも、制御の複雑化を招くこともないので便利である。なお、本発明における「シール材」は、特に限定されるものではないが、「滑石粉末」が、耐熱性、耐久性の確保において好ましいものといえる。なお、このような滑石粉末からなるシール材は事前に所定の形状、寸法に成形されたものが用いられるとしても、その成形過程での材料の供給における量や重量にバラツキが生じやすいが、本発明によれば、かかるバラツキがあるとしても、上記した技術内容に基づき、問題なく所望とするカシメ加工を行うことができる。なお、本発明において、「基準位置」が設けられる前記プレス部材は、前記押え具を先方に押圧するものであればよく、したがって、カシメ用金型のみならず、これを油圧シリンダで押圧するときは、そのピストンロッドの部位であってもよい。また、本発明において、圧縮変形する該後端部が、前記押え具を先方に向けて押圧する、というのは、それが直接、押圧することでもよいし、リングワッシャ等を介する間接的な押圧でもよい。さらに、前記押え具は、前記シール材を直接、押圧(圧縮)することでもよいし、別部材を介して押圧することでもよい。
本発明の製造方法の実施の形態によって製造されるガスセンサの一例を示した正面縦断面図及び要部拡大図。 図1のガスセンサの製造、組立ての最終工程を説明する図。 金具本体の後端部をカシメ加工する工程の説明図。 図3のカシメ加工を説明するプレス装置を含む模式図。 図4のプレス装置でカシメ加工するにあたり、シール材を荷重F1の付与により先後に圧縮しているときの説明図。 図5において、カシメ用金型で金具本体の後端部をカシメ加工するときの説明図。
本発明のガスセンサの製造方法を実施するための形態について、図1〜図6に基づいて詳細に説明する。ただし、本形態では、排気ガス中の酸素濃度を検出する全領域空燃比ガスセンサを製造する場合であり、したがって、まず、本例において製造されるこのガスセンサの全体構成について、主として図1に基づいて説明する。図中、1は全領域空燃比ガスセンサであり、筒状をなす金具本体11(以下、単に本体11ともいう)の内側の先端寄り部位に、先後に貫通する貫通孔38が形成されたホルダ31が配置されており、このホルダ31の貫通孔38に、帯板状又は棒状をなす検出素子21が通され、検知部22の形成された先端寄り部位を、ホルダ31の先端面(先端)より先方に突出させている。このように貫通孔38を通された検出素子21は、ホルダ31の後端面側(図示上側)に配置されたシール材(本例では滑石粉末)41を、絶縁材からなるリング状の押え具43を介して先後に圧縮することによって、金具本体11の内側において、先後方向に気密を保持して固定されている。なお、押え具43によるシール材41の圧縮の保持は、本体11の後端部(カシメ用円筒部)16を内側に曲げ、そして先方に圧縮変形(押圧)することによるカシメ加工(変形)により、リングワッシャ45を介して行われている。これらの各部位、及びカシメ加工についての詳細は後述する。
また、素子21の後端29を含む後端29寄り部位は押え具43及び金具本体11より後方に突出しており、その後端29寄り部位に形成された各電極端子(図示せず)に、外部に引き出された各リード線71の先端に設けられた端子金具75が圧接され、電気的に接続されている。なお、この電極端子を含む素子21の後端29寄り部位は、保護筒81でカバーされている。また、各リード線71は、保護筒81の後方の小径筒部83の内側に配置されたゴム部材85を通されて外部に引き出されている。
検出素子21は、測定対象に向けられる先端側(図示下側)に検知用電極等(図示せず)からなる検知部22を備えて、先後に長い帯板状(板状)のものであり、横断面が、先後において略一定の大きさの長方形(矩形)をなし(図3参照)、固体電解質、及びセラミックを主体として形成されている。ただし、この素子21の先端寄り部位には、その先端から後方に向かう所定範囲に、アルミナ又はスピネル等からなる多孔質保護層25が被覆、形成されており、この形成部位は、この保護層25の厚み分、横断面が大きくなっている。この検出素子21自体は、従来公知のものと同じものであり、固体電解質(部材)の先端寄り部位に配置されて検知部22をなす一対の検知用電極と、これに連なる後端寄り部位には、検知用出力取り出し用のリード線71接続用の電極端子(図示せず)が露出形成されている。また、本例では、素子21のうち、固体電解質(部材)に積層状に形成されたセラミック材の先端寄り部位内部にヒータ(図示せず)が設けられており、後端寄り部位には、このヒータへの電圧印加用のリード線71接続用の電極端子(図示せず)が露出形成されている。なお、図示はしないが、これら電極端子は、例えば素子21の後端29寄り部位において、帯板の幅広面(両面)おいて、3つ又は2つが横に並んで縦長矩形に形成されている。
