JP2008055209A - 体内脂肪計 - Google Patents

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Abstract

【課題】誘導ノイズの影響を全く受けることなく確実にかつ正しく接触抵抗の大きさを測定することができ、しかも測定サイクルを短縮できて測定値の応答性を高めることのできる体内脂肪計を提供する。
【解決手段】一つの定電流印加経路内に含まれる被検者の皮膚面と電極との間の接触抵抗ZA〜ZDと身体内インピーダンスZiとの合成インピーダンスを測定しと、定電流印加経路内に含まれる接触抵抗ZA〜ZDを測定し、これら各ステップにより得られる合成インピーダンスと接触抵抗ZA〜ZDとから身体内インピーダンスZiを測定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検者の身体末端に接触する電極から電流を流し、この電極において身体内に発生する電圧を測定して身体内インピーダンスを求め、この求めたインピーダンスより体内脂肪量、内臓脂肪量、水分量などの体内脂肪関連情報を求め、身体の健康状態を判定するようにした体内脂肪計に関するものである。
従来の体内脂肪計の代表的なものとして、図6に示されるように、測定台50上に被検者の左右の足の裏がそれぞれ接触するように電流印加用電極B,Cと電圧測定用電極A,Dとからなる電極対を設け、電流印加用電極B,C間に一定の電流を印加した状態で、電圧測定用電極A,D間において両電極間の電圧を測定し、この測定した電圧から身体内インピーダンスZiを求めるようにしたものが知られている。
また、測定個所の異なる測定器としては、図7に示されるように、左右の手をそれぞれ接触させるように電流印加用電極B,Cと電圧測定用電極A,Dとからなる電極対を設け、電流印加用電極B,C間に一定の電流を印加した状態で、電圧測定用電極A,D間において両電極間の電圧を測定し、この測定した電圧から身体内インピーダンスZiを求めるようにしたものがある。また、この他に、手と足にそれぞれ各電極対を設けて手足間に存在する身体内インピーダンスZiを求めるようにしたものも提案され、実用化されている。
ところで、測定器の電極とその電極に接触する被検者皮膚面との間には図6、図7に示される接触抵抗ZA,ZB,ZC,ZDが存在し、被検者の皮膚表面の乾湿や皮膚の状態によってそれらの値は数100Ωから数KΩにも変化するため、数100Ω程度の身体内インピーダンスを正確に測定しようとするとき、前記接触抵抗の値が身体内インピーダンスの測定値に加わると大きな測定誤差となる。したがって、正確な測定値を得るためには、接触抵抗を除去し、身体内インピーダンスのみが抽出されるような測定がなされなければならない。
また、手、特に指で電極を摘む測定方式では、指自体に数100Ωの抵抗を有しており、指の内部組織は身体内組織であるとは言え、体脂肪への関連は小さいので、指組織部の抵抗を除外して身体内のインピーダンスを測定する必要がある。
このような測定を可能にする測定法が4端子法であり、原理的に接触抵抗や身体末端組織のインピーダンスを除いて身体内組織のみのインピーダンスを測定できるものとして多用されている。しかし、この4端子法による測定を用いたとしても、電極と被検者皮膚面との間の接触抵抗が大き過ぎる場合には正確な測定が行えない。
図8には、前述の4端子法によって身体内インピーダンスを測定する場合の測定回路の概略図が示されている。この図において、差動増幅器AMP1を含む定電流回路から電極B,C間に一定電流Iを流すことで身体内に一定電流Iが注入される。この場合、被検者の皮膚と電極A,B,C,Dとの間の接触抵抗がそれぞれZA,ZB,ZC,ZDで表され、測定個所が指の場合には指の関節組織のインピーダンスもそれら接触抵抗ZA,ZB,ZC,ZD内に含まれる。
この測定回路においては、定電流Iを流すことによって身体内組織P,Q間にはZi・Iの電位差が発生するので、この値を、電極A,D間に差動増幅器AMP2を含む測定回路を接続し、この差動増幅器AMP2の出力電圧として読み取るようにされる。このとき、接触抵抗ZA,ZDに比べて測定回路の入力抵抗を十分高くしておけば、接触抵抗ZA,ZDに対して電流が流れることがなく、これら接触抵抗ZA,ZDに電位降下は生じないので、電極A,D間を測定することによりP,Q間の電位差が測定できるようになり、差動増幅器AMP2の出力V1としてZi・Iの値にほぼ等しい電圧値が得られる。
したがって、この出力電圧V1を測定し、予め既知の値であるIを用いてV1/I=Ziと演算して身体内インピーダンスZiを求めることができる。ここで、定電流Iを決定する具体的回路定数としては、例えば参照抵抗Rsを2KΩ、参照電圧Vcを1Vに設定すると、定電流IはVc/Rs=0.5mAに制御される。
差動増幅器AMP1の出力負荷はZiとZB、ZC、定電流回路用の参照抵抗Rsであるが、身体内インピーダンスZi=500Ωであるとすれば、Rs=2KΩであるから、差動増幅器AMP1の飽和出力電圧が3Vであるとすれば、ZB+ZC=3.5KΩになれば出力負荷の合計値が6KΩとなり、定電流0.5mAを供給できる限界となる。したがって、定電流経路にある接触抵抗値の合計が3.5KΩを越えると、差動増幅器AMP1は定電流Iを維持できなくなるので正しい測定値は得られなくなる。
一方、電圧測定回路側では電極A,Dにおける被検者の接触状態が適切でなければ接触抵抗ZA,ZDは極めて大きい値になり、差動増幅器AMP2の入力抵抗部分は誘導ノイズを受けて出力電圧V1はノイズ信号の大きさや接触抵抗ZA,ZDの大きさによって任意の値を取る。
