JP2004223687A - 多関節型マニピュレータ装置 - Google Patents

多関節型マニピュレータ装置 Download PDF

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JP2004223687A JP2003017410A JP2003017410A JP2004223687A JP 2004223687 A JP2004223687 A JP 2004223687A JP 2003017410 A JP2003017410 A JP 2003017410A JP 2003017410 A JP2003017410 A JP 2003017410A JP 2004223687 A JP2004223687 A JP 2004223687A
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Junichiro Shinozaki
順一郎 篠▲崎▼
Kunio Tabata
邦夫 田端
Hiroichi Sekino
博一 関野
Hideki Kojima
英揮 小島
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Abstract

【課題】複雑な機構や高価な部品を用いることなしに、複数のリンク連設体を対象物の形状に応じて柔軟に動作するように構成することにより、軽量且つ高速動作が可能で安価な多関節型マニピュレータ装置を提供する。
【解決手段】本発明の多関節型マニピュレータ装置200は、複数のリンクを複数の関節部において回動自在に連結して構成され、複数の関節部においてその軸線とそれぞれ同軸に設けられた複数のプーリと、複数のプーリ間に架設されたワイヤとを備えたリンク連設体10″を複数備え、複数のワイヤ若しくはこれに実質的に連結されたワイヤのうち、いずれか少なくとも2つのワイヤ10W″(A)、10W″(B)が架設された可動プーリ210を有し、この2つのワイヤは、実質的に一体化された状態で可動プーリに対して相互に反対回りに架設されている。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は多関節型マニピュレータ装置に係り、特に、ロボットハンド或いはその指構造として好適な多関節型のマニピュレータ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、多関節型マニピュレータは、複数のリンク部材を関節部にて回転自在に連結してなるリンク連設体を有するものであり、ロボットハンドの指構造やロボットアームなどとして用いられている。この多関節型マニピュレータとしては、従来から関節毎にモータ等の駆動手段を設けるものが知られているが、小型のロボットハンドの指構造のように関節構造そのものが小型化されている場合や、ロボットアームであってもロボットの軽量化が要求される場合には、関節毎に駆動手段を設けることが不可能であるため、関節毎に設けた複数のプーリと、これらのプーリ間に架設された駆動ワイヤとを設け、この駆動ワイヤにより多数の関節を動作可能に構成したワイヤ駆動タイプの多関節型マニピュレータが種々提案されている。
【0003】
たとえば、関節毎に電磁クラッチ/ブレーキを介した一対のプーリを同軸に設け、これらの一対のプーリのうちの一方のプーリに、駆動モータに連結された駆動ワイヤW1を架設し、他方のプーリにはリターンスプリングに接続された復帰ワイヤW2を架設してなる多関節マニピュレータが知られている(たとえば、以下の特許文献1参照)。これによれば、各関節に設けられた電磁クラッチ/ブレーキによるロック状態と解除状態の切換えに応じた関節毎の駆動制御を実現することができる。
【0004】
また、関節毎にピエゾ素子を設けて、ピエゾ素子のオンオフによってプーリとリンクとの間のロック状態とフリー状態とを切換え可能に構成したり、或いは、プーリとリンクとの間のトルク制御を行ったりすることによって各関節の動作態様を制御可能に構成したロボットアームが知られている(たとえば、以下の特許文献2参照)。
【0005】
さらに、上記のリンク連設体によって構成される複数の指を有する多指可動ロボットハンドにおいては、差動歯車機構を用いることによって一つの駆動源によって複数の指を駆動することができるように構成したものが知られている(たとえば、以下の特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−96485号公報
【特許文献2】
特開平9−239686号公報
【特許文献3】
特開2001−277175号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のワイヤ駆動タイプの多関節型マニピュレータにおいては、一つの駆動機構によって複数の関節をそれぞれ独立に制御するために、電磁クラッチ/ブレーキ、ピエゾ素子或いはトルク制御器などを関節毎に設けていることから、構造が複雑になり、重量も増加し、しかも、高価になるという問題点がある。
【0008】
また、上記の多指可動ロボットハンドにおいては、複数のマニピュレータ(指)を一つの駆動源にて駆動するために重量があり高価な差動歯車機構を用いていることから、重量が増加するとともにコストが増大するという問題点がある。
