JP2015127660A - 歪ゲージ用プリント配線板 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、歪量の測定誤差が小さく、かつ導電パターンがベースフィルムから剥がれるおそれが少ない歪ゲージ用プリント配線板を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明は、フッ素樹脂を主成分とするベースフィルムと、このベースフィルムの表面に積層され、歪受感部を含む導電パターンとを備え、上記ベースフィルムが、表面の少なくとも導電パターンが存在する領域に改質層を有し、上記改質層がシロキサン結合及び親水性有機官能基を含む歪ゲージ用プリント配線板である。上記ベースフィルムの表面の純水との接触角としては90°以下が好ましい。また上記改質層の平均厚さとしては400nm以下が好ましい。さらに上記親水性有機官能基としては、水酸基、カルボキシ基、カルボニル基、アミノ基、アミド基、スルフィド基、スルホニル基、スルホ基、スルホニルジオキシ基、エポキシ基、メタクリル基又はメルカプト基が好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、歪ゲージ用プリント配線板に関する。
被測定物の歪み計測や被測定物の歪みを利用した応力計測に歪みゲージが広く適用されている。
これらの歪みゲージは、例えばフォトリソグラフィー等の技術によって加工された金属箔からなる導電パターンが可撓性を有する樹脂等の基板に積層された構造を有している。この樹脂としては、ポリイミド、ポリエステル等の樹脂が用いられている(特開2000−146511号公報参照)。
特開2000−146511号公報
しかしながら、ポリイミド、ポリエステル等の樹脂を用いた歪みゲージは、それらの樹脂が有する弾性係数が大きいために、測定時の樹脂のスプリングバックによって歪量の測定誤差が大きくなるという不都合がある。このために、弾性係数が小さいフッ素樹脂を用いることが考えられるが、フッ素樹脂は表面が不活性であるので、金属箔からなる導電パターンがフッ素樹脂から剥がれるおそれがある。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、歪量の測定誤差が小さく、かつ導電パターンがベースフィルムから剥がれるおそれが少ない歪ゲージ用プリント配線板を提供することを目的としている。
上記課題を解決するためになされた発明は、フッ素樹脂を主成分とするベースフィルムと、このベースフィルムの表面に積層され、歪受感部を含む導電パターンとを備え、上記ベースフィルムが、表面の少なくとも導電パターンが存在する領域に改質層を有し、上記改質層がシロキサン結合及び親水性有機官能基を含む歪ゲージ用プリント配線板である。
本発明の歪ゲージ用プリント配線板は、歪量の測定誤差が小さく、かつ導電パターンがベースフィルムから剥がれるおそれが少ない。
図1は、本発明の第一実施形態の歪ゲージ用プリント配線板の模式的平面図である。 図2は、図1のX−X線に沿う模式的断面図である。 図3は、第二実施形態の歪ゲージ用プリント配線板の模式的断面図である。
[本願発明の実施形態の説明]
本発明は、フッ素樹脂を主成分とするベースフィルムと、このベースフィルムの表面に積層され、歪受感部を含む導電パターンとを備え、上記ベースフィルムが、表面の少なくとも導電パターンが存在する領域に改質層を有し、上記改質層がシロキサン結合及び親水性有機官能基を含む歪ゲージ用プリント配線板である。
当該歪ゲージ用プリント配線板は、フッ素樹脂を主成分とするベースフィルムを備えている。このようにベースフィルムの主成分をフッ素樹脂とすることにより、当該歪ゲージ用プリント配線板は、弾性係数を小さくしてスプリングバックを小さくでき、測定誤差が小さくなる。また、フッ素樹脂は表面が不活性であるが、当該歪ゲージ用プリント配線板は、ベースフィルムの表面側において活性が高い改質層を有するので、ベースフィルムと導電パターンとの密着性が向上する。これにより、当該歪ゲージ用プリント配線板が貼られた被測定物に歪が生じても、導電パターンがベースフィルムから剥がれるおそれが少ない。これらのことにより、当該歪ゲージ用プリント配線板は、歪ゲージに好適に用いることができる。
上記ベースフィルムの表面の純水との接触角としては90°以下が好ましい。このようにベースフィルムの表面の純水との接触角を上記上限以下とすることで、改質層と導電パターンとの密着性がさらに向上する。
上記改質層の平均厚さとしては400nm以下が好ましい。このように改質層の平均厚さを上記上限以下とすることで、被測定物の伸縮に対する追従性をさらに向上できる。
上記導電パターンが存在する領域における上記改質層表面の平均表面粗さ(Ra)としては4μm以下が好ましい。このように上記平均表面粗さを上記上限以下とすることで、歪受感部が配設されるベースフィルム表面の平坦度を向上させることができ、測定精度をさらに高めることができる。
