JP2015125136A - インピーダンス測定方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被測定素子の2端子測定によるインピーダンス測定において、コンタクトチェック判定の信頼性を高める。【解決手段】4端子測定により、被測定素子の第1直流抵抗値Rdc4を測定し、2端子測定により、被測定素子の実効抵抗成分Rsおよびリアクタンス成分Xを測定するとともに、第2直流抵抗値Rdc2を測定し、第2直流抵抗値Rdc2と第1直流抵抗値Rdc4との差分(Rdc2−Rdc4)から2端子測定時における接触端子の接触抵抗Rcを算出し、この接触抵抗Rcと予め設定されている所定の閾値とを比較して接触端子のコンタクトチェックの良否判定を行う。【選択図】図2
Description
本発明は、2端子測定により被測定素子の実効抵抗成分とリアクタンス成分とを求めるインピーダンス測定方法およびその装置に関し、さらに詳しく言えば、測定に用いられる接触端子のコンタクトチェックの良否判定を行う技術に関するものである。
例えば、特許文献1を参照して、2端子の絶縁抵抗計におけるコンタクトチェックでは、直流電流計と交流電流計とを備え、被測定絶縁物は抵抗とコンデンサの並列モデルと考えられることから、直流電流計の指示値がほぼゼロであっても、交流電流計の指示値がゼロでない場合、すなわち直流抵抗が大きくても、交流インピーダンスが低い場合には、正常なコンタクトであると判断し、直流電流計と交流電流計の各指示値がともに実質的にゼロの場合、コンタクト異常と判断するようにしている。
このように、2端子計測でのコンタクトチェックの良否は、実際の計測信号とは異なる信号(直流を含む)で測定することで判断するようにしている。例えば、高周波インピーダンス測定においても、インダクタ等の直流抵抗の低い被測定物を測定する場合、直流抵抗が低い値を示せばコンタクトが正常であると判断している。
しかしながら、2端子測定でのコンタクトチェックには次のような問題がある。インダクタンス測定を例にして説明すると、被測定素子のインダクタンスとQ値の測定には、通常、LCRメータが用いられるが、高周波での測定であるため2端子測定となる。
この2端子測定時には、コンタクトチェックを兼ねて、LCRメータにより被測定素子の直流抵抗値が測定されるが、2端子測定の場合、測定された直流抵抗値には、素子自体の直流抵抗と接触端子のプロービング時に生ずる接触抵抗とが含まれ、その各々がばらつきを持つことから、コンタクトチェックの良否判定基準としての閾値を一律に設定することが困難であり、被測定素子の種類によっては、閾値を検証し直す必要がある。
また、2端子測定により測定された直流抵抗値が高抵抗値である場合、被測定素子自体が内部断線等によるオープン不良なのか、コンタクト不良なのかの違いを判別することができない、という問題もある。この種の問題は、特に連続的に部品選別を行う自動検査ラインおいて早急な解決が望まれている。
したがって、本発明の課題は、被測定素子の2端子測定によるインピーダンス測定において、コンタクトチェック判定の信頼性を高めることにある。
上記課題を解決するため、本発明のインピーダンス測定方法は、被測定素子の実効抵抗成分Rsとリアクタンス成分Xとを求めるインピーダンス測定方法において、
4端子測定により、上記被測定素子の第1直流抵抗値Rdc4を測定する第1ステップと、2端子測定により、上記被測定素子の実効抵抗成分Rsおよびリアクタンス成分Xを測定するとともに、第2直流抵抗値Rdc2を測定する第2ステップと、上記第2直流抵抗値Rdc2と上記第1直流抵抗値Rdc4との差分(Rdc2−Rdc4)から上記2端子測定時における接触端子の接触抵抗Rcを算出する第3ステップと、上記接触抵抗Rcと予め設定されている所定の閾値とを比較して上記接触端子のコンタクトチェックの良否判定を行う第4ステップと、を含むことを特徴としている。
4端子測定により、上記被測定素子の第1直流抵抗値Rdc4を測定する第1ステップと、2端子測定により、上記被測定素子の実効抵抗成分Rsおよびリアクタンス成分Xを測定するとともに、第2直流抵抗値Rdc2を測定する第2ステップと、上記第2直流抵抗値Rdc2と上記第1直流抵抗値Rdc4との差分(Rdc2−Rdc4)から上記2端子測定時における接触端子の接触抵抗Rcを算出する第3ステップと、上記接触抵抗Rcと予め設定されている所定の閾値とを比較して上記接触端子のコンタクトチェックの良否判定を行う第4ステップと、を含むことを特徴としている。
