JP4671528B2 - 温度・湿度測定機能付き内臓脂肪計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内臓脂肪量を測定する内臓脂肪計に温度・湿度測定機能を付与した温度・湿度測定機能付き内臓脂肪計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、被検者の生体インピーダンスを測定することにより、体脂肪量を簡易的に求めることのできる体脂肪計が普及し、健康管理用として、一般家庭等において手軽に使用されている。
【0003】
一方、医療分野においては、最近、肥満と生活習慣病(成人病)との関係についての研究等が進んできており、単に肥満というのではなく、体脂肪の分布が重要であることがわかってきている。特に、内臓脂肪の過剰な蓄積が、高血圧や高脂血症、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞といった、所謂生活習慣病を引き起こす原因の一つになることが明らかにされてきている。
【0004】
また、従来、肥満度を表す指標として一般的に用いられているBMI(Body Mass Index(体格指数)=体重/(身長)2)に加えて、内臓脂肪型肥満を判定するための各種指標(体脂肪率、腹部内臓脂肪横断面積等)が考え出されており、これら指標のそれぞれが臨床現場において実証されてきている。このうち、体脂肪率は、被検者の身長、体重、年齢、性別等の個人特定データと生体インピーダンスの測定値とに基づいて求められるものであり、また腹部内臓脂肪横断面積は、被検者の腹部の臍付近のCT横断面測定によるほか、腹部の臍付近のウエストサイズのデータおよび前記個人特定データ等に基づき推定演算によって求められるものである。このように、体脂肪または内臓脂肪に関する簡易測定機器が健康管理用として使用されているところであるが、従来の測定機器は生体インピーダンスを測定する方法(「BI法」と呼ばれている。)に基づくものが大半である。このBI法では、被検者の手足等の身体末端部に高周波電流印加用電極および電圧測定用電極を接触させて、身体末端間に電流を流すとともに、測定用電極の電圧を測定して生体インピーダンスを求めるようにしている。
この場合、電極と身体末端部との接触状態が測定インピーダンスに影響を及ぼすため、所謂4端子測定法を採用したり、あるいは接触面積を大きくする等の対策が採られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述された生体インピーダンス測定方法においては、被検者が測定する際の環境湿度が著しく低いような場合には、電極に接触する指の皮膚表面部における水分含有量が大きく減少し、電極との間の接触インピーダンス等が過大になってしまう。このような場合、インピーダンス測定回路における前記接触インピーダンスを含めたインピーダンス測定電圧降下が大きく、定電流源に使用される増幅器(OPアンプ)が飽和状態となって、適正な測定ができなくなるという問題点が生じることになる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、身体末端部と電極との接触部における電気伝導度または電気抵抗率を求めるようにしてインピーダンス測定の適否判定が行えるようにし、これによって環境湿度によるインピーダンスの測定誤差の発生を未然に防ぐことのできる温度・湿度測定機能付き内臓脂肪計を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
前記目的を達成するために、本発明による温度・湿度測定機能付き内臓脂肪計は、
温度を測定する温度測定手段と、湿度を測定する湿度測定手段と、被検者の身長、体重およびウエストサイズを含む個人データを入力する入力部と、被検者の身体の一部に接触される電流印加用電極および計測用電極と、この計測用電極より得られる信号により被検者の生体インピーダンスを測定する生体インピーダンス測定部と、この生体インピーダンス測定部より入力されるデータと前記入力部より入力されるデータとに基づき少なくとも被検者のBMI、体脂肪率および内臓脂肪量のうちのいずれかを演算する演算部と、この演算部による演算結果と、前記温度測定手段および湿度測定手段による各測定データを表示する表示部とを備え、
前記演算部は、前記湿度測定手段により測定される湿度に基づいて、被検者の身体と前記電流印加用電極および計測用電極との接触部の電気伝導度または電気抵抗率を演算し、その演算された電気伝導度または電気抵抗率から生体インピーダンス測定の適否判定を行うことを特徴とするものである。
【0008】