上記ベースフィルムのループスティフネス試験による潰れ抵抗としては0.1N/cm以上20000N/cm以下が好ましい。このようにベースフィルムのループスティフネス試験による潰れ抵抗を上記範囲内とすることで、当該歪ゲージ用プリント配線板が十分なフレキシブル性を有し、被測定物の伸縮に対する追従性をさらに向上できる。
上記親水性有機官能基としては、水酸基、カルボキシ基、カルボニル基、アミノ基、アミド基、スルフィド基、スルホニル基、スルホ基、スルホニルジオキシ基、エポキシ基、メタクリル基又はメルカプト基が好ましい。このように親水性有機官能基を上記のものとすることによって、ベースフィルムと導電パターンとの密着性がさらに向上する。
上記ベースフィルムが、上記導電パターンが存在しない領域にも上記改質層を有し、上記歪受感部の少なくとも一部の表面、及び上記改質層の少なくとも一部の表面に積層され、フッ素樹脂を主成分とするカバーフィルムをさらに備えることが好ましい。このようにフッ素樹脂を主成分とするカバーフィルムをさらに備えることによって、スプリングバックの増加を抑えながら、歪受感部を保護することができる。
ここで、「主成分」とは、最も含有量の多い成分であり、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。また、「親水性有機官能基」とは、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等の非金属元素のみからなる官能基であって、親水性を有する官能基をいう。また、「純水との接触角」とは、JIS−R−3257(1999)の静滴法により測定される接触角の値である。また、「平均表面粗さ(Ra)」とは、JIS−B−0601(2013)に準拠して測定される算術平均粗さを意味する。また、「ループネス試験による潰れ抵抗」とは所定Rで円筒を作製し荷重を負荷した際の反発力を意味する。さらに、「表」及び「裏」は、当該歪ゲージ用プリント配線板の厚さ方向のうち、導電パターン側を表、その反対側を裏とする方向を意味し、当該歪ゲージ用プリント配線板、ベースフィルム、又はカバーフィルムの使用状態における表裏を意味するものではない。また、本願明細書で用いられる「化学結合」は、水素結合を含む概念である。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係る歪ゲージ用プリント配線板について詳説する。
[第一実施形態]
図1及び図2の歪ゲージ用プリント配線板10は、フッ素樹脂を主成分とするベースフィルム1と、このベースフィルム1の表面に積層され、歪受感部2を含む導電パターン3とを備える。
<ベースフィルム>
ベースフィルム1は、フッ素樹脂を主成分とし、表面側(上記導電パターン3が積層される領域を含む)にシロキサン結合構造及び親水性有機官能基を含む改質層4を有する。このベースフィルム1は、フッ素樹脂を主成分としているので、ポリイミドやポリエステル等の樹脂を主成分とするよりも弾性係数が小さい。
ここで、フッ素樹脂とは、高分子鎖の繰り返し単位を構成する炭素原子に結合する水素原子の少なくとも1つが、フッ素原子又はフッ素原子を有する有機基(以下「フッ素原子含有基」ともいう)で置換されたものをいう。フッ素原子含有基は、直鎖状又は分岐状の有機基中の水素原子の少なくとも1つがフッ素原子で置換されたものであり、例えばフルオロアルキル基、フルオロアルコキシ基、フルオロポリエーテル基等が挙げられる。
「フルオロアルキル基」とは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を意味し、「パーフルオロアルキル基」を含む。具体的には、「フルオロアルキル基」は、アルキル基の全ての水素原子がフッ素原子で置換された基、アルキル基の末端の1個の水素原子以外の全ての水素原子がフッ素原子で置換された基等を含む。
「フルオロアルコキシ基」とは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルコキシ基を意味し、「パーフルオロアルコキシ基」を含む。具体的には、「フルオロアルコキシ基」は、アルコキシ基の全ての水素原子がフッ素原子で置換された基、アルコキシ基の末端の1個の水素原子以外の全ての水素原子がフッ素原子で置換された基等を含む。
「フルオロポリエーテル基」とは、繰り返し単位としてオキシアルキレン単位を有し、末端にアルキル基又は水素原子を有する1価の基であって、このアルキレンオキシド鎖又は末端のアルキル基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された1価の基を意味する。「フルオロポリエーテル基」は、繰り返し単位として複数のパーフルオロアルキレンオキシド鎖を有する「パーフルオロポリエーテル基」を含む。