上記被測定素子が、例えば有芯コイルのように直流磁化されるインダクタ素子である場合には、上記第1ステップの4端子測定よりも先に上記第2ステップの2端子測定を実行し、その際の上記第2ステップの2端子測定では、先に上記実効抵抗成分Rsおよび上記リアクタンス成分Xを測定し、その後に上記第2直流抵抗値Rdc2を測定することが好ましい。
本発明のインピーダンス測定方法において、上記第4ステップでのコンタクトチェックが良判定の場合には、引き続いて、上記実効抵抗成分Rsから上記接触抵抗Rcを減算(Rs−Rc)して、補正実効抵抗成分Rs’を算出して、上記補正実効抵抗成分Rs’と上記リアクタンス成分Xとから、上記被測定素子のQ値(X/Rs’)を求める。
なお、上記被測定素子がコイルを含むインダクタ素子である場合には、そのインダクタンス成分をLとして、上記Q値が(ωL/Rs’:ωは角周波数)として求められることになる。
また、本発明のインピーダンス測定装置は、被測定素子の実効抵抗成分Rsとリアクタンス成分Xとを求めるインピーダンス測定装置において、
第1測定手段と第2測定手段とを含み、上記第1測定手段で4端子測定により上記被測定素子の第1直流抵抗値Rdc4が測定され、上記第2測定手段で上記被測定素子について、2端子測定により第2直流抵抗値Rdc2と、実効抵抗成分Rsおよびリアクタンス成分Xとが測定され、上記第2測定手段は、上記第2直流抵抗値Rdc2と上記第1直流抵抗値Rdc4との差分(Rdc2−Rdc4)から上記2端子測定時における接触端子の接触抵抗Rcを算出し、上記接触抵抗Rcと予め設定されている所定の閾値とを比較して上記接触端子のコンタクトチェックの良否判定を行うことを特徴としている。
第1測定手段と第2測定手段とを含み、上記第1測定手段で4端子測定により上記被測定素子の第1直流抵抗値Rdc4が測定され、上記第2測定手段で上記被測定素子について、2端子測定により第2直流抵抗値Rdc2と、実効抵抗成分Rsおよびリアクタンス成分Xとが測定され、上記第2測定手段は、上記第2直流抵抗値Rdc2と上記第1直流抵抗値Rdc4との差分(Rdc2−Rdc4)から上記2端子測定時における接触端子の接触抵抗Rcを算出し、上記接触抵抗Rcと予め設定されている所定の閾値とを比較して上記接触端子のコンタクトチェックの良否判定を行うことを特徴としている。
本発明の好ましい態様によると、上記第2測定手段にはLCRメータが含まれ、上記LCRメータにより、上記第2直流抵抗値Rdc2,上記実効抵抗成分Rsおよび上記リアクタンス成分Xが測定される。
また、本発明の好ましい態様によると、上記第1測定手段と上記第2測定手段は、所定の通信手段を介して接続されており、上記第1測定手段から上記第1直流抵抗値Rdc4が上記第2測定手段に送信される。
別の態様として、上記第1測定手段および上記第2測定手段を制御する制御部を備え、上記第2測定手段に代えて上記制御部が、上記接触端子のコンタクトチェックの良否判定を行うようにしてもよく、このような態様も本発明に含まれる。
本発明のインピーダンス測定装置において、上記第2測定手段または上記制御部は、上記コンタクトチェックが良判定の場合、引き続いて、上記実効抵抗成分Rsから上記接触抵抗Rcを減算(Rs−Rc)して、補正実効抵抗成分Rs’を算出して、上記補正実効抵抗成分Rs’と上記リアクタンス成分Xとから、上記被測定素子のQ値(X/Rs’)を求める。
なお、上記被測定素子がコイルを含むインダクタ素子である場合、そのインダクタンス成分をLとして、上記Q値が(ωL/Rs’:ωは角周波数)として求められることになる。
また、上記第1測定手段と上記第2測定手段とが、上記被測定素子の選別ラインに組み込まれており、上記第1測定手段が上記選別ラインの上流側、上記第2測定手段が上記選別ラインの下流側に配置され、上記第1測定手段での上記4端子測定が先に行われ、その後に上記第2測定手段での上記2端子測定が行われる態様も本発明に含まれる。