【0009】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、複雑な機構や高価な部品を用いることなしに、複数のリンク連設体を対象物の形状に応じて柔軟に屈曲動作可能に構成することにより、軽量且つ高速動作が可能で安価な多関節型マニピュレータ装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の多関節型マニピュレータ装置は、複数のリンクを複数の関節部において回動自在に連結して構成され、前記複数の関節部において当該関節部の軸線とそれぞれ同軸に設けられた複数のプーリと、当該複数のプーリ間に架設されたワイヤとを備えたリンク連設体を複数備えた多関節型マニピュレータ装置であって、前記複数のリンク連設体にそれぞれ設けられた複数のワイヤ若しくはこれに実質的に連結されたワイヤのうち、いずれか少なくとも2つのワイヤが架設された可動プーリを有し、前記2つのワイヤは、実質的に一体化された状態で前記可動プーリに対して相互に反対回りに架設されていることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、可動プーリを移動させることによって2つのリンク連設体を共に駆動することが可能になるとともに、把持対象の形状に応じて柔軟に2つのリンク連設体を対応させ、確実に把持することができる。たとえば、一方のリンク連設体の動作抵抗が高まった場合には可動プーリの回転或いは可動プーリに対するワイヤの摺動により他方のリンク連設体のみを動作させることもできる。したがって、多関節型マニピュレータ装置において、単一の駆動源により、可動プーリという簡易な構造によって複数のリンク連設体を柔軟に動作させることを可能にしつつ、構造を複雑化することもなく、また、高価な部品を用いることもなく、軽量かつ安価に構成することができる。
【0012】
なお、「2つのワイヤが実質的に一体化された状態で前記可動プーリに対して相互に反対回りに架設されている」とは、一方のワイヤを可動プーリから引き出すと、他方のワイヤが可動プーリに巻き取られる関係にあることをいう。したがって、2つのワイヤを連結した状態で可動プーリに架設させてもよく、或いは、2つのワイヤをそれぞれ可動プーリに固定した上で、可動プーリに対して相互に反対回りに架設させた状態としてもよい。
【0013】
次に、本発明の異なる多関節型マニピュレータ装置は、複数のリンクを複数の関節部において回動自在に連結して構成され、前記複数の関節部において当該関節部の軸線とそれぞれ同軸に設けられた複数のプーリと、当該複数のプーリ間に架設されたワイヤとを備えたリンク連設体を複数備えた多関節型マニピュレータ装置であって、前記複数のリンク連設体にそれぞれ設けられた複数のワイヤ若しくはこれに実質的に連結されたワイヤのうち、いずれか少なくとも2つのワイヤが架設された可動プーリを有し、前記可動プーリは、相互に一体化された異なるプーリ径を有するプーリ部分を備え、前記2つのワイヤは、実質的に一体化された状態でそれぞれ前記可動プーリの異なるプーリ径を有する前記プーリ部分に対して相互に反対回りに架設されていることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、可動プーリを移動させることによって2つのリンク連設体を共に駆動することが可能になるとともに、把持対象の形状に応じて柔軟に2つのリンク連設体を対応させ、確実に把持することができる。たとえば、一方のリンク連設体の動作抵抗が高まった場合には可動プーリの回転或いは可動プーリに対するワイヤの摺動により他方のリンク連設体のみを動作させることもできる。したがって、多関節型マニピュレータ装置において、単一の駆動源によって、可動プーリという簡易な構造によって複数のリンク連設体を柔軟に動作させることを可能にしつつ、構造を複雑化することもなく、また、高価な部品を用いることもなく、軽量かつ安価に構成することができる。
【0015】
さらに、可動プーリの異なるプーリ径を有するプーリ部に対して、2つのワイヤが相互に反対回りに架設されていることにより、可動プーリを移動させたときに生ずる応力を2つのワイヤに対してプーリ径の比率に反比例する比率にて分配して与えることができるので、プーリ径の比率によって上記2つのワイヤを異なる駆動力比率にて牽引することが可能になる。したがって、装置に含まれる複数のリンク連設体を単一の駆動源によって適宜の駆動力比率で駆動することができるため、リンク連設体の配置や構成、或いは、把持対象の形状などに応じて最適な把持態様を実現できる。
【0016】
本発明において、前記リンク連設体に設けられた前記複数の関節部のプーリ径が相互に異なることが好ましい。これによれば、リンク連設体の複数のプーリ径が相互に異なることによって、ワイヤの駆動によって生ずる各関節部における回動トルクを相互に変えることができるため、各関節部に応じた回動トルクを設定することが可能になる。
【0017】
本発明において、前記リンク連設体における基端側にある前記関節部における前記プーリ径は、末端側にある前記関節部における前記プーリ径よりも大きいことが望ましい。通常、末端側の関節部よりも先にあるリンク部材の数は少ないために当該関節部の回動負荷は小さく、基端側の関節部よりも先にあるリンク部材の数は多いために当該関節部の回動負荷は大きいことから、基端側の関節部のプーリ径を末端側の関節部のプーリ径よりも大きくすることによって基端側の関節部の回動トルクを大きくすることができるため、リンク連設体を全体としてバランスのとれた態様で動作させることが可能になる。したがって、たとえば、把持対象の形状に対して関節の屈曲状態をより柔軟に適合させることも可能になる。