ベースフィルム1を構成するフッ素樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、四フッ化エチレン・六フッ化エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、並びにテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ビニリデンフルオライドの3種類のモノマーからなる熱可塑性フッ素樹脂(THV)、及びフロオロエラストマーが挙げられる。また、これらの化合物を含む混合物やコポリマーも、ベースフィルム1を構成する材料として使用可能である。
中でも、ベースフィルム1を構成するフッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン・ヘキサオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好ましい。これらのフッ素樹脂を使用することによって、ベースフィルム1が、可撓性、光透過性、耐熱性、及び難燃性を有するものとなる。
また、ベースフィルム1は、任意成分として、例えばエンジニアリングプラスチック、難燃剤、難燃助剤、酸化防止剤、滑剤、加工安定剤、可塑剤、補強材等を含み得る。
上記エンジニアリングプラスチックとしては、ベースフィルム1に求められる特性に応じて公知のものから選択して使用でき、典型的には芳香族ポリエーテルケトン樹脂を使用することができる。
この芳香族ポリエーテルケトンは、ベンゼン環がパラ位に結合し、剛直なケトン結合(−C(=O)−)又はフレキシブルなエーテル結合(−O−)によってベンゼン環同士が連結された構造を有する熱可塑性樹脂である。芳香族ポリエーテルケトンとしては、例えばエーテル結合、ベンゼン環、エーテル結合、ベンゼン環、ケトン結合及びベンゼン環が、この順序で並んだ構造単位を有するエーテルエーテルケトン(PEEK)、エーテル結合、ベンゼン環、ケトン結合及びベンゼン環が、この順序で並んだ構造単位を有するポリエーテルケトン(PEK)が挙げられる。中でも、芳香族ポリエーテルケトンとしては、PEEKが好ましい。このような芳香族ポリエーテルケトンは、耐摩耗性、耐熱性、絶縁性、加工性等に優れる。
PEEK等の芳香族ポリエーテルケトンとしては、市販品を使用することができる。P芳香族ポリエーテルケトンとしては、様々なグレードのものが市販されており、市販されている単一のグレードの芳香族ポリエーテルケトンを単独で使用してもよく、複数のグレードの芳香族ポリエーテルケトンを併用してもよく、また変性した芳香族ポリエーテルケトンを使用してもよい。
ベースフィルム1におけるエンジニアリングプラスチックの合計含有量の上記フッ素樹脂に対する比の下限としては、特に限定されないが、10質量%が好ましく、20質量%がより好ましく、35質量%がさらに好ましい。エンジニアリングプラスチックの合計含有量が上記下限未満の場合、ベースフィルム1の特性を充分に改善することができないおそれがある。一方、エンジニアリングプラスチックの合計含有量の上記フッ素樹脂に対する比の上限としては、特に限定されないが、50質量%が好ましく、45質量%がより好ましい。エンジニアリングプラスチックの含有量が上記上限を超える場合、フッ素樹脂の有利な特性を充分に発現させることができないおそれがある。
難燃剤としては、公知の種々のものを使用することができ、例えば臭素系難燃剤、塩素系難燃剤等のハロゲン系難燃剤が挙げられる。
難燃助剤としては、公知の種々のものを使用することができ、例えば三酸化アンチモン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、公知の種々のものを使用することができ、例えばフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。
補強材としては、例えばカーボン繊維、ガラス繊維等が挙げられ、これらから形成された撚糸や布、例えばガラスクロス等を使用してもよい。
ベースフィルム1の平均厚さの下限としては、3μmが好ましく、6μmがより好ましい。ベースフィルム1の平均厚さが上記下限未満の場合、ベースフィルム1の強度が不十分となり、ベースフィルム1が裂けるおそれがある。一方、ベースフィルム1の平均厚さの上限としては、100μmが好ましく、55μmがより好ましい。ベースフィルム1の平均厚さが上記上限を超える場合、ベースフィルム1の弾性によって歪ゲージ用プリント配線板10のスプリングバックが大きくなり歪量の測定誤差が大きくなるおそれがある。
改質層4は、ベースフィルム1を構成するフッ素樹脂に親水性有機官能基を有しシロキサン結合(Si−O−Si)を形成する改質剤が結合して形成される。つまり、改質層4において、親水性有機官能基がシロキサン結合を構成するSi原子に結合する。この親水性有機官能基によって、ベースフィルム1の表面には濡れ性が付与される。フッ素樹脂と改質剤との間の化学結合は、共有結合だけで構成される場合と、共有結合及び水素結合を含む場合とがある。改質層4は、改質層4を除いたフッ素樹脂層2の他の領域とは分子構造や元素の存在割合が異なると考えられる領域である。
