JP2015124236A - 無灰炭の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】無灰炭の製造コスト(無灰炭製造設備のランニングコスト)を低減することができる排熱利用のプロセスを備えた無灰炭の製造方法を提供すること。
【解決手段】抽出工程(例えば抽出槽8)及び/又は無灰炭取得工程(例えばフラッシャー11)において発生した蒸気状態の溶剤が保有する熱エネルギーを、無灰炭を製造する少なくとも1つの工程、例えば、スラリー脱水工程(脱水槽5)での熱源として用いたり(スラリー脱水用加熱器14)、水蒸気の有する熱エネルギーとして排熱回収ボイラ18にて熱回収したりする。
【選択図】図1

Description

本発明は、石炭から灰分を除去した無灰炭を得るための無灰炭の製造方法に関する。
無灰炭の製造方法としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1には、石炭と溶剤とを混合してスラリーを調製し、得られたスラリーを加熱して溶剤に可溶な石炭成分を抽出し、石炭成分が抽出されたスラリーから溶剤に可溶な石炭成分を含む溶液を分離した後、この分離された溶液から溶剤を回収して無灰炭を得る、という無灰炭の製造方法が記載されている。
特許第4045229号公報
無灰炭を製造するプロセスでは、スラリーなどの状態の石炭および溶剤をその多くの工程において加熱する。すなわち、石炭および溶剤に対して熱エネルギーが付与される。この熱エネルギー(加熱用エネルギー)は、例えば、高圧スチーム、低圧スチーム、電気などの形態で、プロセスの系外から導入される。
ここで、熱エネルギーが導入される工程で発生した排熱をそのまま捨ててしまわず、無灰炭を製造する各工程のいずれかで使用すれば、プロセス系外から新規に導入する熱エネルギー(加熱用エネルギー)を削減することができ、その結果、無灰炭の製造コスト(無灰炭製造設備のランニングコスト)を従来よりも低減することができると考えられる。しかしながら、熱エネルギーが導入される工程のうちのどの工程で発生した排熱も無灰炭の製造コストの低減に寄与する程度に有効に活用することができるというものではない。発生する排熱の温度が低すぎたり、発生する排熱の熱量が小さすぎたりする工程では、その工程で発生した排熱を他の工程で使用したとしても、スラリーなどを効果的に加熱することはできない。すなわち、無灰炭の製造コストの低減に寄与する程度に排熱を利用することはできない。このように、単に熱エネルギーが導入される工程で発生した排熱を利用するというだけでは、実施規模の設備において無灰炭の製造コストを低減することはできない。
また、熱エネルギーが導入される工程で発生した排熱の取り出し方法も簡易な方法でなければ、無灰炭の製造コスト低減に寄与しない。排熱の取り出し方法が複雑であれば、その分、複雑な設備となるので設備の導入コストが増大するし、操業の人件費も増大しかねないからである。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、無灰炭の製造コスト(無灰炭製造設備のランニングコスト)を低減することができる排熱利用のプロセスを備えた無灰炭の製造方法を提供することである。
本発明は、石炭と溶剤とを混合してスラリーを調製するスラリー調製工程と、前記スラリー調製工程で得られた前記スラリーを加熱して前記溶剤に可溶な石炭成分を抽出する抽出工程と、前記抽出工程で得られた前記スラリーを、前記溶剤に可溶な石炭成分を含む溶液と、前記溶剤に不溶な石炭成分が濃縮した固形分濃縮液とに分離する分離工程と、前記分離工程で分離された前記溶液から前記溶剤を蒸発分離して無灰炭を得る無灰炭取得工程と、を備える無灰炭の製造方法である。この無灰炭の製造方法において、前記抽出工程及び/又は前記無灰炭取得工程において発生した蒸気状態の前記溶剤が保有する熱エネルギーを、前記無灰炭を製造する少なくとも1つの工程での熱源として用いる及び/又は水蒸気の有する熱エネルギーとして排熱回収ボイラにて熱回収する。
本発明によれば、無灰炭を製造するプロセスで発生する熱エネルギーを効果的に且つ簡易な方法で無灰炭の製造に有効利用することができ、その結果、無灰炭の製造コスト(無灰炭製造設備のランニングコスト)を低減することができる。
