以下、発明を実施するための形態について、図面を用いて詳細に説明する。
[1.実施の形態]
[1−1.出納システムの構成]
図1において、出納システム1は、例えば金融機関の営業店において図示しない接客用カウンタの後方に設置され、金銭に関する入金や出金等の各種処理を総合的に実行するようになされている。
出納システム1は、紙幣入出金機2、施封小束支払機3、紙幣補充回収機4、新券支払機5、棒金支払機6、硬貨入出金機7、認証プリンタ8、現金外ポスト9、制御装置12及び操作表示部13を有している。
紙幣入出金機2は、紙幣を1枚単位で入出金する。施封小束支払機3は、金種別の紙幣を所定枚数(例えば100枚)毎に施封して紙幣小束にした状態で収納し、また当該紙幣小束を出金する。
紙幣補充回収機4は、例えば金融機関の営業店、小売店や公共施設等に設置される現金自動預払機(ATM:Automatic Teller Machine、図示せず)に着脱可能で、当該現金自動預払機で行われる取引用の紙幣を収納する補充回収カセットに紙幣を補充し、また補充回収カセットから紙幣を回収する。
新券支払機5は、紙幣補充回収機4の上側に組み込まれて一体化されており、各金種の新券(新札)を出金する。棒金支払機6は、金種別の一定枚数毎に棒状に重ねて包まれた硬貨(いわゆる棒金)を出金する。硬貨入出金機7は、硬貨を1枚単位で入出金する。
認証プリンタ8は、紙幣補充回収機4に載置され、紙幣入出金機2や施封小束支払機3、紙幣補充回収機4、新券支払機5、棒金支払機6及び硬貨入出金機7で行われる入金や出金等の処理内容を認証して所定の帳票等に印字し排出する。現金外ポスト9は、硬貨入出金機7に載置されており、現金以外の小切手や定期預金証書等の有価証券を取り込んで入金処理する。
操作表示部13はディスプレイ10とキーボード11とにより構成されている。ディスプレイ10は、正面を前方向に向けて紙幣入出金機2に載置されており、入金や出金等の各種処理に関する種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)と、取引の種類の選択、金種等を入力するタッチパネルとが一体化されている。キーボード11は、紙幣入出金機2におけるディスプレイ10の前に載置されており、入金や出金等の各種処理に関する種々の情報や指示等を入力する。制御装置12は、出納システム1全体を統括制御する。
出納システム1は、これら各種装置の少なくとも一部については比較的自由に配置することができるものの、例えば、棒金支払機6、施封小束支払機3、紙幣補充回収機4、紙幣入出金機2、制御装置12及び硬貨入出金機7が、各々の正面を同一方向に向け互いに隣接するよう横一列に配置されている。
以下の説明では、出納システム1における棒金支払機6、施封小束支払機3、紙幣補充回収機4、紙幣入出金機2、制御装置12及び硬貨入出金機7各々の正面が向く方向を前方向と定義し、その反対を後方向と定義して、さらに当該出納システム1の前側に対峙したときの左右方向及び上下方向をそれぞれ定義する。
出納システム1では、右方向に沿って順次隣接させるようにして配置された施封小束支払機3、紙幣補充回収機4及び紙幣入出金機2が、紙幣を左方向及び右方向に搬送する装置間搬送部(図示せず)によって接続されている。
これにより出納システム1は、施封小束支払機3、紙幣補充回収機4及び紙幣入出金機2の間で、施封や補充、回収等の各種処理に用いる紙幣を装置間搬送部を介して適宜搬送して受け渡すことができる。
[1−2.施封小束支払機の内部構成]
図2に示すように、施封小束支払機3は、箱状の施封小束支払機筐体20を中心に構成されており、当該施封小束支払機筐体20の前面に入出金口40が設けられている。
施封小束支払機筐体20の内部には、上側に配置された上部ユニット24と、下側に配置された下部ユニット26とが設けられている。上部ユニット24には、主に制御部30、装置間搬送部32、集積部34、紙幣クランプ移動部36、施封部38及び入出金口40が設けられている。下部ユニット26には、主に昇降部42、オーバーフロー庫48、収納繰出部49(小束ハンド部50及び小束プッシャ部52)、認識部54及び小束金庫56(56a〜56d)が設けられており、施封小束支払機筐体20から引き出されないよう図示しない下部ユニット引出ロックにより施錠されている。
この施封小束支払機3は、紙幣の長辺が左右方向に沿った状態で紙幣小束を搬送すると共に、小束金庫56、オーバーフロー庫48及び昇降機構部44に収納する。
施封小束支払機筐体20は、前側に内部空間と外部とを連通させる連通孔が形成されており、当該内部空間内に下部ユニット26を収納している。下部ユニット26はスライドレール(図示せず)を介して施封小束支払機筐体20に取り付けられており、当該施封小束支払機筐体20に対し前方向又は後方向へ直線的に且つ円滑に移動する。