シロキサン結合を構成するSi原子(以下、この原子を「シロキサン結合のSi原子」という。)は、N原子、C原子、O原子、及びS原子のいずれか少なくとも1つの原子を介してフッ素樹脂層2のC原子と共有結合する。例えば、シロキサン結合のSi原子は、−O−、−S−、−S−S−、−(CH)n−、−NH−、−(CH)n−NH−、−(CH)n−O−(CH)m−(n,mは1以上の整数である。)等の原子団を介してフッ素樹脂のC原子と結合する。
上記親水性有機官能基としては、水酸基、カルボキシ基、カルボニル基、アミノ基、アミド基、スルフィド基、スルホニル基、スルホ基、スルホニルジオキシ基、エポキシ基、メタクリル基、又はメルカプト基が好ましい。これらの中でもN原子又はS原子を含むものがより好ましい。これらの親水性官能基は、ベースフィルム1の表面の密着性を向上する。なお、改質層4は、これら親水性官能基の2種以上を含んでもよい。このように改質層4に異なる性質の親水性官能基を付与することによって、ベースフィルム1の表面の反応性等を多様なものとすることができる。これらの親水性官能基は、シロキサン結合の構成要素であるSi原子に直接、あるいは1個又は複数個のC原子(例えばメチレン基やフェニレン基)を介して結合する。
上記の特徴を有する改質層4を形成するための改質剤としては、分子中に、親水性有機官能基を有するシラン系カップリング剤が好適であり、さらにSi原子を含む加水分解性官能基を有するシラン系カップリング剤がより好適である。このようなシラン系カップリング剤は、ベースフィルム1を構成するフッ素樹脂と化学結合する。
上記Si原子を含む加水分解性官能基とは、具体的にはSi原子にアルコキシ基が結合した基である。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられる。
N原子を含む親水性有機官能基としては、例えばアミノ基、ウレイド基等を挙げることができる。
N原子を含む親水性有機官能基を有するシラン系カップリング剤としては、例えばアミノアルコキシシラン、ウレイドアルコキシシラン等、及びこれらの誘導体が挙げられる。
アミノアルコキシシランとしては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
アミノアルコキシシランの誘導体としては、例えば3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン等のケチミン、N−ビニルベンジル−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン酢酸塩等のシラン系カップリング剤の塩などが挙げられる。
ウレイドアルコキシシランとしては、例えば3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−(2−ウレイドエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
S原子を含む親水性有機官能基としては、例えばメルカプト基、スルフィド基等が挙げられる。
S原子を含む親水性有機官能基を有するシラン系カップリング剤としては、例えばメルカプトアルコキシシラン、スルフィドアルコキシシラン、及びこれらの誘導体が挙げられる。
メルカプトアルコキシシランとしては、例えば3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピル(ジメトキシ)メチルシラン等が挙げられる。
スルフィドアルコキシシランとしては、例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等が挙げられる。
上記シラン系カップリング剤としては、変性基を導入したものであってもよい。変性基としては、フェニル基が好ましい。
シラン系カップリング剤としては、例示した中でも、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、又はビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドが好ましい。
改質剤としては、上記シラン系カップリング剤に加えて他のカップリング剤を使用することができる。他のカップリング剤としては、ベースフィルム1のフッ素樹脂又はそのラジカルに対して反応性を有するものであればよく、例えばチタン系カップリング剤を使用することができる。
