JP4780824B2 - 体脂肪計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、身体内のインピーダンスを測定することにより体脂肪量および体脂肪率を求める体脂肪計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の体脂肪計として、例えば特公平5−49050号公報に開示されているように、測定板上に複数の電極を設け、被測定者の両足をそれぞれ電極上に置いて体脂肪量を測定するようにしたものが知られている。このような体脂肪計において、各電極間は電気絶縁しておくことが正しい測定を行う上での条件となっている。この理由は、従来用いられている身体内インピーダンス測定法が、測定電極と被検体との間にある接触インピーダンスを回避して測定対象となる身体内インピーダンスのみを測定することのできる4端子法(ケルビン・ダブルブリッジ法)であることによる。
【0003】
次に、図15を参照しつつ、前記従来装置による測定法について説明する。図示のように、4端子法では、例えば両足の足の裏の2箇所の皮膚と接触する電極E11,E12および電極E21,E22をそれぞれ設け、電極E12,E22を電源印加用電極として定電流Iを印加し、電極E11,E21を電圧測定用電極としてAMP11からなる電圧測定回路によってそれら電極E11,E21間に発生する電圧信号を測定するものである。
【0004】
ここで、電極E11,E12,E21,E22と皮膚との間の接触インピーダンスをそれぞれr11,r12,r21,r22とし、電圧測定回路の入力インピーダンスをそれら接触インピーダンスに比べて十分に大きな値にしておいて、電源印加電極E12,E22間に定電流を流したとき接触インピーダンスr11,r21の方へは測定精度に影響を与えるような電流が実質的に流れないようにする、言い換えれば電流Iが接触インピーダンスr11,r21に分流せずに、身体内インピーダンスr0を含むループに流れるようにする。このようにすれば、接触インピーダンスr11,r21における電位降下は無視できるので、電極E11,E21間の電圧を測定することによって、被測定者の身体内の点P−Q間に発生する電圧が測定できることになる。
【0005】
こうして、この点P−Q間の電圧(電位降下)は身体内インピーダンスr0の両端電圧V11になっているので、この電圧V11を測定して式V11/I=r0によって身体内インピーダンスr0を求めることができる。すなわち、電極E11,E21は接触インピーダンスの影響を受けずに身体内インピーダンスr0のみを測定できる電極として機能する。
【0006】
ところで、前述のような測定法において、図16(a)に示されるように、仮に電極E11,E12間および電極E21,E22間に接触インピーダンスr11,r21の大きさに比べて無視できない値の抵抗成分R1,R2がそれぞれ存在するものとすれば、電流はr11,r12,R1およびr21,r22,R2からなるループに流れて、接触インピーダンスr11,r21に電位降下が生じることになる。
【0007】
そうすると、電圧測定回路は点P−Q間の電圧である身体内インピーダンスr0の発生電圧を測定できず、接触インピーダンスr11,r21の電圧降下分が加わった点R−S間の電圧が測定されることになって、正確な身体内インピーダンスr0の値を求めることができなくなる。
【0008】
また、図16(b)に示されるように、電極E12,E22間に身体内インピーダンスr0に比べて無視できない値の抵抗成分R3が存在するとすれば、電流Iに比べて無視できない大きさの電流iがその抵抗R3の方へ流れるため、式r0=V1・Iによって身体内インピーダンスr0を求めたときに大きな測定誤差が生じてしまう。
【0009】
このような理由から、従来方法においては、電極の作用を、電源を印加する電極と電圧を測定する測定電極とに分け、電源印加電極には定電流(もしくは定電圧)を与え、この電源印加電極と測定電極との間にできる限り電極間の絶縁性を保つことによって電圧測定電極から正確な身体内電圧もしくは身体内インピーダンスのみを検出して測定するようにされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の測定方法では、特に足を電極上に載せて体脂肪の測定を行う場合に、足に水分もしくは汚れが付着することが多いことから、多数の測定者が測定を行うと電極間の絶縁状態が低下し、電気伝導度が増して前述のような測定誤差が発生するという問題点がある。なお、この種の測定器(特に体重計と体脂肪計とを兼用する測定器)は風呂場など湿気の多い環境に置かれる場合が多く、そのような測定誤差が発生する確率は大きいと言える。
【0011】
ところで、前記従来の測定方法を用いた体脂肪測定器では、測定者の手、足などが濡れていて皮膚表面インピーダンスが低くなり、皮膚表面に電流が流れることによって発生する測定誤差の影響を回避して正しい測定を行えるようにする機能については考慮されておらず、またそのような測定誤差が発生した場合に警報を発する機能についても考慮されていないのが実状である。
【0012】
なお、前記図15において、特に電極E12,E22に対する測定者の接触状態が不適切である場合には、定電流回路の負荷が大きくなり、出力電圧が飽和して定電流特性を維持できなくなって正しい測定値が得られなくなる事態に至ることとなるが、このような事態に至る前に、定電流回路の出力電圧を測定し、その電圧が一定値以上の場合に警報を発するようにした装置については既に提案されている。しかし、このような装置の場合、接触状態が適切でなくなるに伴い、電圧測定回路の入力端子から見た測定信号源インピーダンスが極めて高くなるために、誘導ノイズ源からのノイズ信号の影響を受けるようになり、その電圧測定回路の出力に予測できない出力が現れてしまう。この結果、測定者はその出力を測定値と間違える可能性があるだけでなく、測定不良として正しい判定ができなくなる可能性がある。また、この従来装置では、どの接触部に接触不良が発生しているかを警報する機能については何ら考慮されていない。
