JPWO2012140838A1 - スパークプラグの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スパークプラグの製造工程において、絶縁体の割れの有無を容易に判別することのできる技術を提供する。【解決手段】スパークプラグの製造方法は、主体金具の軸方向における後端側開口部から絶縁体を挿入して組み付ける組付け工程を備える。組付け工程は、主体金具と絶縁体との軸方向への相対的な位置の変位を許容しつつ、主体金具の軸と絶縁体の軸とのずれ量が所定値以下となるように主体金具と絶縁体との軸方向に交叉する径方向の相対的な位置の変位を規制する変位規制工程を含む。組付け工程において、絶縁体から生じるアコースティック・エミッションを検出することによって、組み付け工程中に生じる絶縁体の割れの有無を判別する。【選択図】図3

Description

この発明は、スパークプラグの製造方法に関する。
内燃機関に用いられるスパークプラグとして、工具係合部や取付ネジが形成された主体金具と、主体金具を軸方向に貫通する貫通孔に挿入された絶縁碍子(絶縁体)とを有するスパークプラグが知られている。このようなスパークプラグは、絶縁碍子に取り付けられた中心電極の先端部と、主体金具の先端部に取り付けられた接地電極との間で火花放電が発生するように構成されている。
特開平10−32077 特開2007−80638 特開平8−306468 特開2006−79954
ところで、スパークプラグの製造工程では、絶縁体に割れが生じてしまうことがある。絶縁体に割れが生じたか否かは、スパークプラグを組み立てた後に、実際に火花放電を行なわせ、正常な火花放電が行なわれているか否かによって判別していた。
しかし、絶縁体の割れの有無を判別するために、製造工程の途中で火花放電を行なわせると、製造工程が非常に複雑となってしまい、また、短時間の火花放電では、絶縁体の割れの有無を正確に判断することが困難であるといった問題があった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、スパークプラグの製造工程において、絶縁体の割れの有無を容易に判別することのできる技術を提供することを目的とする。
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
軸方向に延びる中心電極と、
前記軸方向に延びる軸孔を有し、該軸孔の前記軸方向先端側で前記中心電極を保持する絶縁体と、
前記絶縁体の周囲を取り囲み前記絶縁体を保持する筒状の主体金具と
を有するスパークプラグの製造方法であって、
前記主体金具の前記軸方向における後端側開口部から前記絶縁体を挿入して組み付ける組付け工程を備え、
前記組付け工程は、前記主体金具と前記絶縁体との前記軸方向への相対的な位置の変位を許容しつつ、前記主体金具の軸と前記絶縁体の軸とのずれ量が所定値以下となるように前記主体金具と前記絶縁体との前記軸方向に交叉する径方向の相対的な位置の変位を規制する変位規制工程を含み、
前記組付け工程において、前記絶縁体から生じるアコースティック・エミッションを検出することによって、前記組み付け工程中に生じる前記絶縁体の割れの有無を判別することを特徴とする、
スパークプラグの製造方法。
この適用例によれば、絶縁体の割れの有無を容易に判別することが可能となる。さらに、この適用例によれば、主体金具と絶縁体とを組み付ける際に、主体金具と絶縁体との軸方向の相対的な位置の変位を許容する。このため、主体金具や絶縁体等のスパークプラグを構成する部材の形状に軸方向の誤差があっても、主体金具と絶縁体との径方向の相対的な位置の変位を十分規制することができるので、主体金具の軸と絶縁体の軸とのずれ量をより小さくすることができる。
[適用例2]
適用例1に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記組付け工程において、
前記主体金具は、受台に支持されており、
前記アコースティック・エミッションの検出には、前記受台を伝導した前記アコースティック・エミッションを検出可能な位置に取り付けられているセンサーを用いることを特徴とする、
スパークプラグの製造方法。
絶縁体から生じるアコースティック・エミッションは、主体金具を介して受台に伝導しやすい。したがって、この適用例によれば、絶縁体から生じるアコースティック・エミッションを精度良く検出することが可能となる。
[適用例3]
適用例2に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記変位規制工程において、前記絶縁体の前記主体金具への押圧は、前記主体金具が前記受台に対して押圧された状態になった後に、前記主体金具が前記受台に対して押圧された状態のままで、行われることを特徴とする、
スパークプラグの製造方法。
主体金具が受台に押圧された状態となると、アコースティック・エミッションは、主体金具から受台に伝導しやすくなるため、センサーは、アコースティック・エミッションを検出しやすくなる。一方、絶縁体の割れは、絶縁体が主体金具へ押圧されるときに発生しやすい。したがって、この適用例によれば、絶縁体が主体金具へ押圧されて割れが発生したときには、センサーは、アコースティック・エミッションを検出しやすい状態となっているため、絶縁体の割れの検出漏れを抑制することが可能となる。
[適用例4]
適用例3に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記主体金具の外周には、径方向外側に膨出するフランジ状の鍔部が形成されており、
前記組付け工程において、
前記主体金具は、前記鍔部の座面を介して前記受台に対して押圧されており、
前記鍔部の座面にかかる単位面積当たりの荷重は、0.5N/m2以上であることを特徴とする、
スパークプラグの製造方法。
