JP2015127026A - 分離装置、分離方法及び分離膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】混合流体に含まれる有機化合物の濃度をより簡便に高める。【解決手段】分離装置10は、分離膜を備えた構造体41が配設された分離部40を備えている。分離膜は、供給側から供給した有機化合物と水とを含む混合流体から水を選択的に透過側へ透過するものであり、エタノールを50質量%含む温度50℃のエタノール水溶液を供給側から供給し透過側を6.7kPaの真空度で減圧したときに透過する全流体の透過流束JVT(kg/m2/h)に対するエタノールの透過流束JVE(kg/m2/h)の比であるFlux比=JVE/JVTが0.04以上のものである。【選択図】図1
Description
本発明は、分離装置、分離方法及び分離膜に関し、より詳しくは、有機化合物及び水を含む混合流体を分離する分離装置、分離方法及び分離膜に関する。
従来、有機物水溶液を浸透気化膜に接触させて、この膜を透過した透過蒸気を凝縮させて分離する有機物水溶液の脱水方法が知られている。こうした脱水方法において、有機物水溶液の脱水効率を高めるため、有機物水溶液を供給する供給側の温度を上げて供給側の水蒸気分圧を大きくしたり、透過側を減圧して透過側の水蒸気分圧を下げることなどが行われている。しかしながら、浸透気化膜の耐熱性などを考慮すると、供給側の温度を上げることには限界があった。一方、透過側をより減圧しようとすると透過蒸気が十分に凝縮せず真空ポンプに流入して真空ポンプに過負荷がかかることがあった。また、それを避けるために温度を下げて透過蒸気を凝縮させようとすると透過蒸気が凝固して配管詰まりなどを引き起こすことがあった。このため、透過側の減圧にも限界があった。
そこで、有機物水溶液を供給側へ供給する配管に分岐管を設けて有機物水溶液の一部を分取し、これを加熱蒸発器で蒸発させ、その蒸気を透過側に注入して透過蒸気と合流させることが提案されている(特許文献1)。こうすれば、透過蒸気に有機物の蒸気が混合されるため、この混合蒸気は、その凝固点が透過蒸気のみの場合の凝固点に比べて低くなる。このため、透過側を十分に減圧して高度な膜透過を行うとともに、透過蒸気の凝固を防止できるとされている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、有機物水溶液から高度に水を分離して有機物の濃度を高めることができるが、有機物水溶液の一部を分取して透過側に蒸気で注入したり透過側をより高真空にする必要があり、装置や操作が複雑になることがあった。このため、より簡便に有機物の濃度を高めることが望まれていた。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、混合流体に含まれる有機化合物の濃度をより簡便に高めることのできる分離装置、分離方法及び分離膜を提供することを主目的とする。
上述した主目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、有機化合物と水とを含む混合流体から分離膜を用いて水を分離する際、水だけでなく有機化合物の一部を透過させると混合流体に含まれる有機物の濃度を高め得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
本発明の分離装置は、
供給側から供給した有機化合物と水とを含む混合流体から水を選択的に透過側へ透過する分離膜として、エタノールを50質量%含む温度50℃のエタノール水溶液を前記供給側から供給し前記透過側を6.7kPaの真空度で減圧したときに透過する全流体の透過流束JVT(kg/m2/h)に対するエタノールの透過流束JVE(kg/m2/h)の比であるFlux比=JVE/JVTが0.04以上の分離膜を備え、前記混合流体から水を分離して濃縮混合流体を得るものである。
供給側から供給した有機化合物と水とを含む混合流体から水を選択的に透過側へ透過する分離膜として、エタノールを50質量%含む温度50℃のエタノール水溶液を前記供給側から供給し前記透過側を6.7kPaの真空度で減圧したときに透過する全流体の透過流束JVT(kg/m2/h)に対するエタノールの透過流束JVE(kg/m2/h)の比であるFlux比=JVE/JVTが0.04以上の分離膜を備え、前記混合流体から水を分離して濃縮混合流体を得るものである。
本発明の分離方法は、
有機化合物と水とを含む混合流体を供給側から供給し、前記混合流体から水を選択的に透過側へ透過する分離膜として、エタノールを50質量%含む温度50℃のエタノール水溶液を前記供給側から供給し前記透過側を6.7kPaの真空度で減圧したときに透過する全流体の透過流束JVT(kg/m2/h)に対するエタノールの透過流束JVE(kg/m2/h)の比であるFlux比=JVE/JVTが0.04以上の分離膜を用いて前記混合流体から水を分離して濃縮混合流体とする分離工程、
を含むものである。