下部ユニット26の前面には、当該下部ユニット26が施封小束支払機筐体20内部に収納された際に当該施封小束支払機筐体20の連通孔を閉鎖する前面壁22が形成されている。すなわち施封小束支払機3は、オペレータとの間で現金に関する取引を行う取引動作時には、図2に示したように下部ユニット26を施封小束支払機筐体20内部に収納し所定の収納位置へ位置させて下部ユニット引出ロックを施錠することにより、内部に保有している紙幣等を保護する。一方施封小束支払機3は、オペレータが紙幣小束の補充・回収等を行う保守作業時には、下部ユニット引出ロックを解錠して図3に示すように施封小束支払機筐体20内部から下部ユニット26を引き出させることにより、内部の各部に対する作業を容易に行わせる。
また施封小束支払機筐体20には、下部ユニット26が当該施封小束支払機筐体20に収納されているか又は引き出されているかを検出する下部ユニットセンサ(図示せず)が設けられ、検出結果を制御部30へ供給する。
装置間搬送部32は、施封小束支払機3内の上側後端に配置され、紙幣補充回収機4又は紙幣入出金機2(図1)から搬送された紙幣を受け取り、集積部34(34a又は34b)へ1枚ずつ搬送する。
集積部34は、装置間搬送部32の前方に配置され、装置間搬送部32から搬送された紙幣を金種毎に分類計数すると共に、当該紙幣を100枚ずつ集積させる。
紙幣クランプ移動部36は、装置間搬送部32と集積部34との間に配置され、当該集積部34に集積された100枚の紙幣を施封部38まで搬送する。
施封部38は、紙幣クランプ移動部36の前方下側に配置され、当該紙幣クランプ移動部36により搬送された100枚の紙幣の束を紙幣小束Tとして紙帯で施封し、昇降部42に搬送する。
施封部38は、図4に示すように、紙幣小束Tの長辺方向の一端側寄り(すなわち紙幣を正面から見て左寄り)の所定箇所に、短辺方向と平行に紙帯Sを巻回することで、紙幣小束Tを施封する。
具体的に紙幣小束Tは、官封券の場合、上下方向の厚さが約10mm、長辺方向の長さが150mm〜160mm、左端から紙帯Sまでの長さが約30mm、紙帯Sの左右方向の幅が約20mmとなっている。
昇降部42は、施封小束支払機3内の前端に設けられ、施封小束支払機筐体20の底板近傍を下端として入出金口40の近傍まで上方に延在する昇降路46と、当該昇降路46内を上下方向に移動する昇降機構部44とにより構成されている。
この昇降路46の上端側には入出金口40が設けられ、当該入出金口40は、オペレータが入金する紙幣小束Tが投入されると共に、オペレータへ出金する紙幣小束Tを排出する。また入出金口40は、入出金口シャッタ(図示せず)を駆動することにより開放又は閉塞する。
施封小束支払機3においては、紙帯Sが左寄りとなる状態で紙幣小束Tが入出金口40に投入されるように設定されている。
昇降機構部44は、施封された紙幣小束Tが上側に載置された状態で昇降機構駆動部(図示せず)により昇降路46内を上下方向に移動することにより、紙幣小束Tを入出金口40と小束金庫56の上方前側との間で移動させる。この昇降機構部44は、昇降機構駆動部に加えて、所謂パンタグラフによっても上下方向に移動するようになされている。
オペレータと紙幣小束Tの入出金を行う際、昇降機構部44は、昇降路46の上端に近接する位置まで移動し入出金ポジションとなる。この入出金ポジションにおいて、オペレータは例えば5束分の紙幣小束Tを一度に昇降機構部44に載置できる。ここで、施封小束支払機筐体20内部において上部ユニット24、昇降部42及び昇降機構駆動部等を配置する際のスペースの制約上、入出金口40からは5束までの紙幣小束Tを一度に昇降機構部44に載置可能に設定されている。
またオペレータは、入出金口40から紙幣小束Tを入金する以外にも、図3に示したように下部ユニット26を施封小束支払機筐体20から引き出し、昇降機構部44に例えば20束分の紙幣小束Tを直接載置することにより紙幣小束Tを入金する昇降部小束装填処理を行うこともできる。
特に、昇降機構部44が昇降路46の下端に位置しパンタグラフを畳んだ退避ポジションにおいては、昇降機構部44の上側には大きな空間が形成されるため、オペレータは、入出金ポジションよりも多くの紙幣小束Tを一度に昇降機構部44に載置できる。
具体的に昇降部42は、小束ハンド部50(後述する)が昇降路46に入り込む位置から、退避ポジションにある昇降機構部44の上面までの上下方向の長さに収まるだけの紙幣小束Tを保持可能となっている。
このように昇降機構部44は、多くの紙幣小束Tを載置させることができ、小束金庫56a〜56dのうち、少なくとも1つの小束金庫56に収納された紙幣小束Tを全て保持可能となっている。
さらに昇降部42より後方下側に、上部ユニット24と所定の間隔を空けるようにして、4個の小束金庫56(56a〜56d)が前後方向に並んで配置されている。小束金庫56(56a〜56d)は、例えば金種毎に用意され、内壁により囲まれた内部空間に、それぞれ指定された金種の紙幣小束Tを例えば20束ずつ収納する。小束金庫56には、当該小束金庫56の内部空間を外部に対し遮断又は開放する小束金庫シャッタ(図示せず)が設けられている。本実施の形態においては、1万円札が100枚ずつ施封された万券小束を小束金庫56a及び56bが、千円札が100枚ずつ施封された千券小束を小束金庫56c及び56dがそれぞれ収納する。
