JP2015121587A - 光トランシーバ - Google Patents

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【課題】プルタブを備えた光トランシーバをホスト装置のケージにB2B実装した場合であっても、光ケーブルに不要なストレスを与えることのない光トランシーバを提供する。【解決手段】光トランシーバ1は、光ケーブル11の先端に付属する光コネクタ12を装着するための光レセプタクル41を有する筐体と、筐体とケージとの係合を解除するスライダ7と、スライダ7に連結されたプルタブ6とを備える。プルタブ6は、スライダ7に接続され且つ光レセプタクル41を挟んで延設された一対のアーム61と、一対のアーム61の先端に設けられたハンドル62とを備え、ハンドル62は、光レセプタクル41に装着された光ケーブル11を受ける受け部64を備え、受け部64に、光レセプタクル41の光軸に対して傾斜し且つ30mm以上の曲率半径を有するスロープが形成されている。【選択図】図6

Description

本発明は、光通信用のホスト装置のケージに対して挿抜可能に装着される光トランシーバに関する。
光通信用の光トランシーバは、光ケーブルの光コネクタを介して信号光の送信及び受信を行うものである。このような光トランシーバには、ホスト装置のケージに対して挿抜可能とする機構、すなわち、プラガブル機構を採用するものがあり、このプラガブル機構に関して様々なものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
近年の光トランシーバは、上記のプラガブル型が主流になっており、特に、部品交換作業をし易くするためにプルタブを備えたものが一般に広く用いられている。すなわち、ホスト装置の前面パネルに設けられる各光トランシーバ向けのポートが密に配置されている場合に、ユーザが光トランシーバ前面に装着されているベールを摘まんで光トランシーバをポートから引き抜こうとすると、この密に配置されたポートのために、ベールに指が届かない場合があった。
このため、光トランシーバの前面にプルタブを備えることで、光トランシーバの挿抜を容易にする工夫がなされている。なお、プルタブの操作性を確保するためには、プルタブ先端部の突出量を適切に設定する必要があるが、多くの場合、プルタブの先端部は光ケーブルの曲げ先端(曲がり始め位置)よりも突き出すことになる。以下、プルタブを備えた光トランシーバを、ホスト装置のデュアルケージ(上下2段構成のケージ)に実装した場合について説明する。
図7は、光トランシーバをケージの上下2段に実装した様子を説明するための図である。図中、101はデュアルケージ(上下2段構成)、102,103は光トランシーバ、102a,103aはプルタブ、102b,103bは光コネクタ、102c,103cはブーツ、102d,103dは光ケーブルを示す。本例では、上下同じ向きに光トランシーバ102,103が実装されるが、これら2つの光トランシーバ102,103は同様の構成を有しており、ここでは下段側の光トランシーバ103を例示して説明する。
光ケーブル103dの先端には、光コネクタ103bが取り付けられている。また、この光コネクタ103bには、光ケーブル103dの先端から所定長の部分を保護する筒状のブーツ103cが設けられている。プルタブ103aを備える光トランシーバ103には、光レセプタクルが設けられており、この光レセプタクルに光コネクタ103bが挿抜可能に装着される。光トランシーバ103に装着された光ケーブル103dは自重によって垂下し、図7に示すように、光コネクタ103bのブーツ103cの根元部分から円弧状の曲がりが生じる。
ここで、光ケーブルの自重による自然垂下に対しては、光ケーブルの曲げ特性は保証されている。つまり、自重によって垂下したとしても、光コネクタのブーツの端点を起点として、光ケーブルの曲げ半径が規定値(汎用シングルモード型光ファイバケーブルの場合には30mm)以上となるように、光ケーブルの被覆強度が確保されている。但し、あくまで自重による垂下であり、強制的に光ケーブルを下方に引っ張れば規定値よりも小さい曲げ半径になり得る。
