JP2013061177A - インピーダンス測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】デルタ回路を構成する第1ないし第3のインピーダンス要素のうちの第1のインピーダンス要素のインピーダンス測定において、第2のインピーダンス要素と第3のインピーダンス要素の間に流れる電流をゼロに抑え、第1のインピーダンス要素のインピーダンスを正確に測定できるインピーダンス測定装置を提供する。
【解決手段】このインピーダンス測定装置では、第2の導電路L2と電気接続された出力端子及び反転入力端子と、所定の基準電位(例えば、グランド電位)に電気接続された非反転入力端子とを有するオペアンプ34が備えられる。そして、第1のインピーダンス要素Z1と第2のインピーダンス要素Z2の間の第1の導電路L1の電位、及び第2のインピーダンス要素Z2と第3のインピーダンス要素Z3の間の第2の導電路L2の電位を基準電位に誘導しつつ、第1のインピーダンス要素Z1のインピーダンスが測定される。
【選択図】図1
【解決手段】このインピーダンス測定装置では、第2の導電路L2と電気接続された出力端子及び反転入力端子と、所定の基準電位(例えば、グランド電位)に電気接続された非反転入力端子とを有するオペアンプ34が備えられる。そして、第1のインピーダンス要素Z1と第2のインピーダンス要素Z2の間の第1の導電路L1の電位、及び第2のインピーダンス要素Z2と第3のインピーダンス要素Z3の間の第2の導電路L2の電位を基準電位に誘導しつつ、第1のインピーダンス要素Z1のインピーダンスが測定される。
【選択図】図1
Description
本発明は、インピーダンス測定装置に関する。
図4を参照して、この図4に示す従来のインピーダンス測定装置は、デルタ回路を構成する第1ないし第3のインピーダンス要素Z1〜Z3のうちの第1のインピーダンス要素Z1のインピーダンスを測定するものである。第1のインピーダンス要素Z1と第2のインピーダンス要素Z2とを電気接続する第1の導電路L1の電位、及び第2のインピーダンス要素Z2と第3のインピーダンス要素Z3とを電気接続する第2の導電路L2の電位を基準電位(図4の例では、グランド電位)に誘導しつつ、第1のインピーダンス要素Z1のインピーダンスが測定される。第1及び第2の導電路L1,L2の電位を基準電位であるグランド電位に誘導するのは、インピーダンス測定時に第1のインピーダンス要素Z1のインピーダンス測定に影響が出ないよう第2のインピーダンス要素Z2へ電流が流れないようにするためである。
第1の導電路L1の電位のグランド電位への誘導は、電位誘導回路11を用いて行われている。電位誘導回路11は、コンパレータ111と可変電源部112とを備えている。コンパレータ111の正側入力端子は、接触ピンP1を介して第1の導電路L1と電気接続され、その負側入力端子は基準電位であるグランド電位に電気接続されている。コンパレータ111の出力端子から出力される出力信号は、制御信号として可変電源部112に与えられる。可変電源部112は、コンパレータ111の出力信号に応じて、2つの出力端子を介して出力する電流を変化させる。可変電源部112の2つの出力端子のうちの一方側は接触ピンP2を介して第1の導電路L1と電気接続され、他方側は基準電位であるグランド電位に電気接続されている。そして、第1の導電路L1の電位がグランド電位に対してプラス側又はマイナス側に変動したときに、その変動に応じたコンパレータの111の出力信号が出力され、その出力信号に基づき、可変電源部112により第1の導電路L1の電位のグランド電位からの変動を打ち消すようにして電流が2つの出力端子を介して出力される。これにより、第1の導電路L1の電位が常にグランド電位に誘導される。
第2の導電路L2の電位のグランド電位への誘導は、グランド電位に接続されたグランド導線12を、接触ピンP3を介して第2の導電路L2に電気接続することにより行われる。
インピーダンス測定のための電力は、電源部13によって第1の導電路L1を介して第1のインピーダンス要素Z1に与えられる。電源部13は、第1のインピーダンス要素Z1のインピーダンス測定のための電力(例えば、一定出力の交流電流)を2つの出力端子を介して出力する。その2つの出力端子のうちの一方側は、電流検出部14及び接触ピンP4を介して第3の導電路L3に電気接続され、他方側は、グランド電位に接続されている。電流検出部14は、電源部13によって第1のインピーダンス要素Z1に与えられる電流値を検出する。