上記被測定素子が、例えば有芯コイルのように直流磁化されるインダクタ素子である場合には、上記第2測定手段が上記選別ラインの上流側、上記第1測定手段が上記選別ラインの下流側に配置され、上記第2測定手段での上記2端子測定では、先に上記実効抵抗成分Rsおよび上記リアクタンス成分Xが測定され、その後に上記第2直流抵抗値Rdc2が測定され、上記第2測定手段による測定に続いて、上記第1測定手段で上記4端子測定が行われるようにすることが好ましい。
本発明によれば、4端子測定により、被測定素子の第1直流抵抗値Rdc4を測定し、2端子測定により、被測定素子の実効抵抗成分Rsおよびリアクタンス成分Xを測定するとともに、第2直流抵抗値Rdc2を測定し、第2直流抵抗値Rdc2と第1直流抵抗値Rdc4との差分(Rdc2−Rdc4)から2端子測定時における接触端子の接触抵抗Rcを算出し、この接触抵抗Rcと予め設定されている所定の閾値とを比較して接触端子のコンタクトチェックの良否判定を行うようにしたことにより、被測定素子の2端子測定によるインピーダンス測定においても、被測定素子自体が有する直流抵抗値の影響を受けることなく、高い信頼性をもってコンタクトチェックを行うことができる。また、被測定素子自体のオープン不良は、4端子測定時に見つけることができる。
また、4端子測定よりも先に2端子測定を実行し、その際の2端子測定では、被測定素子の実効抵抗成分Rsおよびリアクタンス成分Xを測定した後、被測定素子の第2直流抵抗値Rdc2を測定するようにし、その後において、4端子測定により被測定素子の第1直流抵抗値Rdc4を測定することにより、被測定素子が例えば有芯コイルのような直流磁化されるインダクタ素子であっても、より正確に被測定素子のインダクタンス値LとQ値とを得ることができる。
次に、図1ないし図5により、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、図1を参照して、第1実施形態に係るインピーダンス測定装置1Aは、制御部としてのコントローラ10と、第1測定手段20と、第2測定手段30とを備え、連続的に部品選別を行う自動検査ラインに組み込まれている。
選別される部品(被測定素子)は、キャパシタ素子であってもよいが、この実施形態において、被測定素子は、コイルを有するインダクタ素子Dで、インダクタ素子Dは、図示しない搬送手段により図1の左側(上流側)から右側(下流側)に向けて所定の時間間隔をもって順次流される。
第1測定手段20には、4端子測定法による直流抵抗計が用いられる。また、第2測定手段30には、測定周波数が例えば100MHz以上である高周波LCRメータが用いられる。コントローラ10には、CPUやマイクロコンピュータ等が適用され、コントローラ10は、各測定手段20,30の測定トリガタイミングの制御やインダクタ素子Dの良否選別等を行う。
この第1実施形態において、第1測定手段20は、上記自動検査ラインの上流側の第1測定ステージである4端子測定ステージに配置され、第2測定手段30は、その下流側の第2測定ステージである2端子測定ステージに配置されている。第1測定手段20と第2測定手段30は、所定の通信配線を介して接続されている。通信は無線で行われてもよく、また、コントローラ10を介して行われてもよい。
図2のフローチャートを併せて参照して、この第1実施形態では、まず、ステップST201で、4端子測定ステージでの測定が開始され、ステップST202で、第1のコンタクトチェックが行われる。
ここでの第1のコンタクトチェックは、4端子測定での電流供給側プローブ(図3(a)におけるプローブP1,P4)と、電圧検出側プローブ(図3(a)におけるプローブP2,P3)とが、インダクタ素子Dの電極端子に接触しているかどうかを検査する。
その一例として、プローブP1とP2とを、また、プローブP3とP4とを、それぞれ切替スイッチを介して電流源(ともに図示しない)に接続し、インダクタ素子Dの電極端子を介してP1とP2間、P3とP4間に電流が流れればコンタクト正常、電流が流れなければコンタクト異常(プローブ外れ)と判定する。