本発明の第1実施形態に係る無灰炭の製造方法を説明するための無灰炭製造設備を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る無灰炭の製造方法を説明するための無灰炭製造設備を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る無灰炭の製造方法を説明するための無灰炭製造設備を示すブロック図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、無灰炭製造設備100は、無灰炭(HPC)製造工程の上流側から順に、石炭ホッパ1・溶剤タンク2、スラリー調製槽3、移送ポンプ4、脱水槽5、移送ポンプ6、予熱器7、抽出槽8、第1重力沈降槽9、第2重力沈降槽10、およびフラッシャー(溶剤分離器)11・12を備えている。
また、抽出槽8において発生した熱エネルギーを有効利用するための一連の装置として、無灰炭製造設備100は、高温回収溶剤タンク15、移送ポンプ16、第1熱交換器17、および排熱回収ボイラ18を備えている。
また、フラッシャー11(無灰炭用の溶剤分離器)において発生した熱エネルギーを有効利用するための一連の装置として、無灰炭製造設備100は、第2熱交換器13、およびスラリー脱水用加熱器14を備えている。
さらには、フラッシャー12(副生炭用の溶剤分離器)において発生した熱エネルギーを有効利用するための装置として、無灰炭製造設備100は、排熱回収ボイラ19を備えている。
ここで、無灰炭の製造方法は、スラリー調製工程、スラリー脱水工程、抽出工程、分離工程、無灰炭取得工程、および副生炭取得工程を有する。以下、これらの各工程について説明する。また、これらの各工程を説明しつつ、無灰炭の製造過程で発生する熱エネルギーの有効利用についても説明する。
なお、本製造方法において原料とする石炭に、特に制限はなく、抽出率(溶剤に抽出される石炭の可溶成分の割合)の高い瀝青炭を原料としてもよいし、より安価な劣質炭(亜瀝青炭、褐炭)を原料としてもよい。また、無灰炭とは、灰分が5重量%以下、好ましくは3重量%以下のもののことをいう。
<スラリー調製工程>
スラリー調製工程は、石炭と溶剤とを混合してスラリーを調製する工程である。スラリー調製工程は、図1中、スラリー調製槽3で実施される。原料である石炭が石炭ホッパ1からスラリー調製槽3に投入されるとともに、溶剤タンク2からスラリー調製槽3に溶剤が投入される。スラリー調製槽3に投入された石炭および溶剤は、攪拌機3aで混合されて石炭と溶剤とからなるスラリーとなる。
溶剤に対する石炭の混合比率は、例えば、乾燥炭基準で0.5〜4.0であり、より好ましくは、0.75〜2.0である。
<スラリー脱水工程>
スラリー脱水工程は、スラリー調製工程で得られた(調製された)スラリーを予備加熱することで、当該スラリーを脱水する工程である。スラリー脱水工程は、図1中、脱水槽5で実施される。スラリー調製槽3にて調製されたスラリーは、移送ポンプ4によって脱水槽5に供給される。脱水槽5に供給されたスラリーは、スラリー脱水用加熱器14から送られてきた加熱されたスラリーで加熱されつつ、攪拌機5aで混合される。これにより、スラリーに含まれている水分が蒸発して、スラリー中の水分量が減少する。なお、脱水槽5内のスラリーは、脱水槽5の底から移送ポンプ6で引き抜かれた後、スラリー脱水用加熱器14を経由して脱水槽5の上部から脱水槽5内に戻される。
スラリー脱水用加熱器14内でスラリーは、フラッシャー11で発生し、配管21経由で送られてきた蒸気状態の溶剤が保有する熱エネルギーで加熱される。そのため、プロセスの系外から新規に導入するスラリー脱水用の熱エネルギーを削減することができる。
スラリー脱水工程でのスラリーの脱水温度は、水の沸点以上、溶剤の沸点未満の温度であって、例えば、100〜150℃である。
なお、スラリー脱水工程は、原料である石炭に含まれている水分量が少ない場合は、省略してもよい。スラリー脱水工程を省略した場合、スラリー調製工程で調製されたスラリーは、次の抽出工程へ直接送られる(例えば、脱水槽5を設けていない図2を参照)。
<抽出工程>
抽出工程は、スラリー脱水工程で脱水されたスラリーを加熱して溶剤に可溶な石炭成分を抽出する(溶剤に溶解させる)工程である。抽出工程は、図1中、予熱器7および抽出槽8で実施される。脱水槽5にて脱水されたスラリーは、移送ポンプ6によって、予熱器7に供給されて所定温度まで加熱された後、抽出槽8に供給され、攪拌機8aで攪拌されながら所定温度で保持されて抽出が行われる。
