JP2014029618A - 紙幣処理装置及び紙幣処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リジェクト対象紙幣を収納するための収納部を省略しつつも、精査処理時における現金管理の厳正化を維持する。
【解決手段】紙幣処理装置(入出金機1)の制御部513は、精査処理時には、収納部31内の全紙幣を繰り出して一時保留部51に一旦収納しかつ、その全紙幣を元の収納部に再び収納すると共に、収納部と一時保留部との間で紙幣を搬送している途中に、識別部25が各紙幣について識別を行った結果に基づいて、収納部内の紙幣の在高を確認する。制御部はまた、精査処理の最中に、識別部がリジェクトすべき紙幣を識別したときには、収納部から繰り出した紙幣を全て元の収納部に戻すと共に、当該収納部について精査処理が未完了であることを示す未完了フラグを立てる。
【選択図】図6

Description

ここに開示する技術は、紙幣処理装置及び紙幣処理方法に関する。
特許文献1には、紙幣入出金機としてのATM(Automatic teller machine)において、入金処理、出金処理及び精査処理において識別したリジェクト対象紙幣を収納するためのリジェクト庫を備えることが記載されている。ここで、精査処理とは、収納部に収納している紙幣を全て繰り出して一時保留部に収納すると共に、その一時保留部に収納した紙幣を繰り出して、再び、元の収納部に収納する間に、識別部において紙幣の識別を行うことで、当該収納部に収納している紙幣の在高(紙幣の枚数及び/又は合計金額)を確定する処理であるが、前記のATMでは、精査処理の最中に発生したリジェクト対象紙幣を、リジェクト庫に収納することが可能である。このことにより、精査処理の最中に、紙幣が装置の外に払い出されることがなくなるため、精査処理を無人で行うことが可能になるという利点がある。しかしながら、リジェクト庫には通常、精査処理の前に行った入金処理や出金処理時に発生したリジェクト対象紙幣も収納されるため、精査処理の完了後に、リジェクト庫にリジェクト対象紙幣が収納されているときには、当該リジェクト庫内に収納されているリジェクト対象紙幣の枚数等を確定しない限り、入金取引や出金取引を継続して行うことができない。従って、精査処理の最中は無人で行うことが可能になるとはいえ、精査処理の完了時には、担当者が立ち会う必要がある。
そこで、このATMでは、第1及び第2のリジェクト庫を備えるようにし、精査処理を行う前、及び、精査処理の最中に発生したリジェクト対象紙幣は、第1のリジェクト庫に収納する一方で、精査処理の後で発生したリジェクト対象紙幣は、第2のリジェクト庫に収納するようにしている。こうすることで、精査処理の完了時に、リジェクト庫に収納している紙幣を回収しなくても、そのまま入金取引や出金取引を継続することが可能になり、例えば精査処理時に担当者が待機する必要がなくなる。
特開平9−22476号公報
ところで、装置の小型化や低廉化の要請から、紙幣処理装置におけるリジェクト庫を省略したいという要求がある。しかしながら、リジェクト庫を省略してしまうと、リジェクト対象紙幣を装置内において収納することができないため、そのリジェクト対象紙幣は、例えば出金部に払い出すことになる。ここで、入金処理や出金処理の最中に、リジェクト対象紙幣が出金部に払い出されたとしても、こうした処理の最中は、入出金機の付近に担当者が居るため、特に問題にはならないものの、精査処理の最中は、入出金機の付近に担当者が居るとは限らない。そのため、出金部にリジェクト対象紙幣を払い出してしまうことは、現金管理の厳正化が損なわれることになる。つまり、入出金機のリジェクト庫を省略してしまうと、精査処理は担当者の立ち会いのもとで行われなければならないという制約が生じ、ユーザの使い勝手が悪くなってしまう。
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、リジェクト対象紙幣を収納するための収納部を省略しつつも、精査処理時における現金管理の厳正化を維持することにある。
ここに開示する技術は、紙幣処理装置に係り、紙幣を収納すると共に、収納している前記紙幣を繰り出すように構成された、少なくとも1の収納部、前記紙幣が投入されるように構成された入金部、前記紙幣が払い出されるように構成された出金部、入金処理時に、前記入金部に投入された前記紙幣を前記収納部に収納すると共に、出金処理時に、前記収納部に収納されている前記紙幣を前記出金部に払い出すように構成された制御部、前記各紙幣について識別を行うように構成された識別部、及び、前記紙幣を一時的に収納可能に構成された一時保留部、を備える。
そして、前記制御部は、前記収納部に収納している紙幣の在高を確認する精査処理時には、前記収納部が繰り出した前記紙幣を、前記一時保留部に一旦収納しかつ、当該収納部の全紙幣を繰り出した後に、前記一時保留部が繰り出した紙幣を元の収納部に再び収納すると共に、前記収納部と前記一時保留部との間で紙幣を搬送している途中に、前記識別部が前記各紙幣について識別を行った結果に基づいて、前記収納部内の紙幣の在高を確認し、前記制御部はまた、前記精査処理の最中に、前記識別部がリジェクトすべき紙幣を識別したときには、前記収納部から繰り出した紙幣を全て前記元の収納部に戻すと共に、当該収納部について精査処理が未完了であることを示す未完了フラグを立てる。
この構成によると、精査処理時には、収納部が繰り出した紙幣が、一時保留部に収納されると共に、収納部に収納されていた全ての紙幣が、一時保留部に収納された後に、当該一時保留部から紙幣が繰り出されて、再び、元の収納部に収納される。この収納部と一時保留部との間で紙幣を搬送している途中、具体的には、収納部から一時保留部に向かって紙幣を搬送している途中、及び/又は、一時保留部から収納部に向かって紙幣を搬送している途中に、識別部が紙幣の識別を行い、その結果に基づいて収納部内の紙幣の在高が確認される。
そうして、精査処理の最中にリジェクトすべき紙幣が識別されなければ、収納部に収納されていた全ての紙幣を繰り出し、それを再び収納部に収納することになって、精査処理が完了することになるものの、精査処理の最中にリジェクトすべき紙幣が識別されたときには、前記の構成では、収納部から繰り出した紙幣を全て、当該収納部に戻しかつ、精査処理が未完了であることを示す未完了フラグを立てる。すなわち、精査処理を中止する。
ここで、収納部から一時保留部に紙幣を搬送している最中にリジェクトすべき紙幣が識別されたときには、精査処理を直ちに中止すべく、収納部が紙幣を繰り出すことを中止しかつ、搬送途中の紙幣を一時保留部に一旦収納した後に、一時保留部から紙幣を繰り出して、元の収納部に戻すようにしてもよいし、リジェクトすべき紙幣が識別された後も、収納部が紙幣を繰り出すことを継続することによって、その収納部内の全ての紙幣を繰り出した上で、当該収納部に戻すという動作を行うようにしてもよい。また、収納部内の全ての紙幣を一時保留部内に収納し、一時保留部から収納部に紙幣を戻している最中にリジェクトすべき紙幣が識別されたときには、そのまま、一時保留部内の全ての紙幣を、元の収納部に戻すようにすればよい。
こうして精査処理においてリジェクト対象紙幣が識別されたときには、そのリジェクト対象紙幣を出金部等に払い出さないため、現金管理の厳正化が確保される。また、リジェクト対象紙幣も、収納部に戻されるため、リジェクト対象紙幣を収納する別途の収納部は不要である。
こうして、リジェクト対象紙幣を収納するための収納部を省略しつつも、精査処理時における現金管理の厳正化が維持される。
前記制御部は、前記入金処理時には、前記入金部に投入された前記紙幣を前記識別部が識別した後に、前記収納部に収納すると共に、前記出金処理時には、前記収納部から繰り出した前記紙幣を前記識別部が識別した後に、前記出金部に払い出し、前記制御部はまた、前記未完了フラグが立った状態においても前記入金処理及び前記出金処理を実行する、としてもよい。