コンタクト異常の場合には、当該インダクタ素子DをコンタクトNGに分類するか、もしくはプローブコンタクトをリトライする(ステップST202a)。リトライしても、改善が見られない場合には、フザーやランプ等の報知手段にてユーザーにプローブ交換等を促す。
ステップST202での判定がOK(コンタクト正常)であれば、ステップST203で、第1測定手段20での4端子測定により、インダクタ素子Dの直流抵抗値(第1直流抵抗値)Rdc4の測定が行われる。
図3(a)に示すように、4端子測定では、電流供給側の2本のプローブP1,P4と、電圧検出側の2本のプローブP2,P3の4本の測定用接触子が用いられるが、電圧検出側のプローブP2,P3の接触抵抗R2,R3は、電圧計Vの内部抵抗RV(通常1〜10GΩ程度)に比べて無視できる程度に小さいため、接触抵抗R2,R3の影響をほとんど受けない正確な直流抵抗値Rdc4が測定される。
このようにして測定されたインダクタ素子Dの直流抵抗値Rdc4は、ステップST204で、素子自体のオープン不良の判定基準としての所定の閾値ThOと比較され、Rdc4>ThOであれば、NG判定として当該インダクタ素子を直流抵抗NG品に分類する(ステップST204a)。したがって、素子内部の断線等によるオープン不良品はステップST204で排除される。
ステップST204での判定がOK(Rdc4≦ThO)であれば、次段のステップST205で、測定された直流抵抗値Rdc4が上記通信配線を介して第2測定手段30のLCRメータに送信される。
第1測定手段20での測定を終えたインダクタ素子Dは、2端子測定ステージに搬送され(ステップST301)、ステップST302で、第2測定手段30が備えるLCRメータの2端子計測により、直流信号によるインダクタ素子Dの直流抵抗値(第2直流抵抗値)Rdc2が測定される。このLCRメータによる2端子測定は、図3(b)に示す等価回路で行われる。
この等価回路において、電流計Aの内部抵抗RAは、レンジによって異なるが、通常1〜10Ω程度であるため、電圧計Vの読み値に対する影響はほとんど無視でき、また、インダクタ素子Dの抵抗値が、プローブP1,P4の接触抵抗R1,R4よりもはるかに大きい場合には、接触抵抗R1,R4による影響も無視できる。
しかしながら、そうではない場合には、上記ステップST302で行われるLCRメータの2端子測定によるインダクタ素子Dの直流抵抗値Rdc2には、プローブP1,P4の接触抵抗R1,R4が含まれることになる。
そこで、この第1実施形態では、ステップST303において、上記ステップST302で測定されたインダクタ素子Dの直流抵抗値Rdc2に含まれているプローブP1,P4による接触抵抗R1,R4をRcとして、接触抵抗Rcを次式(1)、
Rc=Rdc2−Rdc4…(1)
により求める。
Rc=Rdc2−Rdc4…(1)
により求める。
その後のステップST304で、第2のコンタクトチェックとして、接触抵抗Rcと、予め設定されているコンタクトチェックの良否判定基準としての閾値ThCとが比較され、Rc>ThCであれば、NG判定として当該インダクタ素子DをコンタクトNGに分類するか、もしくはプローブコンタクトをリトライする(ステップST304a)。
ステップST304でのコンタクトチェック判定がOK(Rdc2≦ThC)の良判定であれば、ステップST305で、LCRメータにより、交流信号によるインダクタ素子Dの実効抵抗値Rsとインダクタンス値Lの測定が行われ、ωL/Rs(ωは角周波数)によりQ値が求められる。
そして、ステップST306で、インダクタンス値Lとその閾値ThL、Q値とその閾値ThQとがそれぞれ比較され、そのいずれか一方もしくは双方がNGであれば、当該インダクタ素子Dを不良品とする(ステップST306a)。これに対して、ステップST306での判定が双方ともOK判定であれば、当該インダクタ素子Dを良品とする(ステップST307)。
なお、上記ステップST305でQ値を求めるにあたって、この実施形態では、Q値をωL/Rsにより求めているが、インダクタンス素子Dの実効抵抗値Rsと接触抵抗Rcとから、補正実効抵抗値Rs’を次式(2)、
Rs’=Rs−Rc…(2)
により求めたのち、この補正実効抵抗値Rs’とインダクタンス値Lとから、インダクタ素子DのQ値を次式(3)、