有機化合物と水とを含む混合流体を供給側から供給し、前記混合流体から水を選択的に透過側へ透過する分離膜として、エタノールを50質量%含む温度50℃のエタノール水溶液を前記供給側から供給し前記透過側を6.7kPaの真空度で減圧したときに透過する全流体の透過流束JVT(kg/m2/h)に対するエタノールの透過流束JVE(kg/m2/h)の比であるFlux比=JVE/JVTが0.04以上の分離膜を用いて前記混合流体から水を分離して濃縮混合流体とする分離工程、
を含むものである。
本発明の分離膜は、
供給側から供給した有機化合物と水とを含む混合流体から水を選択的に透過側へ透過し、エタノールを50質量%含む温度50℃のエタノール水溶液を前記供給側から供給し前記透過側を6.7kPaの真空度で減圧したときに透過する全流体の透過流束JVT(kg/m2/h)に対するエタノールの透過流束JVE(kg/m2/h)の比であるFlux比=JVE/JVTが0.04以上である。
供給側から供給した有機化合物と水とを含む混合流体から水を選択的に透過側へ透過し、エタノールを50質量%含む温度50℃のエタノール水溶液を前記供給側から供給し前記透過側を6.7kPaの真空度で減圧したときに透過する全流体の透過流束JVT(kg/m2/h)に対するエタノールの透過流束JVE(kg/m2/h)の比であるFlux比=JVE/JVTが0.04以上である。
本発明の分離装置、分離方法及び分離膜では、混合流体に含まれる有機化合物の濃度をより簡便に高めることができる。こうした効果が得られる理由は、以下のように推察される。浸透気化法や蒸気透過法による有機化合物と水とを含む混合流体からの水の分離は、分離膜を介し供給側と透過側の水蒸気分圧の差を利用して行われる。このため、供給側の水蒸気分圧はより高く、透過側の水蒸気分圧はより低いことが望まれる。本発明では、分離膜として、Flux比が0.04以上という、有機化合物が比較的透過しやすい分離膜を用いるため、透過側の有機化合物の分圧が高くなることによって透過側の水蒸気分圧を低下させることができる。このため、混合流体に含まれる有機化合物の濃度をより簡便に高めることができると考えられる。
次に、本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態である分離装置10の構成の概略を示す構成図である。図2は、分離膜45を備えた構造体41の構成の概略の一例を示す説明図である。
(分離装置)
分離装置10は、分離対象物である混合流体を収容する収容部20と、収容部20から供給された混合流体から水を分離する分離部40とを備えている。混合流体は、有機化合物と水とを含む溶液である。なお、混合流体は、液体であってもよいし、気体であってもよい。
分離装置10は、分離対象物である混合流体を収容する収容部20と、収容部20から供給された混合流体から水を分離する分離部40とを備えている。混合流体は、有機化合物と水とを含む溶液である。なお、混合流体は、液体であってもよいし、気体であってもよい。
この分離装置10は、収容部20から分離部40を経て収容部20へ混合流体を流通する循環経路22を備えている。即ち、分離装置10は、混合流体を循環して水を分離するバッチ式分離装置として構成されている。循環経路22には、混合流体を流通させる循環ポンプ24と、循環経路22を流通する混合流体の温度を所定温度に調節する熱交換器26と、循環経路22を流通する混合流体の温度を検出する温度センサ13とが収容部20から分離部40への間に配設されている。熱交換器26(本発明の供給側温度調整部に相当)は、接続された温度調節経路28を循環する熱媒体によって、循環経路22を流通する混合流体と熱媒体との熱交換を行い、混合流体から水を分離するときの分離温度を調整する。分離温度の下限は、有機溶媒によって各々設定され、例えば酢酸エチルの場合65℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましい。分離膜を水が透過する透過速度をより高めることができるからである。また、分離温度の上限は、有機溶媒によって各々設定され、例えば酢酸エチルの場合75℃以下が好ましく、72℃以下がより好ましい。有機溶媒の沸点(酢酸エチルの場合、77℃)を超えて突沸を発生するのを防ぐ為である。分離温度は、温度センサ13による測定値としてもよい。この分離装置10は、混合流体を収容する予備タンク11を備えており、この予備タンク11から送液ポンプ12により混合流体が収容部20へ送られる。
分離部40は、分離膜45(図2参照)が形成された構造体41が配設されている。また、分離部40は、分離物である水を収容する排水タンク35に分離経路29を介して接続されており、この分離経路29を介して、分離された水が排出される。この分離部40には、圧力センサ15が接続されており、この圧力センサ15により容器内の圧力が検出される。分離経路29には、経路内の圧力を検出する圧力ゲージ14と、温度調節経路28に接続された熱交換器30と、チラー34と接続された冷却器32と、排水タンク35に入る前の水の温度を計測する温度センサ16とが配設されている。排水タンク35には、排水タンク35の圧力を検出する圧力ゲージ17と、真空ポンプ38が接続され排水タンク35や分離経路29を減圧する真空制御機36と、排水タンク35に収容された水を経路外へ送り出す送液ポンプ37とが配設されている。