この適用例によれば、精度良く、アコースティック・エミッションを検出することが可能となる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記組付け工程は、前記主体金具と前記絶縁体との間に充填された滑石を前記軸方向の先端側に向けて押圧する工程を含むことを特徴とする、
スパークプラグの製造方法。
滑石を押圧する工程では、絶縁体に荷重が加わるため、割れが発生しやすい。この適用例によれば、滑石を押圧する工程において、絶縁体の割れを容易に検出することが可能となる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記組付け工程は、前記絶縁体を前記主体金具に保持するために、前記主体金具の前記後端側開口部を加締める工程を含むことを特徴とする、
スパークプラグの製造方法。
主体金具の後端側開口部を加締める工程では、絶縁体に荷重が加わるため、割れが発生しやすい。この適用例によれば、主体金具の後端側開口部を加締める工程において、絶縁体の割れを容易に検出することが可能となる。
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記主体金具は、内燃機関への取り付けに供される取付ネジ部を有しており、
前記取付ネジ部のネジ径は、M12以下であることを特徴とする、
スパークプラグの製造方法。
ネジ径がM12以下のスパークプラグでは、特に絶縁体の割れが発生しやすい。この適用例によれば、ネジ径がM12以下のスパークプラグにおいて、絶縁体の割れを容易に検出することが可能となる。
[適用例8]
適用例1ないし適用例7のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、さらに、
前記組付け工程中に生じる前記絶縁体の割れの有無を判別した後、割れが有ると判別されたものを排除する工程を備えることを特徴とする、
スパークプラグの製造方法。
この適用例によれば、割れが有ると判別されたものが排除されるので、割れの有る絶縁体が組み付けられたスパークプラグが次の製造工程に流れてしまうことを抑制することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、スパークプラグの製造装置および製造方法、その製造装置あるいは製造方法を用いて製造されたスパークプラグ、スパークプラグの検査方法等で実現することができる。
本発明を適用して製造されるスパークプラグの一例を示す部分断面図である。 スパークプラグの製造工程の一部であるスパークプラグの組付け工程を示すフローチャートである。 スパークプラグの組付け工程を示す工程図である。 中軸付絶縁体を主体金具元部材に組み付ける装置の構成を示す断面図である。 台座とプレス治具とを拡大した拡大断面図である。 図5の破線部をさらに拡大した拡大断面図である。 主体金具元部材に加締を施す工程を示す工程図である。 第2実施例における組付け工程に利用される製造装置の構成を示す断面図である。 実験の様子を示す説明図である。 実験結果を示すグラフである。
A.第1実施例:
A1.スパークプラグの構造:
図1は、本発明を適用して製造されるスパークプラグ100の一例を示す部分断面図である。以下では、図1においてスパークプラグ100の軸線方向ODを図面における上下方向とし、下側をスパークプラグの先端側、上側を後端側として説明する。なお、図1では、軸線O−Oの右側にスパークプラグ100の外観を示し、軸線O−Oの左側にスパークプラグ100を軸線O−O(すなわち、中心軸)を通る面で切断した断面を示している。
絶縁碍子10は、アルミナ等を焼成することにより形成された絶縁体である。絶縁碍子10は、軸線方向ODへ延びる軸孔12が中心軸に沿って形成された筒状の絶縁体である。絶縁碍子10には、軸線方向ODの略中央に外径が最も大きな鍔部19が形成されており、それより後端側には後端側胴部18が形成されている。後端側胴部18には、表面長さを長くして絶縁性を高めるための襞部11が形成されている。鍔部19より先端側には、後端側胴部18よりも外径の小さな先端側胴部17が形成されている。先端側胴部17よりもさらに先端側には、先端側胴部17よりも外径の小さな脚長部13が形成されている。脚長部13は、先端側ほど外径が小さくなっている。この脚長部13は、スパークプラグ100が内燃機関のエンジンヘッド200に取り付けられた際には、内燃機関の燃焼室内に曝される。脚長部13と先端側胴部17との間には段部15が形成されている。
中心電極20は、絶縁碍子10に設けられた軸孔12内に保持されている。中心電極20は、絶縁碍子10の先端側から後端側に向かって中心軸O−Oに沿って延びており、絶縁碍子10の先端側において露出している。中心電極20は、電極母材21の内部に芯材25を埋設した構造を有する棒状の電極である。電極母材21は、インコネル600またはインコネル601等(「インコネル」は商標名)のニッケルまたはニッケルを主成分とする合金から形成されている。芯材25は、電極母材21よりも熱伝導性に優れる銅または銅を主成分とする合金から形成されている。通常、中心電極20は、有底筒状に形成された電極母材21の内部に芯材25を詰め、底側から押出成形を行って引き延ばすことで作製される。芯材25は、胴部分においては略一定の外径をなすものの、先端側においては先細り形状に形成される。軸孔12内において、中心電極20は、シール体4およびセラミック抵抗3を介して、絶縁碍子10の後端側に設けられた端子金具40に電気的に接続されている。なお、中心電極20、シール体4、セラミック抵抗3および端子金具40は、併せて「中軸」とも呼ばれる。そのため、以下では、中心電極20、シール体4、セラミック抵抗3および端子金具40(中軸)が取り付けられた絶縁碍子10を「中軸付絶縁体102」とも呼ぶ。
主体金具50は、低炭素鋼材より形成された筒状の金具であり、絶縁碍子10を内部に保持している。絶縁碍子10の後端側胴部18の一部から脚長部13にかけての部位は、主体金具50によって取り囲まれている。
