JP2015122347A - 太陽電池およびその製造方法、太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池およびその製造方法、太陽電池モジュール Download PDF

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裕介 白柳
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勝俊 菅原
達郎 綿引
Tatsuro Watahiki
達郎 綿引
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Takehiko Sato
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Abstract

【課題】構造の自由度および光電変換効率に優れた太陽電池を得ること。
【解決手段】第1導電型の結晶系半導体基板と、第1導電型の第1半導体層と第1電極とが前記結晶系半導体基板における受光面と反対側の裏面上の一部にこの順で積層された第1導電型接合領域と、第2導電型の第2半導体層と第2電極とが前記結晶系半導体基板の裏面上の前記第1導電型接合領域と異なる領域にこの順で形成された第2導電型接合領域と、を備え、前記第1導電型接合領域または前記第2導電型接合領域における前記結晶系半導体基板の裏面にテクスチャー構造が形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、太陽電池およびその製造方法、太陽電池モジュールに関する。
太陽光発電装置(太陽電池)において、太陽光をより効率良く吸収させるためには、受光面から照射される光をできる限りロスなく基板内部で吸収することが不可欠である。このためには、太陽電池の受光面側に受光面側電極が形成されていない構造であることが効果的である。このような構造の太陽電池は、一般的に、受光面に電極を有しない裏面接合型太陽電池(裏面電極型太陽電池とも呼ばれる)であり、受光面と反対側(裏面側)にpn接合が形成されている。受光面側電極を有しないことにより、受光面における電極によるシャドーロスが無くなり、シリコン基板の受光面と裏面とにそれぞれ電極を有する太陽電池に比べて高い出力を得ることが可能になる。
裏面接合型太陽電池を作製する場合には、p型不純物拡散層領域とn型不純物拡散層領域とをシリコン基板の一主面上に形成する必要がある。このため、製造工程においてp型不純物拡散層領域とn型不純物拡散層領域との分離が必要となる。p型不純物拡散層領域とn型不純物拡散層領域とを分離する方法として、たとえばフォトリソグラフィ工程またはエッチングペーストによる印刷パターニングが利用されている。フォトリソグラフィ工程は、パターニング精度が高いという利点があるが、製造にかかるコストが高く、タクトタイムが長いという欠点がある。また、エッチングペーストによる印刷パターニング工程は、タクトタイムが短く、コストが安いという利点があるが、エッチングペーストのにじみが発生するため、パターニング精度が悪くなるといった欠点がある。
一方、太陽電池に照射される太陽光の表面反射を極力小さくするために、シリコン基板の表面にテクスチャーが形成されている。テクスチャーとは、シリコン基板の表面に形成される微小凹凸の総称である。テクスチャーは、たとえば高温の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液などのアルカリ水溶液に、イソプロピルアルコール(IPA)などの添加剤を加えたエッチング液を用いて、シリコン基板をエッチングすることによって形成される。シリコン基板の両面に電極が形成されている一般的な両面接合型太陽電池では、シリコン基板の両面にテクスチャーが形成されている。一方、裏面接合型太陽電池では、パターニングにおけるアライメントの明暗を明確にする必要があるため、シリコン基板の裏面をフラット(100)面にして実施している。
上述したように裏面接合型太陽電池の製造工程においては、n型不純物拡散層領域とp型不純物拡散層領域とで裏面の拡散層および電極部を分離する必要があるため、パターニングして各領域をエッチングする必要がある。このパターニングにおいて正確なアライメントを実施するためには、フォトリソグラフィによるパターニングを実施する必要があるが、処理工程の簡略化および低コスト化を実施するために、たとえば特許文献1で示されるエッチングペーストを利用したパターニング工程が利用される。
特許文献1では、シリコン基板の一主面上に第1導電型不純物層とマスクとがこの順で形成され、アルカリ系のエッチングペーストがマスク層上に塗布され、加熱処理が行われる。これにより、シリコン基板の一部領域を露出させるようにマスク層と第1導電型不純物層とがエッチング除去される。その後、露出されたシリコン基板の一部領域に第2導電型不純物層が形成され、マスク層が除去される。
エッチングペーストによりシリコン薄膜をエッチングする場合は、特許文献1で示される水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)などのアルカリ水溶液にIPAなどの有機溶剤を混合したものが一般的に使用される。
特開2009−21494号公報 特開2008−311291号公報
しかし、これらのエッチングペーストは、エッチング時に異方性エッチングが進みやすい。このため、エッチング後に露出されたシリコン表面の(100)面の平坦性が低下する。この場合には、(100)面の表面粗さの増加により、その上に成膜されるシリコン膜の成長過程に悪影響が及び、シリコン膜の膜質および界面パッシベーションの効果が低下し、光電変換効率が低下する。なお、テクスチャー形成時に用いるアルカリ溶液にIPAなどの添加剤を含ませるが、エッチングペーストでの処理は、薬液処理と比較して、エッチング反応に利用される塗布量が大幅に少ないため、(111)面を有する三角ピラミッドはほとんど形成されない。
また、特許文献2では、シリコン基板上に形成されたシリコン酸化膜およびシリコン窒化膜をエッチングする方法として、リン酸系のエッチングペーストを塗布し、加熱処理を行っている。この場合、下地の膜をエッチングした後にシリコン界面にエッチングペーストが接着した場合、シリコン表面の(100)面の平坦性が低下する。
一方で、裏面接合型太陽電池の更なる光電変換効率の向上のために、銀(Ag)ペーストを用いた電極よりも下層とのコンタクト抵抗を下げることができる銅(Cu)によるめっき処理により形成されるめっき電極を用いることが検討されている。しかし、めっき電極を形成する場合には、電極とその下層との密着力を向上させるために、電極形成面の表面積を広くする必要があり、裏面接合型太陽電池の構造が制限される。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、構造の自由度および光電変換効率に優れた太陽電池を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる太陽電池は、第1導電型の結晶系半導体基板と、第1導電型の第1半導体層と第1電極とが前記結晶系半導体基板における受光面と反対側の裏面上の一部にこの順で積層された第1導電型接合領域と、第2導電型の第2半導体層と第2電極とが前記結晶系半導体基板の裏面上の前記第1導電型接合領域と異なる領域にこの順で形成された第2導電型接合領域と、を備え、前記第1導電型接合領域または前記第2導電型接合領域における前記結晶系半導体基板の裏面にテクスチャー構造が形成されていること、を特徴とする。
本発明によれば、構造の自由度および光電変換効率に優れた太陽電池が得られるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の裏面構造を模式的に示す平面図である。 図2は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の断面構造を模式的に示す図であり、図1の線分A−Aにおける要部断面図である。 図3は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法を説明するためのフローチャートである。 図4は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法を説明するための断面図である。 図5は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法を説明するための断面図である。 図6は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法を説明するための断面図である。 図7は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法を説明するための断面図である。 図8は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法を説明するための断面図である。 図9は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法を説明するための断面図である。 図10は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法を説明するための断面図である。 図11は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法を説明するための断面図である。 図12は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法を説明するための断面図である。 図13は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法を説明するための断面図である。 図14は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法を説明するための断面図である。 図15は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法を説明するための断面図である。 