以上に説明したような事情を考慮して、4端子法の適用に関しては、誤測定を防止する手段を設けるようにしたものが提案されている。例えば特許文献1に記載されている測定法を図8を用いて説明する。この公報に記載されたものでは、電極B,C間に定電流を流し、電極A,D間の電位差を差動増幅器AMP2によって測定することにより、身体内組織の両端の点であるP点とQ点との間に発生した電位差を測定し、これによって身体内インピーダンスを求めるようにされている。
この場合、被検者の電極B,Cへの接触状態が適切でなければ、接触抵抗ZB,ZCは大きい値になるので定電流回路は定電流Iを維持することができなくなり、誤測定となる。そのために、電極A,D間の電位差を測定する前に電極B,A間、電極D,C間の電位差をそれぞれ差動増幅器APM2によって測定するようにされる。ここで、接触抵抗ZB,ZCが極めて大きい値であれば電極B,A間、電極D,C間の電位差は大きい値となる。また、接触抵抗ZB,ZCが小さい値を取るときには、接触抵抗ZB,ZCにはそれぞれ一定電流Iが流れているのでそれら接触抵抗ZB,ZCに発生する電位差も小さくなる。
そこで、電極B,A間および電極D,C間の測定電位差が小さいときには接触抵抗ZB,ZCも小さいとして、それぞれの電位差を測定し、この測定された電位差が規定値より小さいときには適切な測定条件にあると判定される。そして、その上で電極A,D間の電位差をやはり差動増幅器AMP2によって測定して身体内インピーダンスを求めるようにされている。
一方、特許文献2においては、従来の4端子法におけるように、対をなす電圧測定電極および電極間電位差を測定する差動増幅器AMP2を設けず、図8に示される全ての電極を電流電極として、定電流回路における差動増幅器AMP1を電極A,B間、電極C,D間、電極A,C間および電極B,D間に4通りに切り換えながら定電流Iを流し、接触抵抗値を含む身体内インピーダンス値と接触抵抗値のみをそれぞれ分離して求め、接触抵抗値を含む身体内インピーダンス値から接触抵抗値分を差し引くことで身体内インピーダンスのみを求めるようにした方法が提案されている。
しかしながら、前記特許文献1に記載のものでは次のような問題点がある。すなわち、今、例えば接触抵抗ZBに電流を流し、電極A,B間の電位差を測定することによってP点と電極Bとの間の電位差を測定して接触抵抗ZBの大小を判定する場合について検討する。この場合、図9に示されるように、電極AにはストレイキャパシタンスZsを通して誘導ノイズ源から電圧NEの信号が付加されているので、P点の電位とノイズ信号電圧NEの大きさとストレイキャパシタンスZsと接触抵抗ZAの大きさの比でもって電極Aにおける電位は決まる。接触抵抗ZAは0から無限大まで、接触状態によって種々の値を取る。接触抵抗ZAがストレイキャパシタンスZsに比べて十分小さい場合にはノイズ電源の信号は無視できるが、被検者の接触状態が適切でなく接触抵抗ZAが大きいときにはノイズ電圧の影響が大きくなり、差動増幅器AMP2の出力は必ずしも電極BとP点との電位差を表さないことが起こり得る。一方、接触抵抗ZAがストレイキャパシタンスZsに比べて大きい場合でノイズ電源NEが差動増幅器AMP1の出力電圧に近ければ、電極Aの電位は電極Bに近い場合があり得て差動増幅器AMP2の出力は小さくなる。このことはQ点と電極D間の電位差測定に関しても同様である。
以上のことから、測定回路側の接触抵抗ZA,ZDの大きさを判定せずに定電流印加経路接触抵抗ZC,ZBを測定・判定しようとすれば、定電流印加経路接触抵抗ZC,ZBの大きさが正しく判定されず、身体インピーダンスZiを誤測定する可能性を有している。
これに対して前記特許文献2のものでは、全ての接触抵抗値を一旦定電流経路に入れて、定電流回路の増幅器出力電圧値から値の範囲を求めているので、誘導ノイズ電源の影響を受けずに確実に接触抵抗値を測定できるという利点を有している。しかし、この公報に記載の方法では、4回の電流経路切り換えを繰り返す必要があることから、測定シーケンス上での応答速度の点で難点がある。
特開平7−51242号公報 特開2001−104271号公報
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、誘導ノイズの影響を全く受けることなく確実にかつ正しく接触抵抗の大きさを測定することができ、しかも測定サイクルを短縮できて測定値の応答性を高めることのできる体内脂肪計を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、第1発明による体内脂肪計は、
被検者の皮膚面に複数の電極を接触させ、定電流制御用増幅器を介して前記電極から被検者の身体内に定電流を供給し、各電極間に存在する身体内インピーダンスを測定するようにした体内脂肪計において、
前記身体内インピーダンスを測定するインピーダンス測定手段が、一つの定電流印加経路内に含まれる被検者の皮膚面と電極との間の接触抵抗と身体内インピーダンスとの合成インピーダンスを測定するステップと、前記定電流印加経路内に含まれる前記接触抵抗を測定するステップと、これら各ステップにより得られる合成インピーダンスと接触抵抗とから身体内インピーダンスを測定する手段であることを特徴とするものである。
また、第2発明による体内脂肪計は、
被検者の皮膚面に複数の電極を接触させ、定電流制御用増幅器を介して前記電極から被検者の身体内に定電流を供給し、各電極間に存在する身体内インピーダンスを測定するようにした体内脂肪計において、
