JP2015131015A - 関節機構、マニピュレータおよびマニピュレータシステム - Google Patents
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Abstract
Description
この多関節湾曲機構は、モーメントを発生させるために各操作ワイヤによって各湾曲駒の外周に近い位置を基端側に牽引する方式である。このため、牽引力を効率的に湾曲駒に伝達するように、各操作ワイヤおよび該操作ワイヤを案内する筒状のガイドシースが、湾曲駒の比較的外周に近い経路を通るようにルーティングされている。
本発明の一態様は、中心軸方向に沿って貫通する貫通孔を有する筒状の第1の部材と、該第1の部材の先端側に配置され、該第1の部材に対して前記中心軸に交差する揺動軸線回りに揺動可能に設けられた第2の部材と、前記第1の部材の前記貫通孔の前記中心軸近傍を貫通し、先端が前記第2の部材に固定された可撓性を有する筒状のガイドシースと、該ガイドシースを経由して該ガイドシースの先端側に導入された操作ワイヤと、前記第2の部材に前記揺動軸線から径方向に偏心した位置に設けられ、前記ガイドシースを経由して前記第1の部材側から導入されてきた操作ワイヤを前記第1の部材側にUターンさせる折り返し部とを備え、該折り返し部においてUターンさせられた前記操作ワイヤの先端が、前記第1の部材の前記揺動軸線から径方向に偏心した位置に固定されている関節機構を提供する。
このようにすることで、操作ワイヤに加えた牽引力によって、第1の部材に対して第2の部材が揺動させられる際に、プーリを回転させて、操作ワイヤを少ない摩擦力で移動させることができ、さらに小さい牽引力で湾曲させることができる。
このようにすることで、操作ワイヤに加えた牽引力によって、第1の部材に対して第2の部材が揺動させられる際に、管状部材によって定められた曲率半径を維持しつつ管状部材内で操作ワイヤを移動させることができ、安定した牽引力で湾曲させることができる。
このようにすることで、一方の操作ワイヤに牽引力を加えて、第2の部材を第1の部材に対して一方向に揺動させ、他方の操作ワイヤに牽引力を加えて、第2の部材を第1の部材に対して多方向に揺動させることができる。このように揺動軸線回りに2方向に揺動させる場合には特に、ガイドシースが2方向ともに極度に小さい曲率半径で湾曲させられることを防止できる点で、ガイドシースを中心軸近傍に貫通させている効果が高い。
このようにすることで、折り返し部の直径を第2の部材の半径よりも大きく確保することができ、操作ワイヤをUターンさせる際に、操作ワイヤと折り返し部との間で発生する摩擦力を低減することができる。
このようにすることで、中間部材を中間軸線回りに揺動させることで、中間軸線の位置を揺動方向に移動させて、第1の部材に対する第2の部材の総合的な揺動角度範囲を大きく確保することができる。
このようにすることで、第1の部材に対する第2の部材の揺動角度に応じて、長孔または切欠からなるワイヤ貫通部内において操作ワイヤを中間軸線に直交する方向に移動させることで、操作ワイヤに横方向に加わる力を極力解放し、操作ワイヤが移動する際の摩擦を低減することができる。これにより、操作ワイヤに小さい牽引力を加えるだけで第1の部材に対して第2の部材を揺動させることができる。
本態様によれば、総合的な湾曲角度範囲をさらに大きく確保することができる。
このようにすることで、複数の第1の部材、第2の部材および折り返し部として共通する形状のものを採用することができ、部品の共通化を図ることができる。また、牽引力が作用する折り返し部および操作ワイヤの先端の固定位置を共通にして、全ての関節機構において、同等の制御特性を達成することができる。
このようにすることで、牽引力が作用する折り返し部および操作ワイヤの先端の固定位置を略同等に維持しながら、ガイドシースの先端開口から折り返し部に向かう操作ワイヤのルーティングを無理なく行うことができる。