本発明によれば、入力部より入力される個人データと、被験者の生体インピーダンスの測定値とに基づき被検者の内臓脂肪量が演算部にて演算され、この演算結果が表示部に表示されるとともに、温度測定手段および湿度測定手段により測定された温度および湿度が表示部に表示されるので、被検者は、内臓脂肪量、言い換えれば肥満症に関する指標を環境温度および環境湿度との関係において把握することができる。したがって、被検者の生体インピーダンス測定に際しての測定誤差が発生するのを未然に防ぐことができて、常に適正な条件の下で正確なインピーダンス測定を行うことができる。
【0019】
また、測定時の湿度を測定し、この値から身体末端の電極との接触部における電気伝導度または電気抵抗率を求めて、この求められた値を予め設定された基準値と比較することによって測定の適否が判定できるので、例えば環境湿度が著しく低く、皮膚表面部における水分含有量が少ないような場合において、接触抵抗等が極端に大きくなり、生体インピーダンスの測定誤差が発生するのを未然に防ぐことができる。
【0020】
本発明において、前記演算部による生体インピーダンス測定の適否判定結果は前記表示部に表示されるのが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による温度・湿度測定機能付き内臓脂肪計の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0024】
図1には、本発明の第1の実施形態に係る温度・湿度測定機能付き内臓脂肪計の平面図(a)および側面図(b)が示され、図2には、同温度・湿度測定機能付き内臓脂肪計のブロック図が示されている。
【0025】
本実施形態の温度・湿度測定機能付き内臓脂肪計1は、略円盤形状の機器本体2と、この機器本体2の外縁の上部および下部の各左右に配される電極3,4,5,6を備えており、壁掛け式の温湿計としても使用できるようにされている。ここで、電極3〜6は、上部に設けられる電極3,4を電流印加用電極とし、下部に設けられる電極5,6を計測用電極として、各電極3〜6を両手の指で挟持することにより、例えば左手の人差し指を上部左側の電流印加用電極3に、左手の親指を下部左側の計測用電極5にそれぞれ接触させるとともに、右手の人差し指を上部右側の電流印加用電極4に、右手の親指を下部右側の計測用電極6にそれぞれ接触させることにより、生体インピーダンス測定回路(生体インピーダンス測定部)7によってそれら両手の指間の生体インピーダンスを測定できるようにされている。
【0026】
前記機器本体2の前面中央部には表示部8が設けられ、温度、湿度表示および体脂肪率・腹部内臓脂肪横断面積等の演算結果の表示ができるようになっている。また、機器本体2の前面下部には、モード切替スイッチ9、腹部内臓脂肪横断面積測定開始スイッチ10、内臓脂肪設定モードスイッチ11およびインクリメント/ディクリメントキー12よりなる入力キー/スイッチが配されている。また、前記表示部8の上方には、体脂肪率および腹部内臓脂肪横断面積の測定に際してその測定の適否を表示する表示ランプ13が配されている。こうして、各入力キー/スイッチ9〜12を用いて被検者の個人特定データを入力するとともに、この入力された個人特定データと測定インピーダンスとに基づいて体脂肪率および腹部内臓脂肪横断面積が演算され、この演算結果が表示部8に表示されるようになっている。
【0027】
前記インピーダンス測定回路7は、図3に示されるように、所謂4端子法に基づき生体インピーダンスを求めるものであって、従来の2端子法に対して接触部位のインピーダンスの影響を受けないようにされたものである。このインピーダンス測定回路7は、図示のように、高周波定電流源Iから電流印加用電極3,4に対し高周波電流を印加するようにされ、計測用電極5,6に接続された電圧測定器Vにて生体インピーダンスの電圧降下V1を測定するようにされている。ここで、Z3は、測定する体内の生体インピーダンス、Z1,Z2,Z4,Z5は、電極と指との間の接触インピーダンスである。また、V0は、接触インピーダンスを含めた全インピーダンスによる電圧降下を示している。
【0028】
前記生体インピーダンス測定回路7、表示部8および入力キー/スイッチ9〜12はI/O回路14を介して中央処理部(演算部)15に接続されている。この中央処理部15には記憶部16が付設され、前記入力キー/スイッチ9〜12により入力された個人データ等のデータおよび、前記生体インピーダンス測定回路7による測定データがI/O回路14を介してその記憶部16に記憶されるようになっている。さらに、前記I/O回路14には時計/タイマー17およびアラーム発信部18が接続されている。
【0029】