図16は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法を説明するための断面図である。 図17は、n型半導体接合領域のパターニングに用いられるパターニングマスクの設計図である。 図18は、テクスチャー形成ウェットエッチング後のn型半導体基板における裏面の表面形状を走査型電子顕微鏡で評価した結果を示す画像である。 図19は、p型半導体接合領域のパターニングに用いられるパターニングマスクの設計図である。 図20は、透明導電膜のパターニングに用いられるパターニングマスクの設計図である。 図21は、p型電極およびn型電極のパターニングに用いられるパターニングマスクの設計図である。 図22は、実施例および比較例の裏面接合型太陽電池セルについてセル構造および特性値を示す図である。 図23は、本発明の実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法を説明するための断面図である。 図24は、本発明の実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法を説明するための断面図である。 図25は、本発明の実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法を説明するための断面図である。 図26は、本発明の実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法を説明するための断面図である。 図27は、本発明の実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法を説明するための断面図である。
以下に、本発明にかかる太陽電池およびその製造方法、太陽電池モジュールの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。また、平面図であっても、図面を見易くするためにハッチングを付す場合がある。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる裏面接合型太陽電池(以下、太陽電池と呼ぶ場合がある)の裏面構造を模式的に示す平面図である。図2は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の断面構造を模式的に示す図であり、図1の線分A−Aにおける要部断面図である。
実施の形態1にかかる太陽電池は、第1導電型の結晶系半導体基板であるn型半導体基板1を有する。n型半導体基板1の受光面側の面には、微細凹凸からなるテクスチャー2が形成されている。テクスチャー2上には、真性のシリコン系薄膜3、n型シリコン系薄膜4および反射防止膜5がこの順で積層されている。
n型半導体基板1の受光面と反対の面(裏面)側には、n型半導体基板1と反対の導電型(p型)を有するp型半導体接合領域21と、n型半導体基板1と同じ導電型(n型)を有するn型半導体接合領域22とがそれぞれ櫛形形状に形成されている。n型半導体接合領域22は、n型半導体基板1の裏面にテクスチャー10からなるテクスチャー構造が形成された領域(テクスチャー領域)である。テクスチャー10は、高さが0.7μm〜18.0μmで、底辺長が1μm〜30μmサイズの多数のマイクロピラミッドで構成される。マイクロピラミッドは、シリコンの(111)面を主として形成される三角ピラミッドである。そして、n型半導体接合領域22のn型半導体基板1の裏面の表面粗さは、たとえば0.3nm程度である。
p型半導体接合領域21は、n型半導体基板1の裏面においてn型半導体接合領域22が形成されていない領域に設けられている。そして、n型半導体基板1の裏面において、p型半導体接合領域21とn型半導体接合領域22とは、櫛形形状においてそれぞれ櫛歯に相当する部分が1本ずつ交互に噛み合わさるように配置されている。すなわち、p型半導体接合領域21の櫛形形状において櫛歯に相当する領域の1本1本と、n型半導体接合領域22の櫛形形状において櫛歯に相当する領域の1本1本とが1本ずつ交互に噛み合わさるように配置されている。
p型半導体接合領域21では、n型半導体基板1の裏面に真性の半導体層である真性のシリコン系薄膜6(i層)とp型半導体層であるp型シリコン系薄膜7とがこの順で形成されており、真性のシリコン系薄膜6を介してn型半導体基板1とp型シリコン系薄膜7とがpn接合を形成する。真性のシリコン系薄膜6は、n型半導体基板1とp型シリコン系薄膜7との界面の不純物プロファイルを急峻なものに制御するために設けられる。ただし、真性のシリコン系薄膜6の形成は必ずしも必須ではない。
p型シリコン系薄膜7上には、透光性を有する透明導電層である透明導電膜13が形成されている。透明導電膜13上には、発電された電力をp型シリコン系薄膜7から集電して外部に取り出すためのp型電極14がp型半導体接合領域21と同様の櫛形形状に形成されている。この透明導電膜13は、p型シリコン系薄膜7とp型電極14とのコンタクト抵抗の改善のために設けられる。ただし、この透明導電膜13の形成は必ずしも必須ではない。
n型半導体接合領域22では、n型半導体基板1の裏面におけるテクスチャー領域上に、真性の半導体層である真性のシリコン系薄膜11(i層)とn型半導体層であるn型シリコン系薄膜12とがこの順で形成されている。n型シリコン系薄膜12は、n型半導体基板1よりもn型のドーパント(例えばリン(P))を高濃度に含有する。真性のシリコン系薄膜11は、n型半導体基板1とn型シリコン系薄膜12との界面の不純物プロファイルを急峻なものに制御するために設けられる。したがって、真性のシリコン系薄膜11の形成は必ずしも必須ではない。
n型シリコン系薄膜12上には、透明導電膜13が形成されている。透明導電膜13上には、発電された電力をn型シリコン系薄膜12から集電して外部に取り出すためのn型電極15がn型半導体接合領域22と同様の櫛形形状に形成されている。この透明導電膜13は、n型シリコン系薄膜12とn型電極15とのコンタクト抵抗の改善のために設けられる。したがって、この透明導電膜13の形成は必ずしも必須ではない。
また、p型半導体接合領域21とn型半導体接合領域22との間には、n型半導体基板1の裏面上に、真性のシリコン系薄膜6、p型シリコン系薄膜7、シリコン窒化膜もしくはシリコン酸化膜からなる犠牲層8、真性のシリコン系薄膜11およびn型シリコン系薄膜12が積層されており、p型半導体接合領域21とn型半導体接合領域22との間が電気的に分離されている。犠牲層8は、p型半導体接合領域21とn型半導体接合領域22とを電気的に分離するほか、太陽電池の製造工程においてマスクとして機能。
この太陽電池においては反射防止膜5側が受光面とされ、太陽光が入射される。この太陽電池は、p型電極14およびn型電極15が、太陽電池の裏面側にのみ配されたヘテロ構造の裏面接合型太陽電池である。これにより、実施の形態1にかかる太陽電池は、受光面側のシャドーロスを抑制して光電変換効率の向上が図られている。
n型半導体基板1は、例えばn型のドーパント(例えばP)がドープされることでn型の導電型を呈する結晶系シリコン基板である。結晶系シリコン基板には、単結晶シリコン基板および多結晶シリコン基板を含むが、本実施の形態では特に基板の面方位として(100)面を表面上に形成している単結晶のシリコン基板を用いた例を示す。
真性のシリコン系薄膜3とn型シリコン系薄膜4との積層構造は、n型半導体基板1の受光面を被覆して形成されており、n型半導体基板1の受光面側の基板表面におけるキャリア再結合を抑制する表面パッシベーション層として働く。このような積層構造を形成することで、n型半導体基板1へのパッベーション効果が得られ、開放電圧や短絡電流密度が向上するという効果が得られる。
反射防止膜5は、n型シリコン系薄膜4を被覆して形成されており、受光面側から太陽電池に入射する光の反射損失の低減を目的として設けられる層である。また、反射防止膜5は、n型半導体基板1の保護層としての機能も有する。
実施の形態1にかかる太陽電池では、n型半導体接合領域22におけるテクスチャー10が設けられたn型半導体基板1の裏面上に真性のシリコン系薄膜11とn型シリコン系薄膜12とが形成されている。テクスチャー10は、シリコンの(111)面を主として形成される多数のマイクロピラミッドにより構成される。すなわち、n型半導体接合領域22において真性のシリコン系薄膜11が形成されるn型半導体基板1の裏面は、(100)面とは異なる面ではあるが、異なる結晶面が不均一に形成されている界面ではなく、平坦性の低下の影響を受けていない(111)面が形成されているテクスチャー面とされる。
このように、真性のシリコン系薄膜11が形成されるn型半導体基板1の裏面を、(100)面ではなく、(111)面を主として形成されるマイクロピラミッドにより構成されるテクスチャー面とすることにより、n型半導体基板1の裏面と真性のシリコン系薄膜11との界面の平坦性の低下の影響を抑制することができる。
該界面に平坦性が低下している(100)面が形成されている場合は、(100)面とは異なる結晶面が不均一に形成されるため、該界面上に形成される膜の品質が低下する。
上記のように構成された実施の形態1にかかる太陽電池では、平坦性の低下の影響を受けていない(111)面にシリコン薄膜によるパッシベーション膜を形成することにより、低品質のシリコン薄膜のエピタキシャル成長を抑制してパッシベーション効果を向上させるとともに、界面欠陥密度の低いシリコン薄膜を成膜することができ、太陽電池特性における開放電圧Vocを向上させることができる。したがって、n型半導体基板1の裏面と真性のシリコン系薄膜11との界面の平坦性の低下の影響を抑制することができる。
また、実施の形態1にかかる太陽電池では、テクスチャー10が形成されることにより、めっき電極であるn型電極15が形成されるn型シリコン系薄膜12の表面もテクスチャー10の形状に沿った凹凸形状とされる。これにより、n型シリコン系薄膜12の表面積が増大し、n型シリコン系薄膜12とn型電極15との密着性を向上させることができる。めっき電極の密着性の向上は、電極と下地の膜とのコンタクト抵抗の低減に寄与する。特に狭い面積での表面積の増大は、コンタクト抵抗の低減に効果的に寄与する。