上記のような光ケーブルは一般に伝送損失や信頼性の観点から曲げ半径の下限(最小曲げ半径:30mm)が規定されており、ケーブル被覆や光コネクタのブーツ等の設計によって最小曲げ半径を維持するよう設計されている。従って、プルタブを備える光トランシーバの実装形態において、図7のような同方向の配置であれば、光ケーブルの最小曲げ半径を阻害する要因は存在しないことから、問題は起こらない。すなわち、光ケーブルが自重によって自然垂下したとしても、その光ケーブルの軌跡をプルタブの先端が阻害することはない。
米国特許出願公開第2011−0081114号公報
一方、光トランシーバのホスト装置への実装形態として、光トランシーバの腹(例えば底面)同士を背中合わせに実装するベリートゥベリー(Belly to Belly、以下B2Bという)実装という方法がある。この実装方法は、特に10Gbps以上の高速信号を扱う場合に、ホスト装置のマザーボードの信号処理部から上下各々の光トランシーバまで等長配線を行うことができるため、多連装で好まれる実装方法である。
しかしながら、図7に示した光トランシーバ103をB2B実装した場合、図8に示すように、光ケーブル103dの曲げ方向にプルタブ103aが位置するため、光ケーブル103dは、プルタブ103aの先端部103eと干渉し、光ケーブル103dの曲げ半径が最小曲げ半径(規定値)よりも小さくなる可能性がある。つまり、下段側の光トランシーバ103が上下反対にデュアルケージ101に装着されるため、プルタブ103aの先端部103eが光トランシーバ103の光ケーブル103dの垂下状態を阻害する位置関係となる。より具体的には、図7の状態ではブーツ103cの端点を起点として垂下していた光ケーブル103dが、図8の状態ではプルタブ103aの先端部103eを起点として垂下することになる。このため、想定外の応力が光ケーブル103dに及ぼされかねない。
そして、上記の結果、以下の問題が発生する虞がある。
(1)光トランシーバの取出し作業性(挿抜性)の低下
(2)プルタブによる光ケーブルへのストレス及びこのストレスに伴う信号伝送特性への影響
(3)光ケーブルによるプルタブへのストレス及びこのストレスに伴うクリープ変形の発生
従って、B2B実装される光トランシーバにプルタブを適用する場合には、上記問題の発生を防止するための工夫が必要とされるが、上述の特許文献1に記載の技術では、このような工夫について言及されていない。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたもので、プルタブを備えた光トランシーバをホスト装置のケージにB2B(Belly to Belly)実装した場合であっても、光ケーブルに不要なストレスを与えることのない光トランシーバを提供することを目的とする。
本発明は、ホスト装置に搭載されたケージに挿抜可能に装着される光トランシーバであって、光ケーブルの先端に付属する光コネクタを装着するための光レセプタクルを有する筐体と、該筐体と前記ケージとの係合を解除するスライド部材と、該スライド部材に連結された把持部材とを備え、前記把持部材は、前記スライド部材に接続され且つ前記光レセプタクルを挟んで延設された一対の腕部と、該一対の腕部の先端に設けられた取手部とを備え、前記取手部は、前記光レセプタクルに装着された前記光ケーブルを受ける受け部を備え、該受け部に、前記光レセプタクルの光軸に対して傾斜し且つ30mm以上の曲率半径を有するスロープが形成されている。
上記発明によれば、プルタブを備えた光トランシーバをホスト装置のケージにB2B実装した場合であっても、プルタブの先端部に、一般的に使用される光ファイバの許容曲げ半径である30mm以上の曲率半径を有する円弧状のスロープを形成し、これにより光ケーブルを受けるようにしたため、光ケーブルに不要なストレスを与えることがない。
