JPH11226798A - 直動型プレスの振動成形方法 - Google Patents
直動型プレスの振動成形方法Info
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- JPH11226798A JPH11226798A JP10048982A JP4898298A JPH11226798A JP H11226798 A JPH11226798 A JP H11226798A JP 10048982 A JP10048982 A JP 10048982A JP 4898298 A JP4898298 A JP 4898298A JP H11226798 A JPH11226798 A JP H11226798A
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- Mechanical Engineering (AREA)
- Control Of Presses (AREA)
- Press Drives And Press Lines (AREA)
- Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
- Punching Or Piercing (AREA)
Abstract
工面の外観品質を向上でき、騒音を抑制できる直動型プ
レスの振動成形方法を提供する。 【解決手段】 上下方向に直動自在なスライド2を振動
させながら成形する直動型プレスの振動成形方法におい
て、前記振動の少なくともスライド上昇時は、スライド
荷重を予め設定された所定値に戻す。加圧下降時は、ス
ライド位置、又はスライド荷重を予め設定された所定値
に制御する。これにより、成形品の外観品質と作業環境
を向上させる。荷重パターンとして、例えば、各振動の
加圧荷重値を漸次減少又は増加させたり、一定値とした
り、各加圧下降時のスライド停止位置を漸次減少又は増
加させたり、等することができる。また戻し荷重パター
ンとして、戻し荷重値を漸次減少又は増加させたり、一
定値としたりできる。
Description
に上下駆動する直動型プレスにおいて、スライドを上下
方向に振動させながら加工するとき、成形品質の向上を
可能とする直動型プレスの振動成形方法に関する。
度を様々に制御することにより被加工材の形状や成形目
的に適合したスライドモーションで成形加工を行うこと
ができることから、最近多くの分野で用いられるように
なった。一方、直動型プレスはスライドを上下方向に任
意のモーションで制御できることから、スライドを所定
周期で上下方向に振動させながら成形する、いわゆる振
動成形に直動型プレスを用いる成形方法が提案されてい
る。この振動成形によると、通常の成形方法よりも小さ
い荷重で成形加工ができることが知られている。
を行う場合には、一般的に、スライドは例えば電動サー
ボモータや油圧シリンダ等からなるスライド駆動手段を
使用して位置サーボ制御されており、サーボの目標位置
を振動のモーションカーブに従って所定周期で変化させ
ることによりスライドを振動させている。
ような従来の直動型プレスの振動成形の方法によると、
成形の始まり付近では、スライドに取着された上型と被
加工材がスライドの上下振動に伴って下降時の接触及び
上昇時の非接触を繰り返すこととなる。このために、一
旦上型で押さえた被加工材の位置が上昇時に振動により
微妙にずれるので、加工面がきれいにならないという外
観品質上の問題が生じる。また、同様に、板厚のばらつ
き、つまり表面高さのばらつきがある被加工材に例えば
刻印を行う場合でも、スライドの下降時のサーボ目標位
置を決めて刻印を行っているので刻印深さを均一にする
ことができないことや、前述のように一旦押さえた被加
工材の位置が上昇時に微妙にずれるため刻印が鮮明にな
らないなどの外観品質上の問題が発生する。
及び非接触を繰り返すことにより、騒音が発生して作業
環境が悪化したり、金型へ悪影響を及ぼして金型寿命が
短くなるという問題もある。
れ、スライドを振動させながら成形する際に、加工面の
外観品質を向上でき、騒音を抑制できる直動型プレスの
振動成形方法を提供することを目的としている。
を達成するために、請求項1に記載の発明は、上下方向
に直動自在なスライド2を振動させながら成形する直動
型プレスの振動成形方法において、前記振動時の少なく
とも上昇では、スライド荷重を所定値に戻すようにして
いる。
レスにおいてスライドで振動成形する際、少なくとも加
圧成形後にスライドを上昇させる時は、スライド荷重を
所定値に戻すようにしている。このとき、戻し荷重値
は、スライドの下面に取着された上型が被加工材に常に
接触できるような値に設定するものとする。これによっ
て、振動成形中、常時上型が被加工材に接触した状態が
確保される。そして、次の振動成形の始まりは上型が被
加工材に接触した状態からとなり、上型と被加工材が離
れずに成形加工を行うことができる。したがって、振動
成形開始時と終了時とで上型と被加工材の間の位置ズレ
がなく、振動成形後の加工面の外観品質が向上する。ま
た、成形の始まり付近にて、従来のようにスライドの戻
し(上昇)時と下降とで上型と被加工材が接触と被接触
を繰り返すことがないので、上型が被加工材にタッチす
る時に発生する騒音は無くなって作業環境が向上すると
共に、金型にも悪影響を与えずに金型寿命が向上する。
直動型プレスの振動成形方法において、前記振動時の下
降では、スライド荷重を所定の加圧荷重値Piに制御し
ている。
時はスライド荷重を所定の加圧荷重値に制御している。
したがって、請求項1記載の作用に加えて、次のことが
可能となる。すなわち、被加工材の材質及び板厚と、成
形に必要な荷重値と、使用する直動型プレスの加圧能力