【0018】
本発明において、前記ワイヤを牽引することによって前記リンク連設体を屈曲状態に移行させることができるように構成され、屈曲状態にある前記リンク連設体を伸長状態に復帰させるための復元力を発生する復元手段を有することが好ましい。復元手段としては屈曲状態を伸長状態に戻すための弾性部材があり、この弾性部材はリンク連設体の全体に作用するものであってもよく、また、リンク連設体内の各関節部にそれぞれ弾性部材が設けられていてもよい。
【0019】
本発明において、前記復元手段は、前記リンク連設体に架設された復帰ワイヤと、当該復帰ワイヤを基端側に牽引する牽引手段とを含むことが好ましい。ここで、牽引手段は、前記ワイヤと前記復帰ワイヤとが実質的に一体化された状態で架設される上記とは別の可動プーリを含む場合がある。この場合、上記各手段における上記ワイヤは、当該別の可動プーリを移動させるための別のワイヤに相当するものとなる。これによれば、関節毎に復元手段を構成する部品を設ける必要がなくなり、全体として簡易に構成できる。
【0020】
本発明において、前記牽引手段は、前記復帰ワイヤに一端が接続され他端が保持された復帰ばねを含むことが好ましい。復帰ばねを用いることにより簡易な構成で確実に復元作用を生じさせることができる。
【0021】
本発明において、前記複数の関節部に相互に異なる回動負荷(回動抵抗)を設定することで、前記関節部の動作順番が制御されることが好ましい。回動負荷を設定することによって複数の関節部間に動作の優先順位を設定することができるため、状況に応じた動作態様を実現できる。すなわち、動作順番の最も早い1番目の関節部が動作し、その1番目の関節部の動作が妨げられると2番目の関節部が動作し、この2番目の関節部の動作が妨げられると3番目の関節部が動作する、といった態様で、複数の関節部の動作が制御される。ここで、上記の回動負荷としてはたとえば摩擦負荷が挙げられる。
【0022】
なお、前記ワイヤは末端の前記リンク部材に固定された状態で各関節部のプーリに架設されていることが好ましい。また、前記復帰ワイヤについても、末端の前記リンク部材に固定された状態で各関節部のプーリに架設されていることが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明に係る多関節型マニピュレータ装置の実施形態について詳細に説明する。最初に、図1乃至図5を参照して本実施形態の多関節マニピュレータ装置に用いるリンク連設体の基本構成について説明する。
【0024】
[第1基本構成例]
図1は、本実施形態に用いることのできるリンク連設体の第1基本構成例を示すものである。ここで、リンク連設体10においては、基端側(図示左端側)から末端側(図示右端側)に向けて、複数のリンク部材11,12,13,14,15が順次関節部10A,10B,10C,10Dを介して回転自在に連結されている。各関節部10A,10B,10C,10Dにはそれぞれ関節プーリ16,17,18,19が設けられている。各関節プーリ16〜19は、それぞれ関節部10A〜10Dの軸線と同軸に設けられている。ここで、各関節プーリ16〜19は、リンク部材11〜15のうちの前後に連結された2つのリンク部材のいずれかに固定されていてもよく、いずれかに所定の回転抵抗を持って軸支されていてもよく、或いは、いずれのリンク部材に対しても回転自在に取り付けられていてもよい。また、各関節プーリの間には、中間プーリ10sが各リンク部材11〜15にそれぞれ取り付けられている。
【0025】
図1(a)は、上記関節プーリ16〜19にワイヤ10Wを架設した状態を示すものである。このワイヤ10Wは屈曲動作用のワイヤ(駆動ワイヤ)である。ワイヤ10Wは、関節プーリ16、中間プーリ10s、関節プーリ17、中間プーリ10s、関節プーリ18、中間プーリ10s、関節プーリ19に順次架設され、その先端は、末端のリンク部材15に固定位置15aにて固定されている。ここで、ワイヤ10Wは関節プーリ16〜19の内側(図示下側)を周回し、中間プーリ10sの外側(図示上側)を周回する態様で、配列されたプーリの列に対して内側と外側に交互に架設される。
【0026】
図1(b)は、上記関節プーリ16〜19にワイヤ10Vを架設した状態を示すものである。このワイヤ10Vは伸長動作用のワイヤ(復帰ワイヤ)である。ワイヤ10Vは、関節プーリ16、中間プーリ10s、関節プーリ17、中間プーリ10s、関節プーリ18、中間プーリ10s、関節プーリ19に順次架設され、その先端は、末端のリンク部材15に固定位置15aにて固定されている。ここで、ワイヤ10Vは関節プーリ16〜19の外側(図示上側)を周回し、中間プーリ10sの内側(図示下側)を周回する態様で、配列されたプーリの列に対して内側と外側に交互に架設される。
【0027】