電位差検出部15は、電源部13によって第3の導電路L3を介して第1のインピーダンス要素Z1に与えられる電位差を検出する。電位差検出部15の2つの入力端子のうちの一方側は接触ピンP5を介して第1の導電路L1と電気接続され、他方側は基準電位であるグランド電位に電気接続されている。このため、第1のインピーダンス要素Z1に与えられる電位差は、第3の導電路L3の電位と基準電位であるグランド電位の差として電位差検出部15によって検出されるようになっている。
そして、上述のように第1及び第2の導電路L1,L2の電位をグランド電位に誘導しつつ、電源部13により交流電流を第3の導電路L3を介して第1のインピーダンス要素Z1に与え、そのときに第1のインピーダンス要素Z1に与えられている電流及び電位差を電流検出部14及び電位差検出部15によって検出し、その検出結果に基づいて第1のインピーダンス要素Z1のインピーダンスが算出される。
なお、先行技術としては下記の特許文献1が挙げられる。
しかしながら、上述の図4の従来技術では、グランド電位に電気接続されたグランド導線12を接触ピンP3を介して第2の導電路L2に電気接続することにより、第2の導電路L2の電位をグランド電位に誘導する。このため、グランド導線12の有する抵抗値の影響により第2の導電路L2の電位が基準電位であるグランド電位からプラス又はマイナス側に乖離してしまい、しかもその乖離幅がグランド導線12の長さ及び単位長さ当たりの抵抗値に応じて変化するという問題がある。その結果、インピーダンス測定時に第2のインピーダンス要素Z2に不要な電流が流れてしまい、第1のインピーダンス要素Z1のインピーダンスが正確に測定できなくなる。
また、グランド導線12を第2の導電路L2を介してグランド電位に電気接続する構成では、グランド導線12以降の導線経路が所定の電気容量を有するため、電源部13が電力供給を開始してから第2の導電路L2の電位が安定するまで所定のチャージ時間が必要となっている。このチャージ時間を確保するため、第1のインピーダンス要素Z1のインピーダンス測定のタイミングが遅れ、インピーダンス測定に要する時間が長くなるという問題がある。
また、グランド導線12にスイッチング素子(例えば、半導体スイッチング素子)が介挿される場合、グランド導線12に流れる電流によりスイッチング素子が劣化しやすいという問題もある。
そこで、本発明の解決すべき課題は、デルタ回路を構成する第1ないし第3のインピーダンス要素のうちの第1のインピーダンス要素のインピーダンス測定において、第2のインピーダンス要素と第3のインピーダンス要素の間に流れる電流をゼロに抑え、第1のインピーダンス要素のインピーダンスを正確に測定でき、インピーダンス測定の高速化及びスイッチング素子の長寿命化が図れるインピーダンス測定装置を提供することである。
上記の課題を解決するため、本発明に係るインピーダンス装置の第1の局面では、第1ないし第3の導電路により電気接続された第1ないし第3のインピーダンス要素によってデルタ回路が構成され、前記第1のインピーダンス要素と前記第2のインピーダンス要素とを電気接続する前記第1の導電路の電位、及び前記第2のインピーダンス要素と前記第3のインピーダンス要素とを電気接続する前記第2の導電路の電位を基準電位に誘導しつつ、前記第1のインピーダンス要素のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置において、前記第2の導電路と電気接続された出力端子及び反転入力端子と、所定の基準電位に電気接続された非反転入力端子とを有する第1のオペアンプと、前記第1のインピーダンス要素と前記第3のインピーダンス要素とを電気接続する前記第3の導電路と電気接続され、前記第3の導電路にインピーダンス測定のための電力を付与する電源部と、前記電源部により前記第3の導電路に前記電力が付与さられた際に、前記第1のインピーダンス要素のインピーダンスを測定するための前記第1のインピーダンス要素の電気的特性を検出する電気特性検出部とを備える。