チタン系カップリング剤としては、例えばイソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)ジイソプロピルチタネート、テトラメチルオルソチタネート、テトラエチルオルソチタネート、テトラプロピルオルソチタネート、テトライソプロピルテトラエチルオルソチタネート、テトラブチルオルソチタネート、ブチルポリチタネート、テトライソブチルオルソチタネート、2−エチルヘキシルチタネート、ステアリルチタネート、クレシルチタネートモノマー、クレシルチタネートポリマー、ジイソプロポキシ−ビス(2,4−ペンタジオネート)チタニウム(IV)、ジイソプロピル−ビス(トリエタノールアミノ)チタネート、オクチレングリコールチタネート、チタニウムラクテート、アセトアセティックエスチルチタネート、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、ジヒドロキシビス(ラクタト)チタン、チタニウム−イソプロポキシオクチレングリコレート、テトラ−n−ブトキシチタンポリマー、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレートポリマー、ブチルチタネートダイマー、チタンアセチルアセトネート、ポリ(チタンアセチルアセトネート)、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
改質層4の表面の純水に対する接触角の上限としては、90°が好ましく、80°がより好ましい。改質層4の表面の純水に対する接触角が上記上限を超える場合、導電パターン3との密着性が不十分となるおそれがある。一方、改質層4の表面の純水に対する接触角の下限は特に限定されない。なお、改質層4の表面の純水との接触角は、ERMA社の接触角測定器「G−I−1000」等を用いて測定できる。
ベースフィルム1の表面のぬれ張力の下限としては、50mN/mが好ましく、60mN/mがより好ましい。ぬれ張力が上記下限未満であると、密着力が不足し、導電パターン3が剥離するおそれがある。上記ぬれ張力の下限は、純粋なポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の濡れ張力よりも大きい。すなわち、ベースフィルム1の表面は、上記改質層4を形成することによって、通常のフッ素樹脂に比べて表面の密着性が高くなる。なお、「ぬれ張力」とは、JIS−K−6768(1999)に準拠して測定される値である。
また、この改質層4は、次のエッチング耐性を有することが好ましい。すなわち、塩化鉄を含み、密度が1.31g/cm以上1.33g/cm以下であって、遊離塩酸濃度が0.1mol/L以上0.2mol/L以下であるエッチング液を使用して、45℃以下、1分以上2分以内の条件で浸漬するエッチング処理に対して、改質層4が除去されないことが好ましい。ここで、改質層4が除去されないとは、ベースフィルム1表面の親水性が失われないことを示し、例えばベースフィルム1表裏面の純水に対する接触角が90°を超えないことを示す。なお、エッチング処理により、改質層4が形成されている領域において疎水性を示す微小部分が斑状に生じる場合もあるが、この領域全体としては親水性を有する場合は、このような状態は親水性が維持されているものとする。このように、改質層4がエッチング耐性を有することにより、後述するように導電パターン3をエッチングにより形成した後に、改質層4の表面にカバーフィルムを容易に積層することができる。
改質層4の平均厚さの下限としては、特に限定されないが、10nmが好ましく、50nmがより好ましい。改質層4の平均厚さが上記下限未満の場合、ベースフィルム1の表面を十分に改質できず、導電パターン3の剥離を防止できないおそれがある。一方、改質層4の平均厚さの上限としては、400nmが好ましく、200nmがより好ましい。改質層4の平均厚さが上記上限を超えると、被測定物の伸縮に追従して歪受感部が十分に伸縮しないおそれがある。なお、改質層の平均厚さは、光干渉式膜厚測定機、X線光電子分光(X−rayPhotoelectronSpectroscopy)分析装置、電子顕微鏡等を用いて測定できる。
上記導電パターンが存在する領域における上記改質層4表面の平均表面粗さ(Ra)の上限としては、4μmが好ましく、1μmがより好ましい。改質層4の表面の平均表面粗さ(Ra)が上記上限を超える場合、歪受感部が配設されるベースフィルム表面の平坦度が低くなり、測定精度が低下するおそれがある。一方、改質層4の表面の平均表面粗さ(Ra)の下限としては、特に限定されない。
上記ベースフィルム1のループスティフネス試験による潰れ抵抗の下限としては、0.1N/cmが好ましい。この潰れ抵抗が上記下限未満であると、当該歪ゲージ用プリント配線板10のフレキシブル性が十分でなくなるおそれがある。一方、上記潰れ抵抗の上限としては、20000N/cmが好ましく、5N/cmがより好ましく、2N/cmがさらに好ましい。この潰れ抵抗が上記上限を超えると、当該歪ゲージ用プリント配線板10の取扱いが逆に困難となるおそれがあるとともに、ベースフィルム1が高額化するおそれがある。
