JP4674973B2 - 身体インピーダンス測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人間の身体のインピーダンスを測定する装置に関し、より詳しくは人間の身体を左右の手足と胴体の5つの部分に分割してそれら各部分のインピーダンスを電気インピーダンス測定法によって求める身体インピーダンス測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特表平10−510455号公報に開示されているように、人間の身体を左手、右手、左足、右足および胴体の5つの身体部分に分割して、電気インピーダンス測定法によってそれぞれの身体部分のインピーダンスを測定し、この求められたインピーダンス値にそれぞれの組織に特有の係数を与えて、各部分の体脂肪量を求めるようにした方法が知られている。
【0003】
この公報に開示された方法は公知の4端子法を利用するもので、図6、図7に示されるように、人体を、左手、右手、胴、左足、右足の5つの部分に分けて、それぞれのインピーダンスをZ,U,M,X,Yとし、また左手、右手、左足、右足の各末端にそれぞれ測定用電極E1,E2;E3,E4;E5,E6;E7,E8を設けて各インピーダンスZ,U,M,X,Yの値を求めるように構成されている。この場合、各電極に接触する人体末端組織および接触インピーダンスをそれぞれv1,v2,v3,v4,v5,v6,v7,v8で表し、前記各インピーダンスZ,U,M,X,Yの値を測定する際にそれらインピーダンスv1〜v8を除外するようにされている。
【0004】
すなわち、例えば図6(a)(b)に示されるように、定電流Iを電極E8から電極E4に流して電極E2,E3間の電圧V1を、入力抵抗値の極めて高い電圧信号増幅器を持つ測定器によって測定すると、電流はインピーダンスv3,Z,v2へは流れないので、電圧V1は体内の電流流路上の点b−P間に発生する電位降下の値に等しくなる。よって、式V1/Iを演算することにより右手インピーダンスUの値を求めることができる。同様に、電極E6,E2間の電圧V2を測定すると、体内の電流流路上の点P−Q間の電位降下を測定したことになり、式V2/Iを演算することにより胴体インピーダンスMの値を求めることができる。また、電極E7,E6間の電圧V3を測定して式V3/Iを演算することにより右足インピーダンスYの値を求めることができる。
【0005】
次に、図7(a)(b)に示されるように、定電流Iを電極E5〜電極E1に流して電極E3,E2間の電圧V4および電極E6,E7間の電圧V5をそれぞれ測定し、式V4/IおよびV5/Iを演算することにより左手インピーダンスZおよび左足インピーダンスXの値をそれぞれ求めることができる。
【0006】
一方、人間の身体を複数の部分に分け、各部分のインピーダンスを求めるようにした他の公知例として、米国特許第5,335,667号明細書に開示されたものがある。
【0007】
この米国特許明細書に開示された方法はやはり4端子法を利用するもので、図8(a)に示されているように、右手、右足にそれぞれ設けた電流電極101,102間および左手、左足にそれぞれ設けた電流電極103,104間に定電流Iを流し、図8(b)に示されているように、インピーダンスを測定したい人体の部分の両端に電圧計測電極105,106を設置してそれら両電極105,106間の電圧を測定することで、その間のインピーダンスを求めるようにされている。このように4個の電流電極と2個の電圧計測電極よりなる、少なくとも6個の電極を使用して人体の部分組織のインピーダンスの測定が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特表平10−510455号公報に開示されている測定法においては、例えば図7に示されるように左手および左足の各先端に設けた電流電極間に電流を流すと、図9に示されているように、胴部を流れる電流は左側部分に偏って流れることになり、同様に図6に示されるように右手および右足の各先端に設けた電流電極間に電流を流すと、胴部を流れる電流は右側部分に偏って流れることになって、人体の片側に電流を流すような電極配置は胴体部において電流分布が偏り、胴部全体を代表するインピーダンスの評価に適していないという問題点がある。
【0009】
