JP2015120500A - 車両用空調システム及びその起動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】乗員が乗車する前から制御をはじめるものの、乗員が乗車を取りやめたときに制御に投じたエネルギー損失が少なくなる車両用空調システム及びその起動方法を提供する。【解決手段】車両用空調システムは、乗車予定信号SG1を発する乗車検知手段1と、乗員乗車前に作動する事前稼働機器30と、乗車予定信号SG1により事前稼働機器30を作動させる事前稼働制御手段20とを備える。風量切替制御手段11は、ブロワモータ4を4秒間、駆動して空調用ダクト22内の空気を空調用ダクト22の外に排出してブロワモータ4を停止させる。吹出口切替制御手段12は、吹出口をフェイス吹出以外の位置に設定して待機する。圧縮機制御手段13は、圧縮機6を3秒間、駆動して圧縮機6内の液冷媒を排出して圧縮機6を停止させる。電気ヒータ制御手段14は、10秒間車室内を暖房した後、電気ヒータ7への通電を停止させる。【選択図】図1

Description

本発明は、車室内を空調する車両用空調システム及びその起動方法に関するものである。
従来、車両用空調システムを構成する車両用空調装置は、乗員が乗車してから、車両用空調装置の作動がイグニッションスイッチのONで開始されている。また、プレ空調制御と称して、乗員が乗車する前の段階で車室内を冷房又は暖房するものも知られている。また、乗員が乗車してから車両用空調装置の作動を開始するものの、先ず、所定の先行動作を行ってから、本来の空調制御を行うものも特許文献1に開示されている。
この特許文献1は、乗員が乗車してから、空調運転始動検知後の所定時間、車両の窓への空調風の吹出しを行うデフロスタ吹出に切り換えるものである。これにより、夏場において乗員の顔に熱風が当たらない。
そして、熱風が吹出されなくなってから、乗員の顔方向にフェイス吹出を行っている。一端、デフロスタ吹出にしてからフェイス吹出に戻るまでの経過時間は固定時間として、例えば10秒が設定されるが、経過時間を演算しても良いとされている。
特開平5−85153号公報
この特許文献1の車両用空調装置では、乗員に不快感を与えないようにするため、乗車してから空調運転始動検知後の所定時間、デフロスタ吹出に切り換えるが、切替わるまでに時間がかかる。その切り換えの過程で、まだ充分に冷却されていない風が乗員の上部に当たることは避けられない。
また、乗員が乗車する前に車室内を冷房等するプレ空調制御は、特許文献1のような問題はなく快適ではあるが、もしも、乗員が乗車を取りやめたり遅らせたりしたときにはプレ空調制御に投じたエネルギー損失が大きい。
従って、乗員が乗車してから車両用空調装置を制御するのでなく、その前から制御をはじめるものの、乗員が乗車を取りやめたときには制御に投じたエネルギー損失が小さいことが望まれる。
本発明は、乗員が乗車してから車両用空調装置を制御するのでなく、その前から制御をはじめるものの、乗員が乗車を取りやめたときに制御に投じたエネルギー損失が少なくなる車両用空調システム及びその起動方法を提供することを目的とする。
従来技術として列挙された特許文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用することができる。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、本発明の一つでは、車両用空調システムの起動方法が、乗員の乗車の前に乗員が乗車することを検知して乗車予定信号(SG1)を発する乗車検知手段(1)を備える。車両用空調システムの起動方法が、空調用ダクト(22)を通る空調風で車室内を空調する車両用空調装置(100)の一部を含み乗員乗車前に作動する事前稼働機器(30)を備える。車両用空調システムの起動方法が、乗車予定信号(SG1)を認識した後に事前稼働機器(30)を作動させる事前稼働制御手段(20)を備える。
事前稼働機器(30)は、ブロワモータ(4)と、吹出口モータ(5)と、圧縮機(6)と、電気ヒータ(7)とのいずれかを含む。ブロワモータ(4)は、車室内に空気を吹出す。吹出口モータ(5)は、車室内に空気を吹出す吹出口を切り換える。圧縮機(6)は、車室内を空調する冷媒を吐出する。電気ヒータ(7)は、通電されることにより車室内を暖房する。
事前稼働制御手段(20)は、風量切替制御手段(11)と、吹出口切替制御手段(12)と、圧縮機制御手段(13)と、電気ヒータ制御手段(14)とのいずれかを含む。
風量切替制御手段(11)は、事前稼働機器(30)としてブロワモータ(4)を含む。このブロワモータ(4)を含む場合に、ブロワモータ(4)を、空調用ダクト(22)の中の空気を入れ替えるのに必要な時間が設定されている。この時間は、予め設定されたブロワ駆動時間(T1)である。ブロワモータ(4)を、ブロワ駆動時間(T1)の間、駆動して空調用ダクト(22)内の空気を空調用ダクト(22)の外に排出した後、ブロワモータ(4)を停止させる。
吹出口切替制御手段(12)は、事前稼働機器(30)として吹出口モータ(5)を含む場合に、ブロワモータ(4)の作動で吹出される空気の出口である吹出口を乗員の顔面方向に吹出すフェイス吹出以外の位置に設定する。この設定をした後、ブロワモータ(4)に通電せずに待機する。
圧縮機制御手段(13)は、事前稼働機器(30)として圧縮機(6)を含む場合に、圧縮機(6)を圧縮機(6)の中の液冷媒を排出するのに必要な時間が設定されている。この時間は、予め設定された圧縮機駆動時間(T2)である。圧縮機(6)を圧縮機駆動時間(T2)の間、駆動して圧縮機(6)内の液冷媒を排出した後、圧縮機(6)を停止させる。
電気ヒータ制御手段(14)は、事前稼働機器(30)として電気ヒータ(7)を含む場合に、電気ヒータ(7)に、予め設定された電気ヒータ作動時間(T3)の間、通電して車室内を暖房した後電気ヒータ(7)への通電を停止させる。
この発明によれば、事前稼働制御手段は、風量切替制御手段と、吹出口切替制御手段と、圧縮機制御手段と、電気ヒータ制御手段とのいずれかを含む。よって、乗員が乗車する前に、これらの手段によって車両用空調装置100の一部を作動させ、乗車後の本格的な空調制御に備えることができる。
また、従来の一般的なプレ空調制御においても、乗車する前までに車室内の環境を整えるために、ブロワモータの駆動と、吹出口モータの駆動と、圧縮機の駆動と、電気ヒータへの通電とのいずれかを実行する。しかし、この発明において、ブロワ駆動時間(T1)は、空調用ダクト(22)の中の空気を入れ替えるのに必要な時間として設定される点でプレ空調制御とは異なる。吹出口モータ事前稼働制御はフェイス吹出以外の位置に設定してブロワモータに通電せずに待機している点でプレ空調制御とは異なる。
更に、この発明の液冷媒排出のための事前稼働制御の場合は、圧縮機駆動時間(T2)は、圧縮機(6)の中の液冷媒を排出するのに必要な時間として設定される点でプレ空調制御とは異なる。
電気ヒータへの通電も電気ヒータ作動時間(T3)が比較的短い点で、従来のプレ空調制御とは異なる。この電気ヒータ作動時間(T3)は、予め設定される点で、従来のプレ空調制御とは異なる。従って、乗員の乗車を予定して、いずれかの事前稼働制御を実行して、途中で乗員が乗車しなかったとしても、エネルギーの損失が少ない。
これにより、乗員が乗車してから車両用空調装置100を制御するのでなく、その前から事前稼働制御をはじめるものの、乗員が乗車を取りやめたときに事前稼働制御に投じたエネルギー損失が少なくなる車両用空調システムの起動方法が提供できる。
本発明の一つでは、車両用空調システムが、乗員が乗車することを検知して乗車予定信号(SG1)を発する乗車検知手段(1)を備える。また、車両用空調システムが、空調用ダクト(22)を通る空調風で車室内を空調する車両用空調装置(100)の一部を含む事前稼働機器(30)を備える。更に、車両用空調システムが、乗車予定信号(SG1)を認識して事前稼働機器(30)を作動させる事前稼働制御手段(20)を備える。加えて、車両用空調システムが、乗員乗車により車両用空調装置を制御する基本演算手段(200)を備える。
この発明によれば、事前稼働制御手段は、乗員が乗車する前に、車両用空調装置の一部を作動させ、乗車後の本格的な空調制御に備えることができる。従って、乗員の乗車を予定して、いずれかの事前稼働制御を実行して、途中で乗員が乗車しなかったとしても、エネルギーの損失が少ない。これにより、乗員が乗車してから車両用空調装置を制御するのでなく、その前から事前稼働制御をはじめるものの、乗員が乗車を取りやめたときに事前稼働制御に投じたエネルギー損失が少なくなる車両用空調システムが提供できる。
なお、特許請求の範囲及び上記各手段に記載の括弧内の符号ないし説明は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を分かり易く示す一例であり、発明の内容を限定するものではない。
本発明の第1実施形態における車両用空調システムの全体構成図である。 上記実施形態における事前稼働制御のフローチャートである。 上記実施形態において使用するブロワ及びブロワモータを説明する一部断面図である。 上記実施形態を構成する車両用空調装置の全体構成図である。 上記実施形態における空調制御装置の基本演算制御を示すフローチャートである。 上記実施形態における空調制御装置による基本演算制御の実行と事前稼働制御の実行とのタイムチャートである。 本発明の第2実施形態における車両用空調システムの全体構成図である。 上記第2実施形態における空調制御装置による基本演算手段の実行と事前稼働制御手段による事前稼働制御の実行とを示すタイムチャートである。 本発明の第3実施形態を示す車両用空調システムの全体構成図である。 上記第3実施形態における空調制御装置による基本演算手段の実行と事前稼働制御の実行とのタイムチャートである。 本発明の第4実施形態を示す車両用空調システムの全体構成図である。 上記第4実施形態における空調制御装置による基本演算制御の実行と事前稼働制御の実行とのタイムチャートである。 本発明の車両用空調システムの第5実施形態を示す全体構成図である。 上記第5実施形態における空調制御装置による基本演算制御の実行と事前稼働制御手段の実行とを示すタイムチャートである。 本発明の第6実施形態における空調制御装置による基本演算制御の実行と事前稼働制御手段の実行とのタイムチャートである。 上記第7実施形態における空調制御装置による基本演算制御の実行と事前稼働制御手段の実行とを示すタイムチャートである。 本発明の第8実施形態における空調制御装置による基本演算制御の実行と事前稼働制御の実行とを示すタイムチャートである。 本発明の第9実施形態における車両用空調システムの全体構成図である。 上記第9実施形態における空調制御装置の基本演算手段と事前稼働制御手段とを示す概略構成図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部を説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1ないし図6を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態における車両用空調システムを示す。この第1実施形態は、乗員の乗車の前に乗員が乗車することを検知して乗車予定信号SG1を発する乗車検知手段1を有している。この乗車検知手段1は、無線によるドアの施錠解錠装置から成る。乗車検知手段1は、無線キー2からの無線信号SG2により乗車予定信号SG1を発する。無線キー2は、車両から離れた場所から車両のドアをロック(施錠)したり、アンロック(解錠)したりできる。
乗員は乗車前に、車両からある程度はなれた位置において無線キー2を操作する。これにより無線で車両ドアがアンロックされる。このアンロック信号を乗車予定信号SG1として事前稼働制御手段20を成す制御回路に供給している。
車室内を空調する車両用空調装置100の一部を含み、乗員乗車前に作動する事前稼働機器30として、車両用空調装置の空調用ダクト内の空調風を車室内に吹出すブロワを駆動するブロワモータ4を備えている。また、事前稼働機器30として、車室内に空調風を吹出す吹出口を切り換える吹出口サーボ機構を構成する吹出口モータ5を備えている。また、事前稼働機器30として、冷媒を熱交換器に循環させて冷凍システムを作動させる圧縮機6と、車室内を補助暖房する電気ヒータ7とを備えている。
乗車検知手段1からの乗車予定信号SG1により事前稼働機器30を作動させる事前稼働制御手段20を備えている。この事前稼働制御手段20の中には、ブロワモータ4への通電を制御するリレー等が設けられた回路基板の中の電気回路から成る風量切替制御手段11を有する。