また小束金庫56には、当該小束金庫56内において上下方向に移動する在高センサ(図示せず)が設けられ、紙幣小束Tの紙帯Sの側面に光を照射してその反射光を読み取ることにより束数を計数し、計数結果を制御部30へ供給する。
さらに小束金庫56には、小束金庫シャッタの開閉状態を検知する小束金庫シャッタセンサ(図示せず)が設けられ、当該小束金庫シャッタの開閉状態の検出結果を制御部30へ供給する。
またこの施封小束支払機3においては、オペレータが手動で小束金庫56に紙幣小束Tを直接装填する手動装填が可能となっている。手動装填を行う際、オペレータは、下部ユニット26を施封小束支払機筐体20から引き出し、紙幣小束Tを装填する対象の小束金庫56の小束金庫シャッタを開いて紙幣小束Tを装填する。
オーバーフロー庫48は、昇降部42と小束金庫56aとの間に配置されている。オーバーフロー庫48は、内壁により囲まれた内部空間を有し、小束金庫56からの出金時や精査時に認識部54(後述する)において金種を識別できなかった紙幣小束Tや、入金時に小束金庫56が満杯で収納できなかった紙幣小束T等を収納する。オーバーフロー庫48には、当該オーバーフロー庫48の内部空間を外部に対し遮断又は開放するオーバーフロー庫シャッタ(図示せず)が設けられている。
このオーバーフロー庫48は、内壁の前後方向の間隔が紙幣小束Tの前後方向(短辺方向)の幅よりも狭く形成されており、紙幣小束Tにおける紙幣の面に沿う面方向を水平ではなく斜めに傾けて積層堆積させて収納する。
収納繰出部49は、小束ハンド部50及び小束プッシャ部52により構成され、上部ユニット24と小束金庫56との間の通路58内を前後方向に移動するように構成されている。収納繰出部49は、小束ハンド部50が前側、小束プッシャ部52が後側となる位置関係を維持しながら通路58内を移動する。
小束ハンド部50は、昇降機構部44と小束金庫56との間で紙幣小束Tを把持して移動させる。また小束ハンド部50は、昇降機構部44又は小束金庫56からオーバーフロー庫48へも紙幣小束Tを移動させる。小束プッシャ部52は、入金処理時において小束ハンド部50から小束金庫56へ紙幣小束Tを押し込むと共に、出金処理時において、小束金庫56に対し、当該小束金庫56内に収納された紙幣小束Tを上方へ押し上げさせる。
小束プッシャ部52には、紙幣小束Tの金種の識別、束数の計数、紙幣小束Tが正常に施封されているか否かの施封状態の検出を行う認識部54が設けられている。認識部54は、小束ハンド部50により把持された紙幣小束Tが当該認識部54を通過する際に当該紙幣小束Tの金種の識別、束数の計数、紙帯の有無や位置に基づく施封状態の検出を行い、識別結果、計数結果及び検出結果を認識結果として制御部30に供給する。
制御部30は、装置間搬送部32の下側に配置されている。制御部30は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、上述の各部を制御して、紙幣小束Tの施封処理、入金処理、出金処理、昇降部小束装填処理、在高確認処理、精査処理等を行うようになされている。また制御部30は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させるようになされている。
[1−3.入金処理]
入金処理の具体的な処理手順について、図5のフローチャートを用いて説明する。制御部30は、記憶部から入金処理プログラムを読み出して実行することにより入金処理手順RT1を開始し、ステップSP1へ移る。
ステップSP1において制御部30は、オペレータが操作表示部13を操作することにより小束装填メニュー(すなわち入金メニュー)が選択されるまで待機する。小束装填メニューがオペレータにより選択されると、ステップSP2へ移り入出金口40まで昇降機構部44を移動させて入出金口シャッタを開き、ステップSP3へ移り図7に示す投入誘導画面DIP1をディスプレイ10に表示させ、ステップSP4へ移りオペレータからの紙幣小束の投入及び計数開始キーの押下を待機する。
この投入誘導画面DIP1は、形状が整った紙幣小束を紙帯が左寄りとなる状態で入出金口40に投入するようにオペレータに誘導する画像が表示されている。
ステップSP4においてオペレータが紙幣小束を入出金口40へ投入し、操作表示部13を操作することにより計数開始キーを押下すると、制御部30はステップSP5へ移り、紙幣小束が昇降機構部44に載置された際の形状の状態を示す投入状態が正常であるか否かを判定する。なお、昇降機構部44に載置された紙幣小束の投入状態を判定する手段としては、例えば図示しないセンサ等により紙幣小束や紙幣が所定の位置からはみ出していないかを監視するようにすればよい。
