JPH10225732A - 油圧プレスの上限位置設定装置及びその方法 - Google Patents

油圧プレスの上限位置設定装置及びその方法

Info

Publication number
JPH10225732A
JPH10225732A JP4694297A JP4694297A JPH10225732A JP H10225732 A JPH10225732 A JP H10225732A JP 4694297 A JP4694297 A JP 4694297A JP 4694297 A JP4694297 A JP 4694297A JP H10225732 A JPH10225732 A JP H10225732A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slide
upper limit
limit position
data
feeder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4694297A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukio Hata
幸男 畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Komatsu Industries Corp
Original Assignee
Komatsu Ltd
Komatsu Industries Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Komatsu Ltd, Komatsu Industries Corp filed Critical Komatsu Ltd
Priority to JP4694297A priority Critical patent/JPH10225732A/ja
Publication of JPH10225732A publication Critical patent/JPH10225732A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Punching Or Piercing (AREA)
  • Press Drives And Press Lines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 周辺機器との連動加工システムでの生産速度
を向上できる油圧プレスの上限位置設定装置及びその方
法を提供する。 【解決手段】 所定速度で昇降するスライド2と、コイ
ル材15を所定速度で送るコイルフィーダ14とを同期
して連動運転し、スライド2を上限位置Uから下限位置
Lまで連続して昇降させて打ち抜き加工を行う油圧プレ
スの上限位置設定方法において、予めプレスデータの内
で少なくとも、下限/上限位置、スライド速度、加減速
距離、及び惰走距離等の各データを設定しておき、打ち
抜き加工時に、下降中にスライド荷重が増加開始すると
きのスライド位置をコイル材上面位置Cとして記憶し、
打ち抜き完了後、スライド2が下限位置L又は前記上面
位置Cのときに、前記プレスデータと上面位置データと
に基づいて、上限位置Uに到達後直ちに下降して上面位
置Cより惰走距離だけ上方のブレーキ位置Rに到達する
予定時刻、及び、コイルフィーダ14が送り完了する予
定時刻を算出し、両予定時刻が等しくなるように、次回
の上限位置Uを演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧プレスの素材
の搬入や搬出等を行う周辺機器との連動時における生産
速度を向上できる上限位置の設定を行う油圧プレスの上
限位置設定装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、油圧プレスにおいては、材料搬
入、搬送又は搬出等を行う周辺機器との連動運転を行う
ために、例えば、リミットスイッチ等の位置検出センサ
を設け、上下動するスライドの位置を検出している。そ
して、所定の位置信号の検出順序に基づいてスライド移
動方向を判断し、また、その検出位置によってスライド
位置を判断し、これらの判断結果に基づいて所定のタイ
ミングで、材料の搬入指令、搬送指令等の信号を周辺機
器に出力したり、あるいは、スライドを停止させた後に
周辺機器からの送り完了信号を待ってスライドを再起動
したりして、連動運転を行っている。
【0003】そして、上記位置検出センサの取り付け位
置は、作業者が経験的に決めて設定している。例えば、
通常では、スライドをストロークの上端(すなわち、上
限位置)から下端(すなわち、下限位置)の間を所定速
度で昇降させており、打ち抜き完了後には各ショット毎
にスライドを上限位置に移動させるようにしている。よ
って、この上限位置を検出するリミットスイッチは、生
産速度を上げるためになるべく下限位置Lに近く、つま
りストロークが短くなるように設定されている。また、
コイル材を使用している場合、コイル材の送給装置を制
御しているコイルライン制御装置からコイル材送り完了
信号が入力されるまでスライドを停止させておく位置
は、コイル材の送り時に上型と干渉しない位置に設定さ
れる。このとき、生産性を上げるために、上記のスライ
ド停止位置は出来るだけコイル材に近い位置とする必要
がある。このため、このスライド停止位置のリミットス
イッチはコイル材上面になるべく近く設定される。この
とき、コイル材が送給時に上型に引っ掛からないように
するため、コイル材の板厚のばらつきを考慮して、作業
者がこのリミットスイッチの設定位置を経験的に決めて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように従来は経験的に位置設定しているので、前記上限
位置を低い位置に設定し過ぎる場合があり、このときに
はスライドを前記スライド停止位置で必ず停止させてコ
イル材送り完了信号が入力されるのを待たなければなら
ず、この後に再起動するとき、油圧シリンダやサーボバ
ルブの応答遅れ等によって無駄時間が発生するので、全
体として生産速度が遅くなるという問題が生じている。
また、スライドの停止や再起動時には、油圧シリンダや
サーボバルブの作動時の騒音が大きくなり、作業環境を
悪化させている。したがって、スライドが送り完了信号
待ちで停止することが無いように、かつ、ストロークを
大きくし過ぎて生産速度を遅くしないように上限位置の
設定を行う必要があり、この設定作業には熟練度が要求
されている。また、熟練した作業者でも、設定した位置
が生産速度を最大限にできる位置になるとは限らない。
さらに、油圧プレスは油圧シリンダの伸縮動によってス
ライド駆動を行う機構となっているので、油圧プレス自
体の生産速度は機械式プレスよりも遅くならざるを得な
い。しかしながら、生産性向上の要求から、油圧プレス
においても機械式プレス同等の生産速度で生産すること
が非常に強く求められている。
【0005】本発明は、上記の問題点に着目してなされ
たものであり、周辺機器との連動加工システムでの生産
速度を向上できる油圧プレスの上限位置設定装置及びそ
の方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目
的を達成するために、請求項1に記載の発明は、油圧シ
リンダにより駆動されて所定速度で昇降するスライド2
と、コイル材15を所定速度で送給するコイルフィーダ
14とを同期して連動運転し、前記スライド2を上限位
置Uから下降させて前記供給されたコイル材15の打ち
抜き加工を行い、この打ち抜き後にスライド2を上限位
置Uまで上昇させて直ちに下降させ、この加工を連続し
て行う油圧プレスの上限位置設定装置において、プレス
データの内で少なくとも、下限位置データ、上限位置デ
ータ、スライド速度、スライド2の加速時に所定速度に
達する加速距離データ、減速時に所定速度から停止する
までに要する減速距離データ、及び非常停止時の惰走距
離データを設定するプレスデータ設定手段44と、スラ
イド2の位置を検出するスライド位置検出手段33と、
スライド2にかかる荷重を検出する荷重検出手段34
と、前記検出された荷重が増加開始するときのスライド
位置をスライド位置検出手段33より入力し、この位置
を前記コイル材15の上面位置Cとして記憶する荷重発
生位置検出手段41と、前記検出されたスライド位置の
変化により、スライド2の上昇行程又は下降行程の判別
を行う上昇/下降行程判別手段37と、前記行程判別結
果が上昇行程で、かつ、スライド2が前記記憶された上
面位置C近傍のときコイルフィーダ14に起動信号を出
力する起動信号生成手段38と、コイルフィーダ14か
らの送り完了信号を入力するフィーダ送り完入力手段3
6と、打ち抜き完了後、スライド2が下限位置Lから上
昇して上限位置Uに到達後直ちに下降して前記上面位置
Cに到達するまで連続して駆動するように、スライド2
が下限位置Lのときに、前記設定されたプレスデータと
