JP4454092B2 - 体内脂肪量測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被測定者の身体内に電流を通して身体内インピーダンス値を測定することで体内脂肪量を求める体内脂肪量測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の体内脂肪量測定装置は、図5に両足間で被測定者の体内脂肪量を測定する体内脂肪量測定装置100を説明する説明図が示されるように、両足にそれぞれ接触させるように測定台W上の測定面に1対ずつの電流付加用電極A1,A2と電圧測定用電極B1,B2が配設され、前記電流付加用電極A1,A2に一定電流Ixを供給する定電流供給回路101が接続されるとともに、前記電圧測定用電極B1,B2に身体内インピーダンスの両端に発生する電圧を測定する電圧測定回路102が接続されて構成されている。なお、図5において、被測定者の足裏面と電流付加用電極A1,A2との間の足先端部周辺組織インピーダンスを含む接触インピーダンスがそれぞれZS1,ZS2とされ、被測定者の足裏面と電圧測定用電極B1,B2との間の足先端部周辺組織インピーダンスを含む接触インピーダンスがそれぞれZS3,ZS4とされ、身体内インピーダンスがZiとされている。
【0003】
この体内脂肪測定装置100において、前記定電流供給回路101は演算増幅器AMP1と参照抵抗Rxとからなり、演算増幅器AMP1の入力に一定の交流電圧Viを加えたとき演算増幅器AMP1の出力に現れる電圧によって前記各インピーダンスZS1,Zi,ZS2および参照抵抗Rxの経路を流れる電流Ixによって、前記参照抵抗Rxの両端に発生する電圧が常に前記入力電圧Viに等しくなるように出力電圧Voが制御されており、この制御動作は演算増幅器AMP1の負荷である各インピーダンスZS1,Zi,ZS2および参照抵抗Rxの和の大きさがある一定の範囲内であれば任意の大きさの値に対して実行可能である。したがって、被測定者毎に接触インピーダンスZS1,ZS2や身体内インピーダンスの大きさが異なっても、常に一定の大きさIx=Vi/Rxの電流が各インピーダンスZS1,Zi,ZS2および参照抵抗Rxの経路に流れることになる。
【0004】
この定電流Ixによって身体内インピーダンスZiに発生する電圧は、前記電圧測定用電極B1,B2に抵抗R1,R2を介して演算増幅器AMP2が接続されてなる電圧測定回路102により測定される。前記身体内インピーダンスZiに発生する電圧Vxは、前記抵抗R1,R2の抵抗値を身体内インピーダンス値に比べて充分大きい値を選んでおけばほとんど電流が演算増幅器AMP2の方へ流れることがないので、ほぼ正確に電圧Vx=Zi・Ixを前記演算増幅器AMP2はゲインK倍に増幅して出力することができる。
【0005】
前記電圧測定回路102の下流側には、順に整流回路103,フィルタ104およびA/D変換器105を介してCPU106が接続されている。こうして、前記電圧測定回路102から出力されるK・Vxの値は、前記整流回路103にて整流化されてフィルタ104によって平滑化された後、A/D変換器105にてデジタル化されて前記CPU106に入力される。前記CPU106においては、予め定電流供給回路101に与えられる電圧Viと参照抵抗RxとゲインKの値はそれぞれ既知であり、電流Ixの値は固定値としてCPU106に接続されるメモリ107に記憶させておき、入力されたK・Vxのデジタル値をK・Ixで割り算し、K・Vx/K・Ix=K・Zi・Ix/K・Ix=Ziと計算して、身体内インピーダンスZiを求めている。
【0006】
この体内脂肪量測定装置100においては、このようにして求められた身体内インピーダンスZiと、別途の手段で得た被測定者の身長,体重,性別,年齢などの個人の身体情報とを予め多くの実験に基づいて得られたこれらの測定値をパラメータとする演算式に対してそれぞれの値を代入することで体内脂肪量が得られるようにされている。
【0007】
しかし、身体内インピーダンスZiは個人差があるものの数百オーム程度であって大きな違いはないが、接触インピーダンスは人間の皮膚の乾湿状態で大きく変化するため、前記従来の体内脂肪量測定装置100では演算増幅器AMP1の出力に一定電流を保つには接触インピーダンスの増加に伴い出力電圧Voの値を増加させるように制御されているが、演算増幅器AMP1の性質上、出力は演算増幅器AMP1に与えられる電源電圧の約95%程度までしか出すことができない。したがって、前記演算増幅器AMP1の出力に一定の大きさ以上のインピーダンス負荷が加わると出力電圧は飽和して増加しないため、定電流供給回路101から供給される電流が一定とならず、身体内インピーダンスZiの測定が不可能であるという問題がある。
【0008】
そこで、このような問題に対処して接触インピーダンスが大きい場合であっても身体内インピーダンスZiの測定が可能である体内脂肪量測定装置が特開平11−113872号公報および特開平11−113873号公報に提案されている。
【0009】
前記特開平11−113872号公報に記載の体内脂肪量測定装置は、従来の体内脂肪量測定装置とほぼ同様の構成を備え、さらに定電流供給回路101の演算増幅器AMP1の出力電圧をコンパレータで監視させておき、その演算増幅器AMP1の出力が飽和する前に前記各インピーダンスZS1,Zi,ZS2および参照抵抗Rxの経路を流れる電流Ixの値を変更するように構成されている。なお、従来の体脂肪量測定装置100と同様の構成については同一符号を用いて説明し、その構成の詳細な説明は省略することとする。
【0010】