ステップSP5において否定結果が得られると、投入状態は異常であったため、制御部30はステップSP6へ移り、図8に示す投入状態異常検知画面DIP2をディスプレイ10に表示させ、オペレータが紙幣小束の形状を整え再度計数開始キーを押下するまで待機する。この投入状態異常検知画面DIP2は、紙幣小束や紙幣が位置ずれしている状態を投入状態が異常であると示し、紙幣小束の形状を整えて入出金口40に再度投入するようにオペレータに誘導する画像が表示されている。
一方ステップSP5において肯定結果が得られると、投入状態は正常であったため、制御部30はステップSP7へ移り、入出金口シャッタを閉じ、ステップSP8へ移る。
ここで昇降機構部44は、紙幣小束を受け取ると、小束ハンド部50及び小束プッシャ部52の通路58の手前まで昇降路46内を降りていき、昇降機構部44に載置された紙幣小束のうち最上位の紙幣小束を小束ハンド部50が把持できる位置まで移動する。昇降機構部44が通路58の手前まで移動すると、通路58の前端に移動してきた小束ハンド部50は、昇降機構部44に載置された紙幣小束のうち最上位の紙幣小束を把持する。
このとき小束金庫56aの上には小束プッシャ部52が位置しており、小束ハンド部50が昇降機構部44から受け取った紙幣小束を把持したまま、小束金庫56aの上まで通路58内を移動すると、小束ハンド部50と小束プッシャ部52とが一体化する。このとき認識部54は、下側を通過した紙幣小束の金種の識別、束数の計数、紙帯の位置や有無に基づく施封状態の検出を行い、認識結果を制御部30に供給する。
ステップSP8において制御部30は、認識結果に基づいて計数を開始し、認識部54において認識された小束の状態を示す小束状態が正常か否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、小束状態が正常であったため、制御部30はステップSP9へ移り、紙幣小束を小束金庫56へ収納する。
具体的には、入金された紙幣小束の金種が認識部54において識別でき、且つ紙帯により正しく施封されており、且つ施封小束支払機3の小束金庫56において収納すべき金種であり、且つ識別された金種に対応する小束金庫56が満杯でない場合、制御部30は、紙幣小束Tが正常紙幣小束であると判別する。このとき、一体化した小束ハンド部50及び小束プッシャ部52は、認識部54が識別した金種に対応する小束金庫56の上へ移動し、小束プッシャ部52が、小束ハンド部50に把持された紙幣小束を下方の小束金庫56へと押し出す。この結果、この紙幣小束が小束金庫56内の昇降ステージ(図示せず)上に積み重なるようにして収納される。
小束金庫56の昇降ステージは、バネ等の付勢部材により上方に付勢されており、この昇降ステージと、小束金庫56の上端の入出口付近に設けられたストッパとで、昇降ステージ上に積み重ねられた紙幣小束を上下方向に挟み込んで保持する。
小束ハンド部50は、昇降機構部44に載置された紙幣小束がなくなるまで上述した動作を繰り返すことにより、入金された紙幣小束を小束金庫56へ収納する。
昇降機構部44に載置された紙幣小束がなくなると、制御部30はステップSP10へ移り、計数結果をディスプレイ10に表示させ、ステップSP11へ移る。
ステップSP11において制御部30は、追加して入金する紙幣小束が存在するか又は小束装填を終了するかをオペレータに問い合わせ、追加する紙幣小束が存在すると選択された場合は上述した動作を繰り返すことにより昇降機構部44に載置された紙幣小束を小束金庫56に収納する一方、小束装填終了キーが押下されることにより小束装填を終了すると選択された場合、ステップSP24へ移り入金処理手順RT1を終了する。
因みに施封小束支払機3は、入出金口40から入金された紙幣小束を小束金庫56に収納する以外にも、施封部38によって施封された紙幣小束を小束金庫56に収納することも可能となっている。この場合施封小束支払機3は、施封部38まで昇降機構部44を移動させて当該施封部38から昇降機構部44へ紙幣小束を受け渡し、上述した入金処理と同様の動作を行う。
ここで、入金された紙幣小束の金種が認識部54において識別できなかった場合や、紙帯により正しく施封されていない場合や、施封小束支払機3の小束金庫56において収納すべき金種でない場合や、識別された金種に対応する小束金庫56が満杯の場合、制御部30は、紙幣小束が入金リジェクト紙幣小束であると判別する。
そのような場合制御部30は、ステップSP8において否定結果を得て、小束状態が異常であった、すなわち紙幣小束がリジェクト紙幣小束であったため、ステップSP12へ移り、小束ハンド部50により昇降機構部44まで紙幣小束を運んで載置し当該昇降機構部44を入出金口40まで昇降路46内を上昇させ、ステップSP13へ移り入出金口シャッタを開くことにより、紙幣小束をオペレータに返却する。