ところで、一般に、前述のようなインピーダンス測定回路7において、印加される高周波定電流源に使用される増幅器(OPアンプ)の出力電圧は、電池を使用していることもあって±5V程度の範囲内に制限される。そして、被検者が測定する時の環境湿度が著しく低いような場合には、指の皮膚表層部における水分含有量が大きく減少して電極との接触インピーダンス等が過大になる。例えば、50kHzの印加電流の場合に、指の皮膚が乾燥した状態では、接触インピーダンスが約1kΩから2kΩ程度になる。したがって、このような場合、測定回路での電圧降下が大きくなって、定電流源に使用される増幅器(OPアンプ)が飽和状態となり、適正な測定ができなくなるという問題点が発生する。
【0030】
そこで、本実施形態では、事前に環境湿度のデータから皮膚表層部における水分含有量と相関を有する電気伝導度または電気抵抗率を求めておき(電気抵抗率は電気伝導度の逆数)、インピーダンス測定の限界点を設定するようにしている。こうして、被検者が測定する際には、測定時の湿度データから電気伝導度または電気抵抗率を求めて、設定された限界点と比較することにより、インピーダンス測定の適否を判断することを可能にしている。
【0031】
図4には、被検者の電極との接触部位における電気抵抗率と環境湿度との相関を示すグラフが示されている。図中、H1は平均環境湿度を、H2はインピーダンス測定限界湿度をそれぞれ示している。この場合、電気抵抗率Rと湿度Hとの相関式は次式(1)のようになる。
R=α×H−n ……(1)
【0032】
次に、前述の構成よりなる温度・湿度測定機能付き内臓脂肪計1の動作を図5に示されるフローチャートによって説明する。なお、記号Sはステップを示している。
【0033】
S1〜S2:この実施形態の温度・湿度測定機能付き内臓脂肪計1は、通常は温度・湿度測定モードが選択されて温湿計として使用されている。そして、モード切替スイッチ9が押されたときには温度・湿度測定モードから内臓脂肪測定モード(ステップS4)に切り替わる。
S3:温度・湿度測定モードが選択されている場合には、表示部8には、図6(a)に示されているように、機器本体2内部に備えられた温度センサー(温度測定手段)および湿度センサー(湿度測定手段)により測定された温度および湿度が表示され、さらにそれら温度および湿度に基づいて求められる不快指数が快適度としてランク表示される。
【0034】
S4:モード切替スイッチ9により内臓脂肪測定モードが選択され、ステップS2における判定において、温度・湿度測定モードでないときには図6(b)に示されるような内臓脂肪測定モードの表示画面に切り替わる。
S5:内臓脂肪の測定を開始する際には、その測定の前に個人データの入力設定を行う。この場合、内臓脂肪設定モードスイッチ11を押圧操作して、この内臓脂肪設定モードスイッチ11を順次押圧操作することにより、被検者の個人データ項目(身長、体重、年齢、性別、ウエストサイズ等)を選択する。そして、このデータ項目選択状態において、インクリメント/ディクリメントキー12を操作することにより、被検者の個人データの選択入力を行う。こうして入力されたデータは記憶部16に記憶される。
【0035】
S6:湿度データに基づき、電極との接触部における電気伝導度または電気抵抗率の演算を行う。この電気伝導度または電気抵抗率の限界点については事前に求められて設定記憶されているので、この限界点に相当する湿度に基づき、測定時の湿度データが測定に適した状態にあるか否かの判定を行い、その判定結果を記憶し、表示する。この測定の適否については、表示部8の上方に設けられた表示ランプ13に表示される。このような機能を設けることで、被検者が測定に適しない環境状態を避けることができ、誤差の少ない、信頼性のある測定を行うことが可能となる。
【0036】
S7〜S8:測定条件の適否表示を確認して測定に適している場合には、腹部内臓脂肪横断面積測定開始スイッチ10をON操作して、腹部内臓脂肪横断面積の測定を開始する状態にした後、被検者の両手の指を電極3〜6に接触させてそれら指間の生体インピーダンスを測定し、この測定データを記憶部16に記憶する。
【0037】
S9:次に、先に記憶された被検者の個人データ(身長、体重)に基づき、中央処理部15においてBMIの演算を行い、その演算結果を記憶部16に記憶し、必要に応じて表示部8に表示する。さらに、前記個人データ(身長、体重、年齢、性別、ウエストサイズ等)と生体インピーダンスまたは前記個人データと体脂肪率とに基づいて、中央処理部15において腹部内臓脂肪横断面積を演算し、その演算結果を記憶部16に記憶し、必要に応じて表示部8に表示する。ここで、これら演算に使用される演算式は予め記憶部16に記憶されており、演算実行時にそれら演算式が中央処理部15に呼び出される。
【0038】
ところで、前述の腹部内臓脂肪横断面積(AV)を推定で求めるための演算式としては、ウエストサイズの変数項にさらに生体インピーダンスまたは体脂肪率(FAT)を補正項として加えたものとすることで、CT測定による腹部内臓脂肪横断面積のデータとの相関を高めて推定精度を向上させることができる。ここで、生体インピーダンスの補正項を加えたものとして、次式(2)にて示される回帰式が用いられる。
