JP2015131895A - 含フッ素共重合体水性分散液 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械的安定性にすぐれた含フッ素共重合体水性分散液を提供する。【解決手段】含フッ素モノマーを、一般式 CF2=CF〔OCF2CF(CF3)〕bO(CF2)aO〔CF(CF3)CF2O〕cCF(CF3)COOM〔I〕(ここで、Mはナトリウムまたはカリウムであり、aは1〜6の整数、好ましくは2であり、b+cは0〜6の整数、好ましくは0または1である)で表わされるパーフルオロビニルオキシポリエーテルカルボン酸アルカリ金属塩をフッ素系反応性乳化剤として、水性媒体中で共重合反応させることにより製造された含フッ素共重合体水性分散液。【選択図】なし

Description

本発明は、含フッ素共重合体水性分散液に関する。さらに詳しくは、機械的安定性にすぐれた含フッ素共重合体水性分散液に関する。
含フッ素重合体は、そのすぐれた防汚性や耐候性から、コーティング材用途に広く用いられている。この種の用途に用いられる含フッ素共重合体水性分散液は、実用面において沈降安定性にすぐれているばかりではなく、攪拌、移送、計量、顔料混合、噴霧などといった機械的な処理に対しても十分な安定性を有することが求められる。
かかる課題に対して、本出願人は先に特許文献1において、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロピレンを、一般式
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOM
(ここで、Mは水素原子、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子またはアンモニウム基である)で表わされる2,3,3,3-テトラフルオロ-2-〔1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-(1,1,2,2,3,3,3-へプタフルオロプロポキシ)プロポキシ〕-1-プロパン酸またはその塩を界面活性剤として、水性媒体中で共重合反応させることにより製造された、フッ化ビニリデン70〜96モル%、テトラフルオロエチレン2〜20モル%およびヘキサフルオロプロピレン2〜10モル%の共重合組成を有する含フッ素共重合体の水性分散液を提案している。
この含フッ素共重合体水性分散液は、沈降安定性、機械的安定性にすぐれ、また耐候性、防汚性にすぐれた塗膜を形成できると記載されてはいるものの、昨今さらなる機械的安定性が求められるようになってきている。
特開2009−227754号公報 特公平3−80145号公報
Fluorine Chem. 第75巻第163〜167頁(1995)
本発明の目的は、機械的安定性にすぐれた含フッ素共重合体水性分散液を提供することにある。
かかる本発明の目的は、含フッ素モノマーを、一般式
CF2=CF〔OCF2CF(CF3)〕bO(CF2)aO〔CF(CF3)CF2O〕cCF(CF3)COOM 〔I〕
(ここで、Mはナトリウムまたはカリウムであり、aは1〜6の整数、好ましくは2であり、b+cは0〜6の整数、好ましくは0または1である)で表わされるパーフルオロビニルオキシポリエーテルカルボン酸アルカリ金属塩をフッ素系反応性乳化剤として、水性媒体中で共重合反応させることにより製造された含フッ素共重合体水性分散液によって達成される。
本発明に係る含フッ素共重合体水性分散液は、含フッ素モノマーを新規なフッ素系反応性乳化剤存在下で共重合させることにより、特に安定剤などを添加することなく、機械的安定性にすぐれるといった効果を奏する。具体的には、水性分散液中の平均エマルジョン粒子径が30〜200nmで、かつ固形分濃度が25〜50重量%と高濃度であり、この水性分散液を325メッシュのふるいを10回通過させた後の平均エマルジョン粒子径の増大率が3.0%以下で、かつ固形分濃度の減少率が1.5%以下であるというすぐれた機械的安定性を示している。このような効果は、用いられたフッ素系反応性乳化剤が、含フッ素共重合体水性分散液中に分散する粒子表面の活性を向上させることによるものと考えられる。
なお、前記特許文献1記載の含フッ素共重合体水性分散液の機械的安定性もすぐれており、その実施例によれば、固形分濃度の減少率は1.1%〜1.5%であり、平均エマルジョン粒子径の増大率は5.2〜8.1%となっているが、本発明に係る含フッ素共重合体の水性分散液の機械的安定性は、こうした先行技術にみられる含フッ素共重合体水性分散液の機械的安定性よりもさらに一段とすぐれている。