また、事前稼働制御手段20は、吹出口モータ5への通電を制御するリレー等が設けられた回路基板の中の電気回路から成る吹出口切替制御手段12を有する。また、この事前稼働制御手段20は、圧縮機6への通電を制御するリレー等が設けられた回路基板の中の電気回路から成る圧縮機制御手段13を有する。更に、事前稼働制御手段20は、電気ヒータ7への通電を制御するリレー等が設けられた回路基板の中の電気回路から成る電気ヒータ制御手段14を有する。
そして、事前稼働機器30は、車室内に空気を吹出すためのブロワモータ4、車室内に空気を吹出す吹出口を切り換える吹出口切り替え装置内のサーボモータとなる吹出口モータ5を含む。また、事前稼働機器30は、車室内を空調する冷媒を吐出する圧縮機駆動用モータを一体に備えた圧縮機6、及び通電されることにより車室内を暖房する電気ヒータ7から構成されている。
事前稼働制御手段20を成す風量切替制御手段11は、回路基板の中に実装されている。この風量切替制御手段11は、ブロワモータ4を、演算時間となる予め設定されたT1(3秒〜10秒)のブロワ駆動時間の間、駆動して空調用ダクト内の空気を空調用ダクトの外に排出した後、ブロワモータ4を停止させる。なお、ブロワ駆動時間T1は、空調用ダクト(22)の容積と単位時間当たり体積風量から算出される予め設定された時間である。すなわち、空調用ダクト内の空気を、事前稼働制御のときのブロワ風量で、空調用ダクト外に排出するのに必要な時間である。
図2を用いて、第1実施形態における事前稼働制御を説明する。図2のステップS21において、乗車検知手段1が無線キー2からの解錠信号を受信すると、ステップS22において、乗車検知手段1からの乗車予定信号SG1により事前稼働機器30が事前稼働制御を開始する。この場合は、ブロワモータ4に予め決定した電圧を印加してブロワを回転させる。
次に、ステップS23において、乗員が車両内に乗り込み車両始動をしたかを判断する。この場合は、車両を起動するイグニッションスイッチ(運転スイッチとも言う)がONされたかどうかの判断を、イグニッションスイッチを介して電圧が印加されたかどうかの判断で行う。イグニッションスイッチがONされていない場合は、ステップS24でタイマーがタイムアップしたか否かを判定する。
タイムアップまでの時間は、演算時間となるブロワ駆動時間T1(3秒から10秒)に設定されている。この場合は、4秒間に設定されている。乗車予定信号SG1を受信してから4秒間の間、ブロワモータ4が回転し、空調用ダクト内の湿度又は臭気を含んだ空気を空調用ダクト外部に排出させ、車室内に拡散させる。
そして、4秒間経過した後に、ブロワモータ4を停止させ、ブロワモータ4の事前稼働制御を終了する。このブロワモータ4を作動させる事前稼働制御手段20を構成する風量切替制御手段11はブロワモータ4への通電を制御するリレーが設けられた回路基板又はブロワモータ4の速度制御を行う回路基板内に設けることができる。
タイムアップする前に、ステップS25において、乗員が車両内に乗り込み車両始動を行った場合は、イグニッションスイッチがONされた場合である。この場合は、空調制御装置10本来の作動である基本演算手段の作動を開始し、ブロワモータ4の事前稼働制御は終了する。
図3を用いて、第1実施形態において使用するブロワ24及びブロワモータ4を説明する。ブロワモータ4を成すブラシレスモータは、図3のように、遠心式ファン4aを回転駆動するアウタロータ型のモータ本体4bと、このモータ本体4bを制御するためのモータ制御用回路基板(図示せず)とを有する。また、ブラシレスモータは、モータ本体4bを保持するモータホルダ4cと、内部にモータ制御用回路基板を収容する回路ケース4dとを備えている。
モータ本体4bは、モータホルダ4cに固定されたステータと、このステータの外周に設けられたロータとを備えている。モータ制御用回路基板は、モータホルダ4cの一端面
(図3下面)に複数個のネジで固定されている。モータ制御用回路基板は、ステータコイルに励磁電流を供給するための励磁回路を構成する複数の制御素子及びチョークコイル(いずれも図示せず)を搭載している。また、モータ制御用回路基板の端部には、ステータコイルに励磁電流を出力する出力用トランジスタが配設されている。そして、事前稼働制御手段20を成す風量切替制御手段11の電気回路は、上記モータ制御用回路基板に実装されている。
次に、図1の吹出口モータ5における事前稼働制御について説明する。この制御のフローチャートを、図2を使用して説明する。図2のステップS21において、ドアロック装置が無線キー2からの解錠信号を受信する。そして、ステップS22において、乗車検知手段1を成すドアロック装置からの乗車予定信号SG1により事前稼働機器30の一つを成す吹出口切替えのための吹出口モータ5が事前稼働制御を開始する。
フェイス吹出口、フット吹出口、デフロスタ吹出口等の吹出口を開閉する切替ドアには夫々吹出口用のサーボモータである吹出口モータ5が設けられている。これらの吹出口モータ5の切替ドア駆動位置が乗員の顔面方向に空調風を吹出すフェイス吹出モードに設定位置として設定されている場合は、フェイス吹出以外の位置まで吹出口モータ5を駆動する。そして例えば、窓ガラスに空調風を吹出すデフロスタ吹出モードに設定する。
具体的には、図2のステップS22において、乗車予定信号SG1により事前稼働機器30の一つと成る吹出口モータ5が事前稼働制御を開始する。フェイス吹出モードに設定されていた場合は、フェイス吹出口の切替ドアを吹出口モータ5によって駆動して閉じ、デフロスタ吹出口の切替ドアを吹出口モータ5によって開く。
次に、ステップS23において、乗員が車両内に乗り込み車両始動をしたかを判断する。この場合は、イグニッションスイッチをONしたかどうかの判断を行う。イグニッションスイッチがONされていない場合は、ステップS24でタイマーがタイムアップしたか否かを判定する。タイムアップまでの時間は、5秒に設定されている。タイムアップしてもしなくても、吹出口モータ5は、周知のように切替ドアが所定の位置に達してからリミットスイッチの作動で停止する。
タイムアップする前に、ステップS23において、乗員が車両内に乗り込み車両始動を行った場合は、ステップS25において、空調制御装置10の本来の作動である基本演算手段の作動を開始する。
次に、図1の圧縮機6における事前稼働制御について説明する。この圧縮機事前稼働制御のフローチャートを、図2を使用して説明する。図2のステップS21において、ドアロック装置が無線キー2からの解錠信号を受信すると、ステップS22において、乗車予定信号SG1により事前稼働機器30の一つである圧縮機6が事前稼働制御を開始する。
圧縮機6は、電動圧縮機として構成され、冷凍サイクルの冷媒を冷媒配管に循環させる。次に、ステップS23において、乗員が車両内に乗り込み車両始動をしたかを判断する。この場合は、イグニッションスイッチをONしたかどうかの判断を行う。イグニッションスイッチがONされていない場合は、ステップS24でタイマーがタイムアップしたか否かを判定する。タイムアップまでの時間として、圧縮機6のために設定された圧縮機駆動時間T2(2秒〜10秒)が設定されている。この実施形態の場合は、圧縮機駆動時間T2は3秒に設定されている。圧縮機駆動時間T2は、圧縮機6の中の液冷媒を排出するのに必要な時間として、圧縮機6の容積と単位時間当たり吐出容量から算出される。つまり、事前稼働機器である圧縮機6の状態に応じてあらかじめ演算された時間の間、事前稼働機器である圧縮機6を作動させている。これにより、事前稼働機器の作動時間を極力短くし、事前稼働が無駄になった場合のエネルギーの損失を少なくしている。
乗車予定信号SG1を受信してから3秒間の間、圧縮機6が回転し、圧縮機6の中の液冷媒を圧縮機6の外部の冷媒配管内に排出する。そして、3秒間経過した後に、圧縮機6を停止させ、圧縮機6の事前稼働制御を終了する。この圧縮機6を作動させる圧縮機制御手段13は圧縮機6を駆動するインバータの制御を行う回路基板内に設けることができる。
タイムアップする前に、ステップS23において、乗員が車両内に乗り込み車両始動をした場合は、ステップS25において、空調制御装置10の本来の作動である基本演算手段の作動を開始し、圧縮機6の事前稼働制御は終了する。
次に、図1の電気ヒータ7における事前稼働制御について説明する。この制御のフローチャートは、図2を使用して説明される。図2のステップS21において、ドアロック装置が無線キー2からの解錠信号を受信すると、ステップS22において、乗車予定信号SG1により事前稼働機器30の一つである電気ヒータ7が事前稼働制御を開始する。
電気ヒータ7は、冬季に車室内を補助暖房するものであり、冬季以外は図示しないスイッチが遮断されているため作動しない。次に、ステップS23において、乗員が車両内に乗り込み車両始動をしたかを判断する。この場合は、イグニッションスイッチをONしたかどうかの判断を行う。イグニッションスイッチがONされていない場合は、ステップS24でタイマーがタイムアップしたか否かを判定する。タイムアップまでの時間は、電気ヒータ7の発熱体及び伝熱媒体の余熱に必要な時間として、予め設定された電気ヒータ作動時間T3(5秒〜60秒)の電気ヒータ作動時間に設定されている。この実施形態の場合は、電気ヒータ作動時間T3が15秒に設定されている。電気ヒータ制御手段14は、事前稼働機器30として電気ヒータ7を含む。この場合に、電気ヒータ7の発熱体及び伝熱媒体の余熱に必要な時間として、予め設定された電気ヒータ作動時間(T3)の間通電して車室内を暖房した後、電気ヒータ7への通電を停止させる。
電気ヒータ7の発熱体及び伝熱媒体の余熱に必要な時間は、車室内温度又は電気ヒータの温度が低い場合は長くする必要がある。つまり、事前稼働機器である電気ヒータの状態(温度)に応じて、あらかじめ演算された時間の間、事前稼働機器である電気ヒータを作動させている。これにより、事前稼働機器の作動時間を極力短くし、事前稼働が無駄になった場合のエネルギーの損失を少なくしている。なお、電気ヒータの温度は電気ヒータ周辺の空気温度である車室内温度から推定しても良い。
乗車予定信号SG1を受信してから15秒間の間、電気ヒータ7に通電され、車両室内の乗員足元を暖める。そして、15秒間経過した後に、電気ヒータ7への通電を停止させ、電気ヒータ7の事前稼働制御を終了する。この電気ヒータ7を作動させる事前稼働制御手段20の中の電気ヒータ制御手段14は、電気ヒータ7に通電するリレーが実装された回路基板内に設けることができる。
タイムアップする前に、ステップS23において、乗員が車両内に乗り込み車両始動をした場合、つまり、この場合は、イグニッションスイッチがONされた場合である。この場合は、ステップS25において、空調制御装置10の本来の作動である基本演算手段の作動を開始する。
次に、上記事前稼働制御の後に行われる空調制御装置10の本来の作動である基本演算手段の作動を図4と図5に基づいて説明する。この空調制御装置10の本来の作動である基本演算手段の作動を、本稼働又は基本演算制御と言う。図4は、本発明の第1実施形態を構成する車両用空調装置100を示す。図5は、空調制御装置10の基本演算手段200を示す。
図4の車両用空調装置100は、走行用に水冷エンジンを搭載する自動車等の車両の、車室内を空調する空調ユニット21における各空調手段(アクチュエータ)を制御するように構成されている。
その空調ユニット21は、運転席後方の後部座席を含む車室内の運転席側空調ゾーンと、助手席側(助手席後方の後部座席を含む)空調ゾーンとの温度調節及び吹出口モードの変更等を、互いに独立して行うことが可能である。
空調ユニット21は、車室内の前方に配置された空調用ダクト22を備えている。この空調用ダクト22の上流側には、内外気切替ドア23及びブロワ24が設けられていて内外気送風手段としての送風機ユニットとなっている。内外気切替ドア23は、サーボモータ等のアクチュエータにより駆動されて内気吸込口26と外気吸込口27との開度(いわゆる吸込口モード)を変更する吸込口切替手段である。
ブロワ24は、ブロワモータ4により回転駆動されて空調用ダクト22内において車室内に向かう空気流を発生させる。空調用ダクト22の中央部には、空調用ダクト22を通過する空気を冷却する蒸発器31が設けられている。
また、その蒸発器31の空気下流側には、第1、第2空気通路32、33を通過する空気をエンジンの冷却水と熱交換して加熱するヒータコア34が設けられている。なお、第1、第2空気通路32、33は、仕切板35により区画されている。
ヒータコア34の空気上流側には、車室内の運転席側空調ゾーンと助手席側空調ゾーンとの温度調節を互いに独立して行うための運転席側エアミックスドア36、助手席側エアミックスドア37が設けられている。
そして、運転席側エアミックスドア36、助手席側エアミックスドア37は、サーボモータ等のアクチュエータにより駆動される。そして、後述する運転席側、助手席側の各吹出口から車室内の運転席側、助手席側空調ゾーンに向けて、特に運転席側、助手席側フロントウインドウの内側に向けて、夫々吹き出される空調風の吹出温度を変更する。