ここで、投入された紙幣小束が、紙帯が左寄りとなるように入出金口40の所定の位置に載置されず、右寄りとなるように載置された場合、制御部30は、小束セット方向間違い状態であると判定し、ステップSP14へ移り、図9に示す小束セット方向間違い検知画面DIP3をディスプレイ10に表示させる。この小束セット方向間違い検知画面DIP3は、紙幣小束における紙幣の長辺に沿う左右方向のセット方向が反対であると示し、紙幣小束の左右方向の向きを逆にして入出金口40に再度投入するようにオペレータに誘導する画像が表示されている。なお、このとき小束セット方向間違い検知画面DIP3に確認キーを表示させ、この確認キーが押下された時に入出金口40を開くようにしても良く、又は小束セット方向間違い検知画面DIP3を表示すると共に入出金口40を開くようにしても良い。
続いて制御部30はステップSP4へ戻り、オペレータからの紙幣小束の再投入及び計数開始キーの押下を待機する。オペレータは、返却された紙幣小束のセット方向を反対にして再度入出金口40へ投入し計数開始キーを押下する。
一方、投入された紙幣小束が、施封小束支払機3の小束金庫56において収納すべき金種(以下では収納対象金種とも呼ぶ)の紙幣小束ではなかった場合、制御部30は、対象外金種装填状態であると判定し、ステップSP15へ移り、図10に示す対象外金種装填検知画面DIP4をディスプレイ10に表示させる。この対象外金種装填検知画面DIP4は、紙幣小束が収納対象金種ではないと示し、収納対象金種の紙幣小束を入出金口40に投入するようにオペレータに誘導する画像が表示されている。なお、このとき対象外金種装填検知画面DIP4に確認キーを表示させ、この確認キーが押下された時に入出金口40を開くようにしても良く、又は対象外金種装填検知画面DIP4を表示すると共に入出金口40を開くようにしても良い。
続いて制御部30はステップSP4へ戻り、オペレータからの収納対象金種の紙幣小束の投入及び計数開始キーの押下を待機する。オペレータは、返却された紙幣小束を受け取り、収納対象金種の紙幣小束を投入し計数開始キーを押下する。
一方、投入された紙幣小束の紙帯の位置が、予め設定された位置から所定距離以上ずれていた場合、制御部30は、紙帯位置不良状態であると判定し、ステップSP16へ移り、図11に示す紙帯位置不良検知画面DIP5をディスプレイ10に表示させる。この紙帯位置不良検知画面DIP5は、紙幣小束の紙帯が位置ずれしていると示し、紙帯の位置を修正して紙幣小束を入出金口40に再度投入するようにオペレータに誘導する画像が表示されている。なお、このとき紙帯位置不良検知画面DIP5に確認キーを表示させ、この確認キーが押下された時に入出金口40を開くようにしても良く、又は紙帯位置不良検知画面DIP5を表示すると共に入出金口40を開くようにしても良い。
続いて制御部30はステップSP4へ戻り、オペレータからの紙帯が正常な位置に修正された紙帯正常施封状態の紙幣小束の投入及び計数開始キーの押下を待機する。オペレータは、返却された紙幣小束を受け取り、紙帯の位置を所定の位置へずらして紙幣小束を再度投入し計数開始キーを押下する。
一方、投入された紙幣小束の金種が、汚れや損傷等により認識できなかった場合、制御部30は、識別不可状態であると判定し、ステップSP17へ移り、図12に示す識別不可検知画面DIP6をディスプレイ10に表示させる。この識別不可検知画面DIP6は、紙幣小束の金種が認識できなかったと示し、投入した紙幣小束の状態を確認するようオペレータに誘導する画像が表示されている。なお、このとき識別不可検知画面DIP6に確認キーを表示させ、この確認キーが押下された時に入出金口40を開くようにしても良く、又は識別不可検知画面DIP6を表示すると共に入出金口40を開くようにしても良い。
続いて制御部30はステップSP4へ戻り、オペレータからの正常な状態の紙幣小束の再投入及び計数開始キーの押下を待機する。オペレータは、返却された紙幣小束を受け取り、汚れの除去や損傷の修正等を行い紙幣小束を再度投入し計数開始キーを押下する。
一方、投入された紙幣小束の紙帯が検出できなかった場合、制御部30は、紙帯なし状態であると判定し、ステップSP18へ移り、図13に示す紙帯なし検知画面DIP7をディスプレイ10に表示させる。この紙帯なし検知画面DIP7は、紙幣小束に紙帯が巻かれていないと示し、紙帯を確認するようにオペレータに誘導する画像が表示されている。なお、このとき紙帯なし検知画面DIP7に確認キーを表示させ、この確認キーが押下された時に入出金口40を開くようにしても良く、又は紙帯なし検知画面DIP7を表示すると共に入出金口40を開くようにしても良い。
続いて制御部30はステップSP19へ移り、図14に示す紙幣点検誘導画面DIP8をディスプレイ10に表示させることにより、下部ユニット26内部に散乱した可能性がある紙幣を点検するようオペレータに促し、ステップSP20へ移る。
