JP2015124535A - 着脱可能な嵌め殺し式網戸 - Google Patents

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Abstract

【課題】取り扱い性に勝れ、建物開口部のサッシに簡単に取り付けたり取り外したりすることができる嵌め殺し式網戸を提供する。【解決手段】網戸10Aが、左右の縦枠杆13,14及び上下の横枠杆15,16からなる矩形の網戸枠12と、網戸枠12に着脱自在に張設された矩形のネットとを有し、網戸枠12の上下の横枠杆15,16は、それぞれ長さ方向に2分割されていて、一半部側の第1杆部分26aと他半部側の第2杆部分26bとを有し、第1杆部分26aと第2杆部分26bとが相対する横枠杆中央部において屈伸可能であると共に、第1杆部分26aと第2杆部分26bとを伸長状態にロックするためのロック機構33を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、防虫用の網戸に関するものであり、更に詳しくは、建物開口部のサッシに着脱自在に取り付けることができる嵌め殺し式の網戸に関するものである。
窓や出入り口等の建物開口部に網戸を取り付ける場合、例えばすべり出し窓のように、ハンドル等の操作で障子を間接的に開閉操作する場所には、通常、嵌め殺し式の網戸が取り付けられる。この嵌め殺し式の網戸は、造りつけにして開閉操作を行わないように構成されるが、ネットの清掃時や、破損したネットを新しいものと交換する場合などには、窓から取り外せるようになっていることが望ましい。
特許文献1には、建物開口部に着脱自在に取り付けることができる嵌め殺し式の網戸が開示されている。この網戸は、上下及び左右の中レールで組み立てられた矩形の網戸枠にネットを張設したもので、前記上下の中レールが、長さ方向に2分割されることによって中央部で屈曲自在に形成されており、該網戸を前記サッシ(外レール)に取り付けたり取り外したりするときは、前記上下の中レールを屈曲させて網戸枠の左右幅を狭めた状態にし、該網戸を前記外レールに取り付けた状態に固定するときは、前記上下の中レールを伸長した状態に保持させるものである。
前記公知の網戸は、上下の中レールを屈伸させることによって前記外レールに対して着脱することができるという点で非常に便利なものであるが、上下の中レールの2分割された左右のレール片は、互いに分離していて相対的に変位自在であるため、該網戸を前記外レールに対して取り付けたり取り外したりするときや、ネットを網戸枠即ち前記中レールに張設したり取り外したりするときに、前記上下の中レールを真っ直ぐな状態に保持させておくのが難しく、取り扱い性にやや難点があった。
特開2012−197579号公報
本発明の技術的課題は、取り扱い性に勝れ、建物開口部のサッシに簡単に取り付けたり取り外したりすることができる嵌め殺し式網戸を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明に係る嵌め殺し式網戸は、左右の縦枠杆及び上下の横枠杆からなる矩形の網戸枠と、該網戸枠に着脱自在に張設された矩形のネットとを有し、前記網戸枠の上下の横枠杆は、それぞれ長さ方向に2分割されていて、一半部側の第1杆部分と他半部側の第2杆部分とを有し、該第1杆部分と第2杆部分との先端部同士が向き合う横枠杆中央部において屈伸自在であると共に、該第1杆部分と第2杆部分とを伸長状態にロックするためのロック機構を有することを特徴とするものである。
本発明においては、前記上方の横枠杆における前記第1杆部分及び第2杆部分の基端部が、左方の縦枠杆の上端部及び右方の縦枠杆の上端部にそれぞれ回転自在に連結され、下方の横枠杆における前記第1杆部分及び第2杆部分の基端部が、左方の縦枠杆の下端部及び右方の縦枠杆の下端部にそれぞれ回転自在に連結されていることが好ましい。
また、本発明において好ましくは、前記ロック機構が、前記第1杆部分及び第2杆部分の一方と他方とに相互に係合、離脱可能に設けられた係合部と被係合部とを有し、前記係合部を前記被係合部に係合させると前記第1杆部分と第2杆部分とが伸長状態にロックされ、前記係合部を前記被係合部から離脱させると前記第1杆部分と第2杆部分とが屈曲可能になることである。