ここで、本実施形態では、脱水槽5にて脱水されたスラリーは、移送ポンプ6によって、第2熱交換器13を経由してから予熱器7に供給される。第2熱交換器13内でスラリーは、フラッシャー11で発生し、配管21経由で送られてきた蒸気状態の溶剤が保有する熱エネルギーで加熱される。そのため、予熱器7の熱容量を従来よりも小さなものとすることができる。換言すれば、プロセス系外から新規に導入する熱エネルギー(加熱用エネルギー)を削減することができる。
一方、抽出槽8内で発生した蒸気状態の溶剤は、抽出槽8の頂部より抜き出され、配管22中を流れて、第1熱交換器17、排熱回収ボイラ18の順でこれら各機器に供給される。第1熱交換器17での熱エネルギーの有効利用については後述することとする。抽出槽8内で発生し、第1熱交換器17を通った後に残る、溶剤が保有する熱エネルギーは、水蒸気の有する熱エネルギーとして排熱回収ボイラ18にて熱回収される。
排熱回収ボイラ18にて発生した水蒸気(回収された熱エネルギー)は、無灰炭を製造する各工程でスチームとして利用することができる。そのため、プロセスの系外から新規に導入するスチームの量を削減することができる。なお、排熱回収ボイラ18を出た溶剤は、スラリー調製槽3(スラリー調製工程)に戻されることで循環使用される。この溶剤の循環使用は、排熱回収ボイラ19においても同様である。
溶剤について触れておく。石炭と溶剤とを混合して得られるスラリーを加熱して溶剤に可溶な石炭成分を抽出するにあたっては、石炭に対して大きな溶解力を持つ溶媒、多くの場合、芳香族溶剤(水素供与性あるいは非水素供与性の溶剤)と、石炭とを混合して、それを加熱し、石炭中の有機成分を抽出することになる。
非水素供与性溶剤は、主に石炭の乾留生成物から精製した、2環芳香族を主とする溶剤である石炭誘導体である。非水素供与性溶剤の主な成分としては、2環芳香族であるナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、トリメチルナフタレン等が挙げられ、その他の非水素供与性溶剤の成分として、脂肪族側鎖を有するナフタレン類、アントラセン類、フルオレン類、また、これらにビフェニルや長鎖脂肪族側鎖を有するアルキルベンゼンが含まれる。なお、テトラリンを代表とする水素供与性の化合物(石炭液化油を含む)を溶剤として用いてもよい。
また、溶剤の沸点は特に制限されるものではない。抽出工程および分離工程での圧力低減、抽出工程での抽出率などの観点から、例えば、180〜300℃、特に240〜280℃の沸点の溶剤が好ましく使用される。
抽出工程でのスラリーの加熱温度は、溶剤可溶成分が溶解され得る限り特に制限されず、溶剤可溶成分の十分な溶解と抽出率の向上の観点から、例えば、300〜420℃であり、より好ましくは、360〜400℃である。
なお、抽出工程は、窒素などの不活性ガスの存在下で行う。抽出槽8内の圧力は、抽出の際の温度や用いる溶剤の蒸気圧にもよるが、1.0〜2.0MPaが好ましい。抽出槽8内の圧力が溶剤の蒸気圧より低い場合には、溶剤が揮発して液相に閉じ込められず、抽出できない。溶剤を液相に閉じ込めるには、溶剤の蒸気圧より高い圧力が必要となる。
<分離工程>
分離工程は、抽出工程で得られたスラリーを、例えば重力沈降法により、溶剤に可溶な石炭成分を含む溶液と、溶剤に不溶な石炭成分が濃縮した固形分濃縮液(溶剤不溶成分濃縮液)とに分離する工程である。この分離工程は、図1中、第1重力沈降槽9、第2重力沈降槽10で実施される。抽出工程で得られたスラリーは、第1重力沈降槽9内、および第2重力沈降槽10内で、重力にて、溶液としての上澄み液と、固形分濃縮液とに分離される。重力沈降槽9,10の上部の上澄み液は、それぞれ、フラッシャー11へ送られる。第2重力沈降槽10の下部に沈降した固形分濃縮液はフラッシャー12へ送られる。なお、本実施形態では、重力沈降槽を2段(複数段)としているが、図2に示すように1段としてもよい。また、上澄み液と固形分濃縮液は、完全に分離するのが理想的であるが、上済み液の一部に固形分が混入したり、固形分の一部に上澄み液が混入する場合もある。
なお、重力沈降法は、スラリーを槽内に保持することにより、重力を利用して溶剤不溶成分を沈降・分離させる方法である。抽出工程で得られたスラリーから、溶剤に溶解している石炭成分を含む溶液を分離する方法として、重力沈降法以外に、濾過法、遠心分離法などがある。
重力沈降槽9,10内は、石炭から溶出した溶剤可溶成分の再析出を防止するため、保温または加熱したり、加圧したりしておくことが好ましい。加熱温度は、例えば、300〜380℃であり、槽内圧力は、例えば、1.0〜3.0MPaとされる。