これに対して、前記米国特許第5,335,667号明細書に開示されている測定法においては、図8に示されるように、二つの電流源から電流を両手と両足間に流すようにされているので、注入電流の約半分ずつが胴部の右側と左側とにそれぞれ流れることになって体全体に平均的に分布し、これによって平均的な電位分布が得られ、正しいインピーダンスの測定が可能になるという長所を有している。
【0010】
ところが、この米国特許明細書に記載の測定法においては、測定電極を測定したい身体部分の両端に配置しなければならないという問題点がある。例えば足のインピーダンスを測定したい場合には、電圧計測電極を足首と足の付け根とに配置しなければならない。
【0011】
この種の体脂肪計に要求される機能としては、手軽に、かつ服装にも影響されずに測定することができ、しかもできるだけ正確に身体の各部分毎のインピーダンスを分離測定して、各部分に特有の係数をもって全身の脂肪量に変換できる点にある。このような観点からすれば、前述の米国特許明細書に記載の方法では、全身を分離測定するに当たり、電圧計測電極を衣服の下に配置する必要があって簡便に使用するのが困難であるという問題点がある。
【0012】
また、人間の身体組織は、電極と皮膚面との接触抵抗の大きさも含めて完全には電気インピーダンスの上で左右対称ではなく、2つの電流装置から定電流を図8(b)に示されるように同時に注入した場合にも、電極101と電極103とに接続される定電流回路の電流制御増幅器から回路コモンを見たインピーダンスには差が生じてしまう。したがって、例えば電極102と電極104とに全く同じ量の電流I/2が帰還するように回路設計をしたとしても両手部に同じ電流I/2が流れることがなく、例えば左手に発生する電圧を左手の両端に設けた電極により測定して得られる電圧測定値Vrによって式Vr/(I/2)にてインピーダンスを求めても正確な左手インピーダンスを得ることができないという問題点がある。
【0013】
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、人間の身体を両手、両足、胴の5部分に分割して各部分のインピーダンスを測定するに際して、これら胴部のインピーダンス、および左右の手、足のインピーダンスをそれぞれ正確に測定することのできる身体インピーダンス測定装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
前記目的を達成するために、本発明による身体インピーダンス測定装置は、
身体を左右の手、胴および左右の足の5つの身体部分に分割して前記5つの身体部分のインピーダンスを求める身体インピーダンス測定装置において、
測定時に全ての電極を身体末端部に接触するように配置し、前記全ての電極を介して前記5つの身体部分の全てに同時に電流を流すように回路を構成し、前記5つの身体部分のインピーダンスを身体末端組織のインピーダンスを除外して求めることを特徴とするものである。
【0015】
本発明によれば、少なくとも1個の電流制御回路から左右の手、胴および左右の足の5つの身体部分の全てに同時に電流が分布されるので、従来の片手と片足との間に電流を流す方法に比べて胴部を流れる電流分布が偏ることがなく、胴部インピーダンスを正確に測定することができる。また、身体末端部に近接配置される電極から身体への電流の注入が行われるので、電圧測定用電極を例えば足の付け根などに移動させる必要がなく、測定者が衣服の着脱を行うことなく、測定用電極を手と足の先端部に固定的に配置して、身体各部分のインピーダンスを容易に測定することができるという利点がある。
【0016】
本発明において、前記身体末端部に近接配置される電極を導電性物体で接続することによって前記5つの身体部分の全てに同時に電流が流れるようにするのが好ましい。また、前記身体末端部に近接配置される電極の間を抵抗で接続することによって前記5つの身体部分の全てに同時に電流が流れるようにするのが好ましい。このようにすれば、抵抗値が既知の抵抗を接続することで、各部分のインピーダンス値を未知数とする回路方程式の係数をなす電流値を既知にすることができ、それらインピーダンス値を容易に求めることが可能となる。
【0017】
本発明において、前記5つの身体部分に流れる全ての電流値を既知化して、電極間に発生する電圧の測定値に基づいて前記5つの身体部分のインピーダンスを求めるようにされるのが好ましい。このように5つの身体部分に流れる全ての電流値を既知化できるようにすることで正確に5つの身体部分のインピーダンスを求めることができる。
【0018】