本発明による光トランシーバの一例を示す外観図である。 光トランシーバをホスト装置のケージから取り外す方法の一例について説明する図である。 本発明によるプルタブ構造近傍を上面から見た図である。 図3のプルタブ構造近傍を下面から見た図である。 B2B実装された光トランシーバに光ケーブルが装着された状態を示す図である。 本発明の光トランシーバをB2B実装したときのプルタブと光ケーブルとの位置関係の一例を示す図である。 光トランシーバをケージの上下2段に実装した様子を説明するための図である。 従来技術の問題点を説明する図である。
(本発明の実施形態の詳細)
以下、光トランシーバをホスト装置のケージにB2B実装する際に有効なプルタブ構造の具体例を、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
図1は、本発明による光トランシーバの一例を示す外観図で、図中、1は光トランシーバを示す。この光トランシーバ1は、光通信用のホスト装置に対して挿抜可能に取り付けられると共に、信号光の送受信機能を有するプラガブル(活線挿抜)型光トランシーバである。光トランシーバ1は、光電変換機能を有する光電変換部品(図示せず)と、多数の電子部品を実装した回路基板2とを筐体3で保護しており、筐体3は、回路基板2を挟んで上筐体4と下筐体5とに分割される。上筐体4と下筐体5とは、例えば、アルミもしくは亜鉛等の金属製とされる。
上記の光電変換部品として、光信号を送信する光サブアセンブリ(TOSA:Transmitting Optical Sub-Assembly)と、光信号を受信する光サブアセンブリ(ROSA:Receiving Optical Sub-Assembly)とを筐体3内に有している。TOSA及びROSAにはそれぞれ光電変換素子である発光素子及び受光素子が搭載され、フレキシブルプリント回路基板等の接続部材を介して回路基板2と電気的に接続される。TOSA及びROSAのための電気信号処理、制御等は、回路基板2に実装された電子回路部品からなる電子回路で行われる。回路基板2の奥側端部は、光トランシーバ1をホスト装置に電気的に接続するための電気プラグ(コネクタ)が設けられており、筐体3から露出している。
すなわち、光トランシーバ1は、光ケーブル(図示せず)の先端に付属する光コネクタを装着するための光レセプタクル41を有する筐体3と、筐体3とホスト装置のケージとの係合を解除するスライド部材に相当するスライダ7と、スライダ7に連結された把持部材に相当するプルタブ6とを備える。プルタブ6は、スライダ7に接続され且つ光レセプタクル41を挟んで延設された一対の腕部に相当する一対のアーム61と、一対のアーム61の先端に設けられた取手部に相当するハンドル62とを備える。
上記において、樹脂製のプルタブ6と、板金加工されたスライダ7とは一体的に形成されていることが望ましい。例えば、プルタブ6の樹脂成型の際に、予め金型内にスライダ7を挿入しインサート成型することにより、プルタブ6とスライダ7とを一体にすることができる。
図1の光トランシーバ1は、大きく分けて、電子回路、光サブアセンブリ、機構部品という3つの部品で構成され、光通信における光電気変換を担う基幹部品である。動作時の伝送レートとして40Gbps以上の高周波信号を扱うものである。ホスト装置との関係において、光トランシーバ1は、ホスト装置のマザーボード上に実装され、かつホスト装置のフロントパネルに開口を有するケージに挿入されて用いられる。ケージ奥端のマザーボード上には、マザーボードからの電源供給、グランド配線、伝送信号、制御信号などを光トランシーバ1とマザーボードとの間で通信するための電気コネクタが配置されており、光トランシーバ1の後端に設けられた電気プラグと電気的・機械的に接続される。
ケージに挿入された光トランシーバ1は、挿入されている間に想定され得る機械的な負荷(光ケーブルの引張負荷や、地震等の災害による負荷など)に耐えられるように、ケージと光トランシーバ1とが確実に係止(ロック)される必要がある。また、光トランシーバ1の故障やメンテナンス等が必要な場合を想定し、上記のロックを解除し、光トランシーバ1をホスト装置のケージから取り外すことができるようにしておく必要がある。光トランシーバ1をホスト装置のケージから取り外す方法の一例について図2に基づき説明する。