との関係に基づいて、振動成形時の各行程(1回の振動
に対応)毎のスライド荷重を予め設定して振動成形する
ことができる。これにより、最適な成形条件で成形加工
を行うことができるので、効率的な振動成形が可能とな
る。
直動型プレスの振動成形方法において、前記下降での加
圧荷重値Piを、振動回数毎に漸次減少させる。
での前記加圧荷重値を各行程毎に、つまり振動回数毎に
漸次減少させている。したがって、請求項1及び4記載
の作用に加えて、被加工材の材質及び板厚と、使用する
直動型プレスの加圧能力との関係に基づいて、成形に必
要なスライド荷重を成形目的に適合させて、振動回数毎
に設定することができる。
いる場合に非常に効果的である。すなわち、1回目の加
圧下降行程に対しては、打ち抜き加工を行う被加工材の
材質及び板厚に応じて、所定割合の(例えば10%)板
厚分だけ上型が食い込んで切断するのに必要な加圧荷重
値を設定する。このとき、この1回目の加圧荷重値を、
直動型プレスが本来有する最大荷重(公称能力)に設定
してもよい。この設定した加圧荷重に達するまで、スラ
イド2を低速下降させると、上型が被加工材に前記設定
された所定割合の板厚の深さまで食い込んで切断され
る。この後、請求項1の記載のように、上型が被加工材
に接触したまま上昇できるような所定値に設定された戻
し荷重に達するまで、スライドを上昇させる。これによ
り、常時上型が被加工材に接触した状態が確保される。
そして、前行程において上型が被加工材に食い込んだ深
さ分だけ板厚が減少しているので、次行程の下降時の加
圧荷重を、その減少分だけ前行程より小さな荷重値に設
定することが可能となる。
程毎に徐々に減らしながら打ち抜き加工を行うことによ
り、被加工材の剪断が進行する。そして、打ち抜きが終
了する直前では、被加工材の残りの板厚は当初の板厚の
30〜50%程度になっており、よって、この残りの部
分を剪断するための加圧荷重値を当該直動型プレスの公
称能力の20〜30%程度に設定することができる。
通常の成形方法による打ち抜き加工能力の最大値の目安
は当該プレス機械の公称能力の70%程度とされてい
る。これは、打ち抜き完了直後に被加工材に加えていた
荷重と逆方向の力、いわゆるブレークスルー荷重が発生
することにより制限されるものである。したがって、こ
のような従来の成形方法に比べると、本振動成形方法
は、最初の行程の加圧荷重として当該直動型プレスの公
称能力の最大荷重値を使用し、また、打ち抜き完了直前
の行程の加圧荷重としてより小さい荷重値(例えば、公
称能力の20〜30%程度)を使用して、被加工材の打
ち抜き加工を行うことが可能となり、打ち抜き能力を向
上することができる。
ち抜き加工を行うことができるので振動成形開始時と終
了時とで上型と被加工材の間の位置ズレがなく、振動成
形による打ち抜き加工後の剪断面は美しい面となる。さ
らに、打ち抜き加工終了時の加圧荷重が小さいことによ
り、発生するブレークスルー荷重が小さくなり、よって
振動が小さくなると共に、騒音が小さくなり、作業環境
の改善を図ることができる。また、振動が小さいことに
より直動型プレス及び金型の各部の摩耗や損耗が減り、
耐用年数を長期化することができる。
直動型プレスの振動成形方法において、前記振動時の下
降では、スライド2を所定の停止位置Liに制御してい
る。
の加圧下降時は、スライドを所定の停止位置に制御する
ようにしている。したがって、請求項1記載の作用に加
えて、被加工材の材質及び板厚と、成形に必要なプレス
荷重と、使用するプレス機械の加圧能力との関係に基づ
いて、振動成形時の各行程(振動の1周期に相当)毎に
上型が被加工材に食い込む深さを予め設定して振動成形
を行うことができる。これにより、最適な成形条件で成
形加工を行うことができるので、効率的な振動成形が可
能となる。
直動型プレスの振動成形方法において、前記スライド2
の停止位置Liを、振動回数毎に漸次低くしている。
時の前記スライド停止位置が振動回数毎に漸次低くなる
ようにしている。したがって、請求項1及び4の作用に
加えて、被加工材の材質及び板厚と、成形に必要なプレ
ス荷重と、使用するプレス機械の加圧能力との関係に基
づいて、成形品質を保ちながら成形するために必要なス
ライド位置を設定することが可能となる。
場合に非常に有効となる。すなわち、被加工材への刻印
深さを加圧時のスライド位置に対応させて、モーション
データ(荷重パターン)として設定し、刻印深さを確実
に得ることができる。そして、請求項1に記載のよう
に、スライド荷重を所定値に戻すことにより、上型と被
加工材が離れずに刻印加工を行うことができるので、振
動成形開始時と終了時とで上型と被加工材の間の位置ズ
レが発生しない。したがって、刻印位置のズレが無く、
鮮明な刻印加工ができる。
本発明に係わる直動型プレスの振動成形方法の好適な実
施形態を説明する。図1は、本発明に係わる直動型プレ
スの要部側面図を示している。同図において、直動型プ
レス1の本体の左右側面にはCフレーム7が配設されて
おり、Cフレーム7の下部にはボルスタ3が設置されて
いる。また、Cフレーム7の上部で、かつ、ボルスタ3
と対向した位置には、スライド2が上下動自在に配設さ
れており、このスライド2の上部には、スライド2を駆
動する手段の一例として油圧シリンダ4が配設されてい
る。油圧シリンダ4は、速度を可変制御できる速度制御
手段13としてのサーボバルブ(以後、サーボバルブ1
3と呼ぶ)、及び、このサーボバルブ13のパイロット
油圧用の電磁弁25等と共に、マニホールドブロック1
0に取り付けられており、これらの間を接続する配管等
をマニホールドブロック10によって無くした一体化構
造を成している。また、油圧シリンダ4には、図示しな