この場合、前記係合部が凸状をなし、また、前記被係合部が凹状をなしていて、該係合部及び被係合部の一方が前記第1杆部分及び第2杆部分の一方に固定的に設けられ、前記係合部及び被係合部の他方が前記第1杆部分及び第2杆部分の他方に係脱操作可能に設けられていることが好ましい。
より好ましくは、前記係合部が前記第1杆部分及び第2杆部分の一方に固定的に設けられ、前記被係合部が、前記第1杆部分及び第2杆部分の他方に移動操作可能に設置された操作部材に設けられていることである。
また、上方の横枠杆の第1杆部分及び第2杆部分に対する前記係合部及び被係合部の配置と、下方の横枠杆の第1杆部分及び第2杆部分に対する前記係合部及び被係合部の配置とは、互いに逆であっても良い。
本発明において、前記上下の横枠杆における前記第1杆部分と第2杆部分との先端部同士は、連結機構によって屈伸自在に連結されていることが望ましい。
この場合、前記連結機構が引張ばねで構成され、該引張ばねが、前記第1杆部分と第2杆部分とを跨ぐように配置されていて、一端が前記第1杆部分に係止し、他端が前記第2杆部分に係止していても、前記連結機構が連結ピンで構成され、該連結ピンが、前記第1杆部分と第2杆部分との連結部に形成されたピン挿通孔内に挿通されていても良い。
本発明においては、前記上下の横枠杆がそれぞれ、前記第1杆部分及び第2杆部分の少なくとも一方に、該横枠杆を屈伸操作をするための引手を有することが望ましい。
本発明の網戸は、上下の横枠杆をそれぞれ、第1杆部分と第2杆部分とに2分割して屈伸自在とすると共に、該上下の横枠杆に、前記第1杆部分と第2杆部分とを伸長状態にロックするためのロック機構とを設けたので、サッシに対する該網戸の着脱作業時や、網戸枠に対するネットの着脱作業時等に、前記上下の横枠杆の不意の屈曲が防止され、作業性や取り扱い性に勝れるという利点がある。
本発明に係る網戸をすべり出し窓に取り付けた状態を示す縦断面図である。 図1の水平横断面図である。 第1実施形態の網戸を室内側から見た場合の正面図である。 図3の網戸の斜視図である。 図3の網戸のV−V線に沿った要部拡大断面図である。 図3の網戸のVI−VI線に沿った要部拡大断面図に、補助枠杆を加えた図である。 ネットの正面図である。 網戸枠の縦枠杆にネットの端部を係止させる方法を説明するための要部拡大断面図である。 第1及び第2の横枠杆のロック機構を解除した状態での前記網戸の斜視図である。 図3の網戸のロック機構を説明するための、下方の横枠杆の要部の分解斜視図である。 前記網戸の第1及び第2の横枠杆を屈曲させた状態での斜視図である。 図11の網戸の正面図である。 本発明に係る網戸の第2実施例を示す斜視図である。 図13の網戸の連結機構を説明するための、下方の横枠杆の要部の分解斜視図である。 図13の網戸の第1及び第2の横枠杆を屈曲させた状態での正面図である。
図1−図12は本発明に係る嵌め殺し式網戸の第1実施形態を示すもので、図1及び図2は、該網戸10Aを、すべり出し窓のサッシ1に、嵌め殺し状態ではあるが取り外し可能なるように取り付けた例を示すものである。
前記すべり出し窓は、前記サッシ1に取り付けられた障子2を、ハンドル3の操作により、支持軸を中心に室外側に押し出して開く窓のことで、支持軸が垂直方向を向く縦すべり出し窓と、支持軸が水平方向を向く横滑りだし窓とがある。
しかし、前記網戸10Aは、このようなすべり出し窓に限らず、横滑りだし式の障子を複数枚有するオーニング窓や、障子を蝶番や軸金具等で回転させて開閉する開き窓、あるいは窓枠の上部を支点として障子を室外側に突き出して開放する突き出し窓のように、ハンドル等の操作で障子を間接的に開閉操作する場所に取り付けることができる。
