JP2015124820A - 動力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】通常時に封止部材を潤滑することができ、且つ、万一、封止部材の封止不良が生じ、電動機側に液状媒体が浸入した場合でも液状媒体圧送装置の駆動を継続することができる動力装置を提供する。
【解決手段】後輪駆動装置1では、電動オイルポンプ70は、オイルを圧送するトロコイドポンプ86と、トロコイドポンプ86を駆動する電動機90とを有し、該電動機90の回転軸90aが水平面に対し垂直に配置され、トロコイドポンプ86は電動機90よりも鉛直方向で低い位置に配置され、電動オイルポンプ70は、回転軸90aの外周に摺接して配置され、トロコイドポンプ86と電動機90を区画するオイルシール98と、該オイルシール98よりもトロコイドポンプ86側に配置され、トロコイドポンプ86から漏出したオイルをケース11内に排出する排液路140と、をさらに有する。また、排液路140のケース11側の開放端である最下流端部140aを、鉛直方向で電動機90のロータ91の上下中分点Cと、オイルシール98との間に配置する。
【選択図】図11

Description

本発明は、動力装置に関し、より詳細には、液状媒体圧送装置を備えた動力装置に関する。
従来、特許文献1に記載の変速機ユニットでは、変速機ユニットの下端にコントロールバルブユニットが設けられ、電動オイルポンプをハウジングに設けられた凹部に、コントロールバルブユニットの一部と重なるように設けることで、変速機ユニットの構成をコンパクトにしたものが知られている。
特開2001−260674号公報
ところで、変速機構部の制御及び潤滑用の油圧の供給源である電動オイルポンプでは、圧送部から漏れ出したオイルをケース側に排出しないと、圧送部を駆動する電動機部にオイルが浸入する虞があった。特許文献1に記載の変速機ユニットでは、電動オイルポンプ内部の構成について具体的に開示されていない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、通常時に封止部材を潤滑することができ、且つ、万一、封止部材の封止不良が生じ、電動機側に液状媒体が浸入した場合でも液状媒体圧送装置の駆動を継続することができる動力装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
車両の動力源(例えば、後述の実施形態の第1及び第2電動機2A、2B)と、車両の車輪(例えば、後述の実施形態の左後輪LWr、右後輪RWr)と動力源との動力伝達経路上に配置される動力伝達機構(例えば、後述の実施形態の第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12B)と、の少なくとも何れか一方を収容する筐体(例えば、後述の実施形態のケース11)と、
前記筐体に対し着脱可能に設けられ、前記動力源の被冷却部(例えば、後述の実施形態の被冷却部A1、B1)若しくは被潤滑部(例えば、後述の実施形態の被潤滑部A2、B2)、又は前記動力伝達機構の被冷却部若しくは被潤滑部(例えば、後述の実施形態の被潤滑部A3、B3)の少なくとも何れか一つである被冷潤部に液状媒体を供給する電動駆動式の液状媒体圧送装置(例えば、後述の実施形態の電動オイルポンプ70)と、
を備える動力装置(例えば、後述の実施形態の後輪駆動装置1)であって、
前記液状媒体圧送装置は、前記液状媒体を圧送する圧送体(例えば、後述の実施形態のトロコイドポンプ86)と、該圧送体を駆動する電動機(例えば、後述の実施形態の電動機90)とを有し、該電動機の回転軸(例えば、後述の実施形態の回転軸90a)が水平面に対し垂直に又は傾斜するように配置され、前記圧送体は前記電動機よりも鉛直方向で低い位置に配置され、
前記液状媒体圧送装置は、前記回転軸の外周に摺接して配置され、前記圧送体と前記電動機を区画する封止部材(例えば、後述の実施形態のオイルシール98)と、該封止部材よりも前記圧送体側に配置され、該圧送体から漏出した液状媒体を前記筐体内に排出する排液路(例えば、後述の実施形態のリーク回収孔131a、リーク回収溝135a、135b、排液路140、縦方向孔141)と、をさらに有し、
該排液路の前記筐体側の開放端である最下流端部(例えば、後述の実施形態の最下流端部140a)を、鉛直方向で前記電動機の回転子(例えば、後述の実施形態のロータ91)の上下中分点(例えば、後述の実施形態の上下中分点C)と、前記封止部材との間に配置することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、
車両の車輪(例えば、後述の実施形態の左後輪LWr、右後輪RWr)と動力源(例えば、後述の実施形態の第1及び第2電動機2A、2B)との動力伝達経路上に配置され、前記動力伝達経路を遮断状態と接続状態とに切り替える液圧駆動式の断接手段(例えば、後述の実施形態の油圧ブレーキ60)と、
前記断接手段を収容する筐体(例えば、後述の実施形態のケース11、蓋部材72)と、
前記筐体に対し着脱可能に設けられ、前記断接手段の液圧室(例えば、後述の実施形態の作動室S)に液状媒体を供給する電動駆動式の液状媒体圧送装置(例えば、後述の実施形態の電動オイルポンプ70)と、
を備える動力装置(例えば、後述の実施形態の後輪駆動装置1)であって、
前記液状媒体圧送装置は、前記液状媒体を圧送する圧送体(例えば、後述の実施形態のトロコイドポンプ86)と、該圧送体を駆動する電動機(例えば、後述の実施形態の電動機90)とを有し、該電動機の回転軸が水平面に対し垂直に又は傾斜するように配置され、前記圧送体は前記電動機よりも鉛直方向で低い位置に配置され、