また、実施の形態1にかかる太陽電池では、n型電極15が形成されるn型シリコン系薄膜12の表面積が増大するため、太陽電池の面方向における電極形成領域の表面積を広くすることなく、n型シリコン系薄膜12とn型電極15との密着力を向上させて、n型シリコン系薄膜12とn型電極15との間のコンタクト抵抗を低減できる。
したがって、実施の形態1にかかる太陽電池によれば、構造の自由度および光電変換効率に優れた太陽電池が実現されている。
つぎに、このような実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法の一例について図3、図4〜図16を参照して説明する。図3は、実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法を説明するためのフローチャートである。図4〜図16は、実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法を説明するための断面図である。
まず、結晶系半導体基板を用意する。結晶系半導体基板はたとえばn型単結晶シリコンあるいはn型多結晶シリコン、またはp型単結晶シリコンあるいはp型多結晶シリコンから任意に選ぶことができるが、本実施の形態ではn型ドーパント原子としてリン(P)を所定の濃度で含有する単結晶シリコン基板からなるn型半導体基板1を用いた例を示す(図4)。n型半導体基板1の形状および大きさは特に限定はされないが、厚さはたとえば80μm〜400μmが好ましい。n型半導体基板1の表面形状は、例えば1辺の長さが90mm〜160mmの四角形状が好ましい。
また、n型半導体基板1としては、特に、基板表面の面方位として(100)面が表面上に形成されている単結晶シリコン基板が好ましい。n型半導体基板1がインゴットからスライスされたままのものであれば、スライス時のダメージを除去する工程や不純物除去のためのゲッタリング工程などをあらかじめ実施しておくことが好ましい。ここで、n型半導体基板1のスライスダメージの除去では、例えば、フッ化水素水溶液(HF)と硝酸(HNO)との混酸またはNaOHなどのアルカリ水溶液でエッチングすることなどにより行うことができる。
つぎに、n型半導体基板1の一面側の表面に、微細凹凸からなるテクスチャー2を形成する(図5、ステップS101)。本実施の形態では、n型半導体基板1における片面のみにテクスチャー2を形成する。n型半導体基板1においてテクスチャー2が形成された面は、最終的に太陽電池が完成した際には受光面になる。以下、n型半導体基板1においてテクスチャー2が形成された面を受光面と呼ぶ場合がある。そして、n型半導体基板1の他面側の表面は、平坦なフラット面とされる。このフラット面は、最終的に太陽電池が完成した際には受光面と反対側の裏面になる。以下に、n型半導体基板1の受光面側の表面のみにテクスチャー2を形成する工程を示す。
たとえば基板の面方位が(100)の単結晶シリコン基板を用いる場合には、アルカリ溶液による異方性エッチングによりピラミッド形状のテクスチャー2を形成することができる。また、多結晶シリコン基板を用いた場合は、混酸や反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)などの方法によりテクスチャー2を形成することができる。
まず、n型半導体基板1においてテクスチャー2を形成しない面にあらかじめアルカリ耐性の高い保護膜を形成しておく。アルカリ耐性の高い保護膜としては、たとえば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層膜などを成膜する。一方で、酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物を保護膜として利用してもよい。
保護膜は、たとえば、熱酸化法、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法またはスパッタリング法などの方法によって形成することができる。なお、保護膜の厚さは、ウェットエッチング処理によって保護膜中に薬液が浸透してn型半導体基板1の表面がエッチングされることを抑制することができる80nm〜800nmが好ましい。
つぎに、n型半導体基板1の受光面側の面のみにテクスチャー構造を形成する工程を行う。すなわち、エッチング液が貯留されたエッチング槽の中にn型半導体基板1を浸漬させることにより、n型半導体基板1の表面のウェットエッチング処理を行う。ウェットエッチング処理後には、n型半導体基板1の受光面側の表面に底辺長1μm〜30μmサイズの多数のマイクロピラミッドで形成されるテクスチャー2がランダムに形成される。
上記ウェットエッチング処理で利用するエッチング液は、NaOH、KOH、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)などの強アルカリ試薬を溶解したものに、IPAなどのアルコール系添加剤、界面活性剤もしくはオルソケイ酸ナトリウムなどのケイ酸塩化合物を添加して調製されている。エッチング温度は40℃〜100℃が好ましく、エッチング時間は、10分〜60分が好ましい。
つぎに、保護膜をエッチング除去する工程を実施する。すなわち、受光面側の表面にテクスチャー2が形成されたn型半導体基板1を、HFもしくはフッ化アンモニウム(NHF)を含むエッチング液に浸漬する。なお、HFの濃度が高いほど、保護膜のエッチングが進む。たとえば、保護膜の酸耐性にもよるが、HF濃度は2%以上が好ましい。
つぎに、保護膜をエッチング除去したn型半導体基板1の裏面(テクスチャー2が形成されていない面)のシリコン表面を洗浄するために、以下の第1工程と第2工程とを行う。第1工程では、濃硫酸と過酸化水素水とを含む洗浄液にn型半導体基板1を浸漬させてn型半導体基板1表面上に酸化膜を形成した後、フッ酸溶液中でn型半導体基板1上の酸化膜を除去する。第2工程では、塩酸と過酸化水素水を含む洗浄液にn型半導体基板1を浸漬させてn型半導体基板1表面上に酸化膜を形成した後、フッ酸溶液中でn型半導体基板1上の酸化膜を除去する。第1工程と第2工程とは、n型半導体基板1表面上の有機汚染、金属汚染、パーティクルによる汚染が十分に低減されるまで繰り返し行う。また、オゾン水による洗浄、炭酸水による洗浄などの機能水による洗浄を行ってもよい。以上の工程を、受光面側の片面のみのテクスチャー処理工程として利用する。
つぎに、テクスチャー2が形成されたn型半導体基板1の受光面側に真性のシリコン系薄膜3を成膜する(図6、ステップS102)。真性のシリコン系薄膜3の形成では、たとえばプラズマCVD法により、シリコンと水素とによって形成された真性の非晶質シリコン薄膜(a−Si:H(i))を成膜する。上記のシリコン薄膜の形成には、SiHガスとHガスとを利用しているが、CH、CO、NH、GeH等のガスを混合することで合金化によるバンドギャップを変更してシリコン薄膜を成膜してもよい。また、導電率、バンドギャップ、結晶化率などの物性値の異なるシリコン薄膜を単層もしくは複数層だけさらに積層させてもよい。真性のシリコン系薄膜3の膜厚は、1nm〜10nmである。
つぎに、ドーピングガスとしてPH等を用いて、たとえばプラズマCVD法によりn型シリコン系薄膜4をn型半導体基板1の受光面側に成膜する(図6、ステップS102)。特に、n型シリコン系薄膜4には、n型非晶質シリコン系薄膜(a−Si(n))を用いる。n型半導体基板1の受光面側においては、n型半導体基板1と同導電型の高ドーピング層を成膜することにより、表面電界効果(Front Surface Field)を得ることができ、この表面電界効果によって、キャリアの表面再結合を抑制できる。なお、n型半導体基板1の代わりにp型半導体基板を用いる場合には、高ドーピング層としてp型薄膜を受光面側に成膜する。
つぎに、n型半導体基板1の裏面側に真性のシリコン系薄膜6を成膜する(図6、ステップS103)。真性のシリコン系薄膜6の形成では、たとえばプラズマCVD法により、シリコンと水素とによって形成された真性の非晶質シリコン薄膜(a−Si:H(i))を成膜する。上記のシリコン薄膜の形成には、SiHガスとHガスとを利用しているが、CH、CO、NH、GeH等のガスを混合することで合金化によるバンドギャップを変更してシリコン薄膜を成膜してもよい。また、導電率、バンドギャップ、結晶化率などの物性値の異なるシリコン薄膜を単層もしくは複数層だけさらに積層させてもよい。真性のシリコン系薄膜6の膜厚は、1nm〜10nmである。
つぎに、ドーピングガスとしてB等を用いて、プラズマCVD法によりp型シリコン系薄膜7をn型半導体基板1の裏面側に成膜する(図6、ステップS103)。特に、p型シリコン系薄膜7には、p型非晶質シリコン系薄膜(a−Si(p))を用いる。p型シリコン系薄膜7の膜厚は、10nm〜40nmである。
つぎに、n型半導体基板1の受光面側に、反射防止膜5を成膜する(図6、ステップS104)。反射防止膜5には、たとえば、酸化インジウム膜が透明導電膜として用いられる。酸化インジウム以外の透明導電膜の材料としては、錫を5%〜10%ドープした酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛、酸化錫などを用いることができる。反射防止膜5の形成方法は、主にスパッタリング成膜やイオンプレーティング蒸着法、電子ビーム蒸着法などが挙げられる。反射防止膜5の成膜時に用いるプロセスガスには、Arガスを主体として、O、H、水蒸気、Nなどが適宜添加される。反射防止膜5には、シリコンにおける光吸収がある波長域全体において、できるだけ光吸収の少ない材料を用いることが好ましい。
一方で、反射防止膜5として、シリコン酸化膜もしくはシリコン窒化膜を用いてもよい。シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜は、HF耐性およびアルカリ耐性が高い緻密な膜であることが好ましい。シリコン窒化膜は、スパッタリング法もしくはプラズマCVD法により形成できる。ただし、すでに形成されているn型シリコン系薄膜4およびp型シリコン系薄膜7からの水素抜けなどの影響による特性低下を引き起こさない200℃〜300℃の温度で成膜する必要がある。
