JP2015120547A - ポリプロピレン不織布製買物袋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上部が開口した袋体15と、袋体15の上端より延長し必要により二重に重ね形成された左右一対の把手6とを有し不織布地からなり、糸により縫合されてなる買物袋であって、糸は、破断強度が7cN/dTex以上であり、ヤング率が80cN/dTex以上であり、25℃における破断伸度が25%以下であり、140℃における乾熱収縮率6.5%以下であり、メルトインデックス(MI)が20g/10分乃至27g/10分である、ポリプロピレン繊維のマルチフィラメントであり、不織布地は、メルトインデックスが20g/10分乃至27g/10分であるポリプロピレン樹脂からなる。
【選択図】図1
Description
そこで最近、小売店では、今まで無料で配布していた買物袋を有料にしたり、或いは、買物袋が必要でない人にはスタンプやクーポン券を提供する等の方法により、顧客自身が買物袋を持参することを推奨している。しかしながら、従来、買物袋として使用されている布製の袋は厚手で嵩張りまた決して軽量ではないため、携帯には適しておらず、さらに異質の材料で出来ているためリサイクルに適しておらず、相当に高価でもあるという不都合があった。それ故、布製の買物袋を小売店に持参して買物をするという習慣は、現在に至るまであまり普及していないのが実状である。
そこで、本発明者は、この点に鑑み、樹脂フィルムに代えて不織布地のシートから製造された袋とすることで、強度があり、しかも軽量かつコンパクトに折り畳むことが可能なため携帯に適するところの、買物袋をすでに提案している(特許文献1)。
そして、特許文献1には、リサイクルの際に原料毎に分別する作業を省くことができるようにするために、買物袋を構成する不織布シートと縫製用の糸とが双方とも同一種の樹脂材料、例えば一般のポリプロピレンからなるものを用いた買物袋が提案されている。
しかし、該シートと縫製用の糸とが双方とも一般のポリプロピレン樹脂(PP)からなる買物袋においては、縫製の際に、糸の強度不足による糸切れ、糸の伸縮による縫製後の縫い縮み(パッカリング)、並びに糸の伸びによる縫い目の目飛び及び弛みなどが生じやすいものであることから、このような買物袋を円滑に製造することは困難であった。
法又は湿式法などの方法により不織布地のシートを再生製造する方法、又は、該袋材料からペレット状の再生樹脂を製造し、該再生樹脂からスパンボンド法又はメルトブロー法などの溶融紡糸(紡糸直結)法によって不織布地のシートを再生製造する方法などが利用されている。
そして、製造の容易さ及び生産性などの面から、溶融紡糸法によって不織布地のシートを再生製造する方法が現在のところ有利かつ好ましい方法であると考えられている。
しかし、再生樹脂から溶融紡糸法によって不織布地のシートを再生製造する方法にあっては、袋材料としてメルトインデックス(MI)が高いポリプロピレン樹脂を使用した場合、その使用が袋材料の一部であったとしても、リサイクルを繰り返すことによりメルトインデックスの値が上昇し、溶融紡糸の際の加工性が悪化するといった問題があった。
このように、不織布からなる買物袋を構成するシートと縫製用の糸とが双方とも一般のポリプロピレンからなる買物袋は、その再生製造及びリサイクルが必ずしも容易に行えるものではなかった。
上部が開口した袋体と、該袋体の上端より延長し必要により二重に重ね形成された左右一対の把手とを有し、不織布地からなり、糸により縫合されてなる買物袋であって、
前記糸は、
破断強度が7cN/dTex以上であり、
ヤング率が80cN/dTex以上であり、
25℃における破断伸度が25%以下であり、
140℃における乾熱収縮率6.5%以下であり、
メルトインデックス(MI)が20g/10分乃至27g/10分である、ポリプロピレン繊維のマルチフィラメントであり、
前記不織布地は、メルトインデックスが20g/10分乃至27g/10分であるポリプロピレン樹脂からなることを特徴とする、
ポリプロピレン不織布製買物袋に関する。
また、本発明の好ましい態様は、前記ポリプロピレン不織布製買物袋は、長方形をなす上記の特性を有する不織布地のシートを用意し、該シートを一方の短辺部が他方の短辺部に重なるように折畳み、形成された折り目部の一部を切除して左右一対の把手を形成し、次いで、重ねられた左右の長辺部を各々超音波シールにて接合してなり、続いて接合した該左右の長辺部を、完成した袋体にまちを設ける長さだけ内側に折り込み、前記折り込み部の下端とこれに重なる前記短辺部とを上記の特性を有する糸により縫合して、前記袋体の側部と底部を形成し、そして得られた袋体及び把手を裏返すことにより製造された買物袋であることを特徴とする、前記ポリプロピレン不織布製買物袋に関する。