ステップSP20において制御部30は、図15に示すユニット引出誘導画面DIP9をディスプレイ10に表示させ、オペレータが下部ユニット26を施封小束支払機筐体20から引き出すまで待機する。オペレータが下部ユニット26を施封小束支払機筐体20から引き出すと、制御部30はステップSP21へ移り、図16に示す点検箇所誘導画面DIP10をディスプレイ10に表示させることにより、下部ユニット26内部において特に点検すべき場所をオペレータに示し、ステップSP22へ移る。オペレータは、下部ユニット引出ロックを解錠して下部ユニット26を引き出し、点検箇所誘導画面DIP10により示された場所に紙幣が散乱していないかを重点的に点検する。
ステップSP22において制御部30は、図17に示すユニットセット誘導画面DIP11をディスプレイ10に表示させ、オペレータが下部ユニット26を施封小束支払機筐体20へ押し込んで収納位置へセットするまで待機する。オペレータが下部ユニット26を収納位置へセットすると、制御部30は所定のイニシャル動作を行い、ステップSP1へ戻る。
一方、識別された金種に対応する小束金庫56が満杯の場合、制御部30は、小束金庫フル状態であると判定し、ステップSP23へ移り、図18に示す小束金庫フル検知画面DIP12をディスプレイ10に表示させることにより、識別された金種に対応する小束金庫56が満杯であったことをオペレータに提示してから紙幣小束を入出金口40からオペレータに返却してステップSP10へ移り、入金できた紙幣小束の分の計数結果をディスプレイ10に表示させ、以降は上述した動作を行う。
このように施封小束支払機3は、投入された紙幣小束が入金リジェクト紙幣小束であると認識した場合、当該入金リジェクト紙幣小束をオペレータへ返却すると共に、紙幣小束を返却した要因を示す入金リジェクト要因情報と、その後オペレータが行うべき処置を示す処置誘導情報として小束セット方向間違い検知画面DIP3、対象外金種装填検知画面DIP4、紙帯位置不良検知画面DIP5、識別不可検知画面DIP6、小束金庫フル検知画面DIP12、又は、紙帯なし検知画面DIP7、紙幣点検誘導画面DIP8、ユニット引出誘導画面DIP9、点検箇所誘導画面DIP10及びユニットセット誘導画面DIP11をディスプレイ10に表示する。
[1−4.昇降部小束装填処理]
一方、昇降部小束装填処理を行う際、オペレータは、図3に示したように施封小束支払機筐体20から下部ユニット26を引き出す。このとき図示しない昇降機構駆動部は、昇降機構部44を退避ポジションまで下降させる。下部ユニット26が引き出されたことを下部ユニットセンサにより検出すると、制御部30は、小束金庫56a〜56dの小束金庫シャッタを閉鎖することにより、小束金庫56a〜56dに紙幣小束が装填されることや、小束金庫56a〜56dから紙幣小束が取り出されることを防止する。
続いてオペレータは、昇降機構部44に上方から例えば20束分の紙幣小束を直接載置し、下部ユニット26を押し込んで施封小束支払機筐体20内部に収納させる。下部ユニット26が収納されたことを下部ユニットセンサにより検出すると、制御部30は、小束金庫56a〜56dの小束金庫シャッタを開放することにより、小束金庫56a〜56dに対する紙幣小束の収納及び繰出を可能な状態とする。
その後施封小束支払機3は、投入状態の判別は行わないものの、上述した入金処理とほぼ同様の動作を行う。このときも施封小束支払機3は、昇降機構部44に載置された紙幣小束が正常紙幣小束であった場合は小束金庫56に収納する一方、入金リジェクト紙幣小束であった場合は入出金口40からオペレータへ返却し、上述した入金リジェクト要因情報及び処置誘導情報をディスプレイ10に表示する。
このように施封小束支払機3は、昇降部小束装填処理時、オペレータが昇降機構部44に載置した紙幣小束を、金種毎に設定された小束金庫56に収納することにより、オペレータが外部から持ってきた大量の紙幣小束を一度に装填でき、オペレータの装填作業を軽減できる。
[1−5.出金処理]
また、オペレータが操作表示部13を操作することにより出金処理を選択すると、まず、昇降機構部44が通路58の手前まで昇降路46内を移動する。
ここで、小束ハンド部50及び小束プッシャ部52がオペレータにより指定された金種の小束金庫56(56a〜56d)の上まで移動する。このとき小束プッシャ部52は、小束ハンド部50内と一体化する。小束プッシャ部52は、押込プレート(図示せず)を下方まで伸ばして、下方の小束金庫56の昇降ステージ上に積み重ねられている紙幣小束を押し下げる。
小束金庫56は、小束プッシャ部52により紙幣小束が下方に押し下げられると、入出口付近に設けられたストッパが外れる仕組みになっている。ストッパが外れると、昇降ステージ上に積み重ねられている紙幣小束は、当該昇降ステージと小束プッシャ部52の押込プレートとの間で保持されながら当該昇降ステージと共に上昇する。
そして昇降ステージ上に積み重ねられている紙幣小束のうち1番上の紙幣小束(最上位紙幣小束)が小束金庫56の入出口の外まで上昇すると、小束ハンド部50は、この最上位紙幣小束を前方へスライドするよう移動させた後に把持する。