い圧力センサ(詳細は後述)が取着されている。
され、またスライド2の下面には上型22が取着され、
下型23の上面の所定位置に被加工材24が搬入される
ようになっている。そして、スライド2の上下動に伴っ
て、下型23と上型22との間で被加工材24の打ち抜
き又は刻印などの成形加工が行われる。
この開口部と略同様の形状を成す補助フレーム8が配設
されている。この補助フレーム8は、上下方向にのみ変
位自在となるように、その下端側がピン8aによってC
フレーム7の側面に取着されている。さらに、補助フレ
ーム8の上端側とスライド2の後部側との間に、例えば
リニアセンサよりなるスライド位置センサ33が取り付
けられている。
がスライド2の移動方向と平行で、かつ、スライド2の
後部に支持されたセンサロッド33aと、このセンサロ
ッド33aに嵌挿され、かつ、上記補助フレーム8の上
端側に取着されたセンサヘッド33bとからなってい
る。そして、スライド2の上下動に伴ってセンサロッド
33aがセンサヘッド33bに対して上下動し、これに
よって、センサヘッド33bの内部の位置検出部により
スライド2の位置がボルスタ3の上面からの高さとして
検出されるようになっている。このスライド位置センサ
33が検出したスライド2の位置信号は後述する制御器
40に入力され、この制御器40は前記位置信号に基づ
いて前記油圧シリンダ4を駆動してスライド2の位置及
び速度を所定のモーションカーブに沿うように制御す
る。
を図2に基づいて説明する。まず、スライド2は上限位
置U0 (図示で点A)から加工開始位置U1 (図示で点
B)まで所定の高速下降速度で下降する。次に、振動時
の1 回目の行程(振動の1周期に対応する)において、
スライド2は所定の低速下降速度で、予め所定値に設定
された1回目の停止位置まで、あるいは所定荷重に達す
るまで下降する。この低速下降の間に、上型22の下面
が下型23の上面の被加工材24にタッチし、この後被
加工材24を加圧しながら下降する。そして、前記1回
目の停止位置まで下降したら、あるいは前記所定荷重に
達したら、スライド2を停止させる。この停止位置をL
1 (図示で点C)とする。この後、スライド2の荷重が
予め設定された所定荷重(以後、戻し荷重という)にな
るまで、停止位置L1 からスライド2を上昇させ、この
位置(図示で点D)で前記戻し荷重を所定時間保持する
ようにスライド2を停止させる。
行程においてスライド振動の際には、所定の低速下降速
度で被加工材24を加圧下降して、i回目の所定の停止
位置まで下降したら、あるいはi回目の所定荷重に達し
たら、スライド2を停止させる。この停止位置をLi
(図示で点E等)とする。この後、スライド2の荷重が
所定のi回目の戻し荷重になるまで、停止位置Liから
スライド2を上昇させ、この位置で前記i回目の戻し荷
重を所定時間保持するようにスライド2を停止させる。
このようにして、スライド2の下降及び上昇を予め設定
された所定回数n繰り返す。そして、n回目の加圧下降
が終了した時、本振動成形を終了し、このときのスライ
ド位置を成形終了位置Ln(図示で点F)とする。この
成形終了位置Lnから予め設定された所定の上昇位置U
2(図示で点G)まで所定の低速上昇速度で上昇し、さ
らに上限位置U0 (図示で点H)まで所定の高速上昇速
度で上昇して停止し、所定時間(時間0も含む)だけ停
止して1サイクル加工を終了する。実成形作業では、こ
の1サイクル加工が繰り返し行われる。
荷重値は、それぞれ、行程毎に漸次増加するパターン、
行程毎に一定値とするパターン、あるいは、行程毎に漸
次減少するパターンの3種類の中から、1つのパターン
が設定可能となっている。
沿ってスライド2を制御するためのハード構成を、図3
に示すハード構成ブロック図に基づいて説明する。上昇
側圧力センサ31は、油圧シリンダ4の下側(すなわ
ち、油圧シリンダ4内部のピストンよりスライド側)の
シリンダ室(図示せず)に配設された圧力センサであ
り、スライド2を上昇させるための圧力を検出する。ま
た、加工側圧力センサ32は、油圧シリンダ4の上側
(すなわち、上記ピストンをはさんでスライド2と反対
側)のシリンダ室(図示せず)に配設された圧力センサ
であり、前記被加工材24を成形加工するための油圧シ
リンダ4の圧力を検出する。また、スライド位置センサ
33は前述のようにスライド2の高さ方向の位置を検出
している。これらのセンサの検出信号は、制御器40に
入力されている。
手段35及び操作モード選択スイッチ36が付設されて
いる。モーション入力手段35は、スライド2の所定の
モーションデータを入力するものである。例えば、前記
図2により説明したような、各行程の加圧下降時の加圧
荷重やスライド位置(停止位置Li 、成形終了位置Ln
等)の目標値(加圧荷重パターン)、及び上昇時の戻し
荷重(戻し荷重パターン)を設定したり、スライドモー
ションデータ、すなわち高速上昇速度、高速下降速度、
低速上昇速度、又は低速下降速度等の移動速度、あるい
は、振動時以外のスライド目標位置(例えば上限位置U
0 、加圧開始位置U1 等)を設定するための各設定スイ
ッチにより構成することができる。なお、このモーショ
ン入力手段35は、上位コンピュータ等で構成される他
の制御装置から通信等によって上記モーションカーブの
各設定値データを入力するための送受信機により構成し
ても良い。そして、これらの設定値は、各モーションカ
ーブに対応したモーションデータとして制御器40内の
所定のメモリエリアに記憶される。
ス操作モードを選択でき、少なくとも、前記モーション
カーブの設定を行う設定モードと、安全一工程や連続工
程モード等の生産モードとを選択可能となっている。選
択されたモード信号は、制御器40に入力される。
タを主体にした一般的なコンピュータ制御装置で構成さ