冷凍サイクルは、電動圧縮機として構成されて冷媒を圧縮して吐出する圧縮機6(図1)と、この圧縮機6より吐出された冷媒を凝縮液化させる図示しない凝縮器とを有する。かつ、冷凍サイクルは、凝縮器より流入した液冷媒を気液分離する受液器と、この受液器より流入した液冷媒を断熱膨張させる膨張弁と、この膨張弁より流入した気液二相状態の冷媒を蒸発気化させる蒸発器31とを有する。
これらの内、圧縮機6は、空調制御装置10により制御される圧縮機駆動用電動機によって駆動される。そして、圧縮機6が起動することによって蒸発器31が空調用ダクト22内を通過する空気を冷却し除湿する。
この実施形態では、エバ後温度センサ38の検出値であるエバ後温度(TE)と目標エバ後温度(TEO)との比較結果に応じて出力される制御信号に基づき容量可変制御を行う電磁式容量可変制御弁を有する容量可変圧縮機が用いられている。
そして、第1空気通路32の空気下流側に連通する各吹出ダクトの空気下流端では、図4に示したように、運転席側デフロスタ吹出口40、運転席側センタフェイス吹出口41、運転席側サイドフェイス吹出口42及び運転席側フット吹出口43が開口している。
また、第2空気通路33の空気下流側に連通する各吹出ダクトの空気下流端では、助手席側デフロスタ吹出口50、助手席側センタフェイス吹出口51、助手席側サイドフェイス吹出口52及び助手席側フット吹出口53が開口している。
なお、運転席側デフロスタ吹出口40、助手席側デフロスタ吹出口50は、フロントウインドウへ空調風(主に温風)を吹き出すための吹出口を構成する。運転席側サイドフェイス吹出口42、助手席側サイドフェイス吹出口52は、サイドウインドウへ空調風を吹き出すための吹出口を構成する。そして、第1、第2空気通路32、33の中には、車室内の運転席側と助手席側との吹出口モードの設定を互いに独立して行う運転席側、助手席側吹出口切替ドア44〜46、54〜56が設けられている。そして、運転席側、助手席側吹出口切替ドア44〜46、54〜56は、サーボモータ48、49、58、59により駆動される。サーボモータ48、49、58、59は吹出口モータ5で総称される。それにより、運転席側、助手席側の吹出口モードを夫々切り替えるモード切替ドアから成る風量割合調節手段を構成する。
ここで、運転席側、助手席側の吹出口モードとしては、フェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフロスタモード、デフロスタモード等がある。なお、運転席側、助手席側吹出口切替ドア44、54は、運転席側デフロスタ吹出口40、助手席側デフロスタ吹出口50を互いに独立して開閉することが可能である。これらを駆動するサーボモータ48、58は、窓曇り又は霜付きの防止、或いは窓曇り又は霜の除去に効果のある制御を行う防曇手段のアクチュエータを構成する。
空調制御装置10は、エンジンの始動及び停止を司るイグニッションスイッチが投入(IG・ON)された時に、車両に搭載された車載電源であるバッテリー(図示せず)から直流電源が供給されると演算処理や制御処理を開始するように構成されている。空調制御装置10には、図1に示したように、インストルメントパネルに一体的に設置された空調制御パネル60上の各種操作スイッチから各スイッチ信号が入力されるように構成されている。空調制御装置10には車両に搭載されたナビゲーション装置等から成る車両状態入力手段9の車両状態信号が入力される。
そして、空調制御パネル60には、液晶表示装置、内外気切替スイッチ、フロントデフロスタスイッチ、リヤデフロスタスイッチ、DUALスイッチ、吹出口モード切替スイッチ、ブロワ風量切替スイッチが設置されている。かつ、A/Cスイッチ、AUTOスイッチ、OFFスイッチ、運転席側温度設定スイッチ、助手席側温度設定スイッチ及び低燃費向上スイッチ等が設置されている。
モード切替スイッチは、フロントウインドウの防曇の能力を上げるか否かを指令する空調スイッチに相当する。このモード切替スイッチは、ユーザーのマニュアル操作に応じて、吹出口モードを、フェイスモード又はバイレベルモード又はフットデフロスタモード又はフットモードのいずれかに設定するように要求する。
液晶ディスプレイには、運転席側、助手席側空調ゾーンの設定温度を視覚表示する設定温度表示部、吹出口モードを視覚表示する吹出口モード表示部、及びブロワ風量を視覚表示する風量表示部等が設けられている。A/Cスイッチは、冷凍サイクルの圧縮機の起動又は停止を指令する空調操作スイッチである。一般に、A/Cスイッチは、圧縮機をOFFしてエンジンの回転負荷を減らすことで燃費効率を高めるために設けられている。
運転席側温度設定スイッチは、運転席側空調ゾーン内の温度を所望の温度に設定するための運転席側温度設定手段で、アップスイッチとダウンスイッチよりなる。また、助手席側温度設定スイッチは、助手席側空調ゾーン内の温度を所望の温度に設定するための運転席側温度設定手段で、アップスイッチとダウンスイッチよりなる。更に、低燃費向上スイッチは、冷凍サイクルの圧縮機6の稼働率を下げて、低燃費及び省動力を考慮した経済的な空調制御を行うか否かを指令するエコノミースイッチである。
また、空調制御装置10の内部には、演算処理や制御処理を行う中央演算装置、メモリ、及びI/Oポート等の機能を含んで構成される周知のマイクロコンピュータが設けられている。そして、各種のセンサ61からのセンサ信号がI/Oポート又はA/D変換回路によってA/D変換された後に、マイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
即ち、空調制御装置10には、センサ61として総称される車室内温度(内気温)を検出する内気温検出手段としての内気温センサが接続されている。また、空調制御装置10には、車室外温度(外気温)を検出する外気温検出手段としての外気温センサ及び日射検出手段としての日射センサ等が接続されている。
また、蒸発器31を通過した直後の空気温度(以下エバ後温度という)を検出するエバ後温度検出手段としてのエバ後温度センサ38と、車両のエンジン冷却水温を検出する冷却水温検出手段としての冷却水温センサとが設けられている。また、車室内の相対湿度を検出する湿度検出手段としての湿度センサが設けられている。更に、冷凍サイクルの高圧側の受液器と膨張弁との間に取り付けられ高圧側圧力を検出する冷媒圧力センサが設けられている。
ここで、湿度センサは、内気温センサと共に、運転席のインストルメントパネルの前面に形成された凹所内に収容されている。なお、凹所は通気口が形成された蓋体によって塞がれている。これらのうち内気温センサ、外気温センサ、エバ後温度センサ、及び冷却水温センサは、例えばサーミスタ等の感温素子が使用されている。また、日射センサは、運転席側空調ゾーン内に照射される日射量を検知する運転席側日射強度検知手段(例えばフォトダイオード)と、助手席側空調ゾーン内に照射される日射量を検知する助手席側日射強度検知手段とを有している。
次に、空調制御装置10による基本演算制御を図5に基づいて説明する。ここで図5は、空調制御装置10の制御プログラム等からなる基本演算手段200の一例を示したフローチャートである。まず、イグニッションスイッチがONされて空調制御装置10に直流電源が供給されると、予めROMに記憶されている制御プログラムの実行が開始される。この時に、空調制御装置10内部のマイクロコンピュータに内蔵されたデータ処理用メモリ
(RAM)の記憶内容等の初期化を行う(ステップS51)。
次に、各種データをデータ処理用メモリ(RAM)に読み込む。即ち、ステップS52において、空調制御パネル60上の各種操作スイッチからのスイッチ信号や各種センサからのセンサ信号を入力する。
特に、内気温センサの検出値である車室内温度に対応した出力信号、外気温センサの検出値である外気温に対応した出力信号、日射センサの検出値である日射量に対応した出力信号を入力する。かつ、エバ後温度センサ38の検出値であるエバ後温度に対応した出力信号、冷却水温センサの検出値である冷却水温に対応した出力信号を入力する。
次に、上記のような記憶データ及び記憶している演算式に基づいて、運転席側の目標吹出温度、及び助手席側の目標吹出温度を演算する(ステップS53)。次に、上記のステップS53で求めた運転席側、助手席側の目標吹出温度に基づいてブロワ風量(ブロワモータ4に印加するブロワ制御電圧)を演算する(ステップS54)。
次に、上記のような記憶データ及び記憶している演算式に基づいて、運転席側エアミックスドア36のエアミックス開度(A/M開度)及び助手席側エアミックスドア37のエアミックス開度SWを演算する(ステップS55)。このとき運転席側、助手席側の目標吹出温度は上記のステップS53で求めたものに基づく。
次に、ウインドウ防曇制御を行う(ステップS56)。次に、上記ステップで決定した目標エバ後温度(TEO)とエバ後温度センサ38の検出値である実際のエバ後温度(TE)とが一致するように、フィードバック制御(PI制御)にて圧縮機6の目標吐出量を決定する(ステップS57)。具体的には、圧縮機6に付設された電磁式容量制御弁の電磁ソレノイドに供給する制御電流の目標値となるソレノイド電流(制御電流:In)を記憶している演算式に基づいて演算する。あるいはインバータによる圧縮機駆動用電動機の回転速度を制御する。
次に、ステップS54で決定されたブロワ制御電圧となるように図4のブロワモータ4に制御信号を出力する(ステップS58)。次に、ステップS55で決定されたエアミックス開度となるようにサーボモータ63、64に制御信号を出力する(ステップS59)。
次に、ステップS56で決定された吹出口モードとなるようにサーボモータ48、49、58、59に制御信号を出力する(ステップS60)。次に、ステップS57で決定された圧縮機制御量となるソレノイド電流を圧縮機6に付設された電磁式容量制御弁の電磁ソレノイドに出力する(ステップS61)。その後にステップS52の制御処理に戻る。
上記のように、空調制御装置10は、空調制御の基本演算制御を実行する。これを行う基本演算手段200自体は、公知のものであり、空調制御装置10内にて行われる。基本演算手段200は、センサ61からのデータの読み込みの後に、上記のように、ブロワ24の風量を決定するブロワ制御電圧の演算と、圧縮機6の回転数を決定する圧縮機制御量の演算と、吹出口の吹出モードを切り換える吹出口切り替え制御の演算等を行う。
図1の事前稼働制御手段20は、空調制御装置10の基本演算手段200の作動前の段階で制御を実行する。図6は、第1実施形態における空調制御装置10での基本演算制御の実行と事前稼働制御の実行との時間的関係を示す。
無線キー2を操作することにより無線で車両ドアが時刻t51でアンロックされ、乗員が乗車する前に乗車予定信号SG1が事前稼働制御手段20を成す各制御回路に供給される。これにより、事前稼働機器30を作動させる事前稼働制御手段20による事前稼働制御が時刻t51以後に行われる。次に、乗員が車両内に乗り込み、車両始動を検知した時刻t52になると、空調制御装置10による本来の空調制御としての図5の基本演算制御が行われる。
(第1実施形態の作用効果)
上記第1実施形態においては、車両用空調システムの起動方法が、乗員の乗車の前に乗員が乗車することを検知して乗車予定信号SG1を発する乗車検知手段1を備える。車両用空調システムの起動方法が、空調用ダクト22を通る空調風で車室内を空調する車両用空調装置100の一部を含み、乗員乗車前に作動する事前稼働機器30を備える。車両用空調システムの起動方法が、乗車予定信号SG1を認識した後に事前稼働機器30を作動させる事前稼働制御手段20を備える。
事前稼働機器30は、ブロワモータ4と、吹出口モータ5と、圧縮機6と、電気ヒータ7とのいずれかを含む。ブロワモータ4は、車室内に空気を吹出す。吹出口モータ5は、車室内に空気を吹出す吹出口を切り換える。圧縮機6は、車室内を空調する冷媒を吐出する。電気ヒータ7は、通電されることにより車室内を暖房する。
事前稼働制御手段20は、風量切替制御手段11と、吹出口切替制御手段12と、圧縮機制御手段13と、電気ヒータ制御手段14とのいずれかを含む。
風量切替制御手段11は、事前稼働機器30としてブロワモータ4を含む場合に、ブロワモータ4を予め設定されたT1(3秒〜10秒)のブロワ駆動時間の間、駆動する。そして空調用ダクト22内の空気を空調用ダクト22の外に排出した後、ブロワモータ4を停止させる。
ブロワ駆動時間は、ブロワのその時の回転速度によって設定する必要がある。排出能力が少ない又は空調用ダクト内の空気温度が高いほど、ブロワ駆動時間を長くする必要がある。つまり、事前稼働機器であるブロワの状態に応じて、あらかじめ演算された時間の間、事前稼働機器であるブロワを作動させている。これにより、事前稼働機器の作動時間を極力短くし、事前稼働が無駄になった場合のエネルギーの損失を少なくしている。
吹出口切替制御手段12は、事前稼働機器30として吹出口モータ5を含む場合に、ブロワモータ4の作動で吹出される空気の出口である吹出口を乗員の顔面方向に吹出すフェイス吹出以外の位置に設定した後、ブロワモータ4に通電せずに待機する。