前記身体内インピーダンスを測定するインピーダンス測定手段が、電極間への定電流印加経路を切り換えることによって一つの電極における電圧測定値から身体内インピーダンスを測定する手段であることを特徴とするものである。
前記第2発明において、前記電圧測定値の許容範囲を規定することによって誤測定を防止する誤測定判定手段が設けられるのが好ましい(第3発明)。
第1発明によれば、接触抵抗と身体内インピーダンスとの合成インピーダンスと、接触抵抗とをそれぞれ分離して測定することができるので、接触抵抗の影響を除去して高精度の身体内インピーダンスを求めることができる。また、一箇所の電極と測定回路コモンとの間の電位差測定で良いことから、接触抵抗の大きさを判定する定電流制御用増幅器の出力電圧の測定とともに、シングル入力増幅器にて対応することが出来るので、回路構成が2入力差動増幅方式に比べて簡略化できる。
第2発明によれば、従来装置に比べて定電流印加経路を一つ減らし、一箇所の電極に電圧測定回路が設けられているので、定電流を与える電流路の切り換え回数を少なくすることができるので、その分測定サイクルを短縮することができて測定値の応答性を高めることができる。
第3発明によれば、定電流経路内の接触抵抗および測定電圧入力点の接触抵抗の適切性をその都度正しく判定して測定値を得ることができるので、より信頼性の高い測定値を得ることができる。
次に、本発明による体内脂肪計の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
図1には、本発明の第1の実施形態に係る体内脂肪計の回路構成図が示されている。図において、破線で囲まれた部分が体内脂肪計(測定器)1における測定回路2のブロックを示し、破線外の部分が被検者の身体内インピーダンスおよび電極部の接触抵抗よりなる測定対象回路3を示している。
本実施形態の測定回路2においては、測定信号として交流信号が用いられる。この交流信号は整流回路REによって整流され、フィルターFにて平滑化された後、A/D変換器A/Dによってデジタル化され、このデジタル化された信号は、各種信号を受け渡しする入出力回路I/Oを介して中央処理装置CPUに送り込まれる。そして、中央処理装置CPUにて処理された信号のうち、例えば体脂肪率などの外部へ表示すべきデータは入出力回路I/Oを通して表示器DISへ送られてその表示器DISに表示される。また、入出力回路I/OにはキースイッチKEYが接続され、測定に必要なデータ、例えば体脂肪率算出に必要な性別、年齢等の設定データはそのキースイッチKEYから入力される。なお、このキースイッチKEYは体脂肪率測定開始指令のような操作ボタンとしての機能も有している。
前記中央処理装置CPUにはROM,RAMなどの素子により構成される記憶装置MEMが付設され、この記憶装置MEMに設定値、演算操作のためのデータおよびその操作プログラムが記憶されるようになっている。また、この測定回路2内にはアナログスイッチAS1,AS2が設けられ、これらアナログスイッチAS1,AS2が、操作シーケンスにしたがって入出力回路I/Oからのスイッチ切り換え用制御信号ASGによって回路の切り替えを行うようにされている。
一方、前記測定対象回路3において、測定対象である被検者の身体内インピーダンスが記号Ziにて表され、被検者の皮膚面と電極A,B,C,Dとの接触抵抗がそれぞれ記号ZA,ZB,ZC,ZDにて表されている。なお、これら接触抵抗ZA,ZB,ZC,ZDの中には、電極A〜Dに接触する皮膚近くの組織インピーダンスも含まれている。特に、2本の指で電極を摘む測定器の場合には、それぞれの指の関節などの組織抵抗値が含まれている。図中、P点およびQ点は、身体内組織の両端部の箇所を表しているが、これらの箇所は身体の組織内に存在する点であり、例えば指の場合であれば、図7に示されるように、2つの電極を摘んだ指の付け根周辺箇所を表している。
また、前記測定回路2には、被検者の身体内に定電流を供給するための定電流制御用増幅器AMP1が設けられ、この増幅器AMP1に印加される参照電圧Vcと、値が既知の参照抵抗Rsとによって定電流Iが身体内に流れるように回路が制御される。また、この測定回路2にはシングル入力増幅器AMP2が設けられている。このシングル入力増幅器AMP2は、フィードバック抵抗RFと入力抵抗RIでもってゲインが決められており、所定の測定点と測定回路コモン間の電位差を測定するものである。このシングル入力増幅器AMP2には、定電流制御用増幅器AMP1の出力と測定回路コモンEとの間の電位差およびP点、Q点と測定回路コモンEとの間の電位差がそれぞれ入力される。ここで、P点、Q点と入力抵抗RIとの間には接触抵抗ZB,ZCが介入する形になり、これら接触抵抗ZB,ZCの値が大きいとゲインが低下したり、誘導ノイズが混入したりして測定誤差が生じることになる。そこで、本実施形態では、測定可否判定手段によって接触抵抗ZB,ZCが入力抵抗RIに比べて十分に小さいことが判定された後に測定動作に入るようにされている。
前記測定可否判定手段は以下のようにして身体内インピーダンスの測定に適切か否かを判定する。すなわち、まず、ステップ1で、測定開始指令によってアナログスイッチAS1の接点をo−mに接続して定電流制御用増幅器AMP1の出力がシングル入力増幅器AMP2の入力抵抗RIに接続されるようにする。これと同時に、アナログスイッチAS2の接点をm−b,n−cに接続して電極B,C間に定電流経路を形成し、定電流制御用増幅器AMP1の出力電圧V1を測定することによって、この出力電圧V1が規定値内に入っているか否かを判定し、接触抵抗ZB,ZCの値が測定に適するほど十分小さい値であるか否かを確認する。