含フッ素モノマーとしては、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニル、炭素数が1〜3のアルキル基を有するパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、パーフルオロアルキルオキシアルキルビニルエーテル等が例示され、これらの含フッ素モノマーは1種または2種以上が重合反応に供せられ、単独重合体または共重合体を形成させる。ここで、安定な水性分散液を得るうえで含フッ素共重合体の組成は特に限定されないが、コーティング用途として含フッ素共重合体水性分散液を用いる場合には、好ましくは途工性および塗膜の耐薬品性といった観点から、共重合組成が50〜90モル%、好ましくは70〜90モル%のフッ化ビニリデンとその他1種以上のフッ素化モノマーとの共重合体、例えばフッ化ビニリデン65〜90モル%およびヘキサフルオロプロペン10〜35モル%の組成を有する共重合体、フッ化ビニリデン50〜90モル%、テトラフルオロエチレン2〜20モル%およびヘキサフルオロプロペン5〜35モルの組成を有する共重合体が用いられる。これらの含フッ素モノマーは、フッ素非含有モノマー、例えばプロピレン、エチレン等との共重合体を形成させることもできる。これらは、水性媒体中で共重合反応が行われ、含フッ素共重合体水性分散液を形成せしめる。
なお、本発明においては、後記フッ素系反応性乳化剤として用いられるパーフルオロビニルオキシポリエーテルカルボン酸アルカリ金属塩も少量共重合することとなるが、本明細書に記載するモル%で示される含フッ素共重合体の共重合組成は、このパーフルオロビニルオキシポリエーテルカルボン酸アルカリ金属塩を含めずに算出を行っている。
水性媒体中での共重合反応は、けん濁重合法としても行われるが、所望の平均エマルジョン粒子径を得るためには、乳化重合法であることが好ましい。具体的には前記一般式で表わされるフッ素系反応性乳化剤および界面活性剤乳化剤の存在下で共重合反応が行われる。
乳化重合反応は、過硫酸アンモニウム等の水溶性無機過酸化物またはそれと還元剤とのレドックス系を触媒として、仕込み水総重量に対して約0.01〜1重量%、好ましくは約0.01〜0.3重量%の割合で用いられる前記フッ素系反応性乳化剤および必要に応じて一般に約0.3〜1.5重量%の割合で用いられる他の界面活性剤乳化剤の存在下に、一般に圧力約0〜10MPa、好ましくは約0.5〜4MPa、温度約0〜100℃、好ましくは約20〜80℃の条件下で行われる。前記フッ素系反応性乳化剤がこれより少ない割合で用いられると、一般に用いられている界面活性剤乳化剤の共存在下で重合反応を行ったとしても、得られる含フッ素共重合体水性分散液の機械的安定性が低下するようになり、一方これより多い割合で用いられると平均エマルジョン粒子径が増大してしまうようになる。本発明で用いられるフッ素系反応性乳化剤としてのパーフルオロビニルオキシポリエーテルカルボン酸アルカリ金属塩は、前記含フッ素モノマーが共重合した総モル数を100とすると、これに対して約0.001〜0.3モル程度の割合で共重合することとなる。
重合反応の際は、反応圧力が一定範囲に保たれるように、供給するフッ素化オレフィン混合物を分添方式で供給することが好ましい。また、重合系内のpHを調節するために、Na2HPO4、NaH2PO4、KH2PO4等の緩衝能を有する電解質物質あるいは水酸化ナトリウムを添加して用いてもよい。さらに、必要に応じて、マロン酸エチル、アセトン、イソプロパノール等の連鎖移動剤が適宜用いられる。
他の界面活性剤乳化剤としては、公知のフッ素化カルボン酸塩が用いられ、フッ素化カルボン酸としては一般式 Rf-COOH(Rfは、炭素数4〜10のフルオロ炭化水素基または炭素数3〜12の基中に1個以上のエーテル結合を有するフルオロアルコキシアルキル基である)で表わされる化合物、例えばパーフルオロオクタン酸アンモニウム、パーフルオロノナン酸アンモニウム、パーフルオロヘプタン酸アンモニウムが挙げられる。
重合反応は、各種重合条件によっても左右されるが、一般には約1〜15時間程度で反応が完結する。以上により得られる含フッ素共重合体水性分散液は、325メッシュのふるいを10回通過させた後の平均エマルジョン粒子径の増大率が3.0%以下であって、かつ固形分濃度の減少率が1.5%以下であるというすぐれた機械的安定性を示しており、攪拌、移送、計量、顔料混合、噴霧などといった機械的処理が行われるコーティング材用途や接着剤用途に好適に用いられる。