前記サッシ1は、アルミニウム合金製の左右の縦サッシ枠材1a,1bと上下の横サッシ枠材1c,1dとによって矩形枠状に形成され、前記障子2が取り付けられている位置より室内側の位置に、網戸取付部4を有している。この網戸取付部4は、前記縦サッシ枠材1a,1b及び横サッシ枠材1c,1dにそれぞれ形成された網戸取付溝5を有していて、この網戸取付溝5に、前記網戸10Aの左右及び上下の4辺を嵌合させることにより、該網戸10Aが前記網戸取付部4に取り付けられている。前記網戸10Aの下辺は、補助枠杆11を介して下方の横サッシ枠材1dに取り付けられている。
なお、前記サッシ1及び網戸10Aについて、「左右」及び「上下」とは、該サッシ1及び網戸10Aを室内側から見た場合の位置関係であり、図3は、網戸10Aを室内側から見た場合の正面図である。
前記網戸10Aは、図3−図6に示すように、左右の縦枠杆13,14及び上下の横枠杆15,16からなる矩形の網戸枠12と、該網戸枠12に張設された矩形の防虫用ネット17とで構成されている。
前記ネット17は、図7に示すように、左右及び上下の4つの辺に、それぞれ係止体18を取り付けたもので、左右の辺の係止体18を前記網戸枠12の左右の縦枠杆13,14に係止させると共に、上下の辺の係止体18を前記網戸枠12の上下の横枠杆15,16に係止させることにより、該網戸枠12に張設されている。
前記係止体18は、前記ネット17の4つの辺に接着や逢着あるいは溶着等の適宜手段で取り付けられた布テープ18aの縁に、断続的に取り付けられた複数の突起や、連続的に取り付けられた柔軟な突条等によって形成されたものであるが、好ましくは、互いに噛み合う小片を2つの布テープの縁に取り付けた一対の噛合帯からなるファスナーの、一方の噛合帯を前記ネットの端部に取り付けることにより、前記係止体18を形成することである。
前記網戸枠12は、図3及び図4に示すように、前記左右の縦枠杆13,14の上下端と、前記上下の横枠杆15,16の左右端とを、該網戸枠12の4つのコーナーに配置された端部キャップ20で相互に連結することにより、矩形枠状に形成されている。
前記端部キャップ20は、図3に左上及び左下の端部キャップ20で代表的に示すように、縦向きに延出する連結脚20aを有し、この連結脚20aを前記縦枠杆13,14内に端部から挿入して係止させることにより、該縦枠杆13,14に連結され、前記横枠杆15,16に対しては、連結軸21で回転自在に連結されている。このように端部キャップ20と横枠杆15,16とを回転自在に連結する理由は、後述する該横枠杆15,16の説明の中で明らかになるであろう。
前記左右の縦枠杆13,14は、アルミニウム合金等の金属からなる中空状の部材であって、互いに同一形状を有し、図5に示すように、網戸枠12の内側に位置する杆本体部22aと、網戸枠12の外側に張り出した張出部22bとを有し、前記杆本体部22aの前後幅は前記張出部22bの前後幅より大きく形成されている。また、前記杆本体部22a及び張出部22bの背面即ち室外側の面には、該縦枠杆13,14の全長にわたってそれぞれ開口部24a,24b(図8参照)が形成され、該開口部24a,24bを通じて前記杆本体部22a及び張出部22bの内部に、前記ネット17の左右の端部に係止されたネット取付具23のネット係止部23aと枠杆取付部23bとを挿入することにより、前記左右の縦枠杆13,14に、前記ネット17の端部が、前記ネット取付具23を介して着脱自在に取り付けられている。
前記ネット取付具23は、前記ネット係止部23aと前記枠杆取付部23bとを有していて、前記ネット係止部23aには、係止溝23cが該ネット取付具23の全長にわたって形成され、該係止溝23c内に、前記ネット17の端部をネット取付具23の一端側から挿入し、前記係止体18を該係止溝23cの内縁に係止させることにより、該ネット取付具23に前記ネット17の端部が連結されている。
一方、前記枠杆取付部23bには、先端に係止突起を有する一対の弾性係止脚23dがネット取付具23の全長にわたって形成され、図8に示すように、前記ネット17の端部の係止体18を係止させた前記ネット係止部23aを、前記杆本体部22aの内部に開口部24aを通じて嵌合させたあと、前記弾性係止脚23dを、前記張出部22bの内部に開口部24bを通じて弾力的に圧入し、前記弾性係止脚23dの係止突起を、該張出部22bの内壁に形成された係止突起に弾力的に係止させることにより、該ネット取付具23が、前記縦枠杆13,14に、取り外し可能に取り付けられている。
