JP2015129316A - ガスフロー蒸着装置、及びガスフロー蒸着方法 - Google Patents

ガスフロー蒸着装置、及びガスフロー蒸着方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板に成膜される有機材料中に含まれる水分量を低減する。【解決手段】ガスフロー蒸着装置20は、キャリアガスの流量を制御するMFC400と、MFCによって流量を制御されたキャリアガスを加熱する熱交換器300とを備える。また、ガスフロー蒸着装置20は、蒸着材料を内部に収容し、熱交換器によって加熱されたキャリアガスととともに蒸着材料の蒸気を流出する材料容器200と、材料容器200から流出された蒸着材料の蒸気及びキャリアガスを含むガスを噴射する蒸着ヘッド100とを備える。熱交換器300は、キャリアガスの流入側の圧力とキャリアガスの流出側の圧力との差圧が生じるよう形成されている。【選択図】図2

Description

本発明の種々の側面及び実施形態は、ガスフロー蒸着装置、及びガスフロー蒸着方法に関するものである。
近年、有機化合物を用いて発光させる有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electro−Luminescence)素子を利用した有機ELディスプレイが注目されている。有機ELディスプレイに用いられる有機EL素子は、自発光し、反応速度が速く、消費電力が低い等の特徴を有しているため、バックライトを必要とせず、例えば、携帯型機器の表示部等への応用が期待されている。
有機EL素子は、ガラス基板上に形成され、有機層を陽極(アノード)および陰極(カソード)にてサンドイッチした構造をしている。有機EL素子の陽極及び陰極に電圧を印加すると、陽極からはホール(正孔)が有機層に注入され、陰極からは電子が有機層に注入される。注入されたホール及び電子は有機層にて再結合し、このとき発光が生じる。
ここで、有機EL素子の成膜には、ガスフロー蒸着装置が用いられる場合がある。ガスフロー蒸着装置は、材料容器に収容した有機材料を加熱して蒸発させ、蒸発させた有機材料ガスを蒸着ヘッドへ輸送し、蒸着ヘッドを介して基板へ噴射する。より具体的には、ガスフロー蒸着装置は、MFC(Mass Flow Controller)を用いて、例えばアルゴンガスのようなキャリアガスを流量制御して材料容器に輸送する。そして、ガスフロー蒸着装置は、材料容器で蒸発した有機材料ガスをキャリアガスとともに蒸着ヘッドへ輸送し、蒸着ヘッドから基板へ噴射する。
例えば、特許文献1には、材料容器の外周に外部ヒータを巻きつけるとともに、材料容器の内部に内部ヒータを設置し、外部ヒータ及び内部ヒータを用いて材料容器を加熱することによって有機材料を気化させる構造が開示されている。
特開2010−31324号公報
ところで、ガスフロー蒸着装置では、大気中に有機材料を保管した場合に、有機材料に水分が付着することがある。水分が付着した有機材料を用いてガスフロー蒸着をした場合、水分がキャリアガスとともに搬送され、基板に成膜された有機材料に水分が含まれるおそれがある。基板に成膜された有機材料に水分が含まれると、有機材料の成膜性能の劣化が問題となる。
これに対して、基板に対するガスフロー蒸着処理を行う前に、有機材料に付着した水分をあらかじめ除去する処理(水枯らし処理)を行うことが考えられる。例えば、材料容器と蒸着ヘッドとの間の輸送管にバルブを設けるとともに、材料容器とバルブとの間の輸送管から分岐するベント配管を設ける。そして、このバルブを閉じた状態で、材料容器、輸送管、及びバルブを加熱して水分を蒸発させながらキャリアガスを流し、ベント配管から水分の排気処理を行うことが考えられる。この水枯らし処理を行うことによって、有機材料に付着した水分をベント配管からある程度排気することができると考えられる。
ところで、材料容器や材料容器以降のバルブを含む輸送管は、種々の有機材料の蒸発温度に対応するため、450℃程度までは加熱可能な仕様となるが、MFCを含む1次側輸送管はMFCが精密制御機器であるため多くのものは耐熱温度がその温度まで届かない。したがって、1次側輸送管のほうが2次側輸送管より低温の仕様となる。そこで、キャリアガスを予め材料蒸発温度と同等に昇温させるために、MFCと材料容器との間に熱交換器を設置して、熱交換器でキャリアガスを加熱する場合がある。
