JP2004223688A - 多関節型マニピュレータ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑な機構や高価な部品を用いることなしに、複数の関節部を独立に制御可能に構成することにより、軽量又は安価な多関節型マニピュレータ装置を提供する。
【解決手段】本発明の多関節型マニピュレータ装置は、複数のリンク11〜13を複数の関節部10A,10Bにおいて回動自在に連結して構成され、複数の関節部において当該関節部の軸線とそれぞれ同軸に設けられた複数のプーリ16,17と、当該複数のプーリ間に架設されたワイヤ10W,10V、10X,10Yとを備えたリンク連設体10を具備する多関節型マニピュレータ装置であって、複数の関節部毎にそれぞれ対応するワイヤを設け、ワイヤは、対応する一の関節部の末端側に接続された一のリンクに固定されるとともに、一の関節部のプーリ及びこれよりも基端側に配置された全ての関節部のプーリに架設されてリンク連設体の基端側に引き出されている。
【選択図】 図3
【解決手段】本発明の多関節型マニピュレータ装置は、複数のリンク11〜13を複数の関節部10A,10Bにおいて回動自在に連結して構成され、複数の関節部において当該関節部の軸線とそれぞれ同軸に設けられた複数のプーリ16,17と、当該複数のプーリ間に架設されたワイヤ10W,10V、10X,10Yとを備えたリンク連設体10を具備する多関節型マニピュレータ装置であって、複数の関節部毎にそれぞれ対応するワイヤを設け、ワイヤは、対応する一の関節部の末端側に接続された一のリンクに固定されるとともに、一の関節部のプーリ及びこれよりも基端側に配置された全ての関節部のプーリに架設されてリンク連設体の基端側に引き出されている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は多関節型マニピュレータ装置に係り、特に、ロボットハンド或いはその指構造として好適な多関節型のマニピュレータ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、多関節型マニピュレータは、複数のリンク部材を関節部にて回転自在に連結してなるリンク連設体を有するものであり、ロボットハンドの指構造やロボットアームなどとして用いられている。この多関節型マニピュレータとしては、従来から関節毎にモータ等の駆動手段を設けるものが知られているが、小型のロボットハンドの指構造のように関節構造そのものが小型化されている場合や、ロボットアームであってもロボットの軽量化が要求される場合には、関節毎に駆動手段を設けることが不可能であるため、関節毎に設けた複数のプーリと、これらのプーリ間に架設された駆動ワイヤとを設け、この駆動ワイヤにより多数の関節を動作可能に構成したワイヤ駆動タイプの多関節型マニピュレータが種々提案されている。
【0003】
たとえば、プーリとシャフトとの間に所定トルクを閾値としてロック状態とフリー状態とを切り換えるクラッチ機構を関節毎に設け、隣接する関節のプーリ間をベルトによって連結した多関節ロボットハンドが知られている(たとえば、以下の特許文献1参照)。
【0004】
また、関節毎に電磁クラッチ/ブレーキを介した一対のプーリを同軸に設け、これらの一対のプーリのうちの一方のプーリに、駆動モータに連結された駆動ワイヤW1を架設し、他方のプーリにはリターンスプリングに接続された復帰ワイヤW2を架設してなる多関節マニピュレータが知られている(たとえば、以下の特許文献2参照)。これによれば、各関節に設けられた電磁クラッチ/ブレーキによるロック状態と解除状態の切換えに応じた関節毎の駆動制御を実現することができる。
【0005】
さらに、関節毎にピエゾ素子を設けて、ピエゾ素子のオンオフによってプーリとリンクとの間のロック状態とフリー状態とを切換え可能に構成したり、或いは、プーリとリンクとの間のトルク制御を行ったりすることによって各関節の動作態様を制御可能に構成したロボットアームが知られている(たとえば、以下の特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−301191号公報
【特許文献2】
特開平7−96485号公報
【特許文献3】
特開平9−239686号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のワイヤ駆動タイプの多関節型マニピュレータにおいては、一つの駆動機構によって複数の関節をそれぞれ独立に制御するために、クラッチ機構、電磁クラッチ/ブレーキ、ピエゾ素子或いはトルク制御器などを関節毎に設けていることから、構造が複雑になり、重量も増加し、しかも、高価になるという問題点がある。
【0008】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、複雑な機構や高価な部品を用いることなしに、複数のリンク連設体を独立に動作可能に構成することにより、軽量又は安価な多関節型マニピュレータ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の多関節型マニピュレータ装置は、複数のリンクを複数の関節部において回動自在に連結して構成され、前記複数の関節部において当該関節部の軸線とそれぞれ同軸に設けられた複数のプーリと、当該複数のプーリ間に架設されたワイヤとを備えたリンク連設体を具備する多関節型マニピュレータ装置であって、前記複数の関節部毎にそれぞれ対応する前記ワイヤを設け、前記ワイヤは、対応する一の前記関節部の末端側に接続された一の前記リンクに固定されるとともに、前記一の関節部の前記プーリ及びこれよりも基端側に配置された前記関節部の前記プーリに架設されて前記リンク連設体の基端側に引き出され、前記リンク連設体の基端側において複数の前記ワイヤをそれぞれ制御駆動するように構成したことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、各ワイヤは、対応する一の関節部の末端側に接続されたリンクに固定されるとともに、当該一の関節部のプーリ及びそれよりも基端側に配置された関節部のプーリに架設されていることにより、当該ワイヤによって上記対応する一の関節部を駆動することができる。そして、このようなワイヤをリンク連設体の関節部毎にそれぞれ対応して設けてあるので、これらの複数のワイヤを協調して駆動すれば、複数の関節部を独立に制御駆動できる。例えば、或る一の関節部のみを屈曲させるためには、当該関節部に対応するワイヤを所定量駆動するとともに、それよりも末端側の関節部に対応するワイヤを同じ量だけ駆動し、さらに、それよりも基端側の関節部に対応するワイヤを駆動しないようにすればよい。
【0011】
本発明において、前記複数のワイヤを制御駆動する制御駆動手段を有し、当該制御駆動手段において、前記一の関節部の前記プーリ及びこれよりも基端側に配置された前記関節部の前記プーリに架設された一の前記ワイヤに対する駆動量は、前記一の関節部よりも基端側に配置された他の前記関節部について、当該他の関節部の前記プーリ及びこれよりも基端側に配置された前記関節部の前記プーリに架設された他の前記ワイヤの駆動量の総和を基準として与えられることが好ましい。これによれば、或る関節部を駆動するときには、制御駆動手段は、当該関節部よりも基端側にある関節部の駆動量の総和(すなわち、或る関節部よりも基端側に一つの関節部だけが存在する場合にはその関節部のワイヤの駆動量、また、或る関節部よりも基端側に複数の関節部が存在する場合にはそれらの関節部のワイヤの駆動量の和)を基準として上記の関節部に対応するワイヤの駆動量を与えるようにしているため、基端側の他の関節部の屈曲状態が変化したことによるワイヤへの影響を補償することができることから、各関節部を完全に独立して駆動することができる。
【0012】
本発明において、前記制御駆動手段には、前記複数の関節部に対応する複数の制御側関節部を具備して前記リンク連設体と対応するリンク節構造を有する制御側リンク連設体が設けられ、当該制御側リンク連設体には、前記複数のワイヤが、直接若しくは間接的に、前記複数の制御側関節部に対して前記リンク連設体と対応する態様で架設されていることが好ましい。これによれば、制御側リンク連設体を操作駆動することにより、複数の制御側関節部の屈折角が適宜に変化されるため、これに応じて複数のワイヤが動作し、これらの複数のワイヤの動作によってリンク連設体が動作する。
【0013】
本発明において、前記制御駆動手段には、前記複数の関節部に対応する複数の制御側関節部を具備して前記リンク連設体と対応するリンク節構造を有する制御側リンク連設体が設けられ、当該制御側リンク連設体には、前記複数のワイヤと対応する複数の制御側ワイヤが前記複数の制御側関節部に対して前記リンク連設体と対応する態様で架設され、前記制御側ワイヤの動作を検出する検出手段と、当該検出手段の検出データに基づいて前記複数のワイヤを駆動する駆動手段とをさらに有することが好ましい。これによれば、リンク連設体と対応するリンク節構造を有する制御側リンク連設体が設けられ、この制御側リンク連設体には、上記複数のワイヤと対応する複数の制御側ワイヤがリンク連設体と同態様若しくは逆態様となるように架設されていることにより、制御側リンク連設体を適宜に動作させたときの複数の制御側ワイヤの動きが検出手段によって検出され、この検出データに基づいて駆動手段によって複数のワイヤが駆動されるため、制御側リンク連設体の駆動態様と対応する動作態様でリンク連設体を動作させることができる。この場合、リンク連設体と対応する構成を有する制御側リンク連設体を駆動することによって制御側ワイヤを動作させて上記検出データを得るようにしているため、複数のワイヤの駆動態様とリンク連設体の動作態様との間に複雑な関係が存在しても、リンク連設体を駆動するためのワイヤの駆動態様をきわめて容易に導出することができる。
【0014】
本発明において、前記検出手段において得られた前記検出データを送信する送信手段と、当該送信手段により送信された前記検出データを受信して前記駆動手段に送出する受信手段とをさらに有することが好ましい。上記の検出データが送信手段及び受信手段を介して伝達されるように構成されていることにより、遠隔位置においてもリンク連設体を容易に制御駆動できる。
【0015】
本発明において、前記関節部毎に、前記ワイヤとして、同一方向に牽引したときに前記関節部を相互に逆方向に回動させることのできる一対のワイヤが設けられていることが好ましい。これらの一対のワイヤは、一方のワイヤをリンク連設体の基端側に牽引すると、他方のワイヤがリンク連設体の末端側に向けて引き出され、これに応じて上記関節部が回動するように構成される。より具体的には、一対のワイヤそれぞれは、リンク連設体の複数の関節部にそれぞれ設けられた複数のプーリの間にそれぞれ中間プーリが設けられ、関節部に設けられた前記プーリと、中間プーリに交互にジグザグ(波線)状に架設される。このとき、一方のワイヤが関節部に設けられた前記プーリの一側を周回するように架設されているとすれば、他方のワイヤは関節部に設けられた前記プーリの他側を周回するように架設される。