この体内脂肪量測定装置によれば、被測定者と電流付加用電極A1,A2との間の接触インピーダンスが増えると定電流を維持するために増加する演算増幅器AMP1の出力電圧Voがコンパレータに予め設定された設定値(飽和出力電圧よりやや低い値)を越えると、前記参照抵抗Rxの値を増加させて電流Ixの値を減少させるようにして、前記演算増幅器AMP1の出力が飽和しないようにされている。
【0011】
前記参照抵抗Rxの値を増加させる方法は、これまで並列抵抗回路を構成していた参照抵抗Rxの部分の並列抵抗をアナログスイッチによって切り離す方法で実施されている。例えば、参照抵抗Rxの値を2倍にさせた場合、参照抵抗Rxの両端電圧は従来の電流値の1/2でもって電圧Viに等しくすることができるため、定電流値はIx/2となる。このように定電流値をIx/2とすると、演算増幅器AMP1の出力も前記飽和電圧値未満の出力でもって制御が可能となり、次に飽和するまで出力許容付加の範囲が増えて測定可能範囲も増える。
【0012】
この場合、定電流値がIx/2に落ちているため、このまま電圧測定回路の演算増幅器AMP2より測定される電圧値VxがCPUに入力され、メモリ内の電流値Ixを用いて演算すると1/2の大きさの身体内インピーダンス値が求められてしまう。そこで、前記スイッチ切替えに合わせて、前記演算増幅器AMP2のゲイン抵抗が2倍になるように切替えることにより、正常な値の身体内インピーダンスZiが求められるようにされている。
【0013】
続いて、前記特開平11−113873号公報に記載の体内脂肪量測定装置は、身体内インピーダンスを測定するために被測定者に予め適切に定めた一定電圧Vaを与え、その電圧印加により前述と同様に足先末端部組織インピーダンスZS1,ZS2と、身体内インピーダンスZiと、参照抵抗Rxの経路を流れる電流を計測するように構成されている。
【0014】
この体内脂肪量測定装置においては、被測定者に一定電圧Vaを加えるようにされているが、前記経路のインピーダンスの合計値が小さすぎると人体に大きい電流が流れてしまうため、前記各インピーダンスZS1,ZS2が0でZiが小さい場合でも身体内インピーダンスZiと参照抵抗Rxとの和でVa/(Zi+Rx)が規定電流値を越えないように参照抵抗Rxが設定されている。また、前記インピーダンスの合計値に応じて変動する出力電流値をIyとすると、前記参照抵抗Rxの両端に発生する電圧Vyは、Vy=Rx・Iyで表され、この値がデジタル化されてCPUへ入力される。
【0015】
前記CPUでは、予めメモリ内に参照抵抗Rxの値を設定させておけば、Vyの値により、(K・Zi・Iy/Vy)・Rx=(K・Zi・Iy/Rx・Iy)・Rx=K・Ziの如く演算して、身体内インピーダンスZiの値を得ることができる。前記接触インピーダンスが高くなりインピーダンス合計値が大きくなると、そのインピーダンス合計値の大きさに応じて経路を通電する電流値が小さくなるが、前述の問題点にあるように演算増幅器の出力が飽和するのを防止できる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開平11−113872号公報および特開平11−113873号公報に記載の体内脂肪量測定装置では、接触インピーダンスの広い範囲について測定可能であるが従来の体内脂肪量測定装置と比較して、低い電流値を用いて身体内インピーダンスの測定が行われているため、測定精度が悪化して安定した測定が行えないという問題点がある。以下に、各公報に記載の体内脂肪量測定装置について、設計例を挙げてより詳細に前述の問題点について説明する。
【0017】
前記特開平11−113872号公報に記載の体内脂肪量測定装置(以下、事例1という)においては、足先端部周辺組織インピーダンスを無視するものとし、演算増幅器AMP1の飽和電圧出力4.8V(交流電源を使用するが、数値に+,−の符号は省略する。以下も同様である。)として測定回路の不具合時に人体を流れる最大許容電流を2mA、常用時の人体を流れる最大電流を1mAで設計するものとする。したがって、演算増幅器AMP1にトラブルが起こって出力が飽和し、その場合の接触インピーダンスが0、身体内インピーダンスが0と仮定したときの身体を流れる最大電流を2mAとし、正常な電流制御時の定電流値を1mAとなるようにすると、参照抵抗Rxの値は2.5KΩとなるように設定され、演算増幅器AMP1に与えられる電圧Viは、1mA×2.5KΩ=2.5Vとなる。
【0018】
前記特開平11−113873号に記載の体内脂肪量測定装置(以下、事例2という。)においては、事例1と同様に最大許容電流を2mAとし、常用時の人体を流れる最大電流を1mAで設計すると、参照抵抗Rxの値は2.5KΩとなる。また、標準状態での被測定者の身体内インピーダンスを500Ω,接触インピーダンスを両方の電極で100Ωずつ合計200Ωとすると負荷(インピーダンス)の合計値は、参照抵抗Rxの値と合わせて3.2KΩとなるので、一定電圧Vaは、Va=1mA×3.2KΩ=3.2Vとなる。この事例2では、電圧Vaが3.2V、参照抵抗Rxが2.5V、身体内インピーダンスZiが0.5KΩであるから電流値Iyを表す値は、接触インピーダンスをZとすると、
Iy=Va/(Rx+Zi+Z)=3.2/(3+Z) …(式1)
で表され、接触インピーダンスZが大きくなるにしたがって双曲線を描くように減少する(図6点線参照)。
【0019】