反射防止膜5の膜厚は、80nm〜150nmであることが好ましい。さらに、波長700nmの光の屈折率が1.6〜2.1であることが好ましい。なお、反射防止膜5が、シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜などのようにパッシベーション効果と反射防止効果とを持ち合わせた膜であれば、n型半導体基板1の受光面側に形成されている真性のシリコン系薄膜3とn型シリコン系薄膜4との積層膜が無くても構わない。
つぎに、n型半導体基板1の裏面側に成膜されているp型シリコン系薄膜7上にシリコン薄膜のパターニングを実施するための犠牲層8を成膜する(図6、ステップS105)。犠牲層8としては、シリコン窒化膜もしくはシリコン酸化膜を利用する。シリコン窒化膜およびシリコン酸化膜は、スパッタリング法もしくはプラズマCVD法により形成できる。ただし、すでに形成されているn型シリコン系薄膜4およびp型シリコン系薄膜7からの水素抜けなどの影響による特性低下を引き起こさない200℃〜300℃の温度で成膜する必要がある。犠牲層8の膜厚は、80nm〜240nmであることが好ましい。
つぎに、n型半導体基板1の裏面側においてn型半導体接合領域22の領域をエッチングによりパターニングするパターニング工程を行う(ステップS106)。この工程では、エッチングペーストを用いて、犠牲層8、p型シリコン系薄膜7および真性のシリコン系薄膜6を、n型半導体接合領域22の形状でエッチングしてパターニングし、n型半導体接合領域22となる領域を画定する。
図17は、n型半導体接合領域22のパターニングに用いられるパターニングマスク31の設計図である。パターニングマスク31には、n型半導体基板1の裏面側におけるn型半導体接合領域22の形状にパターニングされた開口部32が設けられる。また、パターニングマスク31には、つぎのパターニング工程で利用するマスクに位置合わせするためのアライメントマークを形成するためのアライメントマーク用開口部33が、面方向の外周近傍に設けられる。なお、本実施の形態において用いられるマスクの開口部は、メッシュにより構成されている。
まず、n型半導体基板1の裏面側においてシリコン窒化膜もしくはシリコン酸化膜で構成されている犠牲層8上に、n型半導体接合領域22およびアライメントマークの形状にエッチングペースト34を塗布する。すなわち、パターニングマスク31の開口部32およびアライメントマーク用開口部33を介して、犠牲層8上にエッチングペースト34を塗布する(図7)。エッチングペースト34を塗布する工程は、たとえば、ディスペンサによる塗布、スクリーン印刷による塗布、インクジェットによる塗布などがある。
上記のエッチングペースト34は、たとえば犠牲層8をエッチングすることが可能なエッチング成分と、該エッチング成分以外の成分として、水、有機溶媒および増粘剤などを含むものを用いることができる。エッチング成分としては、たとえばリン酸、フッ化水素、フッ化アンモニウムおよびフッ化水素アンモニウムから選択された少なくとも1種を利用する。
つぎに、n型半導体基板1の裏面側においてエッチングペースト34が塗布された部分をエッチングするために加熱処理を行う。リン酸系のエッチング成分とフッ酸系のエッチング成分とでは、エッチングに要する加熱温度が異なる。リン酸系のエッチング成分では、加熱温度は100℃〜300℃が好ましく、加熱温度が高くなることで、犠牲層8のエッチング膜厚が増加する。特に、加熱温度を150℃〜300℃とすることにより、p型シリコン系薄膜7、真性のシリコン系薄膜6ならびにn型半導体基板1の裏面もエッチングされ、n型半導体接合領域22の領域が画定される。すなわち、n型半導体接合領域22では、n型半導体基板1の裏面のシリコン面が露出する。また、n型半導体基板1の裏面において、アライメントマーク用開口部33を介してエッチングペースト34が塗布されたp型シリコン系薄膜7の部分には、アライメントマーク用開口部33の形状にアライメントマークがエッチング形成される。
加熱温度が100℃未満の場合は、エッチングペースト34によるエッチング反応がほとんど進まない。ただし、p型シリコン系薄膜7に含まれるボロン濃度が1×1021atoms/cm以上である場合には、エッチングレートが遅くなる。このため、エッチングペースト34の塗布量の増量もしくは250℃以上の加熱処理がp型シリコン系薄膜7のエッチング時に必要となる。なお、フッ酸系では、常温でエッチング反応が進み、犠牲層8をエッチングすることができる。
加熱時間は2分〜20分が好ましい。より好ましくは5分〜10分である。加熱温度、犠牲層8の酸耐性および膜厚にもよるが、加熱時間が2分未満の場合には犠牲層8を完全にエッチングすることが困難である。加熱時間が20分より長い場合には、エッチングペースト34塗布後の時間が長くなるため、エッチングペースト34のにじみが広がりやすくなる。
つぎに、エッチングペースト34の除去のために、純水超音波洗浄を実施する(図8、ステップS107)。超音波洗浄機の周波数は、40kHz〜400kHzである。処理時間は、5分〜10分である。なお、エッチングペースト34によるエッチング時に、200℃以上の加熱処理を実施することで、エッチングペースト34が固化して超音波洗浄で完全に除去することが困難になる。完全にエッチングペースト34を除去するためには、NaOH、KOHなどのアルカリ溶液にn型半導体基板1を浸漬させることで、n型半導体基板1をエッチングして除去する必要がある。
上記エッチングペースト34でp型シリコン系薄膜7と真性のシリコン系薄膜6の積層膜までエッチングする場合、n型半導体基板1の裏面も同時にエッチングされ、n型半導体基板1の裏面の(100)面の平坦性が低下する。この場合、エッチングされたn型半導体基板1の裏面の表面粗さはたとえば1.5nm程度となる。さらに、エッチングペースト34によるエッチング処理ではシリコン系薄膜が均一にエッチングされないため、一部のシリコン系薄膜が残ることも懸念される。また、熱処理後にエッチングペースト34がn型半導体基板1の裏面に接着して、シリコン表面の(100)面の平坦性が低下することも懸念される。
そこで、本実施の形態では、エッチングペースト34によるエッチングでn型半導体接合領域22内に残存したシリコン系薄膜のエッチング、およびエッチングペースト34によりエッチングされたn型半導体接合領域22におけるn型半導体基板1の表面、すなわちn型半導体基板1の裏面の(100)面の平坦性の低下を抑制するために、n型半導体基板1の裏面のパターニング面、すなわちn型半導体接合領域22のシリコン面に対してテクスチャー形成ウェットエッチング処理を行う。テクスチャー形成ウェットエッチング処理によるn型半導体基板1の裏面のシリコンのエッチングの厚さ(深さ)は、2.0μm〜20.0μmである。このテクスチャー形成ウェットエッチング処理により、n型半導体接合領域22におけるn型半導体基板1のシリコン表面がエッチングされ、高さが0.7μm〜18.0μmで、底辺長が1μm〜30μmサイズのマイクロピラミッド((111)面を主として形成される三角ピラミッド)で構成されるテクスチャー10がn型半導体基板1の裏面におけるn型半導体接合領域22のシリコン面にランダムに形成される(図9、ステップS108)。マイクロピラミッドの高さが0.7μm未満の場合には、n型半導体接合領域22におけるn型半導体基板1の裏面の(100)面の平坦性の低下を抑制効果が十分に得られない。マイクロピラミッドの高さが18.0より大の場合には、マイクロピラミッドに起因してn型半導体接合領域22におけるn型半導体基板1の裏面の(100)面の平坦性が低下する。マイクロピラミッドの底辺長が1μm未満の場合には、n型半導体基板1の裏面に印刷する銀ペーストが溶剤等のにじみにより設計幅より広がりやすくなり、正確なパターニングが難しくなる。マイクロピラミッドの底辺長が30μmより大の場合には、底辺長に応じてテクスチャー高さも高くなるため、p型半導体接合領域21とn型半導体接合領域22との段差が広がり、段差面の成膜が不十分な領域が広がり、太陽電池の特性の低下につながる。
また、このテクスチャー形成ウェットエッチング処理により、エッチングペースト34によるエッチング後にn型半導体接合領域22内に残存した一部のシリコン系薄膜が除去される。また、このテクスチャー形成ウェットエッチング処理により、熱処理後にn型半導体基板1の裏面に接着したエッチングペースト34が除去される。そして、n型半導体接合領域22内のエッチングされたn型半導体基板1の裏面の表面粗さは、たとえば0.3nm程度となる。
上記テクスチャー形成ウェットエッチング処理で利用するエッチング液は、NaOH、KOH、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)などの強アルカリ試薬を溶解したものに、IPAなどのアルコール系添加剤、界面活性剤もしくはオルソケイ酸ナトリウムなどのケイ酸塩化合物を添加して調製されている。エッチング温度は40℃〜100℃が好ましく、エッチング時間は、10分〜30分が好ましい。
なお、n型半導体基板1の受光面に形成されている反射防止膜5およびn型半導体基板1の裏面に形成されている犠牲層8に対してのエッチングの影響を最小限にするために、エッチング量を低下させてテクスチャー10を形成させることが好ましい。すなわち、犠牲層8に対してのエッチング液のアルカリの影響を抑えるために、エッチング液におけるアルカリの濃度をテクスチャー2の形成時よりも薄くする、もしくは処理温度を下げる、等の処理で、犠牲層8に与えるアルカリの影響を抑えた状態でテクスチャー加工する必要がある。
図18は、テクスチャー形成ウェットエッチング後のn型半導体基板1における裏面の表面形状を走査型電子顕微鏡で評価した結果を示す画像である。図18においては、左上の領域および右下の領域は、開口されていない犠牲層8を示している。また、図18において、犠牲層8以外の領域であり凹凸形状が見られる領域は、n型半導体基板1の裏面におけるn型半導体接合領域22のパターニング面であり、テクスチャー10が形成されている。この走査型電子顕微鏡での評価により、底辺長が1〜30μmサイズのマイクロピラミッドで形成されるテクスチャー10が、n型半導体基板1の裏面のパターニング面(n型半導体接合領域22)にランダムに形成されていることが確認された。