ここで、本実施形態では、抽出槽8で発生した蒸気状態の溶剤が保有する熱エネルギーを用いて、第2重力沈降槽10内を保温(加熱)している。高温回収溶剤タンク15に溜まった溶剤は、移送ポンプ16によって、第1熱交換器17内を流れた後、第2重力沈降槽10に供給される。第1熱交換器17内で溶剤は、抽出槽8で発生し、配管22経由で送られてきた蒸気状態の溶剤が保有する熱エネルギーで加熱される。加熱された溶剤が第2重力沈降槽10に供給されることで、第2重力沈降槽10内は保温(加熱)される。この構成によると、第2重力沈降槽10内を保温(加熱)するために、プロセスの系外から新規に導入する熱エネルギーを削減することができる。
<無灰炭取得工程>
無灰炭取得工程は、上記した分離工程で分離された溶液(上澄み液)から溶剤を蒸発分
離して無灰炭を得る工程である。この無灰炭取得工程は、図1中、フラッシャー11で実施される。重力沈降槽9,10で分離された溶液は、フラッシャー11に供給され、フラッシャー11内で上澄み液から溶剤が蒸発分離される。
フラッシャー11の槽内圧力は、例えば、0.1MPa(常圧)とされる。そのため、重力沈降槽9,10で分離された溶液は、フラッシャー11内に噴き出し、溶液中の溶剤は、溶液中から蒸発分離する(フラッシュ蒸留法)。これにより、実質的に灰分を含まない(例えば、灰分が3重量%以下の)無灰炭が得られる。
なお、溶液(上澄み液)から溶剤を分離する方法はフラッシュ蒸留法に限られることはない。その他の分離方法としては、例えば、薄膜蒸留法を挙げることができる。薄膜蒸留法とは、スクレーパ(ワイパーともいう)を収容した槽(薄膜蒸留槽)の中に蒸留対象(本発明では分離工程で分離された溶液)を導入し、スクレーパにて槽の内壁に蒸留対象の薄膜を形成させ連続蒸留を行うという蒸留法である。槽の内壁は外部から加熱される。槽(薄膜蒸留槽)内の圧力は、例えば、0.1MPa(常圧)とされる。
一方、溶液中から分離された蒸気状態の溶剤は、フラッシャー11の頂部より抜き出され、配管21中を流れて、第2熱交換器13、スラリー脱水用加熱器14の順でこれら各機器に供給される。スラリー脱水用加熱器14を出た溶剤は、高温回収溶剤タンク15に入る。
<副生炭取得工程>
副生炭取得工程は、前記した分離工程で分離された固形分濃縮液から溶剤を蒸発分離して副生炭を得る工程である。この副生炭取得工程は、図1中、フラッシャー12で実施される。第2重力沈降槽10で分離された固形分濃縮液はフラッシャー12に供給され、フラッシャー12内で固形分濃縮液から溶剤が蒸発分離される(フラッシュ蒸留)。なお、副生炭取得工程は、必須の工程ではない。
フラッシャー12の槽内圧力は、無灰炭用のフラッシャー11と同様、例えば、0.1MPa(常圧)とされる。なお、固形分濃縮液から溶剤を分離する方法はフラッシュ蒸留法に限られることはない。溶剤の分離により、固形分濃縮液からは灰分などを含む溶剤不溶成分が濃縮された副生炭(RC、残渣炭ともいう)を得ることができる。
ここで、本実施形態では、フラッシャー12で発生した蒸気状態の溶剤が保有する熱エネルギーを、水蒸気の有する熱エネルギーとして排熱回収ボイラ19にて熱回収している。固形分濃縮液中から分離された蒸気状態の溶剤は、フラッシャー12の頂部より抜き出され、排熱回収ボイラ19に供給される。排熱回収ボイラ19にて発生した水蒸気(回収された熱エネルギー)は、無灰炭を製造する各工程でスチームとして利用することができる。そのため、プロセスの系外から新規に導入するスチームの量を削減することができる。
<無灰炭製造プロセスで発生する熱エネルギー>
無灰炭製造プロセスで発生する有効利用可能な熱エネルギーの例をまとめて表1に示す。表1からわかるように、抽出工程(抽出槽8)で発生する熱エネルギーの温度は最大で400℃と高い温度である。また、無灰炭取得工程(フラッシャー11の場合)で発生する熱エネルギーの温度は最大で270℃程度と、抽出工程(抽出槽8)で発生する熱エネルギーの温度よりも低いが、その熱量は、1.08 MMkcal/ton-石炭処理量と大きい。「/ton-石炭処理量」とは、1tonの石炭を処理した場合の、という意味である。なお、表1において、無灰炭取得工程で発生機器がフラッシャーというのは、図1で例示したように、無灰炭取得工程でフラッシャー11(フラッシュ蒸留法)を用いた場合のことをいう。無灰炭取得工程で発生機器が薄膜蒸留槽というのは、無灰炭取得工程で薄膜蒸留槽(薄膜蒸留法)を用いた場合のことをいう(表2においても同様)。