<導電パターン>
導電パターン3は、例えば改質層4に積層した金属箔により構成される。この導電パターン3は、抵抗値の変化が測定される歪受感部2、導電パターン3を外部と電気的接続する一対の電極部5、及び歪受感部2と電極部5とを接続する配線部6を有する。
当該歪ゲージ用プリント配線板10が用いられる歪ゲージは、金属の延伸により断面積が減少するとともに長さが大きくなり、その結果抵抗値が大きくなることと、逆に金属の圧縮により断面積が増大するとともに長さが小さくなり、その結果抵抗値が小さくなることとを利用して被測定物の歪量を測定する。
上記歪受感部2は、平行に一定の間隔で配設された複数の帯状部が端部同士で幅方向に延伸する連結部で連結された1つの抵抗体である。つまり、歪受感部2は、一本の帯状体を一定間隔で複数回折り返したジグザグ形状を有する。この歪受感部2の両端には配線部6を介して電極部5が接続されている。この歪受感部2の帯状部は、抵抗値の変化率を検出し易いように幅が小さい方が好ましい。一方、配線部6は、導電パターン3全体の抵抗値に対する配線部6での抵抗値の割合が小さくなるように幅が大きい方が好ましい。また、電極部5は、外部からの配線を接続し易いようにベースフィルム1の外縁付近に配設されることが好ましい。この電極部5には、半田作業をし易くするために、ニッケルや金等をメッキしてもよい。
導電パターン3を構成する金属としては、電気伝導性を有するものであれば特に限定されず、例えば白金、アルミニウム、ニッケル、タングステン、鉄、金、銀、銅、パラジウム、クロム、銅ニッケル合金、ニッケルクロム合金、銅マンガン合金、鉄クロム合金等を挙げることができるが、抵抗値及び線膨張係数等から銅ニッケル合金、ニッケルクロム合金、銅マンガン合金、鉄クロム合金が好ましい。
導電パターン3の平均厚さの下限としては、1μmが好ましく、3μmがより好ましい。導電パターン3の厚さが上記下限未満の場合、導電パターン3が切断するおそれがある。一方、導電パターン3の平均厚さの上限としては、100μmが好ましく、50μmがより好ましい。導電パターン3の平均厚さが上記上限を超える場合、導電パターン3が厚過ぎて被測定物の歪変化に追随できないおそれがある。
<歪ゲージ用プリント配線板の製造方法>
次に、当該歪ゲージ用プリント配線板10を製造する方法について説明する。
当該歪ゲージ用プリント配線板10は、改質剤付着工程と、ベースフィルム積層工程と、導電パターン形成工程とを備える製造方法によって製造できる。
(改質剤付着工程)
改質剤付着工程は、導電パターン3を形成する金属箔の裏面、すなわち金属箔のベースフィルム1と対向する面に、アルコールと、水と、ベースフィルム1を改質して改質層4を形成するための改質剤とを含むプライマーを付着させる工程である。金属箔にプライマーを付着させる方法は、特に限定されないが、例えば浸漬法、スプレー法、塗布法等が採用できる。そして、乾燥により、プライマーのアルコールを除去する。アルコールの除去は、自然乾燥、加熱による乾燥、または減圧による乾燥等が採用できる。なお、この乾燥は、次の積層工程の熱圧着を行うプレス機において、連続して行ってもよい。乾燥後、加熱(例えば120℃15分)し、Si−O−Si結合を形成させる。
改質剤のプライマー全体における含有量の下限としては、0.1質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましい。改質剤の含有量が上記下限未満の場合、ベースフィルム1の表面を十分に改質できないおそれがある。一方、改質剤の含有量の上限としては、5質量%が好ましく、3質量%がより好ましい。改質剤の含有量が上記上限を超える場合、改質剤の凝集が生じ、金属箔裏面において、均一な厚さのプライマーの膜を形成できないおそれがある。
プライマー中の水は微量で足りるが、改質剤の縮合の際の必須物質である。水のプライマー全体における含有量としては、例えば0.01質量%以上0.1質量%以下とすることができる。
(ベースフィルム積層工程)
ベースフィルム積層工程は、導電パターン3を形成する金属箔の裏面、すなわち改質剤付着工程において付着したプライマーの上にベースフィルム1を構成するフッ素樹脂のシートを積層する工程である。ベースフィルム1と金属箔との積層体は、プレス機によって熱圧着される。ベースフィルム1と金属箔との間に気泡や空隙が形成されないようにするために、この熱圧着は減圧下で行うことが好ましい。この熱圧着によって、フッ素樹脂のC原子と改質剤から形成されるSi−O−Si結合との間に他の原子を介して化学結合が形成される。また、金属箔の酸化を抑制するため、例えば窒素雰囲気中等の低酸素条件下で熱圧着を行うことが好ましい。