前記記憶された上面位置データに基づいて、上限位置U
から下降して前記上面位置Cより前記惰走距離LBKだけ
上方のブレーキ位置Rに到達する予定時刻、及び、フィ
ーダ送り完入力手段36からの前記フィーダ送り完了信
号を入力する予定時刻を算出し、この両予定時刻が等し
くなるように、次回の上限位置Uを演算する上限位置演
算手段39と、打ち抜き完了後、スライド2が前記設定
されたスライド速度で前記演算された上限位置Uを経由
して前記上面位置Cに到達するように、前記油圧シリン
ダを駆動する制御指令値を演算する出力演算手段46と
を備えた構成としている。
【0007】請求項5に記載の発明は、油圧シリンダに
より駆動されて所定速度で昇降するスライド2と、コイ
ル材15を所定速度で送給するコイルフィーダ14とを
同期して連動運転し、前記スライド2を上限位置Uから
下降させて前記供給されたコイル材15の打ち抜き加工
を行い、この打ち抜き後にスライド2を上限位置Uまで
上昇させて直ちに下降させ、この加工を連続して行う油
圧プレスの上限位置設定方法において、予め、プレスデ
ータの内で少なくとも、下限位置データ、上限位置デー
タ、スライド速度、スライド2の加速時に所定速度に達
する加速距離データ、減速時に所定速度から停止するま
でに要する減速距離データ、及び非常停止時の惰走距離
データを設定しておき、打ち抜き加工時に、下降中にス
ライド2にかかる荷重が増加開始するときのスライド位
置を前記コイル材15の上面位置Cとして記憶し、打ち
抜き完了後、スライド2が下限位置Lのときに、予め設
定された前記プレスデータと前記記憶した上面位置デー
タとに基づいて、上限位置Uに到達後直ちに下降して前
記上面位置Cより惰走距離LBKだけ上方のブレーキ位置
Rに到達する予定時刻、及び、スライド2が上昇中で、
かつ、前記上面位置C近傍のときコイルフィーダ14に
起動信号を出力した後コイルフィーダ14が送りを完了
する予定時刻を算出し、この両予定時刻が等しくなるよ
うに、次回の上限位置Uを演算し、スライド2が下限位
置Lから上昇して前記演算した上限位置Uに到達後直ち
に下降して前記上面位置Cに到達するまで連続して駆動
される方法としている。
【0008】請求項1又は5に記載の発明によると、ス
ライド荷重が増加開始するのを検出することによりコイ
ル材の上面位置を検出しているので、コイル材の板厚の
ばらつきがあっても精度良く上面位置を確認できる。そ
して、打ち抜き完了後に、スライドが下限位置から上限
位置を経由して再度前記上面位置まで連続して駆動され
るように、次回の上限位置が演算される。すなわち、ス
ライドが下限位置から上昇して上限位置に到着後直ちに
下降し、前記上面位置より惰走距離だけ上方のブレーキ
位置に到達する予定時刻、及び、スライドが上昇中で、
かつ、前記上面位置近傍のときコイルフィーダに起動信
号を出力した後コイルフィーダが送りを完了する予定時
刻をそれぞれ算出し、両予定時刻が等しくなるように次
回の上限位置を演算する。これにより、次回のショット
時には、スライドがこの新たに設定された上限位置から
下降して前記ブレーキ位置に到達するのと同時に、コイ
ルフィーダが送り完了するので、下降行程でフィーダ送
り完了を待つために停止する必要がなくなる。したがっ
て、各ショット毎に連続して打ち抜き加工を行うことが
できるので、停止及び再起動による無駄時間、油圧シリ
ンダ及びサーボバルブの応答遅れ等に起因する無駄時間
等が無くなり、生産速度を向上することができる。ま
た、停止及び起動時の油圧シリンダ及びサーボバルブの
作動騒音が無くなり、作業環境を向上できる。
【0009】請求項2に記載の発明は、油圧シリンダに
より駆動されて所定速度で昇降するスライド2と、コイ
ル材15を所定速度で送給するコイルフィーダ14とを
同期して連動運転し、前記スライド2を上限位置Uから
下降させて前記供給されたコイル材15の打ち抜き加工
を行い、この打ち抜き後にスライド2を上限位置Uまで
上昇させて直ちに下降させ、この加工を連続して行う油
圧プレスの上限位置設定装置において、プレスデータの
内で少なくとも、下限位置データ、上限位置データ、ス
ライド速度、スライド2の加速時に所定速度に達する加
速距離データ、減速時に所定速度から停止するまでに要
する減速距離データ、及び非常停止時の惰走距離データ
を設定するプレスデータ設定手段44と、スライド2の
位置を検出するスライド位置検出手段33と、スライド
2にかかる荷重を検出する荷重検出手段34と、前記検
出された荷重が増加開始するときのスライド位置をスラ
イド位置検出手段33より入力し、この位置を前記コイ
ル材15の上面位置Cとして記憶する荷重発生位置検出
手段41と、前記検出されたスライド位置の変化によ
り、スライド2の上昇行程又は下降行程の判別を行う上
昇/下降行程判別手段37と、前記行程判別結果が上昇
行程で、かつ、スライド2が前記記憶された上面位置C
近傍のときコイルフィーダ14に起動信号を出力する起
動信号生成手段38と、コイルフィーダ14からの送り
完了信号を入力するフィーダ送り完入力手段36と、前
記行程判別結果が上昇行程で、かつ、スライド2が前記
上面位置C近傍に来たとき、前記設定されたプレスデー
タと前記上面位置データに基づいて、この上面位置Cか
ら上限位置Uに到達後直ちに下降し、前記上面位置Cよ
り前記設定された惰走距離LBKだけ上方のブレーキ位置
Rに到達する予定時刻、及び、フィーダ送り完入力手段
36の前記フィーダ送り完了信号が入力される予定時刻
を算出し、この両予定時刻が等しくなるように、次回の
上限位置Uを演算する上限位置演算手段39と、打ち抜
き完了後、スライド2が前記設定されたスライド速度で
前記演算された上限位置Uを経由して前記ブレーキ位置
Rに到達するように、前記油圧シリンダを駆動する制御
指令値を演算する出力演算手段46とを備えた構成とし
ている。
【0010】請求項6に記載の発明は、油圧シリンダに
より駆動されて所定速度で昇降するスライド2と、コイ
ル材15を所定速度で送給するコイルフィーダ14とを
同期して連動運転し、前記スライド2を上限位置Uから
下降させて前記供給されたコイル材15の打ち抜き加工
を行い、この打ち抜き後にスライド2を上限位置Uまで
上昇させて直ちに下降させ、この加工を連続して行う油
圧プレスの上限位置設定方法において、予め、プレスデ
ータの内で少なくとも、下限位置データ、上限位置デー
タ、スライド速度、スライド2の加速時に所定速度に達
する加速距離データ、減速時に所定速度から停止するま
でに要する減速距離データ、及び非常停止時の惰走距離
データを設定しておき、打ち抜き加工時に、下降中にス
ライド2にかかる荷重が増加開始するときのスライド位
置を前記コイル材15の上面位置Cとして記憶し、打ち
抜き完了後、スライド2が上昇中で、かつ、前記記憶さ
れた上面位置C近傍に来たとき、前記設定されたプレス
データと前記上面位置データに基づいて、この上面位置
Cから上限位置Uに到達後直ちに下降し、前記上面位置
Cより前記惰走距離LBKだけ上方のブレーキ位置Rに到
達する予定時刻、及び、コイルフィーダ14に起動信号
を出力した後コイルフィーダ14が送りを完了する予定
時刻を算出し、この両予定時刻が等しくなるように、次
回の上限位置Uを演算する方法としている。
【0011】請求項2又は6に記載の発明によると、前
記発明と同様に、スライド荷重の増加開始によりコイル
材の上面位置を検出しているので、精度良く上面位置を
確認できる。そして、打ち抜き完了後に、スライドがこ
の上面位置から上限位置を経由して再度上面位置まで連
続して駆動されるように、次回の上限位置が演算され
る。すなわち、スライドが前記上面位置から上昇して上
限位置に到着後直ちに下降し、前記上面位置より惰走距
離だけ上方のブレーキ位置に到達する予定時刻、及び、
スライドが上昇中で、かつ、前記上面位置近傍のときコ
イルフィーダに起動信号を出力した後コイルフィーダが
送りを完了する予定時刻をそれぞれ算出し、両予定時刻
が等しくなるように次回の上限位置を演算する。これに
より、次回のショット時には、スライドがこの新たに設
定された上限位置から下降して前記ブレーキ位置に到達
するのと同時に、コイルフィーダが送り完了するので、
下降行程でフィーダ送り完了を待つために停止する必要
がなくなる。したがって、各ショット毎に連続して打ち
抜き加工を行うことができるので、停止及び再起動によ
る無駄時間、油圧シリンダ及びサーボバルブの応答遅れ
等に起因する無駄時間等が無くなり、生産速度を向上す
ることができる。また、停止及び起動時の油圧シリンダ
及びサーボバルブの作動騒音が無くなり、作業環境を向
上できる。
【0012】請求項3に記載の発明は、油圧シリンダに
より駆動されて所定速度で昇降するスライド2と、コイ
ル材15を所定速度で送給するコイルフィーダ14とを
同期して連動運転し、前記スライド2を上限位置Uから
下降させて前記供給されたコイル材15の打ち抜き加工
を行い、この打ち抜き後にスライド2を上限位置Uまで
上昇させて直ちに下降させ、この加工を連続して行う油