本例センサ1を構成する金具本体11は、先後において同心異径の筒状をなし、先端側が小径で、後述するプロテクタを外嵌して固定するための円筒状の円環状部(以下、円筒部ともいう)12を有し、その後方(図示上方)の外周面には、それより大径をなす、エンジンの排気管への固定用のネジ13が設けられている。そして、その後方には、このネジ13によってセンサ1をねじ込むための多角形部14を備えている。また、この多角形部14の後方には、ガスセンサ1の後方をカバーする保護筒(外筒)81を外嵌して溶接する円筒部15が連設され、その後方には、シール材41の圧縮状態を保持するため、金具本体11の後端部16が設けられている。この後端部16は、ガスセンサ1(図1)においては、シール材41の圧縮状態を保持しているカシメ工程後の姿のため、内側に折り曲げられ、かつ先方に向けて圧縮変形されている。なお、この後端部16は、カシメ加工前は、外径が円筒部15より小さく薄肉のカシメ用円筒部をなしている。一方、金具本体11の内周面は、先端側の小径の円環状部(円筒部)12の先端12a寄り部位の内周面に続く後方(図示上方)が、先すぼまりテーパの円環状棚17を介して拡径されて同一内径の円筒面18に形成されている。なお、多角形部14の下面には、ねじ込み時におけるシール用のガスケット19が取着されている。
本例では、このような本体11の内側において、その円環状棚17の上には絶縁材(例えばアルミナ)からなるホルダ31が、その先端面のうち、先細りテーパをなす外周寄り部位において載置されるように配置されている。そしてこのホルダ31の後方には、シール材(本例では滑石粉末)41が充填状態とされ、その後方には、押え具(スリーブ)43、そして、リングワッシャ45が、順次、配置されている。なお、シール材41については後述するが、ホルダ31及び押え具43はともに横断面の外周面が円形をなし、本体11の内周面(円筒面)に、それぞれ隙間嵌め状態となる短円柱状に形成されている。ただし、ホルダ31及び押え具43はともに横断面の中心に、素子21をその軸線に沿って貫通状に通すため、先後に貫通する貫通孔を備えている。ただし、この貫通孔は、上記した素子21のうち、多孔質保護層25が被覆、形成されていない部位が略隙間なく通るように、その横断面とほぼ同一の寸法の矩形の開口とされている。なお、押え具43の外周面と後端面とのなす角には傾斜面取りが周方向に沿って設けられており、リングワッシャ45がその面取り部位に配置される設定とされている。また、ホルダ31の先端向き面のうち、貫通孔を包囲する領域には、後方に向けて所定深さで凹む横断面円形の凹部35が設けられており、この凹部35に、素子21のうち、多孔質保護層25が被覆、形成されている部位の後端が位置するように設定されている。これは、素子21のホルダ31の先端からの先方への突出長を小さくするためである。
本例のガスセンサ1では、上記したように、金具本体11内に設けられているホルダ31の後端面39側(図示上側)に、シール材(滑石粉末)41が充填状態で配置され、そのシール材41の後方に押え具43が配置され、リングワッシャ45を介して、本体11の後端寄り部位の円筒部15に連設された薄肉のカシメ用円筒部からなる後端部16を、内側に折り曲げ、かつ先端側に圧縮変形するカシメ加工がなされている。そして、これにより、内部のシール材41等を先後に圧縮して、素子21を金具本体11の内側に気密状に固定している。すなわち、このシール材41の圧縮によって、金具本体11の内側(内周面18)と、素子21の外周面との間における先後方向のシールを保持していると共に、金具本体11の内側に素子21を固定している。