Q=ωL/Rs’(ωは角周波数)…(3)
により求めるようにしてもよく、これによれば、2端子測定での接触抵抗Rcの影響を除いたより正確なQ値を得ることができる。
Rs’=Rs−Rc…(2)
により求めたのち、この補正実効抵抗値Rs’とインダクタンス値Lとから、インダクタ素子DのQ値を次式(3)、
Q=ωL/Rs’(ωは角周波数)…(3)
により求めるようにしてもよく、これによれば、2端子測定での接触抵抗Rcの影響を除いたより正確なQ値を得ることができる。
上記第1実施形態では、ステップST202,204での判定を第1測定手段20、ステップST304,306での判定を第2測定手段30で行うようにしているが、第1測定手段20にて測定された直流抵抗値Rdc4、第2測定手段30にて測定された直流抵抗値Rdc2,実効抵抗値Rs,インダクタンス値Lをそれぞれコントローラ10に与え、コントローラ10で、上記各判定を行うようにしてもよい。
なお、ステップST203,306で判定された不良品は、例えば各測定ステージに設けられている図示しない選別手段により、検査ラインから排除される。
ところで、上記第1実施形態では、第1測定手段20→第2測定手段30の順で測定が行われることから、上記被測定素子が、例えば有芯コイルのように直流磁化されるインダクタ素子Dである場合、第1測定手段20での4端子測定時にインダクタ素子Dが磁化され、これにより、第2測定手段30で測定されるインダクタンス値Lが変動し、Q値も磁化による影響を受けることがある。
このような問題は、第1測定手段20による第1測定ステージと第2測定手段30による第2測定ステージとの間に、消磁ステージを介在させることにより解決されるが、時間がかかるばかりでなく、自動検査ラインの構成も複雑になるため好ましくない。
そこで、図4に示すように、本発明の第2実施形態に係るインピーダンス測定装置1Bでは、上記第1実施形態における第1測定手段20と第2測定手段30の配置を入れ替えて、先に2端子測定ステージとして第2測定手段30により測定を行い、その後に4端子測定ステージとして第1測定手段20により測定を行うようにしている。第1測定手段20、第2測定手段30の各構成は、上記第1実施形態と同じであってよい。
図5のフローチャートを併せて参照して、この第2実施形態の自動検査ラインでの動作について説明する。なお、被測定素子であるインダクタ素子Dは有芯コイルであり、第2測定手段30でn番目のインダクタ素子Dnを測定しているとき、そのm個前で第2測定手段30により測定済みのインダクタ素子Dn−mが第1測定手段20で測定されているものとする。
2端子測定ステージ側では、ステップST311で、インダクタ素子Dnが搬送されると、第2測定手段30は、ステップST312で、インダクタ素子Dnの測定を開始し、まず、ステップST313で、LCRメータの2端子測定により、交流の実効抵抗値Rs(Dn)およびインダクタンス値L(Dn)を測定し、ωL(Dn)/Rs(Dn)によりQ(Dn)を求める。
そして、ステップST314で、インダクタ素子Dnの直流抵抗値Rdc2(Dn)を測定したのち、ステップST315で、これらの測定値(Rs(Dn),L(Dn),Q(Dn),Rdc2(Dn))をメモリに記憶する。ここで得られるL(Dn)は直流磁化される前のインダクタンス値である。
これと並行して、4端子測定ステージ側では、ステップST211で、インダクタ素子Dn−mが搬送されると、第1測定手段20は、ステップST212で、インダクタ素子Dn−mについて測定を開始し、ステップST213で、上記第1実施形態でのステップST202と同じく、4端子測定での電流供給側プローブ(図3(a)におけるプローブP1,P4)と、電圧検出側プローブ(図3(a)におけるプローブP2,P3)とが、インダクタ素子Dの電極端子に接触しているかどうかについての第1のコンタクトチェックを行う。
そして、次段のステップST214で、上記第1実施形態でのステップST203と同じく、第1測定手段20での4端子測定により、インダクタ素子Dn−mの直流抵抗値(第1直流抵抗値)Rdc4の測定する。