また、前記上下の横枠杆15,16は、図3に示すように、それぞれ長さ方向に2分割されていて、左半部側(左方の縦枠杆13側)の第1杆部分26aと、右半部側(右方の縦枠杆14側)の第2杆部分26bとを有し、これら第1杆部分26aと第2杆部分26bとの先端部同士が向き合う横枠杆中央部において、図11及び図12に示すように、前記第1杆部分26aと第2杆部分26bとの先端部を網戸枠12の内側に向けて屈曲可能である。
前記第1杆部分26a及び第2杆部分26bの基端部26dは、前記端部キャップ20に前記連結軸21で回転自在に連結されることにより、該端部キャップ20を介して前記左右の縦枠杆13,14の上端部に回転自在に連結され、前記上方の横枠杆15及び下方の横枠杆16を中間部で屈曲させるとき、前記第1杆部分26a及び第2杆部分26bが、前記連結軸21を中心に回転すると共に、前記左方の縦枠杆13と右方の縦枠杆14とを互いの間隔が狭まる方向に引き寄せるようになっている。
また、前記第1杆部分26a及び第2杆部分26bの互いに相対する内側端(先端部)には、中空状をした分割キャップ27及び引手キャップ28の一方と他方とが、該第1杆部分26a及び第2杆部分26bの一部を形成するように取り付けられている。図示した実施形態の場合、上方の横枠杆15においては、前記第1杆部分26aに分割キャップ27が取り付けられると共に、第2杆部分26bに引手キャップ28が取り付けられ、下方の横枠杆16においては、前記第1杆部分26aに引手キャップ28が取り付けられると共に、第2杆部分26bに分割キャップ27が取り付けられている。
しかし、上下の横枠杆15,16の前記第1杆部分26a及び第2杆部分26bに対する前記分割キャップ27及び引手キャップ28の配置は、上述した場合と逆であっても良い。
前記分割キャップ27及び引手キャップ28は、前記第1杆部分26a側又は第2杆部分26b側に向けて突出する不図示の連結脚をそれぞれ有し、該連結脚を前記第1杆部分26a又は第2杆部分26bの内部に挿入して係止させることにより、該第1杆部分26a又は第2杆部分26bに固定的に連結されているが、その連結方法はこのようなものに限らず、任意である。
前記分割キャップ27及び引手キャップ28の内部には、前記第1杆部分26aと第2杆部分26bとの先端部同士を屈伸自在に連結するための連結機構31を構成する引張ばね29が、前記分割キャップ27と引手キャップ28との相対する先端部27aと27bとを跨ぐようにして伸長状態で配設され、該引張ばね29の一端は、前記分割キャップ27の内部に形成された係止部30に係止し、前記引張ばね29の他端は、前記引手キャップ28の内部に形成された係止部30に係止している。そして、前記第1杆部分26aと第2杆部分26bとを図10及び図11に示すように屈曲させると、該引張ばね29が更に伸長し、該第1杆部分26aと第2杆部分26bとを伸長状態に復帰させるためのエネルギーが蓄えられるようになっている。
なお、前記分割キャップ27及び引手キャップ28の先端部27a,27bは、該分割キャップ27及び引手キャップ28が前記第1杆部分26a及び第2杆部分26bの一部を構成しているため、第1杆部分26a及び第2杆部分26bの先端部であると言うこともできる。
また、前記分割キャップ27と引手キャップ28とには、前記第1杆部分26aと第2杆部分26bとを伸長状態にロックするためのロック機構33が設けられている。このロック機構33は、図10及びその他の図から分かるように、前記引手キャップ28の内側面(網戸枠12の内側を向く面)に形成されたレール状の係合部34と、前記分割キャップ27の内側面に摺動自在に設けられた操作部材35とを有し、該操作部材35に、前記係合部34が嵌合、係止する凹状の被係合部36aが設けられている。
