JP2015128992A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
Description
また、上記従来の空気入りタイヤでは、雪柱せん断力を高めるために横溝の溝深さを深くすると、ブロックのタイヤ周方向の剛性が低下してしまい(即ち、ブロックの倒れ込みが促進され)接地面積を確保することができない。一方、従来の空気入りタイヤでは、ブロックの倒れ込みを防止するために横溝の溝深さを浅くすると、十分な雪柱せん断力を得ることができない。
このように、トレッド部の踏面に、タイヤ周方向に凸形状となるような屈曲点を一つ有する横溝を配設して周方向突出部を有するブロックを区画形成すれば、接地面積を確保しつつ、ブロックのエッジによる氷雪路面の引っ掻き効果を向上することができる。また、ブロックに横サイプを配設すれば、エッジ成分を十分に確保して横サイプのエッジによる氷雪路面の引っ掻き効果を向上することができる。更に、ブロック側壁の双方の一部または全部をタイヤ周方向に対して傾斜させれば、タイヤ周方向に対して傾斜させれば、ブロック側壁をタイヤ周方向に対して傾斜させた部分において雪柱せん断力を高めることができると共に、ブロックのエッジによる氷雪路面の引っ掻き効果も向上することができる。従って、タイヤの接地面積の確保と、エッジによる氷雪路面の引っ掻き効果の向上と、雪柱せん断力の向上との全てを並立し、タイヤの氷雪路における摩擦特性を向上することができるので、氷雪上性能に優れる空気入りタイヤを得ることができる。
なお、本発明において、「ブロック側壁の少なくとも一部がタイヤ周方向に対して傾斜している」とは、ブロック側壁のタイヤ径方向外端縁の少なくとも一部がタイヤ周方向に対して傾斜していることを指す。また、「タイヤ周方向に延びる」とは、タイヤ周方向に向かって延びることを指し、「タイヤ周方向に延びる」には、タイヤ周方向と平行な方向に対して傾斜して延びる場合も含まれる。更に、「タイヤ幅方向に延びる」とは、タイヤ幅方向に向かって延びることを指し、「タイヤ幅方向に延びる」には、タイヤ幅方向と平行な方向に対して傾斜して延びる場合も含まれる。
なお、前記第1サイプは、延在方向に屈曲し且つ深さ方向に直線状になるように形成されていることが更に好ましい。
なお、本発明において、「ブロックのタイヤ幅方向寸法」とは、ブロック中のタイヤ幅方向の寸法が最も長い部分の寸法を指す。また、「ブロックのタイヤ周方向寸法」とは、ブロック中のタイヤ周方向の寸法が最も長い部分の寸法を指す。
そして、第4横溝34は、タイヤ幅方向一方(図1では左側)に位置する第3主溝23に一端が開口する狭幅の第1横溝成分37と、タイヤ幅方向他方(図1では右側)に位置する第4主溝24に一端が開口し、第1横溝成分37よりも溝幅の広い第2横溝成分38とで構成されている。なお、第4横溝34では、第1横溝成分37と第2横溝成分38とが互いに連通する部分(第1横溝成分37と第2横溝成分38との交差部)が屈曲点となり、第1横溝成分37と第2横溝成分38とは屈曲点を挟んでタイヤ幅方向に対する傾斜角度が互いに異なっている。
また、第5横溝35は、屈曲点を挟んでタイヤ幅方向に対する傾斜角度が互いに異なり、且つ、溝幅が互いに等しい2つの横溝成分で構成されている。
なお、図1のI−I線に沿う断面を図4(a)に示すように、第3ブロック50において、サイプ55B,56B,57Bは、延在方向および深さ方向の双方に屈曲するように3次元的に形成されている。また、サイプ55A,56A,57Aは、延在方向に屈曲し且つ深さ方向に直線状になるように形成されている。そして、各複合横サイプ55,56,57は、タイヤ回転軸線を含みブロック表面に直交する平面に投影したとき、複合横サイプを構成するサイプのタイヤ幅方向寸法成分同士がオーバーラップする(即ち、複合横サイプを構成する2つのサイプの投影図同士が重なり合う)。
なお、第3ブロック60において、サイプ65B,66B,67Bは、延在方向および深さ方向の双方に屈曲するように3次元的に形成されており、サイプ65A,66A,67Aは、延在方向に屈曲し且つ深さ方向に直線状になるように形成されている。また、各複合横サイプ65,66,67は、タイヤ回転軸線を含みブロック表面に直交する平面に投影したとき、複合横サイプを構成するサイプのタイヤ幅方向寸法成分同士がオーバーラップする(即ち、複合横サイプを構成する2つのサイプの投影図同士が重なり合う)。
なお、雪柱せん断力を高める観点からは、ブロック側壁53,54,63,64のタイヤ周方向に対する傾斜角度(即ち、ブロック側壁のタイヤ径方向外端縁とタイヤ周方向線とがなす角度)は、2°以上であることが好ましい。また、排水性能および耐偏摩耗性を確保する観点からは、ブロック側壁53,54,63,64のタイヤ周方向に対する傾斜角度は、30°以下であることが好ましい。更に、雪柱せん断力を高める観点からは、ブロック側壁53,54,63,64はタイヤ周方向にジグザグ状に延在していることが好ましい。
表1に示す諸元で、図1に示すような構成のトレッド部踏面1を有する、サイズが195/65R15の空気入りタイヤを試作し、下記の方法で性能評価を行った。結果を表1に示す。なお、作製したタイヤは、第3ブロック50,60が車両の外側に位置するように装着される装着方向指定のタイヤとした。
表1に示す諸元で、図7に示すような構成のトレッド部踏面を有する、サイズが195/65R15の空気入りタイヤを試作し、下記の方法で性能評価を行った。結果を表1に示す。なお、図7中、80A〜80Dはブロックを示し、81A〜81Dはサイプを示す。
