JP2015124373A - ポリプロピレン樹脂組成物及び樹脂成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温下で荷重負荷がかかる樹脂製品にも使用できるポリプロピレン樹脂組成物及びそのポリプロピレン樹脂組成物からなる樹脂成形体を提供する。【解決手段】(A)ポリプロピレン、(B)マレイミド変性ポリスチレン、(C)エラストマー、(D)相溶化剤を含むポリプロピレン樹脂組成物。ポリプロピレン樹脂組成物105質量部に対し、(A)ポリプロピレンの含有量が40〜80質量部、(B)マレイミド変性ポリスチレンの含有量が5〜30質量部、(C)エラストマーの含有量が10〜30質量部、(D)相溶化剤の含有量が1〜15質量部である前記のポリプロピレン樹脂組成物。【選択図】図1
Description
本発明は、高耐熱・高衝撃性のポリプロピレン樹脂組成物及びその樹脂組成物からなる樹脂成形体に関するものである。
ポリプロピレンは安価で比重が軽い、成形し易い、耐薬品性に優れているという特徴があることから、多くの樹脂製品に用いられている。特許文献1では、高温下で荷重負荷がかかる樹脂製品に使用できるポリプロピレン樹脂組成物が開示されており、これらは、加熱変形温度(荷重たわみ温度)が70℃以上であり、且つ、アイゾット衝撃強度が6.5kJ/m2以上である。
しかし、特許文献1においても、ポリプロピレンの耐熱性は不十分であり、特に、高温下において高荷重負荷がかかる製品に対してはたわみが生じやすく、その用途にポリプロピレンは使用することが困難であり、さらに、高耐熱、且つ、高衝撃性なポリプロピレン樹脂が望まれている。
本発明は、高温下で荷重負荷がかかる樹脂製品にも使用できる耐熱性と耐衝撃性の特性を両立するポリプロピレン樹脂組成物及びそのポリプロピレン樹脂組成物からなる樹脂成形体を提供することを目的とする。
本発明は以下の通りである。
(1)(A)ポリプロピレン、(B)マレイミド変性ポリスチレン、(C)エラストマー、(D)相溶化剤を含むポリプロピレン樹脂組成物。
(2)ポリプロピレン樹脂組成物105質量部に対し、(A)ポリプロピレンの含有量が40〜80質量部、(B)マレイミド変性ポリスチレンの含有量が5〜30質量部、(C)エラストマーの含有量が10〜30質量部、(D)相溶化剤の含有量が1〜15質量部である(1)に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
(3)前記(C)エラストマーがメタクリル酸アルキル−スチレン−ブタジエン共重合体である(1)又は(2)に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
(4)前記(C)エラストマーがアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体である(1)又は(2)に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
(5)(E)ポリフェニレンエーテルをポリプロピレン樹脂組成物105質量部に対し、1〜10質量部含む(1)〜(4)のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物であって、海島構造の相分離構造を形成し、(A)ポリプロピレンが(a)海相を、(B)マレイミド変性ポリスチレンが(b)島相を形成し、(C)エラストマーが島相内に存在するポリプロピレン樹脂組成物。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物を成形してなる樹脂成形体。
(8)(7)に記載の樹脂成形体であって、荷重たわみ温度が80℃以上、かつ、衝撃強度10kJ/m2以上である樹脂成形体。
(1)(A)ポリプロピレン、(B)マレイミド変性ポリスチレン、(C)エラストマー、(D)相溶化剤を含むポリプロピレン樹脂組成物。
(2)ポリプロピレン樹脂組成物105質量部に対し、(A)ポリプロピレンの含有量が40〜80質量部、(B)マレイミド変性ポリスチレンの含有量が5〜30質量部、(C)エラストマーの含有量が10〜30質量部、(D)相溶化剤の含有量が1〜15質量部である(1)に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
(3)前記(C)エラストマーがメタクリル酸アルキル−スチレン−ブタジエン共重合体である(1)又は(2)に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