AV=a1×WL+b1×Z+d1 ……(2)
ただし、WLはウエストサイズであり、係数a1,b1および定数d1は、集団のウエストサイズおよび生体インピーダンスと腹部横断面C/Tデータとの相関に基づいて、統計的手法により決定される。
【0039】
前記(2)式の回帰式のほか、体脂肪率(FAT)を補正項として加えたものとして、次式(3)にて示される回帰式が用いられ得る。
AV=a2×WL+c1×FAT+d2 ……(3)
なお、この場合も、係数a2,c1および定数d2は、集団のウエストサイズおよび体脂肪率と腹部横断面C/Tデータとの相関に基づいて、統計的手法により決定される。
【0040】
さらに、前記C/Tデータに対してより高い相関係数(r=0.9以上)が得られる演算式として、次式(4)を用いることもできる。
AV=e1×WL 2×HL×FAT+f1×WL 2×HL×Age+d3……(4)
ただし、HLは身長、Ageは年齢を表す。なお、この場合、係数e1,f1および定数d3は、集団のウエストサイズの二乗に身長および体脂肪率を乗じたものとウエストサイズの二乗に身長および年齢を乗じたものに対して、腹部横断面C/Tデータとの相関に基づいて、統計的手法により決定される。
また、次式(5)を用いても良い。
AV=f2×WL 2×HL×Age+g1×FAT+d4 ……(5)
この場合、係数f2,g1および定数d4は、集団のウエストサイズの二乗に身長年齢を乗じたものと体脂肪率に対して、腹部横断面C/Tデータとの相関に基づいて、統計的手法により決定される。なお、これら式(4)(5)においては、ウエストサイズの二乗の変数項を用いているが、これに限らず、ウエストサイズの三乗または四乗の変数項を用いても良い。
【0041】
S10〜S12:前述の演算により求められ記憶部16に記憶されたBMI、体脂肪率および腹部内臓脂肪横断面積(AV)については、ランク分けされるとともに、肥満症を判定するための基準値と比較判定され、その結果が記憶部16に記憶される。また、この肥満症の判定およびランク分けされた結果についても、必要に応じて表示部8に表示される(図6(b))。ここで、前述の比較演算に用いられる基準値および比較演算式は記憶部16に記憶されており、演算実行時にそれらが中央処理部15に呼び出される。この肥満症を判定するための基準値としては、BMI=25(男女共)、体脂肪率(男:20%、女:30%)、腹部内臓脂肪横断面積(AV)=100cm2(男女共)が用いられる。なお、BMIは、国際的に肥満、痩せの判定の指標として用いられているものであり、また腹部内臓脂肪横断面積(AV)は、内臓脂肪の分布量を表し、肥満症の判定の指標として臨床の場で用いられているものである。これらBMI、体脂肪率およびAVの各指標によって肥満度のランク分けが行われる。すなわち、BMIでは、19.7以下をランクI、19.8〜24.1の範囲をランクII、24.2〜26.3の範囲をランクIII、26.4以上をランクIVとしている。また、体脂肪率では、男性の場合、10%以下をランクI、10〜20%の範囲をランクII、20〜25%の範囲をランクIII、25%以上をランクIVとし、女性の場合、20%以下をランクI、20〜30%の範囲をランクII、30〜35%の範囲をランクIII、35%以上をランクIVとしている。また、腹部内臓脂肪横断面積(AV)については、50cm2以下をランクI、50〜100cm2の範囲をランクII、100〜150cm2の範囲をランクIII、150cm2以上をランクIVとしている。
【0042】
これら肥満度ランクおよび肥満症の判定結果は、図6(b)に示されるように表示部8に表示される。この表示は、BMI、体脂肪率および腹部内臓脂肪横断面積のそれぞれに対してランク表示しても良いし、あるいはそれら全ての指標のランクデータに基づいて、優先ランクまたは平均ランクを決定して表示するようにしても良い。なお、図6(b)に示される例では、被検者の健康指標である、BMI、体脂肪率および腹部内臓脂肪横断面積の各値が、前回あるいは過去の値と同時表示されるとともに、肥満度ランクおよび肥満症の判定指標が同時表示されるようになっている。また、必要に応じて、測定値の目標値からの偏差量を表示することもできる。
【0043】
本実施形態においては、被検者の腹部内臓脂肪横断面積を求めるのに、入力された被検者の個人データ(身長、体重、年齢、性別、ウエストサイズ等)に基づいて、予め記憶されている演算式によって演算するものとしたが、ウエストサイズのデータについては、被検者の身長、体重、年齢の各入力データから推定によって求めるようにしても良い。この推定式の一例としては次式(6)がある。