れている。制御器40は、前記各センサの検出信号や、
モーション入力手段35及び操作モード選択スイッチ3
6からの信号を入力して後述する所定の演算及び判定処
理を行い、この処理結果に基づいてサーボバルブ13へ
制御信号を出力し、また表示器38にモーション設定値
情報等を表示させる。
の制御信号に基づいて、図示しない油圧ポンプから吐出
される圧油の流量及び方向を制御して、油圧シリンダ4
の伸縮速度及び方向を制御する。これによって、スライ
ド2は設定された所定のモーションカーブに沿って制御
される。なお、サーボバルブ13は、油圧シリンダ4の
速度を可変制御する速度制御手段の一例として示されて
いるが、本発明はこれに限定するものではない。例え
ば、スライド駆動手段4が電動サーボモータの場合に
は、上記速度制御手段は電動モータ用の速度サーボアン
プ等で構成される。
示指令に基づいて、モーションデータの各設定値や、プ
レス稼動情報等を表示するものであり、例えば液晶やE
L等のグラフィック表示器、及び、LED表示素子等か
らなるキャラクタ表示器などの組み合わせで構成するこ
とができる。
基づいて、制御器40の各機能構成を説明する。荷重検
出手段41は、加圧加工時に被加工材24から反力を受
けてスライド2にかかる荷重を検出しており、本実施形
態では、荷重として、スライド2を駆動する油圧シリン
ダ4のシリンダ室にかかる圧力に基づいて検出してい
る。すなわち、油圧シリンダ4の加工側圧力センサ32
により検出した圧力値Pp及び上昇側圧力センサ31に
より検出した圧力値Psに基づいて、この荷重を演算す
る。例えば、油圧シリンダ4の加工側圧力値Ppと上側
のシリンダ室の断面積との積から上側のシリンダ室の圧
油が押し下げる荷重を求め、また上昇側圧力値Psと下
側のシリンダ室の断面積との積から下側のシリンダ室の
受ける荷重を求め、この両荷重の差によって算出するこ
とができる。なお、スライド2にかかる荷重の検出は、
上記荷重差による検出方法に限定されずに、例えばプレ
ス本体のCフレーム7の歪みを歪みゲージセンサによっ
て検出し、この歪みの大きさに基づいて荷重値を算出す
ることも可能である。
置センサ33からの位置信号を入力してこの位置信号に
基づいてスライド位置を求め、このスライド位置データ
を速度演算手段44及び出力演算手段51に出力する。
そして、速度演算手段44は、入力した上記スライド位
置データに基づいてスライド速度値を算出する。例え
ば、所定時間毎の位置データの変化量、すなわち、位置
の時間変化率から算出することができる。算出されたス
ライド速度値は、後述の出力演算手段51に出力され
る。
ーション入力手段35により入力された各モーションデ
ータを取り込み、この各モーションデータを対応するメ
モリエリアに記憶する。そして、このモーションデータ
の内、振動成形時の各i回目の戻し荷重設定値を戻し荷
重パターンとして戻し荷重パターン記憶手段45に出力
し、各i回目の加圧荷重設定値又は停止位置Liを荷重
パターンとして荷重パターン記憶手段46に出力する。
さらに、生産モード時には、出力演算手段51及びモー
ション表示手段42によって、上記各モーションデータ
が読み出される。
ード選択スイッチ36からの各モード信号を入力し、設
定モードの時は設定モード信号を戻し荷重パターン記憶
手段45、荷重パターン記憶手段46及びモーション表
示手段42に出力し、生産モードの時は生産モード信号
を出力演算手段51及びモーション表示手段42に出力
する。なお、この操作モード設定手段49は、操作モー
ド選択スイッチ36からのモード信号に限定されず、例
えば上位コンピュータ等の他の制御装置から通信により
各モード信号を入力するようにしても良い。
ード時、モーション設定手段48に記憶されている前記
戻し荷重パターンを読み出し、記憶する。そして、生産
モード時には、出力演算手段51によって、1サイクル
加工中にこの戻し荷重パターンの各行程順に戻し荷重設
定値Qi (iは1〜n、詳細は後述する)が読み込まれ
る。
モード時、モーション設定手段48によって記憶されて
いる前記荷重パターンを読み出し、記憶する。そして、
生産モード時には、出力演算手段51によって、1サイ
クル加工中にこの荷重パターンの各行程順に荷重設定値
Pi 、あるいは停止位置Li(iは1〜n、詳細は後述
する)が読み込まれる。
に、モーション設定手段48に記憶された前記スライド
モーションデータ、戻し荷重パターン記憶手段45に記
憶された前記戻し荷重パターン、及び荷重パターン記憶
手段46に記憶された前記荷重パターンを読み込む。そ
して、このスライドモーションデータ、荷重パターン及
び戻し荷重パターンに従ってスライド2が駆動されるよ
うに、速度制御手段(ここでは、サーボバルブ)13へ
の制御指令値を演算する。すなわち、スライドモーショ
ンデータの各スライド位置の目標設定値(例えば加工開
始位置U1 、上限位置U0 、停止位置Li等)、及び各
スライド速度設定値(例えば高速下降速度、低速下降速
度など)に基づくモーションカーブに沿ってスライド2
を位置サーボ制御するときは、スライド位置検出手段4
3からの位置データ、及び速度演算手段44からの速度
データを常時フィードバックしながら、前記制御指令値
を演算して出力する。また、荷重パターンの加圧荷重設
定値、又は戻し荷重パターンの戻し荷重設定値に基づい
てスライド2をそれぞれ所定の低速下降速度又は低速上
昇速度で駆動するときは、荷重検出手段41により検出
された荷重データを常時監視しながら、この荷重データ
が前記加圧荷重設定値又は戻し荷重設定値に達するま
で、速度演算手段44からの速度値をフィードバックし
て前記制御指令値を演算して出力する。これにより、ス