Figure 2015124236
<熱エネルギーの利用先>
無灰炭製造プロセスで発生する表1で示した熱エネルギーの利用先の例を表2に示す。
Figure 2015124236
表1に示したように、抽出工程(抽出槽8)で発生する熱エネルギーの温度は最大で400℃と高い温度であるため、表2に示すように、当該抽出工程(抽出槽8)で発生する熱エネルギーは、スラリー脱水工程、抽出工程、分離工程、スチーム回収工程といった様々な工程における加熱源として適用することができる。
一方、無灰炭取得工程のフラッシャーで発生する熱エネルギーの温度は最大で270℃程度と、抽出工程(抽出槽8)で発生する熱エネルギーの温度よりも低い。このため、無灰炭取得工程のフラッシャーで発生する熱エネルギーは、300℃以上に被加熱物を加熱するのには適していないが、その熱量は、1.08 MMkcal/ton-石炭処理量と大きいため、複数の機器にまたがって加熱することに適している。
これに対して、無灰炭取得工程で薄膜蒸留槽(薄膜蒸留法)を用いた場合、そこから発生する熱エネルギーの温度は最大で300℃であり、無灰炭取得工程でフラッシャー(フラッシュ蒸留法)を用いた場合よりも高い。しかしながら、薄膜蒸留槽から発生する熱エネルギーの熱量は、0.024 MMkcal/ton-石炭処理量程度とそれほど大きくないため、スラリー脱水工程や抽出工程においてスラリーを加熱する加熱源として利用することもできるが、スチーム回収用の加熱源として利用することのほうが適している。
副生炭取得工程のフラッシャーで発生する熱エネルギーの熱量は、0.144 MMkcal/ton-石炭処理量であり、薄膜蒸留槽から発生する熱エネルギーの熱量よりも大きい。そのため、副生炭取得工程のフラッシャーで発生する熱エネルギーは、スチーム回収用の加熱源として利用することに適しているだけでなく、スラリー脱水工程や抽出工程においてスラリーを加熱する加熱源として利用することにも適している。
<プロセス系外から新規に導入する熱エネルギーの具体的な削減量>
図1に例示した無灰炭製造設備100では、スラリー脱水用加熱器14において4.9×10kcal/ton-石炭処理量、第1熱交換器17において3.7×10kcal/ton-石炭処理量、第2熱交換器13において13.6×10kcal/ton-石炭処理量、の熱量を、無灰炭製造のプロセス(機器)から発生する熱エネルギーで賄うことができる。また、3.4×10kcal/ton-石炭処理量の熱量を排熱回収ボイラ19で回収し、スチームを製造することができる。
<作用・効果>
本発明では、無灰炭を製造する各工程のうちの、抽出工程及び無灰炭取得工程のうちの少なくともいずれかの工程において発生した蒸気状態の溶剤が保有する熱エネルギーを、無灰炭を製造する少なくとも1つの工程での熱源として用いる、及び水蒸気の有する熱エネルギーとして排熱回収ボイラにて熱回収する、のうちのいずれかを行うことで活用する。
例えば、図1に示した無灰炭製造設備100において、スラリー脱水工程(脱水槽5)、および分離工程(重力沈降槽9,10)においても熱は発生する。しかしながら、これらの工程で発生する熱の温度は低く、その熱量は小さい。これに比較して、抽出工程(抽出槽8)、無灰炭取得工程(例えばフラッシャー11)、および副生炭取得工程(例えばフラッシャー12)で発生する熱の温度は高い。熱の温度が顕著に高くなくても(なお、スラリー脱水工程、および分離工程において発生する熱の温度よりは高い)、その熱量は大きい。そのため、これらの工程で発生する熱エネルギーを、無灰炭を製造する少なくとも1つの工程での熱源として用いる及び/又は水蒸気の有する熱エネルギーとして排熱回収ボイラにて熱回収することで、当該熱エネルギーを、無灰炭の製造において効果的に有効利用することができる。
また、本発明では、発生する熱エネルギーを、蒸気状態の溶剤が保有する熱エネルギーとして取り扱う。蒸気状態の溶剤は、機器間同士を配管で接続することで難なく送ることができる。すなわち、蒸気状態の溶剤は、その取り扱いが容易である。
以上より、本発明によれば、無灰炭を製造するプロセスで発生する熱エネルギーを効果的に且つ簡易な方法で無灰炭の製造に有効利用することができ、その結果、無灰炭の製造コスト(無灰炭製造設備のランニングコスト)を低減することができる。