こうして接触抵抗ZB,ZCが小さいことが判定できれば、続いてステップ2で、アナログスイッチAS2の接点をm−a,n−dに切り換えて電極A,D間に定電流経路を形成し、定電流制御用増幅器AMP1の出力電圧V1を測定することによって、この出力電圧V1が規定値内に入っているか否かを判定し、接触抵抗ZA,ZDの値が測定に適するほど十分小さい値であるか否かを確認する。
次に、接触抵抗ZB,ZC,ZA,ZDのそれぞれが測定に適するほどに小さいことを正しく確認できる理由について説明する。
定電流制御用増幅器AMP1は定電流制御されているので、負荷抵抗が小さくなるほど出力電圧V1は小さくなる。定電流制御できない状態は、定電流制御用増幅器AMP1に大きい負荷が加えられたときであり、ある一定値以上に負荷が大きくなれば定電流制御用増幅器AMP1の出力は飽和電圧Vsになる。
回路に定電流Iが流れるように制御できているとき、定電流制御用増幅器AMP1の出力V1は次式で表される。
V1=(ZA+ZD+Zi)・I+Vc<Vs
ここで、Ziは身体内インピーダンスであり、通常500Ωから1KΩの範囲の値である。
いま、仮に、Vc=1V(Rs=2KΩ)、I=0.5mAとし、接触抵抗ZA,ZDの測定に適する接触状態での値が最大150Ωであるとすると、出力電圧V1の最大値は被検者の身体内インピーダンスが1KΩであったときであるから、出力電圧V1は、次式となる。
V1≦(150+1000+150)×0.5mA+1=1.65V
この1.65Vをもって、被検者が適切に電極に接触し、接触抵抗値が正常測定できる状態である場合の定電流制御用増幅器AMP1の出力の最大電圧とする。
ただし、この最大電圧値(1.65V)を規定値Veとして接触抵抗の大きさに制限を加える条件とすると、身体内インピーダンス500Ωの被検者が測定する場合に最も大きい接触抵抗値を許すことになる。このときの接触抵抗値の範囲はV1≦Veより次式となる。
(ZA+ZD+500)×0.5≦0.65
ZA+ZD=1300−500≦800Ω
この800Ωの値は二つの接触抵抗の和の値としてはまだ大きいが、ストレイキャパシタンスの値から見て十分小さいので、既に誘導ノイズを受ける値の範囲ではない。また、誘導ノイズがあっても、誘導ノイズ電源からの注入電流はストレイキャパシタンスが大きいため、正常動作時の定電流0.5mAに影響を与えない。また、入力抵抗に直列に入っていても、入力抵抗値の方を測定精度を考慮して十分大きい値に選んでおけばゲイン誤差も発生しない。また、接触抵抗ZB,ZCも同様の方法で範囲を制限するので、これら接触抵抗ZB,ZCやZA,ZDが測定回路の入力点に存在していても正確に電圧測定するには十分小さい値であることが確認できる。
しかし、電圧測定のみならず、身体内インピーダンスZiの測定時に定電流の経路に入る接触抵抗ZA,ZDの値はさらに安定であればあるほど身体内インピーダンスZiを安定的に求めることができる。そこで、V1≦Veの判定だけでなく、この不等式が成立した後にV1の値が安定すること、例えば測定値V1が複数個続けて予め定めた一定の幅の値Vbに入ることを中央処理装置CPUのプログラムによって検出するようにする。
このようにしてV1≦Veが成り立ち、かつそのV1の値が安定したところでそのV1の値を記憶装置MEMに記憶させ、続いてアナログスイッチAS1の接点をo−bに接続して電極Bと入力抵抗RIとを接続し、電極Bと測定回路コモン電位Eとの間の電位差V2を読み取る。次に、アナログスイッチAS1の接点をo−cに接続して電極Cと測定回路コモン電位Eとの間の電位差V3を中央処理装置CPUにて読み取る。
先の手続きで接触抵抗ZB,ZCが入力抵抗RIに比べて十分に小さいことが確かめられているので、増幅器ゲインはRF/RIで決定されること、また入力抵抗RIは予めP点、Q点と信号源との間のインピーダンスに比べて十分大きい値に選んでいるので、P点、Q点と測定回路コモン電位Eとの間の電位差V2,V3をシングル入力増幅器AMP2の出力電圧によって正確に安定して求めることができる。
こうして、次式(1)(2)が成り立つので、式(1)−式(2)の演算によって身体内インピーダンスZiを求めることができる。
V1/I=Zi+ZD+Rs ………………(1)
V2/I=ZD+Rs ………………(2)
従来の回路による接触抵抗評価方式においては、接触抵抗ZA,ZDを評価対象としたとき、差動入力測定回路によって接触抵抗ZAの両端電圧を測定してその大きさを判定し、次に接触抵抗ZDの両端電圧を測定してその大きさを判定するように構成されていたのに対し、本実施形態の方式によれば、安定性を確かめるのに測定回路を切り換える必要がなく、常に増幅器AMP1の大きさのみを評価すれば良いという利点がある。また、従来回路では、身体内インピーダンス測定のため電流を流す経路に入っている接触抵抗の大きさを測定評価するための回路、すなわち差動増幅器入力に測定時点で大きさ不明の接触抵抗が加わっている故に誤測定、誤判定の可能性があったのに対して、本実施形態の回路では、そのような要素が関係しない回路になっており、誤測定防止の点で改良されている。なお、本実施形態の回路においては、それぞれ組みをなす2個の接触抵抗を評価するための回路切り換えは必要であるが、4個の接触抵抗について個々の測定に対する回路切り換えは必要としない。
(第2の実施形態)
図2には、本発明の第2の実施形態に係る体内脂肪計の回路構成図が示されている。本実施形態においては、アナログスイッチAS2が電極B,C間を接続もしくは切断する位置に設けられている。なお、本実施形態において、先の実施形態と共通する部分および対応する部分には図に同一符号を付すか、あるいは図示省略されている。