前述のような条件で設計されたそれぞれの体内脂肪量測定装置(事例1および事例2)において、身体内インピーダンス500Ωを持つ標準的な被測定者について、接触インピーダンスZがその被測定者の指や足先の乾湿状態が様々である場合の測定信号の変化量、すなわち被測定者の足裏面と測定電極との間の接触インピーダンスの変化に対する測定電流値Ix,Iyの変化量の関係が図6に示されている。なお、この図6は縦軸に身体内を流れる電流値、横軸に前記インピーダンス合計値(Rx+Zi+Z)を表しており、被測定者が靴下を履いている場合もあるので接触インピーダンスの取り得る値の幅が大きく設定されている。また、図中実線は事例1を表し、点線は事例2を表している。
【0020】
図6中点A(接触インピーダンスZ=200Ω)では、前記インピーダンス合計値が(2.5K+0.5K+0.2K)=3.2KΩであり、事例1については、演算増幅器出力が3.2Vとなって身体に流れる電流値Ixは1mAを維持する。また、事例2については、電流値IyはIy=所定電圧/負荷=3.2/3.2K=1mAの電流が流れる。
【0021】
図6中点B(接触インピーダンス1.5KΩ)では、前記インピーダンス合計値が(2.5K+0.5K+1.5K)=4.5KΩであり、事例1についてはコンバータの設定値が4.5Vであることから、身体に流れる電流値Ixは1mAを維持する。一方、事例2では、インピーダンス合計値が4.5Vであるから電流値IyはIy=3.2/4.5K=0.711mAである。
【0022】
図6中点C(前記点B1,B2より接触インピーダンスが充分に大きい点;接触インピーダンス6KΩ)では、事例1の定電流供給回路は定電流1mAを維持することができないため、予め設置されたコンパレータの動作で電流値の切替えが行われ、目標電流値が1/2×Ix=0.5mAに設定される。なお、この点Cは、定電流0.5mAを維持できる限界の接触インピーダンス値とされている。この場合の負荷は、コンパレータの動作電圧が4.5Vであるから4.5/0.5m=9KΩである。故に、接触インピーダンスは6KΩである。さらに、この点Cより大きい接触インピーダンスに対しては定電流Ixを0.25mAで制御する必要がある。一方、事例2では、インピーダンス合計値が9KΩであるから、電流値Iyは3.2/9K=0.356mAであり、接触インピーダンス値が大きくなるにしたがって前記(式1)の双曲線の形状に沿って減少していく。
【0023】
前記事例1によれば、接触インピーダンスが1.5KΩを越えると出力電圧が4.5Vを越えるのでコンパレータが作動して、急に電流値を1/2に減少させるので、電圧測定回路の演算増幅器AMP2から出力される電圧信号も急に1/2に減少し、点Bの前後すなわち接触インピーダンスが1.5KΩを境界にして測定電流が2倍または1/2となり、同じ割合だけ電圧信号も異なってしまう。前記電圧信号の増減比率に合わせ電圧測定回路のゲインを反比例に増減させるようにしているので、電圧信号が変化しても一定の測定電圧をA/D変換器ヘ送るようになっているが、信号源のS/N比は加える電流値に反比例するので同じ身体内インピーダンスの人でも少しの接触インピーダンスの違いで大きく設定条件が変り、S/N比が変ってしまうという不具合が生じる。
【0024】
また、参照抵抗に切替えが1段階しか用意されていなければ、接触インピーダンスが図6の点Cより少し大きい値、すなわち演算増幅器が飽和電圧(前記従来例では、4.8ボルト)に到達し、電流値が0.5mAを限界的に維持できる負荷条件9.6KΩ(接触インピーダンス値にして6.6KΩ)を越えると再び定電流用演算増幅器AMP1が飽和する。この演算増幅器AMP1が飽和するとこれ以上の接触インピーダンスの飽和に対して0.5mAの電流を維持できず、測定電流は減少するのでそれに応じて演算増幅器AMP2の電圧出力値も小さくなる。ところが、演算回路内は設定電流固定値1mAを流したものとしての演算が行われるので接触インピーダンスが大きくなるほど身体内インピーダンスZiの誤差が拡大するという問題点がある。このような問題点を回避するためには、コンパレータの動作による参照抵抗の切替えが点Cでさらにもとの1/4の電流値になるように設定されている必要がある。さらに、幅広い範囲の接触インピーダンスに対応させるためには、多くの参照抵抗値が選択できる回路と多くの電圧測定回路のゲイン切替え回路とが必要となって、その部品コストが高くなるという問題点がある。
【0025】
また、前述のように接触インピーダンスの増加に備え演算増幅器AMP1が飽和しないように前もって測定電流値を小さく設定しているので、常に接触インピーダンスの広い範囲において小さい測定電流値による測定が行われ、演算増幅器AMP2からの出力信号も小さくなってしまい高精度の測定が行えないという問題点がある。例えば定電流値Ixを1.0mAから0.1mAおきに0.9,0.8,0.7…ときめ細かく切り替えを行い、できる限り高い電流値を用いて測定を行えば対処できるが、切替え回路が多くなり回路の部品コストが高くなるという問題点がある。
【0026】
続いて、事例2は点Aの接触インピーダンス0.2KΩにおける電流値が常用の1mAとなるように所定の供給電圧を決めているために、0.2KΩ以上に接触インピーダンスが増えた場合、少なくとも適正な電流値1mAから小さい方向の測定電流により身体内インピーダンスが求められるようになるので適正な電流によって測定できる範囲が狭く、事例1と同様に高精度な測定が行えないという問題点がある。
【0027】
また、事例1では、定電流供給回路101の演算増幅器AMP1の出力信号が交流であり、その演算増幅器AMP1の出力電圧が飽和に達するまでは前記交流信号は正弦波であり、飽和後は正弦波の頭頂部が飽和電圧でスライスされた波となる。これらの出力信号は、整流回路103によって半波または全波整流され、フィルタ104に入力して平滑され、A/D変換器105によって積分される。
【0028】