次に、ステップST215で、上記第1実施形態でのステップST204と同じく、直流抵抗値Rdc4を素子自体のオープン不良の判定基準としての所定の閾値ThOと比較し、インダクタ素子Dn−mがオープン不良であるかとうかを判定する。オープン不良品は、このステップST215で排除される。
インダクタ素子Dn−mが正常品であれば、ステップST216で、上記第1実施形態でのステップST205と同じく、インダクタ素子Dn−mで測定された直流抵抗値Rdc4を2端子測定ステージの第2測定手段30に送信する。
第2測定手段30は、ステップST321で、インダクタ素子Dn−mの直流抵抗値Rdc4(Dn−m)を受信すると、ステップST322で、インダクタ素子Dn−mについて先に行った2端子測定による測定値(Rs(Dn−m),L(Dn−m),Q(Dn−m),Rdc2(Dn−m))をメモリから読み出し、インダクタ素子Dn−mの直流接触抵抗Rcを次式(1a)、
Rc=Rdc2(Dn−m)−Rdc4(Dn−m)…(1a)
より算出する。
Rc=Rdc2(Dn−m)−Rdc4(Dn−m)…(1a)
より算出する。
続くステップST323で、上記第1実施形態でのステップST304と同じく、第2のコンタクトチェックとして、接触抵抗Rcと、予め設定されているコンタクトチェックの良否判定基準としての閾値ThCとを比較し、Rc>ThCであれば、NG判定として当該インダクタ素子Dn−mをコンタクトNGに分類するか、もしくは消磁処理して2端子測定ステージのステップST312からリトライする(ステップST323a)。
ステップST323でのコンタクトチェック判定がOK(Rdc2≦ThC)の良判定であれば、ステップST324で、上記第1実施形態でのステップST306と同じく、インダクタンス値L(Dn−m)とその閾値ThL、Q(Dn−m)値とその閾値ThQとがそれぞれ比較し、そのいずれか一方もしくは双方がNGであれば、当該インダクタ素子Dn−mを不良品とする(ステップST324a)。
これに対して、ステップST324での判定が双方ともOK判定であれば、当該インダクタ素子Dn−mを良品とする(ステップST325)。
上記第2実施形態によれば、直流電流印加による磁化に影響を受けることなく、被測定素子(インダクタ素子D)のインダクタンンス値Lを測定することができるとともに、上記第1実施形態と同様に、2端子測定によるインピーダンス測定においても、被測定素子自体が有する直流抵抗値の影響を受けることなく、高い信頼性をもってコンタクトチェックを行うことができる。
なお、上記第2実施形態では、第1測定ステージの第2測定手段30で、n番目のインダクタ素子Dnを測定しているとき、第2測定ステージの第1測定手段10で、そのm個前のインダクタ素子Dn−mを測定するようにしているが、その変数mは、第2測定手段30のメモリ容量の範囲内において任意に選択されてよい。
また、上記第2実施形態でQ値を求める際、上記第1実施形態で説明したように、インダクタンス素子Dの実効抵抗値Rsと接触抵抗Rcとから、補正実効抵抗値Rs’をRs’=Rs−Rcにより算出したのち、この補正実効抵抗値Rs’とインダクタンス値Lとから、インダクタ素子DのQ値をQ=ωL/Rs’(ωは角周波数)により求めるようにしてもよい。
1A,1B インピーダンス測定装置
10 コントローラ(制御部)
20 第1測定手段(4端子測定)
30 第2測定手段(2端子測定)
D 被測定素子(インダクタ素子)
10 コントローラ(制御部)
20 第1測定手段(4端子測定)
30 第2測定手段(2端子測定)
D 被測定素子(インダクタ素子)
Claims (12)
- 被測定素子の実効抵抗成分Rsとリアクタンス成分Xとを求めるインピーダンス測定方法において、
4端子測定により、上記被測定素子の第1直流抵抗値Rdc4を測定する第1ステップと、
2端子測定により、上記被測定素子の実効抵抗成分Rsおよびリアクタンス成分Xを測定するとともに、第2直流抵抗値Rdc2を測定する第2ステップと、
上記第2直流抵抗値Rdc2と上記第1直流抵抗値Rdc4との差分(Rdc2−Rdc4)から上記2端子測定時における接触端子の接触抵抗Rcを算出する第3ステップと、