しかしながら、上記のような水枯らし処理を行うと、水枯らし処理の際に水分が材料容器側から熱交換器側の1次輸送管に逆拡散した場合、1次側輸送管のほうが温度が低いため、水分が付着するおそれがある。1次側の輸送管に水分が付着した場合、この付着した水分がガスフロー蒸着処理の際に、更に高い温度設定で加熱されて再蒸発して基板まで搬送される結果、有機材料の成膜性能の劣化を招くおそれがある。
本発明の一側面に係るガスフロー蒸着装置は、キャリアガスの流量を制御する流量制御部と、前記流量制御部によって流量を制御されたキャリアガスを加熱する熱交換器とを備える。また、ガスフロー蒸着装置は、蒸着材料を内部に収容し、前記熱交換器によって加熱されたキャリアガスとともに前記蒸着材料の蒸気を流出する材料容器と、前記材料容器から流出された前記蒸着材料の蒸気及び前記キャリアガスを含むガスを噴射する蒸着ヘッドとを備える。前記熱交換器は、前記キャリアガスの流入側の圧力と前記キャリアガスの流出側の圧力との差圧が生じる熱交換器であることを特徴とする。
本発明の種々の側面及び実施形態によれば、基板に成膜される有機材料中に含まれる水分量を低減することができるガスフロー蒸着装置が実現される。
図1は、一実施形態に係る基板処理システムの概略構成図である。 図2は、一実施形態に係るガスフロー蒸着装置の概略構成図である。 図3は、一実施形態に係るガスフロー蒸着装置により形成される有機EL素子の概略構成図である。 図4は、一実施形態に係る熱交換器の概略構成図である。 図5は、一実施形態に係る熱交換器の概略構成図である。 図6は、一実施形態に係る熱交換器の他の一例の概略構成図である。 図7は、一実施形態に係る熱交換器による逆流水分の比率を示す図である。 図8は、一実施形態に係る熱交換器によるキャリアガスの温度変化を示す図である。
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
まず、ガスフロー蒸着装置を含んだ基板処理システム10について、図1を参照しながら説明する。図1は、一実施形態に係る基板処理システムの概略構成図である。
(基板処理システム)
図1に示すように、本実施形態にかかる基板処理システム10は、複数の処理容器を有するクラスタ型装置であり、ロードロック室LLM、搬送室TM、前処理室CMおよび4つのプロセスモジュールPM1〜PM4を有している。基板処理システム10は、例えば、有機EL素子の製造に使用される。
ロードロック室LLMは、大気系から搬送されたガラス基板(以下「基板G」という)を、真空度の高いプロセスモジュールPMに搬送するために内部を減圧状態に保持する。基板G上には、予め陽極としてインジウムスズ酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)が形成されている。基板Gは、搬送室TMの搬送アームArmを用いて前処理室CMに搬送され、ITO表面をクリーニングした後、プロセスモジュールPM1に搬送される。
プロセスモジュールPM1には、図2に示したガスフロー蒸着装置20が6つ並べて配置され、ITO上に6層の有機層が連続成膜される。成膜後、基板Gは、プロセスモジュールPM4に搬送され、スパッタリングにより基板Gの有機層上にメタル電極(陰極層)を形成する。さらに、基板Gは、プロセスモジュールPM2に搬送され、配線用のパターンをエッチングにより形成し、再び、プロセスモジュールPM4にてスパッタリングによりエッチング部分に金属配線を成膜し、最後に、プロセスモジュールPM3に搬送され、CVD(Chemical Vapor Deposition:気相成長法)により有機層を封止する封止膜を形成する。
(有機層の連続成膜)
次に、6層の有機層を連続成膜する機構について説明する。図2は、一実施形態に係るガスフロー蒸着装置の概略構成図である。プロセスモジュールPM1に設置された6つのガスフロー蒸着装置20は、ほぼ同一構造である。そこで、図2を参照しながら、一のガスフロー蒸着装置20についてのみ説明することにより、他のガスフロー蒸着装置20の説明を省略する。
図2に示すように、ガスフロー蒸着装置20は、キャリアガスの流量を制御するMFC400と、MFC400によって流量を制御されたキャリアガスを加熱する熱交換器300とを備える。また、ガスフロー蒸着装置20は、蒸着材料(有機材料)を内部に収容し、熱交換器300によって加熱されたキャリアガスとともに蒸着材料の蒸気を流出する材料容器200を備える。また、ガスフロー蒸着装置20は、材料容器200から流出された蒸着材料の蒸気及びキャリアガスを含むガスを噴射する蒸着ヘッド100を備える。