主体金具50は、工具係合部51と、取付ネジ部52とを備えている。工具係合部51は、スパークプラグレンチ(図示せず)が嵌合する部位である。主体金具50の取付ネジ部52は、ネジ山が形成された部位であり、内燃機関の上部に設けられたエンジンヘッド200の取付ネジ孔201に螺合する。このように、主体金具50の取付ネジ部52をエンジンヘッド200の取付ネジ孔201に螺合させて締め付けることより、スパークプラグ100は、内燃機関のエンジンヘッド200に固定される。
主体金具50の工具係合部51と取付ネジ部52との間には、径方向外側に膨出するフランジ状の鍔部54が形成されている。取付ネジ部52と鍔部54との間のネジ首59には、板体を折り曲げて形成した環状のガスケット5が嵌挿されている。ガスケット5は、スパークプラグ100をエンジンヘッド200に取り付けた際に、鍔部54の座面55と取付ネジ孔201の開口周縁部205との間で押し潰されて変形する。このガスケット5の変形により、スパークプラグ100とエンジンヘッド200間が封止され、取付ネジ孔201を介した燃焼ガスの漏出が抑制される。
主体金具50の工具係合部51より後端側には、薄肉の加締部53が設けられている。また、鍔部54と工具係合部51との間には、加締部53と同様に、薄肉の座屈部58が設けられている。主体金具50の工具係合部51から加締部53にかけての内周面と、絶縁碍子10の後端側胴部18の外周面との間には、円環状のリング部材6,7が挿入されている。さらに両リング部材6,7間には、タルク(滑石)9の粉末が充填されている。加締部53を内側に折り曲げるようにして加締めることにより、主体金具50と絶縁碍子10とが固定される。主体金具50と絶縁碍子10との間の気密性は、主体金具50の内周面に形成された段部56と、絶縁碍子10の段部15との間に介在する環状の板パッキン8によって保持され、燃焼ガスの漏出が防止される。座屈部58は、加締めの際に、圧縮力の付加に伴い外向きに撓み変形するように構成されており、タルク9の圧縮長さを確保して主体金具50内の気密性を高めている。
主体金具50の先端部には、主体金具50の先端部から中心軸O−Oに向かって屈曲した接地電極30が接合されている。接地電極30は、インコネル600等(「インコネル」は商標名)の耐腐食性が高いニッケル合金で形成することが可能である。この接地電極30と主体金具50との接合は、溶接により行うことができる。接地電極30の先端部33は、中心電極20と対向している。
スパークプラグ100の端子金具40には、図示しない高圧ケーブルがプラグキャップ(図示しない)を介して接続されている。そして、この端子金具40とエンジンヘッド200との間に高電圧を印加することにより、接地電極30と中心電極20との間に火花放電が生じる。
なお、図1では図示を省略しているが、中心電極20と接地電極30とのそれぞれには、耐火花消耗性を向上するために、高融点の貴金属を主成分として形成された電極チップが取り付けられる。具体的には、中心電極20の先端側の面には、例えば、イリジウム(Ir)や、イリジウムを主成分として、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、レニウム(Re)のうち、1種類あるいは2種類以上を添加したIr合金によって形成された電極チップが取り付けられる。また、接地電極30の先端部33の中心電極20と対向する面には、白金または白金を主成分とした電極チップが取り付けられる。
A2.スパークプラグの製造工程:
図2は、スパークプラグ100の製造工程の一部であるスパークプラグの組付け工程を示すフローチャートである。図3は、スパークプラグの組付け工程を示す工程図である。スパークプラグの組付け工程では、まず、中軸付絶縁体102と、主体金具元部材50aとを準備する(図2の工程S100)。主体金具元部材50aは、主体金具50(図1)の加締部53および座屈部58の元となる円筒状の筒状部53a,58aを有している(図3(a))。
工程S200では、主体金具元部材50aに対して、板パッキン8と、中軸付絶縁体102とをこの順に軸線方向ODに挿入する(図3(a))。中軸付絶縁体102の主体金具元部材50aへの挿入の後、工程S300では、中軸付絶縁体102と主体金具元部材50aとの間に、リング部材7を挿入するとともに、タルク9を充填する(図3(b))。このとき、タルク9は、筒状部53aの後端側の付近まで充填される。
リング部材7の挿入とタルク9の充填の後、工程S400では、タルク9の上端側から軸線方向ODに押圧することにより、タルク9を軸線方向ODに圧縮する。このように、リング部材7とタルク9とが軸線方向ODに押圧されることにより、中軸付絶縁体102は、主体金具元部材50a内で先端側に向け押圧され、主体金具元部材50aに組み付けられる。その後、タルク9の上端にリング部材6が配置される(図3(c))。
本実施例では、タルク9を押圧する工程において、中軸付絶縁体102から生じるアコースティック・エミッションを検出することにより、中軸付絶縁体102に割れが生じたか否かを判別する。なお、アコースティック・エミッションを検出するためのアコースティック・エミッションセンサー(以下では、「AEセンサー」ともいう。)の配置等については、後述する。中軸付絶縁体102に割れが発生していないと判別した場合(工程S500:No)には、次の加締工程へ移行する。中軸付絶縁体102に割れが発生していると判別した場合(工程S500:Yes)には、次の加締工程へは移行せず、当該中軸付絶縁体102を製造工程から排除する(工程S550)。
タルクの押圧工程の後、工程S600では、主体金具元部材50aに加締を施すことにより加締部53および座屈部58が形成されて、主体金具元部材50aが主体金具50となる(図3(d))。