【0016】
本発明において、前記リンク連設体の基端側に駆動プーリを有し、前記一対のワイヤは、実質的に一体化された状態で前記駆動プーリに相互に反対回りに架設されていることが好ましい。このようにすると、駆動プーリを回転させることによって一方のワイヤを牽引するとともに他方のワイヤを解放することができるため、リンク連設体を容易に駆動することができる。
【0017】
本発明において、前記一方のワイヤを解放したときに他方のワイヤを牽引する復帰ばねを有することが好ましい。復帰ばねを用いることにより、一方のワイヤのみを駆動すればリンク連設体を制御することができるため、全体をより簡易な構成とすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明に係る多関節型マニピュレータ装置の実施形態について詳細に説明する。
【0019】
[第1実施形態]
最初に、図1乃至図4を参照して本実施形態の多関節マニピュレータ装置に用いるリンク連設体の第1実施形態について説明する。図1及び図2は、本実施形態の多関節マニピュレータ装置におけるリンク連設体の基本構成について示す概略構成図である。このリンク連設体10は、図1に示すように、リンク部材11,12,13が基端側(図示左側)から末端側(図示右側)に向けて順次関節部10A及び10Bにおいて回動自在に連結されてなる。関節部10A及び10Bには、これらの関節部の軸線と同軸に関節プーリ16,17が設けられている。また、関節プーリ16と17との間にはリンク部材12に軸支された中間プーリ10sが設けられ、また、リンク部材13においては関節プーリ17の末端側に中間プーリ10sが設けられている。
【0020】
ここで、関節プーリ16,17は、接続される両側のリンク部材のいずれか一方に対して固定されていてもよく、或いは、両側のリンク部材のいずれに対しても回転自在に軸支されていてもよく、或いはまた、両側のリンク部材の少なくとも一方に対して回動可能に取り付けられていてもよい。これは、関節プーリ16,17が自由に回転しなくても、結果的にワイヤがプーリに対して摺動することによって関節部に対して移動可能に構成されていればよいからである。
【0021】
上記構成において、図1(a)に示すように、リンク部材13に対して固定位置13aにて固定されたワイヤ10Wが基端側に向けて順次に上記関節プーリ16,17及び中間プーリ10sに架設されている。このワイヤ10Wは、末端側から基端側に向けて配列されるプーリ列に対して内側(図示下側)と外側(図示上側)に交互に架設される。より具体的には、ワイヤ10Wは、関節プーリ16,17の内側を周回する態様で架設されている。
【0022】
また、上記構成において、図1(b)に示すように、リンク部材13に対して固定位置13bにて固定されたワイヤ10Vが上記関節プーリ16,17及び中間プーリ10sに架設されている。このワイヤ10Vは、末端側から基端側に向けて配列されるプーリ列に対して内側と外側に交互に架設される。より具体的には、ワイヤ10Vは、関節プーリ16,17の外側を周回する態様で架設されている。
【0023】
図1(c)は、リンク連設体10にワイヤ10W及び10Vを共に装着した状態を示すものである。ワイヤ10Wと10Vは、リンク部材11〜13を関節部10A及び10Bにおいて相互に逆方向に回動させるように駆動するものである。すなわち、ワイヤ10Wを基端側に牽引したとき、ワイヤ10Vは末端側に引き出され、関節部10A及び10Bが図示の伸長状態から内側(図示下側)に屈曲した状態となる。逆に、ワイヤ10Vを基端側に牽引したとき、ワイヤ10Wは末端側に引き出され、関節部10A及び10Bの屈曲状態は図示の伸長状態に復帰する。これは、関節部10A及び10Bが内側に屈曲すると、ワイヤ10Wの架設経路の長さは短くなり、ワイヤ10Vの架設経路の長さは長くなるからである。
【0024】
図2は、上記リンク連設体10にワイヤ10Xを架設した状態(a)、ワイヤ10Yを架設した状態(b)及びワイヤ10X及び10Yの双方を架設した状態(c)を示すものである。ワイヤ10Xは、リンク部材12に対して固定位置12aにて固定され、基端方向に中間プーリ10s及び関節プーリ16に順次架設されている。ここで、ワイヤ10Xは関節プーリ16の内側(図示下側)を周回する態様で架設されている。また、ワイヤ10Yは、リンク部材12に対して固定位置12bにて固定され、基端方向に中間プーリ10s及び関節プーリ16に順次架設されている。ここで、ワイヤ10Yは関節プーリ16の外側(図示上側)を周回する態様で架設されている。
【0025】
ワイヤ10Xと10Yもまた、リンク部材11,12を関節部10Aにおいて相互に逆方向に回動させるように駆動するものである。すなわち、ワイヤ10Xを基端側に牽引したとき、ワイヤ10Yは末端側に引き出され、関節部10Aが図示の伸長状態から内側(図示下側)に屈曲した状態となる。逆に、ワイヤ10Yを基端側に牽引したとき、ワイヤ10Xは末端側へ引き出され、関節部10Aの屈曲状態は図示の伸長状態に復帰する。これは、関節部10Aが内側に屈曲すると、ワイヤ10Xの架設経路の長さは短くなり、ワイヤ10Yの架設経路の長さは長くなるからである。
【0026】
図3には、完成状態のリンク連設体10の構造を示す側面透視図(a)及び横断面図(b)を示す。リンク連設体10には、上記のワイヤ10W、10V、10X、10Yが上述のようにそれぞれ架設されている。このリンク連設体10では、ワイヤ10Xを基端側に牽引し、ワイヤ10Yを解放して同量末端側に引き出されるようにすることにより、図4(a)に示すように関節部10Aを屈曲させることができる。また、このとき、ワイヤ10Wをワイヤ10Xと同じ基端側に同量牽引し、ワイヤ10Vを解放してワイヤYと同様に末端側へ同量引き出されるようにすることによって、図4(b)に示すように関節部10Bを伸長状態に維持することができる。また、ワイヤ10X及び10Y(図示せず)を固定した状態で、ワイヤ10Wを基端側に牽引し、ワイヤ10Yを解放して末端側に同量引き出されるようにすることにより、図4(c)に示すように関節部10Bを屈曲させることができる。
【0027】
ここで、リンク連設体10においては、関節部10Aに対応するワイヤ10X及び10Yは、当該関節部10Aの末端側に接続されたリンク部材12に固定され、そこから基端側に架設された状態となっている。また、関節部10Bに対応するワイヤ10W及び10Vは、当該関節部10Bの末端側に接続されたリンク部材13に固定され、そこから基端側に架設された状態となっている。そして、関節部10Aに対応するワイヤ10X及び10Yを動作させることによって関節部10Aを回動させることができるが、関節部10Bに対応するワイヤ10W及び10Vは、ワイヤ10X及び10Yの動作量を基準として動作させることによって関節部10Bを回動させることができる。すなわち、関節部10Bにおいてリンク部材12と13を相対的に回動させようとしたとき、その回動量に対応する動作量でワイヤ10W及び10Vを動作させるだけでなく、そのときのワイヤ10X及び10Yの動作量を加えた量だけワイヤ10W及び10Vを動作させる必要がある。これは、関節部10Bよりも基端側にある関節部10Aの屈曲状態によってワイヤ10W及び10Vの架設経路が影響を受けるからである。
【0028】
この実施形態では、ワイヤ10W,10Vと、ワイヤ10X,10Yとをそれぞれ駆動することによってリンク連設体10の2つの関節部10A、10Bを独立に回動動作させることができる。ワイヤの駆動は、図示しない駆動源(電動モータや圧電素子など)を用いることもできるし、また、各ワイヤを手動で操作することも可能である。ここで、ワイヤ10Wと10Vとは常に相互に同量だけ逆方向に動作させればよく、また、ワイヤ10Xと10Yもまた相互に同量だけ逆方向に動作させればよい。また、上記のように、ワイヤ10W,10Vの動作量は、ワイヤ10X,10Yの動作量を基準として設定すればよい。すなわち、ワイヤ10X,10Yの動作量が0であれば、ワイヤ10X,10Yの動作量はそのまま関節部10Bの所望の回動量に対応したものとすればよく、ワイヤ10X,10Yの動作量が0でなければ、ワイヤ10W,10Vの動作量は、ワイヤ10X,10Yの動作量に関節部10Bの所望の回動量に対応した動作量を加えたものとすればよい。
【0029】
本実施形態によれば、リンク連設体10の複数の関節部10A,10Bについてそれぞれ独立にその屈曲状態を制御駆動することができるため、正確かつ確実な動作を行うことができる。また、関節部に関節プーリを同軸に設け、中間プーリと関節プーリとにワイヤを架設するだけでよいため、従来のように関節部にクラッチ機構、ロック機構、ブレーキ機構などを設ける必要がなくなるため、関節部の軽量化及び小型化を容易に達成することができ、また、製造コストを低減できる。
【0030】
[第2実施形態]
次に、図5(a)を参照して、本発明に係る第2実施形態の多関節型マニピュレータ装置について説明する。上記第1実施形態では、リンク連設体の構造のみについて説明したが、本実施形態は、上記リンク連設体を駆動する駆動手段について説明する。図5(a)に示すように、本実施形態のリンク連設体10′においては、リンク部材11′〜14′までが関節部10A′〜10C′において回動自在に連結されている。関節部10A′〜10C′には、関節プーリ16′〜18′がそれぞれの関節部の軸線と同軸に取り付けられている。関節プーリの間には中間プーリ10s′が取り付けられている。
【0031】
ワイヤ10W′は、リンク部材14′に対して固定位置14a′に固定され、配列された各プーリに対して内側及び外側に交互に架設されて、基端側に向けて伸び、やがて、リンク連設体10′の基端側において駆動プーリ15D′に架設される。ここで、ワイヤ10W′は、上記架設経路において、関節プーリ16′〜18′の外側(図示上側)を周回し、また、中間プーリ10s′の内側(図示下側)を周回する態様で、配列されたプーリの列に対して内側と外側に交互に架設される。
【0032】
駆動プーリ15D′は、電動モータ等の駆動源15′に接続されて正逆両方向に回転駆動されるように構成されている。駆動プーリ15D′を半周周回したワイヤ10W′は、今度は末端側に向けて順次プーリ列に対して内側と外側に交互に架設され、やがてリンク部材14′の固定位置14a′において固定される。この架設経路においては、上記とは逆に、関節プーリ16′〜18′の内側(図示下側)を周回し、また、中間プーリ10s′の外側(図示上側)を周回する態様で、配列されたプーリの列に対して内側と外側に交互に架設される。