前記操作部材35は、該操作部材35の長手方向に延びるT字形のガイド溝36を有していて、該ガイド溝36の内部に、前記分割キャップ27に形成された断面T字形のガイドレール37が嵌合することにより、該ガイドレール37に沿って摺動自在である。前記ガイドレール37の先端部37aは、幅方向の一半部が部分的に欠如されることによって断面L字形に形成され、この欠如された部分に、前記係合部34が納まるスペース38が形成されている。
一方、前記係合部34は、断面がL字形をなすもので、前記引手キャップ28の先端部28aから前記分割キャップ27側に向けて直線状に突出しており、その突出長さは、前記スペース38の前記ガイドレール37に沿った長さ(奥行き)より大きい。そして、前記第1杆部分26aと第2杆部分26bとが伸長状態にあるとき、前記係合部34が前記スペース38内に納まると共に、該係合部34の先端34aが前記スペース38の奥の段壁38aに当接することにより、図3に示すように、前記分割キャップ27の先端部27aと引手キャップ28の先端部28aとの間に、前記横枠杆15,16を屈曲させる際の逃げとなる隙間gが形成されるようになっている。この隙間gは、前記横枠杆15,16の屈伸時に、前記引張ばね29の伸縮によって変化する。
また、前記係合部34の断面形状であるL字の向きは、前記ガイドレール37の先端部37aの断面形状であるL字の向きとは逆向き即ち背中合わせの関係にあって、該係合部34が前記スペース38内に納まったとき、該係合部34と前記ガイドレール37の先端部37aとがT字形に重なり合い、その状態で前記操作部材35を引手キャップ28側に向けて前進させると、前記係合部34と前記ガイドレール37の先端部37aとが重なり合ったまま、該操作部材35のガイド溝36内に一緒に嵌合するようになっている。従って、前記係合部34が嵌合する前記被係合部36aは、前記ガイド溝36の左右の一半部によって形成されるものである。
このようにして、前記第1杆部分26aと第2杆部分26bとを伸長させた状態で前記操作部材35を前進させ、前記被係合部36a内に前記係合部34に嵌合させることにより、図3及び図4に示すように該操作部材35と前記係合部34とが互いに係合し、前記第1杆部分26aと第2杆部分26bとが伸長状態にロックされる。
また、図9に示すように、前記操作部材35を後退させて前記係合部34を被係合部36aから脱出させると、前記操作部材35と係合部34とが非係合状態になってロックが解除され、前記第1杆部分26aと第2杆部分26bとは、図11及び図12に示すように屈曲可能になる。
前記操作部材35の指を掛ける部分には、滑り止め用の複数の突条35aが形成されている。
前記引手キャップ28には、室内側に向けて水平に張り出した引手40が形成され、この引手40に指を掛けて前記第1杆部分26a又は第2杆部分26bを網戸枠12の内側に向けて変位させることにより、上下の横枠杆15,16を中間部で屈曲させることができる。この引手40は、前記操作部材35の操作の邪魔にならない態様で前記分割キャップ27に取り付けても良く、あるいは、該分割キャップ27と前記引手キャップ28の両方に取り付けても良い。
前記上下の横枠杆15,16における前記第1杆部分26a及び第2杆部分26bの中空部内には、前記分割キャップ27と引手キャップ28とを除いた部分に、係止溝41aを有する中空のネット取付部材41が、前記係止溝41aを横枠杆15,16の背面側(室外側)に開口させた姿勢で挿入され、前記分割キャップ27と引手キャップ28には、前記係止溝41aが直接形成され、該係止溝41a内に、前記ネット17の上辺又は下辺を前記横枠杆15,16の一端側から挿入し、該係止溝41aの内縁に前記係止体18を係止させることにより、該ネット17の上下の辺が上下の横枠杆15,16にそれぞれ連結されている。
前記分割キャップ27及び引手キャップ28は、前記係止溝41aを直接形成する代わりに、前記ネット取付部材41を内蔵した構成にすることもできる。
前記ネット17を実際に前記網戸枠12に取り付ける場合には、先ず、該ネット17の上方の辺及び下方の辺を、伸長状態にロックされた上方の横枠杆15及び下方の横枠杆16のネット取付部材41の係止溝41a内に挿通させて係止させ、そのあと、該ネット17の左方の辺及び右方の辺に前記ネット取付具23をそれぞれ取り付けて、このネット取付具23を、前記左方の縦枠杆13及び右方の縦枠杆14にそれぞれ嵌合、固定させるようにする。