実際には、上記ワイヤ10Wとワイヤ10Vとを共に架設することによって、リンク連設体10が形成される。このリンク連設体10においては、図1に示す伸長状態において図2に矢印で示すようにワイヤ10Wの基端側部分を基端方向に牽引すると、各リンク部材11〜15の関節部10A〜10Dが内側(図示下側)に屈曲する。すなわち、ワイヤ10Wを引っ張ることによってワイヤ10Wの架設経路が短くなる方向に屈曲するのである。ところで、このとき、ワイヤ10Vもまた架設されている場合には、図2に示すように各リンク部材11〜15が屈曲することにより、上記のワイヤ10Wとは反対にワイヤ10Vの架設経路は長くなるので、図3に矢印で示すように、ワイヤ10Vは末端方向に引き出されることになる。一方、図3に示す屈曲状態でワイヤ10Vを基端方向に引っ張ることにより、図1に示す伸長状態に復帰させることができる。このときにはワイヤ10Wは逆に末端方向に引き出される。
【0028】
なお、中間プーリ10sを設けることにより、ワイヤ10W,10Vを複数の関節プーリに架設するに際して、常に架設される複数の関節プーリの内側又は外側のいずれか一方にのみ当該ワイヤを周回させることができるとともに、ワイヤによるリンク部材の回動角度を広げることができる。ここで、上記構成例と同様の機能を有する構成とするためには、中間プーリ10sである必要はなく、単にワイヤに摺接可能に構成された架設部材であってもよく、また、ワイヤ10Wと10Vとに対してそれぞれ別の中間プーリその他の架設部材を用いても構わない。このことは、以下に説明するものなど、他の全てのリンク連設体についても同様である。
【0029】
[第2基本構成例]
図4(a)には、リンク連設体の第2基本構成例として、上記第1基本構成例の駆動ワイヤと復帰ワイヤとを基端側において一体に連結してなる構成に相当するリンク連設体10′を示す。このリンク連設体10′においては、リンク部材11′,12′,13′,14′が関節部10A′,10B′,10C′において回転自在に連結されており、関節部10A′〜10C′にはそれぞれ関節プーリ16′、17′、18′が同軸に設けられている。各関節プーリ16′〜18′間には、それぞれ中間プーリ10s′が配置されている。ワイヤ10W′の一端は、末端側のリンク部材14′の固定位置14a′に固定され、ここから関節プーリ18′、中間プーリ10s′、関節プーリ17′、中間プーリ10s′、関節プーリ16′に順次架設される。ここで、ワイヤ10W′は、上記架設経路において、関節プーリ16′〜18′の外側(図示上側)を周回し、また、中間プーリ10s′の内側(図示下側)を周回する態様で、配列されたプーリの列に対して内側と外側に交互に架設される。
【0030】
そして、ワイヤ10W′は、その先に配置された駆動プーリ15D′に架設される。駆動プーリ15D′は駆動源(モータ)15′の出力に接続され、正逆いずれの方向にも回転可能に構成されている。ワイヤ10W′は、駆動プーリ15D′に対して半周巻回され、その先が再び末端側に伸びて、関節プーリ16′、中間プーリ10s′、関節プーリ17′、中間プーリ10s′、関節プーリ18′に順次架設され、最後にリンク部材14′の固定位置14a′にて固定される。この架設経路においては、上記とは逆に、関節プーリ16′〜18′の内側(図示下側)を周回し、また、中間プーリ10s′の外側(図示上側)を周回する態様で、配列されたプーリの列に対して内側と外側に交互に架設される。
【0031】
上記のように構成されたリンク連設体10′においては、駆動プーリ15D′を回転させることによって、連結された複数のリンク部材11′〜14′を屈曲させたり伸長させたりすることができる。この第2基本構成例におけるワイヤ10W′は、上記第1基本構成例における屈曲動作用のワイヤ10W(駆動ワイヤ)と伸長動作用のワイヤ10V(復帰ワイヤ)の双方に相当する働きを行う。
【0032】
なお、この構成例では駆動ワイヤと復帰ワイヤとを一体化して駆動プーリに架設した例を示したが、駆動ワイヤと復帰ワイヤとを一体化せずに、別々にそれらの端部を駆動プーリに固定し、駆動ワイヤの上記端部からリンク連設体側の部分を駆動プーリに対して反時計回りに架設し、復帰ワイヤの上記端部からリンク連設体側の部分を駆動プーリに対して時計回りに架設する構成でも、上記と同様の機能を有する。この場合でも、両ワイヤは実質的に一体化された状態で駆動プーリに対して相互に反対回りに架設されたものとなる。
【0033】
[第3基本構成例]
次に、図4(b)を参照して、第3基本構成例について説明する。この例に示すリンク連設体10″では、上記第2基本構成例と同様に構成された、リンク部材11″、12″、13″,14″と、関節部10A″、10B″、10C″と、関節プーリ16″、17″、18″と、各関節プーリ間に配置された中間プーリ10s″とを有する。ただし、この第3基本構成例では、その一端がリンク部材14″の固定位置14a″に固定され、関節プーリ16″〜18″の内側(図示下側)を周回し、中間プーリ10s″の外側(図示上側)を周回する態様で、配列されたプーリ列に対して内側と外側に交互に架設された屈曲動作用のワイヤ10W″と、その一端がリンク部材14″の固定位置14a″に固定され、関節プーリ16″〜18″の外側(図示上側)を周回し、中間プーリ10s″の内側(図示下側)を周回する態様で、配列されたプーリ列に対して内側と外側に交互に架設された伸長動作用のワイヤ10V″とを有している。そして、ワイヤ10W″の他端は駆動源15″によって回転駆動される駆動プーリ15D″に固定され、ワイヤ10V″の他端は復帰ばね19″を介して保持されている。