本発明においては、身体末端部に近接配置される電極が測定器側に固定的に設けられるのが好ましい。これにより、電極を移動させることがなく、測定者にとって使い勝手の良い測定装置を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による身体インピーダンス測定装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
図1(a)(b)(c)には、本発明の第1の実施形態に係る身体インピーダンス測定装置の測定原理を示す回路構成図が示されている。
【0021】
本実施形態においては、人体を、左手、右手、胴、左足、右足の5つの部分に分けて、各部分の電極インピーダンスをZ,U,M,X,Yとし、また手用測定器と足用測定器とを設け、手用測定器には左手、右手の各先端に一対ずつの測定用電極E1,E2;E3,E4を、足用測定器には左足、右足の各先端に一対ずつの測定用電極E5,E6;E7,E8を設けるようにされている。
【0022】
ここで、手用測定器の電極E1,E2;E3,E4は、測定者が衣服を着用していても接触が容易なように指先接触式もしくは掌接触式とされている。また、足用測定器の電極E5,E6;E7,E8も、測定者が衣服を着用していても接触が容易なように足の裏などの足の先端部に接触できるようにされている。また、これら両測定器は、測定者の体内を流れる電流が帰還するように、また電圧信号を測定できるように、互いに導線で結ばれている。なお、手足の末端組織のインピーダンスと、それら末端組織の皮膚表面と電極との間にある接触インピーダンスとの和をそれぞれv1,v2,v3,v4,v5,v6,v7,v8にて表すものとする。
【0023】
本実施形態では、図示のように、足用測定器の電極E6と電極E7との間および手用測定器の電極E2と電極E3との間にそれぞれ抵抗r1,r2が接続される。このように抵抗を接続すると、1個の電流源から両手足を含む全身に同時に電流を流すことができる。なお、抵抗r1の大きさはインピーダンスZまたはUと同程度がそれより低い値、抵抗r2の大きさはインピーダンスXまたはYと同程度かそれより低い値とするのが好ましい。また、これら抵抗を接続する代わりに、同等の電極間抵抗となる導電性物体を接続しても良い。
【0024】
このような構成の身体インピーダンス測定装置においては、次のような測定手順にしたがって測定が行われる。
【0025】
まず、第1測定ステップとして、図1(a)に示されるように、電極E7と電極E3との間に既知の一定電流Iを印加する。そうすると、電流Iは電極E7において両足の各インピーダンスY,Xに対してそれぞれI−iとiとに分流して両足を同時に流れ、胴部で集まることになる。また、胴部で集まった電流は両手インピーダンスU,Zに対してそれぞれI−iとiとに分流して両手を同時に流れ、電極E3において集まり再びIとなって体外へ出ることになる。
【0026】
このとき、各電極間に発生する電圧を測定し、電極E7−E6間がV1、電極E8−E5間がV2、電極E2−E3間がV3、電極E1−E4間がV4、電極E8−E4間がV5であったとする。このとき、人体を5つの部分に分けた等価回路には次の式が成り立つ。
(I−i)・Y−i・X=V2 ……………(1)
(I−i)・Y+I・M+(I−i)・U=V5 …………(2)
(I−i)・U−i・Z=V4 …………(3)
これら式(1)〜(3)において、係数となる電流値は、i=V1/r1、i=V3/r2より既知となり、Iは既知であるので全て既知となる。
【0027】
次に第2測定ステップとして、図1(b)に示されるように、今度は既知の一定電流Iを電極E6と電極E2との間に印加する。そうすると、電流Iは電極E6において両足の各インピーダンスX,Yに対してそれぞれI−jとjとに分流して両足を同時に流れ、胴部で集まることになる。また、胴部で集まった電流は両手インピーダンスZ,Uに対してそれぞれI−jとjとに分流して両手を同時に流れ、電極E2において集まり再びIとなって体外へ出ることになる。
【0028】
このとき、各電極間に発生する電圧を測定し、電極E6−E7間がV6、電極E5−E8間がV7、電極E3−E2間がV8、電極E4−E1間がV9であったとする。このとき、人体を5つの部分に分けた等価回路には次の式が成り立つ。
(I−j)・X−j・Y=V7 …………(4)
(I−j)・Z−j・U=V9 …………(5)
これら式(4)(5)において、係数となる電流値は、j=V6/r1、j=V8/r2より既知となり、Iは既知であるので全て既知となる。