WL=m1×W/HL 2+n1×Age+l1 ……(6)
ここで、W:体重、HL:身長、Age:年齢であって、m1、n1は係数、l1は定数である。
【0044】
さらに、この演算により求められたウエストサイズと被検者の個人データ(身長、体重、年齢、性別等)とに基づいて、前記実施形態において用いられた演算式により被検者の腹部内臓脂肪横断面積を求めることもできる。このようにすれば、ウエストサイズの測定およびその入力の手間が省けるので、より簡便に内臓脂肪量を得ることができる。
【0045】
図7には、本発明の第2の実施形態に係る温度・湿度測定機能付き内臓脂肪計の平面図(a)および側面図(b)が示されている。
【0046】
本実施形態の温度・湿度測定機能付き内臓脂肪計1Aにおいては、機器本体2の前面付近に湿度センサー20を設けるとともに、この湿度センサー20の前面に通気用多孔体21を配置し、この通気用孔体21の表面に指を接触できるように構成されている。これ以外の点については、先の第1の実施形態と基本的に異なるところがない。したがって、第1の実施形態と共通する部分には、図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとする。
【0047】
本実施形態では、インピーダンスの測定に際して、被検者が指を湿度センサー20に押し当てて、通気用多孔体21を介して指の皮膚面の発汗状態を測定するように構成されている。この場合、電気抵抗率R'は例えば次式(7)にて求めることができる。
R'=β×(γ×H+δ×H')−n ……(7)
【0048】
このようにすれば、指の皮膚の発汗量を湿度センサー20にて測定し、この測定値に基づき皮膚の電気伝導度または電気抵抗率を補正することができるので、この電気伝導度または電気抵抗率をより正確に求めることができ、これによってインピーダンス測定の適否判定がより正確に行えることになる。
【0049】
本実施形態において、更に温度センサーおよび湿度センサーによる環境温度および湿度データから発汗量を推定し、これに基づき皮膚の電気伝導度または電気抵抗率を補正するようにしても良いし、あるいは前記環境温度または湿度データから求められる不快指数に基づき皮膚の電気伝導度または電気抵抗率を補正するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る温度・湿度測定機能付き内臓脂肪計の正面図(a)および側面図(b)である。
【図2】図2は、本実施形態に係る温度・湿度測定機能付き内臓脂肪計のブロック図である。
【図3】図3は、インピーダンス測定回路を示す図である。
【図4】図4は、被検者の電極との接触部位における電気抵抗率と環境湿度との相関を示すグラフである。
【図5】本実施形態に係る温度・湿度測定機能付き内臓脂肪計の動作を示すフローチャートである。
【図6】図6(a)(b)は、本実施形態に係る温度・湿度測定機能付き内臓脂肪計の表示画面例を示す図であって、(a)は温度・湿度表示モード、(b)は内臓脂肪測定モードである。
【図7】図7は、本発明の第2の実施形態に係る温度・湿度測定機能付き内臓脂肪計の正面図(a)および側面図(b)である。
【符号の説明】
1,1A 温度・湿度測定機能付き内臓脂肪計
2 機器本体
3〜6 電極
7 生体インピーダンス測定回路(生体インピーダンス測定部)
8 表示部
9〜12 入力キー/スイッチ(入力部)
13 表示ランプ
14 I/O回路
15 中央処理部(演算部)
16 記憶部
20 湿度センサー
21 通気用多孔体
Claims (2)
- 温度を測定する温度測定手段と、湿度を測定する湿度測定手段と、被検者の身長、体重およびウエストサイズを含む個人データを入力する入力部と、被検者の身体の一部に接触される電流印加用電極および計測用電極と、この計測用電極より得られる信号により被検者の生体インピーダンスを測定する生体インピーダンス測定部と、この生体インピーダンス測定部より入力されるデータと前記入力部より入力されるデータとに基づき少なくとも被検者のBMI、体脂肪率および内臓脂肪量のうちのいずれかを演算する演算部と、この演算部による演算結果と、前記温度測定手段および湿度測定手段による各測定データを表示する表示部とを備え、
前記演算部は、前記湿度測定手段により測定される湿度に基づいて、被検者の身体と前記電流印加用電極および計測用電極との接触部の電気伝導度または電気抵抗率を演算し、その演算された電気伝導度または電気抵抗率から生体インピーダンス測定の適否判定を行うことを特徴とする温度・湿度測定機能付き内臓脂肪計。 - 前記演算部による生体インピーダンス測定の適否判定結果は前記表示部に表示される請求項1に記載の温度・湿度測定機能付き内臓脂肪計。
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