圧プレスの上限位置設定装置において、プレスデータの
内で少なくとも、下限位置データ、上限位置データ、ス
ライド速度、スライド2の加速時に所定速度に達する加
速距離データ、減速時に所定速度から停止するまでに要
する減速距離データ、及び非常停止時の惰走距離データ
を設定するプレスデータ設定手段44と、スライド2の
位置を検出するスライド位置検出手段33と、スライド
2にかかる荷重を検出する荷重検出手段34と、前記検
出された荷重が増加開始するときのスライド位置をスラ
イド位置検出手段33より入力し、この位置を前記コイ
ル材15の上面位置Cとして記憶する荷重発生位置検出
手段41と、前記検出されたスライド位置の変化によ
り、スライド2の上昇行程又は下降行程の判別を行う上
昇/下降行程判別手段37と、前記行程判別結果が上昇
行程で、かつ、スライド2が前記記憶された上面位置C
近傍のときコイルフィーダ14に起動信号を出力する起
動信号生成手段38と、コイルフィーダ14からの送り
完了信号を入力するフィーダ送り完入力手段36と、ス
ライド2が前記上限位置Uに到着後直ちに下降し、フィ
ーダ送り完入力手段36からの前記フィーダ送り完了信
号を入力したときのスライド位置Qのデータをスライド
位置検出手段33から入力し、このスライド位置Qが前
記上面位置Cより前記設定された惰走距離LBKだけ上方
のブレーキ位置Rより上方のときに、このスライド位置
Q及びブレーキ位置R間の距離の半分だけ現在の上限位
置データから減算して次回の上限位置Uを演算する上限
位置演算手段39と、打ち抜き完了後、スライド2が前
記設定されたスライド速度で前記演算された上限位置U
を経由して前記ブレーキ位置Rに到達するように、前記
油圧シリンダを駆動する制御指令値を演算する出力演算
手段46とを備えた構成としている。
【0013】請求項7に記載の発明は、油圧シリンダに
より駆動されて所定速度で昇降するスライド2と、コイ
ル材15を所定速度で送給するコイルフィーダ14とを
同期して連動運転し、前記スライド2を上限位置Uから
下降させて前記供給されたコイル材15の打ち抜き加工
を行い、この打ち抜き後にスライド2を上限位置Uまで
上昇させて直ちに下降させ、この加工を連続して行う油
圧プレスの上限位置設定方法において、予め、プレスデ
ータの内で少なくとも、下限位置データ、上限位置デー
タ、スライド速度、スライド2の加速時に所定速度に達
する加速距離データ、減速時に所定速度から停止するま
でに要する減速距離データ、及び非常停止時の惰走距離
データを設定しておき、打ち抜き加工時に、下降中にス
ライド2にかかる荷重が増加開始するときのスライド位
置を前記コイル材15の上面位置Cとして記憶し、打ち
抜き完了後、スライド2が上昇して前記上限位置Uに到
着後直ちに下降し、コイルフィーダ14が送りを完了し
たときのスライド位置Qを検出し、このスライド位置Q
が前記記憶した上面位置Cより前記惰走距離LBKだけ上
方のブレーキ位置Rより上方のときに、このスライド位
置Q及びブレーキ位置R間の距離の半分だけ現在の上限
位置データから減算して次回の上限位置Uを演算する方
法としている。
【0014】請求項3又は7に記載の発明によると、前
記発明と同様に、スライド荷重の増加開始によりコイル
材の上面位置を検出しているので、精度良く上面位置を
確認できる。そして、打ち抜き完了後に、スライドが上
昇して上限位置を経由して再度上面位置まで連続して駆
動されるように、次回の上限位置が演算される。すなわ
ち、スライドが上昇して上限位置に到着後直ちに下降
し、コイルフィーダが送り完了したときのスライド位置
を検出し、この位置が前記上面位置より惰走距離だけ上
方のブレーキ位置よりも上方であるとき、このスライド
位置及びブレーキ位置間の距離の半分だけ現在の上限位
置データから減算して次回の上限位置を演算する。これ
により、次回のショット時には、スライドがこの新たに
設定された上限位置から下降して前記ブレーキ位置に到
達するのと同時に、コイルフィーダが送り完了するの
で、下降行程でフィーダ送り完了を待つために停止する
必要がなくなる。したがって、各ショット毎に連続して
打ち抜き加工を行うことができるので、停止及び再起動
による無駄時間、油圧シリンダ及びサーボバルブの応答
遅れ等に起因する無駄時間等が無くなり、生産速度を向
上することができる。また、停止及び起動時の油圧シリ
ンダ及びサーボバルブの作動騒音が無くなり、作業環境
を向上できる。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれか記載の油圧プレスの上限位置設定装置におい
て、スライド2が前記ブレーキ位置Rに到達したとき
に、前記フィーダ送り完了信号を入力してない場合に
は、非常停止指令を出力する起動/停止判断手段45を
付設した構成としている。
【0016】請求項4に記載の発明によると、スライド
がブレーキ位置に到達したときに、前記フィーダ送り完
了信号を入力してない場合には、スライドを非常停止さ
せている。したがって、コイルフィーダの送り未完了時
のコイル材と金型との干渉を防止し、よって金型の破損
が防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
係わる油圧プレスの上限位置設定装置及びその方法に関
する実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明で
は、周辺機器10としてコイル材供給装置の例を示して
いるが、本発明はこれに限定するものではなく、例え
ば、シート材を搬入又は搬出するロボット装置あるいは
トランスファフィーダ装置等の場合にも適用できる。
【0018】図1は、本発明に係わる油圧プレスとコイ
ル材供給装置(以後、コイルラインと呼ぶ)との連動加
工システム例の構成図を示している。同図において、油
圧プレス1の本体フレーム7の下部にはベッド9が設け
られ、ベッド9の上部にボルスタ3が設置されている。
また、本体フレーム7の上部にはスライド駆動手段4の
一例として油圧シリンダ(以後、油圧シリンダ4と言
う)が配設されている。さらに、本体フレーム7の上部
で、かつ、油圧シリンダ4の下部には、ボルスタ3と対
向した位置にスライド2が昇降自在に配設されている。
スライド2は油圧シリンダ4によって上下駆動されるよ
うになっており、このスライド2の上下駆動に伴って、
ボルスタ3の上面に取着された下型6と、スライド2の
下面に取着された上型5との間でプレス加工が行われ
る。
【0019】また、スライド2の後部側には、例えばリ
ニアセンサよりなるスライド位置センサ23が配設され
ている。このスライド位置センサ23は、軸心方向がス
ライド2の移動方向と平行で、かつ、スライド2の後部
に支持されたセンサロッド23aと、このセンサロッド
23aに嵌挿され、かつ、本体フレーム7側に取着され
たセンサヘッド23bとからなっている。そして、スラ
イド2の上下動に伴ってセンサロッド23aがセンサヘ
ッド23bに対して上下動し、これによって、センサヘ
ッド23bの内部の位置検出部によりスライド2の位置
がボルスタ3の上面からの高さとして検出されるように
なっている。このスライド位置センサ23が検出した位
置信号は後述するプレスコントローラ20に入力され、
このプレスコントローラ20は前記位置信号に基づいて
前記油圧シリンダ4を駆動してスライド2の位置を所定
のモーションカーブ(図5参照)に沿うように制御す
る。
【0020】また、油圧プレス1の側方には、素材とし
てコイル材を供給するコイルライン10aが配設されて
いる。このコイルライン10aは、コイルライン制御装
置11とコイル材アンコイラー12とレベラー13とコ
イルフィーダ14とを備えている。コイル材アンコイラ
ー12は、コイル材15が巻かれたリールを所定速度で
回転させながら、コイル材をレベラー13及びコイルフ
ィーダ14を介して油圧プレス1に供給する。レベラー
13はこのコイル材15の曲がり方向の反対側から所定
圧で押圧してこの曲がりくせを矯正しながらコイル材1
5を送給しており、コイルフィーダ14は矯正されたコ
イル材15を所定のタイミングで油圧プレス1の上型5
と下型6間に搬入する。そして、コイルライン制御装置
11は、油圧プレス1の作動を制御している後述のプレ
スコントローラ20との間で信号を送受信して連動の同
期をとっており、上記コイル材アンコイラー12、レベ
ラー13及びコイルフィーダ14の各機器に所定のタイ
ミング信号を出力している。
【0021】図2は、本発明に係わる油圧プレスの上限
位置設定装置のハード構成ブロック図を示している。上
昇側圧力センサ24は、油圧シリンダ4の下側(すなわ
ち、油圧シリンダ4の内部のピストンよりスライド側)
のシリンダ室(図示せず)に配設された圧力センサであ
り、スライド2を上昇するための圧力を検出する。ま
た、加工側圧力センサ25は、油圧シリンダ4の上側
(すなわち、上記ピストンをはさんでスライド2と反対
側)のシリンダ室(図示せず)に配設された圧力センサ
であり、前記コイル材15をプレス加工するための油圧