【0013】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、身体内インピーダンスと、電極と身体皮膚面との間の接触インピーダンスとを同時に測定できるようにして、測定者自身の状態および測定者の測定状態を正確に判断しながら身体内インピーダンスを正確に測定することのできる体脂肪計を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、種々の観点における測定状態の不具合の部位と程度とを測定者が容易に判定することのできる体脂肪計を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
前記目的を達成するために、発明による体脂肪計は、
身体内インピーダンスを測定する体脂肪計において、
身体皮膚面に接触させる接触部を含む複数の接触部間が一体をなす同一の導電性材料によって構成され、各接触部間の等価インピーダンスを測定して、身体内インピーダンスと、身体皮膚面との接触部の接触インピーダンスとをそれぞれ独立して求めるように構成されていることを特徴とするものである。
【0015】
発明によれば、身体皮膚面に接触させる接触部を含む複数の接触部間が一体をなす同一の導電性材料によって構成されているので、身体皮膚面に接触させる接触部および接触部間には常に測定可能な適切な大きさの電流が流れることになる。したがって、接触部にも電圧降下が起きるようになるが、全ての接触部および接触部相互間に電流が流れることによって、身体内インピーダンスと接触インピーダンスとが正確に測定できるようになる。また、前記接触部を有する測定板の不良状態や測定者の測定不良状態を正確に警報できるようになる。さらに、接触部間に水分付着などがあって、従来の測定方法では誤差を生じるほどに接触部間の電気伝導度が増加しても、接触部間の等価抵抗値を考慮に入れた測定と演算とを行わせることで、精度を落とすことなく、正確な身体内インピーダンスを測定することができる。また、特別に金属電極を設けなくても良いので、測定板の構造を従来のものに比較して簡素にすることができるので、製作が容易であるという利点もある。
【0016】
発明において、体脂肪測定用の載せ台と、体重測定用の載せ台とが兼用とされて体重も測定可能とされているのが好ましい特に、この体重計付き体脂肪計は、体重測定面が体脂肪測定面と共通に構成され、風呂場等に設置されてその測定面に水分の付着する機会が多いが、このように水分が付着した場合でも前述のように精度を落とすことなく身体内インピーダンスを正確に測定することができる。また、測定精度に影響を与える場合には、正確な測定不良警報を出力することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による体脂肪計の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態による体脂肪計の等価抵抗回路図(a)、導電板の側面図(b)であり、図2は、測定時における各接触部間に流れる電流の様子を示す図である。
【0025】
本実施形態は、両足間のインピーダンスの測定によって体脂肪量、率とともに、体重も測定できるようにされた測定器に関わるものである。本実施形態では、両足を載せる測定台には薄い導電性の樹脂板1が使用される。この導電性樹脂板1において、表面の足の置く位置は絵柄で示され、足の裏が樹脂板1に最も良く接触する部分に当たるその樹脂板1の裏側には、測定回路との間で電気信号をやり取りするための端子E1,E2,E3,E4が片足2箇所ずつ、計4箇所に装着されている。また、これら端子E1〜E4と測定回路とは電線で接続される。
【0026】
各接触部の端子E1〜E4間は相互に導電性があるので、端子E1〜E2間、端子E2〜E3間、端子E3〜E4間、端子E1〜E3間、端子E2〜E4間、端子E1〜E4間のそれぞれの等価抵抗値をr1,r2,r3,r4,r5,r6とする。また、測定者の身体内インピーダンスをM、左足が樹脂板1に接触する部分の2箇所の接触インピーダンスをそれぞれX,Y、同様に右足が樹脂板1に接触する部分の2箇所の接触インピーダンスをそれぞれZ,Uとすると、一定電流Iを流す定電流回路を端子p1とp4に接続した状態の測定時において、測定者の身体内および外部の導電体を通して各端子間に流れる電流の様子は図2に示されるとおりである。ここで、導電性の樹脂板1の厚みは薄いので厚み方向のインピーダンスの値は小さいが、この樹脂板1の表面と端子との間の厚み方向のインピーダンスを接触インピーダンスX,Y,Z,Uに含めるものとする。また、これらのインピーダンスには接触部周辺の身体内組織のインピーダンスも含めるものとする。
【0027】
このように、本実施形態では、測定時において接触部の相互間に導電性を持たせて全ての接触部に電流を印加するようにする。したがって、従来の測定方式のように、電流を流す電流印加用電極と電流を流さない電圧測定用電極というように、各電極によって果たす機能が分かれるものとは本質的に異なっている。
【0028】
ところで、前記各端子間の導電率は常に一定値をとるとは限らず、測定環境に応じて、例えば水分の付着があれば樹脂板1の導電率は変化するので、端子間すなわち接触部間の等価抵抗値は変化することになる。そこで、本実施形態では、測定者が測定台に載る前に、予め端子間抵抗値r1〜r6を測定して記憶させる機能を持たせるものとする。なお、測定装置が本実施形態のように体重測定を兼ねている場合には、体重を正確に測定するためのはかりの零点測定と同じタイミングで、同じ指令によって端子間抵抗値r1〜r6を求めれば効率的で好都合である。
【0029】
図3には、測定者が測定台に載っていないときに、端子p1と端子p2とに電流値Iの定電流回路を接続したときの各端子間に流れる電流の様子が示されている。なお、この図3において、電源印加回路および電圧測定回路は省略されている。