本実施形態に係るマニピュレータシステムは、内視鏡システム1であって、図1に示されるように、医師(操作者)Aにより操作されるマスタ装置2と、該マスタ装置2を介した入力により駆動されるスレーブ装置3と、マスタ装置2への入力に基づいてスレーブ装置3を制御するコントローラ4と、モニタ25とを備えている。
本実施形態に係る内視鏡5は、湾曲可能な軟性の細長い挿入部7を有する軟性内視鏡であって、細長い軟性部(マニピュレータ本体)8と、先端に配置される先端部9と、これら先端部9と軟性部8との間に配置される湾曲部10とを備えている。なお、本実施形態では、軟性内視鏡としているが、細長い硬性部を有する硬性内視鏡でもよい。
まず、最も基端側の屈曲関節12aについて詳細に説明する。
屈曲関節12aは、図4および図5に示されるように、軟性部8の端部を構成するリンク部材(第1の部材)13aと、リンク部材(第2の部材)13bと、これらの間に連結された、複数、例えば、4個のコマ(中間部材)15a〜15dとを備えている。
駆動部6a,6bは、図2に示されるように、先端側関節群11を駆動する先端側駆動部6aと、基端側関節群12を駆動する基端側駆動部6bの2つを備えている。各駆動部6a,6bは、中継部27を介して内視鏡5の軟性部8に接続されている。
中継部27には挿入部7の長手方向に沿って延び、先端面に開口する鉗子チャネル(図示略)内への処置具の挿入ポート29が設けられている。
本実施形態に係る内視鏡5を用いて患者Pの体腔内の観察および処置を行うには、先端側関節群11を駆動する先端側駆動部6aのみに手動操作用マスタを取り付けて体腔内への挿入作業を行う。
そして、挿入部7の先端部9が患部近傍に配置されたときには、手動操作用マスタを駆動源28に切り替えるとともに、基端側駆動部6bにも駆動源28を取り付けて、医師Aがマスタ装置2を操作する。
ガイドシース21a,21bは内側に配される操作ワイヤ22aよりも大径で曲げ剛性が高いので、屈曲時に曲率半径を大きく保持することで、屈曲に要する牽引力Fを小さくし、かつ、必要な牽引力Fの変動を少なく抑えることができるという利点がある。
さらに、本実施形態に係る内視鏡システム1によれば、内視鏡5の制御特性が向上されることにより、マスタ装置2の操作に対するスレーブ装置3の応答性を向上し、操作性を向上することができるという利点がある。
また、スレーブ装置3に設けられた内視鏡5に設けられる屈曲関節を例示したが、これに代えて、手動式の内視鏡に設けられる屈曲関節に適用してもよい。
また、操作ワイヤ22a,22bとしては、単線、撚り線、編み線、板状等を挙げることができる。
1 内視鏡システム(マニピュレータシステム)
2 マスタ装置
3 スレーブ装置
4 コントローラ
5 内視鏡(マニピュレータ)
8 軟性部(マニピュレータ本体)
12a〜12d 屈曲関節(関節機構)
13a リンク部材(第1の部材)
13b リンク部材(第2の部材)
14a 揺動軸線
15a〜15d 中間部材
16a〜16e 中間軸線
17 貫通孔
18 貫通孔(シース用貫通孔)
20a,20b プーリ(折り返し部)
21a,21b ガイドシース
22a,22b 操作ワイヤ
24a 貫通孔(ワイヤ貫通部)
30a,30b 管状部材(折り返し部)
32a,32b 長孔(ワイヤ貫通部)
33a,33b 溝(ワイヤ貫通部)
Claims (13)
- 中心軸方向に沿って貫通する貫通孔を有する筒状の第1の部材と、
該第1の部材の先端側に配置され、該第1の部材に対して前記中心軸に交差する揺動軸線回りに揺動可能に設けられた第2の部材と、
前記第1の部材の前記貫通孔の前記中心軸近傍を貫通し、先端が前記第2の部材に固定された可撓性を有する筒状のガイドシースと、
該ガイドシースを経由して該ガイドシースの先端側に導入された操作ワイヤと、