前記フィルタ104の出力電圧は、入力波形が正弦波、飽和正弦波に関わらず50KHz,0.02msec周期のリップル成分を含むので平坦直流信号と比較して、この部分が非線形の要因となってしまう。前記インピーダンスに与える電圧信号の波の形状が正弦波と飽和電圧でスライスされた正弦波の場合では、そのとき身体内に発生した電圧測定値の波高値は身体内インピーダンスに比例してもフィルタの過渡応答波形の違いがあるので、前記過渡応答波の入力信号をA/D変換した後の積分値KViに波形形状による違いがでる。身体内インピーダンスを求めるには、この積分値KViをあらかじめメモリ107に記憶された固定値Ixで割り算するので、演算増幅器AMP1の出力が飽和していないときと飽和したときの場合では、実際の身体内インピーダンスZiが等しくても同一測定値を得ることができない。したがって、同一身体内インピーダンスを持つ被測定者または同一人において接触インピーダンスが変化することで、身体内インピーダンスZiの測定結果が異なってしまい、安定した測定が行えないという問題点がある。
【0029】
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、幅広い範囲の大きさの接触インピーダンスに対してより適正な大きさの電流で測定できるようにして、S/N比のより良い条件で高精度に身体内インピーダンスを測定して、被測定者の体内脂肪量を求める体内脂肪量測定装置を提供することを目的とするものである。
【0030】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
前述された目的を達成するために、本発明による体内脂肪量測定装置は、身体内の脂肪量を測定する体内脂肪量測定装置において、
(a)少なくとも被測定者の身体内に電流を通す電流印加手段と、
(b)この電流印加手段による通電経路中に存在する負荷の合計値が所定の範囲内で、その電流値が一定値となるように制御する電流制御手段と、
(c)前記通電経路を流れる電流の値を測定する電流測定手段と
を備えることを特徴とするものである。
【0031】
本発明においては、電流印加手段により少なくとも被測定者の身体内に電流が流され、その電流値は電流制御手段により通電経路中に存在する負荷の合計値が所定の範囲内で一定値となるようにされており、さらにこの通電経路を流れる電流値が電流測定手段により測定されている。こうして少なくとも身体内に通電される身体内インピーダンス測定にとって最もよい条件の電流値すなわち前記電流測定手段により測定された電流値を用いて、被測定者の身体内の身体内インピーダンスが求められ、この身体内インピーダンスを用いて、被測定者の体内脂肪量が測定される。
【0032】
本発明によれば、例えば電流印加手段と身体との間に発生する接触インピーダンスが増加するなどして負荷の合計値が電流制御手段により電流値を一定に維持できる値を超えた場合であっても、身体内を流れる電流の値が電流測定手段にて測定され、その時点の電流値を用いて身体内インピーダンスが求められる。したがって、複雑な切替え回路などを設ける必要がなく、従来例の体内脂肪量測定装置と比較して被測定者の負荷合計値の変化に対応してより高い測定電流値で身体内インピーダンスの測定を行うことができ、S/N比の最適な条件で高精度にかつ安定した測定ができるという効果を奏する。
【0033】
本発明においては、さらに、前記通電経路に発生する電圧を測定する電圧測定手段と、この電圧測定手段から得られる測定電圧情報と前記電流測定手段から得られる測定電流情報とを用いて前記被測定者の身体内に存在する身体内インピーダンス値を演算により求める演算回路とを備えるものであるのが好ましい。
【0034】
また、本発明において、前記演算回路は、前記測定電圧情報と測定電流情報との割り算を含む演算式を用いて身体内インピーダンス値を求めるのが好ましい。このような演算式を用いることにより、測定電圧情報に含まれるリップル成分などの非線形要因と測定電流情報に含まれるリップル成分などの非線形要因が相殺されるため、前記電流制御手段により電流値が一定にされているときと一定にされていないときとに関わらず、安定した身体内インピーダンスを求めることができるという効果を奏する。
【0035】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による体内脂肪量測定装置の具体的な実施の形態につき、図面を参照しつつ説明する。
【0036】
図1(a)には、本発明の第1実施例に係る体内脂肪量測定装置を用いて被測定者の体内脂肪量を測定する際の測定回路図が示されている。
【0037】
第1実施例の体内脂肪量測定装置1においては、測定台Wの上面に3つの電極2a,2b,3aが設けられており、被測定者の一方の足で電極2a,2bが踏まれ、他方の足で電極3aが踏まれるようにされており、前記電極2a,3aがそれぞれかかと側で踏まれ、前記電極2bが足先側で踏まれるように配設されている。
【0038】
図1(b)には、被測定者が電極2a,2b,3aをそれぞれ踏んだ状態を説明する説明図が示されている。被測定者の両足と各電極2a,2b,3aとの間には、それぞれ接触インピーダンスR2a,R2b,R3aが生じるとともに、足裏の周辺の足先端部周辺組織インピーダンスZ2a,Z2b,Z3aが生じている。なお、図において測定したい両足間に存在する身体内インピーダンスをZiと表している。
【0039】
前記電極2a,2b,3aは、それぞれアナログスイッチ4(4a,4b,4c)を介して電流供給回路(本発明における電流印加手段に相当する。)5に接続されている。この電流供給回路5は、非反転入力端子から一定の大きさの電圧Viが入力されて電圧Voを出力する定電流制御用演算増幅器(本発明における電流制御手段および電圧測定手段に相当する。)6と、この定電流制御用演算増幅器6の反転入力端子に接続される電流測定用に抵抗値Rsの参照抵抗7とにより構成されている。