また、本発明に係るインピーダンス装置の第2の局面では、上記第1の局面に係るインピーダンス測定装置において、前記第1の導電路と電気接続された出力端子及び反転入力端子と、所定のグランドラインに電気接続された非反転入力端子とを有する第2のオペアンプをさらに備える。
また、本発明に係るインピーダンス装置の第3の局面では、上記第1の局面に係るインピーダンス測定装置において、前記第1ないし第3のインピーダンス要素及び前記第1ないし第3の導電路は、被検査基板に複数セット設けられており、前記インピーダンス測定装置は、前記複数のセットの前記第1ないし第3の導電路にそれぞれ同時に接触される複数の接触ピンを有する多ピン治具と、複数のスイッチング素子を有し、前記多ピン治具の前記各接触ピンと、前記第1のオペアンプの前記出力端子、前記反転入力端子及び前記非反転入力端子、及び前記電源部との電気接続関係を切り替える接続切替部とをさらに備える。
本発明に係るインピーダンス装置の第1の局面によれば、第1のオペアンプによって、第2のインピーダンス要素と第3のインピーダンス要素の間の第2の導電路の電位が確実に基準電位に誘導され、第2の導電路の電位が第1の導電路の電位と同じ基準電位になる。このため、インピーダンス測定時に、第2のインピーダンス要素に流れる電流を確実にゼロに抑えることができ、第1のインピーダンス要素のインピーダンスを正確に測定できる。
また、第2の導電路の電位が基準電位から外れようとしたときは、その電位変動が第1のオペアンプによって瞬時に抑えられ、第2の導電路の電位が基準電位に戻される。このため、電源部による第3の導電路への電力供給が開始されたときも、第2の導電路の電位が基準電位に安定して維持される。その結果、電源部による第3の導電路への電力供給直後に、電気特性検出部に第1のインピーダンス要素の電気的特性を検出させて、第1のインピーダンス要素のインピーダンス測定を行うことができ、インピーダンス測定の高速化が図れる。
また、第2の導電路と第1のオペアンプの反転入力端子及び出力端子との間に流れる電流は、図4の従来技術に係る第2の導電路L2とグランド導線12とに流れる電流に比して非常に小さいため、第2の導電路と第1のオペアンプの反転入力端子及び出力端子との間を電気接続する導線にスイッチング素子(例えば、半導体スイッチング素子)が介挿される場合でも、そのスイッチング素子の長寿命化が図れる。
本発明に係るインピーダンス装置の第2の局面によれば、第2のオペアンプによって、第1のインピーダンス要素と第2のインピーダンス要素の間の第1の導電路の電位が確実に基準電位に誘導され、第1及び第2の導電路の電位が同じ基準電位になる。このため、インピーダンス測定時に、第2のインピーダンス要素に流れる電流をより確実にゼロに抑えることができ、第1のインピーダンス要素のインピーダンスをより正確に測定できる。
また、上記の第2の導電路に対して第1のオペアンプを用いることにより得られた効果(インピーダンス測定の高速化、及びスイッチング素子の長寿命化)をさらに増進できる。
本発明に係るインピーダンス装置の第3の局面に関し、多ピン治具を用いたインピーダンス測定装置では、多ピン治具と電気接続される多数の導線及びその導線に介挿されたスイッチング素子が用いられる。このため、本発明に係る第1のオペアンプを用いた構成により、図4に示す従来の構成を用いる場合に比して、導線及びスイッチング素子の影響を低減できる。
図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態に係るインピーダンス測定装置としての基板検査装置21について説明する。この基板検査装置21は、図1に示すように、デルタ回路を構成するように被検査基板22に設けられた第1ないし第3のインピーダンス要素Z1〜Z3のうちのいずれか一つ(ここでは、第1のインピーダンス要素Z1)のインピーダンスを測定して検査する。被検査基板22には、デルタ回路を構成する複数セットS1,S2,・・・(以下、これらを総称する場合は符号を単に「S」とする)の第1ないし第3のインピーダンス要素Z1〜Z3が設けられている。
