JP2015126145A - リアクトル - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた放熱性を備えるリアクトルを提供する。
【解決手段】巻線を螺旋状に巻回して構成されるコイルとコアとを組み合わせた組合体を備えるリアクトルであって、前記コアが、前記コイルの内側に配置される内側コア部を備え、前記内側コア部が、前記組合体を冷却するための流体冷媒を前記内側コア部の内部に導入するための導入口と前記導入口から導入された流体冷媒を排出するための排出口とを有する冷媒路を備え、前記コイルは、隣り合うターン間が局所的に広い隙間を有し、前記隙間を前記導入口および排出口の少なくとも一方と重なる位置に有するリアクトル。
【選択図】図1
【解決手段】巻線を螺旋状に巻回して構成されるコイルとコアとを組み合わせた組合体を備えるリアクトルであって、前記コアが、前記コイルの内側に配置される内側コア部を備え、前記内側コア部が、前記組合体を冷却するための流体冷媒を前記内側コア部の内部に導入するための導入口と前記導入口から導入された流体冷媒を排出するための排出口とを有する冷媒路を備え、前記コイルは、隣り合うターン間が局所的に広い隙間を有し、前記隙間を前記導入口および排出口の少なくとも一方と重なる位置に有するリアクトル。
【選択図】図1
Description
本発明は、リアクトルに関する。特に、優れた放熱性を備えるリアクトルに関する。
ハイブリッド自動車などの車両に搭載されるコンバータにおいて電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つにリアクトルがある。このようなリアクトルは大電流で使用され、その使用時における通電によって発熱する。その発熱によってリアクトルの温度が高くなりすぎると、リアクトルの動作が不安定となるという問題がある。そのため、リアクトルを液体冷媒の循環路に浸漬することで冷却することが提案されている。
液体冷媒の流通路に浸漬されるリアクトルとして、例えば特許文献1に記載のリアクトルが提案されている。このリアクトルは、巻線を巻回してなるコイルと、このコイルの内外に配置されて閉磁路を形成するコアとの組合体である。コアは、コイルの内部に配置される内側コア部と、コイルから露出する露出コア部とを備える。このリアクトルは、液体冷媒が流通される収納部を備える冷却ベースに固定される。そして、収納部に液体冷媒が流通されることでリアクトルが浸漬状態となり、リアクトルが冷却される。また、特許文献1に開示されているリアクトルでは、組合体の全周を実質的に覆う樹脂被覆部を備えており、この樹脂被覆部によって、リアクトルが液体冷媒に浸漬された状態であってもリアクトルのコアに含まれる鉄系材料(軟磁性粉末)が液体冷媒によって腐食されることを防止している。
近年のハイブリッド自動車や電気自動車の急速な発展に伴い、リアクトルに通電される電流量も上昇の一途となっており、ひいてはリアクトルの発熱量もさらに上昇している。よって、優れた放熱性を備えるリアクトルが求められている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、優れた放熱性を備えるリアクトルを提供することにある。
本発明のリアクトルは、巻線を螺旋状に巻回して構成されるコイルとコアとを組み合わせた組合体を備える。前記コアは、前記コイルの内側に配置される内側コア部を備える。前記内側コア部は、前記組合体を冷却するための流体冷媒を前記内側コア部の内部に導入するための導入口と前記導入口から導入された流体冷媒を排出するための排出口とを有する冷媒路を備える。前記コイルは、隣り合うターン間が局所的に広い隙間を有し、前記隙間を前記導入口および前記排出口の少なくとも一方と重なる位置に有する。
本発明のリアクトルは、上記の構成を備えることで、流体冷媒を内側コア部の内部にも流通させることができる。よって、優れた放熱性を備えるリアクトルとすることができる。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)実施形態のリアクトルは、巻線を螺旋状に巻回して構成されるコイルとコアとを組み合わせた組合体を備える。前記コアは、前記コイルの内側に配置される内側コア部を備える。前記内側コア部は、前記組合体を冷却するための流体冷媒を前記内側コア部の内部に導入するための導入口と前記導入口から導入された流体冷媒を排出するための排出口とを有する冷媒路を備える。前記コイルは、隣り合うターン間が局所的に広い隙間を有し、前記隙間を前記導入口および前記排出口の少なくとも一方と重なる位置に有する。
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)実施形態のリアクトルは、巻線を螺旋状に巻回して構成されるコイルとコアとを組み合わせた組合体を備える。前記コアは、前記コイルの内側に配置される内側コア部を備える。前記内側コア部は、前記組合体を冷却するための流体冷媒を前記内側コア部の内部に導入するための導入口と前記導入口から導入された流体冷媒を排出するための排出口とを有する冷媒路を備える。前記コイルは、隣り合うターン間が局所的に広い隙間を有し、前記隙間を前記導入口および前記排出口の少なくとも一方と重なる位置に有する。
上記構成を備えることで、内側コア部の内部を流体冷媒により直接的に冷却することができる。よって、本実施形態のリアクトルは優れた放熱性を備える。ここで、流体冷媒とは、流動性を有する冷媒のことであり、気体冷媒、液体冷媒、及び気液混合冷媒又は固液混合冷媒を含む。具体例としては、空気および冷却油等が挙げられる。
(2)実施形態のリアクトルとして、前記隙間が前記導入口および前記排出口と重なる形態が挙げられる。
上記構成によれば、導入口および排出口の両方を内側コア部におけるコイルの内周面側に設けた場合であっても、導入口および排出口がコイルのターンの間隔が狭い部分により実質的に塞がれたようになるおそれがない。よって、流体冷媒の流通がスムーズになるので、本実施形態のリアクトルは優れた放熱性を備える。
(3)実施形態のリアクトルとして、前記冷媒路が、前記内側コア部を貫通する貫通孔である形態が挙げられる。
内側コア部を貫通する貫通孔は、内側コア部を成形する際に同時に形成したり、成形した内側コア部に孔あけ加工を行ったりすることで、所望の箇所に所望の形状の貫通孔を容易に形成することができる。よって、本実施形態のリアクトルは生産性に優れる。
(4)実施形態のリアクトルとして、前記内側コア部が磁性材料を含む内側コア片と、前記内側コア片よりも低い透磁率の固体材料から構成され、前記内側コア部に局所的に設けられるギャップ部とを備え、前記冷媒路が前記ギャップ部に設けられる形態が挙げられる。
ギャップ部に冷媒路を設けることで、冷媒路がリアクトルの磁気特性に与える影響を制御しやすい。よって、本実施形態のリアクトルは、リアクトルに所望の磁気特性(インダクタンス値等)を与えるための設計を行いやすいと期待される。
(5)実施形態のリアクトルとして、前記内側コア部が磁性材料を含む複数の内側コア片を備え、前記複数の内側コア片は前記コイル内で隙間をあけて配置され、前記内側コア片間の隙間が前記冷媒路である形態が挙げられる。
内側コア部には、インダクタンスを調整したり磁気飽和を防止したりするための隙間が局所的に設けられる場合がある。この隙間を冷媒路とすることで、内側コア部に貫通孔等を形成しなくてもよい。よって、本実施形態のリアクトルは生産性に優れる。
(6)実施形態のリアクトルとして、前記コイルの軸方向と直交する平面に対する前記巻線の角度をリード角とするとき、前記隙間を形成する巻線が、局所的にリード角が大きい大傾斜部を有し、前記大傾斜部が、前記導入口および前記排出口の少なくとも一方からずれた位置に配置される形態が挙げられる。
上記構成によれば、大傾斜部により導入口や排出口が実質的に塞がれたようになるおそれがなく、流体冷媒の導入や排出がスムーズに行える。よって、本実施形態のリアクトルは優れた放熱性を備える。リード角については、後述する実施形態1で詳細に説明する。
(7)上記(6)の実施形態として、前記大傾斜部が、一ターンの一部に形成されている形態が挙げられる。
上記構成を備えることで、隣り合うターンのうち、大傾斜部の各端部につながる巻線で形成されるターン同士の隙間(後述する隙間Gmax)を、大傾斜部とその大傾斜部に隣り合うターンとの隙間よりも大きくすることができる。この隙間Gmaxに導入口及び排出口を対応させることで、コイルの軸方向に対して垂直に冷媒路を設けたとしても、導入口と排出口とが大傾斜部を構成する巻線により実質的に塞がれることを防ぐことができる。よって、本実施形態のリアクトルはさらに放熱性に優れる。また、上記の構成によれば、コイルのターン数を一定とすれば、大傾斜部が一ターン以上に亘って形成されている場合に比べてコイル全長を短くできる。これは、大傾斜部を一ターン以上に亘って形成し、かつ大傾斜部のターン間を上記隙間Gmaxと同等とした場合、コイル周方向の全周に亘って隙間Gmax相当の隙間が螺旋状に形成されることになり、コイルの全長が長くなるからである。これに対して、大傾斜部が一ターンの一部にしか形成されていなければ、大傾斜部とその大傾斜部に隣り合うターンとの隙間は隙間Gmaxよりも小さな隙間とすることができるため、コイル全長を短くできる。よって、従来のコイルと同等の磁気特性(磁場強度等)を備える設計としても、コイルの大型化、ひいてはリアクトルの大型化を抑制できると期待される。
(8)実施形態のリアクトルとして、前記流体冷媒が液体冷媒であり、前記組合体を収納すると共に、前記液体冷媒が供給及び排出される冷却ケースを有する形態が挙げられる。