ここで、本実施形態では、抽出工程(抽出槽8)において発生した蒸気状態の溶剤が保有する熱エネルギーを、分離工程(第2重力沈降槽10)における溶剤加熱用の熱源として用いている。抽出工程(抽出槽8)で発生する熱エネルギーの温度は最大で400℃と高い温度であるため、当該熱エネルギーにより重力沈降槽を有効に保温(加熱)することができる。
また、本実施形態では、抽出工程(抽出槽8)において発生した蒸気状態の溶剤が保有する熱エネルギーを、分離工程(第2重力沈降槽10)における溶剤加熱用の熱源として用いた後、残る熱エネルギーを、水蒸気の有する熱エネルギーとして排熱回収ボイラ18にて熱回収している。この構成によると、残る熱エネルギーを排熱回収ボイラ18にて回収することで、無駄に捨てる排熱を極力少なくすることができる。
なお、抽出工程(抽出槽8)において発生した蒸気状態の溶剤を、直接、排熱回収ボイラ18に供給することで、当該蒸気状態の溶剤が保有する熱エネルギーのほとんど全てを、水蒸気の有する熱エネルギーとして排熱回収ボイラ18にて熱回収することも好ましい。排熱回収ボイラ18にて発生した水蒸気(回収された熱エネルギー)は、無灰炭を製造する各工程で低圧スチームとして利用することができる。そのため、プロセスの系外から新規に導入する低圧スチームの量を削減することができる。
また、本実施形態では、無灰炭取得工程(例えばフラッシャー11)において発生した蒸気状態の溶剤が保有する熱エネルギーを、抽出工程(抽出槽8)におけるスラリー加熱用の熱源として用いている(第2熱交換器13)。無灰炭取得工程(例えばフラッシャー11)で発生する熱エネルギーをスラリー加熱用のエネルギーとして利用することで、予熱器7でのスラリーの加熱量を削減することができる。その結果、プロセス系外から新規に導入する熱エネルギー(加熱用エネルギー)を削減することができる。
また、本実施形態では、無灰炭取得工程(例えばフラッシャー11)において発生した蒸気状態の溶剤が保有する熱エネルギーを、抽出工程(抽出槽8)におけるスラリー加熱用の熱源として用いた後、残る熱エネルギーを、スラリー脱水工程(脱水槽5)におけるスラリー脱水用の熱源として用いている(スラリー脱水用加熱器14)。表1に示したように、無灰炭取得工程(フラッシャー11)で発生する熱エネルギーの熱量は、例えば1.08 MMkcal/ton-石炭処理量と大きいため、当該熱エネルギーで、複数の機器にまたがってスラリーを加熱することができる。
また、本実施形態では、副生炭取得工程(フラッシャー12)において発生した蒸気状態の溶剤が保有する熱エネルギーを、水蒸気の有する熱エネルギーとして排熱回収ボイラ19にて熱回収している。抽出工程(抽出槽8)において発生した蒸気状態の溶剤が保有する熱エネルギーを、蒸気の有する熱エネルギーとして排熱回収ボイラ18にて熱回収する場合と同様、この構成によると、排熱回収ボイラ19にて発生した水蒸気(回収された熱エネルギー)を、無灰炭を製造する各工程でスチームとして利用することができるので、プロセスの系外から新規に導入するスチームの量を削減することができる。
(第2実施形態)
図2に示す無灰炭製造設備101について説明する。なお、この無灰炭製造設備101を構成する機器に関し、図1に示した無灰炭製造設備100を構成する機器と同じ機器については同じ符号を付している。
本実施形態では、無灰炭取得工程(例えばフラッシャー11)において発生した蒸気状態の溶剤が保有する熱エネルギーではなく、抽出工程(抽出槽8)において発生した蒸気状態の溶剤が保有する熱エネルギーを、抽出工程(抽出槽8)におけるスラリー加熱用の熱源として用いている。構造的には、抽出工程(抽出槽8)において発生した蒸気状態の溶剤を、配管22を経由させて第2熱交換器13に送り、ここで、予熱器7に入る前のスラリーを加熱している。
この構成によると、抽出工程(抽出槽8)で発生する熱エネルギーを、その抽出工程(抽出槽8)におけるスラリー加熱用のエネルギーとして利用することで、予熱器7でのスラリーの加熱量を削減することができる。その結果、プロセス系外から新規に導入する熱エネルギー(加熱用エネルギー)を削減することができる。
なお、本実施形態では、残る熱エネルギーを、水蒸気の有する熱エネルギーとして排熱回収ボイラ18にて熱回収している。
また、本実施形態では、無灰炭取得工程(例えばフラッシャー11)において発生した蒸気状態の溶剤が保有する熱エネルギーを、水蒸気の有する熱エネルギーとして排熱回収ボイラ19にて熱回収している。構造的には、無灰炭取得工程(例えばフラッシャー11)において発生した蒸気状態の溶剤を、配管21を経由させて排熱回収ボイラ19に送り、ここで、水蒸気を発生させている。