【0040】
前記電極2a,3aは、前記アナログスイッチ4a,4cをそれぞれ介して前記定電流制御用演算増幅器6の出力端子に連結されており、前記電極2bは前記アナログスイッチ4bを介して前記定電流制御用演算増幅器6の反転入力端子に接続されている。これらアナログスイッチ4a〜4cのON・OFFが制御されて、被測定者の身体内を含み電極2b,3aと電流供給回路5とにより構成される経路(以下、第1経路という)および被測定者の身体内を含み電極2b,2aと電流供給回路5とにより構成される経路(以下、第2経路という)に電流Iが流れるようにされている。なお、前記第1経路には接触インピーダンスR3a,足先端部組織インピーダンスZ3a,身体内インピーダンスZi,足先端部組織インピーダンスZ2b,接触インピーダンスR2bおよび参照抵抗Rsのインピーダンスが存在し、前記第2経路には接触インピーダンスR2a,足先端部組織インピーダンスZ2a,足先端部組織インピーダンスZ2b,接触インピーダンスR2bおよび参照抵抗7のインピーダンスRsが存在する。
【0041】
図2には、前記電流供給回路5の特性、すなわち前記各経路を流れる電流の値Iと各経路内に存在するインピーダンスの合計値との関係を表すグラフが示されている。前記電流供給回路5によれば、前記各経路のインピーダンス合計値が所定の範囲内すなわち定電流制御用演算増幅器6の出力電圧Voが飽和値に達するまで、前記経路を流れる電流値Iが一定となるように、前記出力電圧Voが制御されている。また、前記定電流制御用演算増幅器6の出力電圧Voが前記飽和値を越えると、インピーダンス合計値が大きくなるにしたがって、電流値Iが双曲線を描いて減少してしまう。本実施例に用いられる定電流制御用演算増幅器6の出力飽和値が例えば4.8Vの場合、前記電流値Iは、各経路のインピーダンス合計値Zaに対して、
I=4.8/Za …(式2)
で表される。したがって、図2に表される電流Iは、図6に表される事例1,事例2の電流Iに比べて常に高いまたは同一の電流値を得ることができる。
【0042】
前記定電流制御用演算増幅器6の反転入力端子と参照抵抗7との間には、前記電流Iによりその参照抵抗7の両端に発生する電圧を測定する電流計測用演算増幅器10を備えてなる電流計測回路(本発明における電流測定手段に相当する。)11が設けられている。前記参照抵抗7の抵抗値Rsは既知であるため、電流計測用演算増幅器10の測定電圧値により電流Iの値を得ることができる。また、前記定電流制御用演算増幅器6に入力される電圧Viは、Vi=Rs・I(但し、Iは出力電圧Voが飽和する前の定電流値である。)を満たす電圧値に設定されている。
【0043】
前記定電流制御用演算増幅器6の出力端子および電流計測用演算増幅器10の出力端子はそれぞれアナログスイッチ8a,8bを介して後述する演算制御装置(本発明における演算回路に相当する。)9に接続され、それら定電流制御用演算増幅器6から出力される電圧信号Voおよび電流計測用演算増幅器10から出力される電圧(参照抵抗7の両端に発生する電圧)信号Vrがそれぞれアナログスイッチ8a,8bのON・OFFが切替えられて、演算制御装置9に送信されるように構成されている。
【0044】
図3には、前記演算制御装置9の具体的構成を示すブロック図が示されている。この演算制御装置9は、前記定電流制御用演算増幅器6または電流計測用演算増幅器10から出力される交流電圧信号を直流化する整流回路12と、この整流回路12に接続されて直流化された電圧信号を平滑化するローパスフィルタ13と、このローパスフィルタ13に接続されてアナログ信号をデジタル化するA/D変換器14と、このA/D変換器14からのデジタル信号を受けるI/O回路15とを備え、このI/O回路15には各種データに基づいて被測定者の体内脂肪量を演算するCPU(本発明における演算回路に相当する。)16と、被測定者の個人データ(年齢,身長,体重,性別)を入力するためのキースイッチ17と、体内脂肪量(または体脂肪率)を表示する表示器18とが接続されて構成されている。なお、前記CPU16には、各種データを記憶するROM/RAMメモリ(以下、メモリという。)19が接続されている。
【0045】
前記CPU16は、前記定電流制御用演算増幅器6および電流計測用演算増幅器10からそれぞれ出力される出力電圧Vo,Vrに基づいて、身体内インピーダンスZiを演算するとともに、この演算された身体内インピーダンスZiと前記キースイッチ17から入力される個人データとに基づいて体内脂肪量(または体脂肪率)を演算して、表示器18に表示する。また、前記CPU16は、前記アナログスイッチ4a〜4c,8a,8bのON・OFF制御信号をI/O回路15を通して各アナログスイッチ4a〜4c,8a,8bに出力するように構成されている。
【0046】
このように構成される体内脂肪測定装置1においては、被測定者の両足が前記電極2a,2b,3a上に置かれた状態で、アナログスイッチ4b,4cがONのときに接続インピーダンスR3a,足先端部周辺組織インピーダンスZ3a,身体内インピーダンスZi,足先端部周辺組織インピーダンスZ2b,接続インピーダンスR2b,参照抵抗7を含む第1経路が形成され、アナログスイッチ4a,4bがONのときに接続インピーダンスR2a,足先端部周辺組織インピーダンスZ2a,足先端部周辺組織インピーダンスZ2b,接続インピーダンスR2b,参照抵抗7を含む第2経路が形成される。また、前記アナログスイッチ8aがONにされると定電流制御用演算増幅器6が演算制御装置9に接続され、アナログスイッチ8bがONにされると電流計測用演算増幅器10が演算制御装置9に接続される。