前述したように、第1、第2空気通路32、33の中には、車室内の運転席側と助手席側との吹出口モードの設定を互いに独立して行う運転席側、助手席側吹出口切替ドア44〜46、54〜56が設けられている。そして、運転席側、助手席側吹出口切替ドア44〜46、54〜56は、サーボモータ48、49、58、59により駆動されて運転席側、助手席側の吹出口モードを夫々切り替えるモード切替ドアで、風量割合調節手段を構成する。
ここで、運転席側、助手席側の吹出口モードとしては、フェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフロスタモード、デフロスタモード等がある。なお、運転席側、助手席側吹出口切替ドア44、54は、運転席側デフロスタ吹出口40、助手席側デフロスタ吹出口50を互いに独立して開閉することが可能である。これらを駆動するサーボモータ48、58は、窓曇り又は霜付きの防止、或いは窓曇り又は霜の除去に効果のある制御を行う防曇手段のアクチュエータを構成する。
事前稼働機器30としての吹出口モータ5を作動させる時間は、吹出口切換ドアがどの位置にあるかで異なる。例えば吹出口切換ドアをフェイス吹出口から風が出る状態で車両用空調装置の基本演算の作動を行いたいときには、事前にフェイス吹出口から風が出る状態にしておくことが望ましい。
たとえば、前に降車した状態が、バイレベルの位置にあるのであれば、1秒くらいの事前作動時間でフェイス吹出口から風が出る状態にすることができる。一方、前に降車した状態が、フット吹出口の位置にあるのであれば、5秒くらいの事前作動時間でフェイス吹出口から風が出る状態にすることができる。
つまり、事前稼働機器である吹出口切換ドアの状態(位置)に応じて、あらかじめ演算された時間の間、事前稼働機器であるドア用アクチュエータを作動させている。これにより、事前稼働機器の作動時間を極力短くし、事前稼働が無駄になった場合のエネルギーの損失を少なくしている。
なお、吹出口切換ドアをフット吹出口から風が出る状態で車両用空調装置の基本演算の作動を行いたいときには、事前にフット吹出口から風が出る状態にしておく。また事前稼働機器の作動時間の演算は、事前稼働機器である吹出口切換ドアの状態(位置)と基本演算の作動を行なうときの吹出口切換ドアの状態(位置)とからあらかじめ設定したマップから作動時間を求めることができる。
別の方法としては、事前稼働制御手段は、事前稼働機器30が、あらかじめ設定された位置に到達するまで、事前稼働機器30を作動させる。この場合は、作動時間を決めずに、目的の位置になるまで事前稼働機器の作動させることができる。そして、目的の位置に達したことをリミットスイッチ等で検知して事前稼働機器の作動を停止させる。
圧縮機制御手段13は、事前稼働機器30として圧縮機6を含む場合に、圧縮機6を予め設定されたT2(2秒〜10秒)の圧縮機駆動時間の間、駆動して圧縮機6内の液冷媒を排出した後、圧縮機6を停止させる。
電気ヒータ制御手段14は、事前稼働機器30として電気ヒータ7を含む場合に、電気ヒータ7に予め設定されたT3(5秒〜60秒)の電気ヒータ作動時間の間、通電して車室内を暖房した後、電気ヒータ7への通電を停止させる。
これによれば、事前稼働制御手段は、風量切替制御手段と、吹出口切替制御手段と、圧縮機制御手段と、電気ヒータ制御手段とのいずれかを含む。よって、乗員が乗車する前に、これらの手段によって車両用空調装置100の一部を作動させ、乗車後の本格的な空調制御に備えることができる。
また、従来の一般的なプレ空調制御においても、ブロワモータの駆動と、吹出口モータの駆動と、圧縮機の駆動と、電気ヒータへの通電とのいずれかを実行する。しかし、この実施形態においては、ブロワ事前稼働制御の場合はT1(3秒〜10秒)と短い点で、吹出口モータ事前稼働制御はフェイス吹出以外の位置に設定してブロワモータに通電せずに待機している点で、夫々プレ空調制御とは異なる。
更に、この発明の液冷媒排出のための事前稼働制御としての圧縮機の駆動時間は、T2(2秒〜10秒)と短い点で、この発明の電気ヒータへの通電もT3(5秒〜60秒)と短い点で、夫々従来のプレ空調制御とは異なる。従って、乗員の乗車を予定して、いずれかの事前稼働制御を実行して、途中で乗員が乗車しなかったとしても、事前稼働制御に費やしたエネルギーの損失が少ない。これにより、乗員が乗車してから車両用空調装置100を制御するのでなく、その前から事前稼働制御をはじめるものの、乗員が乗車を取りやめたときに事前稼働制御に投じたエネルギー損失が少なくなる。
上記第1実施形態においては、更に、空調制御装置10による基本演算手段200(図5)の作動がある。この空調制御装置10による基本演算手段200では、センサ61からのデータの読み込みのステップS52の後に、少なくともブロワモータ4の風量を決定するブロワ制御電圧のステップS54を有する。また、空調制御装置10は、圧縮機6の回転数を決定する圧縮機制御量のステップS57と、吹出モードを切り換える吹出口切替ドア制御のステップS60とを行う。一方、事前稼働制御手段20は、基本演算手段200の作動前の段階で実行される。
これによれば、基本演算手段200が実行される前の段階で、乗車検知手段からの検知信号により事前稼働機器を稼働させる事前稼働制御手段が作動するから、従来の基本演算手段200を大きく変更することなく、事前稼働制御を実行することができる。また、基本演算手段200が実行される前の段階で事前稼働制御手段が稼働するから、乗車予定信号により事前稼働機器を素早く作動させることができる。
上記第1実施形態においては、事前稼働制御手段20は、基本演算手段200とは車両内の離れた位置において、基本演算手段200とは別に設けられている。そして、乗車予定信号SG1が、事前稼働制御手段20に入力されている。
これによれば、従来から用いられている基本演算手段200に加えて事前稼働制御手段20を追加することで容易に基本演算手段200による制御と、事前稼働制御手段20による制御とを実行することができる。また、乗車検知手段からの乗車予定信号が、事前稼働制御手段20に入力されているから、基本演算手段200の作動を待たず迅速に事前稼働制御手段20による制御を実行できる。
上記第1実施形態においては、事前稼働制御手段20は、事前稼働機器30に一体に設けられている。これによれば、事前稼働機器30を設置したときに同時に事前稼働制御手段20が設置できる。
つまり、事前稼働制御手段20は、ブロワモータ4を制御する制御回路と、吹出口モータ5を制御する制御回路と、圧縮機6を制御する制御回路と、電気ヒータ7の通電を制御する通電回路との夫々の回路基板のいずれかの中に設けられている。
これによれば、回路基板内に事前稼働制御手段が付属しているブロワモータ、吹出口モータ、圧縮機、及び電気ヒータのいずれかを使用することで、容易に事前稼働制御手段20を設けることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以降の各実施形態においては、上記した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について説明する。なお、第2実施形態以下については、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明が援用される。
図7は、本発明の第2実施形態を示す車両用空調システムを示す。この第2実施形態は、図7の乗車予定信号SG1に基づいて、ブロワモータ4を予め設定されたブロワ駆動時間の間、駆動して空調用ダクト22の中の空気を空調用ダクト22の外に排出した後、ブロワモータ4を停止させるブロワ事前稼働制御を行うものである。
このように、事前稼働制御は、単一の事前稼働機器30に対して実行することもできる。この場合は、吹出口切替制御手段12、圧縮機制御手段13、電気ヒータ制御手段14は不要であるが、図5のように設けておいて、どの事前稼働機器30に対して実行するか、乗車予定信号SG1の送信先を選択できるようにしても良い。
図8は、第2実施形態における空調制御装置10による基本演算制御の実行と事前稼働制御手段20による事前稼働制御の実行との時間的関係を示している。無線キーを操作することにより無線で車両ドアがアンロックされ、乗員が乗車する前に乗車予定信号SG1が、時刻t81において、風量切替制御手段11を成す制御回路に供給される。これにより、事前稼働機器30となるブロワモータ4を作動させ、空調用ダクト22内の湿気等が空調用ダクト22の外に排出される。次に、乗員が車両内に乗り込み車両始動をした時刻t82の場合は、空調制御装置10による空調制御としての基本演算制御が行われる。このときには、既に空調用ダクト22の中の湿気等が空調用ダクト22の外に排出されているので、乗員に不快感を与えることが無い。
(第2実施形態の作用効果)
上記第2実施形態においては、乗員の乗車の前に乗員が乗車することを検知して乗車予定信号SG1を発する乗車検知手段1と、車室内を空調する車両用空調装置100の一部を含み、乗員乗車前に作動する事前稼働機器30とを備えている。かつ、乗車予定信号SG1により事前稼働機器30を作動させる事前稼働制御手段20を備えている。
事前稼働機器30は、車室内に空気を吹出すためのブロワモータ4を含む。事前稼働制御手段20は、ブロワモータ4を予め設定されたT1(3秒〜10秒)のブロワ駆動時間の間、駆動する。そして車両用空調装置100の空調用ダクト22内の空気を空調用ダクト22の外に排出した後、ブロワモータ4を停止させる風量切替制御手段11を有する。
これによれば、事前稼働制御手段は、風量切替制御手段を含む。よって、乗員が乗車する前に、これらの手段によって車両用空調装置100の一部を作動させ、乗車後の本格的な空調制御に備えることができる。また、従来の一般的なプレ空調制御においても、乗車する前までに車室内の環境を整えるために、ブロワモータの駆動を実行する。しかし、この実施形態において、ブロワ事前稼働制御の場合はT1(3秒〜10秒)と短い点でプレ空調制御とは異なる。従って、乗員の乗車を予定して、事前稼働制御を実行して、途中で乗員が乗車しなかったとしても、エネルギーの損失が少ない。これにより、乗員が乗車してから車両用空調装置を制御するのでなく、その前から事前稼働制御をはじめるものの、乗員が乗車を取りやめたときに事前稼働制御に投じたエネルギー損失が少なくなる車両用空調システムの起動方法が提供できる。
上記第2実施形態においては、更に、空調制御装置10を有し、空調制御装置10は、基本演算手段200を有する。この基本演算手段200は、センサ61からのデータの読み込みのステップS52の後に、少なくともブロワモータ4の風量を決定するブロワ制御電圧のステップS54を有する。また、基本演算手段は、圧縮機6の回転数を決定する圧縮機制御量のステップS57と、吹出モードを切り換える吹出口切替ドア制御のステップS60とを行う。そして、事前稼働制御手段20は、基本演算手段200の作動前の段階で実行される。
これによれば、基本演算手段が実行される前の段階で、乗車検知手段からの検知信号により事前稼働機器を稼働させる事前稼働制御手段20が作動するから、従来の基本演算手段200を大きく変更することなく、事前稼働制御を実行することができる。また、基本演算手段200が実行される前の段階で事前稼働制御手段20が稼働するから、乗車予定信号により事前稼働機器を素早く作動させることができる。
上記第2実施形態においては、事前稼働制御手段20は、基本演算手段200とは車両内の離れた位置において、基本演算手段200とは別に設けられ、乗車予定信号SG1が、事前稼働制御手段20に入力される。
これによれば、従来から用いられている基本演算手段200に加えて事前稼働制御手段20を追加することで容易に基本演算手段200による制御と、事前稼働制御手段20による制御とを実行することができる。また、乗車検知手段からの乗車予定信号が、事前稼働制御手段20に入力されているから、基本演算手段200の作動を待たず迅速に事前稼働制御手段20による制御を実行できる。
上記第2実施形態においては、事前稼働制御手段20は、事前稼働機器30に一体に設けられている。これによれば、事前稼働機器30を設置したときに同時に事前稼働制御手段20が設置できる。
また、事前稼働制御手段20は、ブロワモータ4を制御する制御回路の中に設けられている。これによれば、回路基板内に事前稼働制御手段が付属しているブロワモータを使用することで、容易に事前稼働制御手段20を設けることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。上記した実施形態と異なる部分を説明する。図9は、本発明の第3実施形態を示す車両用空調システムを示す。図9において、事前稼働制御手段20の中の吹出口切替制御手段12が、乗車予定信号SG1を検知するように構成されている。そして、乗車前に、吹出口を図4の運転席側デフロスタ吹出口40と助手席側デフロスタ吹出口50とから空調風を窓に向けて吹出すデフロスタ吹出に設定しておくものである。