各セットSの第1ないし第3のインピーダンス要素Z1〜Z3は一方側及び他方側の接続部を有し、第1ないし第3の導電路L1〜L3により電気接続されてデルタ回路を構成している。より具体的には、第1のインピーダンス要素Z1の一方側接続部と第2のインピーダンス要素Z2の他方側接続部とは、第1の導電路L1により電気接続され、第2のインピーダンス要素Z2の一方側接続部と第3のインピーダンス要素Z3の他方側接続部とは、第2の導電路L2により電気接続され、第3のインピーダンス要素Z3の一方側接続部と第1のインピーダンス要素Z1の他方側接続部とは、第3の導電路L3により電気接続されている。
ここで、第1のインピーダンス要素Z1のインピーダンスの測定は、第1及び第2の導電路L1,L2の電位を所定の基準電位(本実施形態では、グランド電位)に誘導しつつ行われる。第1及び第2の導電路L1,L2の電位を基準電位であるグランド電位に誘導するのは、インピーダンス測定時に第1のインピーダンス要素Z1のインピーダンス測定に影響が出ないよう第2のインピーダンス要素Z2へ電流が流れないようにするためである。
この基板検査装置21は、図1及び図2に示すように、多ピン治具31、接続切替部32、電位誘導回路33、第1のオペアンプに相当するオペアンプ34、電源部35、電流検出部36、電位差検出部37及び制御部38を備えて構成されている。本発明に係る電気特性検出部には、電流検出部36及び電位差検出部37が対応している。
多ピン治具31は、図2に示すように、導電性の複数の接触ピンPと、その複数の接触ピンPを互いに絶縁性を確保しつつ保持する保持部材311とを備えている。複数の接触ピンPは、図1に示すように、被検査基板22に設けられた複数セットSの第1ないし第3のインピーダンス要素Z1〜Z3間を電気接続する第1ないし第3の導電路L1〜L3にそれぞれ同時に接触可能となっている。
接触ピンPの構成について、一つのセットSに着目して説明する。各セットSに対応する接触ピンPのセットには、第1の導電路L1に接触される接触ピンP11,P12、第2の導電路L2に接触される接触ピンP13,P14、及び第3の導電路L3に接触される接触ピンP15,P16が備えられる。
接続切替部32は、制御部38の制御によりオン、オフ動作する複数のスイッチング素子(例えば、半導体スイッチング素子)SWを有している。そして、そのスイッチング素子SWをオン、オフすることにより、多ピン治具31の各接触ピンPと、装置本体側の各接続部(ここでは、後述するコンパレータ331の正側入力端子、可変電源部332の一方側出力端子、オペアンプ34の反転入力端子及び出力端子、電源部35の一方側出力端子、及び、電位差検出部37の一方側入力端子)との電気接続関係を切り替える。本実施形態では、複数のスイッチング素子SWが、多ピン治具31に設けられた複数の接触ピンPのうちの被検査基板22に設けられたデルタ回路の各セットSごとに対応して、いずれか一つのセットSに対応する接触ピンPが装置本体側の前記各接続部と順番に電気接続されるように、オン、オフ動作されるようになっている。
また、図1に示す構成では、各セットSの第1ないし第3のインピーダンス要素Z1〜Z3のうちの第1のインピーダンス要素Z1についてのみインピーダンス計測が行われるようになっているが、第2及び第3のインピーダンス要素Z2,Z3についてもインピーダンス測定が可能となるように、接続切替部32内のスイッチング素子SWの数及び配線経路を追加してもよい。
電位誘導回路33は、各セットSの第1の導電路L1の電位を基準電位であるグランド電位に誘導するためのものであり、コンパレータ331と可変電源部332とを備えている。コンパレータ331の正側入力端子は、接続切替部32、及び多ピン治具31の各セットSに対応して設けられる接触ピンP11を介して、各セットS内の第1の導電路L1と電気接続され、その負側入力端子は基準電位であるグランド電位に電気接続されている。コンパレータ331の出力端子から出力される出力信号は、制御信号として可変電源部332に与えられる。可変電源部332は、コンパレータ111の出力信号に応じて、2つの出力端子を介して出力する電流を変化させる(電流の代わりに出力電圧を変化させてもよい)。