また、本発明のより好ましい態様は、該袋体側部は、前記超音波シール部位の上端において、該袋体側部の上縁より上方に延出する耳部を形成してなることを特徴とする、前記ポリプロピレン不織布製買物袋に関する。
また、本発明の更に好ましい態様は、前記開口部に、その周縁より延長する結び止め片がさらに形成されてなる、前記ポリプロピレン不織布製買物袋に関する。
れらが総て同様の範囲内のメルトインデックスを有するものであることから、リサイクルの際にこれらを分別するという煩わしい作業が省け、リサイクルを容易に行うことができる。
また、本発明のポリプロピレン不織布製買物袋は、袋本体の縫合に用いるポリプロピレン繊維の糸が破断強度、破断伸度、ヤング率、及び乾熱収縮率について上記の範囲の値を有するマルチフィラメントであることから、縫製の際に糸切れ、目飛び、縫い目の緩み及び縫い縮み等が起きにくいものであり、従って、袋を構成する全ての材料がポリプロピレン樹脂からなるポリプロピレン不織布製買物袋を容易に再生製造することができる。
特に本発明のポリプロピレン不織布製買物袋にあっては、袋本体を構成する不織布地のシート及び糸がすべて特定の値(27g/10分)以下のメルトインデックスを有するポリプロピレン樹脂からなるものであることから、リサイクルを複数回繰り返したとしても再生ポリプロピレン樹脂のメルトインデックスの値が上記範囲内の値に多数回にわたって収まり、よって、該再生ポリプロピレン樹脂を用いて溶融紡糸法によって、好適にポリプロピレン樹脂からなる不織布地のシートを再生製造することができる。
更に、本発明のポリプロピレン不織布製買物袋は、袋本体を形成するポリプロピレン樹脂からなる不織布地のシートのメルトインデックスが特定の値(20g/10分)以上のものであるから、リサイクルを繰り返した場合でも不織布地のシート自体が重い商品又は嵩張る商品の収納に耐えうる強度を有するものである。
また、本発明のポリプロピレン不織布製買物袋は、把手に縫い目を有さず、かつ底部が糸により縫製されているので、また特に側部に耳部が設けられているものであるときは、重い商品又は嵩張る商品を収納した場合であっても把手、底部及び側部が破損しにくいものである。しかも、本発明の買物袋は把手に縫い目を有しないので、袋をぶら下げたときの手のひらへの当たりが柔らかであり、手のひらに食い込むようなこともない。
さらに、本発明のポリプロピレン不織布製買物袋は軽量であり且つコンパクトに折畳むこともできるため、携帯に非常に適している。
前記糸は、
破断強度が7cN/dTex以上であり、
ヤング率が80cN/dTex以上であり、
25℃における破断伸度が25%以下であり、
140℃における乾熱収縮率6.5%以下であり、
メルトインデックス(MI)が20g/10分乃至27g/10分である、ポリプロピレ
ン繊維のマルチフィラメントであり、
前記不織布地は、メルトインデックスが20g/10分乃至27g/10分であるポリプロピレン樹脂からなることを特徴とする、
ポリプロピレン不織布製買物袋に関する。
破断強度が7cN/dTex未満の場合、縫合の際に強度不足により糸切れを起こしやすくなる。
また、本発明で用いるポリプロピレン繊維の糸は、ヤング率が80cN/dTex以上、好ましくは90cN/dTex以上、より好ましくは100cN/dTex以上のものである。
ヤング率が80cN/dTex未満の場合、縫合の際に糸が伸びて、目飛びを起こしやすく、更には、縫製後に糸が収縮し、縫い縮みが発生することがある。なお、本明細書においてヤング率は、初期引張抵抗度(又は見かけヤング率)を意味する。
また、本発明で用いるポリプロピレン繊維の糸は、25℃における破断伸度が25%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下のものである。破断伸度が25%を上回ると、縫合の際に糸が伸びて目飛びを起こしやすく、また、縫い目に弛みが生じやすくなる。
よって、このように本発明ではポリプロピレン樹脂の不織布地のほか、特定の物性を有するポリプロピレン繊維の糸を使用することにより、袋を構成する材料が全てポリプロピレン樹脂からなる不織布製買物袋を好適に製造及び再生製造をすることができる。