熱圧着温度の下限としては、ベースフィルム1を構成するフッ素樹脂の融点が好ましく、上記フッ素樹脂の分解開始温度がより好ましい。さらに、熱圧着温度とフッ素樹脂の融点との差の下限としては30℃が好ましく、50℃がより好ましい。熱圧着温度が上記下限未満の場合、フッ素樹脂が活性化しないため改質剤との反応が不十分となるおそれがある。また、熱圧着温度をフッ素樹脂の分解開始温度以上とすることにより、フッ素樹脂の一部がよりラジカルになり易く、改質剤と他の原子を介してより結合すると考えられる。一方、上記熱圧着温度の上限としては、フッ素樹脂の分解温度が好ましい。ここで、分解開始温度とは、フッ素樹脂が熱分解し始める温度をいい、分解温度とは、フッ素樹脂が熱分解によってその質量が10%減少する温度をいう。熱圧着温度が上記上限を超える場合、フッ素樹脂が分解してベースフィルム1が破損するおそれがある。
例として、ベースフィルム1を構成するフッ素樹脂がテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)である場合、フッ素樹脂の融点が約270℃であるため、熱圧着温度の下限としては、300℃が好ましく、320℃がより好ましい。一方この時の熱圧着温度の上限としては、600℃が好ましく、500℃がより好ましい。
熱圧着圧力としては、0.01MPa以上100MPa以下が好ましい。また、熱圧着の加圧時間としては、0.01分以上1000分以下が好ましい。ただし、熱圧着圧力及び加圧時間はこれらに制限されるものではなく、改質剤の反応性等を考慮して設定すればよい。
このような熱圧着により、改質剤からSi−O−Si結合が形成され、他の原子を介してその一部がフッ素樹脂に結合する。これらの結合は、改質層4が上述のエッチング耐性を有することから、共有結合を含むものであると推察される。また、改質層4が膜状に広がった高分子から構成され、この高分子とフッ素樹との間において多数の水素結合が形成されることによって両者が強く結合している可能性があるため、上記結合には、水素結合も含まれると推察される。一方で、金属箔の表面近傍には上記Si−O−Si結合及び親水性有機官能基が存在するため、フッ素樹脂表面に金属箔が固定される。
また、この接着工程では、上記加圧加熱に加えて、他の公知のラジカル生成方法、例えば、電子線照射等を併用してもよい。電子線照射としては、例えばγ線照射処理が挙げられる。電子線照射等を併用することで、フッ素樹脂のラジカルをより効果的に生成させることができるため、ベースフィルム1と金属箔(導電パターン3)との間の接着の確実性をさらに高めることができる。また、電子線照射は、必ずしも接着工程において行う必要はなく、例えばベースフィルム1を形成するときに同時に行ってもよいし、接着工程後に行ってもよい。
(導電パターン形成工程)
導電パターン形成工程においては、従来のプリント配線板の製造方法で採用されるエッチング法と同様の方法で導電パターン3を形成する。例えば形成する導電パターン3に応じた形状のレジスト膜を上記金属箔の表面に積層し、その積層体をエッチング液に浸漬して導電パターン3を形成する。このエッチングによって、金属箔は除去されるが、ベースフィルム1に形成された改質層4は除去されない。
<利点>
当該歪ゲージ用プリント配線板10は、フッ素樹脂を主成分とするベースフィルム1を備えている。このようにベースフィルム1の主成分をフッ素樹脂とすることにより、当該歪ゲージ用プリント配線板10は、弾性係数を小さくしてスプリングバックを小さくでき、測定誤差が小さくなる。また、フッ素樹脂は表面が不活性であるが、当該歪ゲージ用プリント配線板10は、ベースフィルム1の表面側において活性が高い改質層4を有するので、ベースフィルム1と導電パターン3との密着性が向上する。これにより、当該歪ゲージ用プリント配線板10が貼られた被測定物に歪が生じても導電パターン3がベースフィルム1から剥がれるおそれが少ない。これらのことにより、当該歪ゲージ用プリント配線板10は、歪ゲージに好適に用いることができる。
また、改質層4と導電パターン3とを熱圧着によって接合させるので、接着剤が不要となる。これにより、当該歪ゲージ用プリント配線板10を薄くすることができる。また、改質層4と導電パターン3とを容易に接合することができる。
[第二実施形態]
図3の歪ゲージ用プリント配線板11は、フッ素樹脂を主成分とするベースフィルム1と、このベースフィルム1の表面に積層され、歪受感部2を含む導電パターン3と、歪受感部2の少なくとも一部の表面、及び改質層4の少なくとも一部の表面に積層されるフッ素樹脂を主成分とするカバーフィルム7とを備える。ベースフィルム1、歪受感部2、導電パターン3、及び改質層4は、上記第一実施形態の歪ゲージ用プリント配線板10と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