【0047】
次に、前記アナログスイッチ4b,4cをONにしたときを測定モード1とし、前記アナログスイッチ4a,4bをONにしたときを測定モード2として、各測定モード別に定電流制御用演算増幅器6および電流計測用演算増幅器10から出力される電圧信号Vo,Vrについて説明する。
【0048】
前記測定モード1において、アナログスイッチ8a,4b,4cをONとしたときの定電流制御用演算増幅器6の出力電圧にVo1が現れ、前記出力負荷を流れる電流をI1とすると、
Vo1=(R3a+Z3a+Zi+Z2b+R2b+Rs)・I1 …(式3)
と表される。
このように表される出力電圧Vo1は、整流回路12,平滑回路13,A/D変換回路14を通してデジタル化され、CPU16内に読み込まれる。なお、前記出力電圧Vo1は、定電流制御用演算増幅器6の飽和出力電圧値に達するまで、前記電流I1が一定となるように制御されており、その出力電圧Vo1が飽和出力電圧値を越えても測定は続行される。
【0049】
この後、アナログスイッチ4a,4cはON状態を継続し、アナログスイッチ8aをOFFにしてアナログスイッチ8bをONにしたときの電流計測用演算増幅器10の出力電圧をVr1とすると、
Vr1=Rs・I1 …(式4)
と表すことができる。
このように表される出力電圧Vr1は、前述と同様に各回路を通してデジタル化されてCPU16内に読み込まれる。
【0050】
次に、測定モード2において、アナログスイッチ8a,4a,4bをONとしたときの定電流制御用演算増幅器6の出力電圧にVo2が現れ、前記出力負荷を流れる電流をI2とすると、
Vo2=(R2a+Z2a+Z2b+R2b+Rs)・I2 …(式5)
と表される。
このように表される出力電圧Vo2は、整流回路12,平滑回路13,A/D変換回路14を通してデジタル化され、CPU16内に読み込まれる。前記定電流制御用演算増幅器6に係る出力負荷が小さい場合は、定電流制御が成立するためI1=I2であり、出力負荷が大きくなり前記定電流制御用演算増幅器6の出力が飽和した場合は定電流制御が成立しないので、I1≠I2となる。
【0051】
この後、アナログスイッチ4a,4bはON状態を継続し、アナログスイッチ8aをOFFにしてアナログスイッチ8bをONにしたときの電流計測用演算増幅器10の出力電圧をVr2とすると、
Vr2=Rs・I2 …(式6)
と表すことができる。
このように表される出力電圧Vr2は、前述と同様に各回路を通してデジタル化されてCPU16内に読み込まれる。なお、前記参照抵抗7の値Rsは、定電流制御用演算増幅器6による定電流制御中に電流I1,I2が人間測定にとって最適な大きさとなるように予め設定されており、その数値がメモリ19に記憶されている。
【0052】
前記電極2a,3aは足の接触面が全て接触できるように十分大きい面積がとられており、両方の接触インピーダンスの間にR2a≒R3aが成り立つとする。また、前記測定モード1と測定モード2との通電ルートはほぼ同じであるとして、足先端部周辺組織インピーダンスZ2a≒Z3aが成り立つとする。
【0053】
したがって、R3a+Z3a+Z2b+R2b+Rs=R2a+Z2a+Z2b+R2b+Rs=Ztと置くと、Vo1は
Vo1=(Zt+Zi)・I1 …(式7)
と表すことができ、Vo2は、
Vo2=Zi・I2 …(式8)
と表すことができる。
【0054】
前記(式4)および(式7)により、
Zt+Zi=Vo1/I1=(Vo1/Vr1)・Rs …(式9)
と表され、また、(式6)および(式8)により、
Zt=Vo2/I2=(Vo2/Vr2)・Rs …(式10)
と表される。
したがって、身体内インピーダンスZiは、(式9)および(式10)より
Zi={(Vo1/Vr1)−(Vo2/Vr2)}・Rs …(式11)
と表される。
【0055】
この演算式(式11)によってRsは既知の値であるため、身体内インピーダンスZiが求められる。こうして得られた身体内インピーダンスZiと前記キースイッチ17により予め入力された個人データとを用いて、CPU16にて被測定者の体内脂肪量(または体脂肪率)が求められ、表示器18に表示される。
【0056】
本実施例によれば、幅広い範囲の接触インピーダンス値に対応でき、定電流制御用演算増幅器6の出力が飽和しても、インピーダンス合計値の大きさに応じて連続的に減少する電流で身体内インピーダンスZiの測定ができるので、複雑な切り替え回路や飽和検知回路などを設ける必要がなく、従来例の体内脂肪量測定装置(事例1,事例2)と比較して、被測定者の接触インピーダンスの変化に対応してより高い測定電流値で身体内インピーダンスの測定を行うことができ、定電流制御用演算増幅器の出力が飽和しても測定精度に影響を受けることがない。こうして、被測定者と電極2a,2b,3aとの間の接触インピーダンスR2a,R2b,R3aが通常値から高い値の場合に至るまで、S/N比の最適な条件で安定な測定ができるという効果を奏する。
【0057】
また、本実施例によれば、前記演算式(式11)では、Vo1/Vr1とVo2/Vr2とありそれぞれ分母の電流測定用演算増幅器10の出力と分子の定電流制御用演算増幅器6の出力とがいずれも整流回路12,フィルタ13,A/D変換回路14を通してCPU16に読み込まれた値を使用して割り算が行われているため、これら各回路のゲインに温度ドリフトなどがあっても相殺され、安定した測定値を得ることができる。
【0058】