本実施例では、上記のタルク9を押圧する工程と同様に、この加締工程においても、中軸付絶縁体102から生じるアコースティック・エミッションを検出することにより、中軸付絶縁体102に割れが生じたか否かを判別する。中軸付絶縁体102に割れが発生していないと判別した場合(工程S700:No)には、次の製造工程へ移行する。中軸付絶縁体102に割れが発生していると判別した場合(工程S700:Yes)には、次の製造工程へは移行せず、当該中軸付絶縁体102を製造工程から排除する(工程S550)。
図4は、中軸付絶縁体102を主体金具元部材50aに組み付ける装置の構成を示す断面図である。図4に示すように、中軸付絶縁体102が挿入された主体金具元部材50aは、タルク9が充填された後、台座400に配置される。そして、上端側からタルク押圧装置500により、タルク9が押圧される。
なお、図4では、便宜上、リング部材7の図示を省略している。また、この台座400は、固定台490に固定されているが、タルク9が押圧された後は、固定台490から分離して、主体金具元部材50a及び中軸付絶縁体102と共に、次の製造工程(加締工程)で用いられる製造装置へ搬送される。
台座400は、受型410と、底部420と、金具規制部430と、金具規制部430を上方に付勢する外側バネ440と、絶縁体規制部450と、絶縁体規制部450を上方に付勢する内側バネ460とを有している。これらの部材のうち、受型410、底部420、金具規制部430、外側バネ440、および内側バネ460は、工具鋼などの強度の高い金属で形成される。一方、絶縁体規制部450は、後述するように、絶縁碍子10と接触する。そのため、絶縁碍子10の汚染を抑制するため、絶縁体規制部450は、樹脂で形成するのがより好ましい。
金具規制部430は、底部420と当接する外側バネ440により主体金具元部材50aの重量よりも大きな荷重が上方に向かって加えられている。そのため、主体金具元部材50aは、受型410から浮き上がった状態となる。また、絶縁体規制部450は、底部420と当接する内側バネ460により中軸付絶縁体102の重量よりも大きな荷重が上方に加えられている。そのため、中軸付絶縁体102は、主体金具元部材50aから浮き上がった状態で配置される。なお、本施例では、金具規制部430と絶縁体規制部450とをバネ440,460により上方(すなわち、後端方向)に付勢しているが、他の方法により金具規制部430と絶縁体規制部450とを付勢することも可能である。例えば、バネ440,460に換えてゴムや空気バネ等により金具規制部430と絶縁体規制部450とを付勢することもできる。一般的には、金具規制部430と絶縁体規制部450とは、種々の弾性体により付勢することができる。
タルク押圧装置500は、押圧のための荷重を伝達する荷重伝達部510と、タルク9を押圧するためのプレス治具520と、主体金具元部材50aを保持するための保持部530と、プレス治具520の運動を軸線O−O方向に規制するガイド540と、組付後の主体金具元部材50a上をタルク押圧装置500から取り外すため取外機構550とを有している。取外機構550は、3つの部材551〜553により構成されている。組付装置を構成する種々の部材は、工具鋼などの強度の高い金属で形成される。なお、取外機構550の動作や機能については、本発明と関係しないので、ここではその説明を省略する。
荷重伝達部510は、プレス装置の荷重を直接受ける受圧部511と、受圧部511が受ける軸線方向ODの荷重をプレス治具520に中継する中継部512とを有している。受圧部511が軸線方向ODに荷重を受けると、荷重は中継部512を介してプレス治具520に伝達される。
保持部530は、バネ加圧部531と、バネ532と、バネ受圧部533と、バネ圧中継部534と、ガイド540を保持するガイド保持部535と、金具当接部536と、バネ圧中継部534を固定するための外周固定部537とを有している。ガイド540は、プレス治具520の移動方向を軸線O−O方向に規制する部材であり、ガイド保持部535にネジ止めされている。
バネ加圧部531には、ストッパSTPがネジ止めされている。このストッパSTPにプレス治具520の大径部522の先端側524が接触することにより、バネ加圧部531は、軸線方向ODへの荷重を受ける。そして、バネ加圧部531が受けた荷重は、バネ532と、バネ受圧部533と、バネ圧中継部534と、ガイド保持部535とを介して金具当接部536に伝達される。金具当接部536は、先端側の中央部にテーパ部538が設けられている。
台座400の受型410から浮き上がった主体金具元部材50aは、テーパ部538と、主体金具元部材50aの工具係合部51の後端側とが当接することにより軸線方向ODに荷重を受け、金具規制部430に押しつけられる。これにより、主体金具元部材50aは、主体金具元部材50aの先端側の位置が金具規制部430により規制されながら下方に移動し、受型410に押しつけられる。
また、主体金具元部材50aから浮き上がった中軸付絶縁体102は、プレス治具520によりタルク9が押圧されることにより、軸線方向ODの荷重を受ける。これにより、中軸付絶縁体102は、先端側の位置が絶縁体規制部450により規制されながら下方に移動し、主体金具元部材50aに押しつけられる。
本実施例では、固定台490には、AEセンサー700が設けられている。AEセンサー700は、中軸付絶縁体102から生じるアコースティック・エミッションを検出することが可能である。このAEセンサー700は、判定装置705に接続されている。判定装置705は、組付け工程において、AEセンサー700が検出したアコースティック・エミッションに基づいて、組付け工程中に生じる中軸付絶縁体102の割れの有無を判別する。具体的には、例えば、判定装置705は、アコースティック・エミッションが所定の振幅以上であった場合に、中軸付絶縁体102に割れが発生したと判断する。このようにすれば、中軸付絶縁体102の割れの有無を容易に判別することが可能となる。なお、本実施例では、AEセンサー700として、検出素子の機械的共振を利用した共振型のAEセンサーが用いられている。