液体冷媒が供給及び排出される冷却ケースに組合体が収納されることで、組合体の外周面と内側コア部とを冷却することができる。よって、上記構成によれば、リアクトルの放熱性をさらに高めることができる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態の詳細を、図面を参照して説明する。なお、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、以下の説明では、リアクトルを設置対象に設置したときに設置側を下側、その対向側(反対側)を上側として説明する。
本発明の実施形態の詳細を、図面を参照して説明する。なお、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、以下の説明では、リアクトルを設置対象に設置したときに設置側を下側、その対向側(反対側)を上側として説明する。
<実施形態1>
≪全体構成≫
図1から図3を参照して、実施形態1のリアクトル1Aを説明する。図1および図2に示すように、実施形態1のリアクトル1Aは、巻線2wを螺旋状に巻回して構成されるコイル素子2a,2bを備えるコイル2と、一対の内側コア片31a,31b(内側コア部31)および一対の外側コア片32a(外側コア部32)を環状に連結させることで構成されるコア3とを組み合わせた組合体10である。このリアクトル1Aは、流体冷媒が流通されて使用され、その主な特徴部分は、(1)コア3が備える内側コア部31(内側コア片31a)に、冷媒路35(貫通孔35a)が設けられている点、(2)コイル2(コイル素子2a,2b)が、隣り合うターン間が局所的に広い隙間G(以下、単に隙間Gという)を有する点、(3)隙間Gが、冷媒路35(貫通孔35a)の有する導入口35iおよび排出口35o(図3を参照)と重なる点にある。以下、リアクトル1A(組合体10)が備える各構成を詳細に説明する。
≪全体構成≫
図1から図3を参照して、実施形態1のリアクトル1Aを説明する。図1および図2に示すように、実施形態1のリアクトル1Aは、巻線2wを螺旋状に巻回して構成されるコイル素子2a,2bを備えるコイル2と、一対の内側コア片31a,31b(内側コア部31)および一対の外側コア片32a(外側コア部32)を環状に連結させることで構成されるコア3とを組み合わせた組合体10である。このリアクトル1Aは、流体冷媒が流通されて使用され、その主な特徴部分は、(1)コア3が備える内側コア部31(内側コア片31a)に、冷媒路35(貫通孔35a)が設けられている点、(2)コイル2(コイル素子2a,2b)が、隣り合うターン間が局所的に広い隙間G(以下、単に隙間Gという)を有する点、(3)隙間Gが、冷媒路35(貫通孔35a)の有する導入口35iおよび排出口35o(図3を参照)と重なる点にある。以下、リアクトル1A(組合体10)が備える各構成を詳細に説明する。
〔組合体〕
(コイル)
図1および図2に示すように、コイル2は、一対のコイル素子2a,2bと、両コイル素子2a,2bを連結する連結部2rとを備える。ここでは、コイル2は、接合部の無い一本の巻線2wを螺旋状に巻回して形成しているが、各コイル素子2a,2bを別々の巻線2wにより作製し、各コイル素子2a,2bの巻線の端部同士を溶接や圧着などにより接合することで形成しても良い。各コイル素子2a,2bは、互いに同一の巻数、同一の巻回方向で中空筒状に形成され、各軸方向が平行になるように並列されている。連結部2rは、両コイル素子2a,2bを繋ぐU字状に屈曲された部分である。コイル2の両端部2eは、ターン形成部分から引き延ばされて、端子部材(図示せず)に接続される。この端子部材を介して、コイル2に電力供給を行なう電源などの外部装置(図示せず)が接続される。そして、コイル2(コイル素子2a,2b)は、小ピッチ部2Sと大傾斜部2Lとを有する。
(コイル)
図1および図2に示すように、コイル2は、一対のコイル素子2a,2bと、両コイル素子2a,2bを連結する連結部2rとを備える。ここでは、コイル2は、接合部の無い一本の巻線2wを螺旋状に巻回して形成しているが、各コイル素子2a,2bを別々の巻線2wにより作製し、各コイル素子2a,2bの巻線の端部同士を溶接や圧着などにより接合することで形成しても良い。各コイル素子2a,2bは、互いに同一の巻数、同一の巻回方向で中空筒状に形成され、各軸方向が平行になるように並列されている。連結部2rは、両コイル素子2a,2bを繋ぐU字状に屈曲された部分である。コイル2の両端部2eは、ターン形成部分から引き延ばされて、端子部材(図示せず)に接続される。この端子部材を介して、コイル2に電力供給を行なう電源などの外部装置(図示せず)が接続される。そして、コイル2(コイル素子2a,2b)は、小ピッチ部2Sと大傾斜部2Lとを有する。
(小ピッチ部)
小ピッチ部2Sは、コイル2(コイル素子2a,2b)のうち、実質的に一様なピッチを有する複数のターンから構成される領域であり、その一様なピッチにより形成されるターン間の隙間Gsを後述する大傾斜部2Lにより形成される隙間Gよりも小さな値とした領域である。通常、小ピッチ部2Sは、各コイル素子2a,2bのうち、実質的に一様なリード角を有する複数のターンから構成される。リード角とは、コイル2(コイル素子2a,2b)の軸方向と直交する平面に対する巻線2wの角度をいう。実質的に一様なリード角とは、小コイル部2Sを形成する各ターンのリード角の差が20%以下であることをいう。
小ピッチ部2Sは、コイル2(コイル素子2a,2b)のうち、実質的に一様なピッチを有する複数のターンから構成される領域であり、その一様なピッチにより形成されるターン間の隙間Gsを後述する大傾斜部2Lにより形成される隙間Gよりも小さな値とした領域である。通常、小ピッチ部2Sは、各コイル素子2a,2bのうち、実質的に一様なリード角を有する複数のターンから構成される。リード角とは、コイル2(コイル素子2a,2b)の軸方向と直交する平面に対する巻線2wの角度をいう。実質的に一様なリード角とは、小コイル部2Sを形成する各ターンのリード角の差が20%以下であることをいう。
リード角について図4を用いて詳細に説明する。ここでは、コイルの軸方向を図面上下方向とし、下から上へ左回りに巻回された一様なピッチHの円筒状のコイルを例とする。コイルの軸方向と直交する平面(底面)における巻線の起点を点a、点aから巻線を1ターン分巻回したときにコイル軸方向に位置する点を点c、点cとコイルの底面で垂直に対向する点を点b、コイルの直径をdとする。点aおよび点cは、それぞれ巻線の一ターンの起点と終点であり、点bと点aとは重複する個所である。以上のように規定し、線分ab(πd)、線分ac、および線分bc(ピッチH)で構成される領域(図面上段のハッチング部分)を平面上に展開すると、図面下段のように線分acを斜辺とする直角三角形が得られる。リード角θは、上述したようにコイルの軸方向と直交する平面に対する巻線の角度をいうので、角bacとなる。よって、tanθ=H/πdで表される。後述する大傾斜部2Lのリード角は、上記の点a,点cを大傾斜部2Lを構成する巻線上にとることで求めることができる。
(大傾斜部)
大傾斜部2Lは、隣り合うターン間が局所的に広い隙間Gを形成するためのコイル2(コイル素子2a,2b)の一部であり、巻線2wのうち、リード角が小ピッチ部2Sのリード角よりも局所的に大きい箇所である(図1、図3を参照)。大傾斜部2Lとしては、(1)一様なリード角で構成され、かつ、このリード角が小ピッチ部2Sのリード角よりも大きい1つ以上のターンにより形成される場合、(2)一ターンの一部にのみ大傾斜部2Lが形成されている場合、(3)小ピッチ部のみからなる複数のコイルの巻線の端部同士を接合する接合部材により形成される場合(後述)等が挙げられる。本実施形態では、大傾斜部2Lは、上記(2)である。
大傾斜部2Lは、隣り合うターン間が局所的に広い隙間Gを形成するためのコイル2(コイル素子2a,2b)の一部であり、巻線2wのうち、リード角が小ピッチ部2Sのリード角よりも局所的に大きい箇所である(図1、図3を参照)。大傾斜部2Lとしては、(1)一様なリード角で構成され、かつ、このリード角が小ピッチ部2Sのリード角よりも大きい1つ以上のターンにより形成される場合、(2)一ターンの一部にのみ大傾斜部2Lが形成されている場合、(3)小ピッチ部のみからなる複数のコイルの巻線の端部同士を接合する接合部材により形成される場合(後述)等が挙げられる。本実施形態では、大傾斜部2Lは、上記(2)である。
局所的な隙間Gは、内側コア部31(内側コア片31a)に設けられた冷媒路35(貫通孔35a)の導入口35iおよび排出口35oの少なくとも一方と重なる位置に設けられる(図3を参照)。隙間Gの配置場所や数は、冷媒路35(貫通孔35a)の位置や数による。本実施形態では、冷媒路35は各内側コア部31の中央付近に一つずつ設けられている。よって、隙間Gは、冷媒路35の導入口35iおよび排出口35oと重なるように、小ピッチ部2Sに挟まれるようにしてコイル2(コイル素子2a,2b)の中央付近に設けられている。特に、本実施形態では、隙間Gのコイル2の軸方向の長さ(以下、単に隙間Gの長さという)が実質的に最大の隙間Gmaxを導入口35iおよび排出口35oの両方と重ねている。このようにすることで、導入口35i(排出口35o)から内側コア部31の内部により多くの流体冷媒を導入(排出)でき、内側コア部31の冷却効率に優れると期待されるからである。
本実施形態では、大傾斜部2Lが一ターンの一部に形成されている。より詳細には、本実施形態では、大傾斜部2Lを構成する巻線2wを内側コア部31の側面に配置することで隙間Gmaxを導入口35i(排出口35o)に位置させている(図1のハッチングを参照)。上記構成を備えることで、各コイル素子2a,2bの軸方向と並列方向との双方に直交する方向(上下方向)に冷媒路35を設けたとしても、導入口35iと排出口35oとが実質的に大傾斜部2Lで塞がれることを防ぐことができる。特に、隙間Gmaxが各コイル素子2a,2bの径方向の対向位置に形成されているように大傾斜部2Lを設けることが好ましい。換言すれば、大傾斜部2Lが各コイル素子2a,2bの周方向の半周未満、より好ましくは1/3周以下に亘って形成されていることが好ましい。これにより、内側コア部31の対向位置に配される導入口35iと排出口35oとの双方に隙間Gmaxを重ねることが容易にできる。