前記液状媒体圧送装置は、前記回転軸の外周に摺接して配置され、前記圧送体と前記電動機を区画する封止部材(例えば、後述の実施形態のオイルシール98)と、該封止部材よりも前記圧送体側に配置され、該圧送体から漏出した液状媒体を前記筐体内に排出する排液路(例えば、後述の実施形態のリーク回収孔131a、リーク回収溝135a、135b、排液路140、縦方向孔141)と、をさらに有し、
該排液路の前記筐体側の開放端である最下流端部(例えば、後述の実施形態の最下流端部140a)を、鉛直方向で前記電動機の回転子(例えば、後述の実施形態のロータ91)の上下中分点(例えば、後述の実施形態の上下中分点C)と、前記封止部材との間に配置することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加えて、
前記筐体の内面に対し着脱可能に設けられる別体部材(例えば、後述の実施形態の油路形成カバー96)をさらに備え、
前記排液路は前記液状媒体圧送装置、前記筐体、及び前記別体部材に亘って形成され、
前記最下流端部は、前記筐体と前記別体部材との接合面、又は前記別体部材に形成されることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の構成に加えて、
前記筐体は、該筐体の内部に前記液状媒体を貯留する貯留部(例えば、後述の実施形態のストレーナ収容室105)を有し、
前記貯留部の動油面(例えば、後述の実施形態の動油面H)は、鉛直方向で前記上下中分点よりも低く設定されることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、通常時に、漏出した液状媒体によって封止部材を潤滑することができ、又、万一、封止部材の封止不良が生じ、電動機側に液状媒体が浸入しても電動機の回転子の半分以上が浸ることがないので、液状媒体圧送装置を継続して駆動することができる。
請求項2の発明によれば、通常時に、漏出した液状媒体によって封止部材を潤滑することができ、又、万一、封止部材の封止不良が生じ、電動機側に液状媒体が浸入しても電動機の回転子の半分以上が浸ることがないので、液状媒体圧送装置を継続して駆動することができる。
請求項3の発明によれば、排液路の最下流端部を筐体に形成するよりも配置自由度が高く、また、最下流端部までの排液路も容易に形成することができる。
請求項4の発明によれば、万一、封止部材の封止不良が生じたときに、電動機の回転子の半分以上が浸ることを確実に防止することができる。
本発明に係る動力装置を搭載可能な車両の一実施形態であるハイブリッド車両の概略構成を示すブロック図である。 一実施形態の後輪駆動装置の縦断面図である。 図2に示す後輪駆動装置の上部部分拡大断面図である。 図1の車両用駆動装置がフレームに搭載された状態を示す斜視図である。 電動オイルポンプが取り外された後輪駆動装置の外観斜視図である。 (a)は、電動オイルポンプが取り付けられた蓋部材を内側から見た斜視図であり、(b)は、蓋部材を内側から見た正面図である。 図6(a)のVII−VII線に沿った電動オイルポンプの断面図である。 電動オイルポンプの概略断面図である。 図8のIX−IX線に沿った蓋部材及び電動オイルポンプの断面図である。 電動オイルポンプが取り外された状態の蓋部材を示す斜視図である。 排液路の最下流端部が適正位置にある場合を説明するための、電動オイルポンプの断面図及び後輪駆動装置の側面図である。 排液路の最下流端部が適正位置より上方にある場合を説明するための、電動オイルポンプの断面図及び後輪駆動装置の側面図である。 排液路の最下流端部が適正位置より下方にある場合を説明するための、電動オイルポンプの断面図及び後輪駆動装置の側面図である。
本発明に係る動力装置は、電動機を車輪駆動用の駆動源とするものであり、例えば、図1に示すような駆動システムの車両に用いられる。以下の説明では動力装置を後輪駆動用として用いる場合を例に説明するが、前輪駆動用に用いてもよい。
図1に示す車両3は、内燃機関4と電動機5とが直列に接続された駆動装置6(以下、前輪駆動装置と呼ぶ。)を車両前部に有するハイブリッド車両であり、この前輪駆動装置6の動力がトランスミッション7を介して前輪Wfに伝達される一方で、この前輪駆動装置6と別に車両後部に設けられた駆動装置1(以下、後輪駆動装置と呼ぶ。)の動力が後輪Wr(RWr、LWr)に伝達されるようになっている。前輪駆動装置6の電動機5と後輪駆動装置1の第1及び第2電動機2A、2Bとは、バッテリ9に接続され、バッテリ9からの電力供給と、バッテリ9へのエネルギー回生とが可能となっている。図1中、符号8は車両全体を制御するための制御装置である。
先ず、本発明に係る一実施形態の車両用駆動装置について、図2〜図11に基づいて説明する。
図2は、後輪駆動装置1の全体の縦断面図を示すものであり、図3は、図2の上部部分拡大断面図である。同図において、符号11は、後輪駆動装置1のケースであり、ケース11は、車幅方向略中央部に配置される中央ケース11Mと、中央ケース11Mを挟むように中央ケース11Mの左右に配置される側方ケース11A、11Bと、から構成され、全体が略円筒状に形成される。ケース11の内部には、後輪Wr用の車軸10A、10Bと、動力源として車軸駆動用の第1及び第2電動機2A、2Bと、後輪LWr、RWrと電動機2A、2Bとの動力伝達経路上に配置され、この電動機2A、2Bの駆動回転を減速する動力伝達機構としての第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12Bとが、同一軸線上にそれぞれ並んで配置されている。この車軸10A、第1電動機2A及び第1遊星歯車式減速機12Aは左後輪LWrを駆動制御し、車軸10B、第2電動機2B及び第2遊星歯車式減速機12Bは右後輪RWrを駆動制御する。車軸10A、第1電動機2A及び第1遊星歯車式減速機12Aと、車軸10B、第2電動機2B及び第2遊星歯車式減速機12Bは、ケース11内で車幅方向に左右対称に配置されている。左後輪LWrは、第1電動機2Aに対して第1遊星歯車式減速機12Aと反対側に位置し、右後輪RWrも、第2電動機2Bに対して第2遊星歯車式減速機12Bと反対側に位置する。また、第1電動機2Aと第1遊星歯車式減速機12Aとは車幅方向外側からこの順序で配置され、且つ、第2電動機2Bと第2遊星歯車式減速機12Bとは車幅方向外側からこの順序で配置されることにより、第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12Bは、第1及び第2電動機2A、2Bの間に配置される。