【0033】
このリンク連設体10′は、駆動プーリ15D′を図示時計回りに回転させると、ワイヤ10W′によって関節部10A′〜10C′が図示の伸長状態から内側(図示下側)に屈曲した屈曲状態となり、駆動プーリ15D′を図示反時計回りに回転させると、屈曲状態から図示の伸長状態に復帰するように構成されている。ここで、図5(a)には、関節部10C′に対応するワイヤ10W′のみを示してあるが、関節部10A′,10B′にそれぞれ対応する図示しないワイヤも同様に架設され、図示しない別の駆動プーリに架設される。すなわち、関節部10A′に対応するワイヤは、リンク部材12′に固定されて関節プーリ16′に架設された後に図示しない駆動プーリを経て再び関節プーリ16′に架設された後に再びリンク部材12′に固定される。ここで、このワイヤはリンク部材12′に取り付けられた中間プーリ10s′に架設されてもよい。また、関節部10B′に対応するワイヤは、リンク部材13′に固定され、関節プーリ17′、中間プーリ10s′及び関節プーリ16′に順次架設された後に、図示しない駆動プーリに架設されて再び関節プーリ16′、中間プーリ10s′及び関節プーリ17′に架設された後に、リンク部材13′に固定される。ここで、このワイヤはリンク部材13′に取り付けられた中間プーリ10s′に架設されてもよい。
【0034】
第1実施形態においては、各関節部に対応する一対のワイヤが設けられていたのに対して、本実施形態では、これらの一対のワイヤが一体化されて駆動プーリ15D′に架設され、駆動されるように構成されている。しかしながら、一対のワイヤを一体化せずに、駆動プーリにそれぞれ固定するとともに、この駆動プーリに対して反対回りに架設することによって、本実施形態と同様の機能を有するように構成することができる。この場合においても、駆動プーリ15D′を介して一対のワイヤが実質的に一体化されたものとなるため、本実施形態の上記構成と同様に、一対のワイヤが実質的に一体化された状態で、駆動プーリに対して相互に反対回りに架設されたものとなっている。
【0035】
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、各関節部10A′〜10C′にそれぞれ対応するワイヤ間において、末端側の関節部に対応するワイヤの動作量は、基端側の関節部に対応するワイヤの動作量を基準として設定される。本実施形態では3つの関節部10A′〜10C′が存在しているため、例えば、最も末端側の関節部10C′に対応するワイヤ10W′の動作量は、関節部10A′に対応する図示しないワイヤの動作量と、関節部10B′に対応する図示しないワイヤの動作量との和を基準として設定される。
【0036】
[第3実施形態]
次に、図5(b)を参照して、本発明に係る第3実施形態の多関節型マニピュレータ装置について説明する。この実施形態のリンク連設体10″では、上記第2実施形態のリンク連設体10′と同様に構成された、リンク部材11″、12″、13″,14″と、関節部10A″、10B″、10C″と、関節プーリ16″、17″、18″と、各関節プーリ間に配置された中間プーリ10s″とを有する。ただし、このリンク連設体10″では、その一端がリンク部材14″の固定位置14a″に固定され、関節プーリ16″〜18″の内側(図示下側)を周回し、中間プーリ10s″の外側(図示上側)を周回する態様で、配列されたプーリ列に対して内側と外側に交互に架設された屈曲動作用のワイヤ10W″と、その一端がリンク部材14″の固定位置14a″に固定され、関節プーリ16″〜18″の外側(図示上側)を周回し、中間プーリ10s″の内側(図示下側)を周回する態様で、配列されたプーリ列に対して内側と外側に交互に架設された伸長動作用のワイヤ10V″とを別々に有している。そして、ワイヤ10W″の他端は、駆動源15″によって回転駆動される駆動プーリ15D″に固定され、ワイヤ10V″の他端は、復帰ばね19″を介して保持されている。
【0037】
この第3実施形態においては、駆動プーリ15D″を(図示時計回りに)回転させることによってワイヤ10W″を牽引すると、リンク連設体10″は内側(図示下側)に屈曲した状態になる。このとき、ワイヤ10V″は復帰ばね19″の弾性力に抗して末端側に引き出される。次に、駆動プーリ15D″を(図示反時計周りに)戻すことによってワイヤ10W″に対する牽引力を解放すると、復帰ばね19″の弾性力によってワイヤ10V″が牽引されるとともにこれに対応してワイヤ10W″が引き出されることによって、リンク連設体10″は図示の伸長状態に復帰する。
【0038】
この第3実施形態においては、上記のようにワイヤ10V″の他端が復帰ばね19″を介して固定されることによって、ワイヤ10W″を戻すことにより、リンク連設体10″が伸長状態に復帰するように構成されているが、上記ワイヤ10V″及び復帰ばね19″の代わりに、ワイヤ10V″をゴムのような弾性部材で構成し、その基端を保持(固定)してもよく、また、個々の関節プーリ16″〜18″に復帰ばねを設けて、関節プーリ16″〜18″のそれぞれを元の回動角度に復帰させるように構成してもよい。ここで、個々の関節プーリに設けられる復帰ばねとしては、関節部の軸に挿通されて両側のリンク部材に係合したトーションスプリングなどが挙げられる。
【0039】
なお、この第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、図5(b)には関節部10C″に対応するワイヤ10W″及び10V″のみを図示してある。したがって、関節部10A″に対応する図示しない一対のワイヤは図示しない駆動プーリと復帰ばねに接続され、また、関節部10B″に対応する図示しない一対のワイヤは図示しない別の駆動プーリと復帰ばねに接続される。また、末端側の関節部に対応する一対のワイヤと、基端側の関節部に対応する一対のワイヤとの動作量の関係も第2実施形態と同様である。
【0040】
[第4実施形態]
図6は、本発明に係る第4実施形態の多関節型マニピュレータ装置の構成を模式的に示す概略構成図である。この多関節型マニピュレータ装置200では、リンク連設体20と、これに対応するリンク節構造を有する制御側リンク連設体20′とが接続体201を介して連結されている。
【0041】
リンク連設体20は、上記各実施形態と基本的に同様の構造を有し、接続体201に対してリンク部材21,22,23が順次関節部20A,20B,20Cを介して回動自在に連結されてなる。また、各関節部20A〜20Cの軸線と同軸に取り付けられた関節プーリ26,27,28と、これらの関節プーリ間に配置された中間プーリ20sとが設けられている。ここで、関節部20Aに対応するワイヤ211A,211Bは、その先端がリンク部材21に固定され、中間プーリ20s及び関節プーリ26に架設されて接続体201の内部を伸びるように架設されている。また、関節部20Bに対応するワイヤ212A,212Bは、その先端がリンク部材22に固定され、中間プーリ20s、関節プーリ27、中間プーリ20s、関節プーリ26に順次架設され、接続体201の内部に伸びるように架設されている。さらに、関節部20Cに対応するワイヤ213A,213Bは、その先端がリンク部材23に固定され、中間プーリ20s、関節プーリ28、中間プーリ20s、関節プーリ27、中間プーリ20s、関節プーリ26に順次架設され、接続体201の内部を伸びるように架設されている。なお、上記ワイヤは、その固定位置よりも基端側の範囲内において最も末端側にある中間プーリ20sに架設されることなく、上記範囲内で最も末端側にある関節プーリを最初の架設場所として基端側に向けて伸びるように架設されていても構わない。
【0042】
制御側リンク連設体20′は、上記リンク連設体20と同様の構成を有する。すなわち、接続体201に対して制御側リンク部材21′,22′,23′が順次制御側関節部20A′,20B′,20C′を介して回動自在に連結されてなる。また、各制御側関節部20A′〜20C′の軸線と同軸に取り付けられた制御側関節プーリ26′,27′,28′と、これらの制御側関節プーリ間に配置された制御側中間プーリ20s′とが設けられている。ここで、制御側関節部20A′には上記のワイヤ211A,211Bが対応し、その先端が制御側リンク部材21′に固定され、制御側中間プーリ20s′及び制御側関節プーリ26′に架設されている。また、制御側関節部20B′には上記のワイヤ212A,212Bが対応し、その先端が制御側リンク部材22′に固定され、制御側中間プーリ20s′、制御側関節プーリ27′、制御側中間プーリ20s′、制御側関節プーリ26′に順次架設されている。さらに、制御側関節部20C′には上記のワイヤ213A,213Bが対応し、その先端が制御側リンク部材23′に固定され、制御側中間プーリ20s′、制御側関節プーリ28′、制御側中間プーリ20s′、制御側関節プーリ27′、制御側中間プーリ20s′、制御側関節プーリ26′に順次架設されている。なお、上記ワイヤは、その固定位置よりも基端側(すなわち接続体201側)の範囲内において最も末端側にある制御側中間プーリ20s′に架設されることなく、上記範囲内で最も末端側にある制御側関節プーリを最初の架設場所として基端側(すなわち接続体201側)に向けて伸びるように架設されていても構わない。
【0043】
本実施形態の多関節型マニピュレータ200では、制御側リンク連設体20′を適宜に駆動することによって、ワイヤ211A,211B,212A,212B,213A,213Bを介して、リンク連設体20を略回転対称様に動作させることができる。なお、図示例では、動作だけでなく、リンク連設体20と制御側リンク連設体20′とが接続体201を中心として略回転対称の構成となっている。
【0044】
この実施形態では、リンク連設体20の各構成要素と、制御側リンク連設体20′の各構成要素とがそれぞれ対応している。すなわち、リンク部材21と制御側リンク部材21′とが対応し、リンク部材22と制御側リンク部材22′とが対応し、リンク部材23と制御側リンク部材23′とが対応する。また同様に、関節部20Aと制御側関節部20A′とが対応し、関節部20Bと制御側関節部20B′とが対応し、関節部20Cと制御側関節部20C′とが対応する。
【0045】