隣り合うターン間が局所的に広い隙間Gを有するコイル2の他の構成としては、隙間Gがコイルの両端に位置し、その間に小ピッチ部2Sが挟まれる構成が挙げられる。この構成を備えるリアクトルは、内側コア部31の両端に導入口35iおよび排出口35oの少なくとも一方を備える構成である。また、隙間Gがコイル2の一端のみにあり、残部はすべて小ピッチ部2Sである構成などをとりうる。この構成を備えるリアクトルは、内側コア部31の一端に導入口35iおよび排出口35oの少なくとも一方を備える構成である。
隙間Gの長さは、導入口35i(排出口35o)と重なる長さであればよい。ここで、隙間Gと導入口35i(排出口35o)とが重なるとは、隙間Gを形成して隣り合うターン同士の少なくとも一方が導入口35i(排出口35o)の一部または全部と重なることをいう。したがって、導入口35i(排出口35o)は、その一部が大傾斜部2Lや大傾斜部2Lの両端部につながって、隙間Gmaxを形成するターンの巻線2wと重なってもよい。このような状態であっても、導入口35i(排出口35o)から内側コア部31の内部に一定量の流体冷媒が導入(排出)され、内側コア部31を冷却できるからである。もちろん、大傾斜部2Lなどの巻線2wが導入口35i(排出口35o)と完全に重ならなければ、流体冷媒の流れがよりスムーズになると期待される。
(その他)
コイル2(コイル素子2a,2b)の全長に対する大傾斜部2Lの各コイル素子2a,2bの軸方向の長さの割合(大ピッチ比)は10%以下が好ましい。この割合を10%以下とすることで、ターン数が減少することによる磁場強度の低下や、リアクトルの大型化等を防ぐことができると期待されるからである。より好ましくは5%以下とすると良い。本実施形態では、この割合を10%以下としている。
コイル2(コイル素子2a,2b)の全長に対する大傾斜部2Lの各コイル素子2a,2bの軸方向の長さの割合(大ピッチ比)は10%以下が好ましい。この割合を10%以下とすることで、ターン数が減少することによる磁場強度の低下や、リアクトルの大型化等を防ぐことができると期待されるからである。より好ましくは5%以下とすると良い。本実施形態では、この割合を10%以下としている。
(材料・形状等)
コイル2は、銅やアルミニウム、マグネシウム、あるいはその合金といった導電性材料からなる平角線や丸線などの導体の外周に、絶縁性材料からなる絶縁被覆を備える被覆線を好適に利用できる。本実施形態では、導体が銅製の平角線からなり、絶縁被覆がエナメル(代表的にはポリアミドイミド)からなる被覆平角線を利用し、各コイル素子2a,2bは、この被覆平角線をエッジワイズ巻きにしたエッジワイズコイルである。エッジワイズコイルは、被覆平角線と同じ断面積の丸線を用いたコイルよりも密巻できるので、隙間Gを複数形成したり、隙間Gmaxの長さが長かったりしても、所定のターン数を確保したり、コイル2の大型化を抑制できると期待される。また、各コイル素子2a,2bの端面形状を長方形の角部を丸めた形状としているが、端面形状は、円形状など適宜変更することができる。もちろん、丸線を用いてコイル2を形成してもよい。
コイル2は、銅やアルミニウム、マグネシウム、あるいはその合金といった導電性材料からなる平角線や丸線などの導体の外周に、絶縁性材料からなる絶縁被覆を備える被覆線を好適に利用できる。本実施形態では、導体が銅製の平角線からなり、絶縁被覆がエナメル(代表的にはポリアミドイミド)からなる被覆平角線を利用し、各コイル素子2a,2bは、この被覆平角線をエッジワイズ巻きにしたエッジワイズコイルである。エッジワイズコイルは、被覆平角線と同じ断面積の丸線を用いたコイルよりも密巻できるので、隙間Gを複数形成したり、隙間Gmaxの長さが長かったりしても、所定のターン数を確保したり、コイル2の大型化を抑制できると期待される。また、各コイル素子2a,2bの端面形状を長方形の角部を丸めた形状としているが、端面形状は、円形状など適宜変更することができる。もちろん、丸線を用いてコイル2を形成してもよい。
(コイルの製造方法)
隙間Gを備えるコイルは、例えば、以下のようにして製造することができる。
(1)コイルを製造(巻回)する際に、隣り合うターン間が局所的に広い隙間を設けるように巻回する。
(2)全長が一様なリード角を有し、かつそのリード角が小ピッチ部のリード角に相当するコイルを製造し、その後、隙間を設けたい箇所のターン間を広げることで大傾斜部を形成する。
(3)コイルの全長が一様なリード角を有し、かつそのリード角が大傾斜部のリード角に相当するコイルを製造し、その後、コイルのうち大傾斜部を設けたい箇所以外の領域を軸方向に圧縮してリード角を狭めることで小ピッチ部を形成する。
(4)小ピッチ部のみからなる複数のコイルを用意し、これら複数のコイルをコイルの軸方向に離間して配置し、各コイルの巻線の端部同士を接合部材により接合することで、この接合部材を大傾斜部とする。接合部材は、コイルの軸方向に対して小ピッチ部のリード角より大きい角度で傾いて配置されていてもよいし、コイルの軸方向に沿って配置されていてもよい。いずれの場合も、小ピッチ部のリード角よりも大きなリード角となるからである。接合部材がコイルの軸方向に沿って配置されている場合は、いわばリード角が90°の場合に相当する。接合部材は巻線とは独立した部材として用意するが、接合後は巻線と一連となるため巻線の一部とみなす。接合部材の接合は、溶接や圧着などにより行えばよい。この場合、大傾斜部は、一対の小ピッチ部に挟まれた領域となる。また、接合部材を導入口や排出口からずれた位置に配置すると、接合部材により導入口や排出口が塞がらないので好ましい。
隙間Gを備えるコイルは、例えば、以下のようにして製造することができる。
(1)コイルを製造(巻回)する際に、隣り合うターン間が局所的に広い隙間を設けるように巻回する。
(2)全長が一様なリード角を有し、かつそのリード角が小ピッチ部のリード角に相当するコイルを製造し、その後、隙間を設けたい箇所のターン間を広げることで大傾斜部を形成する。
(3)コイルの全長が一様なリード角を有し、かつそのリード角が大傾斜部のリード角に相当するコイルを製造し、その後、コイルのうち大傾斜部を設けたい箇所以外の領域を軸方向に圧縮してリード角を狭めることで小ピッチ部を形成する。
(4)小ピッチ部のみからなる複数のコイルを用意し、これら複数のコイルをコイルの軸方向に離間して配置し、各コイルの巻線の端部同士を接合部材により接合することで、この接合部材を大傾斜部とする。接合部材は、コイルの軸方向に対して小ピッチ部のリード角より大きい角度で傾いて配置されていてもよいし、コイルの軸方向に沿って配置されていてもよい。いずれの場合も、小ピッチ部のリード角よりも大きなリード角となるからである。接合部材がコイルの軸方向に沿って配置されている場合は、いわばリード角が90°の場合に相当する。接合部材は巻線とは独立した部材として用意するが、接合後は巻線と一連となるため巻線の一部とみなす。接合部材の接合は、溶接や圧着などにより行えばよい。この場合、大傾斜部は、一対の小ピッチ部に挟まれた領域となる。また、接合部材を導入口や排出口からずれた位置に配置すると、接合部材により導入口や排出口が塞がらないので好ましい。
(コア)
コア3は、一対の内側コア片31a,31bの端面31ae,31beと、一対の外側コア片32aの端面32aeとを環状に連結させることで構成され、コイル2を励磁したときに閉磁路を形成する(特に図2を参照)。一対の内側コア片31a,31bは、それぞれが各コイル素子2a,2bの内側に配置され、一対の内側コア部31を形成する。内側コア片31a,31b(内側コア部31)は、それぞれ各コイル素子2a,2bに挿通可能な大きさの四角柱状体であり、後述する冷媒路35となる貫通孔35aを備える。一方、一対の外側コア片32aは、コイル2の両端面を挟むように配置され、一対の外側コア部32を形成する。外側コア片32a(外側コア部32)は、上下面の形状が略台形状の柱状体でありその端面32aeが内側コア片31a,31bの端面31ae,31beと連結される。
コア3は、一対の内側コア片31a,31bの端面31ae,31beと、一対の外側コア片32aの端面32aeとを環状に連結させることで構成され、コイル2を励磁したときに閉磁路を形成する(特に図2を参照)。一対の内側コア片31a,31bは、それぞれが各コイル素子2a,2bの内側に配置され、一対の内側コア部31を形成する。内側コア片31a,31b(内側コア部31)は、それぞれ各コイル素子2a,2bに挿通可能な大きさの四角柱状体であり、後述する冷媒路35となる貫通孔35aを備える。一方、一対の外側コア片32aは、コイル2の両端面を挟むように配置され、一対の外側コア部32を形成する。外側コア片32a(外側コア部32)は、上下面の形状が略台形状の柱状体でありその端面32aeが内側コア片31a,31bの端面31ae,31beと連結される。
(冷媒路)
冷媒路35は、内側コア部31の内部に流体冷媒を通すための流路である。内側コア部31が冷媒路35を備えることで、冷媒路35を流れる流体冷媒により内側コア部31の内部を冷却することができるので、リアクトル1Aは放熱性に優れる。図3に示すように、冷媒路35は導入口35iと排出口35oとを備える。導入口35iは、組合体10が備える内側コア部31(内側コア片31a,31b)の内部に流体冷媒が導入される領域である。排出口35oは、導入口35iから導入された流体冷媒が内側コア部31(内側コア片31a,31b)から排出される領域である。本実施形態では、上述したように内側コア部31は内側コア片31a,31bにより形成されるので、冷媒路35は内側コア片31a,31bにそれぞれ設けられた貫通孔35aである。冷媒路35(貫通孔35a)は、内側コア部31の上面に導入口35iを、内側コア部31の下面に排出口35oをそれぞれ有する。