こうすることで、精査処理の最中にリジェクト対象紙幣が識別されて未完了フラグが立った状態、言い換えると、精査処理を開始したものの、その精査処理が完了しなかった後でも、入金処理時には、入金部に投入された紙幣が識別部において識別を行った後に収納部に収納され、出金処理時には、収納部から繰り出された紙幣が識別部において識別を行った後に出金部に払い出されるため、入金取引及び出金取引の確実性を確保することが可能である。そのように、入金処理及び出金処理を継続して行うことにより、紙幣処理装置の稼働を継続することは、当該紙幣処理装置が設置される例えば金融機関等における業務の停滞を回避する上で有利になる。
このことはまた、精査処理を業務時間外に無人で行うようなケースにおいて、精査処理の完了及び未完了に拘わらず、次の始業時には入金処理及び出金処理を継続して行うことが可能であるから、業務のスムースな開始に有利になり、ユーザの使い勝手を向上させる。
また、未完了フラグを立てた後の出金処理時に、収納部から繰り出した紙幣についてリジェクト対象紙幣が発生したときには、紙幣処理装置のエラーダウンを行うようにすればよい。つまり、当該収納部についての精査処理を行って、収納部内の紙幣の在高を確定しなければ、出金処理や入金処理を継続して行うことができないためである。
前記収納部は、2以上の収納部を含んでおり、前記制御部は、前記2以上の収納部のそれぞれについて、順次、前記精査処理を行い、前記制御部はまた、いずれかの前記収納部について前記未完了フラグを立てた後も、前記精査処理が未開始の前記収納部について、順次、前記精査処理を行う、としてもよい。
すなわち、精査処理は収納部毎に行うため、2以上の収納部を含む紙幣処理装置では、各収納部について、精査処理を順次行うことになる。そうして、精査処理を行っている最中に、前述の通り、リジェクト対象紙幣が識別されたときには、当該リジェクト対象紙幣が収納されていた収納部については、精査処理を中止して未完了フラグを立てるものの、精査処理が未開始である残りの収納部についての精査処理は中止せずに、残りの前記収納部の精査処理を、順次継続して行うものである。こうすることで、2以上の収納部の全てについて、精査処理を開始することになるから、できるだけ多くの収納部についての精査処理を完了することが可能になる。
前記制御部は、前記収納部毎に前記未完了フラグを立てる、としてもよい。
前述したように、精査処理は収納部毎に行われるため、そのことに対応して収納部毎に未完了フラグを立てることが望ましい。また、収納部毎に未完了フラグを立てることによって、いずれかの収納部について未完了フラグを立てた後も、残りの収納部について精査処理を行うことが可能になる。
前記紙幣処理装置は、前記収納部の在高を記憶するように構成された記憶部をさらに備え、前記制御部は、前記精査処理の完了後に、前記記憶部に記憶している在高を更新し、前記制御部はまた、前記未完了フラグを立てた前記収納部については、前記記憶部に記憶している在高の更新を行わずに、記憶している在高を維持する、としてもよい。
前述したように、精査処理は、収納部内に収納されている紙幣の在高を確認する処理であるため、精査処理の完了後には、記憶部に記憶している在高を更新することにより、収納部内の紙幣の在高を正確に管理することが可能になる。
一方で、前記の構成では、精査処理を開始しても、その途中でリジェクト対象紙幣を識別したときには、精査処理を中止するため、当該収納部については、新しい在高情報が得られない。そこで、精査処理を中止して未完了フラグを立てた前記収納部については、記憶部に記憶している在高の更新を行わずに、記憶している在高を維持することにより、当該収納部についても在高情報が、一応は確保されることになる。
前記紙幣処理装置は、ユーザに対する警告を行うように構成された警告部をさらに備え、前記制御部は、前記未完了フラグを立てたときに、前記警告部よる警告を行う、としてもよい。
こうすることで、リジェクト対象紙幣の発生によって、精査処理が未完了であることをユーザが認識可能になる。これは特に、精査処理が、担当者が立ち会わずに行われるとき、例えば業務時間外等において行われる場合に、有効である。
前記警告部は、前記ユーザに対し、前記未完了フラグを立てた前記収納部が収納している紙幣を全て前記出金部に払い出すと共に、当該紙幣を前記入金部を通じて前記収納部に収納する処理の実行を行うように警告を行う、としてもよい。
この構成は、担当者が立ち会いの下での精査を行うことをユーザに促すものである。つまり、出金部に払い出された紙幣を入金部を通じて収納部に収納している途中で識別部が識別を行い(尚、収納部から出金部に払い出す途中にも識別を行ってもよい)、元の収納部に収納することにより、収納部の精査が行われることになる。収納部に収納していた紙幣を、出金部に、一旦払い出すことにより、特に、斜行や連鎖等の搬送異常に起因して、リジェクト対象紙幣であると識別されることが抑制される。従って、より一層適確な精査が可能である。尚、入金部を通じて収納部に収納している途中でリジェクト対象紙幣であると識別された紙幣は、出金部に払い出せばよい。この場合は、担当者が立ち会っているため、現金管理の厳正化は確保される。この処理を完了したときに、立てられていた未完了フラグを降ろすようにすればよい。
前記収納部は、前記紙幣をテープと共に巻き取って収納する巻き取り式である、としてもよい。
巻き取り式の収納部は、先入れ後出しとなるように紙幣を収納するため、先に収納された紙幣が、出金処理においてなかなか払い出されずに、収納部内に残ったままになる場合がある。そうした紙幣は、精査処理が行われる度に、収納部から繰り出されて搬送され、再び収納部に収納されるようになるが、そうした繰り出し、搬送、収納を繰り返すことで、次第に斜行状態となってしまったり、紙幣同士の間隔が狭くなってしまったりすることが起き得る。つまり、巻き取り式の収納部は、精査処理時にリジェクト対象紙幣と識別される紙幣が生じやすい。
そこで、前述したように、精査処理時にリジェクト対象紙幣を識別したときには、精査処理を中止して未完了フラグを立てることのみを行うようにすれば、紙幣処理装置を無駄にエラーダウンさせることなく、紙幣処理装置をできるだけ継続して稼働させることが可能になる。このことは、業務の遂行をスムースにする上で有利である。
前記識別部は、前記紙幣の斜行状態、片寄り状態、及び、前記紙幣同士の間隔を含む、前記紙幣の搬送状態を検知すると共に、所定のリジェクトレベルよりも前記搬送状態が悪化した紙幣をリジェクトすべき紙幣と識別し、前記制御部は、前記精査処理の最中に、前記識別部が、前記リジェクトレベル以下でかつ、所定のワーニングレベルよりも搬送状態が悪化した紙幣が、所定枚数以上存在していることを識別したときにも、当該収納部について前記未完了フラグを立てる、としてもよい。
前述したような巻き取り式の収納部では特に、精査処理を繰り返すことによって紙幣の搬送状態が次第に悪化してしまい、リジェクト対象紙幣であると識別されやすくなる。搬送状態の悪化はまた、紙幣のジャム等を招きやすいという問題もある。
そこで、所定のリジェクトレベル以下であるため、リジェクト対象紙幣と識別されることはないものの、搬送状態が比較的悪い紙幣、正確には所定のワーニングレベルよりも搬送状態が悪い紙幣が所定枚数以上存在しているときには、当該収納部について前記未完了フラグを立てる。こうすることで、前述したような、収納部内の紙幣を全て出金部に払い出した上で、入金部を通じて当該紙幣を収納部に収納するような精査処理の実行が促されるため、紙幣の搬送状態が改善するようになる。その結果、精査処理や出金処理時にリジェクト対象紙幣が発生することは、未然に回避される。