【0030】
図3から明らかなように、まず、端子p1と端子p2との間に定電流Iを流したとき、それぞれの端子間の電圧と、端子間等価抵抗を流れる電流との間には次式の関係が成り立つ。
p1−p2間:r1・i1=V11 ……(1)
p3−p2間:r2・(i2+i3)=V12 ……(2)
p4−p3間:r3・i3=V13 ……(3)
p1−p3間:r4・i2=V11−V12 ……(4)
p4−p2間:r5・{I−(i1+i2+i3)}=V12+V13……(5)
p1−p4間:r6・{I−(i1+i2)}=V11−V12−V13……(6)
【0031】
次に、図4に示されるように、定電流回路の接続点を端子p1と端子p3に変更し、これら端子p1と端子p3との間に定電流Iを流したとき、それぞれの端子間の電圧と、端子間等価抵抗を流れる電流との間には次式の関係が成り立つ。
p1−p2間:r1・j1=V21 ……(7)
p2−p3間:r2・(j1−j3)=V22 ……(8)
p4−p3間:r3・{I−(j1+j2)+j3}=V23……(9)
p1−p3間:r4・j2=V21+V22 ……(10)
p2−p4間:r5・j3=V22−V23 ……(11)
p1−p4間:r6・{I−(j1+j2)}=V21+V22−V23……(12)
【0032】
このように、測定に先だって測定者が測定台の樹脂板1上には載っていない状態で、外部より調整指示を与えると、2通りの端子(p1−p2、p1−p3)が定電流回路に接続されて電圧測定が行われ、式(1)〜(12)に示される電圧V11,V12,V13,V21,V22,V23の値が得られる。
【0033】
これら式(1)〜(12)において、
(1)/(7)より
i1/j1=V11/V21=a ……(13)
(2)/(8)より
(i2+i3)/(j1−j3)=V12/V22=b ……(14)
(3)/(9)より
i3/{I−(j1+j2)+j3}=V13/V23=c……(15)
(4)/(10)より
i2/j2=(V11−V12)/(V21+V22)=d……(16)
(5)/(11)より
{I−(i1+i2+i3)}/j3=(V12+V13)/(V22−V23)=e ……(17)
(6)/(12)より
{I−(i1+i2)}/{I−(j1+j2)}=(V11−V12−V13)/(V21+V22−V23)=f ……(18)
ここで、a,b,c,d,e,fは測定電圧値の割り算結果であるから既知の数値である。
【0034】
式(13)より
i1=a・j1 ……(19)
式(14)より
i2+i3=b・(j1−j3) ……(20)
式(15)より
i3=c・{I−(j1+j2)+j3} ……(21)
式(16)より
i2=d・j2 ……(22)
式(17)より
I−(i1+i2+i3)=e・j3 ……(23)
式(18)より
I−(i1+i2)=f・{I−(j1+j2)} ……(24)
【0035】
式(22)、(21)を式(20)に代入すると、
i2+i3=d・j2+c・{I−(j1+j2)+j3}=b・j1−b・j3
故に、
(b+c)・j1+(c−d)・j2−(b+c)・j3=c・I……(25)
式(23)に、式(19)、(20)を代入すると、
I−(i1+i2+i3)=I−a・j1−b・(j1−j3)=e・j3
故に、
(a+b)・j1+(e−b)・j3=I ……(26)
式(24)に、式(19)、(22)を代入すると、
I−(i1+i2)=I−a・j1−d・j2=f・I−f・j1−f・j2故に、
(a−f)・j1+(d−f)・j2=(1−f)・I ……(27)
こうして、式(25)、(26)、(27)より、j1,j2,j3を、a〜fの既知の数値と既知の定電流値Iとの積で表わすことができる。
ここで、求まったj1,j2,j3を、
j1=k1・I
j2=k2・I
j3=k3・I
と置くと、これらの値を式(7)〜(12)に代入することによって、等価抵抗値r1〜r6の値を求めることができる。
【0036】
上述の測定動作は、測定者が自身の体脂肪、体重を測定する直前に実施するのが適切であるので、体脂肪を測定する測定ボタンとは別に、測定準備ボタンを設けて指令するようにしても良いし、あるいは通常体重計に付設されている零調整ボタンと兼用して、測定者が零調整ボタンを押すと、零調整と同時に前述の端子間等価抵抗測定を実施するようにすれば、測定作業にとって操作の手間が省けることになり好都合である。
【0037】
ところで、上述のような測定法を実施するには、接触部間に常時ある一定値以上の電気伝導度があることが必要である。例えば端子E1−E4間を従来のように基本的に絶縁状態に保っていたのでは、測定面が通常の乾燥したような環境条件下ではj1,j2,j3の値は極めて小さな値となって精度良く測定を実施することができない。したがって、本実施形態の測定方式においては、測定面が乾燥状態から湿気を帯びた状態までの環境変化があっても、各接触部相互間を常時適度な電気伝導度に保ち、端子間すなわち接触部間の等価抵抗値が測定可能な範囲内で変化するようにすることが、精度を落とすことなく身体内インピーダンスを測定するための必要十分条件である。
【0038】
なお、求められた端子間の等価抵抗値が異常に低いときには、接触部間、すなわち測定台の導電板における身体接触部の相互間が異常に水分で濡れていると考えられる。このように測定表面が異常に濡れていれば身体皮膚も濡れるので、身体表面を流れる電流が増えることで正確な身体内インピーダンスが測定できなくなる。そこで、等価抵抗値r1〜r6の値に一定の下限値を設け、これら等価抵抗値のいずれかが設定された下限値を下回るようなことがあれば、測定台の状態不良として、各値に対応した部位と状態不良の程度とを含めて測定者に表示器もしくは音声などで警告を与えるようにするのが好ましい。
【0039】