このカバーフィルム7は、歪受感部2を保護する。また、カバーフィルム7の主成分とするフッ素樹脂としては、ベースフィルム1が主成分としたフッ素樹脂と同様のものを用いることができる。また、カバーフィルム7は、ベースフィルム1と同様に任意成分として、例えばエンジニアリングプラスチック、難燃剤、難燃助剤、酸化防止剤、滑剤、加工安定剤、可塑剤、ガラスクロス等を含み得る。
カバーフィルム7の平均厚さの下限としては、1μmが好ましく、3μmがより好ましい。カバーフィルム7の平均厚さが上記下限未満の場合、導電パターン3を十分に保護出来ないおそれがある。一方、カバーフィルム7の平均厚さの上限としては、100μmが好ましく、55μmがより好ましい。カバーフィルム7の平均厚さが上記上限を超える場合、カバーフィルム7の弾性によってスプリングバックが大きくなり、歪量の測定誤差が大きくなるおそれがある。
このカバーフィルム7の歪受感部2及び改質層4への積層は、例えば接着剤で接着することによって行うことができる。また、カバーフィルム7とベースフィルム1とを熱溶融で接着させることによっても行うことができる。この熱溶融は、例えば180℃以上400℃以下、20分以上30分以下、3MPa以上4MPa以下の条件で行うことができる。これらのカバーフィルム7の積層においては、改質層4の表面が活性なので、カバーフィルム7と改質層4との密着性が向上する。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
上記実施形態の歪ゲージ用プリント配線板においては、ベースフィルムに1の導電パターンを積層したが、複数の導電パターンを積層してもよい。この場合、複数の導電パターンそれぞれの歪受感部の向きを変えることにより、被測定物における複数の方向の歪量を測定することができる。
また、当該歪ゲージ用プリント配線板における歪受感部の形状は、図1に示した形状に限定されない。歪受感部の形状は、例えば複数の帯状部が原点を中心に放射線状に配設されたものであってもよい。この場合、複数の帯状部を連結する延伸部は同心円上の円弧を形成する。このような歪受感部の形状は、ダイヤフラムの圧力測定等に好適に用いることができる。
さらに、上記実施形態の歪ゲージ用プリント配線板においては、改質層がベースフィルムの表面の全体に形成されたが、改質層は、少なくとも導電パターンが存在する領域に形成されればよく、ベースフィルムの表面の全体に形成されなくてもよい。ただし、第二実施形態の歪ゲージ用プリント配線板において、カバーフィルムとの密着性の観点から、カバーフィルムと接触する箇所には改質層が形成されていることが好ましい。
本発明の歪ゲージ用プリント配線板は、歪量の測定誤差が小さく、かつ導電パターンがベースフィルムから剥がれるおそれが少ない。その結果、歪が大きい被測定物の歪測定に好適に用いることができる。
1 ベースフィルム
2 歪受感部
3 導電パターン
4 改質層
5 電極部
6 配線部
7 カバーフィルム
10、11 歪ゲージ用プリント配線板

Claims (7)

  1. フッ素樹脂を主成分とするベースフィルムと、このベースフィルムの表面に積層され、歪受感部を含む導電パターンとを備え、
    上記ベースフィルムが、表面の少なくとも導電パターンが存在する領域に改質層を有し、
    上記改質層がシロキサン結合及び親水性有機官能基を含む歪ゲージ用プリント配線板。
  2. 上記改質層の表面の純水との接触角が90°以下である請求項1に記載の歪ゲージ用プリント配線板。
  3. 上記改質層の平均厚さが400nm以下である請求項1又は請求項2に記載の歪ゲージ用プリント配線板。
  4. 上記導電パターンが存在する領域における上記改質層表面の平均表面粗さ(Ra)が4μm以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の歪ゲージ用プリント配線板。
  5. 上記ベースフィルムのループスティフネス試験による潰れ抵抗が0.1N/cm以上20000N/cm以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の歪ゲージ用プリント配線板。
  6. 上記親水性有機官能基が、水酸基、カルボキシ基、カルボニル基、アミノ基、アミド基、スルフィド基、スルホニル基、スルホ基、スルホニルジオキシ基、エポキシ基、メタクリル基又はメルカプト基である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の歪ゲージ用プリント配線板。
  7. 上記ベースフィルムが、上記導電パターンが存在しない領域にも上記改質層を有し、
    上記歪受感部の少なくとも一部の表面、及び上記改質層の少なくとも一部の表面に積層され、フッ素樹脂を主成分とするカバーフィルムをさらに備える請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の歪ゲージ用プリント配線板。
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