【0034】
この第3基本構成例においては、駆動プーリ15D″を(図示時計回りに)回転させることによってワイヤ10W″を牽引すると、リンク連設体10″は図2及び図3に示す態様と同様に屈曲状態になる。このとき、ワイヤ10V″は復帰ばね19″の弾性力に抗して末端側に引き出される。次に、駆動プーリ15D″を(図示反時計周りに)戻すことによってワイヤ10W″に対する牽引力を解放すると、復帰ばね19″の弾性力によってワイヤ10V″が牽引されるとともにこれに対応してワイヤ10W″が引き出されることによって、リンク連設体10″は図示の伸長状態に復帰する。
【0035】
この第3基本構成例においては、上記のようにワイヤ10V″の他端が復帰ばね19″を介して固定されることによって、ワイヤ10W″を戻すことにより、リンク連設体10″が伸長状態に復帰するように構成されているが、上記ワイヤ10V″及び復帰ばね19″の代わりに、ワイヤ10V″をゴムのような弾性部材で構成し、その基端を保持(固定)してもよく、また、個々の関節プーリ16″〜18″に復帰ばねを設けて、関節プーリ16″〜18″のそれぞれを元の回動角度に復帰させるように構成してもよい。ここで、個々の関節プーリに設けられる復帰ばねとしては、関節部の軸に挿通されて両側のリンク部材に係合したトーションスプリングなどが挙げられる。
【0036】
[第4基本構成例]
図5は、本発明に係る第4基本構成例のリンク連設体20の構成を模式的に示す概略構成図である。このリンク連設体20では、基端側から末端側に向けて複数のリンク部材21、22,23,24,25が関節部20A,20B,20C,20Dにおいてそれぞれ回転自在に連結されている。各関節部20A〜20Dにはそれぞれ関節プーリ26,27,28,29が各関節部の軸線と同軸に軸支されている。また、各関節プーリの間には中間プーリ20sがそれぞれ軸支されている。上記の関節プーリ26〜29及び中間プーリ20sには、プーリ列の配列方向に内側と外側に交互にワイヤ20W及び20Vが架設されている。ワイヤ20Wは関節プーリ26〜29の内側(図示下側)を周回し、ワイヤ20Vは関節プーリ26〜29の外側(図示上側)を周回するように架設されている。すなわち、ワイヤ20Wは中間プーリ20sの外側(図示上側)を周回し、ワイヤ20Vは中間プーリ20sの内側(図示下側)を周回するように架設されている。
【0037】
この実施形態では、関節プーリ26〜29が相互に異なるプーリ径を備えている。これによって、より大きなプーリ径を有する関節プーリが設けられている関節部では、関節プーリに対するワイヤ20Wの巻き付け角が大きくなるとともに駆動半径も大きくなるので、その分、リンク部材を回動するための回動トルクが大きくなる。したがって、より大きな回動トルクを必要とする関節部においてより大きなプーリ径を有する関節プーリを設ければよい。たとえば、図示例では、リンク連設体20の基端側の関節部20Aから末端側の関節部20Dに向かうに従って、順次に関節プーリ26〜29のプーリ径が小さくなるように構成してある。つまり、末端側の関節部(たとえば20D)ではより少ない数のリンク部材(たとえばリンク部材25の一つだけ)を駆動すればよいため回動負荷が小さいのに対して、基端側の関節部(たとえば20A)ではより多くの数(リンク部材22から25の計4つ)のリンク部材を駆動しなければならないため、回動負荷が大きくなり、より大きな回動トルクが必要になる。したがって、末端側の関節プーリよりも基端側の関節プーリのプーリ径を大きくすることにより、基端側の関節部における回動トルクを大きくすることができるため、全体としてバランスの取れた関節駆動を行うことができる。
【0038】
なお、この基本構成例においては、図示例のように、中間プーリ20sについても、基端側のプーリ径を末端側のプーリ径よりも大きく構成することが望ましい。これによってさらにバランスのとれた、スムーズな動作を生じさせることが可能になる。
【0039】
この実施形態によれば、関節プーリ26〜29の少なくとも2つのプーリ径を相互に異なるものとすることにより、各関節部20A〜20Dの回動トルクを制御することが可能になり、その結果、リンク連設体のリンク節構造の寸法や構造、或いは、把持対象の形状などに応じて最適な動作を生じさせることが可能になる。
【0040】
[第5基本構成例]
次に、図9を参照して本発明に係る第5基本構成例について説明する。このリンク連設体30は、基本的に上記第1基本構成例と同様のリンク部材31,32,33,34,35が関節部30A,30B,30C,30Dにおいて回動自在に連結されている。また、各関節部にはそれぞれ関節プーリ36,37,38,39が設けられ、これらの関節プーリ間に中間部材30sが各リンク部材に取り付けられた構造となっている。なお、このリンク連設体30では中間部材30sは回転可能なプーリではなく、単に後述するワイヤを摺動自在に架設することのできる固定された中間部材として構成される。この実施形態を含め、上記のいずれの構成例や実施形態でも、中間プーリの代わりにこのような中間部材を用いることができ、いずれにしてもワイヤを摺動可能に架設できる何らかの架設部材であればよい。なお、中間部材30sは末端の関節部30Dのさらに末端側にも一つ配置されている。
【0041】