ここに開示する技術はまた、紙幣処理方法に係り、この紙幣処理方法は、収納部に収納している紙幣の在高を確認する精査処理時に、前記収納部から紙幣を一枚ずつ繰り出し、繰り出した前記紙幣を、一時保留部に収納し、前記収納部から全ての紙幣を繰り出しかつ、それを前記一時保留部に収納した後に、当該一時保留部から紙幣を繰り出して、元の収納部に収納し、前記収納部と前記一時保留部との間で前記紙幣を搬送している途中に、識別部が前記各紙幣について識別を行うことで、前記収納部内の前記紙幣の在高を確認し、前記精査処理の最中に、前記識別部がリジェクトすべき紙幣を識別したときには、前記収納部から繰り出した紙幣を全て前記元の収納部に戻すと共に、当該収納部について精査処理が未完了であることを示す未完了フラグを立てる。
こうすることで、前記と同様に、精査処理においてリジェクト対象紙幣が識別されたときには、そのリジェクト対象紙幣が出金部等に払い出されないため、現金管理の厳正化が確保されると共に、リジェクト対象紙幣を収納する別途の収納部も不要であり、リジェクト対象紙幣を収納するための収納部を省略しつつも、精査処理時における現金管理の厳正化が維持される。
以上説明したように、前記の紙幣処理装置及び紙幣処理方法によると、リジェクト対象紙幣を収納するための収納庫を省略しつつも、精査処理時における現金管理の厳正化が維持される。
紙幣処理装置の概略斜視図である。 紙幣処理装置の内部構造を示す概略図である。 紙幣処理装置の動作制御に係る構成を示す図である。 紙幣処理装置における入金処理の動作説明図である。 紙幣処理装置における出金処理の動作説明図である。 紙幣処理装置における精査処理の動作説明図である。 (a)紙幣の斜行を例示する図、(b)紙幣の連鎖を例示する図、(c)札長異常を例示する図、(d)紙幣の重送を例示する図である。 紙幣の片寄りを例示する図である。 識別要因と、判断要因及び非要因との設定内容を例示する図である。
以下、紙幣処理装置の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の実施形態の説明は例示である。図1は、紙幣入出金機(以下、単に入出金機という)1の外観を示している。この入出金機1は、例えば銀行のテラーカウンターに設置されかつ、この入出金機1を挟んだ左右二人のテラーによって共用で使用される。このため、この入出金機1は、基本的には左右対称に構成されている。
この入出金機1は、詳しくは後述するが、入金口211に投入された紙幣を収納部3に収納する入金処理、及び、収納部3に収納している紙幣を出金口231に払い出す出金処理を少なくとも実行する。この入出金機1は、いわゆる循環式の入出金機であり、出金処理時に払い出す紙幣には、入金処理時に収納部3に収納した紙幣が含まれる。
入出金機1は、図1及び2に示すように、上側の処理部11と、下側の金庫部13とに大別される。処理部11を構成する筐体111内には、入金口211を有する入金部21と、出金口231を有する出金部23と、紙幣の識別を行う識別部25と、入金部21、出金部23及び識別部25を相互に連結するループ搬送路411を含む処理部側搬送部41と、が配設されている。一方、金庫部13を構成する筐体131内には、複数の(図例では8個の)巻き取り方式の収納モジュール31を含んで構成された収納部3と、処理部側搬送部41のループ搬送路411と各収納モジュール31とを互いに接続する搬送路431を含む金庫部側搬送部43と、が配設されている。ここで、金庫部13を構成する筐体は、処理部11を構成する筐体111とは異なり、その内部に格納している収納部3等を、所定以上のセキュリティレベルで防護するように構成された防護筐体131である。防護筐体131の前面には、金庫部13を開閉するための開閉扉133や電子錠1331が設けられている。
入金部21の入金口211は、前述したように、例えば入金処理の際に入金する紙幣を投入するための口である。入金口211は、処理部側筐体111の上面において上向きに開口していて、複数枚の紙幣を一度に受け入れ可能に構成されている。入金部21はまた、入金口211に投入された複数枚の紙幣を、一枚ずつ、ループ搬送路411に繰り出す繰り出し機構を備えている。
出金部23の出金口231は、前述したように、例えば出金処理の際に紙幣を払い出すための口である。出金口231は、入金口211よりも装置手前側(図2の紙面右側)の、処理部側筐体111における上面から前面にかけての位置でかつ、斜め上方に向かって開口している。この出金口231も、入金口211と同様に、複数枚の紙幣を一度に保持可能に構成されている。
識別部25は、ループ搬送路411上に配設されて、そのループ搬送路411に沿って搬送される紙幣の一枚一枚について、その真偽、金種、正損及び搬送異常等を識別するように構成されている。
処理部側搬送部41は、処理部側筐体111内においてエンドレスに設けられたループ搬送路411を備えている。紙幣は、このループ搬送路411に沿って図2における時計回り方向及び反時計回り方向に搬送される。このループ搬送路411は、図示は省略するが、多数のローラ、複数のベルト及び複数のガイドの組み合わせによって構成されている。ループ搬送路411は、その搬送路に沿って、紙幣と紙幣との間に所定間隔を隔てた状態で、紙幣を一枚ずつ短手搬送する。
ループ搬送路411と入金口211との間は、投入路413によって互いに接続されており、入金口211に投入された紙幣は、この投入路413を通ってループ搬送路411まで搬送される。
ループ搬送路411にはまた、払出路415が、紙幣の搬送方向を切り替える分岐機構417を介して接続されている。払出路415の先端は、出金口231に接続されている。分岐機構417は、ループ搬送路411を時計回り方向及び反時計回り方向に搬送されている紙幣を、そのままループ搬送路411上で搬送させるか、払出路415に引き込むかを切り替えるように動作する。この構成によって、ループ搬送路411上を時計回り方向又は反時計回りに搬送されている紙幣は、分岐機構417の動作制御によって選択的に、払出路415を通って出金口231に搬送される。
ループ搬送路411上にはまた、第1及び第2の分岐機構419,4111が設けられている。第1及び第2の分岐機構419,4111はそれぞれ、互いに異なる3方向に延びる搬送路の集合位置において、所定方向から搬送されてくる紙幣を、それとは別の2方向それぞれに選択的に搬送させるように動作する。分岐機構の具体的な構成は、国際公開第2009/034758号に例示されている。
より具体的に、第1の分岐機構419は、ループ搬送路411と金庫部側搬送部43の搬送路431との接続位置に設けられている。第1の分岐機構419は、ループ搬送路411上を時計回り方向又は反時計回りに搬送されている紙幣を、選択的に、金庫部側搬送部43の搬送路431に送って、収納部3に収納させるか、又は、収納部3から繰り出されかつ、金庫部側搬送部43の搬送路431に沿って搬送されてきた紙幣を、ループ搬送路411上で時計回り方向に搬送させるか、若しくは、反時計回り方向に搬送させるかの切り替えを行う。
また、第2の分岐機構4111は、ループ搬送路411と接続路4115との接続位置に設けられている。接続路4115は、後述する一時保留部51と、ループ搬送路411とを互いに連結する。第2の分岐機構4111は、ループ搬送路411上を時計回り方向又は反時計回りに搬送されている紙幣を、接続路4115に送って一時保留部51に収納させるか、又は、一時保留部51から繰り出した紙幣を、ループ搬送路411上で時計回り方向に搬送させるか、若しくは、反時計回り方向に搬送させるかの切り替えを行う。
収納部3は、前述したように、図例では第1−第8の巻き取り方式(言い換えると、テープ式)の収納モジュール31−1−31−8を含んで構成されている。ここで、以下の説明において、各々の収納モジュールを総称する場合には、符号「31」を付し、第1、第2、第3…の、各々の収納モジュールを区別する場合には、符号「31−1、31−2、31−3…」を付す。尚、収納モジュール31の数は特に限定されず、1個以上で、適宜の数を設定すればよい。8個の収納モジュール31は、この例では、装置の奥行き方向(図2の紙面左右方向)に4個並んで1列を構成すると共に、その列が上下方向に2列を構成するように積み重ねられている。