側方ケース11A、11Bの中央ケース11M側には、それぞれ径方向内側に延びる隔壁18A、18Bが設けられ、側方ケース11A、11Bと隔壁18A、18Bとの間には、それぞれ第1及び第2電動機2A、2Bが配置される。また、中央ケース11Mと隔壁18A、18Bとに囲まれた空間には、第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12Bが配置されている。なお、図2に示すように、本実施形態では、左側方ケース11Aと中央ケース11Mとは、第1電動機2A及び第1遊星歯車式減速機12Aを収容する第1ケース11Lを構成し、また、右側方ケース11Bと中央ケース11Mとは、第2電動機2B及び第2遊星歯車式減速機12Bを収容する第2ケース11Rを構成している。そして、第1ケース11Lは、第1電動機2Aと第1遊星歯車式減速機12Aの少なくとも一方の潤滑及び/又は冷却に供される液状流体としてのオイルを貯留する左貯留部RLを有し、第2ケース11Rは、第2電動機2Bと第2遊星歯車式減速機12Bの少なくとも一方の潤滑及び/又は冷却に供されるオイルを貯留する右貯留部RRを有する。そして、ケース11は、図4に示すように、一対の支持装置であるマウント部材13a、13bによって車両骨格部材であるサブフレーム13に支持され、サブフレーム13を介して車両のフロアパネル(図示せず)の下方に固定される。また、後輪駆動装置1は、マウント部材13a、13bを、ケース11(側方ケース11A、11B)の前方側面11fから前方に突出形成されたボス部11a(図4参照)に固定することで、車両3に支持されている。また、図2〜10中の矢印は、後輪駆動装置1が車両に搭載された状態における位置関係を示している。
後輪駆動装置1には、ケース11の内部と外部とを連通するブリーザ装置40が設けられ、内部の空気が過度に高温・高圧とならないように内部の空気をブリーザ室41を介して外部に逃がすように構成される。ブリーザ室41は、ケース11の鉛直方向上部に配置され、中央ケース11Mの外壁と、中央ケース11M内に左側方ケース11A側に略水平に延設された第1円筒壁43と、右側方ケース11B側に略水平に延設された第2円筒壁44と、第1及び第2円筒壁43、44の内側端部同士をつなぐ左右分割壁45と、第1円筒壁43の左側方ケース11A側先端部に当接するように取り付けられたバッフルプレート47Aと、第2円筒壁44の右側方ケース11B側先端部に当接するように取り付けられたバッフルプレート47Bと、により形成された空間により構成される。
ブリーザ室41の下面を形成する第1及び第2円筒壁43、44と左右分割壁45とは、第1円筒壁43が第2円筒壁44より径方向内側に位置し、左右分割壁45が、第2円筒壁44の内側端部から縮径しつつ屈曲しながら第1円筒壁43の内側端部まで延設され、さらに径方向内側に延設されて略水平に延設された第3円筒壁46に達する。第3円筒壁46は、第1円筒壁43と第2円筒壁44との両外側端部より内側に且つその略中央に位置している。
中央ケース11Mには、バッフルプレート47A、47Bが、第1円筒壁43と中央ケース11Mの外壁との間の空間又は第2円筒壁44と中央ケース11Mの外壁との間の空間を遊星歯車式減速機12A又は遊星歯車式減速機12Bからそれぞれ区画するように固定されている。
また、図3に示すように、中央ケース11Mには、ブリーザ室41と外部とを連通するための外部連通パイプ49がブリーザ室41の鉛直方向上面に嵌装される。外部連通パイプ49のブリーザ室側端部49aは、鉛直方向下方を指向して配置されている。従って、オイルが外部連通パイプ49を通って外部に排出されるのが抑制される。
第1及び第2電動機2A、2Bは、ステータ14A、14Bがそれぞれ側方ケース11A、11Bに固定され、このステータ14A、14Bの内周側に環状のロータ15A、15Bが回転可能に配置されている。ロータ15A、15Bの内周部には車軸10A、10Bの外周を囲繞する円筒軸16A、16Bが結合され、この円筒軸16A、16Bが車軸10A、10Bと同軸上に相対回転可能となるように側方ケース11A、11Bの端部壁17A、17Bと隔壁18A、18Bとに軸受19A、19Bを介して支持されている。また、円筒軸16A、16Bの一端側の外周であって端部壁17A、17Bには、ロータ15A、15Bの回転位置情報を電動機2A、2Bの制御コントローラ(図示せず)にフィードバックするためのレゾルバ20A、20Bが設けられている。ステータ14A、14B、及びロータ15A、15Bを含む第1及び第2電動機2A、2Bは、同一径とされ、第1及び第2電動機2A、2Bの回転軸線は同一線X上に配置され(以下、符号Xを回転軸線Xとして付す。)、また、第1及び第2電動機2A、2Bは互いに鏡面対称に配置される。また、車軸10A及び円筒軸16Aは、第1電動機2A内を貫通して、第1電動機2Aの両端部から延出しており、車軸10B及び円筒軸16Bも、第2電動機2B内を貫通して、第2電動機2Bの両端部から延出している。