シリンダ4の圧力を検出する。また、スライド位置セン
サ23は前述のようにスライド2の高さ方向の位置を検
出している。これらのセンサの検出信号は、プレスコン
トローラ20に入力されている。
【0022】さらに、このプレスコントローラ20に
は、プレスデータ設定スイッチ21、操作モードスイッ
チ22及び上方余裕量設定スイッチ29が付設されてい
る。プレスデータ設定スイッチ21は、本発明に係わる
上限位置設定装置のプレス関連の制御データを設定する
ためのスイッチであり、例えば数値データを入力するテ
ンキーや、設定するデータ種別を選択するデータ種別選
択スイッチ等から構成される。この制御データとして
は、スライド2を所定速度で下降中に非常停止させた場
合の停止するまでの惰走距離LBK、スライド2を所定速
度まで加速するのに要する距離を表す加速距離、所定速
度から停止させるのに要する減速距離、及び、打ち抜き
加工時のスライド2の各目標位置と速度を表すモーショ
ンデータを設定することができる。モーションデータと
しては、例えば図5に示すような上限位置U(ここで
は、初期値がU0 としている)、下限位置L、高速/低
速下降速度及び高速/低速上昇速度等を設定できる。こ
れらの設定データは、プレスコントローラ20に入力さ
れる。また、操作モードスイッチ22はプレス操作モー
ドを選択でき、少なくとも、コイルライン10aなどの
周辺機器との連動が可能な連動モード等の生産モードを
選択可能となっている。選択されたモード信号は、プレ
スコントローラ20に入力される。
【0023】上方余裕量設定スイッチ29は、コイルラ
イン制御装置11にフィーダ搬送開始指令(つまり起動
指令であり、以後起動指令と言う)を出力するときのス
ライド位置のコイル材15の上面からの上昇余裕距離α
を設定するものであり、この上昇余裕距離αの設定値は
プレスコントローラ20に入力される。図3は、この上
昇余裕距離αの説明図である。同図において、板厚Tの
コイル材15が矢印16の方向にフィードされ、上型5
と下型6間に供給されている。この供給時にコイル材1
5がばたついても所定の供給経路から外れないように、
下型6の上方にガイド17を設け、このガイド17によ
ってコイル材15を上方及び左右から押さえ込んでガイ
ドしている。矢印Zはスライド2の上昇行程での動作を
示しており、上昇行程で上型5は下限位置Lから上限位
置Uまで上昇しているとする。このとき、上型5の下端
部がコイル材15の上面位置Cから上方に上昇余裕距離
αだけ上昇したときに、前記起動指令を出力するように
している。この上昇余裕距離αは、コイル材15の送り
開始のときにコイル材15が上型5に引っ掛からないよ
うにするための余裕度や、下型6に配設された素材搬入
位置決め用のパイロット18の逃げに要する距離、ある
いは、上記起動指令に対するコイルフィーダ14の応答
遅れ時間等を考慮して設定される。当然のことながら、
上記の引っ掛かりやパイロット逃げ距離等を考慮する必
要がない場合には、上昇余裕距離αを零に設定、つまり
上面位置Cで起動指令を出力してもよい。なお、本発明
においては、後述するように、コイル材15の上面位置
Cは各ショット毎にスライド荷重値に基づいて求められ
ている。
【0024】プレスコントローラ20は、例えばマイク
ロコンピュータを主体にした一般的なコンピュータ制御
装置で構成されている。プレスコントローラ20の内部
には、前記惰走距離LBKの設定値、前記モーションカー
ブのモーションデータ設定値及び前記上昇余裕距離αの
設定値等を記憶するメモリ20aが設けられている。プ
レスコントローラ20は、前記各センサの検出信号、プ
レスデータ設定スイッチ21や上方余裕量設定スイッチ
29からの設定値データ及び操作モードスイッチ22か
らのモード信号を入力し、後述する所定の演算及び判定
処理を行っている。そして、この処理結果に基づいて、
サーボバルブ28へ制御信号を出力したり、コイルライ
ン制御装置11への各制御信号を送受信したり、あるい
は、設定値表示器27に惰走距離LBK及び上昇余裕距離
αの設定値や前記モーション設定値等を表示させる。
【0025】サーボバルブ28は、プレスコントローラ
20からの上記制御信号に基づいて、図示しない油圧ポ
ンプから吐出される圧油をその流量及び方向を切り換え
て油圧シリンダ4に供給し、油圧シリンダ4の伸縮速度
及び方向を制御する。これによって、スライド2は予め
設定された所定のモーションカーブ、すなわち、スライ
ド位置とスライド速度と経過時間との関係を設定したカ
ーブに沿って制御される。また、設定値表示器27は、
プレスコントローラ20からの表示指令に基づいて、前
述のように惰走距離LBKの設定値や前記モーション設定
値等を表示でき、例えば液晶やEL等のグラフィック表
示器や、LED表示素子等でなるキャラクタ表示器など
で構成することができる。
【0026】また、送受信回路26はコイルライン制御
装置11との制御信号の送受信を行うためのインターフ
ェース回路であり、例えば、シリアル通信回路や、パラ
レルI/O回路、又は、データバス通信回路等によって
構成することができる。
【0027】図4には、本発明に係わる上限位置設定装
置の機能構成ブロック図を示しており、同図に基づいて
各機能構成を説明する。スライド位置検出手段33は、
スライド位置センサ23からの位置信号を入力してこの
位置信号に基づいてスライド位置を求め、このスライド
位置データを上昇/下降行程判別手段37、起動信号生
成手段38、プレス起動時間演算手段39、荷重発生位
置検出手段41及び起動/停止判断手段45にそれぞれ
出力する。
【0028】また、荷重検出手段34は加圧加工時にコ
イル材15から反力を受けてスライド2にかかる荷重を
検出しており、本実施形態では、荷重として、スライド
2を駆動する油圧シリンダ4のシリンダ室にかかる圧力
に基づいて検出している。すなわち、油圧シリンダ4の
加工側圧力センサ25により検出した圧力値Pp 及び上
昇側圧力センサ24により検出した圧力値Ps に基づい
て、この荷重を演算する。例えば、油圧シリンダ4の加
工側圧力値Pp と上側のシリンダ室の断面積との積から
上側のシリンダ室の圧油が押し下げる荷重を求め、上昇
側圧力値Ps と下側のシリンダ室の断面積との積から下
側のシリンダ室の受ける荷重を求め、この両荷重の差に
よって算出することができる。なお、上記のスライド2
にかかる荷重の検出は、上記荷重差による方法に限定さ
れずに、例えば油圧プレス1の本体フレーム7の歪みを
歪みゲージセンサによって検出し、この歪みの大きさに
基づいて荷重値を算出することも可能である。
【0029】また、荷重発生位置検出手段41は、荷重
検出手段34により検出された荷重値の大きさに基づい
て、コイル材15の上面に上型5が接触したときのスラ
イド位置を検出している。ここで、コイル材15の上面
に上型5が接触したか否かを荷重値により判断する方法
について、図5に基づいて説明する。同図にはスライド
2のモーションカーブとスライド荷重との関係を表すタ
イムチャートが示されており、横軸は経過時間を表し、
また縦軸はスライド位置とスライド荷重値を表してい
る。いま、切断加工の場合について考え、スライド2が
初期の上限位置U0 から所定の位置Bまで所定の高速下
降速度で、さらに位置Bから下限位置Lまで所定の低速
下降速度(加工速度)で下降し、この後所定の位置Dま
で所定の低速上昇速度で、位置Dから上限位置U0 まで
所定の高速上昇速度で上昇するようなモーションデータ
が設定されているものとする。同図に示すように、スラ
イド2が所定の低速度で下降中に(図示では、位置Bか
ら下限位置Lの間)上型5がコイル材15の上面に接触
すると、スライド2が下降するに伴ってスライド荷重値
は徐々に増加して行く。したがって、この荷重値が増加
開始した時点を荷重発生と判断することができる。上記
荷重発生位置検出手段41は荷重値が増加開始したとき
荷重発生信号を出力すると共に、荷重発生時点でのスラ
イド位置をスライド位置検出手段33から入力し、この
位置をコイル材15の上面位置Cと判断し、メモリ20
aの所定エリアに記憶しておく。
【0030】上方余裕量設定手段31は、前記上方余裕
量設定スイッチ29によって入力された前記上昇余裕距
離αの設定値を取り込んでメモリ20aの所定エリアに
記憶する。なお、この上昇余裕距離αの設定値の入力手
段は、上方余裕量設定スイッチ29に限定されず、例え
ば、上位コンピュータ等のような他の制御装置からの通
信などによることもできる。また、上昇/下降行程判別
手段37は、スライド位置検出手段33から入力するス
ライド位置データの時間的な増加又は減少の区別に基づ
いて、スライド2が上昇行程か又は下降行程かを判別
し、この判別結果を出力する。
【0031】起動信号生成手段38は、荷重発生位置検
出手段41から上記上面位置Cの位置データを入力する
と共に、上方余裕量設定手段31から上昇余裕距離αの
設定データを入力し、両データに基づいて、周辺機器
(ここでは、コイルライン制御装置11)に起動信号を
出力すべきスライド位置A(図3を参照)を求める。こ