また、AEセンサー700は、本実施例のように、台座400を伝導したアコースティック・エミッションを検出可能な位置(本実施例では、固定台490)に取り付けられていることが好ましい。この理由について説明する。主体金具元部材50aの鍔部54の座面55と、台座400との接触面積は大きいため、中軸付絶縁体102から生じるアコースティック・エミッションは、主体金具元部材50aの鍔部54の座面55を介して台座400に伝導しやすい。したがって、本実施例のように、AEセンサー700が、台座400を伝導したアコースティック・エミッションを検出可能な位置に取り付けられていれば、中軸付絶縁体102から生じるアコースティック・エミッションを精度良く検出することが可能となる。
また、中軸付絶縁体102から生じるアコースティック・エミッションの検出漏れを抑制するためには、中軸付絶縁体102の主体金具元部材50aへの押圧は、主体金具元部材50aが受型410(台座400)に対して押圧された状態になった後に、主体金具元部材50aが受型410(台座400)に対して押圧された状態のままで、行われることが好ましい。この理由は次のとおりである。
主体金具元部材50aが受型410(台座400)に対して押圧されると、主体金具元部材50aと台座400とが密着するため、アコースティック・エミッションは、主体金具元部材50aから台座400へ伝導しやすくなる。すなわち、固定台490に設置されたAEセンサー700は、中軸付絶縁体102から生じ、主体金具元部材50a、台座400及び固定台490を伝導するアコースティック・エミッションを検出しやすい状態となる。一方、中軸付絶縁体102からアコースティック・エミッションが生じやすいのは、中軸付絶縁体102が主体金具元部材50aに対して押圧されているときである。
すなわち、AEセンサー700がアコースティック・エミッションを検出しやすい状態となった後に、中軸付絶縁体102を主体金具元部材50aに対して押圧すれば、中軸付絶縁体102から生じるアコースティック・エミッションの検出漏れを抑制することができる。
なお、中軸付絶縁体102が主体金具元部材50aに対して押圧されると、主体金具元部材50aは、鍔部54の座面55を介して台座400に対して押圧される。このとき、主体金具元部材50aの鍔部54の座面55にかかる単位面積当たりの荷重は、0.5N/m2以上であることが好ましい。こうすれば、中軸付絶縁体102から生じるアコースティック・エミッションは、主体金具元部材50aから台座400へ十分に伝導するため、固定台490に設けられたAEセンサー700は、中軸付絶縁体102から生じるアコースティック・エミッションを精度良く検出することが可能となる。なお、上述した数値に規定する理由については、後述する。
アコースティック・エミッションの検出によって中軸付絶縁体102の割れの有無を判別した結果、割れが有ると判別された中軸付絶縁体102は、製造工程から排除される。このようにすれば、割れのある中軸付絶縁体102が次の製造工程に流れないので、中軸付絶縁体102に割れの有るスパークプラグを製造してしまうことを抑制することができ、不良品の発生率を大幅に低減することが可能となる。
図5は、台座400とプレス治具520とを拡大した拡大断面図である。図6は、図5の破線部をさらに拡大した拡大断面図である。なお、図5では、図示の便宜上、リング部材6,7の図示を省略している。本実施例では、組付け工程において、主体金具元部材50aと中軸付絶縁体102との軸線方向ODへの相対的な位置の変位を許容しつつ、主体金具元部材50aの軸と中軸付絶縁体102の軸とのずれ量が所定値以下となるように主体金具元部材50aと中軸付絶縁体102との軸線方向ODに交叉する径方向の相対的な位置の変位を規制している。このように、主体金具元部材50aと中軸付絶縁体102との軸線方向ODに交叉する径方向の相対的な位置の変位を規制することを、以下単に、「変位規制」とも呼び、変位規制を積極的に行なうことを、「変位規制工程」とも呼ぶ。以下では、この変位規制を行なうための装置について、詳細に説明する。
台座400の受型410は、軸線方向ODに向かって、外径が異なる2つの鍔部417,418と、鍔部418よりも外径が小さい胴部419を有している。受型410は、これらの鍔部417,418を用いて固定される。鍔部417の上端側には、内径が主体金具元部材50aの鍔部54とほぼ同じ金具受412と、主体金具元部材50aの取付ネジ部52の外径よりも大きい挿通部414とが設けられている。挿通部414は、鍔部417,418のほぼ中央から胴部419にわたって設けられている。胴部419の内面には、挿通部414よりも内径が大きいガイド孔416が設けられている。
底部420は、外側バネ440を受けるための部材であり、受型410の胴部419と外径がほぼ同じ円環部422と、下端において円環部422から内方に延出された板状部424とを有している。板状部424の中央には、内径が内側バネ460よりも小さい貫通孔426が設けられている。この貫通孔426を設けることにより、主体金具元部材50aの挿入時および中軸付絶縁体102の組付時における台座400内部の圧力の上昇が抑制される。なお、底部420は、図示しないネジ等により、受型410に固定される。
金具規制部430は、外径が主体金具元部材50aの側(すなわち、上端側)で軸線方向OD(図4下方)に向かって徐々に大きくなっているテーパ部432と、外径が受型410のガイド孔416の内径とほぼ同じ胴部434とを有している。これにより、金具規制部430は、受型410に対して軸線O−O方向に移動可能となっている。そして、胴部434の上端面436が軸線O−Oに垂直な平面となっているので、上端面436が挿通部414の下端面415と当接することにより、金具規制部430の上限位置が決定される。また、金具規制部430には、絶縁体規制部450を挿通するための軸線O−Oに沿ったガイド孔438が設けられている。