図2(A)は取り外し操作によりスライダ7がスライドする前の光トランシーバ1の部分拡大図であり、図2(B)はスライダ7がスライドした後の光トランシーバ1の部分拡大図である。図2(A)において、プルタブ6と一体で連結されているスライダ7は、上筐体4の長手方向に沿ってスライドするものであり、プルタブ6と反対側の端部に、側方に延び出す突起71が形成されている。また、スライダ7は、通常状態において、突起71を含む先端部分が上筐体4の側壁42の凹部43内に収まると共に、突起71が上筐体41より外側に突出することがないように、上記先端部分の近傍に折り曲げ加工が施されている。
なお、上筐体4の側壁42には、スライダ7に対向するスライド面44と、スライド面44より内側に凹みホスト装置のケージの係合片と係合する凹部43と、スライド面44から凹部43へと連続するスロープ面45とが形成されている。また、突起71は、ホスト装置のケージ側面に設けられ且つケージ内側に曲げられた係合片(図示せず)を押し出すためのものである。
つまり、光トランシーバ1がホスト装置のケージに装着された状態において、図2(A)に示すように、突起71を含む先端部分が上筐体4の側壁42の凹部43内に収まっており、また、突起71が上筐体4より外側に突出していない。そして、ホスト装置のケージの係合片と上筐体4の凹部43の後壁43aとが係合しており、光トランシーバ1がホスト装置のケージにラッチして固定されている。
次に、図2(B)に示すように、ラッチされている光トランシーバ1を取り外すためにユーザがプルタブ6を手前に引き、スライダ7が手前にスライドされると、スライダ7の突起71を含む先端部分が、上筐体4の側壁42のスライド面44上を摺動することにより、上記先端部分を外側に押し出す力が働く。これにより、ホスト装置のケージの係合片と上筐体4の凹部43の後壁43aとの係合が解除される。
すなわち、光トランシーバ1の側面にスライダ7が設けられ、その先端にスロープ状の突起71が設けられている。スライダ7を動作させることで、ケージ側の係合片はその先端が突起71に接触し、スライダ動作の進行とともに外側に開くことによってロックが解除される。これにより、ホスト装置を傷つけることなく光トランシーバ1を取り外すことができる。
上記の取り外しを行うために、スライダ7を動作させる機構が必要であり、その中の一つとして、プルタブ6を用いている。プルタブ6は、図1の光トランシーバ1の光コネクタ41近傍に光レセプタクル41を跨ぐ様に設けられており、スライダ7に接続されている。プルタブ6を引っ張ることによってスライダ7が動き、ロックを外す仕組みである。
一方、プルタブ6を引っ張る動作によってロックを外すことが可能となるが、再度、光トランシーバ1をケージに装着する際、このロックを外すための突起71は、ロック解除以前の位置に戻しておく必要がある(さもないと、光トランシーバ1をケージに装着した際、ロックできない問題が生じる)。このため、プルタブ6には戻り機構が必要であり、一般的には、スプリングにより機械的に元の位置に戻す機構が用いられる。
ここで、B2B実装とプルタブを組み合わせた場合、前述の図8に示したように、光ケーブルがプルタブ先端部との干渉によって曲げられ、光ケーブルの曲げ半径が最小曲げ半径より小さくなる可能性がある。そこで、本発明の主たる目的は、B2B実装時であっても、光ケーブルの曲げ半径が最小曲げ半径よりも小さくならないように、実装信頼性を保証するためのプルタブ構造を提供することにある。