本実施形態においては、測定開始指令後、アナログスイッチAS2をONして電極A,D間に定電流Iを流し、アナログスイッチAS1の接点をo−mに接続して定電流制御用増幅器AMP1の出力電圧V1を測定する。この場合、定電流制御用増幅器AMP1の出力には接触抵抗ZA+ZDの直列回路と、接触抵抗ZB+ZCが身体内インピーダンスZiに並列接続された回路がそれぞれ直列に入ることになる。
ここで、被検者の身体内インピーダンスZiは最大の人でも1KΩ以下の大きさであるので、接触抵抗ZB,ZCが測定に適する状態における値のうちの最大値を取ったとしても、すなわち、例えばZC=ZB=150Ωであったとしても、Ziとの並列抵抗部の最大抵抗値は1KΩと300Ωの並列抵抗値約231Ωである。そして、ZA+ZDの最大値も300Ωであるから、各電極が測定に適切な接触抵抗値の最大値であって、被検者も最大の身体内インピーダンスを持つ人であることが重なった場合でも電極A,D間の最大抵抗値は531Ωと計算される。言い換えればどのような身体内インピーダンスを持つ被検者でも正常な接触状態においては、電極A,D間の合成抵抗値が531Ωを越えることがない。
そこで、電流I=0.5mAのとき、接触状態が正しければ電極A,D間の抵抗が531Ω以上になるようなことはあり得ない。逆に531Ω以上であればどこかに接触状態が適切でない箇所があるとして、規定電圧値をVe=531×0.5mA=265.5mVと決めて定電流制御用増幅器AMP1の出力電圧V1を監視し、V1≦Veの判定によって全ての接触抵抗が正常な測定可能な範囲になる状態を検出するようにする。
また、身体内インピーダンスが500Ωの人で、例えばZB,ZC,ZDが接触抵抗として最小である50Ω程度のとき、V1≦Veの判定だけでは、ZAにかなり大きい値を許容し得るので、V1の変化が一定の幅Vb以内にいくつかのデータ分だけ継続的に収まっているという安定判定条件を測定値V1に対して加え、その状態を確認の上でアナログスイッチAS2を開き、電流経路をZA,Zi,ZDの経路にして、アナログスイッチAS1の接点を今までのo−mからそれぞれo−b,o−cと順次切り換えてV2,V3を測定して身体内インピーダンスZiを求めるようにすれば、適切な測定が可能になる。
(第3の実施形態)
図3には、本発明の第3の実施形態に係る体内脂肪計の回路構成図が示されている。本実施形態においては、アナログスイッチAS1,AS2の構成が先の各実施形態と異なっている。なお、本実施形態においても、先の実施形態と共通する部分および対応する部分には図に同一符号を付すか、あるいは図示省略されている。
本実施形態においては、ステップ1で、アナログスイッチAS2の接点をm−a,n−bに接続するとともに、アナログスイッチAS1の接点をo−mに接続することによって、定電流Iを電極A,B間に流し、このときの定電流制御用増幅器AMP1の出力と測定回路コモンEとの電位差V11を測定することによって、接触抵抗の和ZA+ZBの値の大きさを判定し、規定値Vtを設けて電位差V11がその規定値Vt内に入っているか否か、言い換えれば次式が成立しているか否かを判定する。
V11=(ZA+ZB+Rs)・I≦Vt
さらに、この電位差V11の変化幅に対しても規定値Vfを設け、この電位差V11の変化幅が継続的にVfの中に入っていることを確認する。
次に、ステップ2で、アナログスイッチAS2の接点をm−c,n−dに接続することによって定電流Iを電極C,D間に流し、このときの定電流制御用増幅器AMP1の出力と測定回路コモンEとの電位差V12を測定することによって、接触抵抗の和ZC+ZDの値の大きさを次式にて判定する。
V12=(ZC+ZD+Rs)・I≦Vt
また、この電位差V12の変化幅に対しても規定値Vfを設け、この電位差V12の変化幅が継続的にVfの中に入っていることを確認して、アナログスイッチAS1の接点をo−bに接続する。こうして、電極Bをシングル入力増幅器AMP2の入力抵抗RIに接続することによってQ点と測定回路コモンEとの電位差V3を測定し、次式によって接触抵抗ZDの値を求める。
V3=(ZD+Rs)・Iより、
ZD=(V3−Rs・I)・I …………(3)
次に、ステップ3で、アナログスイッチAS2の接点をm−a,n−dに接続し、電極Bと測定回路コモンEとの間の電位差V2をシングル入力増幅器AMP2の出力でもって測定する。このとき次式が成り立つ。
V2=(Zi+ZD+Rs)・Iより、
Zi+ZD=(V2−Rs・I)/I …………(4)
こうして、式(3)−式(4)より、次式によって身体内インピーダンスZiを求めることができる。
Zi=(V2−V3)/I
本実施形態では、3回の電流経路切り換えで身体内インピーダンスを求めることができる。3回のうち2回において、接触抵抗部に定電流を印加するのは、(i)全ての接触抵抗の大きさの適切性を、身体内インピーダンスから独立させることでより厳密に小さい値を取る状態の判定が行えるようにすること、(ii)次に定電流を印加する経路にて接触抵抗と身体内インピーダンスとの合成インピーダンスを測定することを前提に、該定電流印加経路内に含まれる接触抵抗値を得るための手続とすること、の二つの目的を同時に実施するためである。そして、次の3回目の手続において、測定された接触抵抗を含むように、この接触抵抗と身体内インピーダンスとが直列に合成された一つの経路を選んで定電流を印加して直列の合成インピーダンス値を求めるようにされる。こうして、この合成インピーダンス値から接触抵抗値を差し引いて身体内インピーダンスが求められる。