絶縁体規制部450は、筒状の部材であり、外径が金具規制部430に設けられたガイド孔438の内径とほぼ同じ筒状の胴部452と、胴部452の下側に設けられた鍔部454を有している。このように、胴部452の外径をガイド孔438の内径とほぼ同じとすることにより、絶縁体規制部450は、金具規制部430に対して軸線O−O方向に移動可能となる。また、胴部452の下側に鍔部454を設けることにより、金具規制部430に対する絶縁体規制部450の上限位置が決定される。絶縁体規制部450の内面には、内径が中軸付絶縁体102の側(すなわち、上端側)で軸線方向OD(図4下方)に向かって徐々に小さくなっているテーパ孔456と、内径がほぼ一定の貫通孔458が設けられている。
金具規制部430は、外径が主体金具元部材50aの側で軸線方向ODに向かって徐々に大きくなっているテーパ部432を有している。そのため、中軸付絶縁体102と主体金具元部材50aとを組み付ける際に、主体金具元部材50aの先端側の内径は、金具規制部430のテーパ部432と当接して径方向に規制され、組付後の中心が軸線O−O上に位置する。また、絶縁体規制部450は、内径が中軸付絶縁体102の側で軸線方向ODに向かって徐々に小さくなっているテーパ孔456を有している。そのため、中軸付絶縁体102と主体金具元部材50aとを組み付ける際に、中軸付絶縁体102の先端側の絶縁碍子10は、テーパ孔456と当接して径方向に規制され、組付後の中心が軸線O−O上に位置する。
このような変位規制工程によれば、中軸付絶縁体102と主体金具元部材50aとを組み付ける際、中軸付絶縁体102と主体金具元部材50aとは、軸線O−Oに沿って移動可能となった状態で、径方向への変位が規制される。そのため、組み付け後の先端部の中心がほぼ一致する。すなわち、絶縁碍子10の先端部の中心と、主体金具50の先端部の中心とは、ほぼ軸線O−O上に位置した状態に維持される。中心電極20の中心は絶縁碍子10の中心とほぼ同じであるので、中心電極20の中心は、主体金具50の先端部の中心とはほぼ一致し、中心電極20と主体金具50の先端部との最短距離は十分な大きさに保たれる。そのため、火花放電が中心電極20と主体金具50の内径の間に発生することを抑制することが可能となり、内燃機関における着火をより確実に行なうことが可能となる。さらに、絶縁体規制部450を筒状の形状とすることにより、中心電極20の先端側に取り付けられる電極チップの損傷を抑制することができる。
なお、図6に示すように、本実施例では、金具規制部430のテーパ部432の外面および絶縁体規制部450のテーパ孔456の内面は、いずれも円錐面となっている。このようにすれば、径方向の規制が容易となる。ただし、テーパ部432の外面は、所定の方向(軸線方向OD)に向かって外径が拡大し、テーパ孔456の内面は所定の方向に向かって内径が縮小する形状であれば種々の形状とすることが可能である。例えば、テーパ部432は、主体金具50の先端部の形状に適合する円筒面を有していてもよい。また、テーパ孔456の内面に、円錐面に絶縁碍子10の先端外周部の形状に適合する曲面を設けることも可能である。
図7は、中軸付絶縁体102を主体金具元部材50aに組み付ける組付け工程のうち、主体金具元部材50aに加締を施す工程を示す工程図である。この加締工程では、中軸付絶縁体102を挿入した主体金具元部材50aに対して、加締工具600を上方から軸線方向ODに向かって押しつけることにより行われる。
なお、この加締工程においても、上述したタルク9を押圧する工程の場合と同様に、AEセンサー700は、中軸付絶縁体102から生じるアコースティック・エミッションを検出することが可能であり、判定装置705は、AEセンサー700が検出したアコースティック・エミッションに基づいて、加締工程中に生じる中軸付絶縁体102の割れの有無を判別する。したがって、この加締工程においても、中軸付絶縁体102の割れの有無を容易に判別することが可能となる。
筒状の加締工具600は、内径が中軸付絶縁体102を構成する絶縁碍子10(図1)の後端側胴部18よりも大きい貫通孔610が設けられている。この貫通孔610の下端側(すなわち、先端側)には、加締部53の外形に沿った形状の曲面部612が設けられている。また、曲面部612の外縁には、工具係合部51の後端側の外形に沿った形状の当接部614が設けられている。
図7(a)に示すように、曲面部624が主体金具元部材50aの上側の筒状部53aに当接すると、主体金具元部材50aは、軸線方向ODの荷重を受け、金具規制部430に押しつけられる。そして、主体金具元部材50aは、主体金具元部材50aの先端側の位置が金具規制部430により規制されながら下方に移動し、受型410に押しつけられる。
主体金具元部材50aが受型410に押しつけられた状態で、さらに加締工具600を軸線方向ODに向かって押しつけると、加締工具600曲面部612に沿って筒状部53aが屈曲して加締部53が形成される。加締部53の形成の後、加締工具600がさらに下降して曲面部624の外縁にある当接部614と工具係合部51とが当接すると、工具係合部51に荷重が加わり、工具係合部51の下側の筒状部58aが座屈して座屈部58が形成される(図7(b))。
この加締工程では、タルク9およびリング部材6,7に軸線方向ODの荷重が加わることにより、絶縁碍子10の鍔部19から中軸付絶縁体102に軸線方向ODの荷重が加わる。このように、中軸付絶縁体102に軸線方向ODの荷重が加わることにより、絶縁体規制部450に押しつけられる。そして、中軸付絶縁体102は、先端側の位置が絶縁体規制部450に規制されながら下方に移動し、主体金具元部材50aに固定される。
このように、加締工程においても、中軸付絶縁体102の先端部の中心と、主体金具50の先端部の中心とは、ほぼ軸線O−O上に位置した状態で固定される。そのため、中心電極20(図1)の中心は、主体金具50(図1)の先端部の中心とほぼ一致する。これにより、中心電極20と主体金具50の先端部との距離は十分な大きさに保たれるので、火花放電が中心電極20と主体金具50の内径の間に発生することを抑制され、内燃機関における着火をより確実に行い、また、スパークプラグ100の消耗を低減することが可能となる。