可変電源部332の2つの出力端子のうちの一方側は、接続切替部32、及び多ピン治具31の各セットSに対応して設けられる接触ピンP12を介して、各セットS内の第1の導電路L1と電気接続され、一方側は基準電位であるグランド電位に電気接続されている。そして、第1の導電路L1の電位がグランド電位に対してプラス側又はマイナス側に変動したときに、その変動に応じたコンパレータの331の出力信号が出力され、その出力信号に基づき、可変電源部332により第1の導電路L1の電位のグランド電位からの変動を打ち消すようにして電流が2つの出力端子を介して出力される。これにより、第1の導電路L1の電位が常に基準電位であるグランド電位に誘導される。
オペアンプ34は、各セットSの第2の導電路L2の電位を基準電位であるグランド電位に誘導するためのものである。オペアンプ34の反転入力端子は、接続切替部32、及び多ピン治具31の各セットSに対応して設けられる接触ピンP13を介して、各セットS内の第2の導電路L2と電気接続される。また、その非反転入力端子は、基準電位であるグランド電位に電気接続される。また、その出力端子は、接続切替部32、及び多ピン治具31の各セットSに対応して設けられる接触ピンP14を介して、各セットS内の第2の導電路L2と電気接続される。
そして、第2の導電路L2の電位が基準電位であるグランド電位から外れようとしたときは、その第2の導電路L2の電位の変動がオペアンプ34の反転入力端子に与えられ、その電位変動を打ち消す電流(又は、電圧)がオペアンプ34の出力端子から第2の導電路L2に瞬時に与えられる。これにより、第2の導電路L2の電位変動がオペアンプ34によって瞬時に抑えられ、第2の導電路L2の電位が基準電位であるグランド電位に戻される。
電源部35は、制御部38の制御により、各セットSの第1のインピーダンス要素Z1のインピーダンス測定を行うのに必要な電力(例えば、一定出力の交流電流)を、2つの出力端子を介して出力する。電源部35の2つの出力端子のうちの一方側は、後述する電流検出部36、接続切替部32、及び多ピン治具31の各セットSに対応して設けられる接触ピンP15を介して、各セットS内の第3の導電路L3と電気接続され、一方側はグランド電位に電気接続されている。本実施形態では、電源部35が一定出力の交流電流を出力するようにしたが、電源部35に一定出力の交流電圧、電流値又は電圧値が一定の振幅と周期で周期的に変動する変動直流電流又は変動直流電圧を電源部35に出力させるようにしてもよい。あるいは、第1のインピーダンス要素Z1の抵抗値を測定すればよい場合には、電源部35として定電流源又は定電圧源を用いることもできる。
電流検出部36は、電源部35の一方側の出力端子と近畿接続切替部32とを接続する導線に介挿されており、電源部35によって各セットSの第3の導電路L1を介して第1のインピーダンス要素Z1に与えられる電流値(例えば、交流電流値)を検出し、その検出結果を制御部38に与える。
電位差検出部37は、電源部35によって各セットSの第3の導電路L3を介して第1のインピーダンス要素Z1に与えられる電位差(例えば、交流電位差)を検出し、その検出結果を制御部38に与える。電位差検出部37の2つの入力端子のうちの一方側は、接続切替部32、及び多ピン治具31の各セットSに対応して設けられる接触ピンP16を介して、各セットS内の第3の導電路L3と電気接続され、一方側は基準電位であるグランド電位に電気接続されている。このため、第1のインピーダンス要素Z1に与えられる電位差は、第3の導電路L3の電位と基準電位であるグランド電位の差として電位差検出部15によって検出されるようになっている。この点に関する変形例として、電位差検出部37の一方側の入力端子が、基準電位であるグランド電位ではなく、コンパレータ331のプラス側入力端子とともに接続切替部32及び多ピン治具31の各セットSに対応して設けられる接触ピンP11を介して、各セットSの第1の導電路L1に電気接続されるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、電流検出部36及び電位差検出部37の両方を設けたが、電源部35の出力電流値又は出力電圧値に基づいて、第1のインピーダンス要素Z1に与えられる電流値又は電圧値に関する情報が取得できる場合には、電流検出部36と電位差検出部37との一方を省いてもよい。