(4)前記(C)エラストマーがアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体である(1)又は(2)に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
(5)(E)ポリフェニレンエーテルをポリプロピレン樹脂組成物105質量部に対し、1〜10質量部含む(1)〜(4)のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物であって、海島構造の相分離構造を形成し、(A)ポリプロピレンが(a)海相を、(B)マレイミド変性ポリスチレンが(b)島相を形成し、(C)エラストマーが島相内に存在するポリプロピレン樹脂組成物。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物を成形してなる樹脂成形体。
(8)(7)に記載の樹脂成形体であって、荷重たわみ温度が80℃以上、かつ、衝撃強度10kJ/m2以上である樹脂成形体。
本発明によれば、高温下で荷重負荷がかかる樹脂製品にも使用できる耐熱性と耐衝撃性の特性を両立するポリプロピレン樹脂組成物及びそのポリプロピレン樹脂組成物からなる樹脂成形体を提供できる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は、(A)ポリプロピレン、(B)マレイミド変性ポリスチレン、(C)エラストマー、(D)相溶化剤を含むポリプロピレン樹脂組成物である。
本発明は、(A)ポリプロピレン、(B)マレイミド変性ポリスチレン、(C)エラストマー、(D)相溶化剤を含むポリプロピレン樹脂組成物である。
本発明で用いる(A)ポリプロピレンの含有量は、ポリプロピレン樹脂組成物105質量部に対し、40〜80質量部が好ましい。より好ましくは50〜70質量部、さらに好ましくは55〜65質量部である。(A)ポリプロピレンの含有量が40質量部より少ないと流動性が低下し射出成形ができなくなる恐れがある。また、80質量部より多いと荷重たわみ温度が低くなる恐れがある。
本発明で用いる(B)マレイミド変性ポリスチレンの含有量は、ポリプロピレン樹脂組成物105質量部に対し、5〜30質量部が好ましい。より好ましくは10〜25質量部、さらに15〜20質量部であることが好ましい。(B)マレイミド変性ポリスチレンの含有量が5質量部より少ないと、荷重たわみ温度が低くなる恐れがある。また、30質量部より多いと、耐衝撃性が著しく低くなる恐れがある。
本発明で用いる(C)エラストマーの含有量は、ポリプロピレン樹脂組成物105質量部に対し、10〜30質量部であることが好ましい。より好ましくは10〜25質量部、さらに15〜20質量部であることが好ましい。(C)エラストマーの含有量が10質量部より少ないと、衝撃強度が低下する恐れがある。また、30質量部より多いと、耐熱性が著しく低くなる恐れがある。
本発明で用いる(D)相溶化剤の含有量は、ポリプロピレン樹脂組成物105質量部に対し、1〜15質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜10質量部、さらに3〜7質量部であることが好ましい。(D)相溶化剤の含有量が1質量部より少ないと、衝撃強度が低下する恐れがある。また、(D)相溶化剤の含有量が15質量部より多いと、荷重たわみ温度が低下する恐れがある。
本発明で用いる(A)ポリプロピレン(PP)は、ホモポリマー、ランダムコポリマーとブロックコポリマーがあるが、耐熱性の面からはホモポリマー、耐衝撃性の面からはブロックコポリマーを用いることが好ましい。(A)ポリプロピレン(PP)としては、特に限定されないが、本発明の実施形態では、以下のPP1、PP2を用いた。
PP1:住友化学株式会社製のノーブレンD101(ホモポリマー)。メルトフローレート(以下、MFR;230℃、21.18N)が0.5g/10分、荷重たわみ温度(1.8MPa)が60℃、アイゾット衝撃強度が11kJ/m2。なお、「ノーブレン」は登録商標。
PP2:住友化学株式会社製のノーブレンAH1311(ホモポリマー)。MFR(230℃、21.18N)が0.6g/10分、荷重たわみ温度(1.8MPa)が57℃、アイゾット衝撃強度が67kJ/m2。
PP1:住友化学株式会社製のノーブレンD101(ホモポリマー)。メルトフローレート(以下、MFR;230℃、21.18N)が0.5g/10分、荷重たわみ温度(1.8MPa)が60℃、アイゾット衝撃強度が11kJ/m2。なお、「ノーブレン」は登録商標。
PP2:住友化学株式会社製のノーブレンAH1311(ホモポリマー)。MFR(230℃、21.18N)が0.6g/10分、荷重たわみ温度(1.8MPa)が57℃、アイゾット衝撃強度が67kJ/m2。