本実施形態において、電流切り換え回数は先の各実施形態のものより一回多くなるが、身体内インピーダンスZiの大きさの範囲が関係せず、2組の接触抵抗のみの大きさがそれぞれ身体内インピーダンスから独立して判定できるので、先の各実施形態のものに比べて、より厳密に接触状態の適否判定が可能である。
また、本実施形態では、身体内インピーダンスを測定するのに必要な測定値は全て一つの電極Bを測定すれば良いようになっている。従来の差動増幅器による2点間電位検出方式の場合には、2箇所の測定入力にスイッチ切り換えが必要であるのに対して、1箇所の切り換えで良いので、接触インピーダンスの大きさを評価するための定電流回路増幅器出力および電極Bからの信号もシングル入力増幅器を設けて測定評価でき、両方の入力に対して2接点切り換えのアナログスイッチAS1を設けるのみで測定回路が構成できるという利点がある。
また、本実施形態によれば、電流経路、電圧測定経路に存在する接触抵抗の大きさを必ず測定に先立って測定に適切な範囲にあることを確認し、正確な測定ができるようにしている上、電極の電圧測定を加えることによって従来の4回の電流切り換え数を減らして、測定の応答速度を上げることができるという利点もある。
(第4の実施形態)
図4には、本発明の第4の実施形態に係る体内脂肪計の回路構成図が示されている。本実施形態においては、定電流を印加する経路を電極C,D間および電極A,D間としそれら経路をアナログスイッチAS2によって切り換えるようにし、また電極Bと定電流制御用増幅器AMP1の出力とを切り換えて測定できるように、シングル入力増幅器AMP2の入力側にアナログスイッチAS2を設けた構成とされている。また、シングル入力増幅器AMP2はボルテージフォロワの形に代えて、入力抵抗がゲインに影響しないようにされている。ただし、入力抵抗を信号源抵抗に比べて十分大きくしておけば、必ずしもボルテージフォロワの形ではなく、電流増幅形であっても良い。なお、本実施形態においても、先の実施形態と共通する部分および対応する部分には図に同一符号を付すか、あるいは図示省略されている。
本実施形態においては、ステップ1で、接触抵抗ZB,ZC,ZDのチェックを行う。すなわち、アナログスイッチAS2の接点をm−cに接続するとともに、アナログスイッチAS1の接点をo−mに接続することによって、定電流Iを電極C,D間、言い換えれば接触抵抗ZC,ZDおよび参照抵抗Rsに流す。なお、この定電流回路は回路負荷が制御範囲内であれば一定の電流値Iが流れるように構成されているものとする。
このとき、被検者が電極C,Dに適切に接触している場合の接触抵抗の最大値をそれぞれZCmax,ZDmaxと規定すると、回路電流は定電流値Iを取り、参照抵抗Rsの値は既知であるので、被検者の電極への適切な接触状態における定電流制御用増幅器AMP1の出力電圧V1の最大値を決定することができる。この最大値をV1maxとすると、出力電圧V1の値が取る範囲は次式となる。
V1max=(Rs+ZCmax+ZDmax)・I≧V1 …(5)
出力電圧V1が式(5)を満足したとき、被検者の電極C,Dへの接触状態は適切であると判定し、アナログスイッチAS1の接点をo−bに切り換え、電極Bと測定回路コモンEとの間の電圧V3を測定する。なお、このステップ1において電流は身体内インピーダンスZiの方へは流れないので、電極Bには身体内のQ点の電圧が流れる。ここで、予めRs,ZCmax,ZDmaxを定電流回路の負荷としても定電流制御用増幅器AMP1の出力電圧が飽和しないような回路条件が確認されれば、V1max≧V1は、定電流回路が定電流制御している状態を示すための必要十分条件となる。
反対に、測定開始後に出力電圧V1の値が一定時間以上前記式(5)を満足しないときには警報を出して測定を中止するようにする。
被検者の電極Dへの接触状態が適切であるとき、接触抵抗ZDの取る範囲が最大値ZDmax、最小値ZDminであるとすれば、Q点と回路コモンE間の電圧V3の取り得る範囲は次式となる。
(Rs+ZDmax)・I≧V3≧(Rs+ZDmin)・I …(6)
なお、適切な接触状態における接触抵抗はZDmax=150Ω、ZDmin=50Ω程度であるため、この電圧V3の取るべき値の範囲は狭い。定電流Iが流れていることは式(5)で確認されているので、式(6)が満足されなければ、上記と同様に次の測定へ進めないようにする。
ここで、電極Bへの被検者の接触状態が不適切であるために接触抵抗ZBの値が大きい場合は誘導ノイズの影響を受け、電圧V3が任意の値を取る可能性がある。しかし、電圧V3が誘導ノイズを受けながらも狭い電圧範囲である式(6)を満足する確率は低いと判断できるので、式(6)が満足されれば接触抵抗ZBも適切な値と判定することができる。
なお、従来の4端子法の場合には、電極間の電圧測定によって求めた身体内インピーダンスが適切な値の範囲にあるか否かで測定結果の適切性を判断していたが、身体内インピーダンスが適正値とされる範囲は500Ωから1000Ωと範囲が広く、それだけ測定電圧の広い範囲を適切と判定しなければならないので誤測定の確率も高くなっていた。
以上のステップ1の手続によって、式(5)、式(6)を満足すれば、次にステップ2において、接触抵抗ZB,ZAのチェックを行うために、アナログスイッチAS2の接点をm−aに接続するとともに、アナログスイッチAS1の接点をo−mに接続し、定電流Iを電極A,Dの経路、すなわち抵抗ZA,Zi,ZD,Rsに流す。このとき、被検者が電極A,Dに適切に接触している場合の接触抵抗の最大値をそれぞれZAmax,ZDmax、最小値をそれぞれZAmin,ZDminとすると、適切な接触状態において定電流制御用増幅器AMP1の出力電圧V1の取る範囲は次式となる。なお、予め定電流回路はZAmax、ZDmaxの場合でも定電流Iが流れるように制御できる回路条件が設定されているものとする。