ライド駆動手段(ここでは、油圧シリンダ)4の位置及
び速度が制御される。
ード時にモーション設定手段48により記憶された各モ
ーションデータを表示し、生産モード時に現在のモーシ
ョンのモニタ情報を表示する。このモニタ情報として、
例えば、スライド位置検出手段43からの位置データ、
速度演算手段44からの速度データ、荷重検出手段41
からの荷重値、出力演算手段51からの前記制御指令値
等が表示される。
に、スライド2は、各行程での少なくとも上昇時には戻
し荷重パターンに従って所定戻し荷重になるまで制御さ
れる。この戻し荷重値は、各行程でスライド2が前記停
止位置Li から上昇しても上型22が被加工材24に当
接することができるような値に設定される。したがっ
て、振動成形加工を行っても上型22が被加工材24の
表面から離れることがないので、被加工材24の位置ず
れによる型タッチ位置の微妙なずれが無くなる。したが
って、成形後の外観品質が向上すると共に、振動成形に
より直動型プレスの最大荷重での成形加工が可能となっ
て同一プレスでの加工能力を最大限に利用することがで
きる。なお、加圧下降時には、所定の荷重パターンに従
って所定荷重に達するまで、あるいは所定スライド位置
に達するまで制御される。
ンの種々の実施形態について、以下に説明する。図5及
び図6に基づいて、第1実施形態を説明する。第1実施
形態は、振動成形時の各行程で、戻し荷重を所定の一定
値とし、加圧下降時の加圧荷重を各行程毎に漸次増加さ
せる成形方法を示している。
モーションパターンと、荷重パターン及び戻し荷重パタ
ーンとの関係を表すタイムチャート例を示している。同
図において、横軸は経過時間を表し、縦軸はそれぞれス
ライドの位置及び荷重を表している。なお、先に図2に
より説明したモーションカーブの各部の名称と重複する
ものには同じ符号を付けて、ここでの説明を省く。荷重
パターンは、加圧荷重値Pi(i=1〜n)が漸次所定
カーブに沿って増加するように設定されており、また戻
し荷重パターンは、戻し荷重値Qi(i=1〜n)が一
定の戻し荷重値Q0 に設定されている。なお、この戻し
荷重値Q0は、上型22が被加工材24に当接した状態
でスライド2が微小距離上昇できるような値に設定す
る。このときの、スライドモーションは以下のようにな
る。
位置U1 まで所定の高速下降速度で下降する。次に、1
回目の行程で、加工開始位置U1 から所定の低速下降速
度で、1回目の加圧荷重値P1に達するまで下降する。
この低速下降の間に、上型22が被加工材24にタッチ
し、この後被加工材24を加圧しながら下降する。そし
て、1回目の加圧荷重値P1に達したら、スライド2を
停止させる(停止位置L1 )。このとき、被加工材24
の加圧時間がt1であったとする。この後、スライド荷
重が戻し荷重値Q0 になるまで、停止位置L1 からスラ
イド2を所定低速度で上昇させ、この位置(図示で点
D)で戻し荷重値Q0 を所定時間t0 (時間0も含む)
保持する。以後、加圧荷重値Pi(i=2〜n)に達す
るまでの加圧下降(加圧時間=ti)と、戻し荷重値Q
0 になるまでの上昇とを繰り返して、振動成形を行う。
そして、スライド2はこの振動成形完了時の位置Lnか
ら所定の上昇位置U2まで低速上昇速度で上昇し、さら
に上限位置U0 まで高速上昇速度で上昇して停止し、1
サイクル加工を終了する。
荷重値Pi(i=1〜n)は荷重パターン記憶手段46
に、また戻し荷重値Qi(i=1〜n、ここでは一定の
戻し荷重値Q0 に等しい)は戻し荷重パターン記憶手段
45に、設定モードのときに記憶されている。
基づいて、本実施形態での制御処理手順を説明する。こ
こで、各処理ステップ番号はSを付して表されており、
以後のフローチャートでも同様とする。まずS1で、設
定モードの時、荷重パターン記憶手段46及び戻し荷重
パターン記憶手段45はモーション設定手段48に記憶
されているモーションデータの内、それぞれ荷重パター
ン及び戻し荷重パターンを取り込む。つぎに、生産モー
ドの時、S2において、出力演算手段51はモーション
設定手段48のスライドモーションデータに基づいて、
スライド2の位置データ及び速度データをフィードバッ
クしながら演算した制御指令をサーボバルブ13へ出力
し、油圧シリンダ4を制御する。これにより、スライド
2を上限位置U0 から加工開始位置U1 まで所定の高速
下降速度で下降させる。つぎに、S3で、1サイクル加
工内の振動回数iの初期化(i=1)を行う。
にしてスライドモーションデータに基づいてスライド2
を所定の低速の成形速度で下降させ、S5においてスラ
イド2の荷重が荷重パターン記憶手段46に記憶してい
る振動回数i回目の加圧荷重設定値Piに達したか否か
を判断する。ここで加圧荷重設定値Piに達していない
場合は、S4に戻り、所定の成形速度でスライド2の加
圧荷重が加圧荷重設定値Piに達するまで下降を続け
る。加圧荷重が加圧荷重設定値Piに達する(停止位置
L1)と、S6で、スライド2の荷重を加圧荷重設定値
Piで所定時間t1保持した後、S7で振動回数iが予
め設定された所定回数nに達しているか否かを判断す
る。所定回数nに達していない場合は、S8においてス
ライド荷重が戻し荷重パターン記憶手段45に記憶して
いる戻し荷重Q0 に戻るまでスライド2を上昇させる。
そして、S9において、S8での最終の戻し荷重Q0 を
所定時間t0 だけ保持する。S9を終了してi回目の振
動成形が終了する。つぎにS10において振動回数iが
1だけ加算され、S4に戻って、以上の処理を繰り返
す。
以上に達すると、S11において成形終了位置Lnから
所定の上昇位置U2 まで所定の低速上昇速度で上昇す
る。つぎにS12において、スライド2を上限位置U0
まで所定の高速上昇速度で上昇させ、上限位置U0 にて