本発明で用いる(B)マレイミド変性ポリスチレン(MI−PS)としては、特に限定されないが、ガラス転移点(Tg)が130℃以上のものであることが好ましい。より好ましくは、140℃以上であり、さらに好ましくは、150℃以上である。ガラス転移点が130℃より低いと、荷重たわみ温度の向上効果が小さくなる恐れがある。本発明の実施形態では特に限定されないが、以下のMI−PS1、MI−PS2、MI−PS3を用いた。
MI−PS1:電気化学工業株式会社製の「デンカIP(MS−CP)」。ガラス転移温度196℃。なお、「デンカ」は登録商標。
MI−PS2:電気化学工業株式会社製の「デンカIP(MS−L2A)」。ガラス転移温度196℃。
MI−PS3:電気化学工業株式会社製の「デンカIP(MS−NA)」。ガラス転移温度196℃。
MI−PS1:電気化学工業株式会社製の「デンカIP(MS−CP)」。ガラス転移温度196℃。なお、「デンカ」は登録商標。
MI−PS2:電気化学工業株式会社製の「デンカIP(MS−L2A)」。ガラス転移温度196℃。
MI−PS3:電気化学工業株式会社製の「デンカIP(MS−NA)」。ガラス転移温度196℃。
本発明で用いる(C)エラストマーとしては、特に限定されないが、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエンゴム等のジエン系、ブチルゴム(イソブチエン−イソプレンゴム)、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の非ジエン系、スチレン系、オレフィン系、エステル系、ウレタン系、アミド系、PVC(ポリ塩化ビニル)系、フッ素系の熱可塑性エラストマー(TPE)が挙げられる。(C)エラストマーとしては、特に、メタクリル酸アルキル−スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。本実施形態では、以下のBSR1、BSR2を用いた。
BSR1:三菱レイヨン株式会社製の「メタブレン(C−223A)」。コアがブタジエン、シェルがメタクリル酸メチル−スチレンのコアシェル型ゴム。なお、「メタブレン」は登録商標。
BSR2:電気化学工業株式会社製の「デンカABS(GRGT19)」。
BSR1:三菱レイヨン株式会社製の「メタブレン(C−223A)」。コアがブタジエン、シェルがメタクリル酸メチル−スチレンのコアシェル型ゴム。なお、「メタブレン」は登録商標。
BSR2:電気化学工業株式会社製の「デンカABS(GRGT19)」。
本発明で用いる(D)相溶化剤としては、特に限定されないが、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、無水マレイン酸変性ポリスチレン(SMA)、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PP−MA)、グリシジルメタクリレート変性ポリエチレン(E−GMA)等が挙げられる。
スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)としては、特に限定されないが、SEBS内のポリスチレン含有率が、15〜80質量%であることが好ましい。より好ましくは30〜70質量%、さらに好ましくは50〜70質量%である。SEBS内のポリスチレン含有率が増加すると衝撃強度が低下するが、荷重たわみ温度が向上する傾向が見られる。
本発明の実施形態で用いた(D)相溶化剤は以下である。
SEBS1:旭化成ケミカルズ株式会社の水添スチレン系熱可塑性エラストマー「タフテックH1043」。スチレン含量67質量%。なお、「タフテック」は登録商標。
SEBS2:JSR株式会社製のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体「DYNARON8600P」。スチレン含量15質量%。
SEBS1:旭化成ケミカルズ株式会社の水添スチレン系熱可塑性エラストマー「タフテックH1043」。スチレン含量67質量%。なお、「タフテック」は登録商標。