一方、素子21の先端部位には、本形態では、2層構造からなり、共に通気孔(穴)を有する有底円筒状のプロテクタ(保護カバー)51,61が被せられている。このうち、内側のプロテクタ51は、先端から後方に向けて3段階で拡径する異径円筒状をなし、その上端の大径円筒部が金具本体11の先端の円環状部(円筒部)12に外嵌され、溶接されている(図1参照)。また、外側のプロテクタ61は、先端側から2段階で拡径する異径円筒状をなし、その上端の大径円筒部を、内側のプロテクタ51の大径円筒部に外嵌して、同時に金具本体11の先端の円筒部12に溶接されている。しかして、ガスセンサ1が排気管に取り付けられて、ガスがその排気管内を流れるとき、ガスは外側のプロテクタ61、内側のプロテクタ51の各通気孔を通って素子21の先端部位に接するように流動し、そして、これと逆に内、外のプロテクタ51、61の各通気孔を通って下流側に流動するように形成されている。
なお本形態のガスセンサ1においては、上記もしたように(図1参照)、素子21の後端29寄り部位に形成された各電極端子には、外部にゴム部材85を通して引き出された各リード線71の先端に設けられた各端子金具75がそのバネ性により圧接され、電気的に接続されている。そして、この圧接部を含む各端子金具75は、本例ガスセンサ1では、異径筒状をなす保護筒(金属筒)81内に配置された絶縁材からなる端子金具保持部材91内に設けられた各収容部内に、それぞれ対向配置で設けられている。なお、端子金具保持部材91は、保護筒(金属筒)81内に固定された環状支持部材80を介して径方向及び先端側への動きが規制されている。そして、この保護筒81の先端部(大径筒部)82を、金具本体11の後端寄り部位の円筒部15に外嵌して溶接することで、ガスセンサ1の後方が気密状にカバーされている。なお、リード線71は、上記もしたように、保護筒81の後端部の小径筒部83の内側に配置されたゴム部材85を通されて外部に引き出されており、この小径筒部83を縮径カシメしてこのゴム部材85を圧縮することにより、この部位の気密が保持されている。因みに、このゴム部材85は端子金具保持部材91の後端を先方に押す形で配置されており、これにより、この端子金具保持部材91及びその内部に設けられた端子金具75の取付け安定が図られている。なお、端子金具保持部材91はその外周に形成されたフランジ93を保護筒81の内側に固定された環状支持部材80の上に支持させられており、これにてゴム部材85の圧縮力を受けている。
しかして、このような構成からなる本例のガスセンサ1は、次のようにして製造される。例えば、図2の右下に示したように、素子21を含む先端側の半組立体101を前述したようにして、製造、組立てておく。また、図2の左上に示したように、それ以外の部分である、後端側の部位を半組立て体(仕掛品)102として、別途、製造、組立てておく。そして、その両者を組付けることで製造される。すなわち、この両者を、図2に示したように、同軸状に配置し、図示下(右下)方の先端側の半組立体101において突出する素子21の後端29寄り部位を、図示上(左上)方の後端側の半組立体102のうち、端子金具保持部材91内において対向して配置された端子金具75相互間に相対的に挿入して、各端子金具75を素子21の後端29寄り部位に設けられた各電極端子にバネ性によって圧接させる。そして、保護筒81の先端(図示下端)側の大径筒部82を金具本体11の後端寄り部位の円筒部15に外嵌し、同部位において全周をレーザ溶接し、その後、最終的に必要な処理を行う。これにより、図1のガスセンサ1として製造される。
ところで、本例では図2の、素子21を含む先端側の半組立体101のうち、プロテクター51,61及びガスケット19を取り付ける前の中間体は、金具本体11内に素子21等を含む所定の部品を組み付けて、上述したように、金具本体11の後端部16を、本発明の要部であるカシメ加工法によりカシメ加工することで製造される。以下、金具本体11内に素子21等を含む所定の部品を組み付け、その後、押え具43を先方に向けて押圧することによってシール材41を先後に圧縮し、その圧縮状態の下で行われるカシメ加工の工程について、前記中間体の組立て製造過程を例示して説明する。