【0029】
こうして、前記式(1)〜(5)の連立方程式を解けば、身体各部のインピーダンスX,Y,Z,U,Mを求めることができる。なお、実施に当たっては、予め方程式の解X,Y,Z,U,MをV1〜V9の測定値からなる演算式の形で記述しておき、前述の第1測定ステップおよび第2測定ステップのように順次電流を切り換えて所定の端子に発生する電圧V1〜V9を測定して演算回路に読み込み、前記演算式に代入するようにすれば良い。
【0030】
本実施形態の身体インピーダンス測定装置によれば、両足から与えた電流は一旦胴部に集められた後再び両手部に分かれて流れ出すようにされているので、片手と片足間に電流を印加する従来方法に比べて、電流を胴部全体に分布させることができることになり、正確に胴部インピーダンスを求めることができる。また、測定したい部位の両端に電極を配置しなくても、手と足とに設置した固定の電極間に発生する電圧を測定し、回路方程式を解くことで両手、両足および胴部よりなる人体の主要5部分のインピーダンスを求めることができるという利点がある。
【0031】
次に、本実施形態の身体インピーダンス測定装置を体脂肪計に適用した具体例について説明する。図2(a)(b)には、本具体例における体脂肪計の回路構成図が示され、図3には、同体脂肪計による測定状態の外観図が示されている。
【0032】
図2において、符号1にて示されるのは、人体の体内組織構成を等価インピーダンス回路で描いたモデルであり、左足、右足、胴、左手、右手の各部分のインピーダンス値がX,Y,M,Z,Uで表され、また左手、右手、左足、右足のそれぞれにおいて測定電極に接触する皮膚面と測定電極との間の接触インピーダンスに接触部近傍の末端組織のインピーダンスを加算した値がv1,v2;v3,v4;v5,v6;v7,v8にて表されている。また、手用測定器2と足用測定器3とが設けられ、手用測定器2には左手、右手の各先端に一対ずつの測定用電極E1,E2;E3,E4を、足用測定器3には左足、右足の各先端に一対ずつの測定用電極E5,E6;E7,E8を設けるようにされている(足用測定器3には体重計が併設される場合もある。)。これら電極E1〜E8は、電流印加もしくは電圧測定のいずれかまたは共用で使用される。さらに、足用測定器3の電極E6と電極E7との間および手用測定器2の電極E2と電極E3との間にはそれぞれ抵抗r1,r2が接続されている。これら抵抗r1,r2の抵抗値としては数十オームの値が選択される。なお、この抵抗r1,r2としては、電極間に導電性を与え電流経路を作るものであれば抵抗以外のものでも良く、例えば導電性板材を使用して電極間をつなぐようにしても良い。
【0033】
前記各電極E1,E2,E3,E4,E5,E6,E7,E8はそれぞれ端子P1,P2,P3,P4,P5,P6,P7,P8に接続され、端子P6,P7は定電流回路4の出力端子に、端子P2,P3は定電流回路4の入力端子にアナログスイッチAS1を介してそれぞれ接続できるようにされている。前記定電流回路4は、非反転入力端子に参照電圧Vcが入力されて定電流Iを出力する演算増幅器AMP1と、この演算増幅器AMP1から定電流Iが出力されるように回路を制御する参照抵抗Rsを備えてなり、演算増幅器AMP1の負荷が変動しても常に一定値I=Vc/Rsの電流が出力されるように構成されている。
【0034】
また、前記各端子P1〜P8はアナログスイッチAS2およびAS3を介して電圧測定回路5の入力端子に接続できるようにされている。この電圧測定回路5は、2つの入力端子間に発生する電圧を出力する演算増幅器AMP2と、この演算増幅器AMP2の入力抵抗R1,R2とフィードバック抵抗R3,R4とを備えて構成されている。なお、入力抵抗R1,R2としては、測定誤差が生じないように、身体の信号源インピーダンス(数百オーム程度)に比べて十分大きい値(数百Kオーム程度)が選ばれる。
【0035】
前記電圧測定回路5による人体のインピーダンス測定に際しては数十KHzの交流信号が印加されるので、この電圧測定回路5の演算増幅器AMP2の出力側には、この演算増幅器AMP2の出力電圧を整流する整流回路6と、この整流回路6から出力される電圧信号を平滑化するフィルタ回路7が設けられ、さらにそのフィルタ回路7にて平滑化されて直流に変換された後にアナログ信号をデジタル測定値に変換するA/D変換器8が設けられている。
【0036】
