JP2015122233A - リモコン - Google Patents

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Abstract

【課題】 絶縁シートによる遮蔽・密閉という手段を用いることなく、操作ボタン回りの隙間からの静電気侵入防止を十分に達成し得るリモコンを提供する。【解決手段】 操作ボタン31の背面から周壁33を後方に突出させる一方、可動部25として周壁251を前方に突出させる。可動部の周壁251の外周側を操作ボタンの周壁33で囲むように組み付け、両周壁33,251を二重壁状態に重ねる。静電気が外部から基板6側にたとえ侵入するにしても、周壁33の突出端位置と、周壁251の突出端位置とで2回折り返しが必要になるようにする。【選択図】 図7

Description

本発明は、リモコンに関し、押しボタン式の操作ボタン回りからの静電気侵入防止という静電対策技術に係る。
押しボタン式の操作ボタンとして、人間が操作ボタンを押し操作することで、その押し操作力が内部の基板上のスイッチに伝わってスイッチの切換が行われるものが知られている。このような操作ボタンにおいては、操作ボタン回りに隙間の存在に起因してボタン操作時に人間の静電気がスイッチに放電する結果、基板上の電気回路に悪影響を及ぼすおそれが考えられる。このため、例えば特許文献1では、リモコンの操作ボタン回りからの静電気侵入防止のために、基板を絶縁シートにより覆うことで、静電気の通流距離をより長くする対策が提案されている。又、特許文献2では、操作ボタンに対し導電性メッキを施すとともに、その下側位置から周囲に張り出すよう鍔状の遮蔽部を導電性メッキが非形成の状態で合成樹脂成形することで静電耐圧性能を高めることが提案されている。さらに、特許文献3では、カバーから操作ボタンが露出することになる開口部の内側に筒状の環状リブを形成する一方、操作ボタンにはその下部から外周に突出して環状リブに対し摺動可能に嵌合する環状ガイド部を形成することにより、操作ボタンを前記開口部の中心位置に位置決めるとともに、静電気が直線状に侵入することを回避し得るようにすることが提案されている。
特開平10−106380号公報 特許第3871136号公報 特許第4624251号公報
操作ボタン回りからの静電気侵入防止の確実性を高めるための方策として、例えば、基板上のスイッチに押し操作力を伝達するための可動部(操作ボタン側)の表面に絶縁シートを貼着し、この絶縁シートで密閉してしまうことが考えられる。しかしながら、この方策を採用する場合には、種々の操作部との兼ね合いで構造設計上の自由度が削減される上に、製造コストの増大化を招くおそれがある。一方、従来型の操作ボタンの構造では静電対策が十分ではなく、より高度な対策の実現が課題となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、絶縁シートによる遮蔽・密閉という手段を用いることなく、操作ボタン回りの隙間からの静電気侵入防止を十分に達成し得るリモコンを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、操作ボタンが筐体に形成された可動部に相対向するように組み付けられ、かつ、前記操作ボタンへの押し操作力が前記可動部を介して制御用基板のスイッチに対し伝達されるように構成されたリモコンを対象にして、次の特定事項を備えることとした。すなわち、前記操作ボタンには前記可動部側に突出する周壁を備える一方、前記可動部には前記操作ボタン側に突出する周壁を備えることとする。そして、前記操作ボタンを前記可動部に対し、前記操作ボタンの周壁が前記可動部の周壁を囲んで両周壁が二重壁状態に重なるように組み付ける構成とする(請求項1)。
この発明の場合、正面側から操作ボタン回りを通って静電気がたとえ侵入するにしても、まず、操作ボタンの周壁の外周側に沿って可動部側まで進んだ後、その操作ボタンの周壁の突出端で折り返し、操作ボタンの周壁と可動部の周壁との間を逆方向に進み、再度、可動壁の周壁の突出端で折り返し、可動部の周壁の内周側に沿って制御用基板の側に至るルートを辿ることになる。つまり、2回の折り返しに伴う静電気の侵入阻害と、直線状に進む場合よりも沿面距離が大幅に長くなることに伴う侵入阻害との双方の作用が得られることになる。これらによって、絶縁シートによる遮蔽・密閉という手段を用いなくても、操作ボタン回りからの静電気の侵入防止を十分に達成し得るようになる。
本発明のリモコンにおいて、可動部として複数のものを隣接して並列に配置する一方、操作ボタンとして複数の可動部に対応する位置に複数のものを並列に配置するようにすることができる(請求項2)。このようにすることにより、操作ボタンが複数個あっても、各操作ボタンにおいても静電気の侵入防止を確実に得られるようになる。