図3の左上に示したように、素子21の後端29を、ホルダ31、シール材41、及び押え具43に設けられた各貫通孔に通して、中間体用の組付け体仕掛品とする。次に、この組付け体仕掛品を図3の左下に示したように、後端部16がカシメ加工されていない金具本体11の内側に挿入(配置)して組み付ける。そして、押え具43の後端(後端面)であって、本体11の後端部16をなすカシメ用円筒部の内側に、本例ではリングワッシャ45を配置する。そして、素子21の先端23を本体11の先端から所定量突出させる。なお、本例のシール材は41は、滑石粉末に所定の結合材を含めて事前に固め、成形してなる部品として、金具本体11内に配置(充填)するものとしている。このため、前記したようにして、ホルダ31、押え具43とともに金具本体11内に組付けることとしているが、このシール材41の充填法はこれに限定されず、粉末として、金具本体11内に素子21とともにホルダー31を配置した後に供給しても、もちろんよい。なお、押え具43のうち、素子21を隙間嵌めで通す貫通孔は、図3中にS1−S1断面で示したように、素子21の横断面に対応する矩形断面を呈しており、ホルダー31およびシール材41にも同様の貫通孔が設けられている。
次に、このようにして組み付けられた仕掛品をカシメ工程に送る。カシメ工程では、この仕掛品を、図3の右下に示したような、プレス装置の下方に設けられ、カップ状に形成されたジグ201にて位置決め支持させる。同図では、この支持における上下方向の位置決めは、金具本体11の多角形部14の下面をジグ201の位置決め部205に当接させることによっている。そして、金具本体11の径方向(軸線位置)の位置決めは、ジグ201における内周面にて、そのネジ13を拘束することによっている。
しかして、図3の右下の左半断面にて示したように、位置決め用のジグ201にて支持させたこの仕掛品に対し、シール材41が所定の圧縮状態となるように予め設定された一定のシール材圧縮用荷重F1を、プレス部材である圧縮用金型210を介して押え具43に加える。これにより、シール材41は、ホルダ31との間で先後に圧縮され、所望とするシール状態が得られる圧縮状態に保持される。そして、その圧縮用荷重F1を加えた状態、又は加え続けている状態における押え具41、又はこの押え具41を先方に押圧する圧縮用金型(プレス部材)210の所定位置(点)として、本例では、圧縮用金型210の所定位置を、基準位置Paとしておく(図3の右下の左半断面参照)。
次いで、この圧縮状態の下で、図3の右下の右半断面にて示したように、金具本体11の後端部16に、所定のカシメ用金型310にて、カシメ加工用荷重Fkを例えば漸増するように加え、後端部16を内側に折り曲げ、かつ先方に向けて圧縮変形してカシメ加工を行う。この加工工程においては、その進行により、先方に向けて圧縮変形する該後端部16が、本例では、リングワッシャ45を介して押え具43を先方に向けて押圧することになる。すなわち、この加工工程の進行により、圧縮変形される該後端部16が、押え具43を先方に向けて押圧するから、押え具は43は、図3の右下の右半断面にて示したように、その押圧作用により先方に向けて変位する。このとき、圧縮用金型210は、その押え具43に圧縮用荷重F1を加えているのであるから、それに設定された基準位置Paも、押え具43と同量、先方に向けて変位する(図3の右下の右半断面参照)。このため、その変位の発生時、又は、その変位量が所定量L1になった時に、該カシメ加工用荷重Fkを除去する制御をする。すなわち、この制御を、基準位置Paの先方への変位の発生時でなく、所定量の変位となった時に行うときでも、その変位量L1を小さく、例えば、0.1mm(又は0.2mm)に設定しておくことにより、シール材41の圧縮状態を圧縮用荷重F1による圧縮状態から実質的に変化させることなく、金具本体11の後端部16のカシメ加工を終えることができる。これにより本例では、シール材41、すなわち滑石粉末が所定量より少ないか、多い場合でも、その圧縮状態を所望とする圧縮状態に保持することができるので、シール材の弛緩の発生や、素子にクラック等が生じることを有効に防止することができる。