ワイヤ30W,30Vは、リンク部材35の末端側に設けられた固定位置35aにて固定され、それぞれ関節プーリ36〜39及び中間部材30sに交互に架設されている。ここで、ワイヤ30Wは各関節プーリに対してその内側(図示下側)を周回する態様で架設される。また、ワイヤ30Vは各関節プーリに対してその外側(図示上側)を周回する態様で架設される。
【0042】
本実施形態では、各関節部30A〜30Dのうちの少なくとも二つに相互に異なる回動負荷を設定してある。例えば基部側の関節部に末端側の関節部より大きな負荷を設けている。これによって、末端側の関節部が先に内側に屈曲して物体Qを包み込み、末端側の関節部の屈曲動作が物体Qによって妨げられると、基部側の関節部が屈曲するといったように末端側の関節部の屈曲動作が優先し、順次基端側の関節部の屈曲動作が行われる。その結果、リンク連設体30は物体Qを指先で手繰り寄せながら最後に全体をつかむ態様で把持することができる。
【0043】
各関節部30A〜30Dにおける回動負荷は、例えば、当該関節部に(関節部にて連結される一対のリンク部材間に)設定される適宜の摩擦負荷によって付与できる。この摩擦負荷は、たとえば、一対のリンク部材間の締め付け強度を変えたり、一対のリンク部材間の摺接面の表面粗さを変えたりすることによって調整できる。また、一対のリンク部材間に適宜のオイルダンパーを設け、このオイル量を変えることなどによっても調整可能である。
【0044】
なお、以上説明した第1基本構成例〜第5基本構成例のリンク連設体は、以下に説明する第1実施形態〜第3実施形態のいずれの多関節型マニピュレータ装置にも適用することができるものである。したがって、以下に説明する各実施形態において、その基本構成を上記の第1基本構成例〜第5基本構成例のいずれの構成にするかは任意であり、また、各実施形態におけるリンク連設体の構成を各基本構成例のいずれに変更して構成しても構わない。
【0045】
[第1実施形態]
次に、図6を参照して本発明に係る第1実施形態について説明する。この実施形態は、一対のリンク連設体10″(A),10″(B)を設けた多関節型マニピュレータ装置200である。リンク連設体10″は、上述のように、ワイヤ(駆動ワイヤ)を牽引若しくは復帰させることによってそれぞれ屈曲動作及び伸長動作を行わせることが可能に構成されている。なお、もう一本のワイヤ(復帰ワイヤ)は上記と同様に復帰ばね19″を介して固定されている。
【0046】
この多関節型マニピュレータ装置200においては、一対のリンク連設体10″(A),10″(B)にそれぞれ設けられたワイヤ(駆動ワイヤ)10W″(A)と10W″(B)を連結させて一本のワイヤとして構成し、これを可動プーリ210に架設し、この可動プーリ210を移動可能(牽引若しくは復帰可能)に構成したものである。また、架設態様によっては図示例のようにワイヤの延伸方向を変える補助プーリ(定滑車)212,213を用いることもできる。
【0047】
なお、上記構成の代わりに、ワイヤ10W″(A)と10W″(B)とを別々に可動プーリ210に固定した上で、これらの固定部分よりもリンク連設体側の部分を可動プーリ210に対して相互に反対回りに架設してもよい。このようにしても上記と同様の機能を有する構成となる。すなわち、ワイヤ10W″(A)と10W″(B)とが実質的に一体化されて可動プーリ210に対して相互に反対回りに架設されていればよい。
【0048】
この実施形態では、可動プーリ210を図示矢印方向に牽引することによって、一対のリンク連設体10″(A),10″(B)において共にワイヤ10W″(A),10W″(B)を牽引することができ、その結果、共に屈曲状態にすることができる。ただし、一方のリンク連設体10″(A)において外部応力によって屈曲が妨げられた場合には、可動プーリ210が回転して、他方のリンク連設体10″(B)のみを屈曲状態にすることが可能になる。また、一般的に言えば、一対のリンク連設体間において駆動抵抗に差がある場合には、その差に応じて一対のリンク連設体間に動作態様の差が生ずることになる。
【0049】
この実施形態では、一対のリンク連設体10″(A),10″(B)が相互に向かい合わせになるように対向配置され、一方のリンク連設体10″(A)の屈曲方向と、他方のリンク連設体10″(B)の屈曲方向とが、相互にもう一方のリンク連設体側に向かう成分を有するように(好ましくは図示例のように片方のリンク連設体がもう一方のリンク連設体側に屈曲するように)構成することができる。したがって、これらのリンク連設体10″(A),10″(B)によって各種の物品等の任意形状の把持対象を把持することが可能になる。この場合、把持対象の形状などに起因して、一方のリンク連設体10″(A)と他方のリンク連設体10″(B)の屈折度合が相互に異なっても、可動プーリ210において両リンク連設体におけるワイヤの牽引量が自動的に調整される。また、各リンク連設体においても、複数の関節部における屈曲角度は、各関節部が受ける動作抵抗に応じて自動的に調整されるため、そのリンク節構造は把持対象の形状に合致した屈曲形状になる。
【0050】
なお、この実施形態において、各リンク連設体として上記第4基本構成例のリンク連設体20(図5参照)を用いることができる。これによって、各リンク連設体内の複数の関節部間の回動トルクの設定を調整することが可能になり、より把持対象の形状に適合した屈曲形状を実現することが可能になる。