なお、空調風が空調初期において乗員の顔に当たるのを防止するためであるから、運転席側センタフェイス吹出口41及び助手席側センタフェイス吹出口51以外の吹出口モードに設定すればよい。
図10は、第3実施形態における空調制御装置10による基本演算制御の実行と事前稼働制御手段20による事前稼働制御の実行との時間的関係を示す。図10において、この第3実施形態は乗車予定信号SG1に基づいて、吹出口のサーボモータを駆動して空調用ダクト内から吹出される空気が乗員の顔面に向かわないようにフェイス吹出口以外の吹出口から吹出されるように設定しておくものである。この事前稼働制御は、吹出口の切替ドアを駆動するサーボモータ48、49、58、59に対して実行する。
図10において、無線キーを操作することにより無線で車両ドアがアンロックされ、乗員が乗車する前に乗車予定信号SG1が事前稼働制御手段20を成す吹出口切替制御手段12の制御回路に供給される。これにより、時刻t101において、事前稼働機器30となる吹出口の切替ドアを駆動する吹出口モータ5を作動させる。この吹出口モータ5は、図4のサーボモータ48、49、58、59のいずれかを総称するものである。空調風を吹出す吹出口が、フェイス吹出以外の吹出口である例えば運転席側デフロスタ吹出口40及び助手席側デフロスタ吹出口50から空調風が吹出されるように設定される。
次に、乗員が車両内に乗り込み車両始動をした時刻t102の場合は、空調制御装置10による空調制御としての基本演算制御が行われる。このときには、既に吹出口モードがデフロスタ吹出モードに成っているため、空調用ダクトから吹出される空調初期の空調風が顔面に直接吹出されることがなく、乗員に不快感を与えることが無い。
(第3実施形態の作用効果)
上記第3実施形態においては、乗員の乗車の前に乗員が乗車することを検知して乗車予定信号SG1を発する乗車検知手段1と、車室内を空調する車両用空調装置100の一部を含み、乗員乗車前に作動する事前稼働機器30とを備える。かつ、乗車予定信号SG1により事前稼働機器30を作動させる事前稼働制御手段20を備える。
事前稼働機器30は、車室内に空気を吹出す吹出口を切り換える吹出口モータ5を含む。事前稼働制御手段20は、ブロワモータ4の作動で吹出される空気の出口である吹出口を乗員の顔面方向に吹出すフェイス吹出以外の位置に設定してブロワモータ4に通電せずに待機する吹出口切替制御手段12を含む。
これによれば、乗員が乗車する前に、この手段によって車両用空調装置100の一部を作動させ、乗車後の本格的な空調制御に備えることができる。また、従来の一般的なプレ空調制御においても、乗車する前までに車室内の環境を整えるために、吹出口モータの駆動を実行する。しかし、この実施形態において、吹出口モータ事前稼働制御は、例えばフェイス吹出以外の位置に設定してブロワモータに通電せずに待機している点で、プレ空調制御とは異なる。従って、乗員の乗車を予定して、いずれかの事前稼働制御を実行して、途中で乗員が乗車しなかったとしても、エネルギーの損失が少ない。これにより、乗員が乗車してから車両用空調装置を制御するのでなく、その前から事前稼働制御をはじめるものの、乗員が乗車を取りやめたときに事前稼働制御に投じたエネルギー損失が少なくなる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。上記した実施形態と異なる部分を説明する。この第4実施形態は、圧縮機制御手段が、乗車予定信号を検知するように構成し、乗車前に、圧縮機を予め定めた短時間の間、駆動して圧縮機の中の液冷媒を圧縮機の外部に排出しておくものである。
図11は、本発明の第4実施形態を示す車両用空調システムを示す。図11において、この第4実施形態は、乗車予定信号SG1に基づいて、圧縮機6を駆動して圧縮機6内に寝込んでいる液冷媒を圧縮機6の中から圧縮機6の外部である冷媒配管中に放出しておくものである。
この事前稼働制御は、事前稼働機器30である圧縮機6を駆動する圧縮機駆動用電動機に対して実行される。この種の圧縮機駆動用電動機は、インバータによって駆動される三相交流モータからなる。従って、インバータの制御回路の内部に事前稼働制御手段20の圧縮機制御手段13を成す回路を実装しておくことができる。
図12は、第4実施形態における空調制御装置10での基本演算制御である空気調和制御の実行と事前稼働制御手段20の実行との時間的関係を示す。無線キーを操作することにより無線で車両ドアがアンロックされ、乗員が乗車する前に乗車予定信号SG1が時刻t121において圧縮機制御手段13を成すインバータの中の制御回路に供給される。これにより、事前稼働機器30となる圧縮機6を駆動する圧縮機駆動用電動機を作動させ、圧縮機6の中の液冷媒が排出される。
次に、乗員が車両内に乗り込み車両始動をした場合は、空調制御装置10による空調制御としての基本演算制御が行われる。このときには、既に、圧縮機6の中のから液冷媒が排出されているため、始動時の圧縮機6の駆動に要する動力が軽減される。また、車両内の温度調節も早期に行われる。
(第4実施形態の作用効果)
上記第4実施形態においては、乗員の乗車の前に乗員が乗車することを検知して乗車予定信号SG1を発する乗車検知手段1と、車室内を空調する車両用空調装置100の一部を含み、乗員乗車前に作動する事前稼働機器30とを備える。かつ、乗車予定信号SG1により事前稼働機器30を作動させる事前稼働制御手段20を備える。
事前稼働機器30は、車室内を空調する冷媒を吐出する圧縮機6を含む。事前稼働制御手段20は、圧縮機6を圧縮機6のために設定されたT2(2秒〜10秒)の圧縮機駆動時間の間、駆動して圧縮機6内の液冷媒を排出した後、圧縮機6を停止させて待機する圧縮機制御手段13を含む。
これによれば、乗員が乗車する前に、車両用空調装置100の一部である圧縮機6を作動させ、乗車後の本格的な空調制御に備えることができる。また、従来の一般的なプレ空調制御においても、乗車する前までに車室内の環境を整えるために、圧縮機6の駆動等を実行する。しかし、第4実施形態において、液冷媒排出のための事前稼働制御としての圧縮機の駆動時間は、T2(2秒〜10秒)と短い点で、従来のプレ空調制御とは異なる。従って、乗員の乗車を予定して、圧縮機6の事前稼働制御を実行して、途中で乗員が乗車しなかったとしても、エネルギーの損失が少ない。これにより、乗員が乗車してから車両用空調装置100を制御するのでなく、その前から事前稼働制御をはじめるものの、乗員が乗車を取りやめたときに事前稼働制御に投じたエネルギー損失が少なくなる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。上記した実施形態と異なる部分を説明する。上記第1実施形態においては、乗車予定信号が、直接、風量切替制御手段を成す制御回路と、吹出口切替制御手段を成す制御回路と、圧縮機制御手段を成す制御回路と、電気ヒータ制御手段を成す制御回路に入力された。しかし、この第5実施形態は、いずれか一つの事前稼働制御手段に乗車予定信号が入力され、後は、その一つの事前稼働制御手段から他の事前稼働制御手段に順次乗車予定信号が入力されるものである。
図13は、本発明の車両用空調システムの第5実施形態を示す。この第5実施形態は、乗員の乗車の前に乗員が乗車することを検知して乗車予定信号SG1を発する乗車検知手段1と無線キー2とを有している。無線キー2は、車両のドアをロック(施錠)したり、アンロック(解錠)したりできる。
乗員は乗車前に、車両からある程度離れた場所において無線キー2を操作する。これにより無線で車両ドアがアンロックされる。このアンロック信号を乗車予定信号SG1として事前稼働制御手段20を成す特に風量切替制御手段11に供給している。
援用する図4のように、車室内を空調する車両用空調装置100の一部を含み、乗員乗車前に作動する事前稼働機器30として、特に、空調用ダクト22内の空気を車室内に吹出すブロワ24を駆動するブロワモータ4が設けられている。
次に、車室内に空調用ダクト22の中の空気を吹出す吹出口を切り換える吹出口サーボ機構を構成する吹出口モータ5を備えている。吹出口モータ5は、図4のサーボモータ48、49、58、59を総称している。また、事前稼働機器30として、冷媒を熱交換器に循環させて冷凍システムを作動させる圧縮機6と、車室内を補助暖房する電気ヒータ7とを備えている。
無線キー2の無線信号SG2により作動する乗車検知手段1を成すドアロック装置からの乗車予定信号SG1により、事前稼働機器30を作動させる特定の事前稼働制御手段20を備えている。この事前稼働制御手段20は、特に、ブロワモータ4への通電を制御するリレー等が設けられた回路基板である風量切替制御手段11である。
また、事前稼働制御手段20は、吹出口モータ5への通電を制御するリレー等が設けられた回路基板である吹出口切替制御手段12を有する。更に、この事前稼働制御手段20は、圧縮機6への通電を制御するリレー等が設けられた回路基板である圧縮機制御手段13と、電気ヒータ7への通電を制御するリレー等が設けられた回路基板である電気ヒータ制御手段14とを有する。
ブロワモータ4への通電を制御するリレー等が設けられた回路基板である風量切替制御手段11に最初に乗車予定信号SG1が入力される。その後、順次、各切替制御手段から乗車予定信号SG1が次々に発信して、他の事前稼働制御手段20である吹出口切替制御手段12、圧縮機制御手段13及び電気ヒータ制御手段14に伝達される。以下、このような信号伝達をトークンパッシングと呼ぶことにする。トークンパッシングでは、常に一度に一台の事前稼働制御手段20に乗車予定信号SG1を送信できる。
図14は、第5実施形態における空調制御装置10での基本演算制御である空気調和制御の実行と事前稼働制御手段20の実行との時間的関係を示している。この図14及び援用する図2を用いて制御のフローチャートを説明する。ステップS21において、ドアロック装置が無線キー2からの解錠信号を受信すると、ステップS22において、乗車検知手段1を成すドアロック装置からの乗車予定信号SG1により事前稼働機器30が事前稼働制御を開始する。この場合は、ブロワモータ4に予め決定した電圧を印加してブロワ24を回転させる。
次に、ステップS23において、乗員が車両内に乗り込み車両始動をしたかを判断する。この場合は、イグニッションスイッチをONしたかどうかの判断を行う。イグニッションスイッチがONされていない場合は、ステップS24でタイマーがタイムアップしたか否かを判定する。
タイムアップまでの時間は、T1(3秒から10秒)に設定されている。この場合は、4秒間に設定されている。乗車予定信号SG1を受信してから4秒間ブロワ24が回転し、空調用ダクト22の中の湿度又は臭気を含んだ空気を外部に排出させる。
そして、4秒間経過した後に、ブロワモータ4を停止させ、ブロワ24の事前稼働制御を終了する。このブロワ24を作動させる事前稼働制御手段20となる風量切替制御手段11は、ブロワモータ4への通電を制御するリレーが設けられた回路基板又はブロワモータ4の速度制御を行う回路基板内に設けることができる。
タイムアップする前に、ステップS23において、乗員が車両内に乗り込み車両始動をした場合は、イグニッションスイッチがONされた場合である。この場合は、ステップS25にて、車両用空調装置100の空調制御における本来の作動である基本空調制御を開始し、ブロワ24の事前稼働制御は終了する。
このブロワ24の事前稼働制御が終了した後、風量切替制御手段11から圧縮機制御手段13に乗車予定信号SG1が送信される。
そして、乗車予定信号SG1により事前稼働機器30の中の圧縮機6が事前稼働制御を開始する。圧縮機6は電動圧縮機として構成され、冷凍サイクルの冷媒を冷媒配管に循環させる。この圧縮機6の事前稼働制御においても、援用する図2のステップS23において、乗員が車両内に乗り込み車両始動をしたかを判断する。この場合は、イグニッションスイッチをONしたかどうかの判断を行う。
イグニッションスイッチがONされていない場合は、ステップS24でタイマーがタイムアップしたか否かを判定する。タイムアップまでの時間は、圧縮機6のために設定された圧縮機駆動時間T2(2秒〜10秒)が採用される。この実施形態の場合は、圧縮機駆動時間が3秒間に設定されている。
乗車予定信号SG1を受信してから3秒間の間、圧縮機6が回転し、圧縮機6の中の液冷媒を圧縮機6の外部の冷媒配管内に排出する。そして、3秒間経過した後に、圧縮機6を停止させ、圧縮機6の事前稼働制御を終了する。この圧縮機6を作動させる圧縮機制御手段13は圧縮機6を駆動するインバータの制御を行う回路基板内に設けることができる。
タイムアップする前に、ステップS23において、乗員が車両内に乗り込み車両始動をした場合は、イグニッションスイッチがONされた場合である。この場合は、ステップS25において、空調制御装置10の本来の作動である基本空調制御を開始し、圧縮機事前稼働制御は終了する。