構造体41は、図2に示すように、混合流体の流路となる複数のセル42を形成する基材としての多孔質基材44と、多孔質基材44の内表面に設けられ混合流体の分離機能を有する分離膜45とを備えている。このように、分離膜45が多孔質基材44の表面に形成されることにより、分離膜45を薄膜としても、多孔質基材44に支えられてその形状を維持し破損等を防止することができる。この構造体41では、入口側からセル42へ入った混合流体のうち、分離膜45を透過可能な分子サイズを有する水が、分離膜45及び多孔質基材44を透過し、構造体41の側面から排出される。一方、分離膜45を透過できない流体は、セル42の流路に沿って流通し、セル42の出口側から排出される。多孔質基材44は、複数のセル42を備えたモノリス構造を有しているものとしてもよい。その外形は、特に限定されないが、円柱状、楕円柱状、四角柱状、六角柱状などの形状とすることができる。あるいは、多孔質基材44は、断面多角形の管状としてもよい。この多孔質基材44は、気孔径の大きな粗粒部44aの表面に気孔径の小さな細粒部44bが形成された二層以上の多層構造を有しているものとしてもよい。粗粒部44aの気孔径は、例えば、0.1μm〜数100μm程度とすることができる。細粒部44bの気孔径は、粗粒部44aの気孔径に比して小さければよく、例えば、気孔径が0.001〜1μm程度のものとすることができる。こうすれば、多孔質基材44の透過抵抗を低減することができる。多孔質基材44を構成する材料としては、アルミナ(α−アルミナ、γ−アルミナ、陽極酸化アルミナ等)、ジルコニア等のセラミックスやステンレスなどの金属等を挙げることができ、基材の作製、入手の容易さの点から、アルミナが好ましい。アルミナとしては、平均粒径0.001〜30μmのアルミナ粒子を原料として成形、焼結させたものが好ましい。
分離膜45は、有機化合物と水とを含む混合流体(有機物と水とを含む混合溶液又は混合溶液の蒸発物)から、選択的に水を分離するものである。ここで、「水を選択的に分離する」とは、混合流体から純度100%の水を分離して取り出すだけでなく、混合流体の組成と比較して水の含有率が高くなった溶液または気体を分離して取り出すことも含む。この分離膜45は、エタノールを50質量%含む温度50℃のエタノール水溶液を供給側から供給し透過側を6.7kPa(50Torr)の真空度で減圧したときに透過する全流体の透過流束JVT(kg/m2/h)に対するエタノールの透過流束JVE(kg/m2/h)の比であるFlux比=JVE/JVTが0.04以上の分離膜である。Flux比が0.04以上であれば、混合流体から水を分離して得られる濃縮混合流体に含まれる有機化合物の濃度を高めることができる。ここで、濃縮混合流体に含まれる有機化合物の濃度より高めるには、Flux比が0.06以上であることが好ましい。一方、透過水蒸気とともに排出されてしまう有機化合物の量が多くなりすぎないようにするためには、Flux比が0.08以下であることが好ましい。ここで、Flux比は、分離膜45の種類や膜厚さ、成膜方法、成膜後の各種処理などを変えることによって調整することができる。
分離膜45の種類は特に限定されないが、炭素膜やセラミック膜などの無機膜とすることができる。炭素膜やゼオライト膜は、分子篩作用を有しており、ガス分離膜や浸透気化膜等の分離膜として好ましい。このうち、炭素膜は耐酸性に優れており、好ましい。炭素膜としては、フェノール樹脂を用いたものやポリイミドを用いたものなどがあるが、このうち、フェノール樹脂を用いたものは耐酸性により優れており好ましい。セラミック膜としては、ゼオライト膜などが挙げられる。この分離膜45は、平均細孔径が0.2nm以上1.0nm以下であることが好ましい。平均細孔径が0.2nm以上では、水の透過量の低下をより抑制することができる。一方、平均細孔径が1.0nm以下では、分離対象物の選択性を向上することができる。この分離膜の平均細孔径の測定方法は、例えば、ガス透過法により測定することができる。この分離膜45の厚さは、0.01μm以上10μm以下であることが好ましく、0.01μm以上0.5μm以下であることがより好ましい。分離膜の厚さが0.01μm以上では、選択性の低下が抑制され、機械的強度が向上する。一方、分離膜の厚さが10μm以下では、分離対象成分の透過性の低下を抑制することができる。この炭素膜の厚さの測定方法は、例えば、走査型電子顕微鏡により測定することができる。
分離膜45は、成膜後にFlux比が所望の値となるようにFlux比調整処理を行って得られたものでもよいし、成膜時にFlux比が所望の値となるような条件で成膜したものでもよい。また、分離膜45は、任意の方法で得られた膜のうち、Flux比が所望の値であるものを選別して用いてもよい。
