JP2015123464A - ダイクッション力制御方法及びダイクッション装置 - Google Patents

ダイクッション力制御方法及びダイクッション装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ダイクッション待機位置を上方に変更することなく、ダイクッション力の応答遅れを改善することができるダイクッション力制御方法及びダイクッション装置を提供する。【解決手段】予め設定されたダイクッション力指令Bに基づいてサーボモータを駆動し、クッションパッドにダイクッション力を発生させるダイクッション力制御方法であって、前記クッションパッドを、ダイクッション力作用開始予定位置である所定のダイクッション待機位置に待機させる工程と、プレス機械のスライドが、前記ダイクッション待機位置に到達する前に、ダイクッション力指令Bを出力し、前記クッションパッドを予備加圧する予備加圧工程と、を含むことを特徴とする。【選択図】 図3

Description

本発明はダイクッション力制御方法及びダイクッション装置に係り、特にダイクッション力の応答遅れがなく所定のダイクッション力を発生させる技術に関する。
従来、予め設定されたダイクッション力指令に基づいてサーボモータを駆動し、クッションパッドにダイクッション力を発生させるサーボダイクッション装置が提案されている(特許文献1、2)。
サーボダイクッション装置は、図7に示すようにダイクッション力作用開始(プレス・スライドが上金型、材料、ブランクホルダ、クッションピンを介してクッションパッドと衝突する)時に、材料、ブランクホルダ、クッションピン、クッションパッドを含む、ダイクッション関連の可動質量に作用する重力に釣り合う分の、荷重Aが作用している状態(位置制御状態)から、所定のダイクッション力B(B:荷重Aに対して比較上、数倍から数10倍と大きな力)まで増力(昇力)する為に、0.03秒〜0.1秒程度のダイクッション力応答時間a(増力作用に伴う遅れ時間)を要する。
また、ダイクッション力作用開始時には、プレス・スライドの衝突による衝撃(力)が発生し、ダイクッション力が、ダイクッション力指令(設定力)よりも大きくなったり(オーバーシュートしたり)、小さくなったり(アンダーシュートしたり)するという問題が発生していた。
このプレス・スライドの衝突による衝撃(力)を低減させる為に、クッションパッドを予備加速することが一般的に行われている(特許文献3等)。
ここで、図8に示すように予備加速時間をbとすると、予備加速時間bとダイクッション力応答時間aとの合計時間(a+b)に応じて、ダイクッション力作用完了(プレス・スライド)位置は、ダイクッション待機位置(プレス・スライド)位置に対して、スライドの移動速度×時間(a+b)分だけ下降した下方になる。
ダイクッション力応答距離X、または、ダイクッション予備加速距離Yとダイクッション力応答距離Xの和によって、絞り成形時には、絞り成形開始時(成形初期)に、ブランク(材料)の縁を押圧する力が足りず、材料の縁から、半径方向に、皺(絞り皺)が発生し、皺が生じた状態で絞り込まれる(成形が進展する)為、製品形状を阻害するのみならず、皺の凹凸により、金型(上下)の成形面に損傷(“かじり”)を生じさせる。
張出成形時には、やはり、張出成形開始時(成形初期)に、ブランク(材料)の縁を押圧する力が足りず、張出した製品部分に、“張り”が欠如する。張出成形で形状化される、自動車のボンネットの外板で例えると、指で軽く押しただけで、“ベコッ”と変形する不良品が生じてしまう。このように張出成形において、成形開始初期の押圧力は特に重要であり、一般的に考えると、ダイクッション力応答距離Xやダイクッション予備加速距離Yを伴う、サーボダイクッションでは、張出成形を担うことが、少なくとも、従来の(成形開始時に、ブランクホルダ上面高さと、凸金型上面高さとが一致する)金型構造では、困難と考えられている。
つまり、この区間(ダイクッション予備加速距離Y+ダイクッション力応答距離X)は、ダイクッション力作用が絞り成形上不十分であったり、張り出し成形上不可能であったりする。
図7に示すように予備加速を行わない場合は、図8に示すように予備加速を行った場合に対して、ダイクッション力作用は早いが、応答時間aに依存するダイクッション力応答距離Xが発生し、少なくとも張り出し成形機能上不十分な応答性であって、更に衝突に伴うダイクッション力のオーバーシュートやアンダーシュート等、衝撃力が発生し、問題になる。
一方で、エア(常圧)式ダイクッション装置の場合は、ダイクッション力作用開始位置において、クッションパッドは、既に上側機械限(ストッパ)に加力した状態で待機しており、ダイクッション力作用は完了している。エア式ダイクッション装置は、サーボダイクッション装置を使用した場合のようなダイクッション力作用に伴う応答遅れは無く、絞り成形や張り出し成形を可能にしている。しかし、別の観点では(例えば、スライドストロークに比例して増圧(増力)すること等)問題が有り、サーボダイクッション装置が誕生したことは言うまでも無い。
特開2006−315074号公報 特開2012−240110号公報 特開2007−301599号公報
サーボダイクッション装置における問題は、ダイクッション力応答距離Xが発生することと、さらに衝撃力を抑制する目的の予備加速を行う為に、予備加速距離Y分増長される(ダイクッション予備加速距離Y+ダイクッション力応答距離X)ことに起因する。
このサーボダイクッション装置の問題を解消するために、図9に示すようにブランクホルダ(ダイクッション待機位置)を、予めダイクッション力応答距離Xとダイクッション予備加速距離Yとの合計距離(X+Y)に相当する距離(又はダイクッション力応答距離X)分だけ、ダイクッション力作用必要位置よりも上方に位置させることによって、成形上の対処を行う方法がある。