n型半導体基板1の裏面におけるn型半導体接合領域22のパターニング面にテクスチャー10を形成することにより、後工程で形成されるn型シリコン系薄膜12の表面もテクスチャー10の形状に沿った凹凸形状とされる。これにより、n型シリコン系薄膜12の表面積が増大し、n型シリコン系薄膜12とn型電極15との密着性を向上させることができ、n型シリコン系薄膜12とn型電極15とのコンタクト抵抗を改善できる。特に、Cuのめっき電極に関しては、テクスチャー形成面はフラット面と比較して表面積が広くなるため、下地の膜と電極との間の界面の密着性がより向上する。
つぎに、シリコン系薄膜の成膜前の洗浄を実施するために、以下の第3工程と第4工程を行う。第3工程では、濃硫酸と過酸化水素水とを含む洗浄液にn型半導体基板1を浸漬させてn型半導体基板1表面上に酸化膜を形成した後、フッ酸溶液中でn型半導体基板1上の酸化膜を除去する。第4工程では、塩酸と過酸化水素水を含む洗浄液にn型半導体基板1を浸漬させてn型半導体基板1表面上に酸化膜を形成した後、フッ酸溶液中でn型半導体基板1上の酸化膜を除去する。第3工程と第4工程とは、n型半導体基板1表面上の有機汚染、金属汚染、パーティクルによる汚染が十分に低減されるまで繰り返し行う。ただし、フッ酸溶液は、反射防止膜5および犠牲層8に利用する膜の酸耐性に応じて、HF濃度および浸漬時間を制御する必要がある。また、オゾン水による洗浄、炭酸水による洗浄などの機能水による洗浄を行ってもよい。
つぎに、n型半導体基板1の裏面側に真性のシリコン系薄膜11を成膜する(図10、ステップS109)。該真性のシリコン系薄膜11の形成には、たとえばプラズマCVD法により、シリコンと水素とによって形成された真性の非晶質シリコン薄膜(a−Si:H(i))を成膜する。上記のシリコン薄膜の形成には、SiHガスとHガスとを利用しているが、CH、CO、NH、GeH等のガスを混合することで合金化によるバンドギャップを変更してシリコン薄膜を成膜してもよい。また、導電率、バンドギャップ、結晶化率などの物性値の異なるシリコン薄膜を単層もしくは複数層だけさらに積層させてもよい。真性のシリコン系薄膜11の膜厚は、1nm〜10nmである。真性のシリコン系薄膜11の表面は、テクスチャー10の形状に沿った凹凸形状とされる。
つぎに、ドーピングガスとしてPH等を用いて、プラズマCVD法によりn型シリコン系薄膜12を真性のシリコン系薄膜11上に成膜する(図10、ステップS109)。特に、n型シリコン系薄膜12には、n型非晶質シリコン系薄膜(a−Si(n))を用いる。n型シリコン系薄膜12の膜厚は、10nm〜40nmである。n型シリコン系薄膜12の表面は、テクスチャー10の形状に沿った凹凸形状とされる。
つぎに、n型半導体基板1の裏面側においてp型半導体接合領域21の領域をエッチングによりパターニングするパターニング工程を行う(ステップS110)。この工程では、エッチングペーストを用いて、n型シリコン系薄膜12、真性のシリコン系薄膜11および犠牲層8を、p型半導体接合領域21の形状でエッチングしてパターニングし、p型半導体接合領域21となる領域を画定する。
図19は、p型半導体接合領域21のパターニングに用いられるパターニングマスク41の設計図である。パターニングマスク41には、n型半導体基板1の裏面側におけるp型半導体接合領域21の形状にパターニングされた開口部42が設けられる。なお、図19においては、参考のため、n型半導体接合領域22の位置を点線で示している。
また、パターニングマスク41には、つぎのパターニング工程で利用するマスクに位置合わせするためのアライメントマークを形成するためのアライメントマーク用開口部43が、面方向の外周近傍に設けられる。また、パターニングマスク41には、先の工程でn型半導体基板1の裏面側に形成されたアライメントマークと位置合わせするためのアライメントマーク44が、該アライメントマークと対応する位置に設けられる。
まず、n型半導体基板1の裏面側に形成されているn型シリコン系薄膜12上に、p型半導体接合領域21およびアライメントマークの形状にエッチングペースト45を塗布する。すなわち、パターニングマスク41の開口部42およびアライメントマーク用開口部43を介して、n型シリコン系薄膜12上にエッチングペースト45を塗布する(図11)。パターニングマスク41は、先の工程でn型半導体基板1の裏面側に形成されたアライメントマークとアライメントマーク44とを利用して、n型半導体基板1の裏面と適正な位置に位置合わせがなされる。エッチングペースト45を塗布する工程は、たとえば、ディスペンサによる塗布、スクリーン印刷による塗布、インクジェットによる塗布などがある。
上記のエッチングペースト45は、たとえばn型シリコン系薄膜12、真性のシリコン系薄膜11、犠牲層8をエッチングすることが可能なエッチング成分と、該エッチング成分以外の成分として、水、有機溶媒および増粘剤などを含むものを用いることができる。エッチング成分としては、たとえばNaOH、KOH、TMAHなどのアルカリ溶液から選択された少なくとも1種を利用している。
つぎに、n型半導体基板1の裏面側においてエッチングペースト45が塗布された部分をエッチングするために加熱処理を行う。加熱温度は、90℃〜200℃が好ましく、加熱温度が高くなることで、シリコン系薄膜に対するエッチングレートが増加する。90℃未満の加熱温度でもエッチングは進むが、エッチングレートが遅いため、処理時間が長くなり、エッチングペースト45のにじみが広がりやすくなる。200℃より高い加熱温度では、エッチングペースト45が固化して、除去が困難になる。なお、上記エッチングペースト45では、温度に依存することなく、シリコン窒化膜ならびにシリコン酸化膜がエッチングされない。
加熱時間は2分〜20分が好ましい。より好ましくは5分〜10分である。加熱温度、n型シリコン系薄膜12のアルカリ耐性および膜厚にもよるが、加熱時間が2分未満の場合にはシリコン系薄膜を完全にエッチングすることが困難である。加熱時間が20分より長い場合には、エッチングペースト45塗布後の時間が長くなるため、エッチングペースト45のにじみが広がりやすくなる。
一方で、上記のエッチングペースト45として、リン酸系のエッチングペーストでもエッチングすることが可能である。ただし、犠牲層8の酸耐性にもよるが、犠牲層8の膜厚を十分に厚くする必要がある。
以上のエッチング工程により、n型シリコン系薄膜12、真性のシリコン系薄膜11および犠牲層8がエッチングされ、p型半導体接合領域21の領域が画定される。すなわち、p型半導体接合領域21では、p型シリコン系薄膜7が露出する。また、n型半導体基板1の裏面において、アライメントマーク用開口部43を介してエッチングペースト45が塗布されたn型シリコン系薄膜12の部分には、アライメントマーク用開口部43の形状にアライメントマークがエッチング形成される。
つぎに、エッチングペースト45の除去のために、純水超音波洗浄を実施する(図12、ステップS111)。超音波洗浄機の周波数は、40kHz〜400kHzである。処理時間は、5分〜10分である。なお、エッチングペースト45によるエッチング時に、200℃以上の加熱処理を実施することで、エッチングペースト45が固化して超音波洗浄で完全に除去することが困難になる。なお、本工程では、n型シリコン系薄膜12を直接エッチングしてパターニングしているため、NaOH、KOHなどのアルカリ溶液によるエッチングペーストの除去はできない。
つぎに、上記エッチングペースト45でパターニングしたp型半導体接合領域21に形成されている犠牲層8を完全にエッチング除去する。シリコン窒化膜もしくはシリコン酸化膜で構成される犠牲層8のエッチングでは、n型半導体基板1をHFもしくはNHFを含むエッチング槽に浸漬する。なお、HFの濃度が高いほど、犠牲層8のエッチングが進む。ただし、受光面の反射防止膜5の酸耐性を考慮した上で、HF濃度を決める必要がある。なお、p型半導体接合領域21とn型半導体接合領域22との間に残存する犠牲層8の幅が広いほど電流として少数キャリアを取り出せる範囲が狭くなるため、できる限り犠牲層8の幅を狭くすることが好ましい。ただし、ある程度は犠牲層8の幅が無いと、リーク電流としてp型半導体接合領域21とn型半導体接合領域22とが電気的につながる可能性が高まり、曲線因子が低下する。このため、残存する犠牲層8の幅は、20μm〜100μmがよい。
つぎに、n型半導体基板1の裏面側の全面に、酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物からなる透明導電膜13を形成し、p型シリコン系薄膜7上およびn型シリコン系薄膜12上に透明電極膜13が形成される(図13、ステップS112)。透明導電膜13の形成方法は、主にスパッタリング成膜やイオンプレーティング蒸着法、電子ビーム蒸着法などが挙げられる。これらの成膜時に用いるプロセスガスには、Arガスを主体として、O、H、水蒸気、Nなどが適宜添加される。
つぎに、透明導電膜13を物理的および電気的に分割(分離)するパターニング工程を行う(ステップS113)。この工程では、n型半導体基板1の裏面側に形成されている透明導電膜13のうち、p型半導体接合領域21とn型半導体接合領域22とを除いた領域をエッチングペーストを用いてエッチングする。すなわち、透明導電膜13のうち、p型半導体接合領域21とn型半導体接合領域22との外側領域、およびp型半導体接合領域21とn型半導体接合領域22と間の領域をエッチングする。これにより、p型半導体接合領域21に形成される透明導電膜13と、n型半導体接合領域22に形成される透明導電膜13とが物理的および電気的に分割(分離)される。
図20は、透明導電膜13のパターニングに用いられるパターニングマスク51の設計図である。パターニングマスク51には、n型半導体基板1の裏面側におけるp型半導体接合領域21とn型半導体接合領域22との外側領域、およびp型半導体接合領域21とn型半導体接合領域22と間の領域の形状にパターニングされた開口部52が設けられる。