次に、前述のように接触部間の電気伝導度を等価抵抗値の形で求めるとともに、それらの値をメモリに記憶させておき、この後に測定者が電極の上に足を置いて体脂肪量の測定開始を指示したときの身体内インピーダンスの測定動作等について説明する。ここで、測定開始は、測定者自身がキースイッチで指令するようにしても良いし、あるいは測定器が体重測定と兼用である場合には体重値の一定値以上の検出により自動的にスタートさせるようにしても良い。
【0040】
図2に示されるように、まず、端子p1とp4の間に電流値Iを供給する定電流回路(図示せず)を接続する。これにより電流は樹脂板1の等価抵抗を通って全ての端子に与えられる、言い換えれば身体内インピーダンスと、各端子毎に存在する全ての接触インピーダンスに電流が与えられてそれぞれの部位で電位降下を生ずる。一方、全ての端子間の電圧を電圧測定回路(図示せず)によって測定する。
【0041】
身体内、接触部および樹脂板(導電板)部には次式にて示される回路方程式が成り立つ。
p1−p2間:X・{I−(i1+i2+i3)}+Y・{I−(i1+i2+i3+i4)}=V1 ……(28)
p3−p4間:−Z・i5+U・(i4−i5)=V3−(V1+V2)……(29)
p1−p4間:X・{I−(i1+i2+i3)}+M・i4+U・(i4−i5)=V3 ……(30)
【0042】
また、各等価抵抗と電流との間には次式にて示される関係式が成り立つ。
p1−p2間:r1・i3=V1 ……(31)
p1−p4間:r6・i1=V3 ……(32)
p1−p3間:r4・i2=V1+V2 ……(33)
p2−p4間:r5・i6=V3−V1 ……(34)
p2−p3間:r2・{I−(i1+i2+i4+i6)}=V2…(35)
p3−p4間:r3・{I−(i1+i4+i6)+i5}=V3−(V1+V2) ……(36)
ここで、Iは既知の定電流値で、r1〜r6は事前の測定で全て既知化されているので、式(31)〜(36)よりi1〜i6の各電流値を全て求めることができる。
【0043】
次に、図5に示されるように、端子p2とp4の間に電流値Iを供給する定電流回路を接続する。このとき、接触部には次式にて示される回路方程式が成り立つ。
p1−p2間:X・j4−Y・j2=−V4 ……(37)
p3−p4間:−Z・j6+U・(j2+j4−j6)=V6−V5……(38)
【0044】
また、各等価抵抗と電流との間には次式にて示される関係式が成り立つ。
p2−p3間:r2・j3=V5 ……(39)
p3−p4間:r3・(j3+j5+j6)=V6−V5 ……(40)
p1−p3間:r4・j5=V5−V4 ……(41)
p2−p4間:r5・j1=V6 ……(42)
p1−p2間:r1・{I−(j1+j2+j3)}=V4……(43)
p1−p4間:r6・{I−(j1+j2+j3+j4+j5)}=V6−V4
……(44)
こうして、式(39)〜(44)よりj1〜j6の各電流値を全て求めることができる。
【0045】
前記回路方程式(28)(29)(30)(37)(38)を解くことにより、接触インピーダンスX,Y,Z,Uおよび身体内インピーダンスMはi1〜i6およびj1〜j6の各値によって表わされる。ここで、i1〜i6はr1〜r6とV1,V2,V3によって表わすことができ、j1〜j6はr1〜r6とV4,V5,V6によって表わすことができ、r1〜r6は測定準備モードで既知となってメモリに記憶されているので、前記インピーダンスX,Y,Z,U,Mの値は測定電圧V1〜V6が得られた時点で求められることになる。また、身体内インピーダンスMの値を用いて体脂肪量、体脂肪率の値を従来の体脂肪計と同様にして求めることができる。
【0046】
もし樹脂板(導電板)1に水分が付着していて接触部間の導電度が変化したとしても、その都度、接触部の端子間抵抗値測定ステップを実行することで、その時々の端子間抵抗値r1〜r6の値を得ることができる。したがって、予め測定準備指令によって端子間抵抗値r1〜r6の値を測定した上で体脂肪測定ステップを実施すれば、身体内インピーダンスMを算出する過程での誤差の発生を回避することができる。
【0047】
本実施形態の測定方式によれば、測定者が接触部といかなる接触状態を取ろうとも電圧測定回路の測定入力端が高抵抗になることはない。例えば図2の回路について言えば、端子p1とp4との間には定電流回路が接続されているので、同時に電圧測定回路につないだとき、この電圧測定回路の入力端子および端子間のインピーダンスは、最大の場合(測定者が接触部から離脱している場合)でも端子間抵抗値r1〜r6で決まる合成抵抗値であって、この電圧測定回路の入力端から見たインピーダンスは常時低い値になる。したがって、従来の測定方式のように、接触状態が悪くなって入力端の信号源インピーダンスが極めて高くなり、誘導ノイズが加わることにより誤測定に至るような事態が発生することはない。こうして、常に正確に端子p1〜p4間の電圧を測定することができるので、ノイズに影響されずに接触インピーダンスX,Y,Z,Uおよび身体内インピーダンスMを正確に求めることができる。
【0048】
ただし、端子p1−p2間、端子p2−p3間、端子p3−p4間の電圧がそれぞれ、測定者が接触部に接触していない場合と同等の値近くになれば、当然、前述の回路方程式から接触インピーダンスX,Y,Z,Uの値として大きな値が得られることになる。このような状態では、身体内への流入電流が不足して正確な身体内インピーダンスMを得ることができないので、接触インピーダンスX,Y,Z,Uの値がある一定値以上に大きい値になる場合には接触不良として、接触インピーダンスに対応する位置とともに警報出力させるようにするのが良い。
【0049】