また、左後輪LWrと第1電動機2Aとの動力伝達経路上に配置された第1遊星歯車式減速機12A、及び右後輪RWrと第2電動機2Bとの動力伝達経路上に配置された第2遊星歯車式減速機12Bは、サンギヤ21A、21Bと、このサンギヤ21A、21Bに噛合される複数のプラネタリギヤ22A、22Bと、これらのプラネタリギヤ22A、22Bを支持するプラネタリキャリア23A、23Bと、プラネタリギヤ22A、22Bの外周側に噛合されるリングギヤ24A、24Bと、を備え、サンギヤ21A、21Bから電動機2A、2Bの駆動力が入力され、減速された駆動力がプラネタリキャリア23A、23Bを通して車軸10A、10Bに出力されるようになっている。
サンギヤ21A、21Bは円筒軸16A、16Bに一体に形成されている。また、プラネタリギヤ22A、22Bは、サンギヤ21A、21Bに直接噛合される大径の第1ピニオン26A、26Bと、この第1ピニオン26A、26Bよりも小径の第2ピニオン27A、27Bを有する2連ピニオンであり、これらの第1ピニオン26A、26Bと第2ピニオン27A、27Bが同軸にかつ軸方向にオフセットした状態で一体に形成されている。このプラネタリギヤ22A、22Bはニードルベアリング31A、31Bを介してプラネタリキャリア23A、23Bのピニオンシャフト32A、32Bに支持され、プラネタリキャリア23A、23Bは、軸方向内側端部が径方向内側に伸びて車軸10A、10Bにスプライン嵌合され一体回転可能に支持されるとともに、軸受33A、33Bを介して隔壁18A、18Bに支持されている。
リングギヤ24A、24Bは、その内周面が小径の第2ピニオン27A、27Bに噛合されるギヤ部28A、28Bと、ギヤ部28A、28Bより小径でケース11の中間位置で互いに対向配置される小径部29A、29Bと、ギヤ部28A、28Bの軸方向内側端部と小径部29A、29Bの軸方向外側端部を径方向に連結する連結部30A、30Bとを備えて構成されている。
ギヤ部28A、28Bは、中央ケース11Mの左右分割壁45の内径側端部に形成された第3円筒壁46を挟んで軸方向に対向している。小径部29A、29Bは、その外周面がそれぞれ後述する一方向クラッチ50のインナーレース51とスプライン嵌合し、リングギヤ24A、24Bは一方向クラッチ50のインナーレース51と一体回転するように互いに連結されて構成されている。
遊星歯車式減速機12B側であって、ケース11を構成する中央ケース11Mの第2円筒壁44とリングギヤ24Bのギヤ部28Bとの間には、リングギヤ24Bに接続されて制動手段を構成する油圧ブレーキ60が第1ピニオン26Bと径方向でオーバーラップし、第2ピニオン27Bと軸方向でオーバーラップするように配置されている。油圧ブレーキ60は、第2円筒壁44の内周面にスプライン嵌合された複数の固定プレート35と、リングギヤ24Bのギヤ部28Bの外周面にスプライン嵌合された複数の回転プレート36とが軸方向に交互に配置され、これらのプレート35,36が環状のピストン37によって締結及び解放操作されるようになっている。ピストン37は、中央ケース11Mの左右分割壁45と第3円筒壁46との間に形成された環状のシリンダ室に進退自在に収容されており、さらに第3円筒壁46の外周面に設けられた受け座38に支持される弾性部材39によって、常時、固定プレート35と回転プレート36とを解放する方向に付勢される。
また、さらに詳細には、左右分割壁45とピストン37の間はオイルが直接導入される作動室Sとされ、作動室Sに導入されるオイルの圧力が弾性部材39の付勢力に勝ると、ピストン37が前進(右動)し、固定プレート35と回転プレート36とが相互に押し付けられて締結することとなる。また、弾性部材39の付勢力が作動室Sに導入されるオイルの圧力に勝ると、ピストン37が後進(左動)し、固定プレート35と回転プレート36とが離間して解放することとなる。なお、油圧ブレーキ60は液状媒体圧送装置としての電動オイルポンプ70(図4参照)に接続されている。
この油圧ブレーキ60の場合、固定プレート35がケース11を構成する中央ケース11Mの左右分割壁45から伸びる第2円筒壁44に支持される一方で、回転プレート36がリングギヤ24Bのギヤ部28Bに支持されているため、両プレート35、36がピストン37によって押し付けられると、両プレート35、36間の摩擦締結によってリングギヤ24Bに制動力が作用し固定される。その状態からピストン37による締結が解放されると、リングギヤ24Bの自由な回転が許容される。なお、上述したように、リングギヤ24A、24Bは互いに連結されているため、油圧ブレーキ60が締結することによりリングギヤ24Aにも制動力が作用し固定され、油圧ブレーキ60が解放することによりリングギヤ24Aも自由な回転が許容される。
また、軸方向で対向するリングギヤ24A、24Bの連結部30A、30B間にも空間部が確保され、その空間部内に、リングギヤ24A、24Bに対し一方向の動力のみを伝達し他方向の動力を遮断する一方向クラッチ50が配置されている。一方向クラッチ50は、インナーレース51とアウターレース52との間に多数のスプラグ53を介在させたものであって、そのインナーレース51がスプライン嵌合によりリングギヤ24A、24Bの小径部29A、29Bと一体回転するように構成されている。またアウターレース52は、第3円筒壁46により位置決めされるとともに、回り止めされている。
一方向クラッチ50は、車両3が電動機2A、2Bの動力で前進する際に係合してリングギヤ24A、24Bの回転をロックするように構成されている。より具体的に説明すると、一方向クラッチ50は、電動機2A、2B側の順方向(車両3を前進させる際の回転方向)の回転動力が車輪Wr側に入力されるときに係合状態となるとともに電動機2A、2B側の逆方向の回転動力が車輪Wr側に入力されるときに非係合状態となり、車輪Wr側の順方向の回転動力が電動機2A、2B側に入力されるときに非係合状態となるとともに車輪Wr側の逆方向の回転動力が電動機2A、2B側に入力されるときに係合状態となる。