また、該ポリプロピレン繊維の糸は単繊維繊度1乃至10000dtexのモノフィラメント、単繊維繊度1乃至40dtexで総繊度1乃至8000dtex、好ましくは100乃至5000dtexのマルチフィラメント、またはその双方で構成されてもよいが、柔軟性があり縫い目がより解け難いという点でマルチフィラメントを用いることが好ましい。
本発明のポリプロピレン不織布製買物袋をリサイクルする方法としては、例えば、ポリプロピレン不織布製買物袋を店頭などから回収し、回収された該ポリプロピレン不織布製買物袋を洗浄し、ついで細片に切断した後、不織布を構成する繊維をばらばらにして再生ポリプロピレン繊維を作り、得られた再生ポリプロピレン繊維から乾式法又は湿式法などの方法により再生ポリプロピレンからなる不織布地のシートを作るか、又は、洗浄後のポリプロピレン不織布製買物袋を切断して得られる繊維からペレット状の再生ポリプロピレン樹脂を製造し、該再生ポリプロピレン樹脂を用いて溶融紡糸(例えばスパンボンド法又はメルトブロー法など)を行い不織布地のシートを再生製造する方法などが挙げられる。
再生された不織布地のシートの強度をさらに向上させることを目的として、前記再生ポリプロピレン繊維にバージンポリプロピレン繊維を混ぜ合わせたり、又は溶融紡糸する際に、前記再生ポリプロピレン樹脂のペレットにバージンポリプロピレン樹脂のペレットを
混ぜて使用してもよい。
まず、長方形をなす上記特性を有する不織布地のシートを用意し、該不織布地のシートを一方の短辺部が他方の短辺部に重なるように折畳み、形成された折り目部の一部を切除して左右一対の把手が形成される。次いで、左右の長辺部を各々超音波シールにより接合する。続いて、接合した左右の長辺部を、袋体にまちを設ける長さだけ内側に折り込み、前記折り込み部の下端とこれに重なる短辺部とを上記の特性を有する糸により縫合して、袋体の左右の側部と底部とを形成する。このようにして得られた袋体及び把手を裏返すことにより、本発明のポリプロピレン不織布製買物袋が得られる。
っても把手が破損しにくく、また、袋をぶら下げたときの手のひらへの当たりが柔らかであり、手のひらに食い込むようなこともない。
また、袋体の底部に熱溶着部分を有する一般的な買物袋においては、重い商品を収納した場合などに熱溶着部と熱溶着されていない部分との境目から破れることがある。しかし、前記態様の本発明のポリプロピレン不織布製買物袋にあっては袋体の底部が不織布地を糸により縫合することにより形成されているものであることから、熱溶着部分を有さないものであり、よって、重い商品を収納した場合であっても底部が破損しにくいものである。
従来の買物袋は、図7(b)に示す通り、幅方向に拡げようとする矢印の方向の力Bが作用した場合、応力が集中する点Cから破れやすいものである。
しかし、本発明にあっては、図7(a)に示す通り、耳部16を設けることによって、同様の力Bが作用した場合であっても、その応力が袋側部の超音波シール部の上端17に集中せず、袋側部の上縁18に広域にわたって該応力を分散することができるのである。
該耳部は、把手を形成する際に不織布を切除する際に同時に対応する不織布の部位を一部切除することによって形成される、すなわち買物袋と一体に設けられる。また、該耳部の上縁を湾曲した凸曲線状に形成し、且つ、該耳部の側縁から前記袋側部の上縁までの部位を湾曲した凹曲線状に形成することにより、袋側部にかかる応力をその上縁部位により広域にわたって及ぼすようにしてさらに緩和して袋側部の破損を防ぐことができるものであり、何回もリサイクルされた本発明のポリプロピレン不織布製買物袋においても同様の破損防止効果を発揮することができる。
また、本発明のポリプロピレン不織布製買物袋には、収納した商品が袋の外に飛び出ることを防止するために、開口部に、その周縁より延長する前記ポリプロピレン樹脂からなる結び止め片が形成された態様をとることもできる。この場合、結び止め片は、不織布地のシートを一方の短辺部が他方の短辺部に重なるように折畳み、形成された折り目部の一部を切除して把手を形成する際に、結び止め片に相当する不織布地のシートを残すように該シートを切除することにより形成することができる。
さらにまた、本発明のポリプロピレン不織布製買物袋には、小銭又は駐車券等を収納して出し入れしやすくするために、前記ポリプロピレン樹脂からなる小物袋が袋体の開口部の周縁に縫着された態様をとることもできる。この場合も、小物袋の少なくとも開口周縁には、前記ポリプロピレン樹脂からなる不織布テープを覆い重ねさらに前記ポリプロピレン繊維の糸により縫い付けることにより、補強されていてもよい。