接触インピーダンスX,Y,Z,Uの値が大きい場合と小さい場合とでは、同じ量だけ身体内インピーダンスMの値が変化しても端子間抵抗値r1〜r6へ流れる電流の変化量は異なる。この電流の変化量が小さければ端子p1−p2間、端子p2−p3間、端子p3−p4間の電圧の変化量も小さい。そして、電圧変化量が小さ過ぎれば、測定回路の感度(A/D変換器の分解能)には上限があるために正確な測定ができない。このようにA/D変換器の分解能から見て身体内インピーダンスMを所定の精度で測定できる測定限界を設計的に決めることができるので、これに対応して接触インピーダンスX,Y,Z,Uの値の限界も設計的に決めることができる。こうして、この測定限界の警報は、測定者の接触状態に左右されずに、設計的観点で決められた限界に基づき正確に発信することができる。
【0050】
反対に、接触インピーダンスX,Y,Z,Uの値が小さ過ぎることを利用して、体脂肪計の使い方の不具合を警報するようにすることもできる。例えば両手の2本の指を使って身体内インピーダンスを測定する指測定式の体脂肪計において、接触インピーダンスX,Y,Z,Uの値には指先皮膚面と電極または導電板との接触インピーダンスのほかに、各指の皮膚面から付け根までのインピーダンスも含まれるが、指先には関節があって、指の乾いた状態では数百オームのインピーダンスを示す。しかし、手の濡れ状態で測定すると、指先の皮膚表面に流れる電流が増え、接触インピーダンスX,Y,Z,Uの値が極めて小さくなる。この場合は皮膚面と電極部の間の接触部のインピーダンスが小さくなるばかりでなく、図2における左右2本の指の組織の測定上の分岐点P,Qが指先の方へ移動することになり、その分、身体内インピーダンスMが増え、同一個人でも身体内インピーダンスの測定値に差が出るという問題が生ずる。
【0051】
そこで、このような指測定式の体脂肪計の場合には、個人別に、標準的乾燥状態での指先インピーダンス値を考慮した下限値を、必要であれば指の種類毎に設定しておき、測定時に接触インピーダンスX,Y,Z,Uの値とそれぞれの下限値を比較して、これらX,Y,Z,Uの値のいずれかが下限値以下であれば、精度を維持する測定ができないとして、不適である部位を示す言葉・文字等とともに測定者に警報を与えるようにする。ここで、標準値は、個人別に通常時の複数回の測定値を平均するなどして得れば良い。
【0052】
このように、各接触部毎に、正確な測定を維持するための上限値Xu,Yu,Zu,Uuと下限値Xl,Yl,Zl,Ulとを予め測定器に設定しておき、接触インピーダンスX,Y,Z,Uの測定結果が次式を満足したときには正常測定であるとし、いずれか一つの式を満足していないときにはその部位を表わす言葉・文字等とともに異常測定として警報を発する。
Xl<X<Xu
Yl<Y<Yu
Zl<Z<Zu
Ul<U<Uu
【0053】
なお、前記等価抵抗値r1〜r6が小さ過ぎる場合は、身体内インピーダンスの方へ測定精度を維持するに十分な電流が流れない事態となるが、この場合には前述のように測定準備指令による測定結果にて判定される。すなわち、測定に適する最低基準値rlが設定され、r1〜r6>rlの場合には測定に適するとし、いずれか一つの等価抵抗値がこの不等式を満足していない場合には測定不適として警報を発する。
【0054】
また、このように測定面の等価抵抗値と測定者の接触部付近のインピーダンス値とが定量化できるので、それぞれ不適または異常とされる値に対してどの程度不適であるのかを測定者に示すとともに、測定条件の改善状態を測定者に対し分かり易く示すようにすることもできる。
【0055】
例えば測定面等価抵抗r1の現在値をr1pとしたとき、r1>r1pであれば測定不適とするが、偏差r1e=r1p−r1を、更に予め用意した設定値rdと比較して、r1e<rdなら非常に不適、rd<r1e<rlならやや不適として、表示器に対応する不適段階を表わす意味の内容をr1,r2……の部位を表わす言葉・文字等とともに表示すれば、測定者が測定面を管理するに当たり好都合な指標とすることができる。
【0056】
このような表示形態については、前述の指先の濡れ状態の表示についても同様である。すなわち、現在の測定値と、下限値の差の大きさを評価して、やや不適、非常に不適等と段階的意味を持つ表示を、部位を表わす言葉・文字等とともに表示するようにすれば、測定者が測定器使用時に自己の皮膚の状態を管理判断するのに好都合となる。
【0057】
【実施例】
次に、本発明による体脂肪計の具体的実施例について説明する。
【0058】
図6には、本発明の一実施例に係る体重・体脂肪計の平面図(a)およびそのA−A線断面図(b)が示されている。
【0059】
本実施例の体重・体脂肪計2においては、図6(a)に示されるように、前部に表示器3が配されるとともに、後部に測定者が足を載せるための測定板4が配されている。ここで、表示器3は、体重、体脂肪量、体脂肪率等の測定値および年齢、性別等の設定値を表示するとともに、設定データを入力したり、各種動作を指令するキースイッチを備えている。また、測定板4上には、両足の裏の前部および後部をそれぞれ接触させる位置を示す絵柄5が描かれている。また、図6(b)に示されるように、測定板4の下面には絶縁シート6を介して測定器カバー7が設けられるとともに、端子8が配され、各端子8には測定回路に至るリード線9が接続されている。
【0060】
本実施例において、測定板4は導電体であって、導電性樹脂などにより作製されている。なお、測定器カバー7を樹脂製にすれば、絶縁シート6は省略できることになり、この場合、測定面は導電性の1枚の樹脂板で簡単に構成することができる。また、導電性測定板上に上記の絵柄5に相当する部分に穴をあけた薄い絶縁シートを貼る方法もある。また、測定板4と測定回路とを電気的に接続する端子の取付方法としては、測定板4の裏面に直接ねじ止めする方法、ビスや導電性接着剤等を用いる方法、標準的な足の接触面積と同じ位の大きさの薄い金属板をベースにした端子を用いる方法、樹脂に直接スパッタリング、蒸着された金属皮膜とともに端子を設ける方法等がある。なお、この金属皮膜は、樹脂板の裏面に形成されて測定者に直接触れることがないので、薄い膜であっても摩滅することはない。
【0061】
図7には、本実施例の体重・体脂肪計2のブロック図が示され、図8には、図7における計測演算回路の詳細ブロック図が示されている。