そして、制御側リンク連設体20′の上記構成要素が駆動されることによってリンク連設体20の対応する構成要素が回転対称様の態様で動作する。たとえば、制御側関節部20A′が図示下方へ屈曲するように駆動されたときには、ワイヤ211Aが制御側リンク連設体20′側に移動し、これに対応してワイヤ211Bがリンク連設体20側に移動するため、関節部20Aは図示上方に屈曲動作する。この関係は、制御側関節部20B′と関節部20B及び制御側関節部20C′と関節部20Cについてもそれぞれ同様である。
【0046】
本実施形態においても、リンク連設体20の複数の関節部を動作させようとする場合には、リンク連設体20の末端側の関節部に対応するワイヤの動作量は、リンク連設体20の基端側の全ての関節部に対応するワイヤの動作量の総和を基準として設定されなければならない。しかしながら、本実施形態では、リンク連設体20に対応するリンク節構造を有する制御側リンク連設体20′を駆動することによって各ワイヤを動作させるようにしているので、上記の異なる関節部に対応するワイヤ間の動作量の上記の関係が自動的に調整され、その結果、制御側リンク連設体20′を駆動することによって、ワイヤ間の動作量を殊更に調整しなくても、リンク連設体20を対応する態様(すなわち回転対称様の態様)で動作させることができる。
【0047】
[第5実施形態]
次に、図7を参照して、本発明に係る第5実施形態について説明する。この多関節型マニピュレータ装置200′は、上記第4実施形態と同様に構成された、リンク連設体20と、これに対応するリンク節構造を有する制御側リンク連設体20′とが接続体201′を介して連結されたものである。なお、リンク連設体20及び制御側リンク連設体20′は基本的に第4実施形態と同様であるので、これらの内部構造については同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0048】
本実施形態の多関節型マニピュレータ200′では、リンク連設体20と制御用リンク連設体20′とが接続体201′を介して線対称(ミラー対称)となるように配置されている。そして、接続体201′には、反転プーリ29A及び29Bがリンク連設体20と制御用リンク連設体20′との間に順次配置された状態で取り付けられている。ワイヤ211A,212A,213Aは、反転プーリ29Aに架設されることによって、リンク連設体20においては関節プーリ26〜28の一側(図示上側)を周回するように架設されている一方で、制御側リンク連設体20′においては制御側関節プーリ26′〜28′の他側(図示下側)を周回するように架設される。また、ワイヤ211B,212B,213Bは、反転プーリ29Bに架設されることによって、リンク連設体20においては関節プーリ26〜28の他側(図示下側)を周回するように架設されている一方で、制御側リンク連設体20′においては制御側関節プーリ26′〜28′の一側(図示上側)を周回するように架設される。
【0049】
上記のように構成することにより、御側リンク連設体20′を適宜に駆動することによって、ワイヤ211A,211B,212A,212B,213A,213Bを介して、リンク連設体20を略線対称(面対称或いはミラー対称)様に動作させることができる。なお、図示例では、動作だけでなく、リンク連設体20と制御側リンク連設体20′とが接続体201′を中心として略線対称(面対称或いはミラー対称)に構成されている。
【0050】
この実施形態でも、リンク連設体20の各構成要素と、制御側リンク連設体20′の各構成要素とがそれぞれ対応している。すなわち、リンク部材21と制御側リンク部材21′とが対応し、リンク部材22と制御側リンク部材22′とが対応し、リンク部材23と制御側リンク部材23′とが対応する。また同様に、関節部20Aと制御側関節部20A′とが対応し、関節部20Bと制御側関節部20B′とが対応し、関節部20Cと制御側関節部20C′とが対応する。
【0051】
そして、制御側リンク連設体20′の上記構成要素が駆動されることによってリンク連設体20の対応する構成要素が線対称(面対称或いはミラー対称)様の態様で動作する。たとえば、制御側関節部20A′が図示下方へ屈曲するように駆動されたときには、ワイヤ211Bが制御側リンク連設体20′側に移動し、これに対応してワイヤ211Aがリンク連設体20側に移動するため、関節部20Aは図示下方に屈曲動作する。この関係は、制御側関節部20B′と関節部20B及び制御側関節部20C′と関節部20Cについても同様である。
【0052】
本実施形態においても、リンク連設体20の複数の関節部を動作させようとする場合には、リンク連設体20の末端側の関節部に対応するワイヤの動作量は、リンク連設体20の基端側の全ての関節部に対応するワイヤの動作量の総和を基準として設定されなければならない。しかしながら、本実施形態では、リンク連設体20に対応するリンク節構造を有する制御側リンク連設体20′を駆動することによって各ワイヤを動作させるようにしているので、上記の異なる関節部に対応するワイヤ間の動作量の上記の関係が自動的に調整され、その結果、制御側リンク連設体20′を駆動することによって、ワイヤ間の動作量を殊更に調整しなくても、リンク連設体20を対応する態様(すなわち線対称(面対称或いはミラー対称)様の態様)で動作させることができる。
【0053】
[第6実施形態]
次に、図8を参照して、本発明に係る第6実施形態の多関節型マニピュレータ装置300について説明する。この実施形態では、基本的に上記第4実施形態や第5実施形態と同様に構成されたリンク連設体30と制御側リンク連設体30′とを有し、さらに、制御側リンク連設体30′の動作態様を検出する検出部301と、この検出部301から出力される信号に基づいて検出データを生成する検出データ生成手段302と、検出データ生成手段302によって形成された検出データを送信する送信手段303と、送信手段303によって送信された検出データを受信する受信手段304と、受信手段304によって受信された検出データに基づいてリンク連設体30を駆動するための駆動データを生成する駆動データ生成手段305と、駆動データ生成手段305によって生成された駆動データに基づいてリンク連設体30を駆動する駆動部306とを有する。ここで、検出部301及び検出データ生成手段302は検出手段を構成する。また、駆動データ生成手段305及び駆動部306は駆動手段を構成する。
【0054】
検出部301には、制御側リンク連設体30′の複数の制御側ワイヤを、それぞれ弾性部材を介して保持する保持構造と、各ワイヤの基端の位置を検出する検出器(光センサなど)とが設けられている。検出データ生成手段302は、検出部301の検出器の出力信号を受け取り、上記各ワイヤの基端の位置変化をそれぞれ求める演算を行うことにより検出データを生成する。ここで、検出データとしては、各ワイヤ基端の位置座標、位置の変化速度(単位時間当たりの位置の変化量)、加速度などのいずれであってもよい。
【0055】
検出データ生成手段302によって生成された検出データは、送信手段303により所定のプロトコルに従って送信され、受信手段304によって受信される。ここで、送信手段303と受信手段304の伝送態様は無線でも有線でもよく、また、電波でも光でもよい。
【0056】
また、受信手段304によって受信された上記検出データは、駆動データ生成手段305に導入され、ここで検出データに基づいて駆動データが生成される。駆動データは、上記検出データをそのままの形で反映するものであってもよく、或いは、上記検出データに何らかの演算を施して求めたものであってもよい。たとえば、検出データの符号を反転させて駆動データとしたり、リンク連設体30と制御側リンク連設体30′の寸法上の比率を検出データに乗算したりするなどである。
【0057】
駆動部306には、リンク連設体30に架設された複数のワイヤを、弾性部材を介して保持する保持構造と、各ワイヤの基端の位置を駆動する駆動器(モータと歯車など)とが設けられている。
【0058】
本実施形態では、制御用リンク連設体30′を駆動することによって、その検出データに基づいてリンク連設体30が動作する。このとき、送信手段303及び受信手段304が設けられていることによって、空間的な制約なしに、遠隔地でもリンク連設体30を適宜の場所で動作させることができる。また、リアルタイム制御ではなく、予め制御用リンク連設体30′を駆動して所定の動作態様について検出データを求めておき、リンク連設体30を制御駆動したい時点で、検出データを送信して駆動手段によりリンク連設体30を駆動してもよい。この場合、制御用リンク連設体30′と、検出部301及び検出データ生成手段302(検出手段)とは、リンク連設体30の駆動データを求めるための検出データを生成する装置として用いられる。
【0059】
また、上記のように送信手段303及び受信手段304を設けることなく、検出手段から直接に駆動手段にデータを受け渡し、これに基づいてリンク連設体30を動作させるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の基本構成を示す概略構成図(a)、(b)及び(c)。
【図2】第1実施形態の基本構成を示す概略構成図(a)、(b)及び(c)。
【図3】第1実施形態の完成状態を示す側面透視図(a)及び横断面図(b)。
【図4】第1実施形態の動作態様を示す概略構成図(a)、(b)及び(c)。
【図5】第2実施形態の概略構成図(a)及び第3実施形態の概略構成図(b)。
【図6】第4実施形態の概略構成図。
【図7】第5実施形態の概略構成図。
【図8】第6実施形態の概略構成図。
【符号の説明】
10…リンク連設体、10A,10B…関節部、11〜13…リンク部材、16,17…関節プーリ、10s…中間プーリ、10W…ワイヤ(駆動ワイヤ)、10V…ワイヤ(復帰ワイヤ)、15′…駆動源、15D′…駆動プーリ、29A,29B…反転プーリ、200,300…多関節マニピュレータ装置、201…接続体、211A〜213A,211B〜213B…ワイヤ、301…検出部、302…検出データ生成手段、303…送信手段、304…受信手段、305…駆動データ生成手段、306…駆動部
【発明の属する技術分野】
本発明は多関節型マニピュレータ装置に係り、特に、ロボットハンド或いはその指構造として好適な多関節型のマニピュレータ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、多関節型マニピュレータは、複数のリンク部材を関節部にて回転自在に連結してなるリンク連設体を有するものであり、ロボットハンドの指構造やロボットアームなどとして用いられている。この多関節型マニピュレータとしては、従来から関節毎にモータ等の駆動手段を設けるものが知られているが、小型のロボットハンドの指構造のように関節構造そのものが小型化されている場合や、ロボットアームであってもロボットの軽量化が要求される場合には、関節毎に駆動手段を設けることが不可能であるため、関節毎に設けた複数のプーリと、これらのプーリ間に架設された駆動ワイヤとを設け、この駆動ワイヤにより多数の関節を動作可能に構成したワイヤ駆動タイプの多関節型マニピュレータが種々提案されている。