以上より、第1実施例によれば、中軸付絶縁体102から生じるアコースティック・エミッションを検出しながら組立てを行なうので、中軸付絶縁体102の割れの有無を確実かつ容易に判別することが可能となる。
B.第2実施例:
図8は、第2実施例における組付け工程に利用される製造装置の構成を示す断面図である。図4に示した第1実施例との違いは、AEセンサー700がバネ受圧部533に取り付けられている点であり、他の構成は第1実施例と同じである。このように、AEセンサー700は、中軸付絶縁体102から生じるアコースティック・エミッションを検出可能な位置であれば、固定台490以外の場所に取り付けられていてもよい。例えば、図示は省略するが、AEセンサー700は、台座400に取り付けられていてもよい。また、加締工程においても同様に、AEセンサー700は、中軸付絶縁体102から生じるアコースティック・エミッションを検出可能な位置に取り付けられていればよい。
C.実験例:
本実験例では、主体金具50の鍔部54の座面55にかかる単位面積当たりの荷重と、AEセンサー700によるアコースティック・エミッションの検出精度との関係について調べた。
図9は、実験の様子を示す説明図である。本実験例では、スパークプラグ100の後端側から荷重を加えた状態で、くさび治具710を主体金具50と絶縁碍子10との間に挿入することにより、絶縁碍子10に割れを発生させた。そして、主体金具50の鍔部54の座面55にかかっている単位面積当たりの荷重と、絶縁碍子10に割れが発生したときにAEセンサー700が検出した電圧の最大振幅(V)とを測定した。
図10は、実験結果を示すグラフである。横軸は、座面55にかかる単位面積当たりの荷重(N/m2)であり、縦軸は、絶縁碍子10に割れが生じたときにAEセンサー700によって検出された電圧の最大振幅(V)である。
この図10から理解できるように、座面55にかかる単位面積当たりの荷重を0.5N/m2以上とすれば、絶縁碍子10から生じるアコースティック・エミッションは、主体金具50の鍔部54の座面55を介して台座400へ十分に伝導し、AEセンサー700によって検出される電圧の最大振幅が1Vを超えることが理解できる。すなわち、座面55にかかる単位面積当たりの荷重を0.5N/m2以上とすれば、中軸付絶縁体102から生じるアコースティック・エミッションをAEセンサー700によって精度良く検出することが可能となる。
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
D1.変形例1:
上記実施例で説明した製造工程は、絶縁碍子10が細くて割れやすいスパークプラグ、特に、取付ネジ部のネジ径がM12以下のスパークプラグに対して有効である。ただし、上記実施例で説明した製造工程は、M12よりもネジ径の大きなスパークプラグに対しても、適用可能である。
D2.変形例2:
上記実施例では、AEセンサー700として、共振型のAEセンサーが用いられていたが、この代わりに、検出素子の上にダンパー材を貼り付けて共振を押さえ込む広帯域型のAEセンサーや、ヘッドアンプと専用プリアンプを組み合わせたR−CAST型のAEセンサー等、種々のAEセンサーを用いることが可能である。
D3.変形例3:
上記実施例では、タルクの押圧工程と加締工程の両方の工程において絶縁体の割れの有無を判別していたが、いずれか一方の工程においてのみ絶縁体の割れの有無を判別することとしてもよい。
D4.変形例4:
上記実施例では、判定装置705が、中軸付絶縁体102の割れの有無を判別していたが、判定装置705の代わりに、AEセンサー700が検出したアコースティック・エミッションの波形を表示する表示装置を設け、表示装置が表示する波形を観察したユーザが、中軸付絶縁体102の割れの有無を判別してもよい。また、表示装置は、波形の代わりに、アコースティック・エミッションの振幅の最大値を数値で表示することとしてもよい。
D5.変形例5:
上記実施例では、組付け工程としてタルクの押圧工程や加締工程を例示し、これらの工程において絶縁体の割れの有無を判別していたが、絶縁体の割れの有無の判別を行なうことが可能な組付け工程は、これらに限られない。例えば、主体金具を通電加熱した状態で行なわれる熱加締め工程や、熱加締め工程の前段階に冷間で行なわれる仮加締め工程などの他の態様の組付け工程においても、上記実施例のように、絶縁体の割れの有無を判別することができる。
3…セラミック抵抗
4…シール体
5…ガスケット
6,7…リング部材
8…板パッキン
9…タルク
10…絶縁碍子
11…襞部
12…軸孔
13…脚長部
15…段部
17…先端側胴部
18…後端側胴部
19…鍔部
20…中心電極
21…電極母材
25…芯材
30…接地電極
33…先端部
40…端子金具
50…主体金具
50a…主体金具元部材
51…工具係合部
52…取付ネジ部
53…加締部
53a…筒状部
54…鍔部
55…座面
56…段部
58…座屈部
58a…筒状部
59…ネジ首
100…スパークプラグ
102…中軸付絶縁体
200…エンジンヘッド
201…取付ネジ孔
205…開口周縁部
400,400b…台座
410…受型
412…金具受
414…挿通部
415…下端面
416…ガイド孔
417,418…鍔部
419…胴部
420…底部
422…円環部
424…板状部
426…貫通孔
430…金具規制部
432…テーパ部
434…胴部
436…上端面
438…ガイド孔
440…外側バネ
450…絶縁体規制部
452…胴部
454…鍔部
456…テーパ孔
458…貫通孔
460…内側バネ
470…規制部材
472…テーパ部
474…鍔部
476…胴部
480…バネ
490…固定台
500…タルク押圧装置
510…荷重伝達部
511…受圧部
512…中継部