次に、実施例について本発明を説明する。
参考例1
定法に従って調製した2,3,3,3-テトラフルオロ-2-〔1,1,2,2-テトラフルオロ-2-(1,2,2-トリフルオロビニルオキシ)エトキシ〕プロパン酸メチル
CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)COOCH3 (a=2、b=0、c=0)
5.19g(13.3ミリモル)のエタノール溶液5mlを、氷および塩を用いて、-10℃以下に冷却した。続いて、冷却したエタノール溶液中に水酸化カリウム(純度85重量%、濃度0.90g/13.6ミリモル)のエタノール溶液5mlを、-10℃を上限としてゆっくりと滴下した。その8時間後にエバポレーターでエタノールを除去したところ、ワックス状の白色固体が4.90g得られた。
1H-NMR測定の結果、メチルエステルを示すシグナルは消失しており、19F-NMR測定においては、-CF(CF3)-のメチンシグナルがシフトしていることから、2,3,3,3-テトラフルオロ-2-〔1,1,2,2-テトラフルオロ-2-(1,2,2-トリフルオロビニルオキシ)エトキシ〕プロパン酸カリウム
CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)COOK (a=2、b=0、c=0)
が得られたと判断された。
19F-NMR(CFCl3、CD3OD溶媒):
δ(ppm):-134.75、-134.11(m、1F、F2C=CF-)
-124.53、-124.44(m、1F、-CFCF3-)
-121.82、-121.08(m、1F、E-FC=CF-)
-114.31、-113.77(m、1F、Z-FC=CF-)
-89.28(s、2F、=CFOCF 2 -)
-87.08、-83.74(dd、2F、-CF 2 OCFCF3-)
-81.22(s、3F、-CFCF 3 -)
実施例1
攪拌機を有する内容積10Lのステンレス鋼製圧力反応器に、
水 4200g
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COONH4〔界面活性剤乳化剤〕 17.6g
Na2HPO4・12水和物〔緩衝剤〕 8.0g
アセトン〔連鎖移動剤〕 4.0g
を仕込んで、さらに
CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)COOK〔フッ素系反応性乳化剤〕 4.0g
を仕込み、内部空間を窒素ガスで置換した後、
フッ化ビニリデン〔VdF〕 45.0モル%
ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕 55.0モル%
の混合組成を有する混合ガスを、初期仕込みガスとして、反応器内圧が約1.7MPa・Gになる迄圧入した。その後、反応器内温を80℃に昇温したところ、内圧は約3.4MPa・Gとなった。
その後、過硫酸アンモニウム0.5gを水150gに溶解させた重合開始剤水溶液を反応器内に圧入し、重合反応を開始させた。重合反応開始後は、内圧が3.45〜3.55MPa・Gとなるように、VdF/HFP(70.0/30.0モル%)混合ガスを追加分添し、反応器内圧力を維持した。反応器内の固形分濃度をサンプリングし、その値が約36重量%となった時点で(反応時間約3時間)、反応器を冷却して反応を終了させた。得られた水性分散液中の固形分濃度は、36.5重量%であった。
得られた水性分散液の平均粒子径を日機装社製マイクロトラック粒度分析計UPA9340によって測定したところ、その平均粒子径は120.2nmであった。
さらに、得られた水性分散液中の含フッ素共重合体を、1重量%CaCl2水溶液で凝集、洗浄、乾燥し、その共重合組成を19F-NMRにより測定すると、VdF/HFP/CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)COOK=80/20/0.03(モル比)であった。また、含フッ素共重合体の1wt./vol.%アセトン溶液を調製し、35℃の溶液粘度ηsp/cを測定すると、その値は0.9g /dlであった。
また、水性分散液の機械的安定性として、水性分散液を325メッシュの金属製ふるいを10回通過させた後の水性分散液の固形分濃度と平均粒子径とを測定して、固形分濃度の減少率と平均粒子径の増加率とを算出し、その指標とした。試験後の固形分濃度は36.1重量%、平均粒子径は123.4nmであり、固形分濃度の減少率は1.1%、平均粒子径の増加率は2.6%であった。