MFC400のキャリアガスの流れの上流側の配管L11及び配管L12の間には、バルブV60が設けられる。また、MFC400と熱交換器300との間には、上流側から順に配管L13,配管L14が設けられ、配管L13と配管L14の間には、バルブV50が設けられる。また、バルブV50と熱交換器300との間の配管L14からはベント(VENT)用の配管L15が分岐して設けられ、配管L15には、バルブV40が設けられる。
また、熱交換器300と材料容器200との間には、上流側から順に配管L16,配管L17が設けられ、配管L16と配管L17との間には、バルブV30が設けられる。また、材料容器200と蒸着ヘッド100との間には、上流側から順に配管L18,配管L20が設けられ、配管L18と配管L20との間には、バルブV10が設けられる。また、材料容器200とバルブV10との間の配管L18からはベント用の配管L19が設けられ、配管L19には、バルブV20が設けられる。
通常のガスフロー蒸着処理時には、例えばアルゴンガスなどのキャリアガスは、配管L11からバルブV60,配管L12を介してMFC400へ通流する。MFC400で流量を制御されたキャリアガスは、配管L13,バルブV50,配管L14を介して熱交換器300へ通流する。熱交換器300で加熱されたキャリアガスは、配管L16,バルブV30,配管L17を介して材料容器200へ通流する。材料容器200で加熱により蒸発した有機材料のガスとキャリアガスは、配管L18,バルブV10,配管L20を介して蒸着ヘッド100へ通流し、蒸着ヘッド100から基板へ向けて噴射される。
図2に示すガスフロー蒸着装置20を6つ用いて6層連続成膜処理を実行した結果を図3に示す。図3は、一実施形態に係るガスフロー蒸着装置により形成される有機EL素子の概略構成図である。図3に示すように、基板Gが、1〜6番目のガスフロー蒸着装置20の蒸着ヘッド100の上方をある速度で進行することにより、基板GのITO上に順に、第1層のホール注入層、第2層のホール輸送層、第3層の青発光層、第4層の緑発光層、第5層の赤発光層、第6層の電子輸送層が形成される。このうち、第3層〜第5層の青発光層、緑発光層、赤発光層がホールと電子の再結合により発光する発光層である。また、有機層上のメタル層Al等は、前述したとおり、基板処理システム10のプロセスモジュールPM4にてスパッタリングにより成膜される。
続いて、熱交換器300の構成について具体的に説明する。図4,5は、一実施形態に係る熱交換器の概略構成図である。図4に示すように、熱交換器300は、配管L14のバルブV50への接続端とは反対側の端部に接続された円盤状の分散部312と、配管L16のバルブV30への接続端とは反対側の端部に接続された円盤状の分散部314を有する。分散部312及び分散部314は、互いに円盤面を対向させて、距離を離して配置される。また、熱交換器300は、分散部312及び分散部314の円盤面同士を接続し、配管L14及び配管L16に比べて径が小さい複数の細管320を有する。複数の細管320は、互いに並列に配置されている。また、熱交換器300は、分散部312、分散部314、複数の細管320、及びヒータ350を有する。ヒータ350は、分散部312、分散部314、複数の細管320、及び配管L16を覆い、分散部312、分散部314、複数の細管320、及び配管L16を通流するガスを加熱する。
このように、一実施形態の熱交換器300は、複数の細管320によりガス流路が形成されているので、キャリアガスの流入側の圧力とキャリアガスの流出側の圧力との差圧が生じる。例えば、一実施形態の熱交換器300は、細管320の径φを1.0mm、細管320の本数を4本とすることができる。なお、細管320の径及び本数については、これに限られない。
また、一実施形態のガスフロー蒸着装置20は、図4,5に示した熱交換器300とは異なる他の熱交換器を用いることもできる。図6は、一実施形態に係る熱交換器の他の一例の概略構成図である。図6においては、配管を通流するガスを加熱するヒータについては図示を省略し、ガスが通流する配管形状のみを示している。
図6に示すように、熱交換器300は、例えばニードル型の熱交換器であってもよい。すなわち、熱交換器300は、配管L14と配管L16との間に、配管の径方向に進退可能なニードル370が設けられ、このニードル370の位置を調整することによってガスが通流する流路の径を調整可能な熱交換器である。このような熱交換器300であっても、キャリアガスの流入側の圧力とキャリアガスの流出側の圧力との差圧が生じる点については同様である。また、これらの熱交換器に関わらず、例えば圧力(差圧)調整可能な熱交換器のように、キャリアガスの流入側の圧力とキャリアガスの流出側の圧力との差圧が生じる熱交換器であれば、適宜使用することができる。