なお、このカシメ加工用荷重Fkを除去する制御をするタイミングは、後端部16の必要な変形量や、変位の発生時や変位量L1の検出の応答性、さらには、その応答性に基づくカシメ加工用荷重の除去の応答性に応じて、所望とするカシメ加工状態が得られるように適宜に設定すればよい。かくして、本例のカシメ加工法によれば、これらの設定を、加工対象に応じて適切に行うことで、金具本体11の内側における先後方向のシールが所望とする状態から実質的に変化することなく、好ましいカシメ加工状態での素子21の固定が行われた中間体が得られる。なお、基準位置Paの先方へ変位の発生時、又は、その変位量L1の検出は、歪ゲージや光センサなど適宜の検出手段を用いればよいが、上記もしたように、接点付きダイヤルゲージを用いるのが、簡易である。次に、このカシメ加工法を、さらに具体化し、例えば、油圧シリンダ方式によるプレス装置で行い、基準位置Paの先方への変位の発生時、又はその変位量の検出を接点付きのダイヤルゲージで行う場合について説明する。なお、使用するジグ201や仕掛品を位置決め支持する点については、前記したものと同じであり、したがって、同一の点については、同一の符号を付すに止める。
まず、図4の模式図に基づきプレス装置の一例について説明する。プレス装置400は、同装置をなす支柱(フレーム)410の上端と、下方に、2層構造でそれぞれ固定された上部固定板420と下部固定板430とを備えている。そして、これらにそれぞれ、圧縮用油圧シリンダ220とカシメ用油圧シリンダ320とが、前フランジ固定方式で、ジグ201に位置決め配置される金具本体11と同軸配置で設けられている。下方の圧縮用油圧シリンダ220は、押え具43の後面を押圧してシール材41を圧縮するためのプレス部材として、金具本体11と同軸配置で設けられた筒状の圧縮用金型210が、そのピストンロッド230の先端に取付けられている。そして、上方のカシメ用油圧シリンダ320は、金具本体11の後端部16を内側に折り曲げると共に、先方に向けて圧縮変形するため、金具本体11と同軸配置で設けられた環状のカシメ用金型310が、そのピストンロッド330の先端に設けられた可動上板340と、その下方に連結ロッド345を介して配置された可動下板350に設けられている。なお、圧縮用金型210とカシメ用金型310とは、相互に干渉することなく個別に、所定ストローク、上下動の制御がされる設定とされている。なお、圧縮用金型210は、素子21及びカシメ後の金具本体11の後端部16に干渉しないように形成されている。また、カシメ用金型310は、これで金具本体11の後端部16を先方に押圧することで、その後端部16が、内側に折り曲げられると共に、先方に向けて圧縮変形されるように形成されている。
圧縮用油圧シリンダ220は、その駆動により、先端の圧縮用金型210で押え具43を先方に向けて、所定のシール材圧縮用荷重F1で押圧する設定とされている。この圧縮用荷重F1は、その付与により、シール材41が、金具本体11の内側先端に配置されたホルダ31と、押え具43との間で、先後に圧縮され、本体11の内側における先後方向のシールが確保されるものとして事前に設定されたものである。ただし、本例では、この圧縮用荷重F1は、油圧回路の制御弁(フローコントロールバルブ等)の制御等により、カシメ加工されるまで、一定に保持されるように設定されている。
一方、カシメ加工用荷重Fkの付与は、一定の圧縮用荷重F1を付与し続けている状態において、カシメ用油圧シリンダ320にて、そのピストンロッド330を駆動して、カシメ用金型310にて、金具本体11の後端部16を先方に押圧する設定とされている。ただし、このカシメ用油圧シリンダ320は、そのカシメ工程において後端部16を、内側に折り曲げた後、先方に向けて圧縮変形する過程で、その変形を受けた後端部16が、リングワッシャ45を介して押え具43を圧接して、押え具43を、上記例におけるのと同様に、0.1mm、先方に変位させたとき、すなわち、押え具43を押圧しているカシメ用金型310が、0.1mm、先方に変位した時、そのピストンロット330を後退する制御が行われる設定とされている。