所定時間(時間0も含む)だけ停止して1サイクル加工
を終了する。
の各行程で、上型22が被加工材24から離れないよう
な所定戻し荷重Q0 になるまでスライド2を戻すので、
上型22が被加工材24に当接した状態が確保される。
よって、次行程の加圧下降の始まりは上型22が被加工
材24に接触した状態からとなり、上型22と被加工材
24が離れずに成形加工ができるので、振動成形開始時
と終了時とで上型22と被加工材24の間の位置ズレが
ない。したがって、振動成形後の加工面の外観品質が向
上する。また、成形の始まり付近にて、従来のようにス
ライド2の上昇時と加圧下降時に上型22と被加工材2
4との接触及び非接触を繰り返すことがなくなるので、
上型22が被加工材24にタッチした時に発生する騒音
は無くなって作業環境が向上すると共に、金型寿命の低
下も抑制される。
形態を説明する。本実施形態は、振動成形において、ス
ライド上昇時の戻し荷重を漸次増加させ、かつ、加圧下
降時の加圧荷重を漸次減少させる成形方法を示してい
る。
おけるスライド2のモーションパターンと、荷重パター
ン及び戻し荷重パターンとの関係を表すタイムチャート
例を示している。また、先に図2により説明したモーシ
ョンカーブの各部の名称と重複するものには同じ符号を
付けて、ここでの説明を省く。荷重パターンは、加圧荷
重値Pi(i=1〜n)が漸次第1の所定カーブ61に
沿って減少するように設定されており、また戻し荷重パ
ターンは、戻し荷重値Qi(i=1〜n)が漸次第2の
所定カーブ62に沿って増加するように設定されてい
る。なお、この戻し荷重値Qi(i=1〜n)は、前実
施形態と同様に、上型22が被加工材24に当接した状
態でスライド2が微小距離上昇できるような値に設定す
る。このときの、スライドモーションは以下のようにな
る。
位置U1 から所定の低速下降速度で、1回目の加圧荷重
値P1に達するまで下降し、この低速下降の間に、上型
22が被加工材24にタッチし、この後被加工材24を
加圧しながら下降する。そして、1回目の加圧荷重値P
1に達したら、スライド2を停止させる(停止位置L1
)。このときの加圧時間をt1とする。この後、スラ
イド荷重が戻し荷重値Q1になるまで、停止位置L1 か
らスライド2を所定低速度で上昇させ、この位置(図示
で点D)で戻し荷重値Q1を所定時間t0 (時間0も含
む)保持する。以後、前行程の加圧荷重値Pi-1よりも
漸次小さい加圧荷重値Pi(i=2〜n)に達するまで
の加圧下降(加圧時間=ti)と、前行程の戻し荷重値
Qi-1よりも漸次大きい戻し荷重値Qi(i=2〜n-
1)になるまでの上昇とを繰り返して、振動成形を行
う。次にスライド2は、この振動成形完了時の位置Ln
から所定の上昇位置U2を経由して上限位置U0 まで上
昇して停止し、1サイクル加工を終了する。
重値Pi(i=1〜n)は荷重パターン記憶手段46
に、また戻し荷重値Qi(i=1〜n-1)は戻し荷重パ
ターン記憶手段45に、設定モードのときに記憶されて
いる。
基づいて、本実施形態での制御処理手順を説明する。ま
ず、S21で、設定モードの時、荷重パターン記憶手段
46及び戻し荷重パターン記憶手段45はモーション設
定手段48に記憶されているモーションデータの内、そ
れぞれ荷重パターン及び戻し荷重パターンを取り込む。
つぎに、S22において、生産モードの時、出力演算手
段51はモーション設定手段48のスライドモーション
データに基づいて、スライド2の位置データ及び速度デ
ータをフィードバックしながら演算した制御指令をサー
ボバルブ13へ出力し、油圧シリンダ4を制御する。こ
れにより、スライド2を上限位置U0 から加工開始位置
U1 まで所定の高速下降速度で下降させる。そしてS2
3で、1サイクル加工内の振動回数iの初期化(i=
1)を行う。
様にしてスライドモーションデータに基づいてスライド
2を所定の低速の成形速度で下降させ、S25におい
て、加圧荷重が、荷重パターン記憶手段46に記憶して
いる振動回数i回目の加圧荷重設定値Piに達したか否
かを判断する。加圧荷重設定値Piに達していない場合
は、S24に戻り所定の成形速度で加圧荷重が加圧荷重
設定値Piに達するまで下降を続ける。そして加圧荷重
設定値Piに達すると、S26においてS25の加圧荷
重設定値Piを所定時間ti保持する。その後S27に
おいて、振動回数iが予め設定された所定回数nに達し
ているか否かを判断する。所定回数nに達していない場
合は、S28で、スライド荷重が戻し荷重パターン記憶
手段45に記憶しているi回目の戻し荷重Qiになるま
でスライドを上昇させる。図7に示した例では、前行程
での戻し荷重値Qi-1よりも戻し荷重値Qiが大きくな
るように戻し荷重Qiを行程毎に漸次増加させる。そし
てS29に移行し、S28での最終の戻し荷重Qiを所
定時間t0 保持する。S29を終了してi回目の振動成
形が終了する。つぎにS30において、振動回数iが1
だけ加算され、S24に戻って以上の処理を繰り返す。
上に達すると、S31において、スライド2を成形終了
位置Lnから所定の上昇位置U2 まで所定の低速上昇速
度で上昇させる。つぎにS32で、スライド2を上限位
置U0 まで所定の高速上昇速度で上昇させ、上限位置U
0 にて所定時間(時間0も含む)だけ停止して1サイク
ル加工を終了する。
の各行程で、上型22が被加工材24から離れないよう
な所定戻し荷重Qiになるまでスライド2を戻すので、
上型22と被加工材24が離れずに成形加工ができる。
したがって、上型22と被加工材24の間の位置ズレが
ないので、振動成形後の加工面の外観品質が向上する。
また、成形の始まり付近にて、従来のように加圧下降時
に上型22が被加工材24にタッチして発生させる騒音