(Rs+ZAmax+ZDmax)・I≧V1 ……(7)
こうして、電圧V1が式(7)を満たしたとき、被検者の電極A,Dへの接触状態は適切であると判定し、アナログスイッチAS1を接点o−bに切り換え、電極Bと測定回路コモンEとの間の電圧V2を測定する。また、この式(7)の成立によって定電流回路は定電流Iが流れるように制御されていることが判定できる。一方、電圧V1の値が一定時間以上式(7)を満足しないときには警報を出して測定を中止する。
シングル入力増幅器AMP2の入力抵抗は測定信号の信号源インピーダンスに比べて十分大きくなるような回路構成とされていて、電流は接触抵抗ZBの方へは流れないので、電極Bの電圧としては身体内のP点の電圧が現れる。このとき電圧V2の値の適切な範囲は次式となる。
(Rs+Zimax+ZDmax)・I≧V2≧(Rs+Zimin+ZDmin)・I ………………(8)
定電流Iが流れていることは式(7)で確認されているので、式(8)が満足されなければ、上記と同様に次の測定へ進めないようにする。
電極Bの接触抵抗値は既に式(6)によって確率的に考えて小さいものであると評価されているが、更に電圧V2が式(8)を満足する範囲にあれば、接触抵抗ZBの値は測定するに適切なほど、すなわち誘導ノイズを受けないほどに小さい値であったことが確認されて、より確率的に適切な測定が進行していると判定できる。
また、電圧V2の値が一定時間以上式(8)を満足しないときは警報を出して測定を中止するようにする。こうして、求められた電圧V3,V2より、次式を演算して身体内インピーダンスZiが求められる。
V2−V3=Zi・I
本実施形態においては、電圧V2,V3をそれぞれ測定しながら定電流経路内の接触抵抗および、測定電圧入力点の接触抵抗の適切性をその都度判定して、最終的に測定値を得るようにしているので、従来の4端子法に比べて信頼性の高い測定値を得ることができる。
(第5の実施形態)
図5には、本発明の第5の実施形態に係る体内脂肪計の回路構成図が示されている。本実施形態においては、前記第4の実施形態において、アナログスイッチAS1を省略したものである。本実施形態の回路構成の場合、直接、定電流回路の正常な動作状態を確認することはできないものの、従来の4端子法に比べてより信頼性の高い状態で身体内インピーダンスZiを測定することができる。なお、本実施形態においても、先の実施形態と共通する部分および対応する部分には図に同一符号を付すか、あるいは図示省略されている。
本実施形態においては、ステップ1で、接触抵抗ZB,ZC,ZDのチェックを行うために、アナログスイッチAS2の接点をm−cに接続して定電流Iを電極C,D間、すなわち接触抵抗ZC,ZDおよび参照抵抗Rsの経路に流す。
このとき、被検者が電極Dに正常に接触している場合の接触抵抗の最大値をZDmax、最小値をZDminとすると、正常な接触状態においてQ点に発生する、測定回路コモンEとの間の電圧V3が取る値の範囲は次式となる。
(Rs+ZDmax)・I≧V3≧(Rs+ZDmin)・I ……(9)
この値は電極Bに現れ、電圧測定回路のシングル入力増幅器AMP2によって測定される。既知のRsの値を例えば2000Ωとし、接触抵抗ZDの適切な値を50〜150Ω、定電流値Iを0.5mAとすると、式(9)は電圧V3に対して次式の範囲に規定される。
1.075≧V3≧1.025 ……………(10)
被検者の電極への接触状態が電極Dのみならず、電極B,Cに対して同時に適切であれば電圧V3の値は式(10)を満足する。しかし、電極Cまたは電極Dへの接触状態が不適切であり、接触抵抗ZCまたはZDが大きい値を取ると、定電流回路がI=0.5mAに維持、制御できず電流値がI'(<I)に減少して、V3=(Rs+ZD)・I'となる場合でもV3が式(10)を満足することがあり得る。また、接触抵抗ZC,ZDが適切な値であっても、電極Bへの接触状態が不適切であって接触抵抗ZBが誘導ノイズの影響を受けるほど大きい場合には、この誘導ノイズによってV3が式(10)を満足することがあり得る。したがって、式(10)を満足しても被検者が各電極と適切な接触状態にあり、適切な測定が行われているとは限らない。
しかしながら、式(9)は比較的狭い範囲の電圧値の規定であり、接触抵抗ZB,ZC,ZDが不適切な値を取ったときにV3が式(9)を満足する確率は小さい。したがって、式(9)は接触抵抗ZB,ZC,ZDが適切な値を取るための必要十分条件ではないが、V3が式(9)を満足していれば確率的に接触抵抗ZB,ZC,ZDは適切な状態であると判定して次のステップへ進む。
次にステップ2において、接触抵抗ZA,ZB,ZDのチェックを行うために、アナログスイッチAS2の接点をm−aに接続し、定電流Iを電極A,Dの経路、すなわち抵抗ZA,Zi,ZD,Rsに流す。このとき、被検者が電極A,Dに正常に接触している場合の接触抵抗ZDの最大値をZDmax、最小値をZDminとし、通常の被検者に存在する身体内インピーダンスZiの最大値をZimax、最小値をZiminとすると、被検者の電極Aへの接触状態が適切であれば定電流増幅回路には定電流Iが流れるように制御されるので、増幅器AMP2の出力電圧V2の取る範囲は、様々な身体内インピーダンスを持つ被検者を考慮して次式となる。
(Rs+Zimax+ZDmax)・I≧V2≧(Rs+Zimin+ZDmin)・I ………………(11)