【0051】
[第2実施形態]
次に、図7を参照して、本発明に係る第2実施形態について説明する。この実施形態は、上記第1実施形態と同様のリンク連設体10″(A),10″(B),10″(C)を複数(図示例では三つ)連設してなる多関節型マニピュレータ装置300である。リンク連設体10″(A)を駆動するワイヤ10W″(A)と、リンク連設体10W″(B)を駆動するワイヤ10W″(B)とは一体化されて可動プーリ310に架設され、この可動プーリ310はワイヤ311によって移動可能に構成されている。以上の構成は基本的に第1実施形態の多関節型マニピュレータ装置200と同様である。なお、補助プーリ312,313によってワイヤ10W″(A)の架設経路が適宜に設定されている。なお、上記ワイヤ10W″(A)と10W″(B)が実質的に一体化されて可動プーリ310に対して相互に反対回りに架設されていればよい点は上記第1実施形態と同様である。
【0052】
本実施形態では、上記ワイヤ311は、可動プーリ320に架設されている。可動プーリ320は、小径プーリ部320Aと、大径プーリ部320Bとが一体に(すなわち相互に固定された状態に)構成されたものである。ここで、小径プーリ部320Aのプーリ径(半径)Daは、大径プーリ部320Bのプーリ径(半径)Dbよりも小さく構成されている。ワイヤ311は、小径プーリ部320Aに固定されるとともに小径プーリ部320Aに架設されている。可動プーリ320はワイヤ321によって移動可能に構成されている。また、可動プーリ320の大径プーリ部320Bには、もう一つのリンク連設体10″(C)の駆動ワイヤであるワイヤ10W″(C)が固定され、架設されている。ここで、ワイヤ10W″(C)の可動プーリ320に対する架設方向は、ワイヤ311の架設方向に対して反対回りになっている。なお、ワイヤ311は、補助プーリ323,324によって架設され、その架設経路が適宜に設定されている。
【0053】
本実施形態では、ワイヤ321を牽引力Fで牽引したとき、可動プーリ320に架設されたワイヤ311に加わる牽引分力Faと、ワイヤ10W″(C)に加わる牽引分力Fbとの間には理想的には以下の関係が成立する。
F=Fa+Fb … (1)
Fa×Da=Fb×Db … (2)
これらの関係によって、可動プーリ320の小径プーリ部320Aのプーリ径Daと大径プーリ部320Bのプーリ部Dbとの比率によって、ワイヤ311に対する牽引分力Faとワイヤ10W″(C)に対する牽引分力Fbとの比率を任意に設定することができる。たとえば、可動プーリが理想的な滑車であるとすれば、プーリ径Daをプーリ径Dbの半分に設定することによって、牽引分力Faを牽引分力Fbの2倍にすることができる。これによって、可動プーリ320の各プーリ部のプーリ径によって各リンク連設体10″(A)、10″(B)、10″(C)をそれぞれ駆動するワイヤ10W″(A)〜10W″(C)の駆動力を適宜に設定できる。たとえば、図示例において上記のように牽引分力Faが牽引分力Fbの2倍になっていれば、牽引分力Fbは可動プーリ310にて二分されてそれぞれリンク連設体10″(A)と10″(B)とを駆動することになるので、結局、3つのリンク連設体10″(A)、10″(B)、10″(C)には均等な駆動力が加わることになる。
【0054】
なお、上記構成において、複数のリンク連設体のうちいずれか一つ以上に大きな駆動抵抗が加わって動作しにくくなった場合には、可動プーリ310及び320の差動作用により、より低い駆動抵抗を受けるリンク連設体を優先的に動作させることができる。この点は上記第1実施形態と同様である。
【0055】
[第3実施形態]
次に、図8を参照して本発明に係る第3実施形態について説明する。この実施形態は上記各実施形態の構成を用いて構成したロボットハンド400である。このロボットハンド400は、ハンド本体401に対して、複数の指駆動体402,403,404が接続されている。各指駆動体402〜404は、上記各実施形態のリンク連設体に相当するリンク節構造を有する。このロボットハンド400では、複数の指駆動体によって適宜の物品等の把持対象物Pを把持することができる。
【0056】
ここで、たとえば図示例では3本の指駆動体が設けられ、2本の指駆動体402,404の屈曲方向がほぼ同一であるのに対して、残り1本の指駆動体403の屈曲方向は、上記指駆動体402,404とは反対方向で、上記指駆動体402,404に向かう向きに設定されている。このように、複数の指駆動体のうち、相互に対向配置されて略反対方向に屈曲する指駆動体を有する場合、相互に対向配置される指駆動体間における駆動力をほぼ均等に設定しないと、把持対象物Pを確実に把持することができない場合がある。たとえば、上記の3つの指駆動体402〜404のそれぞれに対する駆動力をほぼ均等に構成した場合、指駆動体402,404の合計駆動力は、対向する指駆動体403の駆動力のほぼ2倍になるため、相互に対向する指駆動体間の駆動力のバランスが崩れ、把持対象物Pをしっかりと把持することが難しくなる。
【0057】