このように本実施形態の後輪駆動装置1では、電動機2A、2Bと車輪Wrとの動力伝達経路上に一方向クラッチ50と油圧ブレーキ60とが並列に設けられている。なお、油圧ブレーキ60は、車両の走行状態や一方向クラッチ50の係合・非係合状態に応じて、オイルポンプ70から供給されるオイルの圧力により、解放状態、弱締結状態、締結状態に制御される。例えば、車両3が電動機2A、2Bの力行駆動により前進する時(低車速時、中車速時)は、一方向クラッチ50が締結するため動力伝達可能な状態となるが油圧ブレーキ60が弱締結状態に制御されることで、電動機2A、2B側からの順方向の回転動力の入力が一時的に低下して一方向クラッチ50が非係合状態となった場合にも、電動機2A、2B側と車輪Wr側とで動力伝達不能になることが抑制される。また、車両3が内燃機関4及び/又は電動機5の力行駆動により前進する時(高車速時)は、一方向クラ
ッチ50が非係合となりさらに油圧ブレーキが解放状態に制御されることで、電動機2A、2Bの過回転が防止される。一方、車両3の後進時や回生時には、一方向クラッチ50が非係合となるため油圧ブレーキ60が締結状態に制御されることで、電動機2A、2B側からの逆方向の回転動力が車輪Wr側に出力され、又は車輪Wr側の順方向の回転動力が電動機2A、2B側に入力される。
また、図5に示すように、中央ケース11Mの第1及び第2円筒壁43、44と左右分割壁45との外周面は、ブリーザ室41を形成する以外の部分において外部に露出しており、第1及び第2円筒壁43、44と左右分割壁45との外周面には、その軸方向両端部から半径方向に張り出した一対の張り出し部101,102が形成されている。
そして、第1及び第2円筒壁43、44と左右分割壁45の周囲で、斜め前方且つ下方には、一対の張り出し部101,102と、底壁103と、上壁104とによって略四角筒状に画成され、後述のストレーナ71を収容し、オイルを貯留する貯留部としてのストレーナ収容室105が形成されている。ストレーナ収容室105を形成する一対の張り出し部101,102には、左貯留部RLとストレーナ収容室105とを連通する貫通孔107a,107bと、右貯留部RRとストレーナ収容室105とを連通する貫通孔(図示せず)とがそれぞれ形成されている。これにより、左貯留部RLと右貯留部RRは、ストレーナ収容室105を介して連通する。
このストレーナ収容室105を構成する、一対の張り出し部101,102、底壁103、及び上壁104の先端面は、蓋部材固定部105bをなし、外側に向かって開口する前方開口部105aの外縁を形成する。ストレーナ収容室105の前方開口部105aは、電動オイルポンプ70が取り付けられる蓋部材72によって塞がれている。蓋部材72には、ケース11の蓋部材固定部105bと対向する位置に、略四角形状の端面を有するケース固定部72aが設けられる。
図5及び図6に示すように、電動オイルポンプ70は、蓋部材72に形成されたケース固定部72aと、ストレーナ収容室105の前方開口部105aに形成された蓋部材固定部105bとを複数のボルト106により締結固定することで、ストレーナ収容室105の前方開口部105aに取り付けられる。したがって、電動オイルポンプ70は、蓋部材72がケース11に装着されて前方開口部105aを閉塞した閉塞状態で、蓋部材72よりもケース11の外側に配置されるように蓋部材72に取り付けられている。また、該閉塞状態で、蓋部材72よりもケース11の内側には、流路形成部材としての油路形成カバー96が蓋部材72の内面に対し着脱可能に設けられ、ボルト69によって蓋部材72に固定されている。油路形成カバー96は、蓋部材72とともに、油圧回路の油路の一部を画成する。蓋部材72と油路形成カバー96との間には、下から順に、後述する低圧油路切替弁73、ブレーキ油路切替弁74、リリーフ弁84が配置されている。また、図10に示すように、蓋部材72の油路形成カバー96と反対側には、ソレノイド弁150、151が取り付けられており、通電によって、低圧油路切替弁73とブレーキ油路切替弁74との間に設けられたパイロット油路の連通・遮断を行う。
また、ストレーナ71は、その排出口71aが蓋部材72に挿入され、油路形成カバー96を蓋部材72に締結するボルト69で共締めすることで、蓋部材72のみに着脱可能に固定されている。ストレーナ71は、その下面に設けられた吸入口(図示せず)から吸入されたオイルの異物を除去し、異物が除去されたオイルは、電動オイルポンプ70へと送られる。
図7も参照して、電動オイルポンプ70及び蓋部材72とともにオイル吸入路94を構成するストレーナ71は、蓋部材72のケース固定部72aよりもケース側に延出しており、ストレーナ71の吸入口は、蓋部材72がケース11に固定された取付状態において、ストレーナ収容室105のオイル内に位置する。
また、電動オイルポンプ70及び蓋部材72はオイル吐出路95を構成しており、後述する電動オイルポンプ70の圧送部87で圧送されたオイルを蓋部材72と油路形成カバー96との間に形成された油圧回路へと送る。
油路形成カバー96には、ストレーナ収容室105内で、中央ケース11Mの外周面に形成された、後述するブレーキ油路の作動室用ポート108aと、被冷潤部を潤滑するための油路の冷却/潤滑用ポート108bにそれぞれ接続される、2つの出口パイプ97a、97bが取り付けられている。