なお、この制御は、本例では、プレス装置400の支柱(又はフレーム)410に、詳しくは図示しない固定構造で取り付けられている、接点付きダイヤルゲージ500による前記変位量L1の検出に基づく信号の出力によるものとされている。すなわち、本例では、図5に示したように、圧縮用金型210が押し下げられ、押え具43が、荷重F1にて先方に向けて押圧されているとき、圧縮用金型210の側部に固定された変位検出用アーム270の下面273が、ダイヤルゲージ500のスピンドルの先端に接触して、これを押し下げているときのその下面273の位置が、基準位置Paとされている。そして、この基準位置Paが、先方に向けて所定量(例えば0.1mm)変位したとき、ダイヤルゲージ500の接点が閉じて電気信号を出力し、カシメ用油圧シリンダ320のピストンロッド330を後退させるようその油圧回路における作動油供給用の電磁弁の制御をする設定とされている。
しかして、本例では、図5に示したように、プレス装置400の圧縮用油圧シリンダ220を駆動、制御して、所定の荷重F1で、押え具43を先方に向けて押圧してシール材41を圧縮する。そして、この荷重F1のときにおける押え具43を先方に押圧する圧縮用金型(プレス部材)210の所定位置、すなわち、変位検出用アーム270の下面273を基準位置Paとして、上記したようにダイヤルゲージ500で検出しておく。
次いで、図6に示したように、カシメ用油圧シリンダ320を駆動して、金具本体11の後端部16に、カシメ用金型310にてカシメ加工用荷重Fkを加え、後端部16を内側に折り曲げ、かつ先方に向けて圧縮変形してカシメ加工を行う。このカシメ加工では、カシメ用油圧シリンダ320を駆動制御して、例えば荷重を漸増して後端部16の圧縮変形を進める(増加させる)ことになる。このため、その圧縮変形が進むと、折り曲げられたその後端部16の先端向き面が、本例ではリングワッシャ45を介して押え具43に接触する。そして、さらにその圧縮変形が進むと、その後端部16が、押え具43を先方に向けて押圧し、変位を生じさせることになる。これにより、押え具43を先方に向けて押圧している圧縮用金型(プレス部材)210における基準位置Paが、同量、先方へ変位する。結果、ダイヤルゲージ500のスピンドルを、その変位量L1分押し下げるから、その変位量L1が所定量(0.1mm)になった時に、カシメ用油圧シリンダ320のピストンロッド330が後退する制御がされ、カシメ加工が終了する。
これにより、シール材41は、荷重F1による圧縮状態から実質的な変化もなく、しかも、後端部16は過大変形を発生したり、変形不足もなくカシメ加工された中間体が得られる。かくては、これに、プロテクター51,61及びガスケット19を取り付けることで、図2の右下の半組立体101が得られる。そして、この半組立体101と、図2の左上の後端側の部位を半組立て体(仕掛品)102とを上記したように組み付けることで、図1に示したガスセンサ1が得られる。かくして得られたガスセンサ1によれば、金具本体11の内側のシール性能、及び素子21の固定力の安定が得られるため、信頼性の高いガスセンサが得られる。
すなわち、従来においては、所定の圧縮用荷重F1の付与によるシール材41の圧縮状態の下で、カシメ用金型によって金具本体11の後端部16を、設定された所定のカシメ加工用荷重F2において押圧して、その後端部16を内側に曲げ、圧縮変形することでカシメ加工を行っていたのは上記した通りである。このため、従来は、その荷重F1によるシール材41の後面の位置に関係なく、荷重F2によるカシメ加工となっていたため、金具本体11の後端部16の変形の過大や不足の発生によるシール材41の圧縮状態のバラツキ等の発生という問題があった。これに対し、本発明では、所定の圧縮用荷重F1の付与状態において、付与するカシメ加工用荷重Fkの制御を、金具本体11の後端部16のカシメ加工による曲げ、変形過程で、その後端部16の圧縮変形が所定の状態になるまで付与し、その状態が得られた時に、カシメ加工用荷重Fkを除去する制御をすることとしているから、こうした問題を起こすことなく、そのカシメ加工工程を行うことができるという、際立って優れた効果が得られる。