そして小束ハンド部50は、小束金庫56から受け取った紙幣小束Tを把持したまま、小束プッシャ部52から分離する。このとき認識部54は、下側を通過した紙幣小束の金種の識別、束数の計数、施封状態の検出を行い、認識結果を制御部30に供給する。
出金しようとしている紙幣小束の金種が認識部54において識別でき、且つ指定された金種の紙幣小束であり(すなわち指定された小束金庫56に収納されているべき金種の紙幣小束であり)、且つ紙帯が正しく施封されている場合、制御部30は、紙幣小束が正常紙幣小束であると判別する。このとき小束ハンド部50は、通路58内を昇降機構部44の昇降路46まで移動する。
小束ハンド部50は、昇降路46まで移動すると、このとき把持している紙幣小束を離し、昇降機構部44に載置する。指定された束数の紙幣小束が載置されると、昇降機構部44が入出金口40まで昇降路46内を上昇し、入出金口シャッタが開くことにより、紙幣小束がオペレータに受け渡される。
一方、出金しようとしている紙幣小束の金種が認識部54において識別できなかった場合や、指定された金種の紙幣小束ではない場合や、紙帯が正しく施封されていない場合、制御部30は、紙幣小束が出金リジェクト紙幣小束であると判別する。このとき施封小束支払機3は、小束ハンド部50によりオーバーフロー庫48まで紙幣小束を運び、オーバーフロー庫シャッタを開いて当該オーバーフロー庫48に紙幣小束を収納する。
このように施封小束支払機3は、出金処理時、金種毎に設定された小束金庫56から紙幣小束Tを繰り出して出金する。
[1−6.在高確認処理]
施封小束支払機3が、小束金庫56内の紙幣小束の束数である在高を確認する在高確認処理は、小束金庫56に収納された紙幣小束の金種が既に認識部54により識別されている状態であり、小束金庫56内の在高を確認するだけで、当該小束金庫56内の金種及び束数が確定する場合に実行される処理である。
オペレータが操作表示部13を操作することにより在高確認処理を選択すると、施封小束支払機3は、小束金庫56内において在高センサを上下方向に移動させつつ紙幣小束の側面の紙帯Sに光を照射し、紙帯と、上下に重なる紙幣小束の紙帯の間の隙間との光の反射率の相違を検出することにより、束数を計数する。
このように施封小束支払機3は、在高センサを小束金庫56において上下方向に移動させるという簡便な処理を行うだけで、当該小束金庫56の在高を確認することができる。
[1−7.効果]
以上の構成において施封小束支払機3は、紙幣小束Tにおける紙帯Sの状態を認識部54において認識し、認識部54の認識結果に基づいて当該紙幣小束Tが小束金庫56に収納できるか否かを判別し、当該紙幣小束Tが小束金庫56に収納できない入金リジェクト紙幣小束であると判別した場合、当該紙幣小束Tを外部へ返却すると共に、当該紙幣小束Tの返却に関し、返却した理由を示す入金リジェクト要因情報と、その後オペレータが行うべき処置を提示する処置誘導情報とをメッセージ及びイラストでディスプレイ10に表示するようにした。
従来の施封小束支払機においては、入金された紙幣小束が入金リジェクト紙幣小束であった場合、エラーが発生したことをオペレータに提示するのみであったため、オペレータは、エラーが発生した理由を認識することが困難であった。
これに対し施封小束支払機3は、入金リジェクト紙幣小束をオペレータに返却する際、返却する要因をディスプレイ10に表示するようにしたため、エラーが発生した理由をオペレータに通知することができる。
また施封小束支払機3は、入金リジェクト要因情報と共に、処置誘導情報をディスプレイ10に表示するようにしたため、次に行うべき処置をオペレータに対して誘導し、正しい操作を指示することができる。
さらに施封小束支払機3は、処置誘導情報を、メッセージだけでなく、施封小束支払機3及び紙幣小束Tを示すイラストと共にディスプレイ10に表示するようにしたため、次に行うべき処置をオペレータに一目で容易に認識させることができる。
また、紙幣小束ではなく、1枚の紙幣を取り扱う現金自動取引装置の場合、入金リジェクト紙幣は、傷がついていたりするため、操作者は、当該入金リジェクト紙幣を一目見れば返却された要因を認識できる可能性が高い。これに対し所定枚数の紙幣が紙帯で結束された紙幣小束が施封小束支払機から返却された場合、オペレータは、紙幣小束に対する正常な紙帯の位置及び状態を把握しているとは限らないため、紙幣小束が返却された要因を認識できず、当該紙幣小束をそのまま再度入金してしまうおそれがある。
このように、紙帯で施封されていない紙幣よりも紙幣小束の方が、オペレータが一目で紙幣小束が返却された理由を認識しにくい傾向にある。
これに対し施封小束支払機3は、入金リジェクト要因情報を提示するようにしたので、紙幣小束の施封状態が異常であるために紙幣小束が返却されたことをオペレータに容易に認識させることができる。
また紙帯なし状態の紙幣小束が施封小束支払機3の内部を搬送された場合、紙幣が施封小束支払機筐体20内部に散乱してしまう可能性がある。