本実施例は、図1(a)に示す本発明の態様のポリプロピレン(PP)不織布製買物袋1であって、図2ないし図6に示す以下の方法により作られる。
この実施例の買物袋1は、上部が開口した袋体15と、袋体15の上端より延長し形成された左右一対の把手6,6とを有し、これは下記の不織布地からなり、また底部は、下記の糸により縫合されてなる。そして、長辺部2がおよそ100cmであり且つ短辺部3がおよそ40cmの寸法を有する長方形のPP樹脂からなる不織布地のシート4を用意し、短辺部3が他方の短辺部3に重なるように折り畳み(図2参照)、そして形成された折り目部5のほぼ中央及びその両端を切除して把手6、結び止め片8及び耳部16を形成した(図3参照)。そして互いに重なり合わされた左右の長辺部2をそれぞれ超音波シールにより接合(基本条件:電圧220V、電流1A、加工速度4m/分)して超音波シール部7を形成した(図4参照)。
続いて、超音波シールした左右の長辺部2を、完成した袋体15にまちが設けられるように、図4中のX−X線を軸としておよそ8cm分だけ内側にそれぞれ折り込み(図5参照)、そしてこの折り込み部11の下端12とこれに重なる短辺部3とをPP繊維の糸9により縫合することにより、袋体15の側部14及び底部13を形成した(図6参照)。そして、こうして得られた袋体15及び把手6を裏返すことにより、本発明のPP不織布製買物袋1を得た。
なお、本実施例において、不織布地のシートとしては、メルトインデックスが20g/10分乃至27g/10分のPP樹脂からなるものを使用し、
糸としては、破断強度が7cN/dTexであり、
ヤング率が80cN/dTexであり、
25℃における破断伸度が25%であり、
140℃における乾熱収縮率が6.5%であり、
メルトインデックスが20g/10分乃至27g/10分である、ポリプロピレン繊維のマルチフィラメントを使用した。
このように、該PP不織布製買物袋1は、把手に縫い目等の接合部を有さないものであるから、把手が破損しにくいものであり、また、袋をぶら下げたときの手のひらへの当たりが柔らかであり、手のひらに食い込むようなこともない。
また、該PP不織布製買物袋1は、底部が熱溶着でなく糸8による縫製により形成されているため、その底部が破損しにくいものであり、さらに、袋側部に上記耳部を有するという構成を有することにより、袋側部が破損しにくいものである。
使用済みの実施例1のPP不織布製買物袋1を、回収、洗浄し、ついで該PP不織布製買物袋を細片に切断した後、得られた繊維からペレット状の再生PP樹脂を製造し、該再生PP樹脂を用いてメルトブロー法により再生PP樹脂からなる不織布地のシートを製造した。
PP不織布製買物袋1は、これらが総て同様のメルトインデックスを有するポリプロピ
レン樹脂からなるものであることから、リサイクルの際にこれらを分別するという煩わしい作業が省け、リサイクルを容易に行うことができる。
このようにして製造した再生PP樹脂からなる不織布地のシートを上記不織布地のシート4として使用し、実施例1の方法に従い、再生PP不織布製買物袋を製造した。なお、その際縫合に使用するPP繊維の糸としては実施例1と同様のものを使用した。このようなリサイクル処理を50回繰り返し、再生PP不織布製買物袋を得た。
このようにして製造された実施例2の再生PP不織布製買物袋は、メルトインデックスが20g/10分以上である不織布地及び糸を使用して製造されたPP不織布製買物袋1から再生製造されたものであるから、不織布地のシート自体が高い強度を有するものであり、また、該再生PP不織布製買物袋は、把手に縫い目を有さず、底部が糸による縫製によって形成され、そして、袋側部に耳部を有するという構成を有するものであることから、実施例1のPP不織布製買物袋1と同様に、重い商品及び嵩張る商品を繰り返し収納しても不織布地のシート、把手、袋側部及び袋底部が破損することなく使用することができるものである。
また、該不織布製買物袋から再度上記と同様の方法でペレット状の再生PP樹脂を製造してメルトインデックスを測定したところ、その値は20g/10分乃至27g/10分の範囲に収まるものであったことから、該再生PP樹脂を用い、メルトブロー法により不織布地のシートを再度製造することができた。