分離膜45について、成膜後にFlux比が所望の値となるようにFlux比調整処理を行う場合、成膜方法としては、例えば、多孔質支持基体44をフェノール樹脂又はフェノール樹脂の前駆体を均一に溶解した溶液、又は、これらの懸濁液に浸漬させ、乾燥させてフェノール樹脂又はフェノール樹脂の前駆体からなる膜を成膜した後、熱処理して炭化させる方法などが挙げられる(以下フェノール樹脂炭化成膜方法とも称する)。なお、フェノール樹脂又はフェノール樹脂の前駆体を均一に溶解した溶液を用いる場合は、溶液の粘度が低くなるので、成膜回数を多くすればよい。一方、フェノール樹脂又はフェノール樹脂の前駆体を懸濁させた懸濁液を用いる場合には、フェノール樹脂又はフェノール樹脂の前駆体を多孔質支持基体の表面に堆積させて染み込みを防止することができ、成膜回数を減らすことができる。用いるフェノール樹脂は、質量平均分子量が3000以上10000以下であることが好ましく、4000以上であることがより好ましい。質量平均分子量がこの範囲では、選択性の高い炭素膜45を得ることができる。質量平均分子量が10000以内では、熱処理時や炭化時の膜の収縮によって生じうる欠陥の発生をより抑制することができ、選択性の低下をより抑制することができる。浸漬にフェノール樹脂又はフェノール樹脂の前駆体の懸濁液を用いる場合は、その濁度は1度以上1000度以下であることが好ましく、100度以上1000度以下であることがより好ましく、300度以上1000度以下であることが更に好ましい。なお、懸濁液の濁度は、透過散乱光測定方式の笠原理化工業社製の商品名「TR−55」を用いて測定することができる。溶液や懸濁液に用いる溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリジノンやエタノールなどの有機溶媒を用いることができる。浸漬する方法としては、例えば、多孔質支持基体44の細孔内に圧力を掛けながら浸漬するいわゆる加圧ディップ法で行うことが好ましい。この場合、圧力は1kPa以上1000kPa以下が好ましく、10kPa以上500kPa以下がより好ましく、50kPa以上100kPa以下が更に好ましい。乾燥処理は、例えば、90℃以上300℃以下の範囲、0.5時間以上60時間以下の条件で行うことができる。炭化させる熱処理は、例えば、非酸化雰囲気下で行うことが好ましい。非酸化雰囲気は、例えば、窒素、アルゴン等の不活性ガス中や真空中等の雰囲気をいう。熱処理は、例えば、400℃以上1200℃以下で行うことが好ましく、600℃以上900℃以下で行うことがより好ましい。400℃以上では、十分炭化し細孔を形成することができ、1200℃以下では強度低下をより抑制でき、膜が緻密化し過ぎるのをより抑制することができる。なお、成膜方法は、上述したものに限定されず、従来公知の方法やそれに準じる方法で炭素膜やセラミック膜を成膜してもよい。
分離膜45について、成膜時にFlux比が所望の値となるような条件で成膜する方法としては、例えば上述のフェノール樹脂炭化成膜方法の各種条件を以下のように調整してもよい。例えば、用いるフェノール樹脂の、質量平均分子量を3000以上10000以下などとしてもよい。また、フェノール樹脂又はフェノール樹脂の前駆体の懸濁液を用いる場合は、その濁度を10度以上300度以下などとしてもよい。また、浸漬する方法としていわゆる加圧ディップ法を採用する場合、圧力を1kPa以上1000kPa以下などとしてもよい。また、乾燥処理を、90℃以上300℃以下の範囲、0.5時間以上60時間以下の条件で行うものとしてもよい。また、炭化させる熱処理を、例えば、非酸化雰囲気下で行うものとしてもよい。また、炭化させる熱処理を、400℃以上900℃以下の範囲で行うものとしてもよい。
分離部40では、セル42を介して循環経路22を混合流体が流通する供給側空間と、構造体41から分離経路29へ分離後の流体が流通する透過側空間とに分離膜45及び多孔質基材44により隔てられている。分離装置10では、真空ポンプ38で分離経路29(透過側空間)を減圧することにより、セル42から分離膜45を経て分離経路29側へ分離物(水)が透過し、冷却器32で冷却してこれを排水タンク35に回収する。このとき、透過側空間の真空度は、真空制御機36(本発明の透過側圧力調整部に相当)によって所定の真空度に調整されている。所定の真空度としては、6.0kPa以上が好ましく、13.3kPa以上がより好ましい。比較的低真空であり、高性能の真空ポンプなどを必要としないからである。一方、分離膜を水が透過する透過速度を高めるという観点からは、所定の真空度としては、40.0kPa以下が好ましく、26.6kPa以下がより好ましい。透過側空間の真空度は、圧力センサ15により検出される圧力としてもよい。