車両始動がまだ無い場合は、圧縮機6から液冷媒が冷媒配管内に排出された後に、圧縮機制御手段13から乗車予定信号SG1が電気ヒータ制御手段14に入力される。乗車予定信号SG1により事前稼働機器30の中の電気ヒータ7が事前稼働制御を開始する。電気ヒータ7は、冬季に車室内を補助暖房するものであり、冬季以外は図示しないスイッチが遮断されているため作動しない。
次に、援用する図2のステップS23において、乗員が車両内に乗り込み車両始動をしたかを判断する。この場合は、イグニッションスイッチをONしたかどうかの判断を行う。イグニッションスイッチがONされていない場合は、ステップS24でタイマーがタイムアップしたか否かを判定する。タイムアップまでの時間は、電気ヒータ7のために設定された電気ヒータ作動時間T3(5秒〜60秒)が採用される。この第5実施形態の場合は15秒に設定されている。
乗車予定信号SG1を受信してから15秒間電気ヒータ7に通電され、車室内の乗員足元を暖める。そして、15秒間経過した後に、電気ヒータ7への通電を停止させ、電気ヒータ7の事前稼働制御を終了する。この電気ヒータ7を作動させる事前稼働制御手段は電気ヒータ7に通電するリレーが実装された回路基板内に設けることができる。
タイムアップする前に、ステップS23において、乗員が車両内に乗り込み車両始動をした場合、つまり、この場合は、イグニッションスイッチがONされた場合は、空調制御装置10の本来の作動である基本空調制御をステップS25にて開始する。
図14は、第5実施形態における空調制御装置10での基本演算制御である空気調和制御の実行と事前稼働制御手段20の実行とのタイムチャートを示している。乗車予定信号SG1がドアロック装置より発信された時刻t141の後に、次々に乗車予定信号SG1がトークンパッシングにより、次の事前稼働制御が行われる。
先ず、ブロワモータ4の事前稼働制御により湿気が空調用ダクト22の中のから排出される。ブロワモータ4への通電が停止した後に、圧縮機6の中から液冷媒が排出される。圧縮機6への通電が停止された後に、電気ヒータ7に通電され、その後、電気ヒータ7への通電が停止される。なお、いずれかの事前稼働制御の実行中に、時刻t142になり、乗員が乗車しイグニッションスイッチが操作されて車両始動が行われると、基本演算制御が実行される。
このように、順次、事前稼働制御が作動し、同時には作動しないため、電気負荷が時間的に分散され、始動時の電力負荷を少なくすることができる。また、乗員が乗車するタイミングが早くなった場合、例えば、電気ヒータの事前稼働制御のときに、イグニッションスイッチがONされると電気ヒータ7の事前稼働制御は直ちに終了する。しかし、先に、実行されているブロワ事前稼働制御と圧縮機事前稼働制御による効果が享受できる。なお、この第5実施形態では、事前稼働制御手段としての風量切替制御手段が使用されないが、この風量切替制御手段も事前稼働制御に用いても良い。
(第5実施形態の作用効果)
上記第5実施形態においては、乗員の乗車の前に乗員が乗車することを検知して乗車予定信号SG1を発する乗車検知手段1と、車室内を空調する車両用空調装置100の一部を含み、乗員乗車前に作動する事前稼働機器30とを備える。かつ、乗車予定信号SG1により事前稼働機器30を作動させる事前稼働制御手段20を備える。
事前稼働機器30は、車室内に空気を吹出すためのブロワモータ4、車室内を空調する冷媒を吐出する圧縮機6、及び通電されることにより車室内を暖房する電気ヒータ7のいずれかを含む。
事前稼働制御手段20は、風量切替制御手段11と、圧縮機制御手段13と、電気ヒータ制御手段14とを含む。風量切替制御手段11は、ブロワモータ4を予め設定されたT1(3秒〜10秒)のブロワ駆動時間の間、駆動して車両用空調装置100の空調用ダクト22内の空気を空調用ダクト22の外に排出した後、ブロワモータ4を停止させる。
圧縮機制御手段13は、圧縮機6を圧縮機6のために設定されたT2(2秒〜10秒)の圧縮機駆動時間の間、駆動して圧縮機6内の液冷媒を排出した後、圧縮機6を停止させる。電気ヒータ制御手段14は、電気ヒータ7に電気ヒータ7のために設定されたT3(5秒〜60秒)の電気ヒータ作動時間の間、通電して車室内を暖房した後、電気ヒータ7への通電を停止させる。
これによれば、事前稼働制御手段は、風量切替制御手段と、圧縮機制御手段と、電気ヒータ制御手段とのいずれかを含む。よって、乗員が乗車する前に、これらの手段によって車両用空調装置の一部を作動させ、乗車後の本格的な空調制御に備えることができる。また、従来の一般的なプレ空調制御においても、乗車する前までに車室内の環境を整える。このために、ブロワモータの駆動と、圧縮機の駆動と、電気ヒータへの通電とのいずれかを実行する。しかし、この第5実施形態においては、ブロワ事前稼働制御の場合はT1(3秒〜10秒)と短い点で、プレ空調制御とは異なる。更に、液冷媒排出のための事前稼働制御としての圧縮機の駆動時間は、T2(2秒〜10秒)と短い点で、電気ヒータへの通電もT3(5秒〜60秒)と短い点で、夫々従来のプレ空調制御とは異なる。従って、乗員の乗車を予定して、いずれかの事前稼働制御を実行して、途中で乗員が乗車しなかったとしても、エネルギーの損失が少ない。これにより、乗員が乗車してから車両用空調装置を制御するのでなく、その前から事前稼働制御をはじめるものの、乗員が乗車を取りやめたときに事前稼働制御に投じたエネルギー損失が少なくなる。
また、上記第5実施形態においては、乗員の乗車の前に乗員が乗車することを検知して乗車予定信号SG1を発する乗車検知手段1と、車室内を空調する車両用空調装置100の一部を含み、乗員乗車前に作動する事前稼働機器30とを備える。かつ、乗車予定信号SG1により事前稼働機器30を作動させる事前稼働制御手段20を備える。
事前稼働機器30は、車室内に空気を吹出すためのブロワモータ4と、車室内を空調する冷媒を吐出する圧縮機6とを含む。事前稼働制御手段20は、風量切替制御手段11と、圧縮機制御手段13とを含む。風量切替制御手段11は、ブロワモータ4を予め設定されたブロワ駆動時間の間、駆動して車両用空調装置の空調用ダクト22内の空気を空調用ダクト22の外に排出した後、ブロワモータ4を停止させる。圧縮機制御手段13は、圧縮機6を圧縮機6のために設定された圧縮機駆動時間の間、駆動して圧縮機6の中の液冷媒を排出した後、圧縮機6を停止させる。
そして、事前稼働制御手段20は、先の事前稼働制御手段20の稼働制御が終了した後に、後の事前稼働制御手段20の稼働制御を開始し、ブロワモータ4の作動と圧縮機6の作動とを同時に行わない。すなわち、ブロワモータ4の作動と圧縮機6の作動と作動開始のタイミングをずらせている。
この第5実施形態によれば、一般的なプレ空調制御とは異なり、ブロワの作動と圧縮機の作動とを同時に行わないから、いずれかの事前稼働機器を作動させて、途中で乗員が乗車しなかったとしても、エネルギーの損失が少ない。これにより、乗員が乗車してから車両用空調装置100を制御するのでなく、その前から事前稼働制御をはじめるものの、乗員が乗車を取りやめたときに事前稼働制御に投じたエネルギー損失が少なくなる車両用空調システム及びその起動方法が提供できる。なお、一般的なプレ空調制御の場合は、少なくとも圧縮機の作動と、ブロワの作動とを同時に行う。従って、一般的なプレ空調制御では、途中で乗員が乗車しなかった場合に、圧縮機の作動と、ブロワの作動とを同時に行った結果としてのエネルギー損失が大きいが、この実施形態では失うエネルギーを節約できる。
上記第5実施形態においては、乗員の乗車の前に乗員が乗車することを検知して乗車予定信号SG1を発する乗車検知手段1と、車室内を空調する車両用空調装置100の一部を含み、乗員乗車前に作動する事前稼働機器30とを備える。かつ乗車予定信号SG1により事前稼働機器30を作動させる事前稼働制御手段20を備える。事前稼働機器30は、車室内に空気を吹出すためのブロワモータ4と、車室内を空調する冷媒を吐出する圧縮機6とを有する。事前稼働制御手段20は、ブロワモータ4を予め設定されたブロワ駆動時間の間、駆動して車両用空調装置の空調用ダクト22内の空気を空調用ダクト22の外に排出した後、ブロワモータを停止させる風量切替制御手段11を有する。また、事前稼働制御手段20は、圧縮機6を圧縮機6のために設定された圧縮機駆動時間の間、駆動して圧縮機6の中の液冷媒を排出した後、圧縮機6を停止させる圧縮機制御手段13を有する。そして、事前稼働制御手段20は、ブロワモータ4の作動開始タイミングと圧縮機6の作動開始タイミングとをずらせて、作動開始を少なくとも2秒間遅らせる遅延時間が設定されて制御している。この遅延時間は、乗車予定信号SG1がドアロック装置より発信された後に、次々に乗車予定信号SG1がトークンパッシングにより、次の事前稼働制御が行われることで必然的に設定される。
これによれば、一般的なプレ空調制御とは異なり、ブロワの作動開始タイミングと圧縮機の作動開始タイミングとをずらせているから、いずれかの事前稼働機器を作動させて、途中で乗員が乗車しなかったとしても、エネルギーの損失が少ない。このように、乗員が乗車してから車両用空調装置を制御するのでなく、その前から制御をはじめるものの、乗員が乗車を取りやめたときに制御に投じたエネルギー損失が少なくなる車両用空調システムの起動方法が提供できる。なお、一般的なプレ空調制御の場合は、少なくとも圧縮機の作動と、ブロワの作動とを実質的に同時に行い、遅延時間を設定するタイマー手段は無い。従って、一般的なプレ空調制御では、途中で乗員が乗車しなかった場合に、圧縮機の作動開始と、ブロワの作動開始とを同時に行った結果としてのエネルギーの損失が大きいが、この第5実施形態ではエネルギーを節約できる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。上記した実施形態と異なる部分を説明する。上記第1実施形態においては、乗車予定信号が、直接、風量切替制御手段を成す制御回路と、吹出口切替制御手段を成す制御回路と、圧縮機制御手段を成す制御回路と、電気ヒータ制御手段を成す制御回路に入力された。そして同時に、各事前稼働制御が実行された。しかし、この第6実施形態は、タイマー手段で管理された時間差を設定して各事前稼働制御手段が作動するものである。
図15は、第6実施形態における空調制御装置10での基本演算制御である空気調和制御の実行と事前稼働制御手段20の実行との時間的関係を示している。図15及び援用する図1において、ブロワ事前稼働制御を行う風量切替制御手段11と、圧縮機制御手段13と、電気ヒータ制御手段14とに同時に乗車予定信号SG1が入力される。しかし、各事前稼働制御手段20の中に設けられたタイマー手段の遅延時間の設定により事前稼働制御の作動開始時間に時間差が設定されている。
すなわち、各事前稼働制御手段20は、同時に作動を開始しない。乗車予定信号SG1が図15の時刻t151において入力されたときに、ブロワ事前稼働制御を行う風量切替制御手段11は、遅延時間0で作動を始める。次に、遅延時間遅れて圧縮機制御手段13が作動し、更に別の遅延時間遅れて電気ヒータ制御手段14が作動する。そして、乗員が車両に乗り込み、時刻t152において、イグニッションスイッチをONすると空調制御装置10の基本演算制御が実行される。勿論、例えば電気ヒータ制御手段14が作動中にイグニッションスイッチがONされると、直ちに電気ヒータ7の事前稼働制御が中止される。
(第6実施形態の作用効果)
この第6実施形態においては、乗員の乗車の前に乗員が乗車することを検知して乗車予定信号SG1を発する乗車検知手段1と、車室内を空調する車両用空調装置100の一部を含み、乗員乗車前に作動する事前稼働機器30とを備える。かつ、乗車予定信号SG1により事前稼働機器30を作動させる事前稼働制御手段20を備える。
事前稼働機器30は、車室内に空気を吹出すためのブロワモータ4、車室内を空調する冷媒を吐出する圧縮機6、及び通電されることにより車室内を暖房する電気ヒータ7を含む。
事前稼働制御手段20は、風量切替制御手段11と、圧縮機制御手段13と、電気ヒータ制御手段14とを含む。風量切替制御手段11は、ブロワモータ4を予め設定されたT1(3秒〜10秒)のブロワ駆動時間の間、駆動して車両用空調装置100の空調用ダクト22内の空気を空調用ダクト22の外に排出した後、ブロワモータ4を停止させる。
圧縮機制御手段13は、圧縮機6を圧縮機6のために設定されたT2(2秒〜10秒)の圧縮機駆動時間の間、駆動して圧縮機6内の液冷媒を排出した後、圧縮機6を停止させる。電気ヒータ制御手段14は、電気ヒータ7に電気ヒータ7のために設定されたT3(5秒〜60秒)の電気ヒータ作動時間の間、通電して車室内を暖房した後、電気ヒータ7への通電を停止させる。