これに対し施封小束支払機3は、入出金口40から取り込んだ紙幣小束が紙帯なし状態であると認識部54で検知した場合、当該紙幣小束を小束金庫56へは搬送せず、速やかに入出金口40に戻すようにしたため、搬送による紙幣の散乱を最小限に留めることができる。
さらに施封小束支払機3は、紙幣点検誘導画面DIP8、ユニット引出誘導画面DIP9及び点検箇所誘導画面DIP10をディスプレイ10に表示してオペレータに紙幣の回収を誘導するようにしたため、下部ユニット26に紙幣が残留したままその後の動作を行ってしまうことによる紙幣の破損及び施封小束支払機3の故障を防止できる。
また施封小束支払機3は、在高確認処理において、小束金庫56内で在高センサを上下方向に移動させつつ紙幣小束Tの側面の紙帯Sに光を照射することにより、束数を計数する。このため、小束セット方向間違い状態又は紙帯位置不良状態の場合、予め設定された位置から紙帯が位置ずれしているため、施封小束支払機3は束数を正確に計数することができず、計数異常となってしまう。
これに対し施封小束支払機3は、紙幣小束が小束セット方向間違い状態又は紙帯位置不良状態の場合、当該紙幣小束を小束金庫56へは搬送せず、入出金口40に戻すようにしたため、在高確認処理において計数異常が発生してしまうことを防止できる。
以上の構成によれば、施封小束支払機3は、所定枚数の紙幣が紙帯で結束された紙幣小束を外部から受け入れる入出金口40と、受け入れた紙幣小束の紙帯の状態を認識する認識部54と、認識部54の認識結果に基づく情報を表示するディスプレイ10と、紙幣小束を収納する小束金庫56と、認識部54の認識結果に基づいて紙幣小束が小束金庫56に収納できるか否かを判別し、紙幣小束が小束金庫56に収納できない入金リジェクト小束であると判別した場合、紙幣小束を外部へ返却させると共に、ディスプレイ10に紙幣小束の返却に関する情報を表示させる制御部30とを設けるようにした。
これにより施封小束支払機3は、投入した紙幣小束が返却された要因を容易にオペレータに認識させることができる。
[2.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においては、ディスプレイ10に入金リジェクト要因情報及び処置誘導情報を画像として表示する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば音声や光等を画像と組み合わせてオペレータに提示しても良い。
また上述した実施の形態による昇降部小束装填処理において、昇降機構部44に複数束の紙幣小束が載置された場合、昇降機構部44に載置された未認識の紙幣小束の上に入金リジェクト紙幣小束を載置して入出金口40まで上昇させ、当該入金リジェクト紙幣小束のみをオペレータに取り出させても良い。また、特に入金リジェクト紙幣小束が複数束存在する場合、当該入金リジェクト紙幣小束をオーバーフロー庫48に収納しても良い。その場合も、オーバーフロー庫48へ収納した入金リジェクト紙幣小束毎に、発生した異常の種類を記憶してディスプレイ10に表示させれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、小束プッシャ部52に認識部54を設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えばオーバーフロー庫48の近傍等、種々の場所に認識部54を設けて良い。但し小束プッシャ部52に認識部54を設けた場合、紙幣小束を小束ハンド部50が把持して移動させるだけで認識部54を通過させて当該認識部54により紙幣小束の種別としての金種を識別させることができる。
さらに上述した実施の形態においては、金融機関等において紙幣を取り扱う出納システム1における小束としての紙幣小束を取り扱う施封小束支払機3において本発明を適用する場合について述べた。
本発明はこれに限らず、例えば商品券、金券、小切手、チケット、入場券、カード、宝くじ、証書や証券等のような薄い紙状の媒体の小束を取り扱う種々の装置に適用しても良く、或いは現金自動預払機のような紙幣を扱う他の装置内において適用しても良い。また、複数枚の紙葉状の紙幣が施封された媒体に限らず、例えば1枚以上の紙葉状の媒体を取り扱う種々の装置に適用しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、小束受入口としての入出金口40と、認識部としての認識部54と、表示部としてのディスプレイ10と、小束収納庫としての小束金庫56と、判別部としての制御部30と、制御部としての制御部30とによって、小束処理装置としての施封小束支払機3を構成する場合について述べた。
本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる小束受入口と、認識部と、表示部と、小束収納庫と、判別部と、制御部とによって小束処理装置を構成しても良い。