こうして、A/D変換器8により変換されたデジタル測定値はI/O回路9を通して演算回路CPU10に入力され、この演算回路CPU10により各種演算が実行される。この演算回路CPU10には、演算のための各種プログラム並びに記憶定数および演算結果を記憶するROM,RAM等で構成された記憶素子11が接続されている。また、前記I/O回路9には、測定者が自己の年齢や性別など、測定インピーダンスを元に体脂肪量を算出するのに必要な各種データを設定するためのキースイッチとしての操作スイッチ12と、測定データ等を表示するための表示器13とが接続されている。
【0037】
このような構成において、演算回路CPU10からの指令に基づき、アナログスイッチAS1,AS2,AS3により電流印加端子と電圧測定端子とを前述の第1測定ステップおよび第2測定ステップに対応するように所定位置に切り換え操作することで、人体を両手、胴、両足の5つの部分に分けたときのそれら各部のインピーダンス値X,Y,Z,U,Mを求めることができる。
【0038】
これら測定されたインピーダンス値X,Y,Z,U,Mは、予めX線CTなど直接的な体脂肪測定手段による測定結果と比較することによって求められたそれぞれの組織に特有な変換係数と、操作スイッチ12から与えられた個人特有の設定値、更には体重計が併設されている場合にはその体重計からの体重測定値とを演算させることで、体脂肪量および体脂肪率を算出して表示器13に表示することができる。
【0039】
図4には、本発明の第2の実施形態に係る身体インピーダンス測定装置の測定原理を示す回路構成図が示されている。
【0040】
前記第1の実施形態においては、1個の定電流回路から電流を与えるように構成されているが、本実施形態においては、2個の定電流回路(電流注入回路)から電流を与えるように構成されている。すなわち、左足から胴部を通して左手に至る電流経路と、右足から胴部を通して右手に至る電流経路とが設けられ、各電流経路に等しく電流値I/2が帰還するように2つの定電流回路4A,4Bが設けられている。各定電流回路4A,4Bは、非反転入力端子に参照電圧Vcが入力されて両方の出力電流の合計値がIになるように出力する演算増幅器AMP1,AMP2をそれぞれ備えるとともに、各演算増幅器AMP1,AMP2から出力された電流がI/2ずつに分岐するように回路を制御する参照抵抗Rs,Rsをそれぞれ備え、常に一定値I/2=Vc/Rsの電流が出力されるように構成されている。
【0041】
前記各演算増幅器AMP1,AMP2の出力端子O1,O2を電極E6,E8にそれぞれ接続したとき、これら端子O1,O2から回路コモンを見たインピーダンスは異なるので、端子O1,O2から出力される電流値は異なるが、それら電流値の合計値はIとなる(I/2+I/2=I)。この場合、端子O1,O2にそれぞれ流れる電流値を知るにはいずれか一方の演算増幅器AMP1またはAMP2の出力電流値を知る必要がある。そのため、一方の演算増幅器AMP2の出力側に直列に測定用抵抗r1を接続するとともに、アナログスイッチAS1により左右の足に印加する電流源を切り換えるようにされる。なお、他方の演算増幅器AMP1の出力側にも抵抗r2を接続してそれぞれの演算増幅器が電流を適切な割合で負担できるようにされる。
【0042】
このような構成の身体インピーダンス測定装置において、まず、図4に示されるように、第1測定ステップにてアナログスイッチAS1の接点をa側にしたときに、右足インピーダンスYに電流Ixが流れ、左足インピーダンスXに電流I−Ixが流れ、測定用抵抗r1の両端に電圧V1が、電極E5,E8間に電圧V3が、電極E4,E1間に電圧V6が、電極E8,E4間に電圧V5がそれぞれ発生しそれらを測定したとすると、図4に示される人体等価回路には次の式が成り立つ。
Ix・Y−(I−Ix)・X=V3 …………(6)
(I/2)・Z−(I/2)・U=V6 …………(7)
Ix・Y+I・M+(I/2)・U=V5 …………(8)
ここで、抵抗r1の両端の電圧V1を測定すれば、Ix=V1/r1からIxの値を既知化できるので、式(6)(7)(8)の係数を既知化できる。
【0043】
続いて、第2測定ステップにてアナログスイッチAS1の接点をb側にしたときに、左足インピーダンスXに電流Iyが流れ、右足インピーダンスYに電流I−Iyが流れ、測定用抵抗r1の両端に電圧V2が、電極E5,E8間に電圧V4が、電極E8,E4間に電圧V7がそれぞれ発生しそれらを測定したとすると、次の式が成り立つ。
Iy・X−(I−Iy)・Y=V4 …………(9)
(I−Iy)・Y+M・I+(I/2)・U=V7 …………(10)