【0062】
図7に示されているように、測定板4には支持金具10を介して重量センサ(LC)11が支持されている。また、測定板4の各端子E1,E2,E3,E4、重量センサ11および表示器3は、計測演算回路12との間でそれぞれ信号の授受を行うように構成されている。ここで、重量センサ11は、本実施例の場合ストレインゲージ式ロードセルを装着したものとする。
【0063】
図8に示されているように、計測演算回路12において、測定板4と足裏の前部、後部の皮膚表面との間の接触インピーダンスがそれぞれX,Y,Z,Uとされ、身体内インピーダンスがMとされる。また、r1〜r6は、測定板4の裏に取り付けられた4個の端子間の等価抵抗値である。なお、この等価抵抗値の値は測定板4の表面状態によって変化する。
【0064】
各端子E1〜E4はそれぞれ回路の端子p1,p2,p3,p4に接続され、これら端子p1〜p4は内部回路基板のアナログスイッチAS3,AS4を介して定電流回路13の出力端子o1および入力端子o2に接続できるようにされ、またアナログスイッチAS1,AS2を介して電圧測定回路14の端子s1,s2に接続できるようにされている。ここで、定電流回路13は、非反転入力端子から電圧信号V0(既知)が入力されて定電流Iを出力する演算増幅器AMP1と、この演算増幅器AMP1から定電流Iが出力されるように回路を制御する参照抵抗Rs(既知)を備えてなり、I=V0/Rsの一定電流を身体内および付属抵抗に流し込むように構成されている。また、電圧測定回路14は、端子s1,s2間に発生する電圧を出力する演算増幅器AMP2と、この演算増幅器AMP2の入力抵抗R1,R2を備えて構成されている。なお、これら入力抵抗R1,R2としては測定信号の信号源インピーダンスに比べて測定精度に支障がない程度に大きい値が選ばれる。
【0065】
また、当該計測演算回路12においては、ロードセルLC(重力センサ11)のゲージ・ブリッジを励磁するための電源(POW)15およびそのロードセル信号の増幅回路としてのAMP3からなる演算回路16がそれぞれ設けられている。
【0066】
電圧測定回路14の演算増幅器AMP2からの出力信号(交流)は整流回路(REC)17によって直流信号に変換され、フィルター(FIL1)18によって平滑化される。一方、演算回路16のAMP3より出力される重量信号は重量信号フィルター(FIL2)19によって平滑化される。そして、これら各フィルター18,19の出力端にはアナログスイッチAS5を介してA/D変換器20が接続され、このA/D変換器20によってアナログ信号がデジタル化される。さらに、A/D変換器20からの出力データはI/O回路21によって読み込まれ、このI/O回路21からのデータに基づいてCPU22にて各種演算が実行される。また、CPU22には、このCPU22の演算結果、各種演算プログラム、数値設定、演算操作等を記憶するROM/RAMなどで構成されるメモリ23が接続され、さらにI/O回路21には、データ表示のための表示器(DIS)3と、データ入力のための操作スイッチ(KEY)24が接続されている。
【0067】
前記CPU22は、アナログスイッチAS1〜AS5のON・OFF制御信号をI/O回路21を通して出力する。ここで、アナログスイッチAS5は、インピーダンス測定の際にはフィルター18側に切り替えられ、体重値測定の際にはフィルター19側に切り替えられる。
【0068】
次に、測定手順について説明する。まず、体重・体脂肪の測定に先立って測定者が測定器上の測定準備ボタンを押すと、アナログスイッチAS5がフィルター19の方を選択し、測定板4上の無負荷状態での重量をA/D変換器20に入力して体重のデジタル値を求める。そして、得られた値を零点重量用のメモリに入力して零点調整を終える。この後、アナログスイッチAS5がフィルター18側に接続され、測定板4の現在の電極間インピーダンスを測定する。なお、この手順については、図3および図4を用いて説明したとおりである。こうして、端子間の等価抵抗値の測定値r1〜r6をメモリ23に格納しておく。
【0069】
本実施例では、測定板4を導電性樹脂などの導電体で作製しているので、測定板4の表面状態の如何にかかわらず端子間は常にある一定値以下の抵抗値を持つので電流が流れ、電位降下が起きる。これによって、測定板4上の状態にかかわらず、常に端子間等価抵抗値の測定が可能である。水分が付着するなどして、端子間のインピーダンスがさらに変化すれば、水分による抵抗成分が抵抗r1〜r6にそれぞれ並列に入った形になり、その値の変化が測定できる。
【0070】
次に、前述の零点調整と測定板上の状態記憶とが終わると、測定者は、測定板4上の絵柄5に両足の裏の前部および後部がそれぞれ接触するようにして測定台上に載る。このとき重量レベルを検出して自動的に(あるいは測定者が測定ボタンを押すことによって)、アナログスイッチAS5は再びフィルター19側に切り替わる。この後、重量信号の振動波形が安定したところで測定者の体重値が測定されてその値が記憶されると同時に、アナログスイッチAS5が再度フィルター18側に切り替わって身体内インピーダンス測定モードに移る。この場合、零点調整と測定板上の状態記憶とが終わった時点で、測定者に「測定可」の信号(表示もしくは音声)を与えるようにするのが好ましい。
【0071】
この身体内インピーダンスの測定モードにおいては、図2および図5を用いて説明したように測定が実行される。こうして、身体内インピーダンスMがその時々の状態に応じた端子間等価抵抗値を用いて求められるので、従来のように身体内インピーダンス値が外的要因によって影響を受けることがない。
【0072】
本実施例では、常に端子相互間に測定可能な電流が流れるようにするのに、測定板を導電板で形成したものを説明したが、図9(a)に示されるように、皮膚との接触部を電極(金属板)8,8で構成し、これらを測定板(導電板)4の中に嵌め込んで取り付けるようにしても良い。また、図9(b)に示されるように、電極(金属板)8,8を絶縁体板6の中に嵌め込むとともに、電極8,8間を適切な値の抵抗rnで結ぶことによって、電極に対して常時適切な値の電極間電気伝導度を与えるようにしても良い。