前記フィルタ13が抵抗Rと、静電容量Cの1次遅れ回路であって、周期2t1の交流信号を半波整流した信号が入力されると、定電流制御用演算増幅器6が波高値Voのパルス状となって前記電極3a,2bに印加されたとすると、印加電圧が身体内インピーダンスZiの両端に発生する電圧信号も波高値Voが接触インピーダンスZ3a,Z2b,身体内インピーダンスZiおよび参照抵抗7のインピーダンス合計値Zaと身体内インピーダンスZiとの比によって分圧された、波高値Eiのパルス状信号として得られる。この信号がフィルタ13に入力されたときのフィルタ13の出力電圧であるコンデンサCの両端電圧をE1とすると、
E1=Ei・(1−e−x)
また、パルス休止期間に電荷がt1sec放電されたときのフィルタ13の出力電圧E2は、
E2=Ei・(1−e−x)・e−x
と表される。なお、式中Xは、X=t1/CRである。
したがって、十分長い時間が経過した後のパルス入力に対するフィルタ13の出力は、
En=Ei・[(1−e−x)/{1−(e−x)2}]
と
En+1=En・e−x
との間でリップルが繰り返される。
上式で過渡現象の応答を表す〔〕内の項をg(t)とするとフィルタの出力信号Eo1は、
Eo1=Ei・g(t)=(Zi/Za)/Vo・g(t)
と表せる。
さらに、A/D変換器14の出力後は積分されて、
∫Eo1・dt=(Zi/Za)・Vo・∫g(t)・dt
となる。なお、∫の記号の上下の積分時間値は省略する。
同様に、参照抵抗7の両端にも印加電圧がインピーダンス合計値Zaと参照抵抗7との比で分圧された波高値Esのパルス状電圧が得られ、上記信号と同じ整流回路12、フィルタ13を通ったときの出力信号は同じ過渡応答を持つので、
∫Eo・dt=Es・∫g(t)・dt=(Rs/Za)・Vo・∫g(t)・dt
と表される。前記両式における信号は、フィルタ13の時定数に対して十分長い応答時間を見込んだ後にある時間幅の間で読み取られデジタル化され、演算回路内で割り算されるので過渡応答に関わる項∫g(t)・dtは両者等しくなって分子分母で相殺され、Rsの値は既知であるので波高値のみの情報によって正しく身体内インピーダンスZiを求めることができる。
【0059】
したがって、前記演算式(式11)によれば、電圧波形の緩和、不飽和形状に関わらず平滑後のリップル波形による誤差、すなわち非線形の要因が相殺される。このため、定電流制御用演算増幅器6の飽和・不飽和の如何に関わらず、また使用する演算増幅器の特性によって出力飽和電圧値が異なろうとも、常に定電流制御用演算増幅器6が接続された第1経路または第2経路のインピーダンス合計値の大きさに応じた出力電圧とその第1経路または第2経路に流れる電流値を測定することによって、定電流制御用演算増幅器6の定電流制御領域と飽和領域を連続的に使用する形で身体内インピーダンスZiを求めることができる。
【0060】
次に、第2実施例に係る体内脂肪測定装置20について説明する。図4(a)には、前記体内脂肪量測定装置20を用いて被測定者の体内脂肪量を測定する際の測定回路図が示されている。
【0061】
第2実施例の体内脂肪量測定装置20においては、測定台Wの上面に4つの電極22a,22b,23a,23bが設けられており、被測定者の一方の足で電極22a,22bが踏まれ、他方の足で23a,23bが踏まれるようにされており、前記電極22a,23aがそれぞれかかと側で踏まれ、前記電極22b,23bが足先側で踏まれるように配設されている。
【0062】
図4(b)には、被測定者が電極22a,22b,23a,23bをそれぞれ踏んだ状態を説明する説明図が示されている。被測定者の両足と各電極22a,22b,23a,23bとの間には、それぞれ接触インピーダンスR22a,R22b,R23a,R23bが生じるとともに、足裏の周辺の足先端部周辺組織インピーダンスZ22a,Z22b,Z23a,Z23bが生じている。なお、図において測定したい両足間に存在する身体内インピーダンスをZiと表している。
【0063】
前記電極22a,23aは、非反転入力端子から一定の大きさの電圧信号Viが入力されて電圧Voを出力する定電流制御用演算増幅器(本発明における電流印加手段および電流制御手段に相当する。)24と、この定電流制御用演算増幅器24の反転入力端子に接続される抵抗値Rsの参照抵抗25とにより構成される電流供給回路26に接続されている。前記電流制御用演算増幅器24は、その反転入力端子に接続される電極22aとその出力端子に接続される電極23aとにより被測定者の身体内を通して構成される経路に電流Iが流れるように、入力においてVi=Rs・Iが成り立つように出力電圧Voを制御している。なお、前記出力電圧Voが前記電流制御用演算増幅器24の出力飽和電圧値を越えてしまうと、定電流Iを維持できずに、前記経路内のインピーダンス合計値が大きくなるにしたがって双曲線を描いて電流が減少してしまう。(図2参照)
【0064】
一方、前記電極22b,23bは、前記インピーダンス合計値より大きい抵抗値を有する抵抗29a,29bをそれぞれ介してそれら電極22b,23b間に発生する電圧を測定して電圧信号を出力する測定用演算増幅器(本発明における電流測定手段および電圧測定手段に相当する。)30の反転・非反転入力端子にそれぞれ接続されている。その測定用演算増幅器30の出力端子は、測定された電圧を用いて被測定者の体内脂肪量を演算する演算制御装置9に接続されている。この演算制御装置9は、第1実施例と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
【0065】