また、パターニングマスク51には、つぎのパターニング工程で利用するマスクに位置合わせするためのアライメントマークを形成するためのアライメントマーク形成部53が、開口部52内の外周近傍に設けられる。また、パターニングマスク51には、先の工程でn型半導体基板1の裏面側に形成されたアライメントマークと位置合わせするためのアライメントマーク54が設けられる。
まず、n型半導体基板1の裏面側に形成されている透明導電膜13上にエッチングペースト55を塗布する。すなわち、パターニングマスク51の開口部52を介して透明導電膜13上にエッチングペースト55を塗布する(図14)。パターニングマスク51は、先の工程でn型半導体基板1の裏面側に形成されたアライメントマークとアライメントマーク54とを利用して、n型半導体基板1の裏面と適切な位置に位置合わせがなされる。エッチングペースト55を塗布する工程は、たとえば、ディスペンサによる塗布、スクリーン印刷による塗布、インクジェットによる塗布などがある。
上記のエッチングペースト55は、たとえば透明導電膜13をエッチングすることが可能なエッチング成分と、該エッチング成分以外の成分として、水、有機溶媒および増粘剤などを含むものを用いることができる。エッチング成分としては、たとえばリン酸を利用している。
つぎに、n型半導体基板1の裏面側においてエッチングペースト55が塗布された部分をエッチングするために加熱処理を行う。加熱温度は、常温〜100℃が好ましく、加熱温度が高くなることで、透明導電膜13に対してのエッチングレートが増加する。加熱温度が100℃より高い場合は、エッチングした透明導電膜13の下層部分に成膜されているn型シリコン系薄膜12、犠牲層8、p型シリコン系薄膜7を同時にエッチングして、パッシベーション効果を低下させる可能性がある。
加熱時間は2分〜20分が好ましい。より好ましくは5分〜10分である。加熱温度、透明導電膜13の耐酸性および膜厚にもよるが、加熱時間が2分未満の場合には透明導電膜13を完全にエッチングすることが困難である。加熱時間が20分より長い場合には、エッチングペースト55塗布後の時間が長くなるため、エッチングペースト55のにじみが広がりやすくなる。
以上のエッチング工程により、p型半導体接合領域21とn型半導体接合領域22とのみに透明導電膜13が残される(図15)。また、n型半導体基板1の裏面においてつぎのパターニング工程で利用するパターニングマスクに位置合わせするためのアライメントマークとして、突起状の透明導電膜13が面方向の外周近傍に残される。
つぎに、n型半導体基板1の裏面側におけるp型半導体接合領域21とn型半導体接合領域22とに、めっき処理によってめっきCu電極であるp型電極14とn型電極15とをそれぞれ形成する(図16、ステップS114)。p型半導体接合領域21では、透明導電膜13上にp型電極14を、p型半導体接合領域21と同様の櫛形形状に形成する。n型半導体接合領域22では、透明導電膜13上にn型電極15を、n型半導体接合領域22と同様の櫛形形状に形成する。
図21は、p型電極14およびn型電極15のパターニングに用いられるパターニングマスク61の設計図である。パターニングマスク61には、n型半導体基板1の裏面側におけるp型半導体接合領域21とn型半導体接合領域22との領域の形状にパターニングされた開口部62が設けられる。また、パターニングマスク61には、先の工程でn型半導体基板1の裏面側に形成されたアライメントマークと位置合わせするためのアライメントマーク63が設けられる。
めっき処理は、パターニングマスク61を用いてたとえばスパッタリング法により透明導電膜13上にSeed層としてTiとAgとをこの順で形成し、該Seed層を利用してCuの電解めっき法により行う。めっき液は、硫酸銅水溶液(CuSO)を利用する。なお、Cu電極の厚さは、30μm〜50μmである。めっき処理によるCu電極の形成後には、熱処理を行う。また、めっき処理として、蒸着めっき法を用いてもよい。以上の工程を実施することにより、実施の形態1にかかる裏面接合型太陽電池が作製される。
上述したように、実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法においては、エッチングペーストを利用したn型半導体接合領域22のパターニング工程において露出されるn型半導体基板1の裏面のシリコン(100)面の表面平坦性の低下の影響を抑制することができる。
すなわち、実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法においては、エッチングペーストを利用したn型半導体接合領域22のパターニング工程後のn型半導体基板1の裏面のシリコン(100)面に対して、高温加熱状態のアルカリ性エッチング液を用いたエッチングを行うことにより、n型半導体接合領域22のシリコン表面をシリコン(111)面を主として形成されるテクスチャー面にする。そして、平坦性の低下の影響を受けていない(111)面にシリコン薄膜を形成することにより、低品質のシリコン薄膜のエピタキシャル成長を抑制してパッシベーション効果を向上させるとともに、界面欠陥密度の低いシリコン薄膜を成膜することができ、太陽電池特性における開放電圧Vocを向上させることができる。したがって、n型半導体基板1の裏面と真性のシリコン系薄膜11との界面の平坦性の低下の影響を抑制することができる。これにより、n型半導体接合領域22のシリコン表面の平坦性の低下の影響を抑制することができる。
また、高温加熱状態のアルカリ溶液による処理は、エッチングペーストまたはフォトリソグラフィによるレジストの半導体基板表面に対しての残渣の除去方法としても効果的である。特に、シリコン薄膜が直接形成されるシリコン表面のエッチングペーストの残差の除去は、次工程で形成されるシリコン薄膜のパッシベーション効果の向上に影響する。
また、n型半導体接合領域22のシリコン表面にテクスチャー10が形成されることにより、めっき電極であるn型電極15が形成されるn型シリコン系薄膜12の表面もテクスチャー10の形状の沿った凹凸形状とされる。これにより、n型シリコン系薄膜12の表面積が増大し、n型シリコン系薄膜12とn型電極15との密着性を向上させることができる。めっき電極の密着性の向上は、電極と下地の膜とのコンタクト抵抗の低減に寄与する。特に狭い面積での表面積の増大は、コンタクト抵抗の低減に効果的に寄与する。
また、実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法では、n型電極15が形成されるn型シリコン系薄膜12の表面積が増大するため、太陽電池の面方向における電極形成領域の表面積を広くすることなく、n型シリコン系薄膜12とn型電極15との密着力を向上させて、n型シリコン系薄膜12とn型電極15との間のコンタクト抵抗を低減できる。
一方、シリコン基板裏面の全面にテクスチャーを形成する場合は、表面積は裏面全面でめっき電極の密着性の向上につながる。しかし、実施の形態1において示したようなエッチングペーストを用いてアライメントマークを形成しても、アライメントマークが認識し難い、または認識できなくなり、各工程のアライメントを困難にするため裏面接合型太陽電池には適さない。実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法においては、n型半導体基板1の裏面では、フラット面とテクスチャー面とで作り分けられるため、フラット面とテクスチャー面とでの反射率の違いが明確であり、パターニング時のアライメントが容易になる。
したがって、実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法によれば、構造の自由度および光電変換効率に優れた太陽電池が得られる。
また、上記においては、真性のシリコン系薄膜6が形成される場合について説明したが、真性のシリコン系薄膜6が形成されずに、n型半導体接合領域22におけるn型半導体基板1の裏面にn型シリコン系薄膜12が直接形成される場合においても、n型半導体接合領域22におけるn型半導体基板1の裏面側の表面形状をテクスチャー構造とすることによる上記の効果が得られる。
また、上記においては、n型半導体接合領域22のパターニング工程で露出したn型半導体基板1の裏面側の表面をテクスチャー構造とした場合について説明したが、n型半導体基板1の裏面にn型シリコン系薄膜が、または真性のシリコン系薄膜とn型シリコン系薄膜とが形成された状態でエッチングによりp型半導体接合領域がパターニングされる場合においても、n型半導体基板1の裏面側の表面形状をテクスチャー構造とすることによる上記の効果が得られる。この場合は、p型半導体接合領域のパターニング工程で露出したn型半導体基板1の裏面側の表面をテクスチャー構造とし、その上にp型シリコン系薄膜が、または真性のシリコン系薄膜とp型シリコン系薄膜とが積層される。
また、上記においてはn型半導体接合領域22のパターニング工程にエッチングペーストを用いる場合について示したが、レジストを利用するフォトリソグラフィによるn型半導体接合領域22のパターニング工程を実施した場合においても、n型半導体接合領域22におけるn型半導体基板1の裏面側の表面形状をテクスチャー構造とすることによる上記の効果が得られる。ただし、フォトリソグラフィによるパターニング工程は、エッチングペーストによるパターニング工程と比較して高精度であるが、高コストかつタクトタイムが長いため、量産には不向きである。
また、上記においては、n型半導体基板にシリコン薄膜を堆積することによりpn接合を形成したが、シリコン基板に熱拡散法によってpn接合を形成してもよい。例えば結晶基板上に基板と逆導電型の不純物を熱拡散法によってドープするエミッタ型の太陽電池としてもよい。また、半導体基板をp型として、不純物を添加した層をn型としてもよい。
また、本実施の形態の要旨を逸脱しない範囲において上述した各工程の前後に他の工程が含まれていてもよい。また、本実施の形態の要旨を逸脱しない範囲において上述した各工程の順序は入れ替わっていてもよく、各工程の少なくとも2つの工程が同時に行われていてもよい。
また、特表2011−523230号公報で示すように、n型不純物拡散層領域とp型不純物拡散層領域の間の部分にテクスチャーを形成している構造がある。しかし、本実施の形態では、n型半導体基板1の裏面側におけるp型半導体接合領域21またはn型半導体接合領域22のどちらか一方のシリコン面にテクスチャー10を形成することにより、上記の効果を奏する。一方、特表2011−523230号公報の構成では、本実施の形態における効果は得られない。