【0073】
本実施例では、測定板を略矩形形状にし、全ての接触部相互間に互いに適切な電気伝導度を与えるようにしたものを説明したが、図10(a)に示されるように、導電性樹脂よりなる測定板4'を平面視略コ字形の形状にし、端子E1−E2間、端子E2−E4間、端子E3−E4間のみがそれぞれ等価抵抗値r1,r5,r3を持つように構成することもできる。なお、この場合の等価抵抗回路が図10(b)に示されている。
【0074】
さらに、図11(a)(b)に示されるように、分離した2組の導電体上にそれぞれ金属電極を2組ずつ配置し、電極E1−E2間、電極E3−E4間のみがそれぞれ等価抵抗値r1,r3を持つように構成することもできる。このような回路構成を持つ測定器の応用例としては、図11(b)に示されるように、各電極に対応させて1本の指を接触させるような構成の体脂肪計がある。このような体脂肪計の場合、その電極配置から、電極E1,E2の組と電極E3,E4の組との間は十分な距離が保たれるので電気伝導度は極めて小さく、これらの間の電気伝導度変化が測定精度に影響を及ぼすことはない。しかし、互いに隣接位置にある電極E1とE2との間、電極E3とE4との間は距離が極めて短いので、たとえその間を絶縁物で構成したとしても、環境変化によって容易に電気伝導度が変化してしまう。これに対して、本実施例のような測定方法によれば、電極E1とE2との間、電極E3とE4との間を適切な電気伝導度に保ち、接触部や電極間に電流が流れて測定するに十分な電位降下を起こさせるので、このような形態の体脂肪計は本実施例の測定方法に適用するのに有効であると言える。
【0075】
本実施例の測定板は、接触部の全てが電流印加および電圧測定の両方の機能を同時に備えており、それぞれの接触部の端子を測定板裏面に装着する場合、あるいは接触部を金属電極として該電極を絶縁板上に近接配置するなどいろいろな形態が可能である。この場合、本実施例によれば、接触部間あるいは電極間の材料が導電体で、または絶縁体で構成されているにせよ、環境変化によって隣接接触部間の導電性が変化した場合でも補償できる点に特徴がある。
【0076】
また、本実施例の測定方式によれば、導電体接触部あるいは金属電極の接触インピーダンスを、身体内インピーダンスと同時にそれぞれ独立に得ることができる点に特徴がある。
【0077】
接触インピーダンスが大き過ぎれば、図8における定電流回路用の演算増幅器APM1の出力が飽和して正しい測定ができなくなる。また、それまでに至らなくても、接触インピーダンスが大きくなり過ぎると、身体内に加わる電流が小さくなり過ぎて誤差要因となる。そこで、前述のようにいずれかの接触インピーダンス値が大きくなり過ぎると警報を発するようにされる。より具体的には、例えば図6(a)に示される測定面の接触部に対応させてそれぞれ1〜4の番号を表示しておき、その番号に相当する接触部のインピーダンスが所定値以上の大きい値となったときには、その部位と程度とを表示器もしくは音声によって測定者に警報するようにされる。測定者は、この警報によってどの部位が接触不具合なのかを容易に知ることができる。また、接触インピーダンスの値もしくはそのインピーダンス値の段階的レベルを表示するようにすれば、その接触不具合の程度も容易に知ることができる。こうして、精度の高い、再現性のある測定動作を行うことが可能である。
【0078】
これとは反対に、例えば指先組織などのインピーダンスを考慮したとき、接触インピーダンスが所定値よりも小さ過ぎても問題である。この場合には、身体内インピーダンスとして測定する組織の範囲が変化する可能性がある。したがって、本実施例では、接触インピーダンスの小さ過ぎる度合いと部位も表示器もしくは音声によって測定者に警報するようにされる。
【0079】
前述の説明において、測定準備動作時に、接触部の端子あるいは電極相互間の等価抵抗値を求めることについて述べたが、この測定値によって測定台表面の状態を知ることができる。たとえ測定板表面の導電状態を考慮して誤差なく測定するとは言え、やはり限界があり、水分が余り多ければ皮膚そのものが濡れて誤差の原因となる。そこで、接触インピーダンスと同様に、接触部相互間の等価インピーダンス値にも境界値を設け、等価インピーダンス値r1〜r6のいずれか一つでも所定値より小さい場合には、その部位と程度とを数値、文字等により表示もしくは音声によって警報を出すのが好ましい。
【0080】
このように本実施例によれば、測定者の測定状態、測定台の状態の良否と場所とを確実に測定者に知らせることができるので、測定者が接触状態を見直したり、測定部皮膚面の状態を把握したり、測定台表面を正常な状態に維持・管理したるすることができるようになる。
【0081】
本実施例の測定方式によれば、各指の接触インピーダンスが同時に測定できるので、図12に示されるような携帯式(カード式)の体脂肪計、すなわち測定器の本体を挟んで表裏に電極対E1,E2およびE3,E4を配置した体脂肪計に適用するのが好適である。
【0082】
接触インピーダンスは皮膚の発汗作用によって変化するが、図12に示される体脂肪計であれば、同時に4箇所の皮膚面の発汗を、身体内インピーダンスとは切離された、接触部のみのインピーダンスでもって測定することができるので、本質的に微小変化である発汗現象の検出には好都合である。しかも、このような測定器には、娯楽性および測定容易性を求められるため、携帯式であり指測定式であることは重要な条件となり、このような形態は極めて有用である。
【0083】
ところで、この図12に示される測定器の場合、電極が測定器本体を挟んで表裏に設置されるので、環境変化によって両電極間の電気伝導度が変化する可能性は小さい。しかし、少なくとも図11(a)に示されるように電極間に抵抗をつなぎ、あるいは電極間を適切な電気伝導度の材料で構成するようにされる。この場合、電極間抵抗成分の値を設計時から既知化しておけば事前の電気伝導度測定が省略でき、この既知化した値をインピーダンス計算の定数係数に使えるので好ましい。