が無くなって作業環境が向上すると共に、金型寿命の低
下も抑制される。
工に用いる場合、直動型プレスの公称能力の最大荷重を
使用して打ち抜き加工を行えるようになる。例えば、荷
重パターンとして、1回目の行程の加圧荷重値P1を公
称能力の最大荷重に設定し、次行程より加圧荷重値Pi
(i=2〜n)を漸次減少させて、上型22が被加工材
24にその板厚の例えば30〜50%程度食い込んだ最
終行程での加圧荷重値Pnを公称能力の20〜30%程
度に設定する。そして、この荷重パターンの設定値に基
づくモーションデータによって振動成形で打ち抜き加工
を行うことにより、1回目の行程では、最大荷重(加圧
荷重値P1)によりスライド2が板厚の所定比率(例え
ば10%)に相当する深さまで食い込み、次の行程で
は、最大荷重よりも所定比率(例えば10%)減らした
加圧荷重値P2でスライド2が前行程で小さくなった板
厚の所定比率に相当する深さまでさらに食い込む。この
ようにして、各行程の加圧下降の度に、被加工材24が
徐々に剪断される。そして、振動成形の最終行程では、
最大荷重の20〜30%程度の加圧荷重値Pnで残りの
30〜50%程度の板厚分が剪断される。
ける打ち抜き加工能力はプレス機械の公称能力(本来有
する最大荷重性能)の70%程度が最大値とされていた
が、本実施形態のような振動成形方法により、打ち抜き
加工の最大能力を直動型プレスの公称能力の最大荷重と
することができる。したがって、直動型プレスが本来有
する加工能力を最大限使用して打ち抜き加工を行うこと
ができるようになり、加工能力を大幅に向上することが
できる。
4が離れずに打ち抜き加工を行うことができるので、加
工開始時と終了時とで上型22と被加工材24の位置ズ
レがなく、振動成形による打ち抜き加工を行ってきれい
な剪断面が得られる。さらに、打ち抜き加工完了時の加
圧荷重値Pnが小さいことにより、発生するブレークス
ルーが小さくなる。このために、振動が小さくなり直動
型プレス及び金型の各部の摩耗や損耗が少なくなるの
で、直動型プレス及び金型の耐用年数を長くすることが
できる。また、振動及び騒音も小さくなるので、作業環
境が改善される。
は加圧荷重を漸次減少させ、スライド上昇時は戻し荷重
を漸次増加させるようにしているが、本発明はこれに限
定するものではない。加工の種類と被加工材の材質又は
形状等により、例えば、加圧下降時は加圧荷重を漸次減
少させると共に、スライド上昇時は、戻し荷重値を漸次
減少させるか、あるいは一定値とする成形方法等を採用
することもできる。
施形態を説明する。本実施形態は、振動成形において、
スライド上昇時は戻し荷重を一定とすると共に、加圧下
降時はスライドを所定の停止位置に制御する成形方法を
示している。
おけるスライド2のモーションパターンと、荷重パター
ン及び戻し荷重パターンとの関係を表すタイムチャート
例を示している。また、先に図2により説明したモーシ
ョンカーブの各部の名称と重複するものには同じ符号を
付けて、ここでの説明を省く。
=1〜n-1)を一定の戻し荷重値Q0 として設定されて
いる。荷重パターンは、各行程のスライド2の目標下降
位置が漸次低くなるような所定の停止位置Li(i=1
〜n)に設定されており、このときの各停止位置Liで
の加圧荷重値Pi(i=1〜n)は図示のように漸次減
少するものとする。なお、このときの戻し荷重値Qi
(i=1〜n-1、ここでは戻し荷重値Q0 に等しい)
は、前実施形態と同様に、上型22が被加工材24に当
接した状態でスライド2が微小距離上昇できるような値
に設定する。
下のようになる。スライド2は、1 回目の行程で、加工
開始位置U1 から所定の低速下降速度で、1回目の停止
位置L1 に到達するまで下降し、この低速下降の間に、
上型22が被加工材24にタッチし、この後被加工材2
4を加圧しながら下降する。そして、1回目の停止位置
L1 に到達したら、スライド2を停止させる。このと
き、加圧荷重は加圧荷重値P1に達し、また加圧時間は
t1であったとする。この後、スライド荷重が戻し荷重
値Q0 になるまで、停止位置L1 からスライド2を所定
低速度で上昇させ、この位置(図示で点D)で戻し荷重
値Q0 を所定時間t0(時間0も含む)保持する。以
後、スライド2が停止位置Li(i=2〜n)に達する
までの加圧下降(加圧時間=ti)と、戻し荷重値Q0
になるまでの上昇(保持時間t0 )とを繰り返して、振
動成形を行う。次にスライド2は、この振動成形完了時
の位置Lnから所定の上昇位置U2を経由して上限位置
U0 まで上昇して停止し、1サイクル加工を終了する。
フローチャート例を示しており、ここで各処理ステップ
番号はSを付して表されている。まず、S41で、設定
モードの時、荷重パターン記憶手段46及び戻し荷重パ
ターン記憶手段45はモーション設定手段48に記憶さ
れているモーションデータの内、それぞれ荷重パターン
及び戻し荷重パターンを取り込む。つぎに、S42にお
いて、生産モードの時、出力演算手段51はモーション
設定手段48のスライドモーションデータに基づいて、
スライド2の位置データ及び速度データをフィードバッ
クしながら演算した制御指令をサーボバルブ13へ出力
し、油圧シリンダ4を制御する。これにより、スライド
2を上限位置U0 から加工開始位置U1 まで所定の高速
下降速度で下降させる。そして、S43で1サイクル加
工内の振動回数iの初期化(i=1)を行う。
様にしてスライドモーションデータに基づいてスライド
2を所定の低速の成形速度で下降させ、S45におい
て、スライド位置が、モーション設定手段48に記憶し
ているスライドモーションデータの振動回数i回目の停
止位置Liに達したか否かを判断する。停止位置Liに
達していない場合は、S44に戻り所定の低速の成形速