以上、説明したように、本発明のリモコンによれば、正面側から操作ボタン回りを通って静電気がたとえ侵入するにしても、まず、操作ボタンの周壁の外周側に沿って可動部側まで進んだ後、その操作ボタンの周壁の突出端で折り返し、操作ボタンの周壁と可動部の周壁との間を逆方向に進み、再度、可動壁の周壁の突出端で折り返し、可動部の周壁の内周側に沿って制御用基板の側に至るルートを辿るようにすることができる。つまり、2回の折り返しに伴う静電気の侵入阻害と、直線状に進む場合よりも沿面距離が大幅に長くなることに伴う侵入阻害との双方の効果を得ることができるようになる。これらによって、絶縁シートによる遮蔽・密閉という手段を用いなくても、操作ボタン回りからの静電気の侵入防止を十分に達成することができるようになる。
請求項2のリモコンによれば、可動部として複数のものを隣接して並列に配置する一方、操作ボタンとして複数の可動部に対応する位置に複数のものを並列に配置するようにすることにより、操作ボタンが複数個あっても、各操作ボタンにおいても静電気の侵入防止を確実に得ることができるようになる。
本発明の実施形態に係るリモコンの全体斜視図である。 開閉蓋を開けた状態の図1対応図である。 図2のリモコンから表示カバー、ボタン本体、絶縁シートを外した状態の分解斜視図である。 ボタン本体を外した状態のリモコンを示す部分拡大斜視図である。 図2のA−A線における部分拡大断面図である。 図3のボタン本体の裏面側を示す拡大斜視図である。 図2のB−B線における断面を斜視図状態で示す拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るリモコンの模式図である。このリモコンは、例えば給湯装置を遠隔操作するために用いられる他、給湯装置以外の装置を遠隔操作するためにも用いることができる。このリモコンは、内部に制御用の基板や液晶表示部(いずれも図示省略)が収容された箱型のケース本体1に対し、ボタン本体3、表示部カバー4、及び、絶縁シート5等が組み付けられて構成されたものである(図3も併せて参照)。ケース本体1により筐体が主要構成され、これらは例えば合成樹脂成形により形成することができる。本実施形態のリモコンは、図1〜図3に図示した状態の姿勢で壁面に取り付けられて使用されるようになっている。以下、上下、左右、前後という用語は、壁面に取り付けられた状態の姿勢について用いる。
ケース本体1の下端縁位置には開閉蓋21が回転可能に付設され、回転操作することで通常の閉状態(図1の状態)と、開状態(図2の状態)とに変換操作可能となっている。ケース本体1の下半部には開閉蓋21により覆われる個別操作部22が設けられている。個別操作部22には、所定配置で複数の可動部221,221,…が形成され、この前面に対し絶縁シート5が貼着又は接着されている。各可動部221は所定形状のスリット溝により中心部分が片持ち梁形式に支持されて前後方向に可撓(弾性変形可能)とされ、その中心部分の背後位置に基板上の各種スイッチが位置するようにされている。又、絶縁シート5には所定の可動部221,221,…に対応する位置に各種操作ボタン表示51,51,…が印刷され、その印刷された各種操作ボタン表示51,51,…の部分を前側から後側に押圧操作することで、前記可動部221が押されて後側に凹み、対応するスイッチの切換が行われるようになっている。各種操作ボタン表示51,51,…としては、例えば給湯装置用のリモコンの場合であると、給湯温度の昇温側・降温側の温度調整用に「給湯温度」、「音量」、「ふろ予約」、「時計あわせ」「エネルギー表示」等の表示が付される。
又、ケース本体1の上下方向の中間部には左右方向に複数(図例では4つ)のボタン操作部23が設けられ、上半部には液晶表示部を前方に露出させるための窓部241を備えた表示部24が設けられている。ボタン操作部23は、所定数の可動部25と、ボタン本体3を保持・固定するための保持部26とを備えて構成されている。可動部25は、図4に詳細を示すように、個別操作部22及び表示部24の前面から所定深さだけ後方に凹んだ底面250(図5も併せて参照)から前方(正面側)に所定寸法だけ突出する無端リブ状の周壁251と、周壁251の前端側位置から中心位置まで延びて中心伝達部252を片持ち梁形式に支持するアーム部253とを備えている。これにより、中心伝達部252が後側に押されると、アーム部253が弾性変形により撓むことにより、中心伝達部252が後側に対し移動可能となっている。又、保持部26(図3参照)は、ボタン本体3の後述の連結片32を没入させて収容し得るように連結片32に対応する形状に凹まされた凹所により構成されている。そして、前記連結片32の位置決め孔321に装入し得るように前方に突出する凸部261,261,…が設けられている。