この巻き取り方式の収納モジュール31は、特開2000−123219号公報に例示されるように、概略矩形箱状の筐体内に、紙幣をガイドする一枚のテープ、ガイド部材、及び、紙幣と共にテープを巻き取るリールを備えて構成されるか、又は、国際公開2011/036782号に例示されるように、筐体内に、紙幣を挟む2枚のテープ、及び、紙幣を挟み込んだ2枚のテープを巻き取るリールを備えて構成される。いずれの構成においても、巻き取り方式の収納モジュール31は、紙幣を一枚ずつ巻き取って収納すると共に、その収納した順番とは逆順で、紙幣を一枚ずつ繰り出す、いわゆる先入れ後出しとなるように紙幣を収納する。各収納モジュール31は、紙幣を互いに所定間隔を隔てながらリールに巻き取る。各収納モジュール31にはまた、筐体の内外を連通するように形成された出入口の近傍に、紙幣の通過を検知する検知センサが設けられている。
金庫部側搬送部43の搬送路431は、処理部側搬送部41のループ搬送路411と同様に、ローラ、ベルト及びガイドの組み合わせによって構成されており、この搬送路431もまた、紙幣を一枚ずつ短手搬送する。搬送路431は、ループ搬送路411上の第1の分岐機構419から、鉛直下向きに延びると共に、その下端部において、奥行き方向の手前側(図2の紙面右側)及び奥側(図2の紙面左側)のそれぞれに分岐している。入出金機1の奥側に向かって延びる分岐路は、上下に積み重ねられた2列の収納モジュール31の間に配設されている。各収納モジュール31は、この分岐路上に設けられた各振分機構433を介して分岐路に接続されている。各振分機構433は、後述する制御部513によって駆動制御され、そのことにより、紙幣が、識別部25によって識別された金種及び/又は正損等に応じて複数の収納モジュール31に振り分けられて収納されることになる。
防護筐体131内における、奥行き方向の手前側に設けられた空きスペース内には、図2に二点鎖線で示すように、巻き取り式の収納モジュール31が、さらに追加して装着される場合がある。追加の収納モジュール31は、例えば第9及び第10の2個のモジュール31−9、31−10が上下に積み重ねられて配設される場合があり、これら第9及び第10の収納モジュール31−9、31−10はそれぞれ、搬送路431の下端から奥行き方向の手前側に延びる分岐路に対し、前述した振分機構を介して接続される。
この入出金機1ではまた、処理部側筐体111内における、奥行き方向の手前側に設けられたスペース内に、一時保留部51が装着される。一時保留部51は、前述したように、接続路4115を介して、第2の分岐機構4111に接続される。一時保留部51は、この例では、前述した収納モジュール31と同様に、2枚のテープを利用した巻き取り方式であり、紙幣の順番を入れ替えることなく、先入れ後出しとなるように紙幣を収納する。一時保留部51は、後述するように精査処理や、入金処理時に利用される。
図3は、入出金機1の動作制御に係る構成を示している。入出金機1は、例えば周知のマイクロコンピュータをベースとした制御部513を備えている。制御部513には、前述した入金部21、出金部23、第1−第nの収納モジュール31を含む収納部3、処理部側搬送部41、金庫部側搬送部43、及び一時保留部51が、信号の送受信可能に接続されている。これらの各部21,23,3,41,43、51は、図示は省略するが、例えば搬送路を搬送されている紙幣を検知するといった機能を有する各種のセンサを含んでおり、各種センサの検知信号は制御部513に入力される。制御部513は、入力された検知信号等に基づいて制御信号を出力し、各部21,23,3,41,43、51は、その制御信号に従って動作をする。
制御部513にはまた、識別部25が接続されており、識別部25は、識別結果を制御部513に提供する。さらに、図1等では図示を省略するが、テラー等の、この入出金機1を操作するオペレータに対するヒューマンインターフェース部分としての操作部55、入出金機1が、例えばLANやシリアルバスを通じて、図示を省略する上位機及びその他の機器との間で信号の送受信を行うための通信部57、及び、各種の情報を記憶するための、例えばハードディスクドライブやフラッシュメモリ等の汎用のストレージデバイスにより構成される記憶部59がそれぞれ、入出金機1に接続されている。
記憶部59は、入出金機1が収納している紙幣の金種別枚数又は金額である在高を少なくとも記憶する。また、記憶部59は、収納モジュール31毎の在高、及び、各収納モジュール31に収納されている紙幣の情報(金種及び正損等)も記憶する。
また、入出金機1には、各種の情報を表示するための、例えばフラットパネルディスプレイからなる表示部511がオプション機器として装着可能に構成されており、この表示部511もまた、制御部513に接続される。このようなオプション機器としての表示部511とは別に、所定の桁数の英数字によって構成されるエラーコードを表示可能な、セグメント型又はドットマトリクス型の画面からなる警告部515が、入出金機1に設けられており(図1も参照)、この警告部515も、制御部513に接続されている。
制御部513は、通信部57を通じて受けた上位機からの指令、及び/又は、操作部55を通じて受けた各種の指令に応じて、各部21,23,25,3,41,43,51,55,57,59,511,515の動作を制御する。このことにより、入出金機1は、以下に説明する入金処理及び出金処理を含む、各種処理を行う。入出金機1において実行した各種の処理の履歴は、記憶部59にログとして記憶される。
(入金処理)
入金処理は、入出金機1に紙幣を入金(収納)する処理であり、入金口211に投入された紙幣は、識別部25による識別結果と、予め設定された収納割当とに従って、いずれかの収納モジュール31に収納される。より詳細に、入出金機1は、入金処理の際には、次のように動作する。すなわち、入金する紙幣を入金口211に投入した状態で、例えば上位機及び/又は操作部55の操作によって入金処理の開始コマンドを、入出金機1に入力する。図4に矢印で示すように、入金部21の繰り出し機構は、入金口211の紙幣を一枚ずつ繰り出し、処理部側搬送部41は、各紙幣を識別部25に搬送する。識別部25は、その紙幣の識別を行うと共に、計数を行う。処理部側搬送部41はまた、識別部25によって正常に識別された紙幣(この紙幣を、リジェクト対象紙幣の対の名称として正常紙幣と呼ぶ)を、図4に実線の矢印で示すように、ループ搬送路411から、第1の分岐機構419を通って金庫部側搬送部43の搬送路431へと搬送する。金庫部側搬送部43は、識別部25による識別結果、及び、予め設定された収納割当に従って、各紙幣を所定の収納モジュール31に収納する。すなわち、各紙幣は、金種別や正損別に応じて、いずれかの収納モジュール31に収納される。
一方、処理部側搬送部41は、識別部25において真偽の識別ができない紙幣等、入出金機1がそのまま受け入れることができないリジェクト対象紙幣を、図4に破線の矢印で示すように、ループ搬送路411から分岐機構417を通って払出路415へと搬送する。そうして、リジェクト対象紙幣は、出金口231に払い出される。尚、入金処理時に発生したリジェクト対象紙幣は、入金口211に再度投入され、識別部25による識別が、もう一度行われることになる。
また、入金処理時に、収納モジュール31が満杯になることに起因して収納できなくなった紙幣(つまり、オーバーフロー紙幣)も、出金口231に払い出される。
尚、この入出金機1では、入金口211に投入された紙幣を各収納モジュール31に直接収納するダイレクト入金処理以外に、入金口211に投入された紙幣を一時保留部51に一旦全て収納するようにして、入金口211に投入された紙幣の計数を行い、その計数結果をオペレータが確認して所定の確定操作を行ったことを受けて、一時保留部51から各収納モジュール31に紙幣を収納するような入金処理も可能に構成されている。