前記第2の部材に前記揺動軸線から径方向に偏心した位置に設けられ、前記ガイドシースを経由して前記第1の部材側から導入されてきた操作ワイヤを前記第1の部材側にUターンさせる折り返し部とを備え、
該折り返し部においてUターンさせられた前記操作ワイヤの先端が、前記第1の部材の前記揺動軸線から径方向に偏心した位置に固定されている関節機構。 - 前記折り返し部が、前記操作ワイヤを巻き付けてUターンさせるプーリである請求項1に記載の関節機構。
- 前記折り返し部が、前記操作ワイヤを貫通させることによりUターンさせる略U字状の管状部材である請求項1に記載の関節機構。
- 前記ガイドシース、前記操作ワイヤおよび前記折り返し部が、前記第2の部材を前記第1の部材に対して前記揺動軸線回りに2方向に揺動させるように、一対ずつ設けられている請求項1から請求項3のいずれかに記載の関節機構。
- 一対の前記折り返し部が、一対の前記操作ワイヤを径方向に部分的に重なる位置でUターンさせるように設けられている請求項4に記載の関節機構。
- 前記第1の部材と前記第2の部材との間に、相互に並行する2以上の中間軸線回りに揺動可能に連結された1以上の中間部材を備える請求項1から請求項5のいずれかに記載の関節機構。
- 各前記中間部材に、前記ガイドシースを貫通させるシース用貫通孔と、前記操作ワイヤを貫通させるワイヤ貫通部とが設けられ、
該ワイヤ貫通部が、前記中間軸線に直交する方向に延びる長孔または切欠である請求項6に記載の関節機構。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の関節機構を2以上直列に備えるマニピュレータ。
- 各前記関節機構に設けられた折り返し部が、各前記第2の部材の径方向および周方向に略同一の位置に配置されている請求項8に記載のマニピュレータ。
- 各前記関節機構に設けられた折り返し部が、各前記第2の部材の径方向に略同一の位置かつ周方向に異なる位置に配置されている請求項8に記載のマニピュレータ。
- 筒状のマニピュレータ本体と、
該マニピュレータ本体の先端に設けられた基端側関節部と、
該基端側関節部の先端側に直列に接続された、請求項1から請求項7のいずれかに記載の1以上の関節機構を備える先端側関節部とを備え、
該基端側関節部が、前記マニピュレータ本体に揺動軸線回りに揺動可能に連結された揺動部材と、先端開口が前記マニピュレータ本体に固定された筒状のガイドシースと、該ガイドシースを経由して導入され該ガイドシースの前記先端開口から突出して延び、先端が前記揺動部材の前記揺動軸線から径方向に偏心した位置に固定された操作ワイヤとを備えるマニピュレータ。 - 中心軸方向に沿って貫通する貫通孔を有する筒状のマニピュレータ本体と、
該マニピュレータ本体の先端側に配置され、該マニピュレータ本体に対して前記中心軸に交差する揺動軸線回りに揺動可能に設けられた揺動部材と、
前記マニピュレータ本体の前記貫通孔の前記中心軸近傍を貫通し、先端が前記揺動部材に固定された可撓性を有する筒状のガイドシースと、
該ガイドシースを経由して該ガイドシースの先端側に導入された操作ワイヤと、
前記揺動部材に設けられ、前記ガイドシースを経由して前記マニピュレータ本体側から導入されてきた操作ワイヤを前記マニピュレータ本体側にUターンさせる折り返し部とを備え、
該折り返し部においてUターンさせられた前記操作ワイヤの先端が、前記マニピュレータ本体の前記揺動軸線から径方向に偏心した位置に固定されているマニピュレータ。 - 請求項8から請求項12のいずれかに記載のマニピュレータと、該マニピュレータを駆動する駆動部とを備えるスレーブ装置と、
操作者により操作される操作部を備えるマスタ装置と、
該マスタ装置の前記操作部により入力された入力信号に基づいて前記スレーブ装置の駆動部を制御するコントローラとを備えるマニピュレータシステム。
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