一方、ボタン本体3は、図3及び図4に示すように、所定数(図例では4つ)の操作ボタン31,31,…が左右方向に僅かな隙間を挟んで並んだ状態で一体化されたものである。すなわち、各操作ボタン31は、互いに切り離されて独立してはいるものの、各操作ボタン31から上に延びて全ての操作ボタン31,31,…を互いに連結する連結片32により一体に連結されている。そして、各操作ボタン31は前面には、給湯装置用のリモコンの場合であると、例えば「運転 入/切」、「呼出」、「追いだき」、「ふろ自動」という主要操作に係る表示が付され、この前面(正面)が使用者の例えば手で押し操作される部位とされ、後面(背面)には図6に示すように外周に沿って後方に所定寸法だけ突出する無端リブ状の周壁33と、中心位置から後方に突出する中心伝達部34とが形成されている。又、連結片32には、各操作ボタン31に対応して位置決め孔321,321,…が貫通形成されている。なお、図4、図5中の符号311はストッパ片であり、凹所222に入り込んで各操作ボタン31が前方に飛び出さないように規制するものである。
そして、ボタン本体3(図3参照)の連結片32の位置決め孔321,321,…に凸部261,261,…が装入された状態で連結片32が保持部26に嵌め込まれ、嵌め込まれた状態で表示部カバー4が表示部24に嵌め込まれると、ボタン本体3(図5参照)は表示部カバー4により連結片32の部分で固定された片持ち梁状態で保持され、片持ち梁状態で保持された各操作ボタン31の中心伝達部34が可動部25の中心伝達部252の前面側に当接した状態に配置される。この際、ボタン本体3の各操作ボタン31の周壁33は、可動部25の周壁251とは非接触の状態でその外周側を囲むように配置され、かつ、その突出端(後端)がボタン操作部23の底面250から所定寸法(操作ボタン31の押し操作に要する前後方向寸法)だけ離れ、可動部25の周壁251の突出端(前端)が操作ボタン31の内底面から前記所定寸法だけ離れた状態になるように設定されている。つまり、左右・上下方向に対し無端の両周壁33,251が二重壁状態に重なっている状態で押し操作が可能となっている。加えて、可動部25の中心伝達部252の後面側は、基板6上に設置されたスイッチ61と前後方向に僅かな寸法だけ離れた状態に位置するようになっている。以上より、操作ボタン31の前面が使用者により押し操作されると後側に撓み、その押し操作力が中心伝達部34,252を介してスイッチ61を押し付けて切換が可能になる。
このような構造においては、図7に矢印で示すように、各操作ボタン31の前面側から各操作ボタン31回りを通って静電気がたとえ侵入するにしても、まず、操作ボタン31の周壁33の外周側に沿って可動部25の底面250まで後方に進んだ後、周壁33の突出端で折り返し、周壁33の内周側と可動部25の周壁251の外周側との間を操作ボタン31の内底面まで前方に進み、再度、可動壁25の周壁251の突出端で折り返し、可動部25の周壁251の内周側に沿って基板6の側に至るルートを辿ることになる。つまり、2回の折り返しに伴う侵入阻害と、直線状に進む場合よりも沿面距離が大幅に長くなることに伴う侵入阻害とを実現させることができる。これらによって、絶縁シートによる遮蔽・密閉という手段を用いなくても、操作ボタン31回りからの静電気の侵入防止を十分に達成することができるようになる。
<他の実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、ボタン本体3として複数の操作ボタン31,31,…を連結片32で一体連結したものを示したが、もちろん個々の操作ボタンを個別に組み付けるようにしてもよい。又、周壁33,251として矩形のものを示したが、これに限らず、無端であればよく、環状でも多角形状でもよい。さらに、操作ボタン31の外周に沿った周壁でなくても、無端であれば内周側位置から突出する周壁であってもよい。
31 操作ボタン
1 ケース本体(筐体)
6 基板
25 可動部
33 周壁
61 スイッチ
251 周壁

Claims (2)

  1. 操作ボタンが筐体に形成された可動部に相対向するように組み付けられ、かつ、前記操作ボタンへの押し操作力が前記可動部を介して制御用基板のスイッチに対し伝達されるように構成されたリモコンにおいて、
    前記操作ボタンは前記可動部側に突出する周壁を備える一方、前記可動部は前記操作ボタン側に突出する周壁を備え、
    前記操作ボタンは前記可動部に対し、前記操作ボタンの周壁が前記可動部の周壁を囲んで両周壁が二重壁状態に重なるように組み付けられている、
    ことを特徴とするリモコン。
  2. 請求項1に記載のリモコンであって、
    前記可動部として複数のものが隣接して並列に配置される一方、前記操作ボタンとして前記複数の可動部に対応する位置に複数のものが並列に配置されている、リモコン。
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