これら電極22b,23bと、抵抗29a,29bとの間には、それぞれアナログスイッチ27a,27bが配設されており、これらアナログスイッチ27a,27bがON状態で測定用演算増幅器30による電圧測定が行われるが、抵抗29a,29bにより電流Iがほとんど測定用演算増幅器30側へ流れないようにされているため、前記接触インピーダンスおよび足先端部周辺組織インピーダンスを除いた体内仮想点P,Q間の電圧(身体内インピーダンスZiの両端に発生する電圧)が差動電圧として測定される。
【0066】
また、前記定電流制御用演算増幅器24の反転入力端子と、前記測定用演算増幅器30の反転入力端子とがアナログスイッチ27cを介して接続されており、このアナログスイッチ27cをON状態とし前記アナログスイッチ27a,27bをOFF状態にすると前記測定用演算増幅器30によって前記参照抵抗25の両端に発生する電圧が測定される。この測定された電圧値により、参照抵抗25の値Rsは既知であるため、前記経路内を流れる電流の値が得られる。
【0067】
このように構成される体内脂肪測定装置20においては、被測定者の両足が前記電極22a,22b,23a,23b上に置かれた状態で、前記演算制御装置9のCPU16の出力信号により順次アナログスイッチ27a〜27cのON・OFFが切替えられて、身体内インピーダンスZiの両端に発生する電圧の測定と参照抵抗25の両端に発生する電圧の測定とが行われる。すなわち、アナログスイッチ27a,27bをON状態としてアナログスイッチ27cをOFF状態とすることにより身体内インピーダンスZiの両端に発生する電圧が測定され、アナログスイッチ27a,27bをOFF状態としてアナログスイッチ27cをON状態とすることにより参照抵抗25の両端に発生する電圧が測定される。
【0068】
前記経路内を流れる電流値をI3とすると、アナログスイッチ27a,27bをON状態とした場合に測定用演算増幅器30から出力される電圧Vo3は、
Vr3=Zi・I3
で表され、アナログスイッチ27cをON状態とした場合に測定用演算増幅器30から出力される電圧Vr4は、
Vr4=Rs・I3
で表され、これら出力電圧Vr3,Vr4は前記整流回路12,平滑回路13,A/D変換回路14を通してデジタル化され、CPU16内に読み込まれる。
【0069】
前記参照抵抗25の値Rsは予めメモリ19に記憶されており、電流値I3の如何に関わらず、前記CPU16にて
Zi=(Vr3/Vr4)・Rs …(式12)
により身体内インピーダンスZiが演算される。こうして得られた身体内インピーダンスZiの値によって、第1実施例と同様にキースイッチ17から入力される個人データとに基づいて体内脂肪量(または体脂肪率)が求められ、表示器18に表示される。
【0070】
本実施例においては、定電流制御用演算増幅器24による定電流制御中に電流値Iが人間測定にとって最適な大きさになるように参照抵抗25の値Rsを予め設定しておけば、接触インピーダンスが大きくなって定電流制御用演算増幅器24の出力電圧が飽和しても最適定電流値から負荷の大きさに応じて連続的に徐々に減少する測定電流でもって身体内インピーダンスの測定ができるので、S/N比の観点から従来の方法に比べて常に好ましい条件での測定ができる。
【0071】
また、本実施例においては、前記出力電圧Vr3,Vr4とが割り算されているため、前記整流回路12,平滑回路13およびA/D変換回路14のゲインにドリフトがあっても相殺でき、特別な補正のためのプロセスが不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例に係る体内脂肪量測定装置を用いて被測定者の体内脂肪量を測定する際の測定回路図(a)および測定状態を説明する説明図(b)である。
【図2】図2は、本実施例の電流供給回路の特性を説明する図である。
【図3】図3は、本実施例の演算制御装置の具体的構成を説明するブロック図である。
【図4】図4は、第2実施例の体内脂肪量測定装置を用いて被測定者の体内脂肪量を測定する際の測定回路図(a)および測定状態を説明する説明図(b)である。
【図5】図5は、従来の体内脂肪量測定装置を説明する説明図である。
【図6】図6は、従来の問題点を説明する説明図である。
【符号の説明】
1,20 体内脂肪量測定装置
2a,2b,3a,22a,22b,23a,23b 電極
4a,4b,4c,8a,8b,27a,27b アナログスイッチ
5 電流供給回路
6,24 定電流制御用演算増幅器
7,25 参照抵抗
9 演算制御装置
10 電流計測用演算増幅器
11 電流計測回路
12 整流回路
13 ローパスフィルタ
14 A/D変換器
15 I/O回路
16 CPU
17 キースイッチ
18 表示器
19 メモリ
29a,29b 抵抗
30 測定用演算増幅器
Claims (3)
- 身体内の脂肪量を測定する体内脂肪量測定装置において、
(a)少なくとも被測定者の身体内に電流を通す電流印加手段と、
(b)この電流印加手段による通電経路中に存在する負荷の合計値が所定の範囲内で、その電流値が一定値となるように制御する電流制御手段と、
(c)前記通電経路を流れる電流の値を測定する電流測定手段と
を備えることを特徴とする体内脂肪量測定装置。 - さらに、前記通電経路に発生する電圧を測定する電圧測定手段と、この電圧測定手段から得られる測定電圧情報と前記電流測定手段から得られる測定電流情報とを用いて前記被測定者の身体内に存在する身体内インピーダンス値を演算により求める演算回路とが設けられる請求項1に記載の体内脂肪量測定装置。
- 前記演算回路は、前記測定電圧情報と測定電流情報との割り算を含む演算式を用いて身体内インピーダンス値を求める請求項2に記載の体内脂肪量測定装置。
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