つぎに、作製した裏面接合型太陽電池を実際に作動させ、発電特性を測定して評価した結果について説明する。上述した実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法で作製した裏面接合型太陽電池セルを実施例1とする。また、比較のため、比較例1〜比較例3の裏面接合型太陽電池セルを作製した。各裏面接合型太陽電池セルのセル構造として、n型半導体接合領域22におけるn型半導体基板1の裏面側の表面形状、n型電極15の形成形態(Cuめっき、またはAg印刷)形成条件を図22に示す。
比較例1の裏面接合型太陽電池セルは、n型半導体基板1の裏面全面がフラットな平坦面になっている。すなわち、n型半導体基板1の裏面のn型半導体接合領域22のパターニング工程時に、p型シリコン系薄膜7のエッチング、且つ、(100)面の平坦化の向上を目的とした処理として、n型半導体基板1を温度60℃、濃度3%のNaOH水溶液に2分浸漬させている。比較例1の裏面接合型太陽電池セルは、上記以外の工程は実施例1の裏面接合型太陽電池セルと同様の工程で作製されている。
比較例2の裏面接合型太陽電池セルは、n型半導体基板1の裏面側の電極が、銀の混入したペーストの印刷により形成されたAg印刷電極とされている。すなわち、p型電極14およびn型電極15は、銀の混入したペーストが図17に示されるパターニングマスク31を介してスクリーン印刷法により印刷され、熱処理を行うことによって固化されて形成されている。比較例2の裏面接合型太陽電池セルは、上記以外の工程は実施例1の裏面接合型太陽電池セルと同様の工程で作製されている。
比較例3の裏面接合型太陽電池セルは、n型半導体基板1の裏面全面がフラットな平坦面になっている。すなわち、n型半導体基板1の裏面のn型半導体接合領域22のパターニング工程時に、p型シリコン系薄膜7のエッチング、且つ、(100)面の平坦化の向上を目的とした処理として、n型半導体基板1を温度60℃、濃度3%のNaOH水溶液に2分浸漬させている。また、比較例3の裏面接合型太陽電池セルは、n型半導体基板1の裏面側の電極が、銀の混入したペーストの印刷により形成されたAg印刷電極とされている。すなわち、p型電極14およびn型電極15は、銀の混入したペーストが図17に示されるパターニングマスク31を介してスクリーン印刷法により印刷され、熱処理を行うことによって固化されて形成されている。比較例3の裏面接合型太陽電池セルは、上記以外の工程は実施例1の裏面接合型太陽電池セルと同様の工程で作製されている。
実施例1および比較例1〜比較例3の裏面接合型太陽電池セルについて、n型電極15とn型半導体基板1との間のコンタクト抵抗、光電変換効率η(%)、開放電圧Voc(V)、短絡電流Isc(mA/cm)、曲線因子F.F.の各特性値を図22に示す。図22は、実施例1および比較例1〜比較例3の裏面接合型太陽電池セルについてセル構造および特性値を示す図である。
図22において、実施例1と比較例1との比較および比較例2と比較例3との比較により、n型半導体接合領域22におけるn型半導体基板1の裏面側の表面形状をテクスチャー構造とすることにより、該表面形状がフラットな平坦面である場合に比べて、電極がCuめっき電極である場合およびAg印刷電極である場合ともにコンタクト抵抗が低減していることが分かる。コンタクト抵抗が低減している要因として、n型半導体接合領域22におけるn型半導体基板1の裏面側の表面形状がテクスチャー構造とされたことにより、n型半導体基板1のシリコン表面と該シリコン表面に形成されている透明導電膜との界面の密着性が向上したことが挙げられる。
また、実施例1と比較例2との比較により、Cuめっき電極を用いる場合には、Ag印刷電極を用いる場合よりコンタクト抵抗が低減していることが分かる。Cuめっき電極は、Ag印刷電極よりも導電率が低いため、よりコンタクト抵抗の低減に寄与する。そして、コンタクト抵抗の低下によって曲線因子F.F.が高くなる。
また、n型半導体接合領域22におけるn型半導体基板1の裏面側の表面形状がフラットな場合には、平坦性が低い(100)面にシリコン系薄膜が成膜される。この場合は、(111)面を主として形成される三角ピラミッドで構成されているテクスチャー構造上にシリコン系薄膜が成膜される場合と比較して、シリコンとシリコン系薄膜との界面のパッシベーション効果が低下する。このため、n型半導体接合領域22におけるn型半導体基板1の裏面側の表面形状をテクスチャー構造とすることにより、開放電圧Vocが高くなっている。
以上の要因から、n型半導体接合領域22におけるn型半導体基板1の裏面側の表面形状をテクスチャー構造とし、電極をCuめっき電極とした構造の裏面接合型太陽電池である実施例1の光電変換効率が最も高くなっている。
上述したように、実施の形態1においては、エッチングペーストを利用したn型半導体接合領域22のパターニング工程後のシリコン(100)面に対して、高温加熱状態のアルカリ性エッチング液を用いたエッチングを行うことにより、n型半導体接合領域22のシリコン表面をシリコン(111)面を主として形成されるテクスチャー面にする。これにより、n型半導体接合領域22のパターニング工程において露出されるn型半導体基板1の裏面の表面平坦性の低下の影響を抑制することができ、太陽電池特性を向上させることができる。
また、実施の形態1においては、n型電極15が形成されるn型シリコン系薄膜12の表面積が増大するため、太陽電池の面方向における電極形成領域の表面積を広くすることなく、n型シリコン系薄膜12とn型電極15との密着力を向上させて、n型シリコン系薄膜12とn型電極15との間のコンタクト抵抗を低減できる。
したがって、実施の形態1によれば、構造の自由度および光電変換効率に優れた太陽電池が得られる。
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法の他の例について説明する。図23〜図27は、実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法を説明するための断面図である。
まず、実施の形態1の場合と同様に結晶系半導体基板を用意する(図23)。
つぎに、シリコン系薄膜の成膜前のn型半導体基板1の裏面(後工程においてテクスチャー2を形成しない面)のシリコン表面を洗浄するために、実施の形態1の場合と同様に第1工程と第2工程との洗浄工程を行う。
つぎに、実施の形態1の場合と同様にして、n型半導体基板1の裏面側に真性のシリコン系薄膜6を成膜する(図24)。
つぎに、実施の形態1の場合と同様にして、p型シリコン系薄膜7をn型半導体基板1の裏面側に成膜する(図24)。
つぎに、実施の形態1の場合と同様にして、n型半導体基板1の裏面側に成膜されているp型シリコン系薄膜7上にシリコン薄膜のパターニングを実施するための犠牲層8を成膜する(図24)。
つぎに、実施の形態1の場合と同様にして、n型半導体基板1の裏面側においてn型半導体接合領域22の領域をエッチングペースト34を用いたエッチングによりパターニングするパターニング工程を行い、その後、エッチングペースト34を除去する(図25)。この工程は、実施の形態1におけるステップS106およびステップS107と同様にして行われる。
上記エッチングペースト34でp型シリコン系薄膜7と真性のシリコン系薄膜6の積層膜までエッチングする場合、n型半導体基板1の裏面も同時にエッチングされ、n型半導体基板1の裏面の(100)面の平坦性が低下する。さらに、エッチングペースト34によるエッチング処理ではシリコン系薄膜が均一にエッチングされないため、一部のシリコン系薄膜が残ることも懸念される。また、熱処理後にエッチングペースト34がn型半導体基板1の裏面に接着して、シリコン表面の(100)面の平坦性が低下することも懸念される。
そこで、実施の形態2では、エッチングペースト34によるエッチングでn型半導体接合領域22内に残存したシリコン系薄膜のエッチング、およびエッチングペースト34によりエッチングされたn型半導体接合領域22におけるn型半導体基板1の表面、すなわちn型半導体基板1の裏面の(100)面の平坦性の低下を抑制するために、n型半導体基板1の裏面のパターニング面、すなわちn型半導体接合領域22のシリコン面に対してテクスチャー形成ウェットエッチング処理を行う。テクスチャー形成ウェットエッチング処理によるn型半導体基板1の裏面のシリコンのエッチングの厚さ(深さ)は、2.0μm〜20.0μmである。このテクスチャー形成ウェットエッチング処理により、n型半導体接合領域22におけるn型半導体基板1の表面がエッチングされ、高さが0.7μm〜18.0μmで、底辺長が1μm〜30μmサイズのマイクロピラミッド((111)面を主として形成される三角ピラミッド)で構成されるテクスチャー10がn型半導体基板1の裏面におけるn型半導体接合領域22のシリコン面にランダムに形成される(図26)。
また、このテクスチャー形成ウェットエッチング処理により、エッチングペースト34によるエッチング後にn型半導体接合領域22内に残存した一部のシリコン系薄膜が除去される。また、このテクスチャー形成ウェットエッチング処理により、熱処理後にn型半導体基板1の裏面に接着したエッチングペースト34が除去される。
また、実施の形態2では、n型半導体基板1の裏面のパターニング面、すなわちn型半導体接合領域22のシリコン面に対してテクスチャー形成ウェットエッチング処理を行ってテクスチャー10を形成すると同時に、このテクスチャー形成ウェットエッチング処理において受光面に対してもテクスチャー2を形成する。このテクスチャー形成ウェットエッチング処理によって、n型半導体基板1の受光面には、高さが0.7μm〜18.0μmで、底辺長が1μm〜30μmサイズのマイクロピラミッドで構成されるテクスチャーがランダムに形成される(図26)。