このようにして網戸枠12にネット17を張設した前記網戸10Aを、前記サッシ1に取り付ける場合は、該網戸10Aの下方の横枠杆16に前記補助枠杆11を取り付ける。この補助枠杆11は、図1及び図6に示すように前記横枠杆16が嵌合する嵌合溝11aを有する断面溝形の部材であって、前記サッシ1から網戸10Aと一緒に取り外すことができるように、該補助枠杆11の長さは、前記サッシ1の左右方向の開口幅と同じかそれより僅かに短く形成されている。また、該補助枠杆11の底面には、2本の平行な弾性取付脚11bが設けられていて、該2本の弾性取付脚11bの外幅は、前記サッシ1の下方の横サッシ枠材1dの網戸取付溝5内に、比較的小さい力で弾力的に嵌合、係止させたり離脱させたりすることができるような幅に形成されている。
そして、前記補助枠杆11を前記下方の横枠杆16に取り付けた状態で、前記上下の横枠杆15,16の操作部材35を引手キャップ28から離れる方向に後退させ、係合部34から離脱させてロックを解除したあと、図11及び図12に示すように前記上下の横枠杆15,16を屈曲させることにより、左右の縦枠杆13,14を内側に引き寄せて網戸10Aの左右の幅を狭める。このとき、前記上下の横枠杆15,16においては、前記引張ばね29が屈曲しながら伸長し、前記横枠杆15,16を伸長させるためのエネルギーが蓄えられる。
なお、前述したように上下の横枠杆15,16を屈曲させて左右の縦枠杆13,14を内側に引き寄せると、前記ネット17は当然緩んだ状態になるが、その詳細な図示は省略されている。
次に、サッシ1の室内側から、前記網戸10Aの上方の横枠杆15を該サッシ1の上方の横サッシ枠材1cの網戸取付溝5内に挿入し、該網戸取付溝5の上端まで押し上げると共に、前記補助枠杆11の弾性取付脚11bを、前記サッシ1の下方の横サッシ枠材1dの網戸取付溝5の上方の位置に位置合わし、その状態から該網戸10Aを下降させて、前記弾性取付脚11bを前記下方の横サッシ枠材1dの網戸取付溝5内に嵌合させる。
そして、前記引張ばね29の引張力を利用して前記網戸10Aの上下の横枠杆15,16を伸長させることにより、網戸10Aの左右幅を広げて左右の縦枠杆13,14を前記サッシ1の左右の縦サッシ枠材1a,1bの網戸取付溝5に嵌合させ、そのあと、前記操作部材35を前進させて係合部34に係合させ、上下の横枠杆15,16を伸長状態にロックすることにより、前記網戸10Aの取り付けが完了する。このとき前記ネット17は、図3に示すように緊張状態になる。
前記網戸10Aの清掃やメンテナンスを行う場合や、前記ネット17を新しいネットと交換する場合などに、該網戸10Aを前記サッシ1から取り外すときは、前記サッシ1に取り付けるときと逆の手順に従って取り外せば良い。
即ち、先ず、前記上下の横枠杆15,16における操作部材35を後退させ、係合部34から離脱させてロックを解除したあと、該上下の横枠杆15,16における引手キャップ28の引手40を網戸枠12の内側に向けて互いに引き寄せ、該上下の横枠杆15,16を中央部で屈曲させることにより、左右の縦枠杆13,14を内側に引き寄せて前記サッシ1の左右の縦サッシ枠材1a,1bの網戸取付溝5から脱出させる。
続いて、前記網戸10Aを前記補助枠杆11と共に上方に持ち上げて、上方の横枠杆15を、前記サッシ1の上方の横サッシ枠材1cの網戸取付溝5の上端まで押し上げる。すると、前記補助枠杆11の取付脚11bが、前記下方の横サッシ枠材1dの網戸取付溝5から上方に抜け出すので、前記網戸10Aの下端部を室内側に変位させて前記横サッシ枠材1dから取り外し、続いて、前記上方の横枠杆15を上方の横サッシ枠材1cの網戸取付溝5から引き出すことにより、前記網戸10Aを前記サッシ1から取り外すことができる。