制御部38は、この基板検査装置21の制御及び被検査基板22の検査処理を司るものである。具体的には、例えば制御部38は、接続切替部32の各スイッチング素子SWをオン、オフ動作させて、被検査基板22に設けられる複数のデルタ回路のセットSのうちのいずれか一つを装置本体側の前記各接続部に順番に接続し、電源部35に各セットSの第1のインピーダンス要素Z1にインピーダンス測定のための電力を供給させる。そして、制御部38は、電流検出部36及び電位差検出部37が検出した各セットSの第1のインピーダンス要素Z1に付与される電流値及び電位差値に基づいて、第1のインピーダンス要素Z1のインピーダンスを算出し、その算出結果に基づいて第1のインピーダンス要素Z1及び被検査基板22の良否判定等を行う。
この基板検査装置21による検査は、例えば、接続切替部32の各スイッチング素子SWがオン、オフ動作されて、被検査基板22に設けられる複数のデルタ回路のセットSのうちのいずれか一つが装置本体側の前記各接続部に順番に導通される。このとき、このとき、装置本体側の各接続部(コンパレータ331の正側入力端子、可変電源部332の一方側出力端子、オペアンプ34の反転入力端子及び出力端子、電源部35の一方側出力端子、及び、電位差検出部37の一方側入力端子)が、接続切替部32、及び多ピン治具31の複数の接触ピンPのうちのその時点での検査対象のデルタ回路のセットSに対応する接触ピンP11〜P16を介して、検査対象のセットSに対応する第1ないし第3の導電路L1〜L3に順番に導通される。
そして、電源部35により検査対象のセットSの第1のインピーダンス要素Z1に第1の導電路L1を介してインピーダンス計測用の電力(例えば、交流電流)が与えられるとともに、電流検出部36及び電位差検出部37によってその第1のインピーダンス要素Z1に与えられている電流値及び電位差値が検出され、その検出された電流値及び電位差値に基づいて、制御部38により、その第1のインピーダンス要素Z1の良否判定が行われる。一つのセットSに対する検査が終了すると、次のセットSが検査対象に設定され、最後のセットSまで順番に検査が行われていく。
以上のように、本実施形態によれば、オペアンプ34によって、デルタ回路を構成する第2のインピーダンス要素Z2と第3のインピーダンス要素Z3の間の第2の導電路L2の電位が確実に基準電位であるグランド電位に誘導され、第2の導電路L2の電位が第1の導電路L1の電位と同じ基準電位であるグランド電位になる。このため、インピーダンス測定時に、第2のインピーダンス要素Z2に流れる電流を確実にゼロに抑えることができ、第1のインピーダンス要素Z1のインピーダンスを正確に測定できる。
また、第2の導電路L2の電位が基準電位から外れようとしたときは、その電位変動がオペアンプ34によって瞬時に抑えられ、第2の導電路L2の電位が基準電位であるグランド電位に戻される。このため、電源部35による第3の導電路L3への電力供給が開始されたときも、第2の導電路L2の電位が基準電位であるグランド電位に安定して維持される。その結果、電源部35による第3の導電路L3への電力供給直後に、電流検出部36及び電位差検出部37に第1のインピーダンス要素Z1に付与される電流値及び電位差値を検出させて、第1のインピーダンス要素Z1のインピーダンス測定を行うことができ、インピーダンス測定及びその良否判定等の高速化が図れる。
また、各セットSのデルタ回路の第2の導電路L2とオペアンプ34の反転入力端子及び出力端子との間に流れる電流は、図4の従来技術に係る第2の導電路L2とグランド導線12とに流れる電流に比して非常に小さいため、第2の導電路L2とオペアンプ34の反転入力端子及び出力端子との間を電気接続する導線に介挿される接続切替部32のスイッチング素子SW(例えば、半導体スイッチング素子)等の長寿命化が図れる。
また、本実施形態に係る基板検査装置21のように多ピン治具32を用いた装置では、多ピン治具32と電気接続される多数の導線及びその導線に介挿されたスイッチング素子が用いられる。このため、本実施形態に係るオペアンプ34を用いた構成により、図4に示す従来の構成を用いる場合に比して、導線及びスイッチング素子の影響を低減できる。