520…プレス治具
522…大径部
524…先端側
530…保持部
531…バネ加圧部
532…バネ
533…バネ受圧部
534…バネ圧中継部
535…ガイド保持部
536…金具当接部
537…外周固定部
538…テーパ部
540…ガイド
550…取外機構
600…加締工具
610…貫通孔
612…曲面部
614…当接部
624…曲面部
700…AEセンサー
705…判定装置
710…くさび治具
STP…ストッパ
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[形態1]
軸方向に延びる中心電極と、
前記軸方向に延びる軸孔を有し、該軸孔の前記軸方向先端側で前記中心電極を保持する絶縁体と、
前記絶縁体の周囲を取り囲み前記絶縁体を保持する筒状の主体金具と
を有し、前記主体金具の外周には、径方向外側に膨出するフランジ状の鍔部が形成されているスパークプラグの製造方法であって、
前記主体金具の前記軸方向における後端側開口部から前記絶縁体を挿入して組み付ける組付け工程を備え、
前記組付け工程は、前記主体金具と前記絶縁体との前記軸方向への相対的な位置の変位を許容しつつ、前記主体金具の軸と前記絶縁体の軸とのずれ量が所定値以下となるように前記主体金具と前記絶縁体との前記軸方向に交叉する径方向の相対的な位置の変位を規制する変位規制工程を含み、
前記組付け工程において、前記主体金具は、前記鍔部の座面を介して受台に対して押圧された状態で支持されており、前記絶縁体から生じるアコースティック・エミッションを検出することによって、前記組み付け工程中に生じる前記絶縁体の割れの有無を判別し、
前記変位規制工程において、前記絶縁体の前記主体金具への押圧は、前記主体金具が前記受台に対して押圧された状態になった後に、前記主体金具が前記受台に対して押圧された状態のままで、行われ、
前記組付け工程において、
前記アコースティック・エミッションの検出には、前記受台を伝導した前記アコースティック・エミッションを検出可能な位置に取り付けられているセンサーを用い、
前記鍔部の座面にかかる単位面積当たりの荷重は、0.5N/m 以上であることを特徴とする、
スパークプラグの製造方法。

Claims (8)

  1. 軸方向に延びる中心電極と、
    前記軸方向に延びる軸孔を有し、該軸孔の前記軸方向先端側で前記中心電極を保持する絶縁体と、
    前記絶縁体の周囲を取り囲み前記絶縁体を保持する筒状の主体金具と
    を有するスパークプラグの製造方法であって、
    前記主体金具の前記軸方向における後端側開口部から前記絶縁体を挿入して組み付ける組付け工程を備え、
    前記組付け工程は、前記主体金具と前記絶縁体との前記軸方向への相対的な位置の変位を許容しつつ、前記主体金具の軸と前記絶縁体の軸とのずれ量が所定値以下となるように前記主体金具と前記絶縁体との前記軸方向に交叉する径方向の相対的な位置の変位を規制する変位規制工程を含み、
    前記組付け工程において、前記絶縁体から生じるアコースティック・エミッションを検出することによって、前記組み付け工程中に生じる前記絶縁体の割れの有無を判別することを特徴とする、
    スパークプラグの製造方法。
  2. 請求項1に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記組付け工程において、
    前記主体金具は、受台に支持されており、
    前記アコースティック・エミッションの検出には、前記受台を伝導した前記アコースティック・エミッションを検出可能な位置に取り付けられているセンサーを用いることを特徴とする、
    スパークプラグの製造方法。
  3. 請求項2に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記変位規制工程において、前記絶縁体の前記主体金具への押圧は、前記主体金具が前記受台に対して押圧された状態になった後に、前記主体金具が前記受台に対して押圧された状態のままで、行われることを特徴とする、
    スパークプラグの製造方法。
  4. 請求項3に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記主体金具の外周には、径方向外側に膨出するフランジ状の鍔部が形成されており、
    前記組付け工程において、
    前記主体金具は、前記鍔部の座面を介して前記受台に対して押圧されており、
    前記鍔部の座面にかかる単位面積当たりの荷重は、0.5N/m2以上であることを特徴とする、
    スパークプラグの製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記組付け工程は、前記主体金具と前記絶縁体との間に充填された滑石を前記軸方向の先端側に向けて押圧する工程を含むことを特徴とする、
    スパークプラグの製造方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記組付け工程は、前記絶縁体を前記主体金具に保持するために、前記主体金具の前記後端側開口部を加締める工程を含むことを特徴とする、
    スパークプラグの製造方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記主体金具は、内燃機関への取り付けに供される取付ネジ部を有しており、
    前記取付ネジ部のネジ径は、M12以下であることを特徴とする、
    スパークプラグの製造方法。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、さらに、
    前記組付け工程中に生じる前記絶縁体の割れの有無を判別した後、割れが有ると判別されたものを排除する工程を備えることを特徴とする、
    スパークプラグの製造方法。
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