SEBS2:JSR株式会社製のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体「DYNARON8600P」。スチレン含量15質量%。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物においては、(E)ポリフェニレンエーテルを含むことが好ましい。また、(E)ポリフェニレンエーテルの含有量としては、ポリプロピレン樹脂組成物105質量部に対し、1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部、さらに3〜7質量部であることが好ましい。(E)ポリフェニレンエーテルの含有量が1質量部より少ないと、衝撃強度が低下する恐れがある。また、(E)ポリフェニレンエーテルの含有量が10質量部より多いと、荷重たわみ温度が低下する恐れがある。
本発明で用いる(E)ポリフェニレンエーテル(PPE)としては、特に限定されないが、本発明では旭化成ケミカルズ株式会社製の「ザイロン1000H」(「ザイロン」は登録商標)を用いた。荷重たわみ温度(1.8MPa)が156℃、アイゾット衝撃強度が13kJ/m2である。
本発明で用いる(E)ポリフェニレンエーテル(PPE)としては、特に限定されないが、本発明では旭化成ケミカルズ株式会社製の「ザイロン1000H」(「ザイロン」は登録商標)を用いた。荷重たわみ温度(1.8MPa)が156℃、アイゾット衝撃強度が13kJ/m2である。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物を成形してなる樹脂成形体は、荷重たわみ温度は、70℃以上が好ましく、さらに80℃以上が好ましい。また、衝撃強度は6.5kJ/m2以上が好ましく、さらに10kJ/m2以上がより好ましい。さらに、荷重たわみ温度80℃以上かつ衝撃強度10kJ/m2以上である2つの特性が両立することがより好ましい。なお、本発明における衝撃強度とは、アイゾット衝撃強度のことである。
なお、樹脂成形体の成形方法としては、特に限定しないが、射出成形、押出し成形、熱圧成形、ブロー成形等が挙げられる。
なお、樹脂成形体の成形方法としては、特に限定しないが、射出成形、押出し成形、熱圧成形、ブロー成形等が挙げられる。
本発明において、荷重たわみ温度と衝撃強度を両立するためには、(A)ポリプロピレン、(B)マレイミド変性ポリスチレン、(C)エラストマー、(D)相溶化剤を含む。(A)ポリプロピレンのみでは荷重たわみ温度が低くなるおそれがある。(B)マレイミド変性ポリスチレン及び(D)相溶化剤を含むと荷重たわみ温度が90℃以上となり、高い耐熱性を示す。また、(C)エラストマーを含むことで衝撃強度に優れたポリプロピレン樹脂組成物が得られる。さらに、(D)相溶化剤を含むことで、(B)マレイミド変性ポリスチレン及び(C)エラストマーを(A)ポリプロピレン内に細かく分散させることができると推定される。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、それらを混練し、成形して樹脂成形体とすると、海島構造の相分離構造を形成し、(A)ポリプロピレンが(a)海相、(B)マレイミド変性ポリスチレンが(b)島相を形成する。さらに、(C)エラストマーが(a)海相又は(b)島相に細かく分散する。
図1に、本発明のポリプロピレン樹脂組成物が形成する海島構造の一実施形態を模式的に示した。(a)は海相で、(b)は島相である。(b)で示した島相の直径が5μm以下であることが好ましく、さらに2μm以下であることがより好ましい。また、耐衝撃性を高くするためには、(C)エラストマーが(a)海相にあることが好ましいが、耐熱性が低下する恐れがある。耐熱性を低下させないためには、(C)エラストマーが(b)島相に存在しているほうがより好ましい。図1に示した(b)島相において、黒い丸の部分は、(C)エラストマーであり、外側の灰色の部分は、(B)マレイミド変性ポリスチレンである。
図1に、本発明のポリプロピレン樹脂組成物が形成する海島構造の一実施形態を模式的に示した。(a)は海相で、(b)は島相である。(b)で示した島相の直径が5μm以下であることが好ましく、さらに2μm以下であることがより好ましい。また、耐衝撃性を高くするためには、(C)エラストマーが(a)海相にあることが好ましいが、耐熱性が低下する恐れがある。耐熱性を低下させないためには、(C)エラストマーが(b)島相に存在しているほうがより好ましい。図1に示した(b)島相において、黒い丸の部分は、(C)エラストマーであり、外側の灰色の部分は、(B)マレイミド変性ポリスチレンである。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物においては、必要に応じて各種添加剤成分、例えば、可塑剤、滑剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、防黴剤、無機充填材、有機充填材などを混練時又は成形時に配合することもできる。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、射出成形、押出し成形、熱圧成形、ブロー成形等で任意の形に成形加工が可能である。例えば、電気/電子関係用部品、OA関連用部品、オフィス機器関連部品、自動車の内装・外装部品、その他インフラ関連の内装・外装部品などの幅広い分野の各種部品に使用できる。特に荷重負荷がかかる部品や水平部品への適用が期待できる。