ところで、有機材料は通常、大気中にて保管されているので、大気中に放置されている際に有機材料には水分が付着する。そして、有機材料に付着した水分が材料容器200で加熱されることにより蒸発して、キャリアガスとともに蒸着ヘッド100に搬送され、基板に成膜された有機材料の成膜性能に劣化が生じるおそれがある。そこで、一実施形態のガスフロー蒸着装置20は、ガスフロー蒸着処理を行う前に水分枯らし処理を実行する。以下、水分枯らし処理について説明する。
まず、ガスフロー蒸着装置20は、バルブV30を閉じ、バルブV40を開いた状態で、熱交換器300より1次側のヒータを加熱させながらキャリアガスを通流させる。これにより、熱交換器300、及び熱交換器300とMFC400との間の配管L13,L14などにあらかじめ付着している水分を、配管L15を介してベント(排気)する(第1の水分枯らし処理)。
続いて、ガスフロー蒸着装置20は、バルブV30を開き、バルブV40を閉じ、バルブV10を閉じ、バルブV20を開いた状態で、熱交換器300のヒータを加熱させながらキャリアガスを通流させる。これにより、材料容器200に収容された有機材料に付着した水分を、配管L19を介してベント(排気)する(第2の水分枯らし処理)。
ここで、一実施形態の熱交換器300によれば、第2の水分枯らし処理の際に、材料容器200で蒸発した水分が、熱交換器300、又は熱交換器300とMFC400との間の配管L13,L14などに逆拡散するのを抑制することができる。
すなわち、一実施形態の熱交換器300は、キャリアガスの流入側の圧力とキャリアガスの流出側の圧力との差圧が生じるように形成されている。例えば、一実施形態の熱交換器300は、キャリアガスの流入側の圧力とキャリアガスの流出側の圧力との差圧が250Pa以上になるよう形成されている。
これにより、水分の逆拡散率を約1%以下にすることができる。ここで、水分の逆拡散率は、熱交換器300の上流側から下流側へ単位時間あたりに通流させたキャリアガスの量に対する、熱交換器300の下流側から上流側へ単位時間あたりに拡散した水分の量である。つまり、水分の逆拡散率=(熱交換器300の下流側から上流側へ単位時間あたりに拡散した水分の量/熱交換器300の上流側から下流側へ単位時間あたりに通流させたキャリアガスの量)となる。
この点について、ペクレ数(Pe)を用いて説明する。ペクレ数は逆拡散係数ともいい、移流によるキャリアガスの輸送量に対する拡散輸送量の比率を表す無次元数である。ペクレ数(Pe)=uL/Dで表される。ここで、u:速度、L:細管320の長さ、D:拡散係数である。より具体的には、速度uはガス分子量M1、分子直径σ1、温度T、粘性係数η、流量Qの使用ガス条件、孔径、及び孔数等から導かれる。速度u=質量流量Q/(圧力P×孔開口面積A)となる。
なお、2成分系気体の拡散係数Dは、以下の数1式で表される。ここで、M,Mは第1成分及び第2成分の分子量、nは混合物中の分子数、kはボルツマン定数、Tは絶対温度である。Ωは拡散における衝突積分であり衝突分子間の分子間力の法則により決まり、温度の関数である。σ12は分子間力の法則から決定される分子の直径である。fは補正項であり、ほぼ1である。
Figure 2015129316
一実施形態の熱交換器300は、細管320の径φが比較的小さい(=熱交換器300の入り口側と出口側の差圧が大きい)。これはつまり、上記速度uの式における孔開口面積Aが小さくなるので、速度uは大きくなる。速度uが大きくなると、ペクレ数は大きくなる。ペクレ数は、大きいほど、水分の逆拡散量が少なくなる。したがって、一実施形態の熱交換器300のように細管320の径φを小さくして熱交換器300の入り口側と出口側の差圧を大きくするほど、水分の逆拡散量が少なくなる。
なお、参考までに、ガスの流れ方向の混合拡散の影響X方向1次元管内の定常濃度分布の基礎方程式(数2式)と、数2式の定常解(数3式)を開示する。ここで、u:速度、D:拡散係数、C:濃度である。
Figure 2015129316
Figure 2015129316