こで、スライド位置Aは、数式1によって算出される。
【数1】A=C+α さらに、起動信号生成手段38は、上昇/下降行程判別
手段37から入力する行程判別結果が上昇行程のとき
に、スライド位置検出手段33から入力するスライド位
置を上記スライド位置Aと比較し、スライド2がスライ
ド位置A以上に上昇したとき、起動信号を出力する。そ
して、起動信号出力手段42はこの起動信号を受けてコ
イルライン制御装置11に送受信回路26を介して送信
する。
【0032】送り速度入力手段43は、コイルフィーダ
14のコイル材15の送り速度値をコイルライン制御装
置11から送受信回路26を介して入力する。なお、本
送り速度値が所定の一定値である場合には、予め本プレ
スコントローラ20内のメモリ20aの所定エリアに記
憶しておくこともできる。また、プレスデータ設定手段
44は、プレスデータ設定スイッチ21により入力され
たプレス関連の前記制御データ、すなわち、惰走距離デ
ータ、加速距離データ、減速距離データ、スライド速度
データ及び下限位置等を取り込んで、メモリ20a内の
所定エリアに記憶する。そして、これらの制御データを
上限位置演算手段39と起動/停止判断手段45に出力
している。
【0033】また、上限位置演算手段39は、フィーダ
送り完入力手段36から送り完了信号を入力したとき、
このときのスライド位置と、前記設定されている惰走距
離データと、現在の上限位置設定データとに基づいて、
次回ショット時のモーションデータの上限位置データを
演算する。そして、この算出された上限位置データは、
出力演算手段46に出力される。
【0034】ここで、この上限位置の算出方法を、図6
及び図7の説明図に基づいて説明する。図6には各ショ
ット毎のスライドモーションを示しており、いま、図5
と同様に切断加工の場合について考え、スライド2が上
限位置U0 から所定の位置Bを経由して下限位置Lまで
所定の高速下降速度で、次に低速下降速度で下降し、下
限位置Lから所定の位置Dを経由して上限位置U0 まで
所定の低速上昇速度で、次に高速上昇速度で上昇するよ
うなモーションデータが設定されているものとする。初
回目のショット時に、前述のように、位置Bから低速下
降中にコイル材15の上面位置Cが検出されたとき、こ
の上面位置Cより前記上昇余裕距離αだけ上方の位置A
が算出され、上昇行程中にスライド2が前記算出した位
置Aに来たら、コイルライン制御装置11に起動指令が
出力される。この後、スライド2は上昇して上限位置U
0 に到達した直後、モーションデータに従って直ちに2
回目のショットに入り下降する。
【0035】そして、下降途中にコイルライン制御装置
11からコイルフィーダ14の送り完了信号を受信する
が、この送り完了信号が所定のブレーキ位置Rに到達す
る前に受信されたときは、そのまま下降行程を継続する
ことができるので、切断加工が連続的に行われる。この
ブレーキ位置Rは、前記上面位置Cより前記設定された
惰走距離LBKだけ上方の位置であり、本実施形態では高
速下降中に非常停止した時に惰走しても上面位置Cより
手前(上方)で停止させることができる最も低い位置を
表している。したがって、送り完了信号がこのブレーキ
位置Rに到達するまでに受信されないときは、スライド
2を非常停止させる必要がある。
【0036】このとき、コイルフィーダ14との連動加
工時の生産速度を可能な限り速くするためには、上記の
送り完了信号を受信する位置Qをなるべくブレーキ位置
Rの手前近傍にする必要があり、これによって、送り完
了信号を受信してからブレーキ位置Rまでの無駄な距離
を無くすことができる。したがって、図6に示したよう
に、2回目のショットでの下降時に送り完了信号を受信
した位置Q1 がブレーキ位置Rより距離LS1だけ上方に
ある場合には、この距離LS1に相当する移動距離を無く
するように上限位置Uを再設定しなけらばならない。
【0037】図7には上限位置U0 の近傍でのスライド
速度のタイムチャートを示しており、同図において縦軸
はスライド速度を、横軸は経過時間を表している。い
ま、図7(1) に示すように、初回ショット時に前記位置
Dから速度V1 (高速)で上昇し、時間t1 後に所定加
速度で時間t3 で減速して上限位置U0 で停止し、次に
下降行程では、所定加速度で時間t3 で速度V1 まで加
速し、速度V1 で時間t2 間下降後に送り完了信号を受
信し、さらに時間t4 後にブレーキ位置Rに達したとす
る。ここで、スライド移動距離はこのスライド速度カー
ブの時間積分値、すなわち面積Pによって表され、同図
の例では時間t4 の間の面積P1 が前記距離LS1に相当
している。よって、上記の距離LS1に相当する移動距離
を無くするような次回の上限位置U1 を求める方法の一
つは、この面積P1 に相当する移動距離分だけ短くす
る、つまり小さい面積Pとなるように、この面積P1 の
半分に相当する距離だけ上限位置U1 を低くすることで
ある。図7に示した例においては、「P1 /2」に相当
する距離を、時間t4 の等速度区間の距離から削除する
ことができるので、現在の上限位置U0 より「LS1/
2」だけ低い位置U1 に上限位置Uを再設定すればよ
い。これによって、図7(2) のように、送り完了信号受
信時に、スライド2がちょうどブレーキ位置Rに達する
ことになる。
【0038】なお、距離LS1を無くするような上限位置
U1 を求める他の方法は、例えば荷重発生を検出したと
き、予め設定されたプレスデータ、上昇余裕距離α、及
び検出された前記上面位置Cのデータに基づいて、フィ
ーダが送り完了する予定時刻とブレーキ位置Rに到着す
る予定時刻とが等しくなるようにすることである。すな
わち、図6に示すように、モーションデータ(例えば、
上記速度V1 (高速速度)のデータ、低速速度データ、
下限位置データ等)、上面位置C、及び上昇余裕距離α
等に基づいて、上面位置Cから位置Aまで上昇する時の
所要時間ta を算出し、さらに、コイルフィーダ14の
送り速度データに基づいて送り所要時間tb を算出し、
この両所要時間の合計よりフィーダの送り完了予定時刻
を演算できる。また、さらに、加減速時間データ、惰走
距離データ、及び上限位置U等に基づいて、位置Aから
上限位置Uを経由してブレーキ位置Rまでの所要時間t
cを算出して、ブレーキ位置Rへの到達予定時刻の上限
位置Uとの関係式を演算する。そして、この両方の予定
時刻が等しくなるような上限位置データを求めることが
できる。この方法によると、例えば、前記「P1 /2」
に相当する距離が時間t4 の等速度区間の距離より短い
場合でも、算出可能となる。また、上記のように予定時
刻を比較して上限位置Uを求める方法としては、スライ
ド2が上面位置Cのときに起算する予定時刻に限定され
ず、例えば、下限位置Lのときに起算する予定時刻であ
ってもよい。
【0039】フィーダ送り完入力手段36は、コイルフ
ィーダ14によるコイル材15の送給が完了したとき、
コイルライン制御装置11から送受信回路26を介して
フィーダ送り完了信号を入力する。このフィーダ送り完
了信号は、起動/停止判断手段45に出力される。
【0040】起動/停止判断手段45は、スライド2が
ブレーキ位置Rに来たとき、コイルフィーダ14の送り
完了信号を受信しているか否か判断し、受信してない場
合は出力演算手段46に非常停止指令を出力する。そし
て、受信している場合には、起動指令を出力演算手段4
6に出力する。
【0041】また、操作モード設定手段32は、操作モ
ードスイッチ22からモード信号を入力し、モード信号
が連動モード等の時はこの連動モード信号を後述する出
力演算手段46に出力している。なお、この操作モード
設定手段32は、操作モードスイッチ22からのモード
信号の入力に限らず、例えば上位コンピュータ等の他の
制御装置からの通信によってモード信号を入力するよう
にしてもよい。
【0042】出力演算手段46は、操作モード設定手段
32により設定されたプレス操作モードが連動モードの
とき、起動/停止判断手段45からの前記起動指令に基
づいて、プレスデータ設定手段44により予め設定され
た所定のモーションカーブに沿ってスライド2が所定速
度で移動するように、スライド位置を監視しながら、速
度制御手段(ここでは、サーボバルブ28)への制御指
令値を演算して出力手段47に出力する。前記非常停止
指令を入力したときは、スライド2を停止させる制御指
令値を出力する。そして、出力手段47はこの制御指令
値に基づいてサーボバルブ28のソレノイド電流を指令
する。これにより、スライド駆動手段(ここでは、油圧
シリンダ4)の位置及び速度が制御される。
【0043】図8に本実施形態に係わる油圧プレスの上
限位置設定装置の処理フローチャートを示しており、同
図に基づいて設定方法を説明する。なお、ここでは、各
処理ステップ番号はSを付して表している。まず、S1
で(上昇/下降行程判別手段37)現在の行程が下降行
程か否かを判断し、下降行程のときはS2に処理を移行
し、そうでないとき、つまり停止又は上昇行程のときは