冷媒路35は、内側コア部31の内部に流体冷媒を通すための流路である。内側コア部31が冷媒路35を備えることで、冷媒路35を流れる流体冷媒により内側コア部31の内部を冷却することができるので、リアクトル1Aは放熱性に優れる。図3に示すように、冷媒路35は導入口35iと排出口35oとを備える。導入口35iは、組合体10が備える内側コア部31(内側コア片31a,31b)の内部に流体冷媒が導入される領域である。排出口35oは、導入口35iから導入された流体冷媒が内側コア部31(内側コア片31a,31b)から排出される領域である。本実施形態では、上述したように内側コア部31は内側コア片31a,31bにより形成されるので、冷媒路35は内側コア片31a,31bにそれぞれ設けられた貫通孔35aである。冷媒路35(貫通孔35a)は、内側コア部31の上面に導入口35iを、内側コア部31の下面に排出口35oをそれぞれ有する。
冷媒路35は、上述したように導入口35iおよび排出口35oの少なくとも一方が隙間Gと重なるように設けられる。このようにすることで、上述したように、冷媒路35への流体冷媒の導入(排出)が妨げられず、流体冷媒の流通がスムーズになるので、放熱性に優れたリアクトルとすることができる。
本実施形態では、冷媒路35(貫通孔35a)は、リアクトル1Aの上方から下方へ垂直に伸びる円筒形状としている。貫通孔35aの配置は上記の形態に限られず、例えば以下のように形成することができる。
(1)内側コア部31の上面から下面へ斜めに伸びるように冷媒路35を設けてもよい。この場合、内側コア部31の上面から下面に垂直に冷媒路35を設けた場合と比べて冷媒路35の長さが長くなり、より放熱性に優れると期待される。
(2)内側コア部31の上面から側面(特に組合体10の外周面側の側面)へL字状に伸びるように設けてもよい。内側コア部31の上面から側面へL字状に伸びるように冷媒路35を設けた場合も、内側コア部31の上面から側面へ直線的に伸びるように冷媒路35を形成した場合と比べて冷媒路35の長さが長くなり、より放熱性に優れると期待される。
(1)内側コア部31の上面から下面へ斜めに伸びるように冷媒路35を設けてもよい。この場合、内側コア部31の上面から下面に垂直に冷媒路35を設けた場合と比べて冷媒路35の長さが長くなり、より放熱性に優れると期待される。
(2)内側コア部31の上面から側面(特に組合体10の外周面側の側面)へL字状に伸びるように設けてもよい。内側コア部31の上面から側面へL字状に伸びるように冷媒路35を設けた場合も、内側コア部31の上面から側面へ直線的に伸びるように冷媒路35を形成した場合と比べて冷媒路35の長さが長くなり、より放熱性に優れると期待される。
(3)内側コア部31の外周面から外側コア部32の外周面に繋がる一連の冷媒路を設けてもよい。この一連の冷媒路では、内側コア部31が備える排出口35oまたは導入口35iの一方を隙間Gと重なる位置に有し、他方が外側コア部32(外側コア片32a)との接合面に設けられる。そして、外側コア部32は、内側コア部31との接合面に設けられた排出口35o(導入口35i)と繋がる導入口(排出口)と、外側コア部32の外周面に設けられた排出口(導入口)とを有することで、一連の冷媒路が形成される。一連の冷媒路では、内側コア部31が備える導入口35i(排出口35o)と、リアクトル1Aが設置される設置対象との間に十分な隙間がなくとも、流体冷媒の流通をスムーズに行うことができたり、外側コア部32(外側コア片32a)の内部の冷却も行えたりすると期待される。
上述のように、冷媒路35はコア3の任意の箇所に任意の数を設けることができる。この際、リアクトル1Aの熱分布を考慮して冷媒路35の大きさ、数、および配置等を検討することが好ましい。具体的には、リアクトル1Aの熱分布を考慮して、温度が高い箇所に集中的に設けたり、冷媒路35の数や大きさを多く(広く)したりすると、放熱性に優れるものと期待される。
一方、冷媒路35の数や大きさを多く(広く)したり、複数の冷媒路35をコイルの軸方向に離間して配置したりする場合、以下の点を考慮することが好ましい。
(1)コイル2(コイル素子2a,2b)の全長を一定とすると、大傾斜部2Lが少ないほど、隙間Gmaxの長さが短いほど、コイル2のターン数を多くできる。ターン数を増加させれば、磁場強度を向上できる。
(2)コイル2のターン数を一定とすると、大傾斜部2Lが少ないほど、或いは隙間Gmaxの長さが短いほど、コイル2の全長を短小化できる。コイルの短小化は、リアクトルの小型化に寄与する。
(3)冷媒路35の数や断面積が小さいほど磁路面積を広く確保できるが、冷媒路35の数や断面積が大きいほどコアの冷却効果は高い。
(1)コイル2(コイル素子2a,2b)の全長を一定とすると、大傾斜部2Lが少ないほど、隙間Gmaxの長さが短いほど、コイル2のターン数を多くできる。ターン数を増加させれば、磁場強度を向上できる。
(2)コイル2のターン数を一定とすると、大傾斜部2Lが少ないほど、或いは隙間Gmaxの長さが短いほど、コイル2の全長を短小化できる。コイルの短小化は、リアクトルの小型化に寄与する。
(3)冷媒路35の数や断面積が小さいほど磁路面積を広く確保できるが、冷媒路35の数や断面積が大きいほどコアの冷却効果は高い。
以上の点から、本実施形態では、各内側コア部31の中央付近に一つの冷媒路35(貫通孔35a)を設けている。リアクトル1Aの中央部分、特に中央上方が最も温度が高いこと、およびこの程度の大きさや数の冷媒路35や大ピッチ比のコイル2であれば、十分な磁路面積とターン数とを確保でき、リアクトルを必要以上に大型化しなくてよいと期待されるからである。
他にも、本実施形態のリアクトル1Aの備える一対の冷媒路35(貫通孔35a)のそれぞれを、コイル素子2a,2bが隣接する方向に寄せて設けてもよい。上述のように、リアクトル1Aの中央部分、特に中央上方が最も温度が高いので、さらに優れた放熱性を備えると期待されるからである。また、貫通孔35aの形状は円筒形状に限られず、直方体形状等の他の形状としてもよい。
(材料・製造方法等)
コア3は、鉄などの鉄族金属やその合金、鉄を含む酸化物などに代表される軟磁性粉末を用いた成形体や、絶縁被膜を有する磁性薄板(例えば、ケイ素鋼板に代表される電磁鋼板)を複数積層した積層板体が挙げられる。上記成形体は、圧粉成形体、焼結体、磁性粉末と樹脂とを含む混合体を射出成形や注型成形などした複合材料などが挙げられる。ここでは、コア3(内側コア片31a,31b、外側コア片32a)はいずれも、鉄や鋼などの鉄を含有する軟磁性金属粉末の圧粉成形体としている。
コア3は、鉄などの鉄族金属やその合金、鉄を含む酸化物などに代表される軟磁性粉末を用いた成形体や、絶縁被膜を有する磁性薄板(例えば、ケイ素鋼板に代表される電磁鋼板)を複数積層した積層板体が挙げられる。上記成形体は、圧粉成形体、焼結体、磁性粉末と樹脂とを含む混合体を射出成形や注型成形などした複合材料などが挙げられる。ここでは、コア3(内側コア片31a,31b、外側コア片32a)はいずれも、鉄や鋼などの鉄を含有する軟磁性金属粉末の圧粉成形体としている。
本実施形態では、コア3を構成する内側コア片31a,31bおよび外側コア片32aは、一様な材質から構成された同一の仕様(圧粉成形体)のものとしている。他にも、内側コア部31と外側コア部32とで磁気特性や仕様を異ならせてもよい。例えば、圧粉成形体と複合材料とを組み合わせた形態、材質や軟磁性粉末の混合量などが異なる複合材料同士を組み合わせた形態などとすることができる。
冷媒路35(貫通孔35a)は、上述した内側コア片31a,31bの成形の際に同時に形成したり、成形した内側コア片31a,31bにドリル等で孔あけ加工を行ったりすることで形成することができる。このようにすれば、所望の箇所に所望の形状の貫通孔35aを容易に形成することができる。
〔その他の構成〕
リアクトル1Aの構成は、上記の構成に限られない。例えば、以下のような構成が挙げられる。
(1)コイル2とコア3との間には、コイル2とコア3とを絶縁するためのボビンを設けてもよい。この場合、ボビンが導入口35iや排出口35oを塞がないように、導入口35iや排出口35oと重ならないような形状としたり、導入口35iや排出口35oと重なる部分には開口部を設けたりしておくことが望ましい。
リアクトル1Aの構成は、上記の構成に限られない。例えば、以下のような構成が挙げられる。
(1)コイル2とコア3との間には、コイル2とコア3とを絶縁するためのボビンを設けてもよい。この場合、ボビンが導入口35iや排出口35oを塞がないように、導入口35iや排出口35oと重ならないような形状としたり、導入口35iや排出口35oと重なる部分には開口部を設けたりしておくことが望ましい。
(2)コア3は樹脂等により被覆したモールドコアとしてもよい。モールドコアは、被覆体からコア3とコイル2(コイル素子2a,2b)との絶縁を確保するボビンの役割を果たすと共に、コア3の防錆層としての役割を果たす。この際、冷媒路35が樹脂により埋まらないように留意する。
(3)内側コア部31を複数のコア片が接合された形態としてもよい。この際、コア片の接合面に溝を形成することで貫通孔35aを形成してもよい。
≪使用方法≫
リアクトル1Aは、流体冷媒が流通されて使用される。流体冷媒とは、流動性を有する冷媒のことであり、気体冷媒、液体冷媒、及び気液混合冷媒又は固液混合冷媒を含む。具体例としては、空気および冷却油等が挙げられる。例えば、リアクトル1Aは、リアクトル1Aを強制冷却するための液体冷媒が供給及び排出される場所に設置されて使用される。使用方法の詳細については、後述する実施形態4および実施形態5で説明する。
リアクトル1Aは、流体冷媒が流通されて使用される。流体冷媒とは、流動性を有する冷媒のことであり、気体冷媒、液体冷媒、及び気液混合冷媒又は固液混合冷媒を含む。具体例としては、空気および冷却油等が挙げられる。例えば、リアクトル1Aは、リアクトル1Aを強制冷却するための液体冷媒が供給及び排出される場所に設置されて使用される。使用方法の詳細については、後述する実施形態4および実施形態5で説明する。