一方、分離部40で水が分離された混合流体は、循環経路22を循環する。そして、分離装置10は、循環経路22を循環する混合流体の有機化合物の濃度が所定値に達すると、分離処理を終了し、循環経路22内の混合流体(濃縮混合流体)を、循環経路22に配設された送液経路23を介して外部へ送出する。送出された濃縮混合流体は、例えば、有機化合物を99.7質量%以上含むことが好ましく、99.8質量%以上含むことがより好ましい。通常の分離膜を用いた場合には、透過側の真空度が比較的低い(例えば50Torrなど)場合、99.7質量%以上まで脱水することは困難だからである。また、有機化合物を99.95質量%以下含むことが好ましく、99.9質量%以下含むことがより好ましい。これ以上の濃度にするためには、透過側をより高真空とする必要があるからである。なお、分離装置10において、混合流体に含まれる有機化合物の濃度は、例えば、収容部20で減少した混合流体の量に基づいて求めるものとしてもよいし、分離経路29で回収された分離物の量に基づいて求めるものとしてもよい。また、混合流体に含まれる有機化合物の濃度は、分離部40や分離部40の出口で混合流体の組成分析を行うことにより求めるものとしてもよい。
(分離方法)
次に、本実施形態の分離方法について説明する。この分離方法は、分離装置10を用いて行うものとしてもよいし、他の分離装置を用いて行うものとしてもよい。この分離方法は、有機化合物と水とを含む混合流体を供給し、分離膜を用いて混合流体から水を分離して濃縮混合流体とする分離工程を含む。
次に、本実施形態の分離方法について説明する。この分離方法は、分離装置10を用いて行うものとしてもよいし、他の分離装置を用いて行うものとしてもよい。この分離方法は、有機化合物と水とを含む混合流体を供給し、分離膜を用いて混合流体から水を分離して濃縮混合流体とする分離工程を含む。
分離工程において、供給する混合流体は、有機化合物と水とを含む溶液である。混合流体は、液体であってもよいし、気体であってもよい。混合流体は、例えば、酢酸エチル、フェノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどを有機化合物として含むものとしてもよい。混合流体は、有機化合物を95質量%以上含むことが好ましく、97質量%以上含むことがより好ましい。分離するべき水の量が多すぎず、分離膜にかかる負荷が大きくなりすぎないからである。また、混合流体は、有機化合物を99.5質量%以下含むことが好ましく、99質量%以下含むことがより好ましい。これ以上有機化合物を含む混合流体からさらに水を分離するには、透過側をより高真空とする必要があるからである。
分離工程で用いる分離膜は、エタノールを50質量%含む温度50℃のエタノール水溶液を供給側から供給し透過側を6.7kPaの真空度で減圧したときに透過する全流体の透過流束JVT(kg/m2/h)に対するエタノールの透過流束JVE(kg/m2/h)の比であるFlux比=JVE/JVTが0.04以上のものである。Flux比が0.04以上であれば、混合流体から水を分離して得られる濃縮混合流体に含まれる有機化合物の濃度を高めることができる。ここで、濃縮混合流体に含まれる有機化合物の濃度より高めるには、Flux比が0.04以上であることが好ましい。一方、透過水蒸気とともに排出されてしまう有機化合物の量が多くなりすぎないようにするためには、Flux比が0.08以下であることが好ましい。こうした分離膜としては、例えば、分離装置10で説明したものを用いることができる。
分離工程では、混合流体を液体で供給した場合は、透過側を減圧し分離膜45から水を透過させる、浸透気化法(パーベーパレーション(Pervaporation)法)により行うことができる。また、混合流体を気体または超臨界ガスで供給した場合は、供給側を加圧あるいは透過側を減圧し分離膜45から水を透過させる、蒸気透過法(ベーパーパーミエーション(Vapor permeation)法)により行うことができる。浸透気化法によれば、混合流体を高温に加熱することなく水を選択的に分離することができるため、エネルギーコスト的に有利である。一方、蒸気透過法によれば、加熱操作を多段でおこなう一般的な蒸留による分離方法などと比較して、やはりエネルギーコスト的に有利である。このうち、浸透気化法によって混合流体の分離を行う方がより好ましい。
分離工程では、分離温度の下限は、有機溶媒によって各々設定され、例えば酢酸エチルの場合65℃以上に調整することが好ましく、70℃以上に調整することがより好ましい。分離温度が70℃以上では、分離膜を水が透過する透過速度をより高めることができるからである。また、分離温度の上限は、有機溶媒によって各々設定され、例えば酢酸エチルの場合75℃以下に調整することが好ましく、72℃以下に調整することがより好ましい。分離温度が72℃以下では、有機溶媒の沸点(酢酸エチルの場合、77℃)を超えて突沸を発生するのを防ぐことができるからである。
分離工程では、透過側の真空度を、6.0kPa以上に調整することが好ましく、13.3kPa以上に調整することがより好ましい。比較的低真空であり、高性能の真空ポンプなどを必要としないからである。一方、分離膜を水が透過する透過速度を高めるという観点からは、透過側の真空度を40.0kPa以下に調整することが好ましく、26.6kPa以下に調整することがより好ましい。