〔実施例1〜15、比較例1〜4〕
〔樹脂組成物の作製例〕
表1及び表2に示した材料を二軸混練機(株式会社日本製鋼所製TEX30α−42BW−3V)を用いて、設定温度260℃、回転数300rpm(回転/分)、吐出量7kg/hで混練し、ポリプロピレン樹脂組成物を得た。
〔樹脂組成物の作製例〕
表1及び表2に示した材料を二軸混練機(株式会社日本製鋼所製TEX30α−42BW−3V)を用いて、設定温度260℃、回転数300rpm(回転/分)、吐出量7kg/hで混練し、ポリプロピレン樹脂組成物を得た。
〔樹脂成形体の作製例〕
得られたポリプロピレン樹脂組成物を東洋機械金属株式会社製PLASTAR Si−130IIの射出成形機を用い、樹脂温度230〜280℃、金型温度60℃、冷却時間15sで成形体を作製した。
得られたポリプロピレン樹脂組成物を東洋機械金属株式会社製PLASTAR Si−130IIの射出成形機を用い、樹脂温度230〜280℃、金型温度60℃、冷却時間15sで成形体を作製した。
樹脂成形体の荷重たわみ温度及びアイゾット衝撃強度の測定方法は以下の通りである。なお、試験片のアニール処理は行わずに、荷重たわみ温度、アイゾット衝撃強度を測定した。結果を表1及び表2に示した。
荷重たわみ温度;JIS K 7191に準拠して、フラットワイズ、A法:1.8MPAで測定した。
アイゾット衝撃強度は;ノッチ付き試験用テストピースを用い、ASTM D−256に準拠して測定した。
アイゾット衝撃強度は;ノッチ付き試験用テストピースを用い、ASTM D−256に準拠して測定した。
以下に使用した材料の詳細を示す。
(A)ポリプロピレン
PP1:住友化学株式会社製のノーブレンD101(ホモポリマー)。MFR(230℃、21.18N)が0.5g/10分、荷重たわみ温度(1.8MPa)が60℃、アイゾット衝撃強度が11kJ/m2。
PP2:住友化学株式会社製のノーブレンAH1311(ホモポリマー)。MFR(230℃、21.18N)が0.6g/10分、荷重たわみ温度(1.8MPa)が57℃、アイゾット衝撃強度が67kJ/m2。
(B)マレイミド変性ポリスチレン(MI−PS)
MI−PS1:電気化学工業株式会社製の「デンカIP(MS−CP)」。ガラス転移温度196℃。
MI−PS2:電気化学工業株式会社製の「デンカIP(MS−L2A)」。ガラス転移温度196℃。
MI−PS3:電気化学工業株式会社製の「デンカIP(MS−NA)」。ガラス転移温度196℃。
(C)エラストマー
BSR1:三菱レイヨン株式会社製の「メタブレン(C−223A)」。コアがブタジエン、シェルがメタクリル酸メチル−スチレンのコアシェル型ゴム。
BSR2:電気化学工業株式会社製の「デンカABS(GRGT19)」。
(D)相溶化剤
SEBS1:旭化成ケミカルズ株式会社の水添スチレン系熱可塑性エラストマー「タフテックH1043」。スチレン含量67質量%。
SEBS2:JSR株式会社製のスチレン/エチレン/ブチレン/スチレンブロック共重合体「DYNARON8600P」。スチレン含量15質量%。
(E)ポリフェニレンエーテル(PPE)
PPE(ザイロン1000H):旭化成ケミカルズ株式会社製。荷重たわみ温度(1.8MPa)が156℃、アイゾット衝撃強度が13kJ/m2。
(A)ポリプロピレン
PP1:住友化学株式会社製のノーブレンD101(ホモポリマー)。MFR(230℃、21.18N)が0.5g/10分、荷重たわみ温度(1.8MPa)が60℃、アイゾット衝撃強度が11kJ/m2。
PP2:住友化学株式会社製のノーブレンAH1311(ホモポリマー)。MFR(230℃、21.18N)が0.6g/10分、荷重たわみ温度(1.8MPa)が57℃、アイゾット衝撃強度が67kJ/m2。
(B)マレイミド変性ポリスチレン(MI−PS)
MI−PS1:電気化学工業株式会社製の「デンカIP(MS−CP)」。ガラス転移温度196℃。
MI−PS2:電気化学工業株式会社製の「デンカIP(MS−L2A)」。ガラス転移温度196℃。
MI−PS3:電気化学工業株式会社製の「デンカIP(MS−NA)」。ガラス転移温度196℃。
(C)エラストマー