S10に処理を移行する。S2では(荷重発生位置検出
手段41)スライド荷重が発生したか、すなわち、荷重
が増加開始したか否かを判断し、荷重が発生したとき
は、S3でその時点のスライド位置を入力して上面位置
Cとして記憶する。この後、S1の処理に戻って繰り返
す。また、上記S2で荷重が発生してないときは、S4
で(起動/停止判断手段45)現在のスライド位置がブ
レーキ位置Rより下方か否かを判断し、下方でない場合
は、S5でコイルフィーダ14の送り完了信号を受信し
ているか否かを判断し、受信しているときは、S6で現
在のスライド位置をスライド位置検出手段33から取り
込む。次に、S7で(上限位置演算手段39)、数式
「次回の上限位置U=現在の上限位置U−(現在のスラ
イド位置−ブレーキ位置R)/2」に基づいて次回の上
限位置Uを演算し、この演算値を新たな上限位置Uとし
て更新して記憶する。この後、S1に戻って処理を繰り
返す。なお、上記S5で送り完了信号を受信してないと
きは、S1に戻って受信されるまで処理を繰り返す。
【0044】S10では(起動信号生成手段38)、現
在のスライド位置Pが数式「P≧C+α」を満足する
か、すなわち、上面位置Cから上昇余裕距離αだけ上方
の位置Aより上に上昇したか否かを判断する。数式「P
≧C+α」を満足してないときは、満足するまでS10
を繰り返して待ち、満足するときは、S11で(起動信
号生成手段38)起動信号を起動信号出力手段42を介
してコイルライン制御装置11に出力する。この後、S
1の処理に戻って繰り返す。また、前記S4でブレーキ
位置Rより下方のときは、S8でコイルフィーダ14の
送り完了信号を受信しているか否かを判断する。受信し
てないときは、S9でスライド2を非常停止させ、本処
理フローを終了する。またS8で受信しているときは、
S1の処理に戻る。
【0045】以上説明したように、スライド荷重が増加
開始するスライド位置を求めることによりコイル材の上
面位置を検出しているので、コイル材の板厚のばらつき
があっても精度良く上面位置を確認できる。そして、打
ち抜き完了後に、スライドが下限位置から上限位置を経
由して再度前記上面位置まで連続して駆動されるよう
に、次回の上限位置が演算される。すなわち、スライド
が下限位置から上昇して上限位置に到着後直ちに下降
し、前記上面位置より惰走距離だけ上方のブレーキ位置
に到達する予定時刻、及び、スライドが上昇中で、か
つ、前記上面位置近傍のときコイルフィーダに起動信号
を出力した後コイルフィーダが送りを完了する予定時刻
をそれぞれ算出し、両予定時刻が等しくなるように次回
の上限位置を演算する。あるいは、スライドが前記上面
位置のときに、この位置から上限位置を経由して前記ブ
レーキ位置に到達する予定時刻、及び、スライドが上昇
中で、かつ、前記上面位置近傍のときコイルフィーダに
起動信号を出力した後コイルフィーダが送りを完了する
予定時刻をそれぞれ算出し、両予定時刻が等しくなるよ
うに次回の上限位置を演算してもよい。あるいは、さら
に、スライドが上限位置を経由して下降し、コイルフィ
ーダが送り完了したときのスライド位置を検出し、この
位置が前記ブレーキ位置よりも上方であるとき、このス
ライド位置及びブレーキ位置間の距離の半分だけ現在の
上限位置データから減算して次回の上限位置を演算して
もよい。
【0046】これによって、次回のショット時には、ス
ライドがこの新たに設定された上限位置から下降して前
記ブレーキ位置に到達するのと同時に、コイルフィーダ
が送り完了するので、下降行程でフィーダ送り完了を待
つために停止する必要がなくなる。したがって、各ショ
ット毎に連続して打ち抜き加工を行うことができるの
で、停止及び再起動による無駄時間、油圧シリンダ及び
サーボバルブの応答遅れ等に起因する無駄時間等が無く
なり、生産速度を向上することができる。また、停止及
び起動時の油圧シリンダ及びサーボバルブの作動騒音が
無くなり、作業環境を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる油圧プレスの連動加工システム
例の構成図を示す。
【図2】本発明に係わる油圧プレスの上限位置設定装置
のハード構成ブロック図を示す。
【図3】本発明に係わる上限位置設定装置の上昇余裕距
離の説明図である。
【図4】本発明に係わる上限位置設定装置の機能構成ブ
ロック図を示す。
【図5】本発明に係わるモーションカーブとスライド荷
重との関係を表すタイムチャートを示す。
【図6】本発明に係わる上限位置及びフィーダ送り完了
予定時刻の算出方法の説明図を示す。
【図7】本発明に係わる上限位置算出方法の説明図を示
す。
【図8】本発明に係わる制御フローチャート例を示す。
【符号の説明】
1…油圧プレス、2…スライド、3…ボルスタ、4…ス
ライド駆動手段(油圧シリンダ)、5…上型、6…下
型、7…本体フレーム、9…ベッド、10…周辺機器、
10a…コイルライン、11…コイルライン制御装置、
12…コイル材アンコイラー、13…レベラー、14…
コイルフィーダ、15…コイル材、17…ガイド、18
…パイロット、20…プレスコントローラ、20a…メ
モリ、21…プレスデータ設定スイッチ、22…操作モ
ードスイッチ、23…スライド位置センサ、24…上昇
側圧力センサ、25…加工側圧力センサ、26…送受信
回路、27…設定値表示器、28…速度制御手段(サー
ボバルブ)、29…上方余裕量設定スイッチ、31…上
方余裕量設定手段、32…操作モード設定手段、33…
スライド位置検出手段、34…荷重検出手段、36…フ
ィーダ送り完入力手段、37…上昇/下降行程判別手
段、38…起動信号生成手段、39…上限位置演算手
段、41…荷重発生位置検出手段、42…起動信号出力
手段、43…送り速度入力手段、44…プレスデータ設
定手段、45…起動/停止判断手段、46…出力演算手
段、47…出力手段、U…上限位置、L…下限位置、C
…上面位置、R…ブレーキ位置、α…上昇余裕距離。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧シリンダにより駆動されて所定速度
    で昇降するスライド(2) と、コイル材(15)を所定速度で
    送給するコイルフィーダ(14)とを同期して連動運転し、
    前記スライド(2) を上限位置(U) から下降させて前記供
    給されたコイル材(15)の打ち抜き加工を行い、この打ち
    抜き後にスライド(2) を上限位置(U)まで上昇させて直
    ちに下降させ、この加工を連続して行う油圧プレスの上
    限位置設定装置において、 プレスデータの内で少なくとも、下限位置データ、上限
    位置データ、スライド速度、スライド(2) の加速時に所
    定速度に達する加速距離データ、減速時に所定速度から
    停止するまでに要する減速距離データ、及び非常停止時
    の惰走距離データを設定するプレスデータ設定手段(44)
    と、 スライド(2) の位置を検出するスライド位置検出手段(3
    3)と、 スライド(2) にかかる荷重を検出する荷重検出手段(34)
    と、 前記検出された荷重が増加開始するときのスライド位置
    をスライド位置検出手段(33)より入力し、この位置を前
    記コイル材(15)の上面位置(C) として記憶する荷重発生
    位置検出手段(41)と、 前記検出されたスライド位置の変化により、スライド
    (2) の上昇行程又は下降行程の判別を行う上昇/下降行
    程判別手段(37)と、 前記行程判別結果が上昇行程で、かつ、スライド(2) が
    前記記憶された上面位置(C) 近傍のときコイルフィーダ
    (14)に起動信号を出力する起動信号生成手段(38)と、 コイルフィーダ(14)からの送り完了信号を入力するフィ
    ーダ送り完入力手段(36)と、 打ち抜き完了後、スライド(2) が下限位置(L) から上昇
    して上限位置(U) に到達後直ちに下降して前記上面位置
    (C) に到達するまで連続して駆動するように、スライド
    (2) が下限位置(L) のときに、前記設定されたプレスデ
    ータと前記記憶された上面位置データに基づいて、上限
    位置(U) から下降して前記上面位置(C)より前記惰走距
    離(LBK) だけ上方のブレーキ位置(R) に到達する予定時
    刻、及び、フィーダ送り完入力手段(36)からの前記フィ
    ーダ送り完了信号を入力する予定時刻を算出し、この両
    予定時刻が等しくなるように、次回の上限位置(U) を演
    算する上限位置演算手段(39)と、 打ち抜き完了後、スライド(2) が前記設定されたスライ
    ド速度で前記演算された上限位置(U) を経由して前記上
    面位置(C) に到達するように、前記油圧シリンダを駆動
    する制御指令値を演算する出力演算手段(46)とを備えた
    ことを特徴とする油圧プレスの上限位置設定装置。
  2. 【請求項2】 油圧シリンダにより駆動されて所定速度