度でスライド位置が停止位置Liに達するまで下降を続
ける。そして停止位置Liに達すると、S46で、振動
回数iが予め設定された所定回数nに達しているか否か
を判断する。所定回数nに達していない場合は、S47
でスライド荷重が戻し荷重パターン記憶手段45に記憶
している一定の戻し荷重Q0 になるまでスライドを上昇
させる。そしてS48に移行し、S47での最終の戻し
荷重Q0 を所定時間t0 保持する。S48を終了してi
回目の振動成形が終了する。つぎにS49において、振
動回数iが1だけ加算され、S44に戻って以上の処理
を繰り返す。
上に達すると、S50において、スライド2を成形終了
位置Lnから所定の上昇位置U2 まで所定の低速上昇速
度で上昇させる。つぎにS51で、スライド2を上限位
置U0 まで所定の高速上昇速度で上昇させ、上限位置U
0 にて所定時間(時間0も含む)だけ停止して1サイク
ル加工を終了する。
各行程で、上型22が被加工材24から離れないような
所定戻し荷重Q0 になるまでスライド2を戻すので、上
型22と被加工材24が離れずに成形加工ができる。し
たがって、上型22と被加工材24の位置ズレがないの
で、振動成形後の加工面の外観品質が向上する。また、
振動成形時の上型22が被加工材24にタッチした時の
騒音が無くなって作業環境が向上すると共に、金型寿命
の低下が抑制される。
印加工に用いる場合に、大きな効果を得られる。すなわ
ち、加圧下降時の荷重パターンとして、被加工材4の刻
印深さに対応して所定のスライド位置を設定することに
より、精度の良い刻印深さを確実に得ることができる。
しかも、上型22と被加工材24が離れずに刻印加工を
行うことができ、刻印開始時と終了時とで上型22と被
加工材24の間の位置ズレが発生しないので、刻印位置
のズレが無く、鮮明な刻印加工ができる。
方法によると、成形加工品の外観品質を良くし、騒音や
振動の発生を減少させて作業環境を良くし、また、刻印
加工に適用すると刻印深さを均一にして鮮明な刻印が可
能となり、よって加工品質を向上できる。
は各行程のスライド2の停止位置Liを所定カーブに沿
って漸次低くなるように設定し、スライド上昇時は戻し
荷重を一定値としているが、本発明はこれに限定するも
のではない。加工の種類と、被加工材の材質又は形状等
により、例えば、加圧下降時は各行程の停止位置Liを
漸次低くなるように設定すると共に、スライド上昇時
は、戻し荷重値を漸次増加させる、あるいは漸次減少さ
せる成形方法等を採用することもできる。
動手段4として油圧シリンダを使用する例を説明した
が、これに限定されずに、例えば電動サーボモータや油
圧モータ等を使用する直動型プレスの場合においても、
本発明に係わる振動成形方法を適用して同様の作用及び
効果が得られることは明らかである。すなわち、この場
合でも、上記振動成形方法によると、同様に、少なくと
もスライド上昇時にはスライド荷重を所定値に戻して上
型22と被加工材24とが当接したまま離れないように
することができる。したがって、この場合でも、振動成
形後の加工面の外観品質を向上させることができると共
に、振動成形時の騒音や振動を減少させて作業環境も向
上させ、同時に金型寿命の低下を抑制することができ
る。
成形方法により、成形品の外観品質を良くし、振動成形
時の騒音の発生を減少させて作業環境を改善することが
可能となる。また、打ち抜き加工においては、直動型プ
レスが本来有する公称能力を最大限に利用して最大荷重
により打ち抜き加工ができ、さらにブレークスルー発生
時の振動を小さくして作業環境の改善を図ることもでき
る。また、刻印加工においても、刻印深さが均一で、し
かも鮮明な刻印ができ、加工後の外観品質を向上でき
る。
す。
る。
構成ブロック図である。
成ブロック図を示す。
荷重パターン及び戻し荷重パターンとの関係の説明図で
ある。
チャート例である。
荷重パターン及び戻し荷重パターンとの関係の説明図で
ある。
チャート例である。
荷重パターン及び戻し荷重パターンとの関係の説明図で
ある。
ーチャート例である。
Claims (5)
- 【請求項1】 上下方向に直動自在なスライド(2) を振
動させながら成形する直動型プレスの振動成形方法にお
いて、 前記振動時の少なくとも上昇では、スライド荷重を所定
値に戻すことを特徴とする直動型プレスの振動成形方
法。 - 【請求項2】 請求項1記載の直動型プレスの振動成形
方法において、 前記振動時の下降では、スライド荷重を所定の加圧荷重
値(Pi)に制御することを特徴とする直動型プレスの振動
成形方法。 - 【請求項3】 請求項2記載の直動型プレスの振動成形
方法において、 前記下降での加圧荷重値(Pi)を、振動回数毎に漸次減少
させることを特徴とする直動型プレスの振動成形方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の直動型プレスの振動成形
方法において、 前記振動時の下降では、スライド(2) を所定の停止位置
(Li)に制御することを特徴とする直動型プレスの振動成
形方法。 - 【請求項5】 請求項4記載の直動型プレスの振動成形
方法において、 前記スライド(2) の停止位置(Li)を、振動回数毎に漸次
低くすることを特徴とする直動型プレスの振動成形方
法。
Priority Applications (1)
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JP04898298A JP3685615B2 (ja) | 1998-02-13 | 1998-02-13 | 直動型プレスの振動成形方法 |
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