≪作用効果≫
以上により説明した本実施形態のリアクトル1Aは、以下の効果を奏する。
(1)内側コア部31(内側コア片31a)が冷媒路35(貫通孔35a)を備えることにより、優れた放熱性を備える。
(2)導入口35iおよび排出口35oの両方が隙間Gmaxと重なるように設けられることで、流体冷媒の流れがスムーズになり、さらに放熱性に優れる。
(3)冷媒路35を貫通孔35aとすることで、生産性に優れる。
(4)大傾斜部2Lを一ターンの一部にのみ形成することで、隙間Gmaxを巻線2wの周回方向の広い範囲にわたって形成し易い。それにより、大傾斜部2Lが一ターン以上に亘って形成されている場合に比べて、導入口35iや排出口35oに隙間Gmaxを重ね易くでき、かつコイル2の(コイル素子2a,2b)の全長を短くできる。
以上により説明した本実施形態のリアクトル1Aは、以下の効果を奏する。
(1)内側コア部31(内側コア片31a)が冷媒路35(貫通孔35a)を備えることにより、優れた放熱性を備える。
(2)導入口35iおよび排出口35oの両方が隙間Gmaxと重なるように設けられることで、流体冷媒の流れがスムーズになり、さらに放熱性に優れる。
(3)冷媒路35を貫通孔35aとすることで、生産性に優れる。
(4)大傾斜部2Lを一ターンの一部にのみ形成することで、隙間Gmaxを巻線2wの周回方向の広い範囲にわたって形成し易い。それにより、大傾斜部2Lが一ターン以上に亘って形成されている場合に比べて、導入口35iや排出口35oに隙間Gmaxを重ね易くでき、かつコイル2の(コイル素子2a,2b)の全長を短くできる。
<実施形態2>
≪全体構成≫
図5および図6を参照して、実施形態2のリアクトル1Bを説明する。リアクトル1Bは実施形態1のリアクトル1Aと同様の組合体であり、その主たる特徴とするところは、(1)コア3が備える内側コア部31の一方が複数の内側コア片31aと、ギャップ31gとを備える点、(2)ギャップ31gに冷媒路35となる溝部35bが設けられている点、にある。その他の点は実施形態1に係るリアクトル1Aと同様であるので詳細な説明を省略し、内側コア部の構成について詳細に説明する。
≪全体構成≫
図5および図6を参照して、実施形態2のリアクトル1Bを説明する。リアクトル1Bは実施形態1のリアクトル1Aと同様の組合体であり、その主たる特徴とするところは、(1)コア3が備える内側コア部31の一方が複数の内側コア片31aと、ギャップ31gとを備える点、(2)ギャップ31gに冷媒路35となる溝部35bが設けられている点、にある。その他の点は実施形態1に係るリアクトル1Aと同様であるので詳細な説明を省略し、内側コア部の構成について詳細に説明する。
(内側コア部)
図5に示すように、リアクトル1Bが備える内側コア部31の一方は、磁性材料を含む一対の内側コア片31aと、内側コア片31aよりも低い透磁率の固体材料から構成され、内側コア部31に局所的に設けられるギャップ31gとを備える。ギャップ部31gの両端面は、隣り合う内側コア片31aの端面31aeと接合され、内側コア片31aの外側コア部32(外側コア片32a)側の端面31aは、外側コア片32aの端面と接合される(図6を参照)。これに対し、他方のコイル素子内に配される他方の内側コア部(実施形態1におけるコイル素子2bに配置される内側コア部31)は、一つの内側コア片で構成される。
図5に示すように、リアクトル1Bが備える内側コア部31の一方は、磁性材料を含む一対の内側コア片31aと、内側コア片31aよりも低い透磁率の固体材料から構成され、内側コア部31に局所的に設けられるギャップ31gとを備える。ギャップ部31gの両端面は、隣り合う内側コア片31aの端面31aeと接合され、内側コア片31aの外側コア部32(外側コア片32a)側の端面31aは、外側コア片32aの端面と接合される(図6を参照)。これに対し、他方のコイル素子内に配される他方の内側コア部(実施形態1におけるコイル素子2bに配置される内側コア部31)は、一つの内側コア片で構成される。
(内側コア片)
内側コア片31aは、磁性材料を含む材料から構成されるコア片であり、内側コア部31の主要な部分を占める矩形状のコア片である。内側コア片31aは、実施形態1で説明したコア3と同様の材料、および製造方法により製造することができる。
内側コア片31aは、磁性材料を含む材料から構成されるコア片であり、内側コア部31の主要な部分を占める矩形状のコア片である。内側コア片31aは、実施形態1で説明したコア3と同様の材料、および製造方法により製造することができる。
(ギャップ部)
ギャップ部31gは、リアクトルのインダクタンスを調整するために内側コア部31に局所的に設けられ、内側コア片31aよりも低い透磁率の固体材料で構成される。ここでは、ギャップ部31gは、コイル素子2a,2bの端面形状が、内側コア片31aのコイル2の軸方向の断面と同一の形状であり、内側コア部31の軸方向のほぼ中間に1つだけ設けられている。ギャップ部31gのコイル2の軸方向の長さや数は、所望の磁気特性(インダクタンス値等)により調整すればよい。
ギャップ部31gは、リアクトルのインダクタンスを調整するために内側コア部31に局所的に設けられ、内側コア片31aよりも低い透磁率の固体材料で構成される。ここでは、ギャップ部31gは、コイル素子2a,2bの端面形状が、内側コア片31aのコイル2の軸方向の断面と同一の形状であり、内側コア部31の軸方向のほぼ中間に1つだけ設けられている。ギャップ部31gのコイル2の軸方向の長さや数は、所望の磁気特性(インダクタンス値等)により調整すればよい。
ギャップ部31gを構成する固体材料としては、アルミナや不飽和ポリエステルなどの非磁性材料、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂などの樹脂と磁性粉末(例えば、鉄粉などの軟磁性粉末)とを含む混合体を射出成形や注型成形などした複合材料などが挙げられる。ギャップ材31gと内側コア片31aや外側コア片32aとの双方を複合材料とする場合、ギャップ材31gの混合体は樹脂に対する磁性粉末の含有量を内側コア片31aよりも低くすることで、内側コア片31aよりも低透磁率にできる。また、ギャップ部31gは、公知の方法により製造することができる。
(冷媒路)
本実施形態の冷媒路35はギャップ部31gの上方から下方へ形成された溝部35bである。そして、図6に示すように、この冷媒路35が備える導入口35iが隙間Gmaxと重なるように設けられることで、冷媒路35への流体冷媒の導入が妨げられず、放熱性に優れたリアクトルとすることができる。
本実施形態の冷媒路35はギャップ部31gの上方から下方へ形成された溝部35bである。そして、図6に示すように、この冷媒路35が備える導入口35iが隙間Gmaxと重なるように設けられることで、冷媒路35への流体冷媒の導入が妨げられず、放熱性に優れたリアクトルとすることができる。
溝部35bは、ギャップ部31gを製造する際にあわせて成形したり、ギャップ部31gに対して切削加工を行ったりすることにより形成することができる。本実施形態では、ギャップ部31gを製造する際に、内側コア片31aと連結される端面に矩形状の溝を合わせて成形し、ギャップ部31gと内側コア片31aと接合した際に内側コア部31に冷媒路35が形成される形態としている。
(その他)
ギャップ部が備える冷媒路の構成は、上記の構成に限られない。例えば、溝部を備えないギャップ部と内側コア片とを接合し、その後、孔あけ加工等により、冷媒路(貫通孔)を形成してもよい。この場合、貫通孔は、ギャップ部にのみ設けてもよいし、ギャップ部と内側コア片とにまたがるように設けてもよい。
ギャップ部が備える冷媒路の構成は、上記の構成に限られない。例えば、溝部を備えないギャップ部と内側コア片とを接合し、その後、孔あけ加工等により、冷媒路(貫通孔)を形成してもよい。この場合、貫通孔は、ギャップ部にのみ設けてもよいし、ギャップ部と内側コア片とにまたがるように設けてもよい。
≪作用効果≫
以上により説明した本実施形態のリアクトル1Bは、以下の効果を奏する。
(1)内側コア部31が冷媒路35を備えることにより、優れた放熱性を備える。
(2)ギャップ部31gに冷媒路35を設けることで、リアクトルに所望の磁気特性等を与えるための設計を行いやすいと期待される。
(3)ギャップ部31gの製造と共に溝部35bを形成する場合、後加工により溝部35bを形成する必要がなく、リアクトル1Bの生産性に優れると期待される。
以上により説明した本実施形態のリアクトル1Bは、以下の効果を奏する。
(1)内側コア部31が冷媒路35を備えることにより、優れた放熱性を備える。
(2)ギャップ部31gに冷媒路35を設けることで、リアクトルに所望の磁気特性等を与えるための設計を行いやすいと期待される。
(3)ギャップ部31gの製造と共に溝部35bを形成する場合、後加工により溝部35bを形成する必要がなく、リアクトル1Bの生産性に優れると期待される。
<実施形態3>
≪全体構成≫
図7を参照して、実施形態3のリアクトル1Cを説明する。実施形態3のリアクトル1Cも一対の内側コア部31を有するコア3と一対のコイル素子2a,2bを有するコイル2との組合体10である。その主たる特徴とするところは、(1)コア3が、略C字状のコアであり、一方の内側コア部31の途中に隙間35cが形成されている点、(2)その隙間35cが冷媒路35である点にある。その他の点は実施形態1に係るリアクトル1Aと同様であるので、詳細な説明を省略する。
≪全体構成≫
図7を参照して、実施形態3のリアクトル1Cを説明する。実施形態3のリアクトル1Cも一対の内側コア部31を有するコア3と一対のコイル素子2a,2bを有するコイル2との組合体10である。その主たる特徴とするところは、(1)コア3が、略C字状のコアであり、一方の内側コア部31の途中に隙間35cが形成されている点、(2)その隙間35cが冷媒路35である点にある。その他の点は実施形態1に係るリアクトル1Aと同様であるので、詳細な説明を省略する。