この分離方法で得られる濃縮混合流体は、例えば、有機化合物を99.7質量%以上含むことが好ましく、99.8質量%以上含むことがより好ましい。通常の分離膜を用いた場合には、透過側の真空度が比較的低い(例えば50Torrなど)場合、99.7質量%以上まで脱水することは困難だからである。また、有機化合物を99.95質量%以下含むことが好ましく、99.9質量%以下含むことがより好ましい。これ以上の濃度にするためには、透過側をより高真空とする必要があるからである。
分離工程は、混合流体を循環して水を分離するバッチ式分離方法としてもよいし、分離膜を介して次工程に混合流体を直接流通させる連続式分離方法としてもよい。
以上説明した実施形態の分離装置、分離方法及び分離膜によれば、混合流体に含まれる有機化合物の濃度をより簡便に高めることができる。こうした効果が得られる理由は、以下のように推察される。浸透気化法や蒸気透過法による有機化合物と水とを含む混合流体からの水の分離は、分離膜を介し供給側と透過側の水蒸気分圧の差を利用して行われる。このため、供給側の水蒸気分圧はより高く、透過側の水蒸気分圧はより低いことが望まれる。本発明では、分離膜として、Flux比が0.04以上という、有機化合物が比較的透過しやすい分離膜を用いるため、透過側の有機化合物の分圧が高くなることによって透過側の水蒸気分圧を低下させることができる。このため、混合流体に含まれる有機化合物の濃度をより簡便に高めることができると考えられる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、混合流体を循環し、水を分離するバッチ式の分離装置10として説明したが、特にこれに限定されず、分離膜を介して次工程に混合流体を直接流通させる連続式の分離装置としてもよい。
以下には、本発明の分離方法を具体的に実施した例を実施例として説明する。分離装置は、図1に示した分離装置を実験用に小規模化したバッチ式の分離装置(特開2010−99559号公報の図9参照)を用いた。なお、実験例3,4が本発明の実施例に相当し、実験例1,2が比較例に相当する。
(実験例1)
[分離膜の作製]
分離膜の作製は、以下のように行った。まず、原料のフェノール樹脂の粉末(商品名「ベルパールS899」、エア・ウォーター社製)を、N−メチル−2−ピロリドンと質量比で10:90となるように混合し、25℃で24時間攪拌した。なお、27kgのN−メチル−2−ピロリドンをプロペラ攪拌機で攪拌しながら、3kgのフェノール樹脂の粉末を10g/minの投入速度でゆっくりと加えた。得られた懸濁液の一部を100μm篩に通して溶け残りを除去し、濁度を350度とした。なお、濁度は、透過散乱光測定方式の笠原理科工業社製の商品名「TR−55」を用いて測定した。
[分離膜の作製]
分離膜の作製は、以下のように行った。まず、原料のフェノール樹脂の粉末(商品名「ベルパールS899」、エア・ウォーター社製)を、N−メチル−2−ピロリドンと質量比で10:90となるように混合し、25℃で24時間攪拌した。なお、27kgのN−メチル−2−ピロリドンをプロペラ攪拌機で攪拌しながら、3kgのフェノール樹脂の粉末を10g/minの投入速度でゆっくりと加えた。得られた懸濁液の一部を100μm篩に通して溶け残りを除去し、濁度を350度とした。なお、濁度は、透過散乱光測定方式の笠原理科工業社製の商品名「TR−55」を用いて測定した。
直径3cm、長さ16cmで、平均粒径50μm、平均細孔径12μmのモノリス形状のアルミナ製多孔質基材上に、平均粒径3μmのアルミナ粒子をろ過製膜法により堆積した後、焼成して、厚み200μm、平均細孔径0.6μmの中間層を形成した。この中間層の上に、更に平均粒径0.3μmのチタニア粒子をろ過製膜法により堆積した後、焼成して、厚み30μm、平均細孔径0.1μmの最表面を形成し、多孔質支持体を得た。この多孔質支持体上に、上述したフェノール樹脂の前駆体の懸濁液を加圧ディップ法(多孔質支持体の細孔内に圧力を掛けながら浸漬する方法)により成膜し、乾燥した。乾燥した膜を更に大気雰囲気下にて200〜350℃で熱処理し、熱硬化により多孔質支持体上に膜を成膜した。こうした加圧ディップ法による成膜、乾燥、熱硬化による成膜を所定回数(ここでは計4回)繰り返した。その後、真空中にて、700℃で炭化し、多孔質支持体の表面に炭素膜を形成した。得られた炭素膜を水とエタノールの50%/50%溶液を用いて50℃で浸透気化を行った。
[Flux比の導出]