しかし、この方法は、使用される金型の構造上(ガイドストロークの制約上)、適用できない場合が多々ある。また、ダイクッション力を余計にストロークさせることに伴うエネルギの無駄が生じる。更に、ダイクッション力を作用させる工程では、プレス・スライド速度の制約を受けることが多い為、サイクル数(生産性)が低下し易いという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ダイクッション待機位置を上方に変更することなく、ダイクッション力の応答遅れを改善することができるダイクッション力制御方法及びダイクッション装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の一の態様に係る発明は、予め設定されたダイクッション力指令に基づいてサーボモータを駆動し、クッションパッドにダイクッション力を発生させるダイクッション力制御方法であって、前記クッションパッドを、ダイクッション力作用開始予定位置である所定のダイクッション待機位置に待機させる工程と、プレス機械のスライドが、前記ダイクッション待機位置に到達する前に、前記ダイクッション力指令を出力し、前記クッションパッドを予備加圧する予備加圧工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の一の態様によれば、クッションパッドを所定のダイクッション待機位置(所定のダイクッション力を作用させるダイクッション力作用開始予定位置)に待機させておき、プレス機械のスライドがダイクッション待機位置に到達する前に、ダイクッション力指令を出力する。これにより、クッションパッドは、ダイクッション力を加える方向(上方)に予備加圧される。即ち、予備加速を行って衝撃力を抑制するのでは無く、ダイクッション待機位置(直)前に上方に対して(予備加速する方向と反対方向に)予備加圧し、衝突する前にダイクッション力制御を開始させるようにしている。これにより、ダイクッション力作用を早め、ダイクッション力の応答遅れを改善することができる。
本発明の他の態様に係るダイクッション力制御方法において、前記予備加圧工程は、プレス機械のスライドが、前記ダイクッション待機位置よりも上方の、0.1mm以上60mm以下の範囲内の予備加圧開始位置に達すると、前記ダイクッション力指令を出力することが好ましい。
ダイクッション待機位置よりも上方の0.1mm以上の予備加圧開始位置に達したときにダイクッション力指令を出力することにより、ダイクッション待機位置に達したときにダイクッション力指令を出力する場合に比べて、ダイクッション力作用を早めることができる。また、上限を60mmとした理由は、ダイクッション力の応答時間は、機械の能力や使用する金型や成形する材料等の条件にもよるが、概ね0.03秒〜0.1秒である。本プレス機械の平均的なダイクッション力の応答時間を(0.03秒+0.1秒)/2=0.065秒とし、この応答時間分、ダイクッション待機位置での衝突より先行してダイクッション力制御を開始するタイミングをスライド位置で判断する場合、ダイクッション力制御開始時のスライド位置は、応答時間(0.065秒)と衝突時近傍のスライド速度(mm/秒)とを乗じた値になる。スライド速度は、速い場合で、800mm/秒程度となることが考えられ、その時、ダイクッション力制御開始時のスライド位置は、0.065秒×800mm/秒=52mmになり、それに対して余裕を見て60mmにしている。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション力制御方法において、前記予備加圧工程は、プレス機械のスライドが、前記ダイクッション待機位置に到達する時刻よりも前の予備加圧開始時刻であって、0.001秒以上0.1秒以下の範囲内の予備加圧開始時刻に達すると、前記ダイクッション力指令を出力することが好ましい。
0.1秒は、ダイクッション力応答時間の上限(最も遅い場合の応答時間(秒))を示し、0.001秒は、0では無い本発明が有効になる最小の、デジタル制御を構成する為の制御サンプリング時間(0.001秒)×1サンプル分の時間を意味する。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション力制御方法において、前記プレス機械のスライドにセットされる上金型と前記クッションパッドにクッションピンを介して支持されるブランクホルダとに設けられたロックビード成形部により、前記ブランクホルダ上にセットされる材料に少なくともロックビードを成形するプレス加工に使用されることが好ましい。
材料にロックビードを成形する場合、ロックビードの成形の際にダンパ効果が発生し、ダイクッション力作用を安定化させることができる。これにより、衝突する前にダイクッション力制御を開始する作用と、その時(先行加圧時)にロックビードを成形することに伴うダンパ効果とにより、ダイクッション力作用を安定化させながら、ダイクッション力作用を早めることができる。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置は、サーボモータを駆動してクッションパッドにダイクッション力を発生させるダイクッション力発生器と、ダイクッション力指令を出力するダイクッション力指令器と、前記ダイクッション力指令器から出力されるダイクッション力指令に基づいて、前記ダイクッション力が前記ダイクッション力指令に対応するダイクッション力になるように前記サーボモータを制御するダイクッション力制御器と、を備え、前記ダイクッション力指令器は、プレス機械のスライドが、ダイクッション力作用開始予定位置である所定のダイクッション待機位置に到達する前に、前記ダイクッション力指令を出力することを特徴としている。