【0003】
たとえば、プーリとシャフトとの間に所定トルクを閾値としてロック状態とフリー状態とを切り換えるクラッチ機構を関節毎に設け、隣接する関節のプーリ間をベルトによって連結した多関節ロボットハンドが知られている(たとえば、以下の特許文献1参照)。
【0004】
また、関節毎に電磁クラッチ/ブレーキを介した一対のプーリを同軸に設け、これらの一対のプーリのうちの一方のプーリに、駆動モータに連結された駆動ワイヤW1を架設し、他方のプーリにはリターンスプリングに接続された復帰ワイヤW2を架設してなる多関節マニピュレータが知られている(たとえば、以下の特許文献2参照)。これによれば、各関節に設けられた電磁クラッチ/ブレーキによるロック状態と解除状態の切換えに応じた関節毎の駆動制御を実現することができる。
【0005】
さらに、関節毎にピエゾ素子を設けて、ピエゾ素子のオンオフによってプーリとリンクとの間のロック状態とフリー状態とを切換え可能に構成したり、或いは、プーリとリンクとの間のトルク制御を行ったりすることによって各関節の動作態様を制御可能に構成したロボットアームが知られている(たとえば、以下の特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−301191号公報
【特許文献2】
特開平7−96485号公報
【特許文献3】
特開平9−239686号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のワイヤ駆動タイプの多関節型マニピュレータにおいては、一つの駆動機構によって複数の関節をそれぞれ独立に制御するために、クラッチ機構、電磁クラッチ/ブレーキ、ピエゾ素子或いはトルク制御器などを関節毎に設けていることから、構造が複雑になり、重量も増加し、しかも、高価になるという問題点がある。
【0008】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、複雑な機構や高価な部品を用いることなしに、複数のリンク連設体を独立に動作可能に構成することにより、軽量又は安価な多関節型マニピュレータ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の多関節型マニピュレータ装置は、複数のリンクを複数の関節部において回動自在に連結して構成され、前記複数の関節部において当該関節部の軸線とそれぞれ同軸に設けられた複数のプーリと、当該複数のプーリ間に架設されたワイヤとを備えたリンク連設体を具備する多関節型マニピュレータ装置であって、前記複数の関節部毎にそれぞれ対応する前記ワイヤを設け、前記ワイヤは、対応する一の前記関節部の末端側に接続された一の前記リンクに固定されるとともに、前記一の関節部の前記プーリ及びこれよりも基端側に配置された前記関節部の前記プーリに架設されて前記リンク連設体の基端側に引き出され、前記リンク連設体の基端側において複数の前記ワイヤをそれぞれ制御駆動するように構成したことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、各ワイヤは、対応する一の関節部の末端側に接続されたリンクに固定されるとともに、当該一の関節部のプーリ及びそれよりも基端側に配置された関節部のプーリに架設されていることにより、当該ワイヤによって上記対応する一の関節部を駆動することができる。そして、このようなワイヤをリンク連設体の関節部毎にそれぞれ対応して設けてあるので、これらの複数のワイヤを協調して駆動すれば、複数の関節部を独立に制御駆動できる。例えば、或る一の関節部のみを屈曲させるためには、当該関節部に対応するワイヤを所定量駆動するとともに、それよりも末端側の関節部に対応するワイヤを同じ量だけ駆動し、さらに、それよりも基端側の関節部に対応するワイヤを駆動しないようにすればよい。
【0011】
本発明において、前記複数のワイヤを制御駆動する制御駆動手段を有し、当該制御駆動手段において、前記一の関節部の前記プーリ及びこれよりも基端側に配置された前記関節部の前記プーリに架設された一の前記ワイヤに対する駆動量は、前記一の関節部よりも基端側に配置された他の前記関節部について、当該他の関節部の前記プーリ及びこれよりも基端側に配置された前記関節部の前記プーリに架設された他の前記ワイヤの駆動量の総和を基準として与えられることが好ましい。これによれば、或る関節部を駆動するときには、制御駆動手段は、当該関節部よりも基端側にある関節部の駆動量の総和(すなわち、或る関節部よりも基端側に一つの関節部だけが存在する場合にはその関節部のワイヤの駆動量、また、或る関節部よりも基端側に複数の関節部が存在する場合にはそれらの関節部のワイヤの駆動量の和)を基準として上記の関節部に対応するワイヤの駆動量を与えるようにしているため、基端側の他の関節部の屈曲状態が変化したことによるワイヤへの影響を補償することができることから、各関節部を完全に独立して駆動することができる。
【0012】
本発明において、前記制御駆動手段には、前記複数の関節部に対応する複数の制御側関節部を具備して前記リンク連設体と対応するリンク節構造を有する制御側リンク連設体が設けられ、当該制御側リンク連設体には、前記複数のワイヤが、直接若しくは間接的に、前記複数の制御側関節部に対して前記リンク連設体と対応する態様で架設されていることが好ましい。これによれば、制御側リンク連設体を操作駆動することにより、複数の制御側関節部の屈折角が適宜に変化されるため、これに応じて複数のワイヤが動作し、これらの複数のワイヤの動作によってリンク連設体が動作する。
【0013】
本発明において、前記制御駆動手段には、前記複数の関節部に対応する複数の制御側関節部を具備して前記リンク連設体と対応するリンク節構造を有する制御側リンク連設体が設けられ、当該制御側リンク連設体には、前記複数のワイヤと対応する複数の制御側ワイヤが前記複数の制御側関節部に対して前記リンク連設体と対応する態様で架設され、前記制御側ワイヤの動作を検出する検出手段と、当該検出手段の検出データに基づいて前記複数のワイヤを駆動する駆動手段とをさらに有することが好ましい。これによれば、リンク連設体と対応するリンク節構造を有する制御側リンク連設体が設けられ、この制御側リンク連設体には、上記複数のワイヤと対応する複数の制御側ワイヤがリンク連設体と同態様若しくは逆態様となるように架設されていることにより、制御側リンク連設体を適宜に動作させたときの複数の制御側ワイヤの動きが検出手段によって検出され、この検出データに基づいて駆動手段によって複数のワイヤが駆動されるため、制御側リンク連設体の駆動態様と対応する動作態様でリンク連設体を動作させることができる。この場合、リンク連設体と対応する構成を有する制御側リンク連設体を駆動することによって制御側ワイヤを動作させて上記検出データを得るようにしているため、複数のワイヤの駆動態様とリンク連設体の動作態様との間に複雑な関係が存在しても、リンク連設体を駆動するためのワイヤの駆動態様をきわめて容易に導出することができる。
【0014】
本発明において、前記検出手段において得られた前記検出データを送信する送信手段と、当該送信手段により送信された前記検出データを受信して前記駆動手段に送出する受信手段とをさらに有することが好ましい。上記の検出データが送信手段及び受信手段を介して伝達されるように構成されていることにより、遠隔位置においてもリンク連設体を容易に制御駆動できる。
【0015】
本発明において、前記関節部毎に、前記ワイヤとして、同一方向に牽引したときに前記関節部を相互に逆方向に回動させることのできる一対のワイヤが設けられていることが好ましい。これらの一対のワイヤは、一方のワイヤをリンク連設体の基端側に牽引すると、他方のワイヤがリンク連設体の末端側に向けて引き出され、これに応じて上記関節部が回動するように構成される。より具体的には、一対のワイヤそれぞれは、リンク連設体の複数の関節部にそれぞれ設けられた複数のプーリの間にそれぞれ中間プーリが設けられ、関節部に設けられた前記プーリと、中間プーリに交互にジグザグ(波線)状に架設される。このとき、一方のワイヤが関節部に設けられた前記プーリの一側を周回するように架設されているとすれば、他方のワイヤは関節部に設けられた前記プーリの他側を周回するように架設される。
【0016】
本発明において、前記リンク連設体の基端側に駆動プーリを有し、前記一対のワイヤは、実質的に一体化された状態で前記駆動プーリに相互に反対回りに架設されていることが好ましい。このようにすると、駆動プーリを回転させることによって一方のワイヤを牽引するとともに他方のワイヤを解放することができるため、リンク連設体を容易に駆動することができる。
【0017】
本発明において、前記一方のワイヤを解放したときに他方のワイヤを牽引する復帰ばねを有することが好ましい。復帰ばねを用いることにより、一方のワイヤのみを駆動すればリンク連設体を制御することができるため、全体をより簡易な構成とすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明に係る多関節型マニピュレータ装置の実施形態について詳細に説明する。
【0019】
[第1実施形態]
最初に、図1乃至図4を参照して本実施形態の多関節マニピュレータ装置に用いるリンク連設体の第1実施形態について説明する。図1及び図2は、本実施形態の多関節マニピュレータ装置におけるリンク連設体の基本構成について示す概略構成図である。このリンク連設体10は、図1に示すように、リンク部材11,12,13が基端側(図示左側)から末端側(図示右側)に向けて順次関節部10A及び10Bにおいて回動自在に連結されてなる。関節部10A及び10Bには、これらの関節部の軸線と同軸に関節プーリ16,17が設けられている。また、関節プーリ16と17との間にはリンク部材12に軸支された中間プーリ10sが設けられ、また、リンク部材13においては関節プーリ17の末端側に中間プーリ10sが設けられている。
【0020】
ここで、関節プーリ16,17は、接続される両側のリンク部材のいずれか一方に対して固定されていてもよく、或いは、両側のリンク部材のいずれに対しても回転自在に軸支されていてもよく、或いはまた、両側のリンク部材の少なくとも一方に対して回動可能に取り付けられていてもよい。これは、関節プーリ16,17が自由に回転しなくても、結果的にワイヤがプーリに対して摺動することによって関節部に対して移動可能に構成されていればよいからである。
【0021】