エタノール濃度50wt%、水濃度50wt%で、温度50℃の混合流体(以下標準混合流体とも称する)を用い、分離装置による脱水試験を行った。具体的には、まず、上記作製した分離膜(炭素膜フィルタ)のセル内に上記作成した標準混合流体を12L/分の流速で循環させた。混合流体から水を分離する分離温度は、分離膜の入り口(特開2010−99559の図9の循環ライン13(図1の温度センサ13に相当))で測定した値とし、50℃とした。そして、炭素膜フィルタの側面から約6.7kPa(50Torr)の真空度で減圧し、炭素膜フィルタの側面からの透過蒸気を液体窒素トラップによって捕集した。捕集した透過蒸気の液体物の質量から、単位時間あたりに単位面積の膜を透過した流体の量である全透過流束JVT(kg/m2/h)を算出した。また、透過蒸気の液体物をガスクロマトグラフィー(GLサイエンス社製GC323、以下同じ)にて分析し、透過蒸気の組成を決定した。なお、ガスクロマトグラフィーの検出部は、TCDとした。そして、上述した全透過流束JVT及び透過蒸気の組成から、単位時間あたりに単位面積の膜を透過したエタノールの量であるエタノール透過流束JVE(kg/m2/h)を算出し、JVE/JVTで表されるFlux比を導出した。Flux比が0.005のものを実験例1とした。
エタノール濃度50wt%、水濃度50wt%で、温度50℃の混合流体(以下標準混合流体とも称する)を用い、分離装置による脱水試験を行った。具体的には、まず、上記作製した分離膜(炭素膜フィルタ)のセル内に上記作成した標準混合流体を12L/分の流速で循環させた。混合流体から水を分離する分離温度は、分離膜の入り口(特開2010−99559の図9の循環ライン13(図1の温度センサ13に相当))で測定した値とし、50℃とした。そして、炭素膜フィルタの側面から約6.7kPa(50Torr)の真空度で減圧し、炭素膜フィルタの側面からの透過蒸気を液体窒素トラップによって捕集した。捕集した透過蒸気の液体物の質量から、単位時間あたりに単位面積の膜を透過した流体の量である全透過流束JVT(kg/m2/h)を算出した。また、透過蒸気の液体物をガスクロマトグラフィー(GLサイエンス社製GC323、以下同じ)にて分析し、透過蒸気の組成を決定した。なお、ガスクロマトグラフィーの検出部は、TCDとした。そして、上述した全透過流束JVT及び透過蒸気の組成から、単位時間あたりに単位面積の膜を透過したエタノールの量であるエタノール透過流束JVE(kg/m2/h)を算出し、JVE/JVTで表されるFlux比を導出した。Flux比が0.005のものを実験例1とした。
[分離試験]
酢酸エチル濃度97wt%、水濃度3wt%の混合流体(以下対象混合流体とも称する)を用い、脱水試験を行った。上記作製した分離膜(炭素膜フィルタ)のセル内に上記対象混合流体を250L/分の流速で循環させた。混合流体から水を分離する分離温度は、分離膜の入り口(特開2010−99559の図9の循環ライン13(図1の温度センサ13に相当))で測定した値とし、70℃とした。炭素膜フィルタの側面から約6.7kPa(50Torr)の真空度で減圧し、炭素膜フィルタの側面からの透過蒸気を液体窒素トラップによって捕集した。捕集した透過蒸気の液体物の質量から、単位時間あたりに単位面積の膜を透過した流体の量である全透過流速(kg/m2/h)を算出した。また、透過蒸気の液体物をガスクロマトグラフィーにて分析し、透過蒸気の組成を決定した。ガスクロマトグラフィーの検出部は、TCDとした。そして、供給した酢酸エチル質量に対する透過上記に含まれる酢酸エチルの質量の割合である酢酸エチルロス率(%)を導出した。また、濃縮(脱水)された対象混合流体(濃縮混合流体)を上記同様にガスクロマトグラフィーにて分析し、濃縮混合流体の酢酸エチル濃度(%)を算出した。
酢酸エチル濃度97wt%、水濃度3wt%の混合流体(以下対象混合流体とも称する)を用い、脱水試験を行った。上記作製した分離膜(炭素膜フィルタ)のセル内に上記対象混合流体を250L/分の流速で循環させた。混合流体から水を分離する分離温度は、分離膜の入り口(特開2010−99559の図9の循環ライン13(図1の温度センサ13に相当))で測定した値とし、70℃とした。炭素膜フィルタの側面から約6.7kPa(50Torr)の真空度で減圧し、炭素膜フィルタの側面からの透過蒸気を液体窒素トラップによって捕集した。捕集した透過蒸気の液体物の質量から、単位時間あたりに単位面積の膜を透過した流体の量である全透過流速(kg/m2/h)を算出した。また、透過蒸気の液体物をガスクロマトグラフィーにて分析し、透過蒸気の組成を決定した。ガスクロマトグラフィーの検出部は、TCDとした。そして、供給した酢酸エチル質量に対する透過上記に含まれる酢酸エチルの質量の割合である酢酸エチルロス率(%)を導出した。また、濃縮(脱水)された対象混合流体(濃縮混合流体)を上記同様にガスクロマトグラフィーにて分析し、濃縮混合流体の酢酸エチル濃度(%)を算出した。
(実験例2〜4)
実験例1と同様に作成した分離膜を複数用意し、各々のFlux比を導出し、Flux比が0.025のものを実験例2、Flux比が0.045のものを実験例3、Flux比が0.082のものを実験例4とした。そして、実験例1と同様に分離試験を行った。
実験例1と同様に作成した分離膜を複数用意し、各々のFlux比を導出し、Flux比が0.025のものを実験例2、Flux比が0.045のものを実験例3、Flux比が0.082のものを実験例4とした。そして、実験例1と同様に分離試験を行った。