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置において、前記スライドの位置を検出するスライド位置検出器を備え、前記ダイクッション力指令器は、前記スライド位置検出器により検出される前記スライドの位置が、前記ダイクッション待機位置よりも上方の所定の位置に達すると、前記ダイクッション力指令を出力する。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置において、前記所定の位置は、0.1mm以上60mm以下の範囲内の位置であることが好ましい。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置において、前記スライドの1サイクル内の時刻を計測する計測器を有し、前記ダイクッション力指令器は、前記計測器により計測される時刻が、前記スライドが前記ダイクッション待機位置に到達する時刻よりも前の所定の時刻に達すると、前記ダイクッション力指令を出力するようにしている。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置において、前記所定の時刻は、0.001秒以上0.1秒以下の範囲内の時刻であることが好ましい。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置において、前記クッションパッドの位置を制御するダイクッション位置制御器を備え、前記ダイクッション位置制御器は、前記クッションパッドを、前記ダイクッション待機位置に移動させて待機させるようにしている。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置において、前記ダイクッション力発生器は、前記クッションパッドを支持する液圧シリンダと、前記液圧シリンダのクッション圧発生側加圧室に吐出口が接続された液圧ポンプ/モータと、前記液圧ポンプ/モータの回転軸に接続された前記サーボモータとからなることが好ましい。前記ダイクッション力発生器を、液圧シリンダ、液圧ポンプ/モータ及びサーボモータにより構成することにより、液圧シリンダがダンパ作用を有するため、衝突時の衝撃力が作用し難いものになる。
本発明によれば、プレス機械のスライドがダイクッション待機位置に到達する前に、ダイクッション力指令を出力するようにしたため、クッションパッドを予備加圧することができ、これによりダイクッション力作用を早め、ダイクッション力の応答遅れを改善することができる。さらに、金型を介してスライドと衝突する前にダイクッション力制御を開始することで、衝突と位置制御から力制御への制御変更とが異なる時刻に生じる作用と、その時(先行加圧時)にロックビードを成形する際のダンパ効果とにより、ダイクッション力作用を安定化させることができる。
図1は本発明に係るダイクッション装置の実施の形態を示す構成図である。 図2はダイクッション装置におけるダイクッション制御装置の実施の形態を示すブロック図である。 図3(a)は本発明に係るダイクッション力指令、ダイクッション力応答、スライド位置、及びダイクッション位置を示す波形図であり、図3(b)はダイクッション装置等の要部を示す図である。 図4は従来の予備加速を行った場合のダイクッション力作用時の各物理量の変化を示す波形図である。 図5は予備加速を行わない場合の従来のダイクッション力作用時の各物理量の変化を示す波形図である。 図6は本発明に係る予備加圧を行った場合のダイクッション力作用時の各物理量の変化を示す波形図である。 図7は予備加速を行わない場合の従来のダイクッション力作用時の各物理量の変化を示す波形図である。 図8は従来の予備加速を行った場合のダイクッション力作用時の各物理量の変化を示す波形図である。 図9はダイクッション力応答距離及びダイクッション予備加速距離の合計距離相当だけダイクッション待機位置を上方に設定した場合のダイクッション力作用時の各物理量の変化を示す波形図である。
以下添付図面に従って本発明に係るダイクッション力制御方法及びダイクッション装置の好ましい実施形態について詳説する。
[ダイクッション装置の構成]
図1は本発明に係るダイクッション装置の実施の形態を示す構成図である。尚、図1において、プレス機械100は2点鎖線で示され、ダイクッション装置200は実線で示されている。
図1に示すプレス機械100は、ベッド102、コラム104及びクラウン106でフレームが構成され、スライド110は、コラム104に設けられたガイド部108により鉛直方向に移動自在に案内されている。スライド110は、図示しない駆動手段によって回転駆動力が伝達されるクランク軸112を含むクランク機構によって図1上で上下方向に移動させられる。
プレス機械100のベッド102側には、スライド110の位置を検出するスライド位置検出器114が設けられ、クランク軸112には、クランク軸112の角速度及び角度をそれぞれ検出するクランク軸エンコーダ116が設けられている。
スライド110には上金型120が装着され、ベッド102上(のボルスタ上)には下金型122が装着されている。
上金型120と下金型122の間には、ブランクホルダ(皺押え板)202が配置され、下側が複数のクッションピン204を介してクッションパッド210で支持され、上側には材料203がセットされる(接触する)。
本例の上金型120は、凸のロックビード成形部120aを有し、ブランクホルダ202は、凹のロックビード成形部202aを有している。