また、前記網戸枠12から前記ネット17を取り外すときは、前記上下の横枠杆15,16を伸長させると共に、前記ロック機構33をロックさせた状態で、該ネット17の左右の辺に取り付けられた前記ネット取付具23を左右の縦枠杆13,14から取り外したあと、該ネット17を網戸枠12に沿って左右何れかの方向に移動させることにより、該ネット17の上下の辺を、上下の横枠杆15,16の係止溝41aから抜き取るようにする。前記ネット取付具23は、ネット17に沿って上下何れかの方向に移動させることにより、該ネット17から取り外すことができる。
以上に詳述したように、前記網戸10Aは、前記上下の横枠杆15,16に、前記第1杆部分26aと第2杆部分26bとを伸長状態にロックしたりロックを解除したりするためのロック機構33を設けたことにより、前記サッシ1に対する該網戸10Aの着脱作業時や、前記網戸枠12に対するネット17の着脱作業時等に、前記第1杆部分26aと第2杆部分26bとの不意の屈曲が防止され、作業性や取り扱い性に勝れるという利点がある。しかも、前記第1杆部分26aと第2杆部分26bとの先端部同士を引張ばね29で互いに連結しているので、該第1杆部分26aと第2杆部分26bとの屈伸操作をより簡単にしかも安定的に行うことができる。
図13−図15は本発明に係る網戸の第2実施形態を示すもので、この第2実施形態の網戸10Bが前記第1実施形態の網戸10Aと異なる点は、上下の横枠杆15,16における第1杆部分26aと第2杆部分26bとの先端部同士を連結する連結機構31が、連結ピン43によって形成されていることである。
即ち、前記第1杆部分26a及び第2杆部分26bに取り付けられた分割キャップ27及び引手キャップ28の先端部27a及び28aには、前後に互いに重なり合う連結部44a及び44bが室内側の半部と室外側の半部とに形成され、該重合部44a,44bに形成されたピン挿通孔45に前記連結ピン43を挿入することにより、前記第1杆部分26aと第2杆部分26bとの先端部同士が、該連結ピン43を中心に屈伸自在なるように連結されている。
また、前記分割キャップ27及び引手キャップ28の先端部27a及び28aは、屈伸時に係止し合わないように、上下端の角部が丸く形成されている。
この第2実施形態の網戸10Bの前記以外の構成は、前記第1実施形態の網戸10Aと実質的に同じであるので、主要な同一構成部分に網戸10Aで用いたものと同じ符号を付し、その説明は省略する。
前記各実施形態では、網戸10A,10Bの下方の横枠杆16を、前記補助枠杆11を介してサッシ1の下方の横サッシ枠材1dに取り付けるようにしているが、このような補助枠杆11を用いることなく、前記下方の横枠杆16を、前記横サッシ枠材1dに直接取り付けるようにすることもできる。
また、上下の横枠杆15,16の前記第1杆部分26a及び第2杆部分26bに分割キャップ27及び引手キャップ28の一方と他方とを取り付けて、前記分割キャップ27にガイドレール37と操作部材35とを設け、前記引手キャップ28に係合部34と引手40とを設けているが、前記第1杆部分26a及び第2杆部分26bにこのような分割キャップ27及び引手キャップ28を取り付けることなく、該第1杆部分26a及び第2杆部分26bの各々を、一連の型材によって全長に渡り一体に形成し、該第1杆部分26a及び第2杆部分26bの一方に、別部材として形成した前記ガイドレール37と操作部材35とを取り付け、他方に、別部材として形成した前記係合部34と引手40とを取り付けても良い。
更に、図示した実施形態のロック機構33は、前記第1杆部分26a及び第2杆部分26bの一方に前記係合部34を固定的に設け、他方の杆部分に摺動自在に配設した操作部材35に前記被係合部36aを設けているが、その逆に、第1及び第2の一方の杆部分に被係合部36aを固定的に設け、他方の杆部分に摺動自在に配設した前記操作部材35に前記係合部34を設けても良い。
あるいは、前述したような構成のロック機構33の代わりに、前記第1杆部分26a及び第2杆部分26bの一方と他方とに相対的に変位自在なるように設けた適宜形状の係合部と被係合部とを、相互に嵌合させたり離脱させたりするようにしたロック機構や、鉤と鉤受けとを相互に係止させたり離脱させたりするようにしたロック機構などを採用することもできる。