    で昇降するスライド(2) と、コイル材(15)を所定速度で
    送給するコイルフィーダ(14)とを同期して連動運転し、
    前記スライド(2) を上限位置(U) から下降させて前記供
    給されたコイル材(15)の打ち抜き加工を行い、この打ち
    抜き後にスライド(2) を上限位置(U)まで上昇させて直
    ちに下降させ、この加工を連続して行う油圧プレスの上
    限位置設定装置において、 プレスデータの内で少なくとも、下限位置データ、上限
    位置データ、スライド速度、スライド(2) の加速時に所
    定速度に達する加速距離データ、減速時に所定速度から
    停止するまでに要する減速距離データ、及び非常停止時
    の惰走距離データを設定するプレスデータ設定手段(44)
    と、 スライド(2) の位置を検出するスライド位置検出手段(3
    3)と、 スライド(2) にかかる荷重を検出する荷重検出手段(34)
    と、 前記検出された荷重が増加開始するときのスライド位置
    をスライド位置検出手段(33)より入力し、この位置を前
    記コイル材(15)の上面位置(C) として記憶する荷重発生
    位置検出手段(41)と、 前記検出されたスライド位置の変化により、スライド
    (2) の上昇行程又は下降行程の判別を行う上昇/下降行
    程判別手段(37)と、 前記行程判別結果が上昇行程で、かつ、スライド(2) が
    前記記憶された上面位置(C) 近傍のときコイルフィーダ
    (14)に起動信号を出力する起動信号生成手段(38)と、 コイルフィーダ(14)からの送り完了信号を入力するフィ
    ーダ送り完入力手段(36)と、 前記行程判別結果が上昇行程で、かつ、スライド(2) が
    前記上面位置(C) 近傍に来たとき、前記設定されたプレ
    スデータと前記上面位置データに基づいて、この上面位
    置(C) から上限位置(U) に到達後直ちに下降し、前記上
    面位置(C) より前記設定された惰走距離(LBK) だけ上方
    のブレーキ位置(R) に到達する予定時刻、及び、フィー
    ダ送り完入力手段(36)の前記フィーダ送り完了信号が入
    力される予定時刻を算出し、この両予定時刻が等しくな
    るように、次回の上限位置(U) を演算する上限位置演算
    手段(39)と、 打ち抜き完了後、スライド(2) が前記設定されたスライ
    ド速度で前記演算された上限位置(U) を経由して前記ブ
    レーキ位置(R) に到達するように、前記油圧シリンダを
    駆動する制御指令値を演算する出力演算手段(46)とを備
    えたことを特徴とする油圧プレスの上限位置設定装置。
  3. 【請求項3】 油圧シリンダにより駆動されて所定速度
    で昇降するスライド(2) と、コイル材(15)を所定速度で
    送給するコイルフィーダ(14)とを同期して連動運転し、
    前記スライド(2) を上限位置(U) から下降させて前記供
    給されたコイル材(15)の打ち抜き加工を行い、この打ち
    抜き後にスライド(2) を上限位置(U)まで上昇させて直
    ちに下降させ、この加工を連続して行う油圧プレスの上
    限位置設定装置において、 プレスデータの内で少なくとも、下限位置データ、上限
    位置データ、スライド速度、スライド(2) の加速時に所
    定速度に達する加速距離データ、減速時に所定速度から
    停止するまでに要する減速距離データ、及び非常停止時
    の惰走距離データを設定するプレスデータ設定手段(44)
    と、 スライド(2) の位置を検出するスライド位置検出手段(3
    3)と、 スライド(2) にかかる荷重を検出する荷重検出手段(34)
    と、 前記検出された荷重が増加開始するときのスライド位置
    をスライド位置検出手段(33)より入力し、この位置を前
    記コイル材(15)の上面位置(C) として記憶する荷重発生
    位置検出手段(41)と、 前記検出されたスライド位置の変化により、スライド
    (2) の上昇行程又は下降行程の判別を行う上昇/下降行
    程判別手段(37)と、 前記行程判別結果が上昇行程で、かつ、スライド(2) が
    前記記憶された上面位置(C) 近傍のときコイルフィーダ
    (14)に起動信号を出力する起動信号生成手段(38)と、 コイルフィーダ(14)からの送り完了信号を入力するフィ
    ーダ送り完入力手段(36)と、 スライド(2) が前記上限位置(U) に到着後直ちに下降
    し、フィーダ送り完入力手段(36)からの前記フィーダ送
    り完了信号を入力したときのスライド位置(Q) のデータ
    をスライド位置検出手段(33)から入力し、このスライド
    位置(Q) が前記上面位置(C) より前記設定された惰走距
    離(LBK) だけ上方のブレーキ位置(R) より上方のとき
    に、このスライド位置(Q) 及びブレーキ位置(R) 間の距
    離の半分だけ現在の上限位置データから減算して次回の
    上限位置(U) を演算する上限位置演算手段(39)と、 打ち抜き完了後、スライド(2) が前記設定されたスライ
    ド速度で前記演算された上限位置(U) を経由して前記ブ
    レーキ位置(R) に到達するように、前記油圧シリンダを
    駆動する制御指令値を演算する出力演算手段(46)とを備
    えたことを特徴とする油圧プレスの上限位置設定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか記載の油圧プレ
    スの上限位置設定装置において、 スライド2が前記ブレーキ位置(R) に到達したときに、
    前記フィーダ送り完了信号を入力してない場合には、非
    常停止指令を出力する起動/停止判断手段(45)を付設し
    たことを特徴とする油圧プレスの上限位置設定装置。
  5. 【請求項5】 油圧シリンダにより駆動されて所定速度
    で昇降するスライド(2) と、コイル材(15)を所定速度で
    送給するコイルフィーダ(14)とを同期して連動運転し、
    前記スライド(2) を上限位置(U) から下降させて前記供
    給されたコイル材(15)の打ち抜き加工を行い、この打ち
    抜き後にスライド(2) を上限位置(U)まで上昇させて直
    ちに下降させ、この加工を連続して行う油圧プレスの上
    限位置設定方法において、 予め、プレスデータの内で少なくとも、下限位置デー
    タ、上限位置データ、スライド速度、スライド(2) の加
    速時に所定速度に達する加速距離データ、減速時に所定
    速度から停止するまでに要する減速距離データ、及び非
    常停止時の惰走距離データを設定しておき、打ち抜き加
    工時に、下降中にスライド(2) にかかる荷重が増加開始
    するときのスライド位置を前記コイル材(15)の上面位置
    (C) として記憶し、打ち抜き完了後、スライド(2) が下
    限位置(L) のときに、予め設定された前記プレスデータ
    と前記記憶した上面位置データとに基づいて、上限位置
    (U)に到達後直ちに下降して前記上面位置(C) より惰走
    距離(LBK) だけ上方のブレーキ位置(R) に到達する予定
    時刻、及び、スライド(2) が上昇中で、かつ、前記上面
    位置(C) 近傍のときコイルフィーダ(14)に起動信号を出
    力した後コイルフィーダ(14)が送りを完了する予定時刻
    を算出し、この両予定時刻が等しくなるように、次回の
    上限位置(U) を演算し、スライド(2) が下限位置(L) か
    ら上昇して前記演算した上限位置(U) に到達後直ちに下
    降して前記上面位置(C) に到達するまで連続して駆動さ
    れることを特徴とする油圧プレスの上限位置設定方法。
  6. 【請求項6】 油圧シリンダにより駆動されて所定速度
    で昇降するスライド(2) と、コイル材(15)を所定速度で
    送給するコイルフィーダ(14)とを同期して連動運転し、
    前記スライド(2) を上限位置(U) から下降させて前記供
    給されたコイル材(15)の打ち抜き加工を行い、この打ち
    抜き後にスライド(2) を上限位置(U)まで上昇させて直
    ちに下降させ、この加工を連続して行う油圧プレスの上
    限位置設定方法において、 予め、プレスデータの内で少なくとも、下限位置デー
    タ、上限位置データ、スライド速度、スライド(2) の加
    速時に所定速度に達する加速距離データ、減速時に所定
    速度から停止するまでに要する減速距離データ、及び非
    常停止時の惰走距離データを設定しておき、打ち抜き加
    工時に、下降中にスライド(2) にかかる荷重が増加開始
    するときのスライド位置を前記コイル材(15)の上面位置