図3は本発明によるプルタブ構造近傍を上面から見た図で、図4は図3のプルタブ構造近傍を下面から見た図である。図3に示すように、プルタブ6は、スライダ7に接続された2本(一対)のアーム61が、光レセプタクル41からその前方に向かって延伸し、その先端部分に円弧状の切り欠き63が形成されている。また、プルタブ6の先端部分には、ユーザが指で摘まむ際の取手になるハンドル62が設けられている。このハンドル62はくぼみ状になっており、先端部分の切り欠き63と合わせ、ユーザがプルタブ6を引き抜く/押し込む動作をする際に、指がくぼみに嵌りこむことで、プルタブ6に指が馴染む形状をしている。これにより、ユーザは直観的にプルタブ6をつまむ箇所を認識することが出来、作業上のミス発生を軽減することが可能となる。
図4に示すように、ハンドル62は、光レセプタクル41に装着された光ケーブルを受ける受け部64を備え、受け部64に、光レセプタクル41の光軸に対して傾斜し且つ30mm以上の曲率半径を有するスロープが形成されている。このスロープの曲率半径を30mm以上としたのは、汎用シングルモード型光ファイバケーブルの場合に最小曲げ半径が30mmと規定(例えば、ITU−T G.652規格など)されているためである。
また、ハンドル62には、アーム長手方向に沿って受け部64の両側に側壁65が形成され、この側壁65により光ケーブルがガイドされる。つまり、本実施形態のハンドル62では、受け部64の部分がくぼみ状に抉られており、この結果、受け部64の両側に側壁65が形成される。従来は受け部64の抉られた部分に樹脂が充填されており、光ケーブルがプルタブ側に垂下した場合、ハンドルの先端部分が光ケーブルと干渉し(図8を参照)、光ケーブルに無用な応力が及ぼされていた。これに対して、本実施形態によれば、ハンドル62に受け部64を設けたことで、光ケーブルとの干渉をなくし、光ケーブルに無用な応力が及ぼされることがない。
このように、B2B実装において光ケーブルがプルタブ6の先端と干渉しないように、光レセプタクル41の光軸に対して傾斜し且つ30mm以上の曲率半径を有する受け部64を設けたことにより、光ケーブルの最小曲げ半径(30mm)を保証することができるため、光ケーブルに不要なストレスを与えることがなく、ホスト装置への実装が可能となる。
図5は、B2B実装された光トランシーバ1に光ケーブルが装着された状態を示す図である。なお、本例ではケージ下段側のみを示している。また、光ケーブル11及び受け部64の周辺部分を、光ケーブル11の長手方向に沿って切ったときのXX断面を後述の図6(B)に示す。光ケーブル11の先端には、光コネクタ12が取り付けられている。また、この光コネクタ12には、光ケーブル11の先端から所定長の部分を保護する筒状の保護部材であるブーツ13が設けられている。プルタブ6を備える光トランシーバ1には、光レセプタクル41が設けられており、この光レセプタクル41に光コネクタ12が挿抜可能に装着される。そして、光トランシーバ1は、デュアルケージ101に受け部64を上側にして装着され、光ケーブル11は、光トランシーバ1がデュアルケージ101に装着された状態で、受け部64と少なくとも複数の点で接触し、光ケーブル11の自重により下方に垂下する。
ここで、プルタブ6を操作するためには、光コネクタ12そのものや、光コネクタ12に設けられたブーツ13などにユーザができる限り触れないよう、プルタブ6にある程度の長さを確保する必要がある。少なくとも光コネクタ12のブーツ13より飛び出す程度の長さを確保しないと、プルタブ6の操作に支障を来たす可能性がある。
上記のようにプルタブの長さを確保した場合でもB2B実装を行わなければ、図7に示したように、光ケーブルはプルタブから離れるように垂下するので、プルタブと光ケーブルとの干渉は生じない。これに対して、B2B実装を行う場合には、図8に示したように、光ケーブルとプルタブとの干渉が避けられず、光ケーブルの最小曲げ半径への配慮が必要となる。
図6は、本発明の光トランシーバ1をB2B実装したときのプルタブ6と光ケーブル11との位置関係の一例を示す図で、図6(A)は主要部の構成を示し、図6(B)は図5のXX断面を示す。図6(A)は図5と同様にケージ下段側の光トランシーバ1について示したものである。また、図6(B)のXX断面は、図5において、光ケーブル11及び受け部64の周辺部分を、光ケーブル11の長手方向に沿って切ったときの断面を示す。