<ダイクッション装置の構造>
ダイクッション装置200は、主としてブランクホルダ202と、ブランクホルダ202を複数のクッションピン204を介して支持するクッションパッド210と、クッションパッド210を支持し、クッションパッド210にダイクッション力を発生させる油圧シリンダ(液圧シリンダ)220と、油圧シリンダ220を駆動する油圧回路250と、油圧回路250を制御するダイクッション制御装置300(図2)とから構成されている。
油圧シリンダ220及び油圧回路250は、クッションパッド210を昇降動作させるクッションパッド昇降器として機能するとともに、クッションパッド210にダイクッション力を発生させるダイクッション力発生器として機能する。
また、油圧シリンダ220に対して、油圧シリンダ220のピストンロッド220aの伸縮方向の位置を、クッションパッド210の昇降方向の位置として検出するダイクッション位置検出器224が設けられている。尚、ダイクッション位置検出器は、ベッド102とクッションパッド210との間に設けるようにしてもよい。
次に、油圧シリンダ220を駆動する油圧回路250の構成について説明する。
油圧回路250は、アキュムレータ252、油圧ポンプ/モータ(液圧ポンプ/モータ)254、油圧ポンプ/モータ254の回転軸に接続されたサーボモータ256、サーボモータ256の駆動軸の角速度(サーボモータ角速度ω)を検出する角速度検出器258、リリーフ弁260、逆止弁262及び圧力検出器264から構成されている。
アキュムレータ252は、低圧のガス圧がセットされ、タンクの役割を果たすとともに、逆止弁262を介して略一定の低圧油を油圧シリンダ220の上昇側加圧室(クッション圧発生側加圧室)220bに供給し、ダイクッション力制御時に昇圧しやすくする役割も果す。
油圧ポンプ/モータ254の一方のポート(吐出口)は、油圧シリンダ220の上昇側加圧室220bに接続され、他方のポートはアキュムレータ252に接続されている。
尚、リリーフ弁260は、異常圧力発生時(ダイクッション力制御が不能で、突発的な異常圧力発生時)に動作し、油圧機器の破損を防止する手段として設けられている。また、油圧シリンダ220の下降側加圧室(パッド側加圧室)220cは、アキュムレータ252に接続されている。
油圧シリンダ220の上昇側加圧室220bに作用する圧力は、圧力検出器264により検出され、サーボモータ256の駆動軸の角速度は角速度検出器258により検出される。
[ダイクッション力制御の原理]
ダイクッション力は、油圧シリンダ220の上昇側加圧室220bの圧力とシリンダ面積の積で表すことができるため、ダイクッション力を制御することは、油圧シリンダ220の上昇側加圧室220bの圧力を制御することを意味する。
いま、油圧シリンダ・ダイクッション圧発生側断面積:a
油圧シリンダ・ダイクッション圧発生側体積:V
ダイクッション圧:P
電動(サーボ)モータトルク:T
サーボモータの慣性モーメント:I
サーボモータの粘性抵抗係数:DM
サーボモータの摩擦トルク:fM
油圧モータの押し退け容積:Q
スライドから油圧シリンダピストンロッドに加わる力:Fslide
プレスに押されて発生するパッド速度:v
油圧シリンダピストンロッド+パッドの慣性質量:M
油圧シリンダの粘性抵抗係数:DS
油圧シリンダの摩擦力:fS
圧油に押されて回転するサーボモータ角速度:ω
作動油の体積弾性係数:K
比例定数:k1、k2
とすると、静的な挙動は(1)及び(2)式で表すことができる。
P=∫K((v・A−k1Q・ω)/V)dt ……(1)
T=k2・PQ/(2π) ……(2)
また、動的な挙動は(1)、(2)式に加えて(3)、(4)式で表すことができる。
PA−F=M・dv/dt+DS・v+fS ……(3)
T−k2・PQ/(2π)=I・dω/dt+DM・ω+fM ……(4)
上記(1)〜(4)式が意味するもの、即ち、スライド110からクッションパッド210を介して油圧シリンダ220に伝わった力は、油圧シリンダ220の上昇側加圧室220bを圧縮し、ダイクッション圧を発生させる。同時に、ダイクッション圧によって油圧ポンプ/モータ254を油圧モータ作用させ、この油圧ポンプ/モータ254に発生する回転軸トルクがサーボモータ256の駆動トルクに抗じたところで、サーボモータ256を回転させ、圧力の上昇が抑制される。結局、ダイクッション圧は、サーボモータ256の駆動トルクに応じて決定される。
[ダイクッション制御装置]
図2は、ダイクッション装置200におけるダイクッション制御装置300の実施の形態を示すブロック図である。
ダイクッション制御装置300は、ダイクッション位置制御装置310と、ダイクッション力制御装置320とから構成されている。
ダイクッション制御装置300には、クランク軸112の角速度及び角度を検出するクランク軸エンコーダ116からクランク角度信号が加えられており、ダイクッション制御装置300は、入力するクランク角度信号に基づいてスライド110が非加工工程の領域にあるか、又は加工工程の領域にあるかを判断し、スライド110が非加工工程の領域にある場合には、ダイクッション位置制御装置310によるダイクッション位置制御状態に切り替え、スライド110が加工工程の領域にある場合には、ダイクッション力制御装置320によるダイクッション力制御状態に切り替える。
<ダイクッション位置の制御>