制御部513は、入金処理の終了後に、記憶部59に記憶している、各収納モジュール31の在高を更新する。制御部513はまた、入金処理の終了後に、各収納モジュール31に収納されている紙幣の情報(金種及び正損等)も更新する。
(出金処理)
出金処理は、入出金機1に収納されている紙幣を払い出す処理である。具体的には、上位機及び/又は操作部55において、出金金額を指定して最小構成枚数の金種と枚数を自動的に設定するか、又は、金種と枚数を直接指定する、所定の出金操作を行うことによって出金処理は開始する。収納部3は、図5に実線の矢印で示すように、指定された金種の紙幣を、それが収納されている収納モジュール31から、指定された枚数だけ繰り出す。金庫部側搬送部43は、繰り出された紙幣を、搬送路431を介して、処理部側搬送部41のループ搬送路411へと搬送する。処理部側搬送部41は、各紙幣を識別部25に搬送し、識別部25が識別を行った後に、ループ搬送路411から分岐機構417を通って払出路415へと搬送する。そうして、出金口231に各紙幣が払い出される。制御部513は、出金処理の終了後に、記憶部59に記憶している、各収納モジュール31の在高を更新すると共に、各収納モジュール31に収納されている紙幣の情報も更新する。つまり、収納モジュール31から繰り出した紙幣の情報を消去する。
ここで、この入出金機1では、出金処理時に、識別部25による識別が不可であった等の理由によりリジェクト対象紙幣と判断された紙幣は、正常紙幣と共に、出金口231に払い出すことになる。出金処理時にリジェクト対象紙幣が発生したときには、上位機及び/又は表示部511に、その旨(エラーメッセージ)が表示され、それによって、オペレータは、出金口231に払い出された紙幣に、リジェクト対象紙幣が含まれていることを認識することができる。こうすることで、違算の発生が未然に回避される。
(精査処理)
精査処理は、収納モジュール31に収納している紙幣を確定させるための処理であり、基本的には、収納モジュール31内に収納している紙幣を全て繰り出し、その後、繰り出した紙幣について、一枚一枚識別を行いながら、元の収納モジュール31に戻すことを行う。
精査処理は、例えば、収納モジュール31が装置から取り外されて、そこに設けられている扉が一旦開けられたことを検知したときに行われる。これは、収納モジュール31が開けられたときには、収納モジュール31内に収納されている紙幣の枚数等が不確定になり、収納モジュール31に収納されている紙幣の現物枚数と、入出金機1の記憶部59が記憶している在高とが不一致になるためである。また、収納モジュール31が交換された場合にも精査処理が行われる。
また、入金処理時に収納モジュール31の出入口付近において紙幣のジャムが生じたとき(エラー時)にも精査処理が行われる。これは、エラー時に、収納モジュール31の出入口付近に設けたセンサが紙幣の通過を検知していたにも拘わらず、出入口付近においてジャムとなった紙幣が例えば手で取り除かれたり、逆に、センサが紙幣の通過を検知していないにも拘わらず、ジャムとなった紙幣が手で収納モジュール31内に収納されたりすることで、収納モジュール31内に収納されている紙幣の枚数等が不確定になるためである。
さらに、出金処理時にリトライが発生したときにも精査処理が行われる。このリトライとは、巻き取り式の収納モジュール31から紙幣を繰り出そうとしたときに、紙幣とテープとの分離ができなかったため、リールを巻き直してもう一度、紙幣の繰り出しを行うことであり、リールを巻き直した際に、紙幣同士が重なり合ってしまう可能性があり、収納モジュール31から繰り出した紙幣の枚数が不確定、言い換えると、収納モジュール31内に収納している紙幣の枚数が不確定になるためである。
こうした現物枚数と在高との不一致の状態は、収納モジュール31内の紙幣の管理ができず、収納モジュール31が正常でない(異常である)と言い換えることができる。尚、上位機等において精査処理の実行が指定された場合も、精査処理は行われる。精査処理は予め設定されたスケジュールに従って、定期的に行われる場合もある。こうした精査処理は、個々の収納モジュール31について個別に行われる場合と、全ての収納モジュール31について、順次行われる場合とがある。
制御部513は、前述した精査処理の実行が指定された場合や、定期的に精査処理を行う場合を除き、精査処理が必要な状況を検知したときには、通常は正常とされている「収納フラグ」を異常にする。収納フラグは、精査処理が必要な収納モジュール31について、精査処理が実行されるまで異常のままに保持され、精査処理が実行されれば、収納フラグは正常に切り替えられる。
精査処理における入出金機1の動作は、図6の上図に示すように、精査処理の対象である収納モジュール31(図6の例では、第8の収納モジュール31−8)から、紙幣を一枚ずつ繰り出し、識別部25において識別を行った後に、搬送部41は、繰り出された紙幣を一時保留部51に収納する。そうして、収納モジュール31内の紙幣が全て繰り出されて当該収納モジュール31は空になる。
精査対象の収納モジュール31内に収納されている紙幣の全てが一時保留部51に収納されれば、図6の下図に示すように、一時保留部51から紙幣が一枚ずつ繰り出され、ループ搬送路411を通じて識別部25に搬送される。そうして、識別部25において再度、識別が行われた後に、正常紙幣は、元の収納モジュール31、つまり、精査対象の収納モジュール31に収納される。
こうして、収納モジュール31に収納している紙幣の金種及び枚数が確定し、当該収納モジュール31について、記憶部59内に記憶されている在高及び紙幣の情報のそれぞれが更新される。複数の収納モジュール31の全てについて精査処理が行われる場合は、その複数の収納モジュール31について順次、精査処理が行われることになり、精査処理が完了する毎に、記憶部59内に記憶されている当該収納モジュール31の在高及び紙幣の情報が更新される。また、精査処理が完了すれば、当該収納モジュール31についての収納フラグは、異常から正常に切り替わる。
ここで、精査処理の最中に識別部25において識別を行った結果、リジェクト対象紙幣と識別される場合がある。精査処理時にリジェクト対象紙幣と識別された紙幣は、他の正常紙幣と区別しなければ、精査処理を完了することができない。しかしながら、この入出金機1には、リジェクト対象紙幣を収納するための収納部を備えていないため、リジェクト対象紙幣は、例えば出金口231に払い出さなければならない。ところが、このように装置外に紙幣を払い出してしまうと、担当者あるいは管理責任者であるマネージャー等が立ち会っていなければ現金管理の厳正化が維持できないことになる。精査処理を完了させるには長時間を要し、特に複数の収納モジュール31の全てについて精査処理を完了させようとすれば、かなりの長時間を要することから、そうした精査処理は、業務時間外に行われる場合もある。そうすると、現金管理の厳正化を維持するには、装置外に紙幣を払い出すことはできない。
そこで、この入出金機1では、精査処理の最中にリジェクト対象紙幣を識別したときには、精査処理を中止し、制御部513は、当該リジェクト対象紙幣を収納していた収納モジュール31について、精査処理が完了していないことを示す未完了フラグを立てるようにする。
具体的に、前述の通り精査対象の収納モジュール31から紙幣を繰り出して、一時保留部51に収納している最中に、識別部25がリジェクト対象紙幣を識別したときには、収納モジュール31からの紙幣の繰り出しを中止する。それと共に、既に繰り出された紙幣は一旦、一時保留部51に収納する。そうして、一時保留部51に収納している紙幣を、一枚ずつ繰り出して、元の収納モジュール31に収納し、その上で、当該収納モジュール31について、未完了フラグを立てる。尚、識別部25がリジェクト対象紙幣を識別したときに直ちに収納モジュール31からの紙幣の繰り出しを中止するのではなく、その収納モジュール31に収納されている紙幣を全て繰り出して一時保留部51に収納した上で、当該収納モジュール31に紙幣を戻すようにしてもよい。