1 サッシ
10A,10B 網戸
12 網戸枠
13 左方の縦枠杆
14 右方の縦枠杆
15 上方の横枠杆
16 下方の横枠杆
17 ネット
26a 第1杆部分
26b 第2杆部分
26d 基端部
27a,28a 先端部
29 引張ばね
31 連結機構
33 ロック機構
34 係合部
35 操作部材
36a 被係合部
40 引手
43 連結ピン
44a,44b 連結部
45 ピン挿通孔

Claims (10)

  1. 建物開口部のサッシに着脱可能に取り付けられる嵌め殺し式の網戸であって、
    前記網戸は、左右の縦枠杆及び上下の横枠杆からなる矩形の網戸枠と、該網戸枠に着脱自在に張設された矩形のネットとを有し、
    前記網戸枠の上下の横枠杆は、それぞれ長さ方向に2分割されていて、一半部側の第1杆部分と他半部側の第2杆部分とを有し、該第1杆部分と第2杆部分との先端部同士が向き合う横枠杆中央部において屈伸自在であると共に、該第1杆部分と第2杆部分とを伸長状態にロックするためのロック機構を有する、
    ことを特徴とする着脱可能な嵌め殺し式網戸。
  2. 前記上方の横枠杆における前記第1杆部分及び第2杆部分の基端部は、左方の縦枠杆の上端部及び右方の縦枠杆の上端部にそれぞれ回転自在に連結され、下方の横枠杆における前記第1杆部分及び第2杆部分の基端部は、左方の縦枠杆の下端部及び右方の縦枠杆の下端部にそれぞれ回転自在に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の嵌め殺し式網戸。
  3. 前記ロック機構は、前記第1杆部分及び第2杆部分の一方と他方とに相互に係合、離脱可能に設けられた係合部と被係合部とを有し、前記係合部を前記被係合部に係合させると前記第1杆部分と第2杆部分とが伸長状態にロックされ、前記係合部を前記被係合部から離脱させると前記第1杆部分と第2杆部分とが屈曲可能になることを特徴とする請求項1又は2に記載の嵌め殺し式網戸。
  4. 前記係合部は凸状をなし、また、前記被係合部は凹状をなしていて、該係合部及び被係合部の一方が前記第1杆部分及び第2杆部分の一方に固定的に設けられ、前記係合部及び被係合部の他方が前記第1杆部分及び第2杆部分の他方に係脱操作可能に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の嵌め殺し式網戸。
  5. 前記係合部が前記第1杆部分及び第2杆部分の一方に固定的に設けられ、前記被係合部が、前記第1杆部分及び第2杆部分の他方に移動操作可能に設置された操作部材に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の嵌め殺し式網戸。
  6. 上方の横枠杆の第1杆部分及び第2杆部分に対する前記係合部及び被係合部の配置と、下方の横枠杆の第1杆部分及び第2杆部分に対する前記係合部及び被係合部の配置とが、互いに逆であることを特徴とする請求項3から5の何れかに記載の嵌め殺し式網戸。
  7. 前記上下の横枠杆における前記第1杆部分と第2杆部分との先端部同士は、連結機構によって屈伸自在に連結されていることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の嵌め殺し式網戸。
  8. 前記連結機構は引張ばねで構成され、該引張ばねは、前記第1杆部分と第2杆部分とを跨ぐように配置されていて、一端が前記第1杆部分に係止し、他端が前記第2杆部分に係止していることを特徴とする請求項7に記載の嵌め殺し式網戸。
  9. 前記連結機構は連結ピンで構成され、該連結ピンは、前記第1杆部分と第2杆部分との連結部に形成されたピン挿通孔内に挿通されていることを特徴とする請求項7に記載の嵌め殺し式網戸。
  10. 前記上下の横枠杆はそれぞれ、前記第1杆部分及び第2杆部分の少なくとも一方に、該横枠杆を屈伸操作をするための引手を有することを特徴とする請求項1から9の何れかに記載の嵌め殺し式網戸。
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