これによれば、事前稼働制御手段は、風量切替制御手段と、圧縮機制御手段と、電気ヒータ制御手段とを含む。よって、乗員が乗車する前に、これらの手段によって車両用空調装置100の一部を作動させ、乗車後の本格的な空調制御に備えることができる。また、従来の一般的なプレ空調制御においても、乗車する前までに車室内の環境を整えるために、ブロワモータの駆動と、圧縮機の駆動と、電気ヒータへの通電とのいずれかを実行する。しかし、この第6実施形態において、ブロワ事前稼働制御の場合はT1(3秒〜10秒)と短い点でプレ空調制御とは異なる。更に、この第6実施形態の液冷媒排出のための事前稼働制御としての圧縮機の駆動時間は、T2(2秒〜10秒)と短い点で、電気ヒータへの通電もT3(5秒〜60秒)と短い点で、夫々従来のプレ空調制御とは異なる。従って、乗員の乗車を予定して、いずれかの事前稼働制御を実行して、途中で乗員が乗車しなかったとしても、エネルギーの損失が少ない。これにより、乗員が乗車してから車両用空調装置100を制御するのでなく、その前から事前稼働制御をはじめるものの、乗員が乗車を取りやめたときに事前稼働制御に投じたエネルギー損失が少なくなる。
この第6実施形態においては、乗員の乗車の前に乗員が乗車することを検知して乗車予定信号SG1を発する乗車検知手段1と、車室内を空調する車両用空調装置100の一部を含み、乗員乗車前に作動する事前稼働機器30とを備える。かつ、乗車予定信号SG1により事前稼働機器30を作動させる事前稼働制御手段20を備える。
事前稼働機器30は、車室内に空気を吹出すためのブロワモータ4と、車室内を空調する冷媒を吐出する圧縮機6とを有する。事前稼働制御手段20は、ブロワモータ4を予め設定されたブロワ駆動時間の間、駆動して車両用空調装置の空調用ダクト22内の空気を空調用ダクト22の外に排出した後、ブロワモータを停止させる風量切替制御手段11を有する。かつ、事前稼働制御手段20は、圧縮機6を圧縮機6のために設定された圧縮機駆動時間の間、駆動して圧縮機6の中の液冷媒を排出した後、圧縮機6を停止させる圧縮機制御手段13を有する。そして、事前稼働制御手段20には、ブロワモータ4の作動開始タイミングと圧縮機6の作動開始タイミングとが異なるよう、作動開始を積極的にずらせるために少なくとも2秒間遅らせる遅延時間が設定されている。
これによれば、一般的なプレ空調制御とは異なり、ブロワの作動開始と圧縮機の作動開始とを同時に行わないから、いずれかの事前稼働機器を作動させて、途中で乗員が乗車しなかったとしても、エネルギーの損失が少ない。このように、乗員が乗車してから車両用空調装置を制御するのでなく、その前から制御をはじめるものの、乗員が乗車を取りやめたときに制御に投じたエネルギー損失が少なくなる車両用空調システム及びその起動方法が提供できる。なお、一般的なプレ空調制御の場合は、少なくとも圧縮機の作動と、ブロワの作動とを実質的に同時に行う。従って、一般的なプレ空調制御では、途中で乗員が乗車しなかった場合に、圧縮機の作動開始と、ブロワの作動開始とを同時に行った結果としてのエネルギーの損失が大きいが、この第6実施形態ではエネルギーを節約できる。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について説明する。上記した実施形態と異なる部分を説明する。この第7実施形態においては、複数の事前稼働制御手段が時間差をおいて実行される場合に、制御開始から制御完了までの時間が短い事前稼働制御を先に実行する。
図16は、第7実施形態における空調制御装置10での基本演算制御である空気調和制御の実行と事前稼働制御手段20の実行との時間的関係を示している。図16及び援用する図1において、時刻t161において、制御開始から制御完了までの時間が最も短い圧縮機事前稼働制御を行う。つまり、圧縮機制御手段13が先ず3秒間事前稼働制御を行う。そして、圧縮機6の中から液冷媒が排出される。次に、制御開始から制御完了までの時間が中くらいのブロワ事前稼働を行う風量切替制御手段11が4秒間稼働し、空調用ダクト22の中の湿気が排出される。最後に、時刻t162において、制御開始から制御完了までの時間が最も長い電気ヒータ制御手段14の事前稼働制御が5秒間実行され、電気ヒータ7が予熱される。その後に、時刻t163にて通常通り乗員が乗車すると、空調制御装置10による基本演算制御が実行される。
何らかの事情で、時刻t162のような早いタイミングで乗員が車両に乗り込んでイグニッションスイッチをONした場合は、電気ヒータ制御手段14の事前稼働制御が実行されずに空調制御装置10による基本演算制御が実行される。しかし、このように、乗員が素早い乗車を行うときも、圧縮機事前稼働を行う圧縮機制御手段13の稼働とブロワ事前稼働を行う風量切替制御手段11の稼働を済ませることができ、できる限り多くの事前稼働制御が実行され快適性が向上する。
(第7実施形態の作用効果)
上記第7実施形態においては、乗員の乗車の前に乗員が乗車することを検知して乗車予定信号SG1を発する乗車検知手段1と、車室内を空調する車両用空調装置100の一部を含み、乗員乗車前に作動する事前稼働機器30とを備える。かつ、乗車予定信号SG1により事前稼働機器30を作動させる事前稼働制御手段20を備える。
事前稼働機器30は、車室内に空気を吹出すためのブロワモータ4と、車室内を空調する冷媒を吐出する圧縮機6とを有する。事前稼働制御手段20は、風量切替制御手段11と、圧縮機制御手段13とを備える。風量切替制御手段11は、ブロワモータ4を予め設定されたブロワ駆動時間の間、駆動して車両用空調装置の空調用ダクト22内の空気を空調用ダクト22の外に排出した後、ブロワモータ4を停止させる。圧縮機制御手段13は、圧縮機6を圧縮機6のために設定された圧縮機駆動時間の間、駆動して圧縮機6の中の液冷媒を排出した後、圧縮機6を停止させる。そして、事前稼働制御手段20は、先の事前稼働制御手段20の稼働制御が終了した後に、後の事前稼働制御手段20の稼働制御を開始し、ブロワモータ4の作動タイミングと圧縮機6の作動タイミングとを異ならせている。
これによれば、一般的なプレ空調制御とは異なり、ブロワの作動と圧縮機の作動とを同時に行わないから、いずれかの事前稼働機器を作動させて、途中で乗員が乗車しなかったとしても、エネルギーの損失が少ない。これにより、乗員が乗車してから車両用空調装置100を制御するのでなく、その前から事前稼働制御をはじめるものの、乗員が乗車を取りやめたときに事前稼働制御に投じたエネルギー損失が少なくなる。なお、一般的なプレ空調制御の場合は、少なくとも圧縮機の作動と、ブロワの作動とを同時に行う。従って、一般的なプレ空調制御では、途中で乗員が乗車しなかった場合に、圧縮機の作動と、ブロワの作動とを同時に行った結果としてのエネルギー損失が大きいが、本発明では失うエネルギーを節約できる。
また、上記第7実施形態においては、一般的なプレ空調制御とは異なり、ブロワの作動開始タイミングと圧縮機の作動開始タイミングとをずらせている。よって、いずれかの事前稼働機器を作動させて、途中で乗員が乗車しなかったとしても、エネルギーの損失が少ない。このように、乗員が乗車してから車両用空調装置を制御するのでなく、その前から制御をはじめるものの、乗員が乗車を取りやめたときに制御に投じたエネルギー損失が少なくなる車両用空調システムの起動方法が提供できる。なお、一般的なプレ空調制御の場合は、少なくとも圧縮機の作動と、ブロワの作動とを実質的に同時に行う。従って、一般的なプレ空調制御では、途中で乗員が乗車しなかった場合に、圧縮機の作動開始と、ブロワの作動開始とを同時に行った結果としてのエネルギーの損失が大きいが、第7実施形態ではエネルギーを節約できる。
更に、上記第7実施形態においては、事前稼働機器30に含まれる複数の機器のうち、制御開始から停止されるまでの時間が最も短い事前稼働機器30の制御を最初に実行する。これによれば、乗員の乗車予定を乗車予定信号で知ってから乗員が乗車するまでの時間が短くても、できるだけ多くの事前稼働機器の制御を実行することができる。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態について説明する。上記した実施形態と異なる部分を説明する。この第8実施形態においては、複数の事前稼働制御が時間差をおいて実行される場合に、事前稼働制御における消費電力の少ない制御を先に実行する。
図17は、第8実施形態における空調制御装置10での基本演算制御である空気調和制御の実行と事前稼働制御手段20の実行との時間的関係を示している。図17及び援用する図1において、事前稼働制御における消費電力の少ないブロワ事前稼働を行う風量切替制御手段11の制御が先に実行され、次に、事前稼働制御における消費電力が中くらいの圧縮機事前稼働を行う圧縮機制御手段13による制御が実行される。最後に、事前稼働制御における消費電力が最も大きい電気ヒータ制御手段14の制御が実行される。
図17において、時刻t171において、乗車予定信号SG1が事前稼働制御手段20に入力される。そうすると、先ず、制御開始から制御完了までの消費電力の少ない風量切替制御手段11によるブロワ事前稼働制御が先ず実行され、空調用ダクト22の中の湿気が排出される。
次に、制御開始から制御完了までの消費電力が中程度の圧縮機6の事前稼働制御が実行され、圧縮機6の中から液冷媒が排出される。最後に、時刻t172において、制御開始から制御完了までの消費電力が最も大きい電気ヒータ制御手段14による制御が実行され、電気ヒータ7が予熱される。その後に、時刻t173にて通常通り乗員が乗車すると空調制御装置10による基本演算制御が実行される。
何らかの事情で、時刻t172のような早いタイミングで乗員が車両に乗り込んでイグニッションスイッチをONした場合は、電気ヒータ制御手段14による予熱が実行されずに空調制御装置10による基本演算制御が実行される。しかし、このように、乗員が素早い乗車を行うときも、ブロワ事前稼働と圧縮機事前稼働とを済ませることができ、できる限り多くの事前稼働制御が電力エネルギーを節約して実行され、快適性が向上する。
(第8実施形態の作用効果)
この第8実施形態においては、事前稼働機器30に含まれる複数の機器のうち、事前稼働制御における消費電力が最も小さい事前稼働機器30の制御を最初に実行する。これによれば、乗員の乗車予定がキャンセルされても、それまでに事前稼働制御のために失った消費電力量を少なくすることができる。
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態について説明する。上記した実施形態と異なる部分を説明する。第1実施形態においては、空調制御装置は、基本演算手段による制御を実行する基本演算手段から成る。そして、事前稼働制御を実行する事前稼働制御手段は、基本演算手段とは車両内の離れた位置において、基本演算手段とは別に設けられていた。
その上で、乗車検知手段からの乗車予定信号が、事前稼働制御手段に入力されていた。図18は、本発明の第9実施形態における車両用空調システムを示す。また、図19は空調制御装置10の中で制御を実行する事前稼働制御手段20と基本演算手段200とを示す。
この第9実施形態においては、図19のように、空調制御装置10内に、事前稼働制御手段20と、基本演算手段200とが設けられており、乗車検知手段1からの乗車予定信号SG1が、空調制御装置10内に入力される。
この空調制御装置10は、図18のように、空調制御パネル60、種々のセンサ61、及び、ナビゲーション装置等の車両状態入力手段9と接続されている。また、図19のように、空調制御装置10の中には、事前稼働制御手段20相当の制御プログラム又はその制御を実行する電気回路から成る事前稼働制御手段20が含まれている。そして、乗車予定信号SG1を基に、事前稼働機器30を成すブロワモータ4等の機器に空調制御装置10から直接的に制御信号を供給するものである。そして制御の順番は、事前空調制御が行われた後で基本空調制御が行われる。事前稼働制御手段20は、基本演算手段200とは別のプログラムで実行されるが、事前稼働制御手段20は、基本演算手段200とは別の制御回路により実行されてもよい。この場合、基本演算手段200は周知のようにマイクロコンピュータを用いて実行され、事前稼働制御手段20は演算速度の速い専用のロジック回路で実行されても良い。
(第9実施形態の作用効果)
上記第9実施形態においては、事前稼働制御手段は、風量切替制御手段と、吹出口切替制御手段と、圧縮機制御手段と、電気ヒータ制御手段とのいずれかを含む。
よって、乗員が乗車する前に、これらの手段によって車両用空調装置100の一部を作動させ、乗車後の本格的な空調制御に備えることができる。また、従来の一般的なプレ空調制御においても、乗車する前までに車室内の環境を整えるために、ブロワモータの駆動と、吹出口モータの駆動と、圧縮機の駆動と、電気ヒータへの通電とのいずれかを実行する。しかし、この実施形態において、ブロワ事前稼働制御の場合はT1(3秒〜10秒)と短い点で、プレ空調制御とは異なる。吹出口モータ事前稼働制御はフェイス吹出以外の位置に設定してブロワモータに通電せずに待機している点で、プレ空調制御とは異なる。