また、一時保留部51に全ての紙幣を収納した後に、その一時保留部51から元の収納モジュール31に紙幣を戻している最中に、識別部25がリジェクト対象紙幣を識別したときには、全ての紙幣を元の収納モジュール31に収納するまで、その紙幣の戻しを継続して行えばよい。
こうして精査処理においてリジェクト対象紙幣が識別されたときには、そのリジェクト対象紙幣を出金口231に払い出さないため、現金管理の厳正化が確保される。また、リジェクト対象紙幣も、収納モジュール31に戻されるため、リジェクト対象紙幣を収納する別途の収納部は不要である。
複数の収納モジュール31について、順次精査処理を行う場合には、前述の通り、いずれかの収納モジュール31について未完了フラグが立てられた後も、精査処理を行っていない残りの収納モジュール31について、順次精査処理を行う。こうすることで、リジェクト対象紙幣の発生の有無に拘わらず、精査対象の全ての収納モジュール31について、精査処理を開始することができる。そうして、精査処理が収納モジュール31毎に行われることに対応して、未完了フラグも収納モジュール31毎に立てるようにする。
未完了フラグが立てられた収納モジュール31は、精査処理が完了していないため、記憶部59に記憶されている収納モジュール31の在高及び紙幣の情報を更新することができない。そこで、制御部513は、未完了フラグが立てられた収納モジュール31については、記憶部59に記憶している情報の更新を行わずに、記憶部59に記憶している情報、つまり、精査処理の実行前の情報をそのまま保持する。こうすることで、収納モジュール31についての情報が無くなってしまうことが回避される。
そうして、この入出金機1では、精査処理時にリジェクト対象紙幣が発生することに起因して未完了フラグが立ったときには、仮に後述の全出金・全入金処理を実行しなくても、その後の入金処理や、出金処理を継続して行うことが可能に構成されている。これは、入金処理時及び出金処理時には、前述の通り識別部25による識別が行われるため、精査処理が未完了であっても、入金取引及び出金取引の確実性を確保することが可能であるためである。こうして、未完了フラグが立った後も、入金処理や出金処理を継続して行うことを可能にすることで、窓口業務の遂行がスムースになる。特に業務時間外に精査処理を自動的に行い、その際に未完了フラグが立ったとしても、次の業務開始時には、入金処理や出金処理を継続して行うことが可能であるため、窓口業務をスムースに開始することが可能である。
入金処理や出金処理を継続する一方で、出金処理時にリジェクト対象紙幣が発生したときには、入出金機1はエラーダウンするように構成されている。エラーダウンした入出金機1は、全出金・全入金処理を実行することによって復帰が可能である。
ここで、全出金・全入金処理とは、リジェクト対象紙幣を収納する収納モジュール31(言い換えると未完了フラグが立っている収納モジュール31)に収納している紙幣を全て出金口231に払い出すと共に、払い出した紙幣を全て入金口211を通じて元の収納モジュール31に収納する処理である。
つまり、全出金・全入金処理の実行は、図5の出金処理と同様に、未完了フラグを立てた収納モジュール31に収納している紙幣を全て出金口231に払い出すと共に、払い出した紙幣を全て入金口211に投入してもらうようにする。そうして、図4の入金処理と同様に、入金口211に投入された紙幣を一枚一枚繰り出して、識別部25において識別を行った後に、元の収納モジュール31に収納する。このような全出金・全入金処理は、紙幣を装置外に払い出すことになるため、担当者(例えばマネージャー)の立ち会いの下で行われることになる。そのため、入金口211に投入された紙幣を収納モジュール31に収納する際に、リジェクト対象紙幣が識別されたときには、そのリジェクト対象紙幣は、例えば出金口231に払い出すようにすればよい。リジェクト対象紙幣はまた、一時保留部51に一旦収納してもよい。こうした全出金・全入金処理は言い換えると、マネージャーの立ち会いの下で行う精査処理である。
いずれかの収納モジュール31に未完了フラグが立てられたときには、前述の通り、入金処理及び出金処理を継続して行うことが可能である一方で、制御部513は、例えば警告部515にエラーコードを表示させる。エラーコードは、上位機及び/又は表示部511に表示させるようにしてもよい。このエラーコードは、前記の全出金・全入金処理の実行を警告するエラーコードとすればよい。未完了フラグが立てられた収納モジュール31について全出金・全入金処理が実行されれば、当該未完了フラグが降ろされる。
また、前述の通り、例えば定期的に行われる精査処理においては、未完了フラグが立てられている収納モジュール31については、一時保留部51を利用した精査処理を行わない。未完了フラグが立てられている収納モジュール31については、前記の全出金・全入金処理を実行することが望ましいためである。
全出金・全入金処理ではまた、収納モジュール31に収納されている紙幣を、装置外に一旦払い出すことによって、搬送異常に起因するリジェクト対象紙幣の発生を抑制することが可能になる。つまり、精査処理時に識別を行う紙幣は、収納モジュール31に収納されている紙幣であり、前述したように、この入出金機1は循環式の入出金機であるため、収納モジュール31に収納されている紙幣は、入金処理時に、識別部25における識別が行われた結果、リジェクト対象紙幣ではない正常紙幣として収納された紙幣である。また、ここでの説明は省略するが、補充処理において収納モジュール31に収納される紙幣もまた、基本的にはリジェクト対象紙幣ではない正常紙幣である。そのため、各収納モジュール31から繰り出される紙幣そのものは、基本的には正常であり、精査処理時にリジェクト対象紙幣であると判定される原因は主に、搬送異常にある。つまり、図7(a)に例示するように、搬送路4に沿って紙幣BNを搬送している際に紙幣BNが斜めに搬送される場合(斜行)、同図(b)に2つ例示するように、複数の紙幣BNが所定の間隔を隔てないで搬送される場合(連鎖)、同図(c)に例示するように、複数の紙幣BNの一部が重なる等して、識別した金種に対し紙幣の大きさが対応しない場合(札長異常)、及び、同図(d)に例示するように、複数の紙幣BNが重なって搬送される場合(重送)等においてリジェクト対象紙幣であると判定され得る。
こうした搬送異常に起因するリジェクト対象紙幣を装置外に一旦払い出した後に、入金口211を通じて再び装置内に取り込むようにすれば、搬送異常が解消されるから、正常紙幣として識別されるようになるのである。
特にこの入出金機1は、前述の通り、巻き取り方式の収納モジュール31を備えており、こうした巻き取り方式の収納モジュール31は、紙幣を先入れ後出しで収納する。このため、収納モジュール31に先に収納された紙幣は、出金処理においてなかなか払い出されずに、収納モジュール31内に残ったままになる場合がある。そうした紙幣は、精査処理の実行の度に、収納モジュール31から繰り出されて搬送路上を搬送された後に一時保留部51に収納されかつ、一時保留部51から繰り出されて搬送路上を搬送された後に収納モジュール31に収納されるようになるから、その繰り出し、搬送及び収納を繰り返す間に、次第に、図7(a)に示すような斜行状態となったり、図7(b)に示すように、連鎖状態となったり、図8に示すように、紙幣が搬送路4の一側に片寄る片寄り状態となったりする。こうして巻き取り方式の収納モジュール31を備えた入出金機1は、精査処理時にリジェクト対象紙幣を識別される紙幣を生じやすいことになるが、前述の通り、精査処理時にリジェクト対象紙幣を識別したときには、精査処理を中止するだけで入出金機1をエラーダウンさせないため、無駄なエラーダウンが回避される。また、前述した全出金・全入金処理の実行は、斜行状態、連鎖状態及び片寄り状態等の搬送状態の悪化を解消することが可能である。