上記構成において、図1(a)に示すように、リンク部材13に対して固定位置13aにて固定されたワイヤ10Wが基端側に向けて順次に上記関節プーリ16,17及び中間プーリ10sに架設されている。このワイヤ10Wは、末端側から基端側に向けて配列されるプーリ列に対して内側(図示下側)と外側(図示上側)に交互に架設される。より具体的には、ワイヤ10Wは、関節プーリ16,17の内側を周回する態様で架設されている。
【0022】
また、上記構成において、図1(b)に示すように、リンク部材13に対して固定位置13bにて固定されたワイヤ10Vが上記関節プーリ16,17及び中間プーリ10sに架設されている。このワイヤ10Vは、末端側から基端側に向けて配列されるプーリ列に対して内側と外側に交互に架設される。より具体的には、ワイヤ10Vは、関節プーリ16,17の外側を周回する態様で架設されている。
【0023】
図1(c)は、リンク連設体10にワイヤ10W及び10Vを共に装着した状態を示すものである。ワイヤ10Wと10Vは、リンク部材11〜13を関節部10A及び10Bにおいて相互に逆方向に回動させるように駆動するものである。すなわち、ワイヤ10Wを基端側に牽引したとき、ワイヤ10Vは末端側に引き出され、関節部10A及び10Bが図示の伸長状態から内側(図示下側)に屈曲した状態となる。逆に、ワイヤ10Vを基端側に牽引したとき、ワイヤ10Wは末端側に引き出され、関節部10A及び10Bの屈曲状態は図示の伸長状態に復帰する。これは、関節部10A及び10Bが内側に屈曲すると、ワイヤ10Wの架設経路の長さは短くなり、ワイヤ10Vの架設経路の長さは長くなるからである。
【0024】
図2は、上記リンク連設体10にワイヤ10Xを架設した状態(a)、ワイヤ10Yを架設した状態(b)及びワイヤ10X及び10Yの双方を架設した状態(c)を示すものである。ワイヤ10Xは、リンク部材12に対して固定位置12aにて固定され、基端方向に中間プーリ10s及び関節プーリ16に順次架設されている。ここで、ワイヤ10Xは関節プーリ16の内側(図示下側)を周回する態様で架設されている。また、ワイヤ10Yは、リンク部材12に対して固定位置12bにて固定され、基端方向に中間プーリ10s及び関節プーリ16に順次架設されている。ここで、ワイヤ10Yは関節プーリ16の外側(図示上側)を周回する態様で架設されている。
【0025】
ワイヤ10Xと10Yもまた、リンク部材11,12を関節部10Aにおいて相互に逆方向に回動させるように駆動するものである。すなわち、ワイヤ10Xを基端側に牽引したとき、ワイヤ10Yは末端側に引き出され、関節部10Aが図示の伸長状態から内側(図示下側)に屈曲した状態となる。逆に、ワイヤ10Yを基端側に牽引したとき、ワイヤ10Xは末端側へ引き出され、関節部10Aの屈曲状態は図示の伸長状態に復帰する。これは、関節部10Aが内側に屈曲すると、ワイヤ10Xの架設経路の長さは短くなり、ワイヤ10Yの架設経路の長さは長くなるからである。
【0026】
図3には、完成状態のリンク連設体10の構造を示す側面透視図(a)及び横断面図(b)を示す。リンク連設体10には、上記のワイヤ10W、10V、10X、10Yが上述のようにそれぞれ架設されている。このリンク連設体10では、ワイヤ10Xを基端側に牽引し、ワイヤ10Yを解放して同量末端側に引き出されるようにすることにより、図4(a)に示すように関節部10Aを屈曲させることができる。また、このとき、ワイヤ10Wをワイヤ10Xと同じ基端側に同量牽引し、ワイヤ10Vを解放してワイヤYと同様に末端側へ同量引き出されるようにすることによって、図4(b)に示すように関節部10Bを伸長状態に維持することができる。また、ワイヤ10X及び10Y(図示せず)を固定した状態で、ワイヤ10Wを基端側に牽引し、ワイヤ10Yを解放して末端側に同量引き出されるようにすることにより、図4(c)に示すように関節部10Bを屈曲させることができる。
【0027】
ここで、リンク連設体10においては、関節部10Aに対応するワイヤ10X及び10Yは、当該関節部10Aの末端側に接続されたリンク部材12に固定され、そこから基端側に架設された状態となっている。また、関節部10Bに対応するワイヤ10W及び10Vは、当該関節部10Bの末端側に接続されたリンク部材13に固定され、そこから基端側に架設された状態となっている。そして、関節部10Aに対応するワイヤ10X及び10Yを動作させることによって関節部10Aを回動させることができるが、関節部10Bに対応するワイヤ10W及び10Vは、ワイヤ10X及び10Yの動作量を基準として動作させることによって関節部10Bを回動させることができる。すなわち、関節部10Bにおいてリンク部材12と13を相対的に回動させようとしたとき、その回動量に対応する動作量でワイヤ10W及び10Vを動作させるだけでなく、そのときのワイヤ10X及び10Yの動作量を加えた量だけワイヤ10W及び10Vを動作させる必要がある。これは、関節部10Bよりも基端側にある関節部10Aの屈曲状態によってワイヤ10W及び10Vの架設経路が影響を受けるからである。
【0028】
この実施形態では、ワイヤ10W,10Vと、ワイヤ10X,10Yとをそれぞれ駆動することによってリンク連設体10の2つの関節部10A、10Bを独立に回動動作させることができる。ワイヤの駆動は、図示しない駆動源(電動モータや圧電素子など)を用いることもできるし、また、各ワイヤを手動で操作することも可能である。ここで、ワイヤ10Wと10Vとは常に相互に同量だけ逆方向に動作させればよく、また、ワイヤ10Xと10Yもまた相互に同量だけ逆方向に動作させればよい。また、上記のように、ワイヤ10W,10Vの動作量は、ワイヤ10X,10Yの動作量を基準として設定すればよい。すなわち、ワイヤ10X,10Yの動作量が0であれば、ワイヤ10X,10Yの動作量はそのまま関節部10Bの所望の回動量に対応したものとすればよく、ワイヤ10X,10Yの動作量が0でなければ、ワイヤ10W,10Vの動作量は、ワイヤ10X,10Yの動作量に関節部10Bの所望の回動量に対応した動作量を加えたものとすればよい。
【0029】
本実施形態によれば、リンク連設体10の複数の関節部10A,10Bについてそれぞれ独立にその屈曲状態を制御駆動することができるため、正確かつ確実な動作を行うことができる。また、関節部に関節プーリを同軸に設け、中間プーリと関節プーリとにワイヤを架設するだけでよいため、従来のように関節部にクラッチ機構、ロック機構、ブレーキ機構などを設ける必要がなくなるため、関節部の軽量化及び小型化を容易に達成することができ、また、製造コストを低減できる。
【0030】
[第2実施形態]
次に、図5(a)を参照して、本発明に係る第2実施形態の多関節型マニピュレータ装置について説明する。上記第1実施形態では、リンク連設体の構造のみについて説明したが、本実施形態は、上記リンク連設体を駆動する駆動手段について説明する。図5(a)に示すように、本実施形態のリンク連設体10′においては、リンク部材11′〜14′までが関節部10A′〜10C′において回動自在に連結されている。関節部10A′〜10C′には、関節プーリ16′〜18′がそれぞれの関節部の軸線と同軸に取り付けられている。関節プーリの間には中間プーリ10s′が取り付けられている。
【0031】
ワイヤ10W′は、リンク部材14′に対して固定位置14a′に固定され、配列された各プーリに対して内側及び外側に交互に架設されて、基端側に向けて伸び、やがて、リンク連設体10′の基端側において駆動プーリ15D′に架設される。ここで、ワイヤ10W′は、上記架設経路において、関節プーリ16′〜18′の外側(図示上側)を周回し、また、中間プーリ10s′の内側(図示下側)を周回する態様で、配列されたプーリの列に対して内側と外側に交互に架設される。
【0032】
駆動プーリ15D′は、電動モータ等の駆動源15′に接続されて正逆両方向に回転駆動されるように構成されている。駆動プーリ15D′を半周周回したワイヤ10W′は、今度は末端側に向けて順次プーリ列に対して内側と外側に交互に架設され、やがてリンク部材14′の固定位置14a′において固定される。この架設経路においては、上記とは逆に、関節プーリ16′〜18′の内側(図示下側)を周回し、また、中間プーリ10s′の外側(図示上側)を周回する態様で、配列されたプーリの列に対して内側と外側に交互に架設される。
【0033】
このリンク連設体10′は、駆動プーリ15D′を図示時計回りに回転させると、ワイヤ10W′によって関節部10A′〜10C′が図示の伸長状態から内側(図示下側)に屈曲した屈曲状態となり、駆動プーリ15D′を図示反時計回りに回転させると、屈曲状態から図示の伸長状態に復帰するように構成されている。ここで、図5(a)には、関節部10C′に対応するワイヤ10W′のみを示してあるが、関節部10A′,10B′にそれぞれ対応する図示しないワイヤも同様に架設され、図示しない別の駆動プーリに架設される。すなわち、関節部10A′に対応するワイヤは、リンク部材12′に固定されて関節プーリ16′に架設された後に図示しない駆動プーリを経て再び関節プーリ16′に架設された後に再びリンク部材12′に固定される。ここで、このワイヤはリンク部材12′に取り付けられた中間プーリ10s′に架設されてもよい。また、関節部10B′に対応するワイヤは、リンク部材13′に固定され、関節プーリ17′、中間プーリ10s′及び関節プーリ16′に順次架設された後に、図示しない駆動プーリに架設されて再び関節プーリ16′、中間プーリ10s′及び関節プーリ17′に架設された後に、リンク部材13′に固定される。ここで、このワイヤはリンク部材13′に取り付けられた中間プーリ10s′に架設されてもよい。
【0034】
第1実施形態においては、各関節部に対応する一対のワイヤが設けられていたのに対して、本実施形態では、これらの一対のワイヤが一体化されて駆動プーリ15D′に架設され、駆動されるように構成されている。しかしながら、一対のワイヤを一体化せずに、駆動プーリにそれぞれ固定するとともに、この駆動プーリに対して反対回りに架設することによって、本実施形態と同様の機能を有するように構成することができる。この場合においても、駆動プーリ15D′を介して一対のワイヤが実質的に一体化されたものとなるため、本実施形態の上記構成と同様に、一対のワイヤが実質的に一体化された状態で、駆動プーリに対して相互に反対回りに架設されたものとなっている。
【0035】