この構成によると、排熱回収ボイラ19にて発生した水蒸気(回収された熱エネルギー)を、無灰炭を製造する各工程で低圧スチームとして利用することができるので、プロセスの系外から新規に導入する低圧スチームの量を削減することができる。
(第3実施形態)
図3に示す無灰炭製造設備102について説明する。なお、この無灰炭製造設備102を構成する機器に関し、図1に示した無灰炭製造設備100を構成する機器と同じ機器については同じ符号を付している。
本実施形態では、抽出工程(抽出槽8)において発生した蒸気状態の溶剤が保有する熱エネルギーを、第3熱交換器20においてホットオイル(熱媒体油)の加熱に用いている。構造的には、抽出工程(抽出槽8)において発生した蒸気状態の溶剤を、配管22を経由させて第3熱交換器20に送り、ここで、ホットオイル(熱媒体油)を加熱している。
無灰炭を製造する工程の中で、石炭と溶剤とのスラリーを例えば250℃以上の高温状態にする必要がある。ホットオイル(熱媒体油)は、石炭と溶剤とのスラリーを加熱する加熱媒体の一つである。例えば、無灰炭取得工程において薄膜蒸留法を用いた場合、薄膜蒸留槽の加熱にホットオイル(熱媒体油)を用いる。ホットオイル(熱媒体油)は、第3熱交換器20において、例えば280〜350℃に加熱される。従来、ホットオイル(熱媒体油)は、電気ヒーターにより加熱されていた。
上記した構成によると、抽出工程(抽出槽8)において発生した蒸気状態の溶剤が保有する熱エネルギーを、無灰炭を製造する少なくとも1つの工程(例えば、無灰炭取得工程)での加熱源として用いるホットオイル(熱媒体油)の加熱に用いることで、電気ヒーターを導入する必要がなくなる。電気ヒーターの導入がゼロにならなくても、その導入量は従来よりも確実に低減される。そのため、電気ヒーターに係る設備導入コスト、およびランニングコストを低減することができる。
また、本実施形態では、抽出工程(抽出槽8)において発生した蒸気状態の溶剤が保有する熱エネルギーのうち、ホットオイル(熱媒体油)の加熱に用いた後の残る熱エネルギーを、第1熱交換器17において、分離工程(第2重力沈降槽10)における溶剤加熱用の熱源として用いている。この構成によると、第2重力沈降槽10を有効に保温(加熱)することができ、その結果、プロセス系外から新規に導入する熱エネルギー(加熱用エネルギー)を削減することができる。
本実施形態では、さらにその後、残る熱エネルギーを、水蒸気の有する熱エネルギーとして排熱回収ボイラ18にて熱回収している。この構成によると、無駄に捨てる排熱を極力少なくすることができる。
<プロセス系外から新規に導入する熱エネルギーの具体的な削減量>
ここで、図3に例示した無灰炭製造設備102では、第3熱交換器20において、ホットオイル(熱媒体油)を300℃から320℃に加熱(1.25×10kcal/ton-石炭処理量)した後、第1熱交換器17において、溶剤を240℃から280℃に加熱(2.37×10kcal/ton-石炭処理量)している。すなわち、第3熱交換器20において1.25×10kcal/ton-石炭処理量、第1熱交換器17において2.37×10kcal/ton-石炭処理量、の熱量を、無灰炭製造のプロセス(機器)から発生する熱エネルギーで賄うことができる。また、0.96×10kcal/ton-石炭処理量の熱量を排熱回収ボイラ18で回収し、スチームを製造することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することが可能なものである。
1:石炭ホッパ
2:溶剤タンク
3:スラリー調製槽
4、6、16:移送ポンプ
5:脱水槽
7:予熱器
8:抽出槽
9:第1重力沈降槽
10:第2重力沈降槽
11、12:フラッシャー(溶剤分離器)
13、17:熱交換器
14:スラリー脱水用加熱器
18、19:排熱回収ボイラ
100:無灰炭製造設備

Claims (12)

  1. 石炭と溶剤とを混合してスラリーを調製するスラリー調製工程と、
    前記スラリー調製工程で得られた前記スラリーを加熱して前記溶剤に可溶な石炭成分を抽出する抽出工程と、
    前記抽出工程で得られた前記スラリーを、前記溶剤に可溶な石炭成分を含む溶液と、前記溶剤に不溶な石炭成分が濃縮した固形分濃縮液とに分離する分離工程と、
    前記分離工程で分離された前記溶液から前記溶剤を蒸発分離して無灰炭を得る無灰炭取得工程と、
    を備える、無灰炭の製造方法において、