尚、紙幣の搬送状態に関連し、精査処理の最中に、識別部25は、リジェクト対象紙幣と識別される搬送状態、例えば所定のリジェクトレベルよりも搬送状態が悪化していると識別する他に、そのリジェクトレベルよりも低いワーニングレベルよりも搬送状態が悪化しているか否かも識別するようにし、制御部513は、ワーニングレベルよりも搬送状態が悪化している紙幣が所定枚数以上存在しているときには、当該収納モジュール31について未完了フラグを立てるようにしてもよい。
前述したように、巻き取り式の収納モジュール31においては紙幣の搬送状態が次第に悪化してしまい、例えば斜行や連鎖に起因して紙幣のジャムが発生したり、斜行や片寄りに起因して収納モジュール31のテープのテンションが増大したりする可能性があるところ、ワーニングレベルよりも搬送状態が悪化している紙幣が所定枚数以上存在しているときには、収納モジュール31について未完了フラグを立てる。未完了フラグを立てることに伴い、警告部515にエラーコードが表示される。こうすることで、前述の全出金・全入金処理の実行が促されて、紙幣の搬送状態が改善するようになる。このことは、紙幣のジャムの発生等の不具合を未然に回避する上で有用である。
ここで、搬送状態のレベルが異なるリジェクトレベル及びワーニングレベルとは、例えば斜行に関しては、紙幣の傾いた角度の大小に応じて設定することが可能であり、例えば連鎖に関しては、紙幣同士の間隔の大小に応じて設定することが可能である。その他の要因に関しても同様に設定することが可能である。
(入金処理時、出金処理時及び精査処理時の識別及びリジェクト判定)
前述したように、入金処理や補充処理によって収納モジュール31に収納された紙幣は、基本的にはリジェクト対象紙幣ではない正常紙幣である。
一方でこの入出金機1では、出金取引の確実性をより高める観点から、前述の通り、出金処理時にも識別部25による識別を行うが、その識別の際に、リジェクト対象紙幣であると判定される場合がある。各収納モジュール31から繰り出される紙幣そのものは、正常であるため、出金処理時にリジェクト対象紙幣であると判定される原因は主に、図7(a)〜(d)に示すような搬送異常にある。これらの搬送異常の内でも、図7(a)に例示する斜行、図7(b)に例示する連鎖、図7(c)に例示する札長異常等は、紙幣の枚数は確定することが可能である一方で、紙幣そのものは正常であるから、出金処理時に、これらをリジェクト対象紙幣と判定することは、誤判定又は不要なリジェクト判定ということができる。出金処理時に、こうした誤判定等が頻繁に生じてしまうと、ユーザの使い勝手を損ねてしまうという問題もある。
そこで、出金処理時においては、識別部25で識別を行う複数の識別要因の内、一部の要因については、リジェクト対象紙幣であるか、又は、リジェクト対象外紙幣であるかの判断に利用しないことで、出金取引の確実性は確保しつつも、不要なリジェクト判定が発生することを回避するようにしてもよい。
また、精査処理時においても出金処理時と同様に、識別部25で識別を行う複数の識別要因の内、一部の要因については、リジェクト対象紙幣であるか、又は、リジェクト対象外紙幣であるかの判断に利用しないようにしてもよい。
具体的には図9に示すように、識別部25において識別を行う識別要因として、前記の「斜行」「連鎖」「札長異常」「重送(多重搬送)」「対象外金種」「金種判定異常(不確定)」等の複数の要因が予め設定されているとする。尚、図9は識別要因の例示であり、これら以外の要因を含んでいてもよい。ここで、「対象外金種」とは、入出金機1の取り扱い対象外の金種であることであり、「金種判定異常」とは、金種を確定することができない(例えば所定金種が収容されている収納モジュール31から繰り出された紙幣であるのに、当該所定金種であると確定することができない)ことである。
識別部25において識別をする複数の識別要因のそれぞれについて、当該識別要因を、リジェクト対象紙幣であるか、又は、リジェクト対象外紙幣であるか(つまり、正常紙幣であるか)の判断に利用するか(判断要因)、又は、利用しないか(非要因)、を設定可能に構成されている。このような設定は、ユーザが、入出金機1における操作部55を手動操作することによって行うことが可能であり、その設定内容は記憶部59に記憶される。設定時には、入出金機1の表示部511に設定用画面を表示してもよい。また、通信部57を介して入出金機1に接続される上位機において、ユーザが手動操作することによって設定を行うことも可能である。上位機において設定した内容は、上位機から通信部57に設定内容信号として送信され、通信部57が受信した信号に基づいて、記憶部59に設定内容が記憶される。
図9に示す例では、入金処理時には、「斜行」「連鎖」「札長異常」「重送」「対象外金種」及び「金種判定異常」の全ての識別要因が、判断要因に設定されている(図9においては、判断要因に設定することを「リジェクト」と記している)。つまり、これらの識別要因のいずれが該当しても、当該紙幣はリジェクト対象紙幣と判断される。
これに対し出金処理時及び精査処理時には、「斜行」「連鎖」「札長異常」「重送」「対象外金種」及び「金種判定異常」の識別要因の内、「重送」及び「対象外金種」は、判断要因に設定する一方で、残りの「斜行」「連鎖」「札長異常」及び「金種判定異常」は、判断要因でない(つまり、非要因である)としている(図9においては、非要因に設定することを「OK」と記している)。従って、出金処理時及び精査処理時には、「重送」又は「対象外金種」に該当する紙幣は、リジェクト対象紙幣と判断されるのに対し、「斜行」「連鎖」「札長異常」又は「金種判定異常」に該当する紙幣は、リジェクト対象外紙幣、つまり正常紙幣と判断される。こうして出金処理時及び精査処理時には、識別要因の内の一部の要因を非要因とすることで、判断要因の数が減るから、リジェクト対象紙幣と判定されることが減少することになる。
ここで、非要因とすることが可能な識別要因は、紙幣の枚数を特定することが可能な要因である。つまり、「重送」は、識別部25を通過する際に検出した紙幣の厚みが1枚以上の厚みを有していることを識別しているが、こうした「重送」は、紙幣の枚数を特定することができない。そのため、出金処理時に「重送」と識別された紙幣をそのまま出金口231に払い出してしまうと、出金口231に払い出された紙幣の枚数が不確定になってしまう。これは、違算の発生を招く。また精査処理時に「重送」と識別された紙幣は、リジェクト対象紙幣として取り扱わなければ、収納モジュール31内の紙幣の在高を確定することができない。従って、紙幣の枚数を特定することができない識別要因は、非要因とすることができず、紙幣の枚数を特定することができる識別要因のみが、非要因に設定することが可能に構成されている。
さらに、図9の例では、「対象外金種」も非要因に設定することができない。これは、金種を特定することができないため、出金処理時に、リジェクト対象紙幣でないとして、そのまま出金口231に払い出してしまうと、出金金額を特定することができなくなり、違算に繋がる危険性があるためである。精査処理時も同様である。
また、図9の例では、「金種判定異常(不確定)」については、非要因であると共に、入金処理時の識別結果を、出金処理時又は精査処理時の識別結果として置き換えるように設定している。前述の通り、「金種判定異常(不確定)」は、出金処理時や精査処理時に、所定の金種が収容されている収納モジュール31から繰り出された紙幣であるにも拘わらず、当該所定金種であると確定することができないことに相当するが、入金処理時には正常に識別が行われて金種等が特定されていることから、入金処理時の識別結果をそのまま利用することが可能である。そこで、識別部25において、金種判定異常と識別された紙幣については、記憶部59に記憶されている紙幣の情報(つまり入金処理時の識別結果に基づいて記憶した情報)を読み出し、当該情報を、出金処理時又は精査処理時に識別した識別結果に置き換える。こうすることで、出金処理時に金種情報等が得られなかった紙幣を、リジェクト対象外紙幣として出金口231に払い出したときでも、出金金額の確定をすることができ、出金取引の確実性が高まる。同様に、精査の確実性も得られる。