次に、一実施形態のガスフロー蒸着装置の熱交換器による逆流水分の比率について説明する。図7は、一実施形態に係る熱交換器による逆流水分の比率を示す図である。図7において、横軸は細管320の距離(長さ)であり、縦軸は、水分の逆拡散率を示す。
図7において、グラフ502,504,506,508は、例えば細管の径φが2.0mm、細管320の本数が90本の熱交換器(比較例)の水分の逆拡散率を示している。また、グラフ502,504,506,508はそれぞれ、キャリアガスの流量が5sccm,10sccm,15sccm,20sccmの際の水分の逆拡散率を示している。
これに対して、グラフ512,514,516,518は、本実施形態のように細管の径φが1.0mm、細管320の本数が4本の熱交換器の水分の逆拡散率を示している。また、グラフ512,514,516,518はそれぞれ、キャリアガスの流量が5sccm,10sccm,15sccm,20sccmの際の水分の逆拡散率を示している。
図7に示すように、比較例においては、細管の長さが長くなるにつれて、水分の逆拡散率は小さくなってはいるが、いずれも水分の逆拡散率は1.0%(1.E−02)より大きくなっている。これに対して、本実施形態の熱交換器300では、キャリアガスの流量が5sccmである場合、細管320が約10mm以上の長さであれば、水分の逆拡散率は1%以下になり、細管320が長くなるにつれて水分の逆拡散率は小さくなる。例えば、細管320の長さが約30mmの場合、水分の逆拡散率は0.001%程度にまで小さくなる。また、本実施形態の熱交換器300では、キャリアガスの流量が10,15,20sccmの場合は、細管320が10mmに満たないような比較的短い長さであっても、水分の逆拡散率が1%以下になり、細管320が長くなるにつれて水分の逆拡散率は小さくなる。例えば、キャリアガスの流量が15sccmの場合、細管320の長さが約10mmの状態で、水分の逆拡散率は0.001%程度にまで小さくなる。
次に、本実施形態の熱交換器を設けたことによるキャリアガスの温度変化について説明する。図8は、一実施形態に係る熱交換器によるキャリアガスの温度変化を示す図である。図8において、横軸は細管320の距離(長さ)であり、縦軸は、キャリアガスの温度を示す。
図8に示すように、本実施形態の熱交換器300では、細管320の長さが約3mm程度以上あれば、キャリアガスの温度を約25℃から所望の約450℃まで加熱することができる。このように、本実施形態の熱交換器300では、細管320の径を比較的小さくするとともに、本数を比較的少なくしているが、細管320の長さを極端に長くすることなく、一般的な距離を持たせれば、十分に熱交換器としての機能(加熱)を果たすことができる。
また、細管320の径を比較的小さくするとともに、本数を比較的少なくすることによって、キャリアガスの流量制御時の応答性も考慮したほうが好ましい。すなわち、熱交換器での差圧が大きければ、キャリアガスの流量をある流量から所望の他の流量へ変化させた際に、所望の他の流量になるまでの時間が多くかかるからである。
この点、本実施形態の熱交換器300では、20sccmのキャリアガス流量から、1sccmのキャリアガス流量へ流量を変えた場合に、流量の変更指令が発生してからキャリアガスの流量が1sccmになるまでの時間が5.0secであった。
また、本実施形態の熱交換器300では、20sccmのキャリアガス流量から、15sccmのキャリアガス流量へ流量を変えた場合に、流量の変更指令が発生してからキャリアガスの流量が15sccmになるまでの時間が2.2secであった。
このように、本実施形態の熱交換器300によれば、細管320の径を比較的小さくするとともに本数を比較的少なくすることによって、熱交換器での差圧を生じさせているが、上記実施例はMFC400と熱交換器300が比較的長いモデルであるため、輸送路長短縮にて大幅に応答性は短縮可能となる(例えば1sec以下)。また、上記例は20sccm→1sccmと大きくキャリアガスの流量を変化させているが実際の蒸発量制御は少量変化の制御となる。よってキャリアガスの流量を変化させた場合の応答性は許容できる範囲内といえる。
以上、本実施形態のガスフロー蒸着装置20によれば、基板に成膜される有機材料中に含まれる水分量を低減することができる。すなわち、本実施形態のガスフロー蒸着装置20では、キャリアガスの流入側の圧力とキャリアガスの流出側の圧力との差圧が生じる熱交換器300を用いてキャリアガスを加熱して材料容器200へ輸送する。したがって、水分枯らし処理において、材料容器200で蒸発した水分が熱交換器300及び熱交換器300の上流側へ逆拡散するのを抑制することができる。その結果、水分枯らし処理により、キャリアガスの通流経路に残る水分量を抑制することができるので、ガスフロー蒸着処理において、基板に成膜される有機材料中に含まれる水分量を低減することができる。