ダイクッション位置制御装置310は、主としてダイクッション位置指令器312、及びダイクッション位置制御器314を有している。ダイクッション位置指令器312には、位置指令生成における初期値生成用に使用するためにダイクッション位置検出器224からダイクッション位置(クッションパッド位置)を示すダイクッション位置検出信号が加えられており、ダイクッション位置指令器312は、スライド110が下死点に到達し、ダイクッション力制御終了後に、製品ノックアウト動作を行うとともに、クッションパッド210を初期位置であるダイクッション待機位置に待機させるために、ダイクッション位置(クッションパッド210の位置)を制御するダイクッション位置指令を出力する。
ダイクッション位置制御状態の場合、ダイクッション位置制御器314は、ダイクッション位置指令器312から出力されるダイクッション位置指令とダイクッション位置検出器224により検出されるダイクッション位置検出信号とに基づいて、増幅器兼PWM制御器360を介してサーボモータ256を制御し、油圧ポンプ/モータ254から油圧シリンダ220の上昇側加圧室220bに圧油を供給する。
これにより、油圧シリンダ220のピストンロッド220aの伸縮方向の位置を制御することにより、クッションパッド210の昇降方向の位置(ダイクッション位置)を制御することができる。尚、ダイクッション位置制御器314は、角速度検出器258により検出されるサーボモータ256の駆動軸の角速度信号を用いて、動的安定性を確保のためにサーボモータ256を速度制御し、クッションパッド210の昇降方向の位置制御を行うことが好ましい。
<ダイクッション力の制御>
ダイクッション力制御装置320は、主としてダイクッション力指令器322と、ダイクッション力制御器324とから構成されている。
ダイクッション力指令器322には、スライド110の位置に応じたダイクッション力指令を出力するために、スライド位置検出器114により検出されたスライド位置検出信号が加えられている。
本例の場合、ダイクッション力指令器322は、後述するようにステップ状のダイクッション力指令(図3のダイクッション力指令B)を出力し、スライド位置検出信号に基づいてダイクッション力指令の出力タイミング等を制御している。
尚、スライド110の1サイクル内の時刻(例えば、クランク角度信号により検出されるスライド110が上死点位置に到達した時点からの時刻)を計測するタイマ(計測器)を設け、ダイクッション力指令器322は、タイマから、スライド110の上死点位置からの時間経過を示す計時信号を入力し、この計時信号に基づいてダイクッション力指令の出力タイミング等を制御することができる。
本発明は、スライド110の位置がダイクッション力作用開始位置に到達する前に、ダイクッション力指令器322からダイクッション力指令を出力し、ダイクッション力作用開始位置において、所定のダイクッション力になるように予備加圧することにあるが、ダイクッション力指令器322からダイクッション力指令を出力する出力タイミングの詳細については後述する。
ダイクッション力制御器324は、ダイクッション力指令器322から加えられるダイクッション力指令どおりにダイクッション力を制御するために、圧力検出器264により検出された油圧シリンダ220の上昇側加圧室220bの圧力を示すダイクッション圧検出信号を入力している。また、ダイクッション力制御器324は、ダイクッション力の動的安定性を確保するための角速度フィードバック信号として、角速度検出器258により検出されるサーボモータ256の駆動軸の角速度(サーボモータ角速度(ω))を示すサーボモータ角速度信号を入力している。また、クランク軸エンコーダ116によって検出されるクランク角速度を示すクランク角速度信号を、ダイクッション力制御における動的安定性を確保のための補償に使用するために入力してもよい。
ダイクッション力制御器324は、ダイクッション位置制御状態(ダイクッション待機位置(保持))制御状態からダイクッション力制御状態に制御を切り替えられると、ダイクッション力指令、ダイクッション圧検出信号、サーボモータ角速度信号、クランク角速度信号(プレス速度信号)を用いて演算したトルク指令を、増幅器兼PWM制御器360を介してサーボモータ256に出力することでダイクッション力制御を行う。
ダイクッション力制御時の、スライド110が材料203(及びブランクホルダ202)に衝突してから下死点に至るまでの下降時(加工時)は、サーボモータ256のトルク出力方向と発生速度が反対になる。即ち、スライド110からクッションパッド210が受ける動力によって油圧シリンダ220の上昇側加圧室220bから圧油が油圧ポンプ/モータ254に流入し、油圧ポンプ/モータ254が油圧モータとして作用する。この油圧ポンプ/モータ254によってサーボモータ256が従動して発電機として作用する。サーボモータ256によって発電された電力は、増幅器兼PWM制御器360及び電力回生機能付き直流電源装置362を介して交流電源364に回生される。
<ダイクッション力制御方法の第1の実施形態>
本発明は、サーボモータで駆動するダイクッション装置において、ダイクッション力制御開始(直)前に、上方(ダイクッション力が作用する方向)に、予備(先行)加圧することにより、ダイクッション力作用を早めることにある。
これにより、サーボダイクッション装置を使用した場合には困難と考えられていた、成形開始時に所定のダイクッション力が作用していることが条件になる張出成形用途にも、適用可能になる。
従来は、ダイクッション力作用時の衝突における衝撃(力)を低減させる為に、予備加速を行っていた。この場合、ダイクッション力作用は著しく遅くなるが、本発明は、予備加速を行う場合とは、真逆の発想である。
図3(a)は、本発明に係るダイクッション力指令、ダイクッション力応答、スライド位置、及びダイクッション位置を示す波形図である。また、図3(b)は、ダイクッション装置200等の要部を示す図であり、特にブランクホルダ202が、所定のダイクッション待機位置で待機している状態に関して示している。