図9の例ではさらに、出金処理時及び精査処理時の設定として、収納モジュール31の正常/異常を示す、前述の収納フラグによって、その設定内容が変更されるように構成されている。前述したように、エラー時やリトライの発生等によって、収納モジュール31の状態を示す収納フラグが異常を示しているときには、全ての識別要因を判断要因とする。これは収納フラグが異常を示しているときには、収納モジュール31内に収納されている紙幣の枚数が不確定であると共に、紙幣の管理ができていない状態であり、収納モジュール31内に収納されている紙幣は、基本的に正常紙幣であるという前提条件が崩れるためである。収納フラグが異常を示している収納モジュール31から繰り出した紙幣については、全ての識別要因を判断要因とする。このことによって、収納モジュール31から繰り出した紙幣について、リジェクト対象紙幣であるか否かの決定が適確に行われるから、出金取引の確実性、及び、精査の確実性が確保される。
同様に、収納モジュール31について未完了フラグが立っているときにも、全ての識別要因を判断要因とする。これは、未完了フラグが立っている収納モジュール31には、その精査処理時にリジェクト対象紙幣と識別された紙幣が収納されていることから、出金取引の確実性を得る上で、未完了フラグが立った状態での出金処理時には、全ての識別要因を判断要因とすることにより、リジェクト対象紙幣を確実に特定することが望ましいためである。
ここで、前記の収納フラグや未完了フラグは、収納モジュール31毎に設定されることから、一つの出金処理(一取引)においても、正常フラグである収納モジュール31から繰り出した紙幣については、正常フラグ時の判断要因/非要因の設定内容に従って、リジェクト対象紙幣であるか、又は、リジェクト対象外紙幣であるかの決定を行えばよく、異常フラグである収納モジュール31や、未完了フラグが立っている収納モジュール31から繰り出した紙幣についてのみ、異常フラグ及び未完了フラグ時の設定内容(図例では、全て判断要因)に従って、リジェクト対象紙幣であるか、又は、リジェクト対象外紙幣であるかの決定を行えばよい。これは、精査処理の場合も同様である。
また、出金処理の途中において、正常フラグであった収納モジュール31においてリトライが発生することに伴い、当該収納モジュール31について異常フラグが立った時には、その異常フラグが立った後において、異常フラグ時の設定内容(図例では、全て判断要因)に従って、リジェクト対象紙幣であるか、又は、リジェクト対象外紙幣であるかの決定を行えばよい。
尚、ここの開示する技術は、金融機関等に設定される入出金機の他にも、種々の入出金機に広く適用することが可能である。
1 入出金機(紙幣処理装置)
21 入金部
23 出金部
25 識別部
3 収納部
31 収納モジュール
51 一時保留部
511 表示部(警告部)
513 制御部
515 警告部
59 記憶部

Claims (10)

  1. 紙幣を収納すると共に、収納している前記紙幣を繰り出すように構成された、少なくとも1の収納部、
    前記紙幣が投入されるように構成された入金部、
    前記紙幣が払い出されるように構成された出金部、
    入金処理時に、前記入金部に投入された前記紙幣を前記収納部に収納すると共に、出金処理時に、前記収納部に収納されている前記紙幣を前記出金部に払い出すように構成された制御部、
    前記各紙幣について識別を行うように構成された識別部、及び、
    前記紙幣を一時的に収納可能に構成された一時保留部、を備え、
    前記制御部は、前記収納部に収納している紙幣の在高を確認する精査処理時には、前記収納部が繰り出した前記紙幣を、前記一時保留部に一旦収納しかつ、当該収納部の全紙幣を繰り出した後に、前記一時保留部が繰り出した紙幣を元の収納部に再び収納すると共に、前記収納部と前記一時保留部との間で紙幣を搬送している途中に、前記識別部が前記各紙幣について識別を行った結果に基づいて、前記収納部内の紙幣の在高を確認し、
    前記制御部はまた、前記精査処理の最中に、前記識別部がリジェクトすべき紙幣を識別したときには、前記収納部から繰り出した紙幣を全て前記元の収納部に戻すと共に、当該収納部について精査処理が未完了であることを示す未完了フラグを立てる紙幣処理装置。
  2. 前記制御部は、前記入金処理時には、前記入金部に投入された前記紙幣を前記識別部が識別した後に、前記収納部に収納すると共に、前記出金処理時には、前記収納部から繰り出した前記紙幣を前記識別部が識別した後に、前記出金部に払い出し、
    前記制御部はまた、前記未完了フラグが立った状態においても前記入金処理及び前記出金処理を実行する請求項1に記載の紙幣処理装置。
  3. 前記収納部は、2以上の収納部を含んでおり、
    前記制御部は、前記2以上の収納部のそれぞれについて、順次、前記精査処理を行い、
    前記制御部はまた、いずれかの前記収納部について前記未完了フラグを立てた後も、前記精査処理が未開始の前記収納部について、順次、前記精査処理を行う請求項1又は2に記載の紙幣処理装置。
  4. 前記制御部は、前記収納部毎に前記未完了フラグを立てる請求項3に記載の紙幣処理装置。
  5. 前記収納部の在高を記憶するように構成された記憶部をさらに備え、
    前記制御部は、前記精査処理の完了後に、前記記憶部に記憶している在高を更新し、
    前記制御部はまた、前記未完了フラグを立てた前記収納部については、前記記憶部に記憶している在高の更新を行わずに、記憶している在高を維持する請求項1〜4のいずれか1項に記載の紙幣処理装置。
  6. ユーザに対する警告を行うように構成された警告部をさらに備え、
    前記制御部は、前記未完了フラグを立てたときに、前記警告部よる警告を行う請求項1〜5のいずれか1項に記載の紙幣処理装置。
  7. 前記警告部は、前記ユーザに対し、前記未完了フラグを立てた前記収納部が収納している紙幣を全て前記出金部に払い出すと共に、当該紙幣を前記入金部を通じて前記収納部に収納する処理の実行を行うように警告を行う請求項6に記載の紙幣処理装置。
  8. 前記収納部は、前記紙幣をテープと共に巻き取って収納する巻き取り式である請求項1〜7のいずれか1項に記載の紙幣処理装置。
  9. 前記識別部は、前記紙幣の斜行状態、片寄り状態、及び、前記紙幣同士の間隔を含む、前記紙幣の搬送状態を検知すると共に、所定のリジェクトレベルよりも前記搬送状態が悪化した紙幣を、リジェクトすべき紙幣と識別し、
    前記制御部は、前記精査処理の最中に、前記識別部が、前記リジェクトレベル以下でかつ、所定のワーニングレベルよりも搬送状態が悪化した紙幣が、所定枚数以上存在していることを識別したときにも、当該収納部について前記未完了フラグを立てる請求項1〜8のいずれか1項に記載の紙幣処理装置。
  10. 収納部に収納している紙幣の在高を確認する精査処理時に、
    前記収納部から紙幣を一枚ずつ繰り出し、
    繰り出した前記紙幣を、一時保留部に収納し、
    前記収納部から全ての紙幣を繰り出しかつ、それを前記一時保留部に収納した後に、当該一時保留部から紙幣を繰り出して、元の収納部に収納し、
    前記収納部と前記一時保留部との間で前記紙幣を搬送している途中に、識別部が前記各紙幣について識別を行うことで、前記収納部内の前記紙幣の在高を確認し、
    前記精査処理の最中に、前記識別部がリジェクトすべき紙幣を識別したときには、前記収納部から繰り出した紙幣を全て前記元の収納部に戻すと共に、当該収納部について精査処理が未完了であることを示す未完了フラグを立てる紙幣処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015170341A (ja) * 2014-03-11 2015-09-28 グローリー株式会社 紙幣処理装置および紙幣処理方法

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