このように、光トランシーバ1をB2B実装した際に、プルタブ6の長さを確保しつつ、光ケーブル11が最小曲げ半径(30mm)より小さい屈曲とならないよう、プルタブ6の裏面となる光ケーブル11との接触部分を、光ケーブル11を受ける受け部64として構成する。
すなわち、光コネクタ12が光レセプタクル41に装着された状態で、図6(B)に示すように、ブーツ13の端点a、受け部64の始点b、終点cの三点を結ぶ円弧の曲率半径が30mm(30R)以上とされている。光ケーブル11は光コネクタ12のブーツ13の端点aを始点として30Rの曲率半径で下方に垂下する。なお、この30Rのカーブをトレースする位置となるように一対のアーム61の長さを設定すればよい。具体的には、受け部64において、30Rの始点bの位置は、光コネクタ12の中心からおおよそ光ケーブル11の半径dの分だけオフセットした位置とする。さらに、受け部64は、光レセプタクル41の光軸に対して傾斜し且つ曲率半径が30mm以上の円弧形状のスロープとし、光ケーブル11が接触した際に、その曲げ半径が最小曲げ半径より小さくならないようにしている。
なお、上記では、ケージ下段側に装着される光トランシーバについて説明したが、ケージ上段側に装着される光トランシーバは、図7に示したように、光ケーブルがプルタブから離れるように下向きに垂下する。このため、基本的にプルタブの先端部分と光ケーブルとが干渉することはないため、光トランシーバの操作性及び信頼性は保証される。また、図7において、ケージ上段側の光トランシーバを上下反転させ、光トランシーバの上面同士を対向させて実装する場合には、ケージ上段側の光トランシーバが図6の構造となり基本的に同様の効果を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、プルタブを備えた光トランシーバをB2B実装した場合においても、光トランシーバの操作性および信頼性を損なわない有効なプルタブ構造を提供することができる。
1…光トランシーバ、2…回路基板、3…筐体、4…上筐体、41…光レセプタクル、42…側壁、43…凹部、43a…後壁、44…スライド面、45…スロープ面、5…下筐体、6…プルタブ(把持部材)、61…アーム(腕部)、62…ハンドル(取手部)、63…切り欠き、64…受け部、65…側壁、7…スライダ(スライド部材)、71…突起、11…光ケーブル、12…光コネクタ、13…ブーツ(保護部材)。

Claims (3)

  1. ホスト装置に搭載されたケージに挿抜可能に装着される光トランシーバであって、
    光ケーブルの先端に付属する光コネクタを装着するための光レセプタクルを有する筐体と、該筐体と前記ケージとの係合を解除するスライド部材と、該スライド部材に連結された把持部材とを備え、
    前記把持部材は、前記スライド部材に接続され且つ前記光レセプタクルを挟んで延設された一対の腕部と、該一対の腕部の先端に設けられた取手部とを備え、
    前記取手部は、前記光レセプタクルに装着された前記光ケーブルを受ける受け部を備え、該受け部に、前記光レセプタクルの光軸に対して傾斜し且つ30mm以上の曲率半径を有するスロープが形成されている、光トランシーバ。
  2. 前記光トランシーバは、前記ケージに前記受け部を上側にして装着され、前記光ケーブルは、前記光トランシーバが前記ケージに装着された状態で、前記受け部と少なくとも複数の点で接触し、前記光ケーブルの自重により下方に垂下する、請求項1に記載の光トランシーバ。
  3. 前記光コネクタは、前記光ケーブルの先端から所定長の部分を保護する筒状の保護部材を備え、
    前記光コネクタが前記光レセプタクルに装着された状態で、前記保護部材の端点、前記受け部の始点、終点の三点を結ぶ円弧の曲率半径が30mm以上である、請求項1または2に記載の光トランシーバ。
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