(内側コア部)
図7に示すように、コイル素子2a内に配される一方の内側コア部31は、一対の内側コア片31aと、これら両内側コア片31a間に形成される隙間35cとで構成される。この隙間35cが冷媒路35となる。一対の内側コア片31aの隙間35cを形成しない側の端面は、それぞれ外側コア片32aに接合されている。これに対し、他方のコイル素子内に配される他方の内側コア部(実施形態1におけるコイル素子2bに配置される内側コア片31b)は、一つの内側コア片で構成される。その内側コア片31bの両端面31beは外側コア片32a(外側コア部32)に固定されている(貫通孔を有しない以外は実施形態1と同様)。これにより、コア3は略C字状のコアとなる。ここでは、流体冷媒が上側から下側へ主として流通するものとし、隙間35cの上部を導入口35i、下部を排出口35oとする。そして、これら導入口35iおよび排出口35oが隙間Gmaxと重なるように設けられることで、冷媒路35への流体冷媒の導入が妨げられず、放熱性に優れたリアクトルとすることができる。
図7に示すように、コイル素子2a内に配される一方の内側コア部31は、一対の内側コア片31aと、これら両内側コア片31a間に形成される隙間35cとで構成される。この隙間35cが冷媒路35となる。一対の内側コア片31aの隙間35cを形成しない側の端面は、それぞれ外側コア片32aに接合されている。これに対し、他方のコイル素子内に配される他方の内側コア部(実施形態1におけるコイル素子2bに配置される内側コア片31b)は、一つの内側コア片で構成される。その内側コア片31bの両端面31beは外側コア片32a(外側コア部32)に固定されている(貫通孔を有しない以外は実施形態1と同様)。これにより、コア3は略C字状のコアとなる。ここでは、流体冷媒が上側から下側へ主として流通するものとし、隙間35cの上部を導入口35i、下部を排出口35oとする。そして、これら導入口35iおよび排出口35oが隙間Gmaxと重なるように設けられることで、冷媒路35への流体冷媒の導入が妨げられず、放熱性に優れたリアクトルとすることができる。
このような隙間35cは、リアクトル1Cのインダクタンスを調整するために設けられるいわゆるエアギャップである。この隙間35cを冷媒路35とすることで、内側コア部31に上述した貫通孔35a等を形成しなくてもよい。
また、本実施形態では、隙間35cの全域が隙間Gと重なるように形成されている。したがって、流体冷媒の主たる流通方向(リアクトルの収納空間に形成された冷媒の供給口と排出口の位置関係から内側コア部の周囲に生じる冷媒の主要な流れの方向)が図7における紙面手前側から紙面奥側となるような場合であっても、冷媒路35(隙間35c)に流体冷媒を十分に流通させることができる。この場合、実質的には、隙間35cにおける紙面手前側が導入口35i、紙面奥側が排出口35oとなる。
本実施形態で用いる内側コア部31は隙間35cを備えるが、さらに実施形態1で示した貫通孔35aを、隙間の形成されない他方の内側コア部31に形成してもよい。その他、実施形態2で示した固体材料のギャップ部31gを本実施形態の内側コア部31に用いてもよい。例えば、隙間の形成されない他方の内側コア片31bにギャップ部31gを介在させたり、隙間35cの形成された一方の内側コア片31aにおいて、内側コア片31aにギャップ部31gを介在させたりすればよい。
≪作用効果≫
以上により説明した本実施形態のリアクトル1Cは、以下の効果を奏する。
(1)内側コア部31が冷媒路35(隙間35c)を備えることにより、優れた放熱性を備える。
(2)隙間35cを冷媒路35とすることで、リアクトルの磁気特性を制御しやすいと期待される。
(3)隙間35cを形成する内側コア片31aの端面の面積が上記の貫通孔よりも大きいことで、さらに放熱性に優れると期待される。
(4)いわゆるエアギャップである隙間35cを冷媒路35とすることで、生産性に優れる。
(5)隙間35cの全域が隙間Gと重なることで、流体冷媒の多様な流通方向に対応できる。
以上により説明した本実施形態のリアクトル1Cは、以下の効果を奏する。
(1)内側コア部31が冷媒路35(隙間35c)を備えることにより、優れた放熱性を備える。
(2)隙間35cを冷媒路35とすることで、リアクトルの磁気特性を制御しやすいと期待される。
(3)隙間35cを形成する内側コア片31aの端面の面積が上記の貫通孔よりも大きいことで、さらに放熱性に優れると期待される。
(4)いわゆるエアギャップである隙間35cを冷媒路35とすることで、生産性に優れる。
(5)隙間35cの全域が隙間Gと重なることで、流体冷媒の多様な流通方向に対応できる。
<実施形態4>
≪全体構成≫
図8を参照して、実施形態4のリアクトル1Dを説明する。実施形態4のリアクトル1Dの主たる特徴とするところは、(1)流体冷媒5が液体冷媒5Lである点、(2)組合体10を収納すると共に、液体冷媒5Lが供給及び排出される冷却ケース4を有する点にある。その他の点は実施形態1〜3に係るリアクトル1A〜1Cと同様であるので、詳細な説明を省略する。また、冷却ケース4において、リアクトル1Dと接する面を設置面41という。また、図8では、説明の便宜上、冷却ケース4の側壁の一部を省略して図示している。
≪全体構成≫
図8を参照して、実施形態4のリアクトル1Dを説明する。実施形態4のリアクトル1Dの主たる特徴とするところは、(1)流体冷媒5が液体冷媒5Lである点、(2)組合体10を収納すると共に、液体冷媒5Lが供給及び排出される冷却ケース4を有する点にある。その他の点は実施形態1〜3に係るリアクトル1A〜1Cと同様であるので、詳細な説明を省略する。また、冷却ケース4において、リアクトル1Dと接する面を設置面41という。また、図8では、説明の便宜上、冷却ケース4の側壁の一部を省略して図示している。
[組合体]
本実施形態のリアクトル1Dが備える組合体10には、上記の実施形態1〜3に示した組合体を用いることができる。ここでは、一例として、実施形態1に記載した組合体10(リアクトル1A)を用いている。組合体10が備えるコイル2の両端部2eは、ターン形成部分から引き延ばされて後述する冷却ケース4の外部に突出し、冷却ケース4の外部で端子部材6に接続される。この端子部材6を介して、コイル2に電力供給を行なう電源などの外部装置(図示せず)が接続される。また、組合体10の下面(外側コア部32の下面、およびコイル2の下面)は面一になっており、組合体10の下面は接着剤等により設置面41に固定される。
本実施形態のリアクトル1Dが備える組合体10には、上記の実施形態1〜3に示した組合体を用いることができる。ここでは、一例として、実施形態1に記載した組合体10(リアクトル1A)を用いている。組合体10が備えるコイル2の両端部2eは、ターン形成部分から引き延ばされて後述する冷却ケース4の外部に突出し、冷却ケース4の外部で端子部材6に接続される。この端子部材6を介して、コイル2に電力供給を行なう電源などの外部装置(図示せず)が接続される。また、組合体10の下面(外側コア部32の下面、およびコイル2の下面)は面一になっており、組合体10の下面は接着剤等により設置面41に固定される。
[冷却ケース]
冷却ケース4には、組合体10が収納される箱状体である。本実施形態では、底面(設置面41)、上面、上下・左右の各側面を備える直方体状の冷却ケースとしている。この冷却ケース4は、液体冷媒5Lが供給される導入口4iと液体冷媒5Lが排出される排出口4oとを備える。ここでは、冷却ケース4の上面に導入口4iを、コイル2の軸方向にほぼ直交する側面の一つに排出口4oを設けている。そして、組合体10が収納された冷却ケース4内に導入口4iおよび排出口4oを通じて液体冷媒5Lが供給及び排出されることで、冷却ケース4内で組合体10が浸漬されると共に、冷媒路35(貫通孔35a)に液体冷媒5Lを流通させることができる。これにより、本実施形態のリアクトル1Dは、組合体10の外周面と内側コア部31の内部との両方を液体冷媒5Lにより強制冷却することができる。
冷却ケース4には、組合体10が収納される箱状体である。本実施形態では、底面(設置面41)、上面、上下・左右の各側面を備える直方体状の冷却ケースとしている。この冷却ケース4は、液体冷媒5Lが供給される導入口4iと液体冷媒5Lが排出される排出口4oとを備える。ここでは、冷却ケース4の上面に導入口4iを、コイル2の軸方向にほぼ直交する側面の一つに排出口4oを設けている。そして、組合体10が収納された冷却ケース4内に導入口4iおよび排出口4oを通じて液体冷媒5Lが供給及び排出されることで、冷却ケース4内で組合体10が浸漬されると共に、冷媒路35(貫通孔35a)に液体冷媒5Lを流通させることができる。これにより、本実施形態のリアクトル1Dは、組合体10の外周面と内側コア部31の内部との両方を液体冷媒5Lにより強制冷却することができる。
冷却ケース4には、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金といった金属、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ウレタン樹脂、PPS樹脂、アクリル‐ブタジエン‐スチレン(ABS)樹脂などが利用できる。樹脂を用いる場合、放熱性を高める観点から、アルミナやシリカなどの熱伝導性に優れるセラミックスのフィラーを混合してもよい。