上記テクスチャー形成ウェットエッチング処理で利用するエッチング液は、実施の形態1の場合と同様に、NaOH、KOH、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)などの強アルカリ試薬を溶解したものに、IPAなどのアルコール系添加剤、界面活性剤もしくはオルソケイ酸ナトリウムなどのケイ酸塩化合物を添加して調製されている。エッチング温度は40℃〜100℃が好ましく、エッチング時間は、10分〜30分が好ましい。
なお、n型半導体基板1の裏面に形成されている犠牲層8に対してのエッチングの影響を最小限にするために、エッチング量を低下させてテクスチャー10およびテクスチャー2を形成させることが好ましい。すなわち、犠牲層8に対してのエッチング液のアルカリの影響を抑えるために、エッチング液におけるアルカリの濃度を薄くする、もしくは処理温度を下げる、等の処理で、犠牲層8に与えるアルカリの影響を抑えた状態でテクスチャー加工する必要がある。
上記の製造工程を実施することにより、ウェットエッチング処理によるテクスチャー形成処理の回数を2回から1回に減らすことができるため、製造工程の簡略化を図ることができる。さらに、n型半導体接合領域22のパターニング工程までに受ける、受光面側に対してのウェットエッチング処理でのエッチングダメージの影響を無視できる。
つぎに、シリコン系薄膜の成膜前の洗浄を実施するために、実施の形態1の場合と同様に第3工程と第4工程との洗浄工程を行う。
つぎに、実施の形態1の場合と同様にして、テクスチャー2が形成されたn型半導体基板1の受光面側に真性のシリコン系薄膜3を成膜する(図27)。
つぎに、実施の形態1の場合と同様にして、n型シリコン系薄膜4をn型半導体基板1の受光面側に成膜する(図27)。
つぎに、実施の形態1の場合と同様にして、n型半導体基板1の裏面側に真性のシリコン系薄膜11を成膜する(図27)。真性のシリコン系薄膜11の表面は、テクスチャー10の形状に沿った凹凸形状とされる。
つぎに、実施の形態1の場合と同様にして、n型シリコン系薄膜12を真性のシリコン系薄膜11上に成膜する(図27)。n型シリコン系薄膜12の表面は、テクスチャー10の形状に沿った凹凸形状とされる。
つぎに、実施の形態1の場合と同様にして、n型半導体基板1の受光面側に、反射防止膜5を成膜する(図27)。
上記の製造工程を実施することにより、実施の形態1において図10に示した構造が形成される。以降は、実施の形態1の場合と同様の工程を行うことにより、図1および図2に示される太陽電池が作成される。
上述したように、実施の形態2によれば、エッチングペーストを利用したn型半導体接合領域22のパターニング工程後のシリコン(100)面に対して、高温加熱状態のアルカリ性エッチング液を用いたエッチングを行うことにより、n型半導体接合領域22のシリコン表面をシリコン(111)面を主として形成されるテクスチャー面にする。これにより、n型半導体接合領域22のパターニング工程において露出されるn型半導体基板1の裏面の表面平坦性の低下の影響を抑制することができ、太陽電池特性を向上させることができる。
また、実施の形態2においては、n型電極15が形成されるn型シリコン系薄膜12の表面積が増大するため、太陽電池の面方向における電極形成領域の表面積を広くすることなく、n型シリコン系薄膜12とn型電極15との密着力を向上させて、n型シリコン系薄膜12とn型電極15との間のコンタクト抵抗を低減できる。
また、実施の形態2によれば、ウェットエッチング処理によるテクスチャー形成処理の回数を2回から1回に減らすことができるため、製造工程の簡略化を図ることができる。さらに、n型半導体接合領域22のパターニング工程までに受ける、受光面側に対してのウェットエッチング処理でのエッチングダメージの影響を無視できる。
したがって、実施の形態2によれば、構造の自由度および光電変換効率に優れた太陽電池が簡便な工程で得られる。
また、上記の実施の形態で説明した構成を有する太陽電池セルを複数形成し、隣接する太陽電池セル同士を電気的に直列または並列に接続することにより、良好な光閉じ込め効果を有し、光電変換効率に優れた太陽電池モジュールが実現できる。この場合は、例えば隣接する太陽電池セルの一方のp型電極14と他方のn型電極15とを電気的に接続すればよい。
以上のように、本発明にかかる太陽電池は、構造の自由度および光電変換効率に優れた太陽電池に有用である。
1 n型半導体基板、2 テクスチャー、3 真性のシリコン系薄膜、4 n型シリコン系薄膜、5 反射防止膜、6 真性のシリコン系薄膜、7 p型シリコン系薄膜、8 犠牲層、10 テクスチャー、11 真性のシリコン系薄膜、12 n型シリコン系薄膜、13 透明導電膜、14 p型電極、15 n型電極、21 p型半導体接合領域、22 n型半導体接合領域、31,41,51,61 パターニングマスク、32,42,52,62 開口部、33,43 アライメントマーク用開口部、44,54,63 アライメントマーク、34,45,55 エッチングペースト、53 アライメントマーク形成部。

Claims (15)

  1. 第1導電型の結晶系半導体基板と、
    第1導電型の第1半導体層と第1電極とが前記結晶系半導体基板における受光面と反対側の裏面上の一部にこの順で積層された第1導電型接合領域と、
    第2導電型の第2半導体層と第2電極とが前記結晶系半導体基板の裏面上の前記第1導電型接合領域と異なる領域にこの順で形成された第2導電型接合領域と、
    を備え、
    前記第1導電型接合領域または前記第2導電型接合領域における前記結晶系半導体基板の裏面にテクスチャー構造が形成されていること、
    を特徴とする太陽電池。
  2. 前記結晶系半導体基板が、基板の面方位が(100)面であるシリコン基板であり、
    前記マイクロピラミッドは、(111)面を主として形成されること、
    を特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
  3. 前記テクスチャー構造は、高さが0.7μm以上18.0μm以下、底辺長が1μm〜30μmのマイクロピラミッドがランダムに形成されていること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池。
  4. 前記第1電極および前記第2電極が、金属めっき電極であること、
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の太陽電池。
  5. 前記第1導電型接合領域および前記第2導電型接合領域のうち、前記テクスチャー構造が形成された接合領域の前記結晶系半導体基板の裏面上に、真性の半導体層を介して第1半導体層または第2半導体層が形成されること、
    を特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の太陽電池。
  6. 前記第1半導体層と前記第1電極との間、および前記第2半導体層と前記第2電極との間に透明導電層が形成されること、
    を特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の太陽電池。
  7. 第1導電型または第2導電型の結晶系半導体基板の受光面と反対側の裏面の全面に第1導電型の第1半導体層を形成する第1工程と、
    前記結晶系半導体基板の裏面に形成された前記第1半導体層の一部をエッチングペーストを用いたエッチングにより除去して前記第1半導体層をパターニングし、前記結晶系半導体基板の裏面を露出させる第2工程と、
    前記露出した前記結晶系半導体基板の裏面に対してさらにウェットエッチングを実施して、前記露出した前記結晶系半導体基板の裏面にテクスチャー構造を形成する第3工程と、
    前記露出して前記テクスチャー構造が形成された前記結晶系半導体基板の裏面に第2導電型の第2半導体層を形成する第4工程と、
    前記第1半導体層上に第1電極を形成する第5工程と、
    前記第2半導体層上に第2電極を形成する第6工程と、
    を含むことを特徴とする太陽電池の製造方法。
  8. 前記結晶系半導体基板が、基板の面方位が(100)面であるシリコン基板であり、
    前記マイクロピラミッドは、(111)面を主として形成されること、
    を特徴とする請求項7に記載の太陽電池の製造方法。
  9. 前記テクスチャー構造は、高さが0.7μm以上18.0μm以下、底辺長が1μm〜30μmのマイクロピラミッドがランダムに形成されていること、
    を特徴とする請求項7または8に記載の太陽電池の製造方法。
  10. 前記第1電極および前記第2電極が、金属めっき電極であること、
    を特徴とする請求項7から9のいずれか1つに記載の太陽電池の製造方法。
  11. 前記第2工程では、前記第1半導体層上に犠牲層を形成し、前記犠牲層上における前記第1半導体層の一部上に前記エッチングペーストを塗布すること、
    を特徴とする請求項7から10のいずれか1つに記載の太陽電池の製造方法。
  12. 前記第4工程と、前記第5工程および前記第6工程との間に、
    前記結晶系半導体基板の裏面側の全面に透明電極層を形成する工程と、
    前記透明電極層の一部の領域をエッチングペーストを用いたエッチングにより除去して前記透明電極層をパターニングし、前記透明電極層における前記第1半導体層上の領域と前記第2半導体層上の領域とを電気的に分離する工程と、
    を有することを特徴とする請求項7から11のいずれか1つに記載の太陽電池の製造方法。
  13. 前記結晶系半導体基板の受光面のみにテクスチャー構造を形成する工程を有すること、
    を特徴とする請求項7から12のいずれか1つに記載の太陽電池の製造方法。
  14. 前記第3工程では、前記結晶系半導体基板の裏面にテクスチャー構造を形成する際に、前記露出した前記結晶系半導体基板の裏面と前記結晶系半導体基板の受光面とを同一のエッチング液により同時にウェットエッチングして前記結晶系半導体基板の受光面にテクスチャー構造を形成すること、
    を特徴とする請求項7から12のいずれか1つに記載の太陽電池の製造方法。
  15. 請求項1から6のいずれか1つに記載の太陽電池の少なくとも2つ以上が電気的に直列または並列に接続されてなること、
    を特徴とする太陽電池モジュール。
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