    前記抽出工程及び/又は前記無灰炭取得工程において発生した蒸気状態の前記溶剤が保有する熱エネルギーを、前記無灰炭を製造する少なくとも1つの工程での熱源として用いる及び/又は水蒸気の有する熱エネルギーとして排熱回収ボイラにて熱回収することを特徴とする、無灰炭の製造方法。
  2. 請求項1に記載の無灰炭の製造方法において、
    前記抽出工程において発生した蒸気状態の前記溶剤が保有する熱エネルギーを、前記分離工程における溶剤加熱用の熱源として用いることを特徴とする、無灰炭の製造方法。
  3. 請求項2に記載の無灰炭の製造方法において、
    前記抽出工程において発生した蒸気状態の前記溶剤が保有する熱エネルギーを、前記分離工程における溶剤加熱用の熱源として用いた後、残る熱エネルギーを、水蒸気の有する熱エネルギーとして排熱回収ボイラにて熱回収することを特徴とする、無灰炭の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の無灰炭の製造方法において、
    前記抽出工程において発生した蒸気状態の前記溶剤が保有する熱エネルギーを、前記抽出工程におけるスラリー加熱用の熱源として用いることを特徴とする、無灰炭の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の無灰炭の製造方法において、
    前記無灰炭取得工程において発生した蒸気状態の前記溶剤が保有する熱エネルギーを、前記抽出工程におけるスラリー加熱用の熱源として用いることを特徴とする、無灰炭の製造方法。
  6. 請求項5に記載の無灰炭の製造方法において、
    前記スラリー調製工程で得られた前記スラリーを予備加熱して脱水するスラリー脱水工程を、前記スラリー調製工程と前記抽出工程との間に有し、
    前記無灰炭取得工程において発生した蒸気状態の前記溶剤が保有する熱エネルギーを、前記抽出工程におけるスラリー加熱用の熱源として用いた後、残る熱エネルギーを、前記スラリー脱水工程におけるスラリー脱水用の熱源として用いることを特徴とする、無灰炭の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の無灰炭の製造方法において、
    前記抽出工程において発生した蒸気状態の前記溶剤が保有する熱エネルギーを、水蒸気の有する熱エネルギーとして排熱回収ボイラにて熱回収することを特徴とする、無灰炭の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の無灰炭の製造方法において、
    前記無灰炭取得工程において発生した蒸気状態の前記溶剤が保有する熱エネルギーを、水蒸気の有する熱エネルギーとして排熱回収ボイラにて熱回収することを特徴とする、無灰炭の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の無灰炭の製造方法において、
    前記分離工程で分離された前記固形分濃縮液から前記溶剤を蒸発分離して副生炭を得る副生炭取得工程をさらに有し、
    前記副生炭取得工程において発生した蒸気状態の前記溶剤が保有する熱エネルギーを、水蒸気の有する熱エネルギーとして排熱回収ボイラにて熱回収することを特徴とする、無灰炭の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の無灰炭の製造方法において、
    前記抽出工程において発生した蒸気状態の前記溶剤が保有する熱エネルギーを、無灰炭を製造する少なくとも1つの工程での加熱源として用いる熱媒体油の加熱に用いることを特徴とする、無灰炭の製造方法。
  11. 請求項10に記載の無灰炭の製造方法において、
    前記抽出工程において発生した蒸気状態の前記溶剤が保有する熱エネルギーを、前記熱媒体油の加熱に用いた後、残る熱エネルギーを、前記分離工程における溶剤加熱用の熱源として用いることを特徴とする、無灰炭の製造方法。
  12. 請求項11に記載の無灰炭の製造方法において、
    前記抽出工程において発生した蒸気状態の前記溶剤が保有する熱エネルギーを、前記熱媒体油の加熱に用いた後、残る熱エネルギーを、前記分離工程における溶剤加熱用の熱源として用い、さらにその後、水蒸気の有する熱エネルギーとして排熱回収ボイラにて熱回収することを特徴とする、無灰炭の製造方法。
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