冷媒路35の導入口35iや排出口35oを設置面41と対向するように設けた場合、導入口35iや排出口35oと設置面41との間には、一定の距離を設けることが好ましい。導入口35iや排出口35oと設置面41との間に一定の距離を設けることで、液体冷媒5Lの流通がスムーズになり、さらに放熱性に優れるものと期待されるからである。特に、コイル2を構成する巻線2wとして、幅や直径が小さいものを用いた場合には、導入口35iや排出口35oと設置面41との距離が短くなり、液体冷媒5Lの流通がスムーズとならない場合がある。そのため、内側コア部31の下面と冷却ケース4の設置面41との間には、一定の距離を設けることが好ましいと考えられる。冷却ケース4が備える他の面(側面や上面)と対向するように導入口35iや排出口35oを設けた場合にも同様のことがいえる。本段落の記載は、液体冷媒以外の他の冷媒を設ける場合、および冷却ケースを備えない場合に関しても同様である。
導入口35iや排出口35oと設置面41との間に一定の距離を設けるためには、上記構成以外にも、例えば、以下の構成を採用しうる。
(1)設置面41の排出口35o(導入口35i)と対向する部分およびその周辺に窪みや溝等を設ける。このような構成とするには、あらかじめ冷却ケース4に窪みや溝等を形成しておけばよい。
(2)外側コア部31aを設置面41の方向に延長し、外側コア片31aの下面がコイル2の下面よりも突出した構成とする。このような構成とするには、外側コア片31aを上記した構成となるように成形したり、外側コア片31aの下面にコア片や放熱板などの部材を連結したりすればよい。
(1)設置面41の排出口35o(導入口35i)と対向する部分およびその周辺に窪みや溝等を設ける。このような構成とするには、あらかじめ冷却ケース4に窪みや溝等を形成しておけばよい。
(2)外側コア部31aを設置面41の方向に延長し、外側コア片31aの下面がコイル2の下面よりも突出した構成とする。このような構成とするには、外側コア片31aを上記した構成となるように成形したり、外側コア片31aの下面にコア片や放熱板などの部材を連結したりすればよい。
導入口35iは、冷却ケース4内における液体冷媒5Lの導入方向や主たる流通方向に対向するように設けられることが好ましい。導入口35iから流入する液体冷媒5Lがスムーズに導入されると期待されるからである。もちろん、導入方向や主たる流通方向と導入口35iが厳密に対向していなくてもよい。例えば、導入口35iに向かって液体冷媒5Lが斜め方向から流入するように設けられてもよい。このような場合であっても、一定量の液体冷媒5Lが流入するので、内側コア部31の放熱性を高めることができるからである。本実施形態では、液体冷媒5Lの導入方向が上側から下側であるので、導入口35iがこの導入方向に対向するように、導入口35iを内側コア部31(内側コア片31a)の上面に形成している。本段落の記載は、液体冷媒以外の他の冷媒を設ける場合、および冷却ケースを備えない場合に関しても同様である。
[その他]
液体冷媒5Lは、リアクトル1Dの使用時の最高到達温度によって形態が変化しないもの(気化しないもの)が好適に利用できる。具体的には、オートマチックトランスミッションの潤滑油であるATF(Automatic Transmission Fluid)、フロリナート(登録商標)などのフッ素系不活性液体、HCFC−123やHFC−134aなどのフロン系冷媒、メタノールやアルコールなどのアルコール系冷媒、アセトンなどのケトン系冷媒などが挙げられる。リアクトル1Dがハイブリッド自動車などに搭載される車載用部品の用途では、例えば上記ATFを流用することができ、液体冷媒5Lを別途用意しなくてもよい。
液体冷媒5Lは、リアクトル1Dの使用時の最高到達温度によって形態が変化しないもの(気化しないもの)が好適に利用できる。具体的には、オートマチックトランスミッションの潤滑油であるATF(Automatic Transmission Fluid)、フロリナート(登録商標)などのフッ素系不活性液体、HCFC−123やHFC−134aなどのフロン系冷媒、メタノールやアルコールなどのアルコール系冷媒、アセトンなどのケトン系冷媒などが挙げられる。リアクトル1Dがハイブリッド自動車などに搭載される車載用部品の用途では、例えば上記ATFを流用することができ、液体冷媒5Lを別途用意しなくてもよい。
≪作用効果≫
以上により説明した本実施形態のリアクトル1Dは、冷却ケース4を備えることにより、以下の効果を備える。
(1)組合体10の外周面と内側コア部31の内部とを熱伝導率の高い液体冷媒5Lにより冷却でき、かつ、内側コア部31が冷媒路35を備えることにより、優れた放熱性を備える。
(2)導入口35iが液体冷媒5Lの導入方向と対向することで、液体冷媒5Lがスムーズに導入され、優れた放熱性を備えると期待される。
(3)リアクトルの設置対象が備える既存の液体を液体冷媒5Lとし、かつ、この既存の液体が供給及び排出される場所に冷却ケース4を設置すれば、設置対象が備える既存の液体を液体冷媒5Lとして利用することができる。よって、既存の液体とは別に液体冷媒を用意する必要がなく、生産性に優れるものと期待される。
以上により説明した本実施形態のリアクトル1Dは、冷却ケース4を備えることにより、以下の効果を備える。
(1)組合体10の外周面と内側コア部31の内部とを熱伝導率の高い液体冷媒5Lにより冷却でき、かつ、内側コア部31が冷媒路35を備えることにより、優れた放熱性を備える。
(2)導入口35iが液体冷媒5Lの導入方向と対向することで、液体冷媒5Lがスムーズに導入され、優れた放熱性を備えると期待される。
(3)リアクトルの設置対象が備える既存の液体を液体冷媒5Lとし、かつ、この既存の液体が供給及び排出される場所に冷却ケース4を設置すれば、設置対象が備える既存の液体を液体冷媒5Lとして利用することができる。よって、既存の液体とは別に液体冷媒を用意する必要がなく、生産性に優れるものと期待される。
<実施形態5>
≪全体構成≫
図9を参照して、実施形態5のリアクトル1Eを説明する。実施形態5のリアクトル1Eの主たる特徴とするところは、(1)組合体10が貫通孔71とボルト孔72とを備える固定板7に固定されている点、(2)冷却ケース4の設置面41から上方に迫り出すボス42を設けている点、(3)固定板7がボス42にボルトBで固定されている点にある。その他の点は実施形態4に係るリアクトル1Dと同様であるので、詳細な説明を省略する。
≪全体構成≫
図9を参照して、実施形態5のリアクトル1Eを説明する。実施形態5のリアクトル1Eの主たる特徴とするところは、(1)組合体10が貫通孔71とボルト孔72とを備える固定板7に固定されている点、(2)冷却ケース4の設置面41から上方に迫り出すボス42を設けている点、(3)固定板7がボス42にボルトBで固定されている点にある。その他の点は実施形態4に係るリアクトル1Dと同様であるので、詳細な説明を省略する。
[固定板]
固定板7は、板状の部材であり、その上面が組合体10の下面と固定される。ここでは、組合体10は矩形の固定板7に、接着剤で固定されている。固定板7は、貫通孔71とボルト孔72とを備える。貫通孔71は、内側コア部31が備える排出口35oと対向する(重なる)位置に設けられている。貫通孔71の大きさは、排出口35oの大きさ(径)よりも大きくなっていることが好ましい。排出口35oと貫通孔71とは、液体冷媒5Lの流通をスムーズに行うという点で完全に重なることが好ましいが、若干ずれていても構わない。ボルト孔72は、後述するボス42と対向する(重なる)ように固定板7の四隅に設けられている。
固定板7は、板状の部材であり、その上面が組合体10の下面と固定される。ここでは、組合体10は矩形の固定板7に、接着剤で固定されている。固定板7は、貫通孔71とボルト孔72とを備える。貫通孔71は、内側コア部31が備える排出口35oと対向する(重なる)位置に設けられている。貫通孔71の大きさは、排出口35oの大きさ(径)よりも大きくなっていることが好ましい。排出口35oと貫通孔71とは、液体冷媒5Lの流通をスムーズに行うという点で完全に重なることが好ましいが、若干ずれていても構わない。ボルト孔72は、後述するボス42と対向する(重なる)ように固定板7の四隅に設けられている。
固定板7の材質には、上述した冷却ケース4と同様の素材を用いることができる。また、その形状や大きさは、組合体10との固定を十分に行える形状や大きさであればよい。貫通孔71およびボルト孔72は、例えば固定板7を所定形状に打ち抜く際に合わせて孔あけ加工することで形成できる。
[ボス]
ボス42は、冷却ケース4の設置面41から上側に迫り出すように形成される筒状の台座である。このボス42には雌ねじが形成され、その雌ねじに固定板7が備えるボルト孔72が対向される。雌ねじに位置合わせしたボルト孔72にボルトBを貫通し、そのボルトBを雌ねじにねじ込むことで、固定板7がボスに固定される。これにより、固定板7の下方に液体冷媒の流通空間を形成できる。
ボス42は、冷却ケース4の設置面41から上側に迫り出すように形成される筒状の台座である。このボス42には雌ねじが形成され、その雌ねじに固定板7が備えるボルト孔72が対向される。雌ねじに位置合わせしたボルト孔72にボルトBを貫通し、そのボルトBを雌ねじにねじ込むことで、固定板7がボスに固定される。これにより、固定板7の下方に液体冷媒の流通空間を形成できる。
≪作用効果≫
以上により説明した本実施形態のリアクトル1Eは、固定板7を備える組合体10が冷却ケース4に設けられたボス42上に固定されることで、以下の効果を備える。
(1)ボス42を介して固定板7に固定された組合体10が冷却ケース4に固定されることで、固定板7の下方に液体冷媒5Lの流通空間が確保でき、固定板7側からも効果的に組合体10を冷却できる。
(2)排出口35oを貫通孔71に対向させることで、排出口35oから排出された液体冷媒5Lを、貫通孔71を介して固定板7の下方の流通空間にスムーズに排出できる。それにより、内側コア部31の効果的な冷却が期待できる。
以上により説明した本実施形態のリアクトル1Eは、固定板7を備える組合体10が冷却ケース4に設けられたボス42上に固定されることで、以下の効果を備える。