【0084】
また、前述のように接触インピーダンスは皮膚の発汗作用によって変化するが、この変化量は微小であるので測定箇所が多いほど、言い換えれば測定データが多いほど検出容易で正確な測定が可能になる。すなわち、本実施例の測定方式によれば、例えば4箇所の接触部から同時に接触インピーダンスX,Y,Z,Uの値が収集できるので、それぞれの変化分Δx,Δy,Δz,Δuが小さな値であっても、またそれぞれが大小にばらついていても、Δx+Δy+Δz+Δuのように加算値の形で利用することで、微小なインピーダンス変化量も捉え易く、正確な測定が期待できる。
【0085】
図13(a)には、電極数を5個に増やした体脂肪・精神動揺計が示されている。この例では、測定時に右手の2本の指で電極E1,E2を押え、左手の3本の指で電極E3,E4,E5を押さえるようにする。図13(b)は、この体脂肪・精神動揺計の等価回路図である。なお、図中、電源回路および測定回路は省略されている。この図13(b)において、Mは身体内インピーダンス、X,Yは右手2本の指に関する各電極と各指との接触部および指関節部の合成インピーダンスを表し、Z,U,Kは左手3本の指に関する各電極と各指との接触部および指関節部の合成インピーダンスを表している。
【0086】
この回路においても、4電極の場合と同様の解析が可能であり、例えば端子p1とp5との間、端子p2とp3との間にそれぞれ定電流を印加し、各端子の測定電圧と電極間等価抵抗値r1,r2,r3の値から6個の独立の回路方程式が成り立ち、インピーダンスX,Y,Z,U,K,Mについて測定電圧と電極間等価抵抗値でもって表すことができる。したがって、この場合は5個の接触部のインピーダンス変化を捉えることができる。
【0087】
同様にして、もし各指に最低1箇所ずつの接触部を電極との間に設けるなら、最低でも10箇所の接触部のインピーダンスの値およびその変化量を検出できる体脂肪・精神動揺計を構成することができる。また、指1本当たり1箇所の接触部に複数の電極が配置されている場合でも、多くの接触部からの検出によってより正確な発汗測定が期待できる。
【0088】
勿論、この測定器の測定信号検出部は指で挟む形式ではなく、図14(a)に示されるような携帯用測定器に付属する両手用のグリップ25,25を掌で握るような方式とすることもできる。なお、この場合の等価回路図が図14(b)に示されている。
【0089】
これらの方式において、電極を掌の複数箇所に接触させる方式の場合や、同一指について複数の接触用電極を備える方式(図11参照)の場合には、電極間の接触インピーダンスが極めて小さいときは等価抵抗値r1を小さく選ぶか、あるいは接触インピーダンスに直列接続する形で適切な大きさの抵抗値の抵抗体を測定端子と電極との間に挿入して見掛け上の接触インピーダンスを適切な値に増やしてその分r1も大きく選び、電流配分にバランスが取れるようにする必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態による体脂肪計の等価抵抗回路図(a)、導電板の側面図(b)である。
【図2】図2は、測定時における各接触部端子間に流れる電流の様子を示す図(1)である。
【図3】図3は、測定者が測定台に載っていないときに、端子p1と端子p2とに定電流回路を接続したときの各接触部端子間に流れる電流の様子を示す図である。
【図4】図4は、測定者が測定台に載っていないときに、端子p1と端子p3とに定電流回路を接続したときの各接触部端子間に流れる電流の様子を示す図である。
【図5】図5は、測定時における各接触部端子間および身体内に流れる電流の様子を示す図(2)である。
【図6】図6は、本発明の一実施例に係る体重・体脂肪計の平面図(a)およびそのA−A線断面図(b)である。
【図7】図7は、本実施例の体重・体脂肪計のブロック図である。
【図8】図8は、図7における計測演算回路の詳細ブロック図である。
【図9】図9(a)(b)は、測定板の他の実施例を示す図である。
【図10】図10は、測定板の更に他の実施例を示す平面図(a)および等価回路図(b)である。
【図11】図11(a)(b)は、測定器の他の実施例を示す図である。
【図12】図12は、測定器の更に他の実施例を示す図である。
【図13】図13は、測定器の更に他の実施例を示す図(a)およびその等価回路図(b)である。
【図14】図14は、測定器の更に他の実施例を示す図(a)およびその等価回路図(b)である。
【図15】図15は、従来の測定方法説明図(1)である。
【図16】図16は、従来の測定方法説明図(2)である。
【符号の説明】
1 導電性樹脂板
2 体重・体脂肪計
3 表示器
4 測定板
5 絵柄
6 絶縁シート
7 測定器カバー
8 電極
9 リード線
10 支持金具
11 重量センサ
12 計測演算回路
13 定電流回路
14 電圧測定回路
15 電源
16 演算回路
17 整流回路
18,19 フィルター
20 A/D変換器
21 I/O回路
22 CPU
23 メモリ
24 操作スイッチ
AS1〜AS5 アナログスイッチ
E1〜E6 電極または端子

Claims (2)

  1. 身体内インピーダンスを測定する体脂肪計において、
    身体皮膚面に接触させる接触部を含む複数の接触部間が一体をなす同一の導電性材料によって構成され、各接触部間の等価インピーダンスを測定して、身体内インピーダンスと、身体皮膚面との接触部の接触インピーダンスとをそれぞれ独立して求めるように構成されていることを特徴とする体脂肪計。
  2. 体脂肪測定用の載せ台と、体重測定用の載せ台とが兼用とされて体重も測定可能とされている請求項に記載の体脂肪計。
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