(結果と考察)
実験例1〜4のFlux比、濃縮混合流体中の酢酸エチル濃度、酢酸エチルロス率を表1に示す。また、Flux比と、濃縮混合流体中の酢酸エチル濃度及び酢酸エチルロス率との関係を図3に示す。図3より、Flux比が0.04以上であれば、酢酸エチル濃度を99.7wt%以上まで高めることができるため好ましいことがわかった。また、Flux比が0.08以下であれば、酢酸エチルロス率を10%以下に抑えることができるため好ましいことがわかった。また、有機化合物は、酢酸エチルでなくてもよく、例えば酢酸エチルと分子サイズが同等のものなどでも、同様の効果が得られると推察された。
実験例1〜4のFlux比、濃縮混合流体中の酢酸エチル濃度、酢酸エチルロス率を表1に示す。また、Flux比と、濃縮混合流体中の酢酸エチル濃度及び酢酸エチルロス率との関係を図3に示す。図3より、Flux比が0.04以上であれば、酢酸エチル濃度を99.7wt%以上まで高めることができるため好ましいことがわかった。また、Flux比が0.08以下であれば、酢酸エチルロス率を10%以下に抑えることができるため好ましいことがわかった。また、有機化合物は、酢酸エチルでなくてもよく、例えば酢酸エチルと分子サイズが同等のものなどでも、同様の効果が得られると推察された。
本発明は、有機化合物と水との混合流体を分離する技術分野に利用可能である。
10 分離装置、11 予備タンク、12 送液ポンプ、13 温度センサ、14 圧力ゲージ、15 圧力センサ、16 温度センサ、17 圧力ゲージ、20 収容部、22 循環経路、23 送液経路、24 循環ポンプ、26 熱交換器、28 温度調節経路、29 分離経路、30 熱交換器、32 冷却器、34 チラー、35 排水タンク、36 真空制御機、37 送液ポンプ、38 真空ポンプ、40 分離部、41 構造体、42 セル、44 多孔質基材、44a 粗粒部、44b 微粒部、45 分離膜。
Claims (10)
- 供給側から供給した有機化合物と水とを含む混合流体から水を選択的に透過側へ透過する分離膜として、エタノールを50質量%含む温度50℃のエタノール水溶液を前記供給側から供給し前記透過側を6.7kPaの真空度で減圧したときに透過する全流体の透過流束JVT(kg/m2/h)に対するエタノールの透過流束JVE(kg/m2/h)の比であるFlux比=JVE/JVTが0.04以上の分離膜を備え、前記混合流体から水を分離して濃縮混合流体を得る、分離装置。
- 前記分離膜のFlux比は0.08以下である、請求項1に記載の分離装置。
- 前記混合流体は前記有機化合物として酢酸エチル、フェノール、エタノール、イソプロピルアルコールからなる群より選ばれる1以上を含む、請求項1又は2に記載の分離装置。
- 前記有機化合物は酢酸エチルであり、前記分離を行う分離温度を70℃以上72℃以下に調整する供給側温度調整部と、前記透過側の真空度を6.0kPa以上40.0kPa以下に調整する透過側圧力調整部と、を備え、前記有機化合物を99.7質量%以上99.9質量%以下含む前記濃縮混合流体を得る、請求項1〜3のいずれか1項に記載の分離装置。
- 有機化合物と水とを含む混合流体を供給側から供給し、前記混合流体から水を選択的に透過側へ透過する分離膜として、エタノールを50質量%含む温度50℃のエタノール水溶液を前記供給側から供給し前記透過側を6.7kPaの真空度で減圧したときに透過する全流体の透過流束JVT(kg/m2/h)に対するエタノールの透過流束JVE(kg/m2/h)の比であるFlux比=JVE/JVTが0.04以上の分離膜を用いて前記混合流体から水を分離して濃縮混合流体とする分離工程、
を含む分離方法。 - 前記分離膜のFlux比が0.08以下である、請求項5に記載の分離方法。
- 前記混合流体は前記有機化合物として酢酸エチル、フェノール、エタノール、イソプロピルアルコールからなる群より選ばれる1以上を含む、請求項5又は6に記載の分離方法。
- 前記有機化合物は酢酸エチルであり、前記分離工程では、分離温度を70℃以上72℃以下に調整し、前記透過側の真空度を6.0kPa以上40.0kPa以下に調整し、前記有機化合物を99.7質量%以上99.9質量%以下含む前記濃縮混合流体を得る、請求項5〜7のいずれか1項に記載の分離方法。
- 供給側から供給した有機化合物と水とを含む混合流体から水を選択的に透過側へ透過し、エタノールを50質量%含む温度50℃のエタノール水溶液を前記供給側から供給し前記透過側を6.7kPaの真空度で減圧したときに透過する全流体の透過流束JVT(kg/m2/h)に対するエタノールの透過流束JVE(kg/m2/h)の比であるFlux比=JVE/JVTが0.04以上である、分離膜。
- 前記Flux比が0.08以下である、請求項9に記載の分離膜。
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-
2013
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