(1)ボス42を介して固定板7に固定された組合体10が冷却ケース4に固定されることで、固定板7の下方に液体冷媒5Lの流通空間が確保でき、固定板7側からも効果的に組合体10を冷却できる。
(2)排出口35oを貫通孔71に対向させることで、排出口35oから排出された液体冷媒5Lを、貫通孔71を介して固定板7の下方の流通空間にスムーズに排出できる。それにより、内側コア部31の効果的な冷却が期待できる。
<その他>
図10および図11を参照し、実施形態に係るリアクトルを備えるコンバータおよびこのコンバータを備える電力変換装置について説明する。
図10および図11を参照し、実施形態に係るリアクトルを備えるコンバータおよびこのコンバータを備える電力変換装置について説明する。
実施形態1〜4に示したリアクトルは、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車両に搭載されるコンバータの構成部品や、このコンバータを備える電力変換装置の構成部品に利用することができる。この用途では、直流通電が0Aのときのインダクタンスが、10μH以上2mH以下、最大電流通電時のインダクタンスが、0Aのときのインダクタンスの10%以上を満たすものが好適に利用できると期待される。
例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車といった車両1200は、図10に示すようにメインバッテリ1210と、メインバッテリ1210に接続される電力変換装置1100と、メインバッテリ1210からの供給電力により駆動して走行に利用されるモータ(負荷)1220とを備える。モータ1220は、代表的には、3相交流モータであり、走行時、車輪1250を駆動し、回生時、発電機として機能する。ハイブリッド自動車の場合、車両1200は、モータ1220に加えてエンジンを備える。なお、図10では、車両1200の充電箇所としてインレットを示すが、プラグを備える形態としても良い。
電力変換装置1100は、メインバッテリ1210に接続されるコンバータ1110と、コンバータ1110に接続されて、直流と交流との相互変換を行うインバータ1120とを有する。この例に示すコンバータ1110は、車両1200の走行時、200V〜300V程度のメインバッテリ1210の直流電圧(入力電圧)を400V〜700V程度にまで昇圧して、インバータ1120に給電する。また、コンバータ1110は、回生時、モータ1220からインバータ1120を介して出力される直流電圧(入力電圧)をメインバッテリ1210に適合した直流電圧に降圧して、メインバッテリ1210に充電させている。インバータ1120は、車両1200の走行時、コンバータ1110で昇圧された直流を所定の交流に変換してモータ1220に給電し、回生時、モータ1220からの交流出力を直流に変換してコンバータ1110に出力している。
コンバータ1110は、図11に示すように複数のスイッチング素子1111と、スイッチング素子1111の動作を制御する駆動回路1112と、リアクトルLとを備え、ON/OFFの繰り返し(スイッチング動作)により入力電圧の変換(ここでは昇降圧)を行う。スイッチング素子1111には、電界効果トランジスタ(FET)や絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)などのパワーデバイスが利用される。リアクトルLは、回路に流れようとする電流の変化を妨げようとするコイルの性質を利用し、スイッチング動作によって電流が増減しようとしたとき、その変化を滑らかにする機能を有する。
ここで、上記車両1200は、コンバータ1110の他、メインバッテリ1210に接続された給電装置用コンバータ1150や、補機類1240の電力源となるサブバッテリ1230とメインバッテリ1210とに接続され、メインバッテリ1210の高圧を低圧に変換する補機電源用コンバータ1160を備える。コンバータ1110は、代表的には、DC−DC変換を行うが、給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160は、AC−DC変換を行う。給電装置用コンバータ1150のなかには、DC−DC変換を行うものもある。給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160のリアクトルに、上記実施形態のリアクトルなどと同様の構成を備え、適宜、大きさや形状などを変更したリアクトルを利用することができる。また、入力電力の変換を行うコンバータであって、昇圧のみを行うコンバータや降圧のみを行うコンバータに、上記実施形態のリアクトルなどと同様の構成を備え、適宜、大きさや形状などを変更したリアクトルなどを利用することもできる。以上説明したコンバータ及び電力変換装置は、放熱性に優れる本実施形態のリアクトルを備えるため、放熱性に優れる。
一対のコイル素子を備える上記の各実施形態のみならず、いわゆるポットタイプやトロイダル型といったコイル素子が単一のリアクトルに冷媒路および隣り合うターン間が局所的に広い隙間を設けたものも本発明に含まれる。
本発明のリアクトルは、放熱性に優れる。よって、ハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池自動車といった車両に搭載される双方向DC−DCコンバータといった電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。
1A,1B,1C,1D,1E リアクトル
10 組合体
2 コイル
2a,2b コイル素子 2r 連結部
2e 端部 2w 巻線
2L 大傾斜部 2S 小ピッチ部
G(Gmax) 隙間
3 コア
31 内側コア部
31a,31b 内側コア片
31ae,31be 端面
31g ギャップ部
35 冷媒路
35a 貫通孔 35b 溝部 35c 隙間
35i 導入口 35o 排出口
32 外側コア部
32a 外側コア片
32ae 端面
4 冷却ケース
41 設置面 42 ボス
4i 導入口 4o 排出口
5 流体冷媒 5L 液体冷媒
6 端子部材
7 固定板
71 貫通孔 72 ボルト孔
B ボルト
1100 電力変換装置
1110 コンバータ 1111 スイッチング素子
1112 駆動回路
L リアクトル
1120 インバータ
1150 給電装置用コンバータ 1160 補機電源用コンバータ
1200 車両
1210 メインバッテリ 1220 モータ
1230 サブバッテリ 1240 補機類 1250 車輪
a,b,c 点 d 直径 H ピッチ θ リード角
10 組合体
2 コイル
2a,2b コイル素子 2r 連結部
2e 端部 2w 巻線
2L 大傾斜部 2S 小ピッチ部
G(Gmax) 隙間
3 コア
31 内側コア部
31a,31b 内側コア片
31ae,31be 端面
31g ギャップ部
35 冷媒路
35a 貫通孔 35b 溝部 35c 隙間
35i 導入口 35o 排出口
32 外側コア部
32a 外側コア片
32ae 端面
4 冷却ケース
41 設置面 42 ボス
4i 導入口 4o 排出口
5 流体冷媒 5L 液体冷媒
6 端子部材
7 固定板
71 貫通孔 72 ボルト孔
B ボルト
1100 電力変換装置
1110 コンバータ 1111 スイッチング素子
1112 駆動回路
L リアクトル
1120 インバータ
1150 給電装置用コンバータ 1160 補機電源用コンバータ
1200 車両
1210 メインバッテリ 1220 モータ
1230 サブバッテリ 1240 補機類 1250 車輪
a,b,c 点 d 直径 H ピッチ θ リード角
Claims (8)
- 巻線を螺旋状に巻回して構成されるコイルとコアとを組み合わせた組合体を備えるリアクトルであって、
前記コアが、前記コイルの内側に配置される内側コア部を備え、
前記内側コア部が、前記組合体を冷却するための流体冷媒を前記内側コア部の内部に導入するための導入口と前記導入口から導入された流体冷媒を排出するための排出口とを有する冷媒路を備え、
前記コイルは、隣り合うターン間が局所的に広い隙間を有し、
前記隙間を前記導入口および前記排出口の少なくとも一方と重なる位置に有するリアクトル。 - 前記隙間が、前記導入口および前記排出口と重なる請求項1に記載のリアクトル。
- 前記冷媒路が、前記内側コア部を貫通する貫通孔である請求項1または請求項2に記載のリアクトル。
- 前記内側コア部が磁性材料を含む内側コア片と、前記内側コア片よりも低い透磁率の固体材料から構成され、前記内側コア部に局所的に設けられるギャップ部とを備え、
前記冷媒路が前記ギャップ部に設けられる請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のリアクトル。 - 前記内側コア部が磁性材料を含む複数の内側コア片を備え、
前記複数の内側コア片は前記コイル内で隙間をあけて配置され、
前記内側コア片間の隙間が前記冷媒路である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリアクトル。 - 前記コイルの軸方向と直交する平面に対する前記巻線の角度をリード角とするとき、
前記隙間を形成する巻線が、局所的にリード角が大きい大傾斜部を有し、
前記大傾斜部が、前記導入口および前記排出口の少なくとも一方からずれた位置に配置される請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のリアクトル。 - 前記大傾斜部が、一ターンの一部に形成されている請求項6に記載のリアクトル。
- 前記流体冷媒が液体冷媒であり、
前記組合体を収納すると共に、前記液体冷媒が供給及び排出される冷却ケースを有する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のリアクトル。
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