また、本実施形態のガスフロー蒸着方法では、まず、熱交換器300と材料容器200との間のバルブV30を閉じ、MFC400と熱交換器300との間の配管L14から分岐するベント配管L15のバルブV40を開いて、ベント配管L15から第1の排気処理を行う。その後、本実施形態のガスフロー蒸着方法では、バルブV30を開くとともにバルブV40を閉じ、さらに、材料容器200と蒸着ヘッド100との間のバルブV10を閉じるとともに、材料容器200とバルブV10との間の配管から分岐するベント配管L19のバルブV20を開いて、ベント配管L19から第2の排気処理を行う。このように、第2の排気処理を行うに先立って、第1の排気処理を行うことによって、熱交換器300及び熱交換器300の上流側にあらかじめ付着している水分を枯らすことができるので、より一層、基板に成膜される有機材料中に含まれる水分量を低減することができる。
10 基板処理システム
20 ガスフロー蒸着装置
100 蒸着ヘッド
200 材料容器
300 熱交換器
320 細管
350 ヒータ
370 ニードル
V10,V20,V30,V40,V50,V60 バルブ

Claims (6)

  1. キャリアガスの流量を制御する流量制御部と、
    前記流量制御部によって流量を制御されたキャリアガスを加熱する熱交換器と、
    蒸着材料を内部に収容し、前記熱交換器によって加熱されたキャリアガスとともに前記蒸着材料の蒸気を流出する材料容器と、
    前記材料容器から流出された前記蒸着材料の蒸気及び前記キャリアガスを含むガスを噴射する蒸着ヘッドと、を備え、
    前記熱交換器は、前記キャリアガスの流入側の圧力と前記キャリアガスの流出側の圧力との差圧が生じる熱交換器である
    ことを特徴とするガスフロー蒸着装置。
  2. 前記熱交換器は、前記差圧が250Pa以上になるよう形成された熱交換器である
    ことを特徴とする請求項1に記載のガスフロー蒸着装置。
  3. 前記熱交換器は、前記キャリアガスの流入側から前記キャリアガスの流出側へ通流したキャリアガスの量に対する、前記キャリアガスの流出側から前記キャリアガスの流入側へ通流した水の量の割合が、1パーセント以下になるよう形成された熱交換器である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガスフロー蒸着装置。
  4. 前記熱交換器は、ペクレ数が5以上になるよう形成された熱交換器である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のガスフロー蒸着装置。
  5. 前記流量制御部によって前記キャリアガスの流量を第1の流量から第2の流量へ変えた場合において、前記流量の変更指令が発生してから前記キャリアガスの流量が前記第2の流量になるまでの時間が5sec以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のガスフロー蒸着装置。
  6. キャリアガスの流量を制御する流量制御部から流出したキャリアガスを熱交換器で加熱する第1の工程と、
    前記第1の工程で加熱され第1のバルブを介して材料容器に流入したキャリアガスとともに前記材料容器の内部に収容した蒸着材料の蒸気を流出する第2の工程と、
    前記第2の工程の後第2のバルブを介して流出した前記蒸着材料の蒸気及び前記キャリアガスを含むガスを蒸着ヘッドから噴射する第3の工程と、を備えたガスフロー蒸着方法であって、
    前記第1のバルブを閉じた状態で前記流量制御部と前記熱交換器との間の配管から分岐する第1のベント配管から第1の排気処理を行い、
    前記第1の排気処理の後、前記第1のバルブを開くとともに前記第2のバルブを閉じ、前記材料容器と前記第2のバルブの間の配管から分岐する第2のベント配管から第2の排気処理を行い、
    前記第2の排気処理の後、前記蒸着材料の蒸気及び前記キャリアガスを含むガスを前記蒸着ヘッドから噴射する
    ことを特徴とするガスフロー蒸着方法。
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