前述したように、ダイクッション装置200は、スライド110が非加工工程の領域にある場合には、ダイクッション力制御状態からダイクッション位置制御状態に切り替えられ、ダイクッション位置制御状態の場合、ダイクッション位置指令とダイクッション位置検出器224により検出される位置検出値とに基づいてサーボモータ256が制御され、油圧ポンプ/モータ254から油圧シリンダ220の上昇側加圧室220bに圧油が供給される。そして、ダイクッション力制御状態に切り替えられる前に、ブランクホルダ202は、初期位置のダイクッション待機位置に待機するように位置制御されている。
このダイクッション位置制御時に油圧シリンダ220に加わる荷重Aは、材料203、ブランクホルダ202、クッションピン204、クッションパッド210を含む、ダイクッション関連の可動質量に作用する重力に釣り合う分の荷重になっている。
ここで、プレス・スライドが、ダイクッション待機位置に到達する時刻をtDCとすると、ダイクッション力指令器322(図2)は、タイマから入力する計時信号に基づいて、プレス・スライドが時刻tDCよりも時間c(秒)だけ早い時刻(予備加圧開始時刻)tにダイクッション力指令B(ステップ状の指令)を出力する。これにより、ダイクッション力制御装置320は、時刻tDCよりも時間cだけ早くダイクッション位置制御状態からダイクッション力制御状態に切り替えられ、ダイクッション力制御を開始する。
スライド110が、上金型120、材料203、ブランクホルダ202、クッションピン204を介してクッションパッド210と衝突する前に、ダイクッション力指令Bによるダイクッション力制御が開始されるため、ブランクホルダ202は、ダイクッション待機位置から上方に移動し、ブランクホルダ202上の材料203は、ダイクッション待機位置よりも上方の位置でスライド110とともに下降してくる上金型120と衝突し、ダイクッション力が急激に上昇する。
そして、本例では、スライド110がダイクッション待機位置に到達する時刻tDCに、ダイクッション力は、ダイクッション力指令Bに対応する設定値に達する。即ち、スライド110がダイクッション待機位置に到達する時刻tDCに、所望のダイクッション力が作用している状態になり、従来、ダイクッション力作用が完了するまでに要するダイクッション力応答距離Xを相殺すること(即ち、ダイクッション待機位置を、ダイクッション力作用完了位置と一致させること)ができる。
このように、スライド110が、ダイクッション待機位置に到達する前に、ダイクッション力指令Bを出力することにより、ダイクッション力応答時間を零(ダイクッション力応答距離Xを相殺)することができ、ダイクッション力作用を早めることができる。
また、衝突する前にダイクッション力制御を開始させるため、衝突と同時にダイクッション力制御を開始させる場合に比べて、衝突後に発生する衝撃力(オーバーシュートやアンダーシュート等)を小さくすることができる。
更に、本例の上金型120は、凸のロックビード成形部120aを有し、ブランクホルダ202は、凹のロックビード成形部202aを有しているため、先行加圧時に材料203にロックビード(絞りビード)を成形することができる。このロックビードの成形に伴うダンパ効果により、ダイクッション力作用を安定化させることができる。
更にまた、本例のダイクッション装置200は、油圧シリンダ及びサーボモータを用いたサーボダイクッション装置であるため、油圧シリンダの容積が大きくダンパ作用が強く働き、油圧シリンダを使用しないサーボダイクッション装置に比べて衝撃力が作用し難いものとなる。
<ダイクッション力制御方法の第1の実施形態の変形例>
ダイクッション力制御方法の第1の実施形態では、図3に示したようにプレス・スライドが、ダイクッション待機位置に到達する時刻tDCよりも時間cだけ早い予備加圧開始時刻tにダイクッション力指令Bを出力しており、この予備加圧開始時刻tは、時刻tにダイクッション力指令Bを出力すると、プレス・スライドがダイクッション待機位置に到達する時刻tDC(即ち、時間cの経過後)に、ダイクッション力がダイクッション力指令Bに達する時刻としたが、これに限らず、予備加圧開始時刻tとしては、プレス・スライドがダイクッション待機位置に到達する時刻tDCよりも前の時刻であって、0.001秒以上0.1秒以下の範囲内の適宜の時刻を設定することができる。
ここで、0.1秒は、ダイクッション力応答時間の上限(最も遅い場合の応答時間)を示し、0.001秒は、0では無い本発明が有効になる最小の、デジタル制御を構成する為の制御サンプリング時間(0.001秒)×1サンプル分の時間を意味する。つまり、ダイクッション力制御開始時点を、従来の衝突時に対して、その応答時間分先行させることを主眼としているが、ダイクッション力応答時間cより短い(0では無い、1制御サンプリング時間=0.001秒)時間分先行させることで、本発明の効果は少なくとも作用する。
尚、制御サンプリング時間は、サーボダイクッション装置を構成する場合、NC装置(数値制御装置)により、短い場合で0.0005秒から、長い場合で0.002秒程度の幅を有しているが、機械の応答性より実質的に0.001秒を考えれば充分(それ以下にしても機械が応答しない)であると考えられる。
<ダイクッション力制御方法の第2の実施形態>
ダイクッション力制御方法の第1の実施形態では、図3に示したようにプレス・スライドが、ダイクッション待機位置に到達する時刻tDCよりも時間cだけ早い予備加圧開始時刻tにダイクッション力指令Bを出力したが、ダイクッション力制御方法の第2の実施形態は、プレス・スライドが、ダイクッション待機位置よりも距離Hだけ上方のダイクッション作用開始位置(予備加圧開始時刻tに相当する予備加圧開始位置)に到達したときに、ダイクッション力指令Bを出力する。