上記接触抵抗Rcと予め設定されている所定の閾値とを比較して上記接触端子のコンタクトチェックの良否判定を行う第4ステップと、を含むことを特徴とするインピーダンス測定方法。 - 上記第1ステップの4端子測定よりも先に上記第2ステップの2端子測定を実行し、その際の上記第2ステップの2端子測定では、先に上記実効抵抗成分Rsおよび上記リアクタンス成分Xを測定し、その後に上記第2直流抵抗値Rdc2を測定することを特徴とする請求項1に記載のインピーダンス測定方法。
- 上記第4ステップでのコンタクトチェックが良判定の場合には、引き続いて、上記実効抵抗成分Rsから上記接触抵抗Rcを減算(Rs−Rc)して、補正実効抵抗成分Rs’を算出して、上記補正実効抵抗成分Rs’と上記リアクタンス成分Xとから、上記被測定素子のQ値(X/Rs’)を求めることを特徴とする請求項1または2に記載のインピーダンス測定方法。
- 上記被測定素子がコイルを含むインダクタ素子であり、そのインダクタンス成分をLとして、上記Q値が(ωL/Rs’:ωは角周波数)として求められることを特徴とする請求項3に記載のインピーダンス測定方法。
- 被測定素子の実効抵抗成分Rsとリアクタンス成分Xとを求めるインピーダンス測定装置において、
第1測定手段と第2測定手段とを含み、上記第1測定手段で4端子測定により上記被測定素子の第1直流抵抗値Rdc4が測定され、
上記第2測定手段で上記被測定素子について、2端子測定により第2直流抵抗値Rdc2と、実効抵抗成分Rsおよびリアクタンス成分Xとが測定され、
上記第2測定手段は、上記第2直流抵抗値Rdc2と上記第1直流抵抗値Rdc4との差分(Rdc2−Rdc4)から上記2端子測定時における接触端子の接触抵抗Rcを算出し、上記接触抵抗Rcと予め設定されている所定の閾値とを比較して上記接触端子のコンタクトチェックの良否判定を行うことを特徴とするインピーダンス測定装置。 - 上記第2測定手段にはLCRメータが含まれ、上記LCRメータにより、上記第2直流抵抗値Rdc2,上記実効抵抗成分Rsおよび上記リアクタンス成分Xが測定されることを特徴とする請求項5に記載のインピーダンス測定装置。
- 上記第1測定手段と上記第2測定手段は、所定の通信手段を介して接続されており、上記第1測定手段から上記第1直流抵抗値Rdc4が上記第2測定手段に送信されることを特徴とする請求項5または6に記載のインピーダンス測定装置。
- 上記第1測定手段および上記第2測定手段を制御する制御部を備え、上記第2測定手段に代えて上記制御部が、上記接触端子のコンタクトチェックの良否判定を行うことを特徴とする請求項5に記載のインピーダンス測定装置。
- 上記第2測定手段または上記制御部は、上記コンタクトチェックが良判定の場合、引き続いて、上記実効抵抗成分Rsから上記接触抵抗Rcを減算(Rs−Rc)して、補正実効抵抗成分Rs’を算出して、上記補正実効抵抗成分Rs’と上記リアクタンス成分Xとから、上記被測定素子のQ値(X/Rs’)を求めることを特徴とする請求項5または8に記載のインピーダンス測定装置。
- 上記被測定素子がコイルを含むインダクタ素子であり、そのインダクタンス成分をLとして、上記Q値が(ωL/Rs’:ωは角周波数)として求められることを特徴とする請求項9に記載のインピーダンス測定装置。
- 上記第1測定手段と上記第2測定手段とが、上記被測定素子の選別ラインに組み込まれており、上記第1測定手段が上記選別ラインの上流側、上記第2測定手段が上記選別ラインの下流側に配置され、上記第1測定手段での上記4端子測定が先に行われ、その後に上記第2測定手段での上記2端子測定が行われることを特徴とする請求項5ないし10のいずれか1項に記載のインピーダンス測定装置。
- 上記第1測定手段と上記第2測定手段とが、上記被測定素子の選別ラインに組み込まれており、上記第2測定手段が上記選別ラインの上流側、上記第1測定手段が上記選別ラインの下流側に配置され、上記第2測定手段での上記2端子測定では、先に上記実効抵抗成分Rsおよび上記リアクタンス成分Xが測定され、その後に上記第2直流抵抗値Rdc2が測定され、上記第2測定手段による測定に続いて、上記第1測定手段で上記4端子測定が行われることを特徴とする請求項5ないし10のいずれか1項に記載のインピーダンス測定装置。
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