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、各関節部10A′〜10C′にそれぞれ対応するワイヤ間において、末端側の関節部に対応するワイヤの動作量は、基端側の関節部に対応するワイヤの動作量を基準として設定される。本実施形態では3つの関節部10A′〜10C′が存在しているため、例えば、最も末端側の関節部10C′に対応するワイヤ10W′の動作量は、関節部10A′に対応する図示しないワイヤの動作量と、関節部10B′に対応する図示しないワイヤの動作量との和を基準として設定される。
【0036】
[第3実施形態]
次に、図5(b)を参照して、本発明に係る第3実施形態の多関節型マニピュレータ装置について説明する。この実施形態のリンク連設体10″では、上記第2実施形態のリンク連設体10′と同様に構成された、リンク部材11″、12″、13″,14″と、関節部10A″、10B″、10C″と、関節プーリ16″、17″、18″と、各関節プーリ間に配置された中間プーリ10s″とを有する。ただし、このリンク連設体10″では、その一端がリンク部材14″の固定位置14a″に固定され、関節プーリ16″〜18″の内側(図示下側)を周回し、中間プーリ10s″の外側(図示上側)を周回する態様で、配列されたプーリ列に対して内側と外側に交互に架設された屈曲動作用のワイヤ10W″と、その一端がリンク部材14″の固定位置14a″に固定され、関節プーリ16″〜18″の外側(図示上側)を周回し、中間プーリ10s″の内側(図示下側)を周回する態様で、配列されたプーリ列に対して内側と外側に交互に架設された伸長動作用のワイヤ10V″とを別々に有している。そして、ワイヤ10W″の他端は、駆動源15″によって回転駆動される駆動プーリ15D″に固定され、ワイヤ10V″の他端は、復帰ばね19″を介して保持されている。
【0037】
この第3実施形態においては、駆動プーリ15D″を(図示時計回りに)回転させることによってワイヤ10W″を牽引すると、リンク連設体10″は内側(図示下側)に屈曲した状態になる。このとき、ワイヤ10V″は復帰ばね19″の弾性力に抗して末端側に引き出される。次に、駆動プーリ15D″を(図示反時計周りに)戻すことによってワイヤ10W″に対する牽引力を解放すると、復帰ばね19″の弾性力によってワイヤ10V″が牽引されるとともにこれに対応してワイヤ10W″が引き出されることによって、リンク連設体10″は図示の伸長状態に復帰する。
【0038】
この第3実施形態においては、上記のようにワイヤ10V″の他端が復帰ばね19″を介して固定されることによって、ワイヤ10W″を戻すことにより、リンク連設体10″が伸長状態に復帰するように構成されているが、上記ワイヤ10V″及び復帰ばね19″の代わりに、ワイヤ10V″をゴムのような弾性部材で構成し、その基端を保持(固定)してもよく、また、個々の関節プーリ16″〜18″に復帰ばねを設けて、関節プーリ16″〜18″のそれぞれを元の回動角度に復帰させるように構成してもよい。ここで、個々の関節プーリに設けられる復帰ばねとしては、関節部の軸に挿通されて両側のリンク部材に係合したトーションスプリングなどが挙げられる。
【0039】
なお、この第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、図5(b)には関節部10C″に対応するワイヤ10W″及び10V″のみを図示してある。したがって、関節部10A″に対応する図示しない一対のワイヤは図示しない駆動プーリと復帰ばねに接続され、また、関節部10B″に対応する図示しない一対のワイヤは図示しない別の駆動プーリと復帰ばねに接続される。また、末端側の関節部に対応する一対のワイヤと、基端側の関節部に対応する一対のワイヤとの動作量の関係も第2実施形態と同様である。
【0040】
[第4実施形態]
図6は、本発明に係る第4実施形態の多関節型マニピュレータ装置の構成を模式的に示す概略構成図である。この多関節型マニピュレータ装置200では、リンク連設体20と、これに対応するリンク節構造を有する制御側リンク連設体20′とが接続体201を介して連結されている。
【0041】
リンク連設体20は、上記各実施形態と基本的に同様の構造を有し、接続体201に対してリンク部材21,22,23が順次関節部20A,20B,20Cを介して回動自在に連結されてなる。また、各関節部20A〜20Cの軸線と同軸に取り付けられた関節プーリ26,27,28と、これらの関節プーリ間に配置された中間プーリ20sとが設けられている。ここで、関節部20Aに対応するワイヤ211A,211Bは、その先端がリンク部材21に固定され、中間プーリ20s及び関節プーリ26に架設されて接続体201の内部を伸びるように架設されている。また、関節部20Bに対応するワイヤ212A,212Bは、その先端がリンク部材22に固定され、中間プーリ20s、関節プーリ27、中間プーリ20s、関節プーリ26に順次架設され、接続体201の内部に伸びるように架設されている。さらに、関節部20Cに対応するワイヤ213A,213Bは、その先端がリンク部材23に固定され、中間プーリ20s、関節プーリ28、中間プーリ20s、関節プーリ27、中間プーリ20s、関節プーリ26に順次架設され、接続体201の内部を伸びるように架設されている。なお、上記ワイヤは、その固定位置よりも基端側の範囲内において最も末端側にある中間プーリ20sに架設されることなく、上記範囲内で最も末端側にある関節プーリを最初の架設場所として基端側に向けて伸びるように架設されていても構わない。
【0042】
制御側リンク連設体20′は、上記リンク連設体20と同様の構成を有する。すなわち、接続体201に対して制御側リンク部材21′,22′,23′が順次制御側関節部20A′,20B′,20C′を介して回動自在に連結されてなる。また、各制御側関節部20A′〜20C′の軸線と同軸に取り付けられた制御側関節プーリ26′,27′,28′と、これらの制御側関節プーリ間に配置された制御側中間プーリ20s′とが設けられている。ここで、制御側関節部20A′には上記のワイヤ211A,211Bが対応し、その先端が制御側リンク部材21′に固定され、制御側中間プーリ20s′及び制御側関節プーリ26′に架設されている。また、制御側関節部20B′には上記のワイヤ212A,212Bが対応し、その先端が制御側リンク部材22′に固定され、制御側中間プーリ20s′、制御側関節プーリ27′、制御側中間プーリ20s′、制御側関節プーリ26′に順次架設されている。さらに、制御側関節部20C′には上記のワイヤ213A,213Bが対応し、その先端が制御側リンク部材23′に固定され、制御側中間プーリ20s′、制御側関節プーリ28′、制御側中間プーリ20s′、制御側関節プーリ27′、制御側中間プーリ20s′、制御側関節プーリ26′に順次架設されている。なお、上記ワイヤは、その固定位置よりも基端側(すなわち接続体201側)の範囲内において最も末端側にある制御側中間プーリ20s′に架設されることなく、上記範囲内で最も末端側にある制御側関節プーリを最初の架設場所として基端側(すなわち接続体201側)に向けて伸びるように架設されていても構わない。
【0043】
本実施形態の多関節型マニピュレータ200では、制御側リンク連設体20′を適宜に駆動することによって、ワイヤ211A,211B,212A,212B,213A,213Bを介して、リンク連設体20を略回転対称様に動作させることができる。なお、図示例では、動作だけでなく、リンク連設体20と制御側リンク連設体20′とが接続体201を中心として略回転対称の構成となっている。
【0044】
この実施形態では、リンク連設体20の各構成要素と、制御側リンク連設体20′の各構成要素とがそれぞれ対応している。すなわち、リンク部材21と制御側リンク部材21′とが対応し、リンク部材22と制御側リンク部材22′とが対応し、リンク部材23と制御側リンク部材23′とが対応する。また同様に、関節部20Aと制御側関節部20A′とが対応し、関節部20Bと制御側関節部20B′とが対応し、関節部20Cと制御側関節部20C′とが対応する。
【0045】
そして、制御側リンク連設体20′の上記構成要素が駆動されることによってリンク連設体20の対応する構成要素が回転対称様の態様で動作する。たとえば、制御側関節部20A′が図示下方へ屈曲するように駆動されたときには、ワイヤ211Aが制御側リンク連設体20′側に移動し、これに対応してワイヤ211Bがリンク連設体20側に移動するため、関節部20Aは図示上方に屈曲動作する。この関係は、制御側関節部20B′と関節部20B及び制御側関節部20C′と関節部20Cについてもそれぞれ同様である。
【0046】
本実施形態においても、リンク連設体20の複数の関節部を動作させようとする場合には、リンク連設体20の末端側の関節部に対応するワイヤの動作量は、リンク連設体20の基端側の全ての関節部に対応するワイヤの動作量の総和を基準として設定されなければならない。しかしながら、本実施形態では、リンク連設体20に対応するリンク節構造を有する制御側リンク連設体20′を駆動することによって各ワイヤを動作させるようにしているので、上記の異なる関節部に対応するワイヤ間の動作量の上記の関係が自動的に調整され、その結果、制御側リンク連設体20′を駆動することによって、ワイヤ間の動作量を殊更に調整しなくても、リンク連設体20を対応する態様(すなわち回転対称様の態様)で動作させることができる。
【0047】
[第5実施形態]
次に、図7を参照して、本発明に係る第5実施形態について説明する。この多関節型マニピュレータ装置200′は、上記第4実施形態と同様に構成された、リンク連設体20と、これに対応するリンク節構造を有する制御側リンク連設体20′とが接続体201′を介して連結されたものである。なお、リンク連設体20及び制御側リンク連設体20′は基本的に第4実施形態と同様であるので、これらの内部構造については同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0048】
本実施形態の多関節型マニピュレータ200′では、リンク連設体20と制御用リンク連設体20′とが接続体201′を介して線対称(ミラー対称)となるように配置されている。そして、接続体201′には、反転プーリ29A及び29Bがリンク連設体20と制御用リンク連設体20′との間に順次配置された状態で取り付けられている。ワイヤ211A,212A,213Aは、反転プーリ29Aに架設されることによって、リンク連設体20においては関節プーリ26〜28の一側(図示上側)を周回するように架設されている一方で、制御側リンク連設体20′においては制御側関節プーリ26′〜28′の他側(図示下側)を周回するように架設される。また、ワイヤ211B,212B,213Bは、反転プーリ29Bに架設されることによって、リンク連設体20においては関節プーリ26〜28の他側(図示下側)を周回するように架設されている一方で、制御側リンク連設体20′においては制御側関節プーリ26′〜28′の一側(図示上側)を周回するように架設される。