即ち、ダイクッション力指令器322(図2)は、スライド位置検出器114からスライド位置検出信号を入力し、入力したスライド位置検出信号に基づいてスライド位置が、ダイクッション作用開始位置(予備加圧開始位置)に達したことを検知すると、ダイクッション力指令Bを出力する(図3参照)。
これにより、プレス・スライドがダイクッション待機位置に到達したときには、ダイクッション力は、ダイクッション力指令Bに対応する設定値に達する。即ち、スライド110がダイクッション待機位置に到達すると、所望のダイクッション力が作用している状態になり、従来、ダイクッション力作用が完了するまでに要するダイクッション力応答距離Xを相殺すること(即ち、ダイクッション待機位置を、ダイクッション力作用完了位置と一致させること)ができる。
<ダイクッション力制御方法の第2の実施形態の変形例>
ダイクッション力制御方法の第2の実施形態では、ダイクッション待機位置よりも距離Hだけ上方の予備加圧開始位置は、プレス・スライドがダイクッション待機位置に到達したときに、ダイクッション力がダイクッション力指令Bに対応する設定値に達する位置としたが、これに限らず、予備加圧開始位置としては、ダイクッション待機位置よりも上方の0.1mm以上60mm以下の範囲内の適宜の位置を設定することができる。
ここで、ダイクッション待機位置よりも上方の0.1mm以上の予備加圧開始位置に達したときにダイクッション力指令を出力することにより、プレス・スライドがダイクッション待機位置に達したときにダイクッション力指令を出力する場合に比べて、ダイクッション力作用を早めることができる。
また、上限を60mmとした理由は、ダイクッション力の応答時間は、機械の能力や使用する金型や成形する材料等の条件にもよるが、概ね0.03秒〜0.1秒である。本プレス機械の平均的なダイクッション力の応答時間を(0.03秒+0.1秒)/2=0.065秒とし、この応答時間分、衝突(従来のダイクッション力制御開始)時より先行してダイクッション力制御を開始するタイミングをスライド位置で判断する場合、ダイクッション力制御(先行)開始時のスライド位置は、応答時間(0.065秒)と衝突時近傍のスライド速度(mm/s)とを乗じた値になる。スライド速度は、速い場合で、800mm/秒程度となることが考えられ、その時、ダイクッション力制御開始時のスライド位置(予備加圧開始位置)は、0.065秒×800mm/秒=52mmになり、それに対して余裕を見て60mmにしている。
<実施例>
以下の条件によりプレス機械100を運転し、ダイクッション力の作用効果を確認する実験を行った。
プレス機械 ストローク: 1100mm
クランクモーション: 10spm
ダイクッション力: 2000kN
ダイクッションストローク: 96.1mm
衝突速度(スライド位置96.1mm到達時の速度): 350mm/s
<比較例1>
図4は、従来の予備加速を行った場合のダイクッション力作用時の各物理量の変化を示す波形図であり、図4(a)はスライド位置及びダイクッション位置(DC位置)を示す波形図であり、図4(b)はダイクッション力指令(DC荷重指令)及びダイクッション力応答(DC荷重)を示す波形図である。
ダイクッション力指令に対応するダイクッション力が発生するまでのブランクホルダの移動距離(予備加速距離+ダイクッション力応答距離)が22mmとなり、オーバーシュートが2%、アンダーシュートが5%となった。
予備加速を行う場合、オーバーシュート及びアンダーシュートは低減されるものの、ダイクッション力指令に対応するダイクッション力が発生するまでのブランクホルダの移動距離が長くなるという問題がある。
<比較例2>
図5は、予備加速を行わない場合の従来のダイクッション力作用時の各物理量の変化を示す波形図であり、図5(a)はスライド位置及びダイクッション位置を示す波形図であり、図5(b)はダイクッション力(荷重)指令及びダイクッション力(荷重)応答を示す波形図である。
ダイクッション力指令に対応するダイクッション力が発生するまでのブランクホルダの移動距離が9mmとなり、オーバーシュートが40%、アンダーシュートが32%となった。
予備加速を行わない場合、予備加速を行う場合に比べて、ダイクッション力指令に対応するダイクッション力が発生するまでのブランクホルダの移動距離を短くすることができるが、オーバーシュート及びアンダーシュートが大きくなるという問題がある。
<比較例3>
図6は、本発明に係る予備加圧を行った場合のダイクッション力作用時の各物理量の変化を示す波形図であり、図6(a)はスライド位置及びダイクッション位置を示す波形図であり、図6(b)はダイクッション力(荷重)指令及びダイクッション力(荷重)応答を示す波形図である。
ダイクッション力指令に対応するダイクッション力が発生するまでのブランクホルダの移動距離(ダイクッション力応答距離)が0mmとなり、オーバーシュートが16%、アンダーシュートが12%となった。
予備加圧を行った場合、安定性は、十分に予備加速を行った比較例1に対して若干欠如するものの、一般的(客観的)には安定していると考えられ、比較例2よりも優れている。
特筆すべきは、ダイクッション力の立ち上がりの速さにおいて、比較例1よりも圧倒的に優位であり、比較例2よりも優位である。
[その他]