作製したタイヤを、それぞれリムサイズ15×6Jのリムに装着し、内圧を200kPaとして、車両に装着した。そして、氷路(凍結路)において20km/hの速度からフルブレーキをかけて静止状態になるまでの制動距離を測定し、フルブレーキ前の速度と制動距離から平均減速度を算出した。そして、比較例1の平均減速度を100として指数化した。表中、値が大きいほどタイヤの摩擦特性が優れており、氷上ブレーキ性能が良好であることを示す。
<氷上トラクション性能>
作製したタイヤを、それぞれリムサイズ15×6Jのリムに装着し、内圧を200kPaとして、車両に装着した。そして、氷路(凍結路)において10km/hの速度からアクセルを踏み込んで30km/hの速度になるまで加速した際に要した時間を測定し、平均加速度を算出した。そして、比較例1の平均加速度を100として指数化した。表中、値が大きいほどタイヤの摩擦特性が優れており、氷上トラクション性能が良好であることを示す。
<雪上トラクション性能>
作製したタイヤを、それぞれリムサイズ15×6Jのリムに装着し、内圧を200kPaとして、車両に装着した。そして、積雪路において10km/hの速度からアクセルを踏み込んで45km/hの速度になるまで加速した際に要した時間を測定し、平均加速度を算出した。そして、比較例1の平均加速度を100として指数化した。表中、値が大きいほどタイヤの摩擦特性が優れており、雪上トラクション性能が良好であることを示す。
21,22,23,24 主溝
31,32,34,35,36,39A,39B 横溝
37 第1横溝成分
38 第2横溝成分
41,42,43 ブロック
41A,42A,43A,44A サイプ
50,60 ブロック
51,61 周方向突出部
52,62 頂点
53,54,63,64 ブロック側壁
55,56,57 複合横サイプ
55A,55B,56A,56B,57A,57B サイプ
65,66,65 複合横サイプ
65A,65B,66A,66B,67A,67B サイプ
70A ブロック
71A 周方向突出部
72A 頂点
73A,74A ブロック側壁
75A,76A,77A 横サイプ
70B,70C ブロック
71B,71C 周方向突出部
72B,72C頂点
73B,74B,73C,74C ブロック側壁
75B,76B,77B,75C,76C,77C 複合横サイプ
78 底上げ部
78A 拡大部
80A,80B,80C,80D ブロック
81A,81B,81C,81D サイプ
90 ブロック
Claims (6)
- 両トレッド端間に位置するトレッド部踏面の少なくとも一部に、タイヤ周方向に延びる一本以上の主溝と、該主溝間および/または主溝とトレッド端間でタイヤ周方向に凸形状となるような1個の屈曲点をもってタイヤ幅方向に延びる複数本の横溝とを配設して、前記横溝の凸形状に対応した形状の周方向突出部を有する複数個のブロックを区画形成し、ブロックに、タイヤ幅方向に延びる少なくとも一本の横サイプを配設してなり、
前記周方向突出部の頂点は、前記ブロックのタイヤ幅方向中央よりもタイヤ幅方向一方側にオフセット配置され、
前記ブロックのタイヤ幅方向両側に位置するブロック側壁のそれぞれは、少なくとも一部がタイヤ周方向に対して傾斜し、
前記ブロックのタイヤ幅方向一方側に位置する前記ブロック側壁の少なくとも一部は、前記周方向突出部側から当該周方向突出部側とはタイヤ周方向反対側に向かって前記タイヤ幅方向一方側に傾斜し、
前記ブロックのタイヤ幅方向他方側に位置する前記ブロック側壁の少なくとも一部は、前記周方向突出部側から当該周方向突出部側とはタイヤ周方向反対側に向かって前記タイヤ幅方向他方側に傾斜していることを特徴とする、空気入りタイヤ。 - 前記横サイプは、ブロック幅中心線よりも前記周方向突出部の頂点側に位置する主溝またはトレッド端に一端が開口し他端がブロック内で終端または横溝に開口する第1サイプと、ブロック幅中心線よりも前記周方向突出部の頂点側とは反対側に位置する主溝またはトレッド端に一端が開口し他端がブロック内で終端または横溝に開口する第2サイプとからなる1対の複合横サイプを含み、
前記第2サイプは、延在方向および深さ方向の双方に屈曲するように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイヤ。 - 前記第1サイプは、延在方向に屈曲し且つ深さ方向に直線状になるように形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記横サイプは、前記ブロックのタイヤ幅方向両端間に亘って配設されていることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記横サイプは、ブロック幅中心線よりも前記周方向突出部の頂点側に位置する主溝またはトレッド端に一端が開口し他端がブロック内で終端または横溝に開口する第1サイプと、ブロック幅中心線よりも前記周方向突出部の頂点側とは反対側に位置する主溝またはトレッド端に一端が開口し他端がブロック内で終端または横溝に開口する第2サイプとからなる1対の複合横サイプを含み、
前記第1サイプと前記第2サイプとを、タイヤ回転軸線を含みブロック表面に直交する平面に投影したとき、第1サイプのタイヤ幅方向寸法成分と第2サイプのタイヤ幅方向寸法成分とがオーバーラップすることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の空気入りタイヤ。 - 前記ブロックのタイヤ幅方向寸法がタイヤ周方向寸法よりも大きいことを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載の空気入りタイヤ。
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