破断強度が6cN/dTexであるPP繊維の糸を用いた点以外は全て実施例1と同様の方法でポリプロピレン不織布製買物袋の製造を試みたが、ポリプロピレン樹脂からなる不織布地のシートを縫合する際に糸切れが生じてしまった。
ヤング率が70cN/dTexであるPP繊維の糸を用いた点以外は全て実施例1と同様の方法でポリプロピレン不織布製買物袋を製造を試みたが、ポリプロピレン樹脂からなる不織布地のシートを縫合する際に目飛びが生じてしまった。
PP繊維の糸としてメルトインデックスが40g/10分のPP繊維の糸を使用した以外は、実施例1と同様の方法でPP不織布製買物袋を製造した。その後、実施例2の方法に従い、リサイクル(再生)処理を20回繰り返した。それぞれのリサイクル処理において、再生ポリプロピレン不織布製買物袋の製造の際には、PP繊維の糸としては、上述のメルトインデックスが40g/10分であるものを使用した。ついで、得られた再生PP不織布製買物袋から、再度上記と同様の方法でペレット状の再生PP樹脂を製造してメルトインデックスを測定したところ、その値は30.4g/10分であった。また、該再生PP樹脂はメルトインデックスの値が大きいものであるから、メルトブロー法による再生PP樹脂からなる不織布地のシートの製造を行うことができなかった。
不織布地のシートとして、メルトインデックスが10g/10分PP樹脂からなるものを使用した点以外は、実施例1と同様の方法でポリプロピレン不織布製買物袋を製造し、そして、実施例2と同様の方法で10回のリサイクルを行い、再生ポリプロピレン不織布製買物袋を製造した。
しかし、このようにして得られた再生ポリプロピレン不織布製買物袋は、嵩張る商品を収納した際に袋体が破れてしまい、再生された不織布地のシート自体の強度が弱いものであった。
不織布地のシート4を使用して従来のPP不織布製の買物袋を製造した。従来のPP不織布製の買物袋は、別体の把手が袋体に実施例1で使用したPP繊維にて縫着され、袋体の底部が不織布地のシート4をヒートシールすることにより形成され、そして袋側部の上縁より上方に延出する耳部を設けられていないという構成を有するものである。
次いで、実施例2のリサイクル方法に従い、従来のPP不織布製の買物袋の再生製造を10回繰り返した。
そして、得られた再生された従来のPP不織布製の買物袋に重い商品や嵩張る商品の収納を繰り返し行ったところ、把手、袋側部又は袋底部に破損が生じてしまった。
袋体、16 耳部、17 超音波シール部位の上端、18 袋体側部の上縁
Claims (4)
- 上部が開口した袋体と、該袋体の上端より延長し必要により二重に重ね形成された左右一対の把手とを有し、不織布地からなり、糸により縫合されてなる買物袋であって、
前記糸は、
破断強度が7cN/dTex以上であり、
ヤング率が80cN/dTex以上であり、
25℃における破断伸度が25%以下であり、
140℃における乾熱収縮率6.5%以下であり、
メルトインデックス(MI)が20g/10分乃至27g/10分である、ポリプロピレン繊維のマルチフィラメントであり、
前記不織布地は、メルトインデックスが20g/10分乃至27g/10分であるポリプロピレン樹脂からなることを特徴とする、
ポリプロピレン不織布製買物袋。 - 前記ポリプロピレン不織布製買物袋は、長方形をなす請求項1記載の不織布地のシートを用意し、該シートを一方の短辺部が他方の短辺部に重なるように折畳み、形成された折り目部の一部を切除して左右一対の把手を形成し、次いで、重ねられた左右の長辺部を各々超音波シールにて接合してなり、続いて接合した該左右の長辺部を、完成した袋体にまちを設ける長さだけ内側に折り込み、前記折り込み部の下端とこれに重なる前記短辺部とを請求項1記載の糸により縫合して、前記袋体の側部と底部を形成し、そして得られた袋体及び把手を裏返すことにより製造された買物袋であることを特徴とする、請求項1記載のポリプロピレン不織布製買物袋。
- 前記袋体側部は、前記超音波シール部位の上端において、該袋体側部の上縁より上方に延出する耳部を形成してなることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のポリプロピレン不織布製買物袋。
- 前記開口部に、その周縁より延長する結び止め片がさらに形成されてなる、請求項1乃至請求項3に記載のポリプロピレン不織布製買物袋。
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