【0049】
上記のように構成することにより、御側リンク連設体20′を適宜に駆動することによって、ワイヤ211A,211B,212A,212B,213A,213Bを介して、リンク連設体20を略線対称(面対称或いはミラー対称)様に動作させることができる。なお、図示例では、動作だけでなく、リンク連設体20と制御側リンク連設体20′とが接続体201′を中心として略線対称(面対称或いはミラー対称)に構成されている。
【0050】
この実施形態でも、リンク連設体20の各構成要素と、制御側リンク連設体20′の各構成要素とがそれぞれ対応している。すなわち、リンク部材21と制御側リンク部材21′とが対応し、リンク部材22と制御側リンク部材22′とが対応し、リンク部材23と制御側リンク部材23′とが対応する。また同様に、関節部20Aと制御側関節部20A′とが対応し、関節部20Bと制御側関節部20B′とが対応し、関節部20Cと制御側関節部20C′とが対応する。
【0051】
そして、制御側リンク連設体20′の上記構成要素が駆動されることによってリンク連設体20の対応する構成要素が線対称(面対称或いはミラー対称)様の態様で動作する。たとえば、制御側関節部20A′が図示下方へ屈曲するように駆動されたときには、ワイヤ211Bが制御側リンク連設体20′側に移動し、これに対応してワイヤ211Aがリンク連設体20側に移動するため、関節部20Aは図示下方に屈曲動作する。この関係は、制御側関節部20B′と関節部20B及び制御側関節部20C′と関節部20Cについても同様である。
【0052】
本実施形態においても、リンク連設体20の複数の関節部を動作させようとする場合には、リンク連設体20の末端側の関節部に対応するワイヤの動作量は、リンク連設体20の基端側の全ての関節部に対応するワイヤの動作量の総和を基準として設定されなければならない。しかしながら、本実施形態では、リンク連設体20に対応するリンク節構造を有する制御側リンク連設体20′を駆動することによって各ワイヤを動作させるようにしているので、上記の異なる関節部に対応するワイヤ間の動作量の上記の関係が自動的に調整され、その結果、制御側リンク連設体20′を駆動することによって、ワイヤ間の動作量を殊更に調整しなくても、リンク連設体20を対応する態様(すなわち線対称(面対称或いはミラー対称)様の態様)で動作させることができる。
【0053】
[第6実施形態]
次に、図8を参照して、本発明に係る第6実施形態の多関節型マニピュレータ装置300について説明する。この実施形態では、基本的に上記第4実施形態や第5実施形態と同様に構成されたリンク連設体30と制御側リンク連設体30′とを有し、さらに、制御側リンク連設体30′の動作態様を検出する検出部301と、この検出部301から出力される信号に基づいて検出データを生成する検出データ生成手段302と、検出データ生成手段302によって形成された検出データを送信する送信手段303と、送信手段303によって送信された検出データを受信する受信手段304と、受信手段304によって受信された検出データに基づいてリンク連設体30を駆動するための駆動データを生成する駆動データ生成手段305と、駆動データ生成手段305によって生成された駆動データに基づいてリンク連設体30を駆動する駆動部306とを有する。ここで、検出部301及び検出データ生成手段302は検出手段を構成する。また、駆動データ生成手段305及び駆動部306は駆動手段を構成する。
【0054】
検出部301には、制御側リンク連設体30′の複数の制御側ワイヤを、それぞれ弾性部材を介して保持する保持構造と、各ワイヤの基端の位置を検出する検出器(光センサなど)とが設けられている。検出データ生成手段302は、検出部301の検出器の出力信号を受け取り、上記各ワイヤの基端の位置変化をそれぞれ求める演算を行うことにより検出データを生成する。ここで、検出データとしては、各ワイヤ基端の位置座標、位置の変化速度(単位時間当たりの位置の変化量)、加速度などのいずれであってもよい。
【0055】
検出データ生成手段302によって生成された検出データは、送信手段303により所定のプロトコルに従って送信され、受信手段304によって受信される。ここで、送信手段303と受信手段304の伝送態様は無線でも有線でもよく、また、電波でも光でもよい。
【0056】
また、受信手段304によって受信された上記検出データは、駆動データ生成手段305に導入され、ここで検出データに基づいて駆動データが生成される。駆動データは、上記検出データをそのままの形で反映するものであってもよく、或いは、上記検出データに何らかの演算を施して求めたものであってもよい。たとえば、検出データの符号を反転させて駆動データとしたり、リンク連設体30と制御側リンク連設体30′の寸法上の比率を検出データに乗算したりするなどである。
【0057】
駆動部306には、リンク連設体30に架設された複数のワイヤを、弾性部材を介して保持する保持構造と、各ワイヤの基端の位置を駆動する駆動器(モータと歯車など)とが設けられている。
【0058】
本実施形態では、制御用リンク連設体30′を駆動することによって、その検出データに基づいてリンク連設体30が動作する。このとき、送信手段303及び受信手段304が設けられていることによって、空間的な制約なしに、遠隔地でもリンク連設体30を適宜の場所で動作させることができる。また、リアルタイム制御ではなく、予め制御用リンク連設体30′を駆動して所定の動作態様について検出データを求めておき、リンク連設体30を制御駆動したい時点で、検出データを送信して駆動手段によりリンク連設体30を駆動してもよい。この場合、制御用リンク連設体30′と、検出部301及び検出データ生成手段302(検出手段)とは、リンク連設体30の駆動データを求めるための検出データを生成する装置として用いられる。
【0059】
また、上記のように送信手段303及び受信手段304を設けることなく、検出手段から直接に駆動手段にデータを受け渡し、これに基づいてリンク連設体30を動作させるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の基本構成を示す概略構成図(a)、(b)及び(c)。
【図2】第1実施形態の基本構成を示す概略構成図(a)、(b)及び(c)。
【図3】第1実施形態の完成状態を示す側面透視図(a)及び横断面図(b)。
【図4】第1実施形態の動作態様を示す概略構成図(a)、(b)及び(c)。
【図5】第2実施形態の概略構成図(a)及び第3実施形態の概略構成図(b)。
【図6】第4実施形態の概略構成図。
【図7】第5実施形態の概略構成図。
【図8】第6実施形態の概略構成図。
【符号の説明】
10…リンク連設体、10A,10B…関節部、11〜13…リンク部材、16,17…関節プーリ、10s…中間プーリ、10W…ワイヤ(駆動ワイヤ)、10V…ワイヤ(復帰ワイヤ)、15′…駆動源、15D′…駆動プーリ、29A,29B…反転プーリ、200,300…多関節マニピュレータ装置、201…接続体、211A〜213A,211B〜213B…ワイヤ、301…検出部、302…検出データ生成手段、303…送信手段、304…受信手段、305…駆動データ生成手段、306…駆動部
Claims (8)
- 複数のリンクを複数の関節部において回動自在に連結して構成され、前記複数の関節部において当該関節部の軸線とそれぞれ同軸に設けられた複数のプーリと、当該複数のプーリ間に架設されたワイヤとを備えたリンク連設体を具備する多関節型マニピュレータ装置であって、
前記複数の関節部毎にそれぞれ対応する前記ワイヤを設け、
前記ワイヤは、対応する一の前記関節部の末端側に接続された一の前記リンクに固定されるとともに、前記一の関節部の前記プーリ及びこれよりも基端側に配置された前記関節部の前記プーリに架設されて前記リンク連設体の基端側に引き出され、
前記リンク連設体の基端側において複数の前記ワイヤをそれぞれ制御駆動するように構成したことを特徴とする多関節型マニピュレータ装置。 - 前記複数のワイヤを制御駆動する制御駆動手段を有し、当該制御駆動手段において、前記一の関節部の前記プーリ及びこれよりも基端側に配置された全ての前記関節部の前記プーリに架設された一の前記ワイヤに対する駆動量は、前記一の関節部よりも基端側に配置された他の前記関節部について、当該他の関節部の前記プーリ及びこれよりも基端側に配置された前記関節部の前記プーリに架設された他の前記ワイヤの駆動量の総和を基準として与えられることを特徴とする請求項1に記載の多関節型マニピュレータ装置。
- 前記制御駆動手段には、前記複数の関節部に対応する複数の制御側関節部を具備して前記リンク連設体と対応するリンク節構造を有する制御側リンク連設体が設けられ、当該制御側リンク連設体には、前記複数のワイヤが、直接若しくは間接的に、前記複数の制御側関節部に対して前記リンク連設体と対応する態様で架設されていることを特徴とする請求項2に記載の多関節型マニピュレータ装置。
- 前記制御駆動手段には、前記複数の関節部に対応する複数の制御側関節部を具備して前記リンク連設体と対応するリンク節構造を有する制御側リンク連設体が設けられ、当該制御側リンク連設体には、前記複数のワイヤと対応する複数の制御側ワイヤが前記複数の制御側関節部に対して前記リンク連設体と対応する態様で架設され、
前記制御側ワイヤの動作を検出する検出手段と、当該検出手段の検出データに基づいて前記複数のワイヤを駆動する駆動手段とをさらに有することを特徴とする請求項2に記載の多関節型マニピュレータ装置。 - 前記検出手段において得られた前記検出データを送信する送信手段と、当該送信手段により送信された前記検出データを受信して前記駆動手段に送出する受信手段とをさらに有することを特徴とする請求項4に記載の多関節型マニピュレータ装置。
- 前記関節部毎に、前記ワイヤとして、同一方向に牽引したときに前記関節部を相互に逆方向に回動させることのできる一対のワイヤが設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の多関節型マニピュレータ装置。
- 前記制御駆動手段は前記リンク連設体の基端側に駆動プーリを有し、前記一対のワイヤは、実質的に一体化された状態で前記駆動プーリに相互に反対回りに架設されていることを特徴とする請求項6に記載の多関節マニピュレータ装置。
- 前記一方のワイヤを解放したときに他方のワイヤを前記リンク連設体の基端側に牽引する復帰ばねを有することを特徴とする請求項6に記載の多関節マニピュレータ装置。
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