上記例では、圧縮用荷重F1及びカシメ加工用荷重Fkの付与を油圧シリンダによって行う場合で説明したが、これら荷重の付与手段(プレス手段)は、油圧シリンダに限定されるものではない。また、上記例では、ダイヤルゲージによる前記変位量の検出に基づいて制御する場合で説明したが、その検出は、歪ゲージや光センサ等のセンサによってもよい。また、上記例では、基準位置Paを圧縮用金型(プレス部材)210に設定したが、押え具43自体に設定してもよい。さらに、カシメ加工用荷重Fkを除去する制御は油圧シリンダのピストンロッドの後退ではなく、ピストンロッドの押出しのための作動油の送り込み(供給)を停止することとしてもよい。さらに、このようなカシメ加工用荷重Fkを除去する制御を高精度に行いたい場合には、サーボモータ駆動によってカシメ加工用荷重Fkを付与することとしてもよい。
なお、本発明を具体化する場合において、カシメ加工用荷重を除去する制御をする際の上記変位量の設定は、圧縮変形される後端部の強度や復元性、あるいは、前記変位量の検出手段や制御の応答性能を考慮し、シール材の適切な圧縮状態、およびその保持のための金具本体の後端部の圧縮変形が得られるように、ガスセンサに応じて設定すればよい。
本発明のガスセンサの製造方法は、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、ガスセンサの構造も含め、適宜にその構成を変更して具体化できる。上記においては全領域空燃比ガスセンサにおいて具体化したが、本発明に係るガスセンサの製造方法は、その他のガスセンサにおいても具体化できる。また、上記例では、カシメ加工が、素子を含む先端側の半組立体用の中間体の製造、組み立て過程で具体化した場合で説明したが、本発明のガスセンサの製造方法は、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、いずれの工程で上記カシメ加工工程が行われるかに関係なく適用できる。
1 ガスセンサ
11 金具本体
21 検出素子
16 金具本体の後端部
41 シール材
43 押え具
210 圧縮用金型(プレス部材)
310 カシメ用金型
500 接点付きダイヤルゲージ
Pa 基準位置
F1 圧縮用荷重

Claims (3)

  1. 筒状をなす金具本体の内側に、その先後を貫通するように検出素子が配置され、この金具本体の内側と該検出素子の外側との間にはシール材が配置され、該シール材が先後に圧縮された状態が保持されることによって、該金具本体の内側における先後方向のシールが保持されてなる構成を有するガスセンサの製造方法であって、
    該ガスセンサは、前記金具本体の後端部が、内側に折り曲げられ、かつ先方に向けて圧縮変形されるカシメ加工が行われることで、前記シール材の後方に配置された押え具を先方に向けて押圧する状態を保持することによって、該シール材の圧縮状態が保持される構成を有しており、
    前記押え具を先方に向けて押圧することによって前記シール材を先後に圧縮している状態の下で、前記カシメ加工が行われる工程を含むガスセンサの製造方法において、
    前記シール材を先後に圧縮するため、予め設定された一定のシール材圧縮用荷重を、前記押え具に加えた状態か、加え続けている状態における該押え具、又は該押え具を先方に押圧しているプレス部材の所定位置を基準位置としておき、
    前記金具本体の後端部に、所定のカシメ用金型にてカシメ加工用荷重を加えることによって、該後端部を内側に折り曲げ、かつ先方に向けて圧縮変形してカシメ加工を行うにあたり、先方に向けて圧縮変形する該後端部が、前記押え具を先方に向けて押圧することになって、前記基準位置の先方への変位が発生した時、又は、該基準位置の先方への変位が所定量になった時に、該カシメ加工用荷重を除去する制御をすることを特徴とする、ガスセンサの製造方法。
  2. 前記変位の検出を、接点付きダイヤルゲージで行うことを特徴とする請求項1に記載のガスセンサの製造方法。
  3. 前記シール材が、滑石粉末であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のガスセンサの製造方法。
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