BSR1:三菱レイヨン株式会社製の「メタブレン(C−223A)」。コアがブタジエン、シェルがメタクリル酸メチル−スチレンのコアシェル型ゴム。
BSR2:電気化学工業株式会社製の「デンカABS(GRGT19)」。
(D)相溶化剤
SEBS1:旭化成ケミカルズ株式会社の水添スチレン系熱可塑性エラストマー「タフテックH1043」。スチレン含量67質量%。
SEBS2:JSR株式会社製のスチレン/エチレン/ブチレン/スチレンブロック共重合体「DYNARON8600P」。スチレン含量15質量%。
(E)ポリフェニレンエーテル(PPE)
PPE(ザイロン1000H):旭化成ケミカルズ株式会社製。荷重たわみ温度(1.8MPa)が156℃、アイゾット衝撃強度が13kJ/m2。
(A)成分のポリプロピレン単独では衝撃強度に優れるが、荷重たわみが低い(比較例1)。(B)成分のマレイミド変性ポリスチレン、(D)成分の相溶化剤、(E)成分のポリフェニレンエーテルを添加すると荷重たわみ温度が90℃以上を示すが、衝撃強度は4kJ/m2以下と低くなる(比較例2〜4)。
そして、(C)エラストマーを添加すると耐衝撃性が向上し、耐熱性と耐衝撃性を両立したポリプロピレン樹脂組成物が得られる。実施例においては、荷重たわみ温度は60℃以上であり、また、衝撃強度は7kJ/m2以上であり、耐熱性と耐衝撃性に優れていることがわかる。特に組成を最適化することで、荷重たわみ温度80℃以上、衝撃強度10kJ/m2以上の樹脂組成物を得ることができる(実施例10〜12)。
本発明により、高温下で荷重負荷がかかる樹脂製品にも使用できる耐熱性と耐衝撃性の特性を両立するポリプロピレン樹脂組成物及びそのポリプロピレン樹脂組成物からなる樹脂成形体、そして、ポリプロピレンの特徴である安価で比重が軽い、成形し易い、耐薬品性に優れているという特性を併せ持ち、なおかつ、耐熱性の高い樹脂組成物及び樹脂成形体を提供できる。
そして、(C)エラストマーを添加すると耐衝撃性が向上し、耐熱性と耐衝撃性を両立したポリプロピレン樹脂組成物が得られる。実施例においては、荷重たわみ温度は60℃以上であり、また、衝撃強度は7kJ/m2以上であり、耐熱性と耐衝撃性に優れていることがわかる。特に組成を最適化することで、荷重たわみ温度80℃以上、衝撃強度10kJ/m2以上の樹脂組成物を得ることができる(実施例10〜12)。
本発明により、高温下で荷重負荷がかかる樹脂製品にも使用できる耐熱性と耐衝撃性の特性を両立するポリプロピレン樹脂組成物及びそのポリプロピレン樹脂組成物からなる樹脂成形体、そして、ポリプロピレンの特徴である安価で比重が軽い、成形し易い、耐薬品性に優れているという特性を併せ持ち、なおかつ、耐熱性の高い樹脂組成物及び樹脂成形体を提供できる。
Claims (8)
- (A)ポリプロピレン、(B)マレイミド変性ポリスチレン、(C)エラストマー、(D)相溶化剤を含むポリプロピレン樹脂組成物。
- ポリプロピレン樹脂組成物105質量部に対し、(A)ポリプロピレンの含有量が40〜80質量部、(B)マレイミド変性ポリスチレンの含有量が5〜30質量部、(C)エラストマーの含有量が10〜30質量部、(D)相溶化剤の含有量が1〜15質量部である請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- (C)エラストマーが、メタクリル酸アルキル−スチレン−ブタジエン共重合体である請求項1又は2に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- 前記(C)エラストマーが、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体である請求項1又は2に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- (E)ポリフェニレンエーテルをポリプロピレン樹脂組成物105質量部に対し、1〜10質量部含む請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物であって、海島構造の相分離構造を形成し、(A)ポリプロピレンが(a)海相を、(B)マレイミド変性ポリスチレンが(b)島相を形成し、(C)エラストマーが島相内に存在するポリプロピレン樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物を成形してなる樹脂成形体。
- 請求項7に記載の樹脂成形体であって、荷重たわみ温度が80℃以上、かつ、衝撃強度が10kJ/m2以上である樹脂成形体。
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