実施例2
実施例1において、初期仕込みガスとしてVdF/TFE/HFP=90/5/5(モル%)の混合組成を有する混合ガスが、追加分添する混合ガスとしてVdF/TFE/HFP=88/4/8(モル%)の混合組成を有する混合ガスがそれぞれ用いられ、またCF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)COOK量が1gに変更されて用いられた。
比較例1
実施例1において、フッ素系反応性乳化剤が用いられなかった。
参考例2
定法に従って調製した下記式で表わされるパーフルオロビニルオキシポリエーテルカルボン酸メチル
CF2=CF〔OCF2CF(CF3)〕3O(CF2)2O〔CF(CF3)CF2O〕3CF(CF3)COOCH3 (a=2、b=3、c=3)
18.2g(13.3ミリモル)のエタノール溶液20mlを、氷および塩を用いて、-10℃以下に冷却した。続いて、冷却したエタノール溶液中に水酸化カリウム(純度85重量%、濃度0.90g/13.6ミリモル)のエタノール溶液5mlを、-10℃を上限としてゆっくりと滴下した。その8時間後にエバポレーターでエタノールを除去したところ、ワックス状の白色固体が17.0g得られた。
1H-NMR測定の結果、メチルエステルを示すシグナルは消失しており、19F-NMR測定においては、-CF(CF3)-のメチンシグナルがシフトしていることから、下記式で表わされるパーフルオロビニルオキシポリエーテルカルボン酸カリウム
CF2=CF〔OCF2CF(CF3)〕3O(CF2)2O〔CF(CF3)CF2O〕3CF(CF3)COOK (a=2、b=3、c=3)
が得られたと判断された。
19F-NMR(CFCl3、CD3OD溶媒):
δ(ppm):-144.12、-143.64(m、1F、OCF2CFCF3O-)
-134.75、-134.11(m、1F、F2C=CF-)
-124.53、-124.44(m、1F、-CFCF3-)
-121.82、-121.08(m、1F、E-FC=CF-)
-114.31、-113.77(m、1F、Z-FC=CF-)
-89.30、-88.99(m、2F、=CFOCF 2 -)
-86.02、-83.21(m、4F、-CF 2 OCFCF3-)
-81.06、(s、3F、-CFCF 3 CO2-)
-78.90、(s、3F、-OCF2CFCF 3 -)
実施例3
実施例1において、初期仕込みガスとしてVdF/TFE/HFP=65/15/20(モル%)の混合組成を有する混合ガスが、追加分添する混合ガスとしてVdF/TFE/HFP=80/10/10(モル%)の混合組成を有する混合ガスがそれぞれ用いられ、またフッ素系反応性乳化剤として、参考例2で得られたCF2=CF〔OCF2CF(CF3)〕3O(CF2)2O〔CF(CF3)CF2O〕3CF(CF3)COOK(a=2, b=3, c=3)14重量部が用いられた。
実施例4
実施例3において、フッ素系反応性乳化剤量が7重量部に変更されて用いられた。
比較例2
実施例3において、フッ素系反応性乳化剤が用いられなかった。
参考例3
定法に従って調製した下記式で表わされるパーフルオロビニルオキシポリエーテルカルボン酸メチル
CF2=CF〔OCF2CF(CF3)〕2O(CF2)2O〔CF(CF3)CF2O〕CF(CF3)COOCH3 (a=2、b=2、c=1)
11.6g(13.3ミリモル)のエタノール溶液10mlを、氷および塩を用いて、-10℃以下に冷却した。続いて、冷却したエタノール溶液中に水酸化カリウム(純度85重量%、濃度0.90g/13.6ミリモル)のエタノール溶液5mlを、-10℃を上限としてゆっくりと滴下した。その8時間後にエバポレーターでエタノールを除去したところ、ワックス状の白色固体が11.5g得られた。
1H-NMR測定の結果、メチルエステルを示すシグナルは消失しており、19F-NMR測定においては、-CF(CF3)-のメチンシグナルがシフトしていることから、下記式で表わされるパーフルオロビニルオキシポリエーテルカルボン酸カリウム
CF2=CF〔OCF2CF(CF3)〕2O(CF2)2O〔CF(CF3)CF2O〕CF(CF3)COOK (a=2、b=2、c=1)
が得られたと判断された。
19F-NMR(CFCl3、CD3OD溶媒):
δ(ppm):-144.12、-143.64(m、1F、OCF2CFCF3O-)