ケース11には、作動室用ポート108aから油圧ブレーキ60の作動室Sまで連通するブレーキ油路(図示せず)が形成されおり、電動オイルポンプ70から吐出されたオイルが供給される。また、ケース11には、冷却/潤滑用ポート108bから中央ケース11Mの前部で鉛直方向に延びる前方鉛直油路109と、前方鉛直油路109から分岐する左側ケース油路110A及び右側ケース油路110Bとが形成されている。左側ケース油路110Aは、該油路110Aを通過するオイルが、第1電動機2Aの被冷却部A1(例えば、第1電動機2Aのステータ14Aのコイル)を冷却し、また、第1電動機2Aの被潤滑部A2(例えば、第1電動機2Aの軸受19A)を潤滑するように形成されるとともに、車軸10Aに設けられた左側車軸油路111Aと連通するように形成される。そして、左側車軸油路111Aを通過するオイルは、第1遊星歯車式減速機12Aの被潤滑部A3(例えば、第1遊星歯車式減速機12Aのニードルベアリング31Aや各ギヤ21A、22A、23A、24Aの噛合部分など)を潤滑する。
また、右側ケース油路110Bも、該油路110Bを通過したオイルが、第2電動機2Bの被冷却部B1(例えば、第2電動機2Bのステータ14Bのコイル)を冷却し、また、第2電動機2Bの被潤滑部B2(例えば、第2電動機2Bの軸受19B)を潤滑するように形成されるとともに、車軸10Bに設けられた右側車軸油路111Bと連通するように形成される。そして、右側車軸油路111Bを通過するオイルは、第2遊星歯車式減速機12Bの被潤滑部B3(例えば、第2遊星歯車式減速機12Bのニードルベアリング31Bや各ギヤ21B、22B、24Bの噛合部分など)を潤滑する。
従って、ケース11内に形成される前方鉛直油路109、左側ケース油路110A、左側車軸油路111Aは、第1電動機2Aの被冷却部A1と被潤滑部A2、及び第1遊星歯車式減速機12Aの被潤滑部A3を冷却する第1冷潤流路130Aを構成し、ケース11内に形成される前方鉛直油路109、右側ケース油路110B、右側車軸油路111Bは、第2電動機2Bの被冷却部B1と被潤滑部B2、及び第2遊星歯車式減速機12Bの被潤滑部B3を冷却する第2冷潤流路130Bを構成する。
また、図6〜図8に戻って、電動オイルポンプ70は、位置センサレス・ブラシレス直流モータからなる電動機90を収容する電動機部85と、電動機90よりも鉛直方向で低い位置に配置され、電動機90によって駆動されるトロコイドポンプ86を収容する圧送部87とを有する。この電動オイルポンプ70は、目標回転数などに基づいて、PID制御で制御されている。圧送部87はオイル吸入路94及びオイル吐出路95の下方に設けられ、電動機90の回転軸90aに連結されたインナーロータ86aと、アウターロータ86bを回転することで吐出量を調整しながら、ストレーナ71からオイル吸入路94に流入したオイルをオイル吐出路95に吐出する。
電動機90は、ロータ91及びステータ92を有し、ロータ91を外嵌する電動機90の回転軸90aは、ベアリング89a、89bを介して、ポンプケース本体77とポンプケース本体77に固定された仕切部材78とによって支持されている。また、仕切部材78の上部には、制御部材88が配置されており、仕切部材78に形成された連通穴78aを通る電線99によって、電動機90と制御部材88とを電気的に接続する。
また、図8及び図9に示すように、ポンプケース本体77は、トロコイドポンプ86のアウターロータ86bの径方向外側に設けられたロータケース131と、このロータケース131より上方に位置する上側ケース132と、ロータケース131より下方に位置する下側ケース133と、で構成される。そして、上側ケース132及び下側ケース133のロータケース131と対向する各面には、該対向する面に形成された環状溝132a,133aにOリング134a、134bが配置されると共に、該環状溝132a、133aより内側に、環状のリーク回収溝135a、135bが形成されている。また、ロータケース131には、上側と下側のリーク回収溝135a、135bとを連通するリーク回収孔131aが形成されている。このリーク回収孔131aは、上側ケース132に形成された後述する排液路140から下方に延びる縦方向孔141と連通する。したがって、トロコイドポンプ86から漏れ出たオイルは、該ポンプ86内の液圧によってリーク回収溝135a、135bからリーク回収孔131a、縦方向孔141を介して排液路140へと送られる。
また、電動オイルポンプ70には、下側のベアリング89bとトロコイドポンプ86との間で、上側ケース132のシール収容面132b内に設けられ、回転軸90aの外周に摺接するオイルシール98が配置される。オイルシール98は、トロコイドポンプ86と電動機90とを区画して、トロコイドポンプ86側から電動機90側へオイルが浸入するのを防止する。
さらに、上側ケース132、蓋部材72、及び油路形成カバー96には、鉛直方向においてオイルシール98よりもトロコイドポンプ86側に配置され、トロコイドポンプ86から漏出したオイルをケース11内に排出する、上述したリーク回収孔131a、リーク回収溝135a、135b、及び縦方向孔141と、排液路140とが設けられている。具体的に、本実施形態の排液路140は、オイル吸入路94とオイル吐出路95との左右方向中間位置で(図10参照)、オイルシール98を収容する上側ケース132のシール収容面132bの下端付近から前後方向に延びるように形成されている。
また、排液路140は、上側ケース132と蓋部材72との内部を略同じ高さで前後方向に延び、蓋部材72と油路形成カバー96との接合面において、油路形成カバー96に鉛直方向に沿って形成された鉛直方向溝96aによって上方に延びる。さらに、排液路140は、図示しないが、油路形成カバー96の内部を通過して、ケース11内のストレーナ収容室105内に開放する。