    (C) として記憶し、打ち抜き完了後、スライド(2) が上
    昇中で、かつ、前記記憶された上面位置(C) 近傍に来た
    とき、前記設定されたプレスデータと前記上面位置デー
    タに基づいて、この上面位置(C) から上限位置(U) に到
    達後直ちに下降し、前記上面位置(C) より前記惰走距離
    (LBK) だけ上方のブレーキ位置(R) に到達する予定時
    刻、及び、コイルフィーダ(14)に起動信号を出力した後
    コイルフィーダ(14)が送りを完了する予定時刻を算出
    し、この両予定時刻が等しくなるように、次回の上限位
    置(U) を演算することを特徴とする油圧プレスの上限位
    置設定方法。
  7. 【請求項7】 油圧シリンダにより駆動されて所定速度
    で昇降するスライド(2) と、コイル材(15)を所定速度で
    送給するコイルフィーダ(14)とを同期して連動運転し、
    前記スライド(2) を上限位置(U) から下降させて前記供
    給されたコイル材(15)の打ち抜き加工を行い、この打ち
    抜き後にスライド(2) を上限位置(U)まで上昇させて直
    ちに下降させ、この加工を連続して行う油圧プレスの上
    限位置設定方法において、 予め、プレスデータの内で少なくとも、下限位置デー
    タ、上限位置データ、スライド速度、スライド(2) の加
    速時に所定速度に達する加速距離データ、減速時に所定
    速度から停止するまでに要する減速距離データ、及び非
    常停止時の惰走距離データを設定しておき、打ち抜き加
    工時に、下降中にスライド(2) にかかる荷重が増加開始
    するときのスライド位置を前記コイル材(15)の上面位置
    (C) として記憶し、打ち抜き完了後、スライド(2) が上
    昇して前記上限位置(U) に到着後直ちに下降し、コイル
    フィーダ(14)が送りを完了したときのスライド位置(Q)
    を検出し、このスライド位置(Q) が前記記憶した上面位
    置(C) より前記惰走距離(LBK) だけ上方のブレーキ位置
    (R) より上方のときに、このスライド位置(Q) 及びブレ
    ーキ位置(R) 間の距離の半分だけ現在の上限位置データ
    から減算して次回の上限位置(U) を演算することを特徴
    とする油圧プレスの上限位置設定方法。
JP4694297A 1997-02-17 1997-02-17 油圧プレスの上限位置設定装置及びその方法 Pending JPH10225732A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4694297A JPH10225732A (ja) 1997-02-17 1997-02-17 油圧プレスの上限位置設定装置及びその方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4694297A JPH10225732A (ja) 1997-02-17 1997-02-17 油圧プレスの上限位置設定装置及びその方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10225732A true JPH10225732A (ja) 1998-08-25

Family

ID=12761371

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4694297A Pending JPH10225732A (ja) 1997-02-17 1997-02-17 油圧プレスの上限位置設定装置及びその方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10225732A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001198632A (ja) * 2000-01-11 2001-07-24 Murata Mach Ltd パンチプレス
EP1279447A2 (en) * 2001-07-27 2003-01-29 Murata Kikai Kabushiki Kaisha Punch press
CN103341497A (zh) * 2013-05-28 2013-10-09 内蒙古包钢钢联股份有限公司 地下卷取机快速要钢系统及其快速要钢方法
JP2014226669A (ja) * 2013-05-17 2014-12-08 トヨタ車体株式会社 多段プレス装置
CN111745068A (zh) * 2020-07-23 2020-10-09 和和机械(张家港)有限公司 一种管端成型机中的换模装置
CN113319214A (zh) * 2021-07-29 2021-08-31 四川和乐门业有限公司 一种门框在线冲孔自动化产线及门框加工工艺

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001198632A (ja) * 2000-01-11 2001-07-24 Murata Mach Ltd パンチプレス
EP1279447A2 (en) * 2001-07-27 2003-01-29 Murata Kikai Kabushiki Kaisha Punch press
EP1279447A3 (en) * 2001-07-27 2004-05-06 Murata Kikai Kabushiki Kaisha Punch press
JP2014226669A (ja) * 2013-05-17 2014-12-08 トヨタ車体株式会社 多段プレス装置
CN103341497A (zh) * 2013-05-28 2013-10-09 内蒙古包钢钢联股份有限公司 地下卷取机快速要钢系统及其快速要钢方法
CN103341497B (zh) * 2013-05-28 2015-11-18 内蒙古包钢钢联股份有限公司 地下卷取机快速要钢系统及其快速要钢方法
CN111745068A (zh) * 2020-07-23 2020-10-09 和和机械(张家港)有限公司 一种管端成型机中的换模装置
CN113319214A (zh) * 2021-07-29 2021-08-31 四川和乐门业有限公司 一种门框在线冲孔自动化产线及门框加工工艺
CN113319214B (zh) * 2021-07-29 2022-11-11 四川和乐门业有限公司 一种门框在线冲孔自动化产线及门框加工工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7331208B2 (en) Die cushion controller
JP3685615B2 (ja) 直動型プレスの振動成形方法
CN109210030B (zh) 适用于模压成型工艺的液压机调平系统
US5085294A (en) Elevator control apparatus
JPH10225732A (ja) 油圧プレスの上限位置設定装置及びその方法
JPH10277791A (ja) 複数ポイントサーボプレスの制御装置
CN109482701B (zh) 褶皱产生检测装置、模具缓冲装置、模具保护装置及其方法
JP3818748B2 (ja) サーボプレスの起動位置設定装置及びその方法
JP3789211B2 (ja) サーボプレスの上限位置設定装置及びその方法
JP3815861B2 (ja) サーボプレスの周辺機器制御装置及びその方法
JP3690792B2 (ja) 機械プレスの制御装置
JPH10225733A (ja) 油圧プレスの起動位置設定装置及びその方法
US20180290198A1 (en) Operation control device and operation control method for press line
US7685860B2 (en) Control device for press machine
JP3791995B2 (ja) 直動型プレスの絞り成形加工制御装置及びその方法
JPH10225731A (ja) 油圧プレスの周辺機器制御装置及びその方法
JP4712475B2 (ja) ダイクッション機構並びにその制御装置及び制御方法
JP5007798B2 (ja) プレス機械のダイクッション装置及びダイクッションの動作制御方法
JP4837928B2 (ja) コイルライン装置及びその制御方法
JP5445173B2 (ja) アクティブダンパーの制御装置及び制御方法
JPH10193199A (ja) 直動型プレスの金型保護装置及びその方法
JPH07164091A (ja) 油圧サーボ制御式ボトムノックアウト装置
JPH1133798A (ja) サーボプレスの成形条件設定装置及びその設定方法
CN113071139B (zh) 一种基于机械压力机的伺服拉伸垫的控制方法及控制系统
KR100483871B1 (ko) 직동형프레스의타이밍신호제어장치및그방법