この実施形態のダイクッション力発生器は、クッションパッドを昇降させる油圧シリンダと、この油圧シリンダを駆動する油圧モータ及びサーボモータにより構成されているが、これに限らず、ダイクッション力を発生させるものであれば、例えば、クッションパッドを昇降させるスクリューナット機構と、このスクリューナット機構を駆動するサーボモータを用いた機構や、クッションパッドを昇降させるラック・アンド・ピニオン機構と、このラック・アンド・ピニオン機構を駆動するサーボモータで基本構成されるものでもよく、本発明はサーボダイクッション装置であれば、いかなるものにも適用することができる。
また、この実施形態では、材料に少なくともロックビードを成形するプレス加工を行う場合について説明したが、ロックビードを成形しないプレス加工の場合にも本発明は適用できる。
更に、ダイクッション力指令は、ステップ状のダイクッション力指令に限らず、ダイクッション位置に応じて段階的に変化し、又はテーパー状に変化するものでもよい。
また、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
100…プレス機械、110…スライド、114…スライド位置検出器、116…クランク軸エンコーダ、120…上金型、120a、202a…ロックビード成形部、122…下金型、200…ダイクッション装置、202…ブランクホルダ、203…材料、204…クッションピン、210…クッションパッド、220…油圧シリンダ、224…ダイクッション位置検出器、250…油圧回路、254…油圧ポンプ/モータ、256…サーボモータ、258…角速度検出器、264…圧力検出器、300…ダイクッション制御装置、310…ダイクッション位置制御装置、312…ダイクッション位置指令器、314…ダイクッション位置制御器、320…ダイクッション力制御装置、322…ダイクッション力指令器、324…ダイクッション力制御器

Claims (11)

  1. 予め設定されたダイクッション力指令に基づいてサーボモータを駆動し、クッションパッドにダイクッション力を発生させるダイクッション力制御方法であって、
    前記クッションパッドを、ダイクッション力作用開始予定位置である所定のダイクッション待機位置に待機させる工程と、
    プレス機械のスライドが、前記ダイクッション待機位置に到達する前に、前記ダイクッション力指令を出力し、前記クッションパッドを予備加圧する予備加圧工程と、
    を含むダイクッション力制御方法。
  2. 前記予備加圧工程は、プレス機械のスライドが、前記ダイクッション待機位置よりも上方の、0.1mm以上60mm以下の範囲内の予備加圧開始位置に達すると、前記ダイクッション力指令を出力する請求項1に記載のダイクッション力制御方法。
  3. 前記予備加圧工程は、プレス機械のスライドが、前記ダイクッション待機位置に到達する時刻よりも前の予備加圧開始時刻であって、0.001秒以上0.1秒以下の範囲内の予備加圧開始時刻に達すると、前記ダイクッション力指令を出力する請求項1に記載のダイクッション力制御方法。
  4. 前記プレス機械のスライドにセットされる上金型と前記クッションパッドにクッションピンを介して支持されるブランクホルダとに設けられたロックビード成形部により、前記ブランクホルダ上にセットされる材料に少なくともロックビードを成形するプレス加工に使用される請求項1から3のいずれか1項に記載のダイクッション力制御方法。
  5. サーボモータを駆動してクッションパッドにダイクッション力を発生させるダイクッション力発生器と、
    ダイクッション力指令を出力するダイクッション力指令器と、
    前記ダイクッション力指令器から出力されるダイクッション力指令に基づいて、前記ダイクッション力が前記ダイクッション力指令に対応するダイクッション力になるように前記サーボモータを制御するダイクッション力制御器と、を備え、
    前記ダイクッション力指令器は、プレス機械のスライドが、ダイクッション力作用開始予定位置である所定のダイクッション待機位置に到達する前に、前記ダイクッション力指令を出力することを特徴とするダイクッション装置。
  6. 前記スライドの位置を検出するスライド位置検出器を備え、
    前記ダイクッション力指令器は、前記スライド位置検出器により検出される前記スライドの位置が、前記ダイクッション待機位置よりも上方の所定の位置に達すると、前記ダイクッション力指令を出力する請求項5に記載のダイクッション装置。
  7. 前記所定の位置は、0.1mm以上60mm以下の範囲内の位置である請求項6に記載のダイクッション装置。
  8. 前記スライドの1サイクル内の時刻を計測する計測器を有し、
    前記ダイクッション力指令器は、前記計測器により計測される時刻が、前記スライドが前記ダイクッション待機位置に到達する時刻よりも前の所定の時刻に達すると、前記ダイクッション力指令を出力する請求項5に記載のダイクッション装置。
  9. 前記所定の時刻は、0.001秒以上0.1秒以下の範囲内の時刻である請求項8に記載のダイクッション装置。
  10. 前記クッションパッドの位置を制御するダイクッション位置制御器を備え、
    前記ダイクッション位置制御器は、前記クッションパッドを、前記ダイクッション待機位置に移動させて待機させる請求項5から9のいずれか1項に記載のダイクッション装置。
  11. 前記ダイクッション力発生器は、前記クッションパッドを支持する液圧シリンダと、前記液圧シリンダのクッション圧発生側加圧室に吐出口が接続された液圧ポンプ/モータと、前記液圧ポンプ/モータの回転軸に接続された前記サーボモータとからなる請求項5から10のいずれか1項に記載のダイクッション装置。
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