これにより、排液路140のケース11側の開放端である最下流端部140aは、図11に示すように、鉛直方向で電動機90のロータ91の上下中分点Cと、オイルシール98との間に設定した適正範囲Pに配置される(図8も参照)。なお、最下流端部140aは、図11に示す断面と異なる左右方向位置にて、ケース11側に開口しているため、図11では、最下流端部140aの前後方向位置及び鉛直方向位置を示している。なお、図11中、線Hは、ケース11内の動油面の高さを表している。
ここで、電動機90のロータ91の上下中分点Cと、オイルシール98との間を適正範囲Pとした理由について説明する。図12に示すように、仮に、排液路140の最下流端部140a´がロータ91の上下中分点Cより上方に位置する場合、オイルシール98にシール不良が生じたときに、電動機90のロータ91が最下流端部140a´の高さまで油没してしまい、回転時の抵抗が増大し所期の性能を発揮できなくなってしまう。
一方、図13に示すように、仮に、排液路140の最下流端部140a´´がオイルシール98の下方に位置する場合、動油面Hの高さが上記適正範囲Pに位置するときには、オイルシール98の良、不良によらず、オイルシール98を潤滑することができるが、動油面Hの高さがオイルシール98よりも低い位置にあると、このときもオイルシール98の良、不良によらず、オイルシール98を潤滑することができない。
したがって、排液路140の最下流端部140aを上記適正範囲Pに配置することで、動油面Hの高さによらず、漏出したオイルによってオイルシール98を潤滑することができ、又、万一、オイルシール98のシール不良が生じ、電動機90側にオイルが浸入しても電動機90のロータ91の半分以上が浸ることがないので、電動オイルポンプ70を継続して駆動することができる。
なお、排液路140は、最下流端部140aが鉛直方向で適正範囲P内に配置されるのであれば、蓋部材72から直接ケース11内に開放してもよいし、蓋部材72と油路形成カバー96との接合面にてケース11内に開放してもよいし、さらに、油路形成カバー96からケース11側に開放されてもよい。ただし、排液路140の最下流端部140aは、蓋部材72と油路形成カバー96との接合面、又は油路形成カバー96に形成されることで、最下流端部140aを蓋部材72に形成するよりも配置自由度が高く、また、最下流端部140aまでの排液路140も容易に形成することができる。
また、ケース11内の動油面Hは、鉛直方向で電動機90のロータ91の上下中分点Cよりも低く設定される。これにより、万一、オイルシール98のシール不良が生じたときに、電動機90のロータ91の半分以上が浸ることを確実に防止することができる。
以上説明したように、本実施形態の後輪駆動装置1によれば、電動オイルポンプ70は、オイルを圧送するトロコイドポンプ86と、トロコイドポンプ86を駆動する電動機90とを有し、該電動機90の回転軸90aが水平面に対し垂直に配置され、トロコイドポンプ86は電動機90よりも鉛直方向で低い位置に配置される。また、電動オイルポンプ70は、回転軸90aの外周に摺接して配置され、トロコイドポンプ86と電動機90を区画するオイルシール98と、該オイルシール98よりもトロコイドポンプ86側に配置され、トロコイドポンプ86から漏出したオイルをケース11内に排出するリーク回収孔131a、リーク回収溝135a、135b、排液路140、及び縦方向孔141と、をさらに有する。また、排液路140のケース11側の開放端である最下流端部140aを、鉛直方向で電動機90のロータ91の上下中分点Cと、オイルシール98との間に配置する。これにより、通常時に、漏出したオイルによってオイルシール98を潤滑することができ、又、万一、オイルシール98のシール不良が生じ、電動機90側にオイルが浸入しても電動機90のロータ91の半分以上が浸ることがないので、電動オイルポンプ70を継続して駆動することができる。
また、蓋部材72の内面に対し着脱可能に設けられる油路形成カバー96をさらに備え、排液路140は電動オイルポンプ70、蓋部材72、及び油路形成カバー96に亘って形成され、最下流端部140aは、蓋部材72と油路形成カバー96との接合面、又は油路形成カバー96に形成される。これにより、排液路140の最下流端部140aを蓋部材72に形成するよりも配置自由度が高く、また、最下流端部140aまでの排液路140も容易に形成することができる。
また、ケース11は、ケース11の内部にオイルを貯留するストレーナ収容室105を有し、ストレーナ収容室105内の動油面Hは、ケース11内の動油面Hと同じく、鉛直方向で電動機90のロータ91の上下中分点Cよりも低く設定される。これにより、万一、オイルシール98のシール不良が生じたときに、電動機90のロータ91の半分以上が浸ることを確実に防止することができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
上記実施形態では、電動機90の回転軸90aが水平面に対し垂直して配置されているが、本発明はこれに限らず、水平面に対して傾斜するように配置されてもよい。
また、上記実施形態では、排液路140の最下流端部140aの高さ設定を中心に説明したが、動油面Hの高さを中心に規定する場合には、動油面Hの高さも鉛直方向で電動機90のロータ91の上下中分点Cと、オイルシール98との間の適正範囲Pに配置されることが好ましい。
即ち、動油面Hの高さがロータ91の上下中分点Cより上方に位置する場合には、オイルシール98にシール不良が生じたときに、電動機90のロータ91が動油面Hの高さまで油没してしまい、回転時の抵抗が大きくなってしまう。