電圧V2の値が一定時間以上式(11)を満足しないときには測定不良を警報し、満足したときには次へ進む。なお、接触抵抗ZBは既に適切性がチェックされているが、V2を測定する場合もZBが大き過ぎるとV2の値は不適切になって、式(11)を満足する確率は低くなるので、式(11)が成立するとの判定には再度のZBのチェックも含まれる。
ここで、電極A,D間に電流を流したときQ点と回路コモンE間に現れる電圧をV3"とする。電極C,D間に電流を流した場合も、電極A,D間に電流を流した場合も、定電流Iが維持される接触抵抗の状態であればV3=V3"となるが、電極Aへの接触状態が不適切であるとZAの値が大き過ぎて増幅器AMP1は定電流Iを維持することができず、回路電流はI"(<I)に減少するので、
V3"<V3
になる。ここで、Ziを求めるために、本実施形態では、次式を演算する。
Zi=(V2−V3)/I
この式においてV2は、電流を電極A,D間に流したときに電圧V3"がQ点に現れた場合のP点に現れる電圧値であるので、V2−V3の値は次の不等式を満たし、ZAが不適切に大きな値を取ったときは、従来の4端子法より小さく測定できることになる。
V2−V3<V2−V3"
したがって、本実施形態による回路構成においては、被検者の電極Aへの接触が不適切な場合に、測定結果が通常の人が取る身体内インピーダンスの範囲を下回る確率が従来の4端子法による電圧測定電極間の電圧測定法よりも高くなるので、誤測定の検出がより確実に行えることになり、正確な測定が可能になる。
従来の4端子法であれば、2つの電圧測定電極間に現れた電圧V2,V3"を測定してV2−V3"として身体内インピーダンスZiを求め、その後にZiの大きさの妥当性を判定してZA,ZDの不適切性を判断している。この従来方法では、ZA,ZDが大きい場合には定電流回路が飽和して、身体内に流れる電流はIより小さくなり、V2−V3"によって通常の人に存在するより小さい身体内インピーダンスが導かれ、測定の不適切さが判定できるが、身体内インピーダンスが高めの人が測定中に接触状態が不適切であって、定電流回路が僅かに飽和したような場合に、V2−V3"が、人間としてあり得る範囲に入ってしまう可能性があり、誤測定となってしまう。このため、定電流回路にI"(<I)が生じたとき誤測定の検出確率が高くなる測定法が望ましい。
また、電圧測定回路の入力に入る接触抵抗ZBについては、従来の4端子法では、その大きさを判定する過程が、やはり最終的に求めた身体内インピーダンスの値の範囲で判断するしかないので、この点にも誤測定の確率が高い要因があって、本実施形態の測定装置に比べて信頼度の低い測定法であると言える。要するに、本実施形態によれば、従来の4端子法に存在する誤測定の確率を下げることによって信頼性の高い測定を行うことができるという利点がある。
また、より安定な身体内インピーダンスZiを測定するには、V2,V3の大きさが前述のようにそれぞれ予め定めた範囲内に入る条件以外に、予め許容変動幅を設定し、それぞれサンプリングされたV2,V3がその許容幅に一定回数の間連続的に入るという条件を設定し、これら全てをもって測定ステップを進めるようにすれば、より安定な測定者の電極への接触状態を確認しながら安定な測定値を得ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る体内脂肪計の回路構成図 本発明の第2の実施形態に係る体内脂肪計の回路構成図 本発明の第3の実施形態に係る体内脂肪計の回路構成図 本発明の第4の実施形態に係る体内脂肪計の回路構成図 本発明の第5の実施形態に係る体内脂肪計の回路構成図 従来の体内脂肪計の測定原理を示す図(1) 従来の体内脂肪計の測定原理を示す図(2) 4端子法によって身体内インピーダンスを測定する場合の測定回路の概略図 接触抵抗の大小を判定する従来装置の説明図
符号の説明
1 体内脂肪計(測定器)
2 測定回路
3 測定対象回路
A,B,C,D 電極
A/D A/D変換器
AMP1 定電流制御用増幅器
AMP2 シングル入力増幅器
AS1,AS2 アナログスイッチ
ASG スイッチ切り換え用制御信号
CPU 中央処理装置
DIS 表示器
F フィルター
I/O 入出力回路
KEY キースイッチ
MEM 記憶装置
ZA〜ZD 接触抵抗
Zi 身体内インピーダンス

Claims (3)

  1. 被検者の皮膚面に複数の電極を接触させ、定電流制御用増幅器を介して前記電極から被検者の身体内に定電流を供給し、各電極間に存在する身体内インピーダンスを測定するようにした体内脂肪計において、
    前記身体内インピーダンスを測定するインピーダンス測定手段が、一つの定電流印加経路内に含まれる被検者の皮膚面と電極との間の接触抵抗と身体内インピーダンスとの合成インピーダンスを測定するステップと、前記定電流印加経路内に含まれる前記接触抵抗を測定するステップと、これら各ステップにより得られる合成インピーダンスと接触抵抗とから身体内インピーダンスを測定する手段であることを特徴とする体内脂肪計。
  2. 被検者の皮膚面に複数の電極を接触させ、定電流制御用増幅器を介して前記電極から被検者の身体内に定電流を供給し、各電極間に存在する身体内インピーダンスを測定するようにした体内脂肪計において、
    前記身体内インピーダンスを測定するインピーダンス測定手段が、電極間への定電流印加経路を切り換えることによって一つの電極における電圧測定値から身体内インピーダンスを測定する手段であることを特徴とする体内脂肪計。
  3. 前記電圧測定値の許容範囲を規定することによって誤測定を防止する測定可否判定手段が設けられる請求項2に記載の体内脂肪計。
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