ここで、抵抗r1の両端の電圧V2を測定すれば、Iy=V2/r1からIyの値を既知化できるので、式(9)(10)の係数を既知化できる。
【0044】
本実施形態によれば、左右の足に流れる電流が異なっても、それぞれの電流を既知化するとともに、回路方程式を解くことで、人体の5つの部分のインピーダンスを正確に求めることができる。また、電圧測定回数も7回で済む。
【0045】
図5(a)(b)には、本発明の第3の実施形態に係る身体インピーダンス測定装置の測定原理を示す回路構成図が示されている。
【0046】
本実施形態では、左手と左足間および右手と右足間にそれぞれ抵抗r2,r1を接続し、身体の5つの部分の全てに電流が流れるように構成したものである。ここで、図5(a)に示される例では、電極E4,E1間に定電流Iを流す測定ステップを実行し、図5(b)に示される例では、電極E8,E5間に定電流Iを流す測定ステップを実行し、それぞれの測定ステップで成り立つ回路方程式から前記各実施形態と同様にインピーダンスX,Y,Z,U,Mを求めるようにされる。なお、これらインピーダンスの演算手順等についてはその詳細な説明を省略することとする。
【0047】
本実施形態のような回路構成によっても、前記各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)(b)(c)は、本発明の第1の実施形態に係る身体インピーダンス測定装置の測定原理を示す回路構成図である。
【図2】図2(a)(b)は、第1の実施形態を体脂肪計に適用した具体例を示す回路構成図である。
【図3】図3は、体脂肪計による測定状態の外観図である。
【図4】図4は、本発明の第2の実施形態に係る身体インピーダンス測定装置の測定原理を示す回路構成図である。
【図5】図5(a)(b)は、本発明の第3の実施形態に係る身体インピーダンス測定装置の測定原理を示す回路構成図である。
【図6】図6(a)(b)は、第1の従来例による身体インピーダンス測定装置の測定原理を示す回路構成図(1)である。
【図7】図7(a)(b)は、第1の従来例による身体インピーダンス測定装置の測定原理を示す回路構成図(2)である。
【図8】図8(a)(b)は、第2の従来例による身体インピーダンス測定装置の測定原理を示す回路構成図である。
【図9】図9は、従来例の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
1 人体の等価インピーダンス回路モデル
2 手用測定器
3 足用測定器
4,4A,4B 定電流回路
5 電圧測定回路
6 整流回路
7 フィルタ回路
8 A/D変換器
9 I/O回路
10 演算回路CPU
11 記憶素子
12 操作スイッチ
13 表示器
AS1,AS2,AS3 アナログスイッチ
E1〜E8 電極
P1〜P8 端子
r1,r2 抵抗
X 左足のインピーダンス
Y 右足のインピーダンス
M 胴部のインピーダンス
Z 左手のインピーダンス
U 右手のインピーダンス
v1〜v8 接触インピーダンスと末端組織インピーダンスとの加算値

Claims (5)

  1. 身体を左右の手、胴および左右の足の5つの身体部分に分割して前記5つの身体部分のインピーダンスを求める身体インピーダンス測定装置において、
    測定時に全ての電極を身体末端部に接触するように配置し、前記全ての電極を介して前記5つの身体部分の全てに同時に電流を流すように回路を構成し、前記5つの身体部分のインピーダンスを身体末端組織のインピーダンスを除外して求めることを特徴とする身体インピーダンス測定装置。
  2. 前記身体末端部に近接配置される電極を導電性物体で接続することによって前記5つの身体部分の全てに同時に電流が流れるようにされる請求項1に記載の身体インピーダンス測定装置。
  3. 前記身体末端部に近接配置される電極の間を抵抗で接続することによって前記5つの身体部分の全てに同時に電流が流れるようにされる請求項1に記載の身体インピーダンス測定装置。
  4. 前記5つの身体部分に流れる全ての電流値を既知化して、電極間に発生する電圧の測定値に基づいて前記5つの身体部分のインピーダンスを求めるようにされる請求項1〜3のいずれかに記載の身体インピーダンス測定装置。
  5. 身体末端部に近接配置される電極が測定器側に固定的に設けられる請求項1〜4のいずれかに記載の身体インピーダンス測定装置。
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