一方、動油面Hの高さがオイルシール98の下方に位置する場合、排液路140の最下流端部140aが上記適正範囲Pに位置するときには、オイルシール98に不良が生じても、オイルシール98を潤滑することができるが、排液路140の最下流端部140aがオイルシール98よりも低い位置にあると、オイルシール98の良、不良によらず、オイルシール98を潤滑することができない。
ただし、動油面Hの高さは、車両の挙動、モータの回転によって激しく変動し得るので、動油面Hの高さと、排液路140の最下流端部140aの両方を適正範囲Pに設定することが最も好ましい。
また、上記実施形態では、オイルポンプ70が、各媒体流路を介して、油圧ブレーキ60の作動室Sと、第1及び第2電動機2A、2Bの被冷却部A1、B1若しくは被潤滑部A2、B2又は第1及び第2遊星歯車式減速機構12A、12Bの被冷却部若しくは被潤滑部A3、B3の少なくとも何れか一つである被冷潤部との両方に、オイルを供給する構成としているが、本発明は、オイルポンプ70が、該作動室Sと該被冷潤部のいずれかにオイルを供給する構成に適用されてもよい。
また、前輪駆動装置6を内燃機関4を用いずに電動機5を唯一の駆動源とするものでもよい。
本実施形態では、左側方ケース11Aと中央ケース11Mとで第1ケース11Lを、また、右側方ケース11Bと中央ケース11Mとで第2ケース11Rをそれぞれ構成している。しかしながら、本発明の第1ケース11Lは、第1電動機2A及び第1遊星歯車式減速機12Aを収容し、左貯留部RLを有するものであれば、また、第2ケース11Rは、第2電動機2B及び第2遊星歯車式減速機12Bを収容し、右貯留部RRを有するものであれば、この構成に限定されるものでない。
さらに、図2〜図10に示すような実施形態では、左車輪と第1電動機2Aとの動力伝達経路上に第1変速機が、右車輪と第2電動機2Bとの動力伝達経路上には第2変速機が、それぞれ配置される構成としたが、本発明は、第1及び第2変速機を有さずに、第1及び第2電動機2A、2Bを有する構成であってもよい。
また、本発明は、冷却、潤滑に供される液状流体としてオイルを用いたが、他の液体を用いてもよい。
1 後輪駆動装置(動力装置)
2A 第1電動機(動力源)
2B 第2電動機(動力源)
3 車両
11 ケース(筐体)
12A 第1遊星歯車式減速機(動力伝達機構)
12B 第2遊星歯車式減速機(動力伝達機構)
60 油圧ブレーキ(断接手段)
70 電動オイルポンプ(液状媒体圧送装置)
72 蓋部材(筐体)
85 電動機部
86 トロコイドポンプ(圧送体)
87 圧送部
90 電動機
96 油路形成カバー(別体部材)
98 オイルシール(封止部材)
105 ストレーナ収容室(貯留部)
A1、B1 被冷却部
A2、B2、A3、B3 被潤滑部
C 上下中分点
H 動油面
LWr 左後輪(車輪)
RWr 右後輪(車輪)
S 作動室

Claims (4)

  1. 車両の動力源と、車両の車輪と動力源との動力伝達経路上に配置される動力伝達機構と、の少なくとも何れか一方を収容する筐体と、
    前記筐体に対し着脱可能に設けられ、前記動力源の被冷却部若しくは被潤滑部、又は前記動力伝達機構の被冷却部若しくは被潤滑部の少なくとも何れか一つである被冷潤部に液状媒体を供給する電動駆動式の液状媒体圧送装置と、
    を備える動力装置であって、
    前記液状媒体圧送装置は、前記液状媒体を圧送する圧送体と、該圧送体を駆動する電動機とを有し、該電動機の回転軸が水平面に対し垂直に又は傾斜するように配置され、前記圧送体は前記電動機よりも鉛直方向で低い位置に配置され、
    前記液状媒体圧送装置は、前記回転軸の外周に摺接して配置され、前記圧送体と前記電動機を区画する封止部材と、該封止部材よりも前記圧送体側に配置され、該圧送体から漏出した液状媒体を前記筐体内に排出する排液路と、をさらに有し、
    該排液路の前記筐体側の開放端である最下流端部を、鉛直方向で前記電動機の回転子の上下中分点と、前記封止部材との間に配置することを特徴とする動力装置。
  2. 車両の車輪と動力源との動力伝達経路上に配置され、前記動力伝達経路を遮断状態と接続状態とに切り替える液圧駆動式の断接手段と、
    前記断接手段を収容する筐体と、
    前記筐体に対し着脱可能に設けられ、前記断接手段の液圧室に液状媒体を供給する電動駆動式の液状媒体圧送装置と、
    を備える動力装置であって、
    前記液状媒体圧送装置は、前記液状媒体を圧送する圧送体と、該圧送体を駆動する電動機とを有し、該電動機の回転軸が水平面に対し垂直に又は傾斜するように配置され、前記圧送体は前記電動機よりも鉛直方向で低い位置に配置され、
    前記液状媒体圧送装置は、前記回転軸の外周に摺接して配置され、前記圧送体と前記電動機を区画する封止部材と、該封止部材よりも前記圧送体側に配置され、該圧送体から漏出した液状媒体を前記筐体内に排出する排液路と、をさらに有し、
    該排液路の前記筐体側の開放端である最下流端部を、鉛直方向で前記電動機の回転子の上下中分点と、前記封止部材との間に配置することを特徴とする動力装置。
  3. 前記筐体の内面に対し着脱可能に設けられる別体部材をさらに備え、
    前記排液路は前記液状媒体圧送装置、前記筐体、及び前記別体部材に亘って形成され、
    前記最下流端部は、前記筐体と前記別体部材との接合面、又は前記別体部材に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の動力装置。
  4. 前記筐体は、該筐体の内部に前記液状媒体を貯留する貯留部を有し、
    前記貯留部の動油面は、鉛直方向で前記上下中分点よりも低く設定されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の動力装置。
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