図3を参照して、本実施形態に係る基板検査装置21の変形例について説明する。図3の変形例に係る基板検査装置21aでは、電位誘導回路33の代わりにオペアンプ41を用いて各セットSの第1の導電路L1の電位が基準電位であるグランド電位に誘導されるようになっている。このオペアンプ41は本発明に係る第2のオペアンプに対応している。
オペアンプ41の反転入力端子は、接続切替部32、及び多ピン治具31の各セットSに対応して設けられる接触ピンP11を介して、各セットS内の第1の導電路L1と電気接続される。また、その非反転入力端子は、基準電位であるグランド電位に電気接続される。また、その出力端子は、接続切替部32、及び多ピン治具31の各セットSに対応して設けられる接触ピンP12を介して、各セットS内の第1の導電路L1と電気接続される。
このオペアンプ41によって、各セットSの第1の導電路L1の電位が確実に基準電位であるグランド電位に誘導され、第1及び第2の導電路L1,L2の電位が同じ基準電位であるグランド電位になる。このため、インピーダンス測定時に、第2のインピーダンス要素Z2に流れる電流をより確実にゼロに抑えることができ、第1のインピーダンス要素Z1のインピーダンスをより正確に測定できる。また、上記の第2の導電路L2に対してオペアンプ34を用いることにより得られた効果(インピーダンス測定の高速化、及びスイッチング素子の長寿命化)をさらに増進できる。
21,21a 基板検査装置、22 被検査基板、31 多ピン治具、311 保持部材、32 接続切替部、33 電位誘導部、331 コンパレータ、332 可変電源部、34 オペアンプ、35 電源部、36 電流検出部、37 電位差検出部、38 制御部、41 オペアンプ、L1 第1の導電路、L2 第2の導電路、L3 第3の導電路、P,P11〜P16 接触ピン、S1,S2 セット、Z1 第1のインピーダンス要素、Z2 第2のインピーダンス要素、Z3 第3のインピーダンス要素。
Claims (3)
- 第1ないし第3の導電路により電気接続された第1ないし第3のインピーダンス要素によってデルタ回路が構成され、前記第1のインピーダンス要素と前記第2のインピーダンス要素とを電気接続する前記第1の導電路の電位、及び前記第2のインピーダンス要素と前記第3のインピーダンス要素とを電気接続する前記第2の導電路の電位を基準電位に誘導しつつ、前記第1のインピーダンス要素のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置であって、
前記第2の導電路と電気接続された出力端子及び反転入力端子と、所定の基準電位に電気接続された非反転入力端子とを有する第1のオペアンプと、
前記第1のインピーダンス要素と前記第3のインピーダンス要素とを電気接続する前記第3の導電路と電気接続され、前記第3の導電路にインピーダンス測定のための電力を付与する電源部と、
前記電源部により前記第3の導電路に前記電力が付与さられた際に、前記第1のインピーダンス要素のインピーダンスを測定するための前記第1のインピーダンス要素の電気的特性を検出する電気特性検出部と、
を備えることを特徴とするインピーダンス測定装置。 - 請求項1に記載のインピーダンス測定装置において、
前記第1の導電路と電気接続された出力端子及び反転入力端子と、所定のグランドラインに電気接続された非反転入力端子とを有する第2のオペアンプをさらに備えることを特徴とするインピーダンス測定装置。 - 請求項1に記載のインピーダンス測定装置において、
前記第1ないし第3のインピーダンス要素及び前記第1ないし第3の導電路は、被検査基板に複数セット設けられており、
前記インピーダンス測定装置は、
前記複数のセットの前記第1ないし第3の導電路にそれぞれ同時に接触される複数の接触ピンを有する多ピン治具と、
複数のスイッチング素子を有し、前記多ピン治具の前記各接触ピンと、前記第1のオペアンプの前記出力端子、前記反転入力端子及び前記非反転入力端子、及び前記電源部との電気接続関係を切り替える接続切替部と、
をさらに備えることを特徴とするインピーダンス測定装置。
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