そこで、本実施形態では、指駆動体402,404のそれぞれの駆動力を、指駆動体403の駆動力の半分に設定する。これによって、指駆動体402,404の合計駆動力は指駆動体403の駆動力とほぼ釣り合うので、把持対象物Pに対して左右から与える把持力が均衡し、結果として把持対象物Pを確実に把持することが可能になる。このように指駆動体402,404の駆動力と、指駆動体403の駆動力とを異ならしめる方法としては、上記第1実施形態の可動プーリ210に接続されたワイヤ211と、さらにもう一つの図示しないリンク連設体の駆動ワイヤとを実質的に一体化させた状態で別の可動プーリに対して反対回りに架設することによって構成できる。換言すれば、上記第2実施形態の可動プーリ320の2つのプーリ部のプーリ径を同一に構成してもよい。また、上記とは異なる態様で第2実施形態の可動プーリ320による駆動力の任意配分機能を利用してもよい。
【0058】
また、本実施形態では、上記いずれかのリンク連設体のリンク節構造を有する各指駆動体402〜404によって、把持対象物Pの形状に柔軟に対応する屈曲態様でしっかりと把持することができる。したがって、人間の手と同様の柔軟な把持態様を実現することができるため、図8に示すような同径物に限らず、種々の異径物(軸線方向に見て外径が変化する形状の物品)などの任意の形状を有する種々の物品に対しても、高い対応性及び柔軟性を持って確実に把持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の第1基本構成例を示す構成図(a)及び(b)。
【図2】第1基本構成例の屈曲状態における駆動ワイヤ架設状態を示す構成図。
【図3】第1基本構成例の屈曲状態における復帰ワイヤ架設状態を示す構成図。
【図4】第2基本構成例(a)及び第3基本構成例(b)を示す概略構成図。
【図5】第4基本構成例を示す概略構成図。
【図6】第1実施形態を示す概略構成図。
【図7】第2実施形態を示す概略構成図。
【図8】第3実施形態を示す概略構成図。
【図9】第5基本構成例を示す概略構成図。
【符号の説明】
10…リンク連設体、10A〜10D…関節部、11〜15…リンク部材、16〜19…関節プーリ、10s…中間プーリ、10W…ワイヤ(駆動ワイヤ)、10V…ワイヤ(復帰ワイヤ)、100,200,300…多関節マニピュレータ装置、210,310,320…可動プーリ、400…ロボットハンド、401…ハンド本体、402〜404…指駆動体

Claims (8)

  1. 複数のリンクを複数の関節部において回動自在に連結して構成され、前記複数の関節部において当該関節部の軸線とそれぞれ同軸に設けられた複数のプーリと、当該複数のプーリ間に架設されたワイヤとを備えたリンク連設体を複数備えた多関節型マニピュレータ装置であって、
    前記複数のリンク連設体にそれぞれ設けられた複数のワイヤ若しくはこれに実質的に連結されたワイヤのうち、いずれか少なくとも2つのワイヤが架設された可動プーリを有し、前記2つのワイヤは、実質的に一体化された状態で前記可動プーリに対して相互に反対回りに架設されていることを特徴とする多関節型マニピュレータ装置。
  2. 複数のリンクを複数の関節部において回動自在に連結して構成され、前記複数の関節部において当該関節部の軸線とそれぞれ同軸に設けられた複数のプーリと、当該複数のプーリ間に架設されたワイヤとを備えたリンク連設体を複数備えた多関節型マニピュレータ装置であって、
    前記複数のリンク連設体にそれぞれ設けられた複数のワイヤ若しくはこれに実質的に連結されたワイヤのうち、いずれか少なくとも2つのワイヤが架設された可動プーリを有し、前記可動プーリは、相互に一体化された異なるプーリ径を有するプーリ部分を備え、前記2つのワイヤは、実質的に一体化された状態でそれぞれ前記可動プーリの異なるプーリ径を有する前記プーリ部分に対して相互に反対回りに架設されていることを特徴とする多関節型マニピュレータ装置。
  3. 前記リンク連設体に設けられた前記複数の関節部のプーリ径が相互に異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の多関節型マニピュレータ装置。
  4. 前記リンク連設体における基端側にある前記関節部における前記プーリ径は、末端側にある前記関節部における前記プーリ径よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の多関節型マニピュレータ装置。
  5. 前記ワイヤを牽引することによって前記リンク連設体を屈曲状態に移行させることができるように構成され、屈曲状態にある前記リンク連設体を伸長状態に復帰させるための復元力を発生する復元手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の多関節マニピュレータ装置。
  6. 前記復元手段は、前記リンク連設体に架設された復帰ワイヤと、当該復帰ワイヤを基端側に牽引する牽引手段とを含むことを特徴とする請求項5に記載の多関節型マニピュレータ装置。
  7. 前記牽引手段は、前記復帰ワイヤに一端が接続され他端が保持された復帰ばねを含むことを特徴とする請求項6に記載の多関節型マニピュレータ装置。
  8. 前記複数の関節部に相互に異なる回動負荷を設定することで、前記関節部の動作順番が制御されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の多関節型マニュピュレ−タ装置。
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