-134.75、-134.11(m、1F、F2C=CF-)
-124.53、-124.44(m、1F、-CFCF3-)
-121.82、-121.08(m、1F、E-FC=CF-)
-114.31、-113.77(m、1F、Z-FC=CF-)
-89.30、-88.99(m、2F、=CFOCF 2 -)
-86.02、-83.21(m、4F、-CF 2 OCFCF3-)
-81.06、(s、3F、-CFCF 3 CO2-)
-78.90、(s、3F、-OCF2CFCF 3 -)
実施例5
実施例1において、初期仕込みガスとしてVdF/TFE/HFP=50/15/35(モル%)の混合組成を有する混合ガスが、追加分添する混合ガスとしてVdF/TFE/HFP=68/10/22(モル%)の混合組成を有する混合ガスがそれぞれ用いられ、またフッ素系反応性乳化剤として、参考例3で得られたCF2=CF〔OCF2CF(CF3)〕2O(CF2)2O〔CF(CF3)CF2O〕CF(CF3)COOK(a=2, b=2, c=1)9重量部が用いられた。
実施例6
実施例5において、フッ素系反応性乳化剤量が4.5重量部に変更されて用いられた。
比較例3
実施例5において、フッ素系反応性乳化剤が用いられなかった。
実施例2〜6および比較例1〜3で得られた含フッ素共重合体水性分散液の共重合体組成比、溶液粘度および機械的安定性は、実施例1のデータとともに次の表に示される。

実1 実2 比1 実3 実4 比2 実5 実6 比3
〔共重合組成比〕(モル比)
VdF 80 90 80 80 80 80 70 70 70
TFE 0 4 0 10 10 10 10 10 10
HFP 20 6 20 10 10 10 20 20 20
フッ素系反応性乳化剤 0.03 0.01 0 0.03 0.01 0 0.03 0.02 0
〔溶液粘度〕
ηsp/c (g/dl) 0.9 0.9 0.9 0.9 0.9 0.9 0.9 0.9 0.9
〔機械的安定性〕
固形分濃度 (重量%)
試験前 36.5 36.5 35.7 37.4 37.2 36.9 37.2 36.6 35.9
試験後 36.1 36.0 34.5 36.9 36.7 35.3 36.7 36.2 34.0
同減少率 (%) 1.1 1.4 3.5 1.4 1.4 4.5 1.4 1.1 5.6
平均粒子径 (nm)
試験前 120.2 136.2 160.6 140.7 144.2 149.2 141.2 146.6 153.5
試験後 123.4 139.2 167.0 142.5 145.8 154.2 142.8 148.0 159.0
同増大率 (%) 2.6 2.1 4.0 1.3 1.1 3.4 1.1 1.0 3.6

Claims (8)

  1. 含フッ素モノマーを、一般式
    CF2=CF〔OCF2CF(CF3)〕bO(CF2)aO〔CF(CF3)CF2O〕cCF(CF3)COOM 〔I〕
    (ここで、Mはナトリウムまたはカリウムであり、aは1〜6の整数、b+cは0〜6の整数である)で表わされるパーフルオロビニルオキシポリエーテルカルボン酸アルカリ金属塩をフッ素系反応性乳化剤として、水性媒体中で共重合反応させることにより製造された含フッ素共重合体水性分散液。
  2. 含フッ素共重合体が、フッ化ビニリデン50〜90モル%の共重合組成を有する請求項1記載の含フッ素共重合体水性分散液。
  3. 含フッ素共重合体が、フッ化ビニリデン65〜90モル%およびヘキサフルオロプロペン10〜35モル%の共重合組成を有する請求項2記載の含フッ素共重合体水性分散液。
  4. 含フッ素共重合体が、フッ化ビニリデン50〜90モル%、テトラフルオロエチレン2〜20モル%およびヘキサフルオロプロペン5〜35モル%の共重合組成を有する請求項2記載の含フッ素共重合体水性分散液。
  5. 水性分散液中の平均エマルジョン粒子径が30〜200nmである請求項1記載の含フッ素共重合体水性分散液。
  6. 固形分濃度が25〜50重量%である請求項1記載の含フッ素共重合体水性分散液。
  7. 325メッシュのふるいを10回通過させた後の平均エマルジョン粒子径の増大率が3.0%以下で、かつ固形分濃度の減少率が1.5%以下である請求項1または5記載の含フッ素共重合体水性分散液。
  8. 請求項1乃至7のいずれかの請求項に記載の含フッ素共重合体水性分散液からなるコーティング材。
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