更に、この実施形態の液冷媒排出のための事前稼働制御としての圧縮機の駆動時間は、T2(2秒〜10)と短い点で、プレ空調制御とは異なる。電気ヒータへの通電もT3(5秒〜60秒)と短い点で、プレ空調制御とは異なる。
従って、乗員の乗車を予定して、いずれかの事前稼働制御を実行して、途中で乗員が乗車しなかったとしても、エネルギーの損失が少ない。これにより、乗員が乗車してから車両用空調装置100を制御するのでなく、その前から事前稼働制御をはじめるものの、乗員が乗車を取りやめたときに事前稼働制御に投じたエネルギー損失が少なくなる車両用空調システムの起動方法が提供できる。
上記第9実施形態においては、基本演算手段が実行される前の段階で、乗車検知手段からの検知信号により事前稼働機器を稼働させる事前稼働制御手段が作動するから、従来の基本演算手段を大きく変更することなく、事前稼働制御を実行することができる。また、基本演算手段が実行される前の段階で事前稼働制御手段が稼働するから、乗車予定信号により事前稼働機器を素早く作動させることができる。
上記第9実施形態においては、基本演算手段200と、事前稼働制御手段20とは、同じ空調制御装置10の筐体の中に設けられ、乗車予定信号SG1が、空調制御装置10に入力される。これによれば、従来から用いられている空調制御装置内に基本演算手段に加えて事前稼働制御手段を追加することで、容易に基本演算手段による制御と、事前稼働制御手段による制御とを実行することができる。また、乗車予定信号が、空調制御装置に入力されているから、空調制御装置から各事前稼働機器に向けて事前稼働のための制御信号と本来の空調制御のための制御信号とを送信することができる。
(他の実施形態)
上記の実施形態では、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、更に特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
上記実施形態においては、事前稼働制御手段は、フェイス吹出以外の位置である例えばデフロスタ吹出に吹出口の切替ドア駆動用のアクチェータを作動させた。しかし、デフロスタ吹出ではなく、吹出口を乗員足元に吹出すフットモード又はフットデフロスタモードに設定しても良い。この場合第1実施形態においては、事前稼働機器である吹出口切換ドアの状態(位置)に応じて、あらかじめ演算された時間の間、事前稼働機器であるドア用アクチュエータを作動させた。そして、吹出口切換ドアをフット吹出口から風が出る状態で車両用空調装置の基本演算の作動を行いたいときには、事前にフット吹出口から風が出る状態にしておく。また事前稼働機器の作動時間の演算は、事前稼働機器である吹出口切換ドアの状態(位置)と基本演算の作動を行なうときの吹出口切換ドアの状態(位置)とからあらかじめ設定したマップから作動時間を求めることができた。
これに対し、別の方法としては、事前稼働制御手段は、事前稼働機器30が、あらかじめ設定された位置に到達するまで、事前稼働機器30を作動させても良い。この場合は、作動時間を決めずに、目的の位置になるまで事前稼働機器の作動させることができる。そして、目的の位置に達したことをリミットスイッチ等で検知して事前稼働機器の作動を停止させる。
上記実施形態においては、空調制御はオートエアコンの例を示したが、マニュアルエアコンにおいても本発明を実施できる。マニュアルエアコンでは温度の設定、吹出口の選択、ブロワ風量の設定がマニュアル操作で実行される。
上記実施形態においては、乗車検知手段は、無線キーのアンロック信号で構成したが、玄関ドア又は車庫ドアの開放信号、車庫内照明の自動点灯信号、無線キー以外のリモートスイッチを利用することもできる。また、通常の機械式キーで車両ドアを開けて乗り込む場合も、ドアの開放からイグニッションスイッチのONまでは時間がかかることが多いため、機械式キーを挿入したことによるドア開用信号を乗車検知手段の乗車予定信号としてもよい。
また、冷凍サイクルはエアコンサイクルのほか、ヒートポンプサイクルであっても良い。また、事前圧縮機制御がなければ、圧縮機6は電動圧縮機でなくてもよく、車両は電気自動車、ハイブリッド自動車、通常の内燃機関で駆動される自動車のいずれであっても良い。また、プレ空調制御が実施される車両用空調装置にも本発明を適用できる。この場合は、例えばプレ空調制御用のリモコンによって、プレ空調制御と事前稼働制御とのいずれかを選択して切り替えれば良い。また、プレ空調制御を使用しない場合に、事前稼働制御を実行しても良い。
次に、乗車予定信号が出されたときに全て事前稼働制御を実行するのでなく、キャンセル手段としての例えばキャンセルスイッチを乗車検知手段と事前稼働制御手段との間に設けても良い。このスイッチはマニュアルで切り替えても良い。また、自動でキャンセル手段が作動するようにしても良い。
例えば、駐車してから次に乗車予定信号が出るまでの経過時間が短い場合や、特定の時間帯及び/又は特定の場所に車両が存在することをナビゲーション装置からの信号で検知する。そして、事前稼働制御を、特定の場所において、自動的にキャンセルするようにしても良い。具体的には、コンビニエンスストアの存在する場所での乗車検知手段と事前稼働制御手段との信号の切断により、短時間の買い物等では事前稼働制御を自動キャンセルしても良い。
事前稼働制御は、車両用空調装置において電気アクチェータの作動によって切替動作が行われるその他の機器に対しても適用できる。例えば、電気アクチュエータを使用した吹出口又は吸込口の切替え制御、シートを乗員の体格に合わせて移動させるアクチュエータにおける姿勢切替制御の事前稼働制御を行うことができる。また、複数種類の電気ヒータが車両に搭載されている場合の、外気温に従って使用する電気ヒータの切替及び事前稼働制御を行うことができる。例えば、輻射式電気ヒータ、摩擦熱を発生させるビスカスヒータ、及び燃焼式ヒータが備えられている場合の切り替え及び事前稼働制御を行うことができる。
つまり、作動や切替えを行って、本来の効果を発揮するまでに時間がかかる機器の事前稼働制御が可能である。これにより、例えば、乗員が暖かさを感じるまでに要する時間の内、余熱時間を短縮することができる。
ビスカスヒータ及び燃焼式ヒータは、共に伝熱媒体(主にエンジン冷却水)が温まるまでに時間を要する。更に、輻射式電気ヒータは、伝熱媒体の余熱時間が必要ないとは言え、赤外線エネルギーが効率的に放射されるまでの時間が必要である。よって、これらの時間を要する過程を事前稼働制御で実行することにより、乗車した乗員に素早く快適性を提供することができる。
更に、吹出口切替制御の代わり、又は、それと共に、内外気の吸込口の切替えを事前稼働制御しても良い。例えば、外気温の検出を乗車信号検知と共に行って、所定温度以下の低外気温時に乗車予定信号が出された場合は、内外気切替装置の切替ドアを内気側に切り替えても良い。
4 ブロワモータ
5 吹出口モータ
6 圧縮機
7 電気ヒータ
11 風量切替制御手段
12 吹出口切替制御手段
13 圧縮機制御手段
14 電気ヒータ制御手段
20 事前稼働制御手段
30 事前稼働機器

Claims (28)

  1. 乗員の乗車の前に乗員が乗車することを検知して乗車予定信号(SG1)を発する乗車検知手段(1)と、
    空調用ダクト(22)を通る空調風で車室内を空調する車両用空調装置(100)の一部を含み、乗員乗車前に作動する事前稼働機器(30)と、
    前記乗車予定信号(SG1)を認識した後に前記事前稼働機器(30)を作動させる事前稼働制御手段(20)と、を備え、
    前記事前稼働機器(30)は、前記車室内に空気を吹出すためのブロワモータ(4)、
    前記車室内に空気を吹出す吹出口を切り換える吹出口モータ(5)、
    前記車室内を空調する冷媒を吐出する圧縮機(6)、及び
    通電されることにより前記車室内を暖房する電気ヒータ(7)のいずれかを含み、
    前記事前稼働制御手段(20)は、
    前記事前稼働機器(30)として前記ブロワモータ(4)を含む場合に、前記ブロワモータ(4)を、空調用ダクト(22)の中の空気を入れ替えるのに必要な時間として予め設定されたブロワ駆動時間(T1)の間、駆動して前記空調用ダクト(22)内の空気を前記空調用ダクト(22)の外に排出した後、前記ブロワモータ(4)を停止させる風量切替制御手段(11)と、
    前記事前稼働機器(30)として前記吹出口モータ(5)を含む場合に、前記ブロワモータ(4)の作動で吹出される空気の出口である吹出口を乗員の顔面方向に吹出すフェイス吹出以外の位置に設定した後、前記ブロワモータ(4)に通電せずに待機する吹出口切替制御手段(12)と、
    前記事前稼働機器(30)として前記圧縮機(6)を含む場合に、前記圧縮機(6)を前記圧縮機(6)の中の液冷媒を排出するのに必要な時間として予め設定された圧縮機駆動時間(T2)の間、駆動して前記圧縮機(6)の中の液冷媒を排出した後、前記圧縮機(6)を停止させる圧縮機制御手段(13)と、
    前記事前稼働機器(30)として前記電気ヒータ(7)を含む場合に、前記電気ヒータ(7)に、予め設定された前記電気ヒータ(7)の作動時間(T3)の間、通電して前記車室内を暖房した後、前記電気ヒータ(7)への通電を停止させる前記電気ヒータ(7)の制御手段(14)と、のいずれかを含むことを特徴とする車両用空調システムの起動方法。
  2. 前記ブロワ駆動時間(T1)は、前記空調用ダクト(22)の中の空気を入れ替えるのに必要な時間として、前記空調用ダクト(22)の容積と単位時間当たり体積風量とから算出されて予め設定され、
    前記圧縮機駆動時間(T2)は、前記圧縮機(6)の中の液冷媒を排出するのに必要な時間として、前記圧縮機(6)の容積と単位時間当たり吐出容量から予め設定され、
    前記電気ヒータ(7)の作動時間(T3)は、前記電気ヒータ(7)の発熱体及び伝熱媒体の予熱に必要な時間として、予め設定されることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調システムの起動方法。
  3. 乗員の乗車の前に乗員が乗車することを検知して乗車予定信号(SG1)を発する乗車検知手段(1)と、
    空調用ダクトを通る空調風で車室内を空調する車両用空調装置(100)の一部を含み、乗員乗車前に作動する事前稼働機器(30)と、
    前記乗車予定信号(SG1)により前記事前稼働機器(30)を作動させる事前稼働制御手段(20)と、を備え、
    前記事前稼働機器(30)は、前記車室内に空気を吹出すためのブロワモータ(4)と、前記車室内を空調する冷媒を吐出する圧縮機(6)とを有し、
    前記事前稼働制御手段(20)は、
    前記ブロワモータ(4)を予め設定されたブロワ駆動時間(T1)の間、駆動して前記車両用空調装置の前記空調用ダクト(22)内の空気を前記空調用ダクト(22)の外に排出した後、前記ブロワモータ(4)を停止させる風量切替制御手段(11)と、
    前記圧縮機(6)を予め設定された圧縮機駆動時間(T2)の間、駆動して前記圧縮機(6)の中の液冷媒を排出した後、前記圧縮機(6)を停止させる前記圧縮機(6)の制御手段(13)と、を有し、
    かつ、前記事前稼働制御手段(20)は、前記ブロワモータ(4)の作動タイミングと前記圧縮機(6)の作動タイミングとが異なることを特徴とする車両用空調システムの起動方法。
  4. 乗員の乗車の前に乗員が乗車することを検知して乗車予定信号(SG1)を発する乗車検知手段(1)と、
    空調用ダクトを通る空調風で車室内を空調する車両用空調装置(100)の一部を含み、乗員乗車前に作動する事前稼働機器(30)と、
    前記乗車予定信号(SG1)により前記事前稼働機器(30)を作動させる事前稼働制御手段(20)と、を備え、
    前記事前稼働機器(30)は、前記車室内に空気を吹出すためのブロワモータ(4)と、前記車室内を空調する冷媒を吐出する圧縮機(6)とを有し、
    前記事前稼働制御手段(20)は、
    前記ブロワモータ(4)を予め設定されたブロワ駆動時間(T1)の間、駆動して前記車両用空調装置の前記空調用ダクト(22)内の空気を前記空調用ダクト(22)の外に排出した後、前記ブロワモータを停止させる風量切替制御手段(11)と、
    前記圧縮機(6)を予め設定された圧縮機駆動時間(T2)の間、駆動して前記圧縮機(6)の中の液冷媒を排出した後、前記圧縮機(6)を停止させる圧縮機制御手段(13)と、を有し、
    前記事前稼働制御手段(20)は、前記ブロワモータ(4)の作動開始タイミングと前記圧縮機(6)の作動開始タイミングとが異なるよう、いずれかの作動開始を少なくとも2秒間遅らせる遅延時間を設定して制御することを特徴とする車両用空調システムの起動方法。
  5. 更に、空調制御装置(10)を有し、
    前記空調制御装置(10)は、センサ(61)からのデータの読み込みのステップ(S52)の後に、少なくとも前記ブロワモータ(4)の風量を決定するブロワ制御電圧のステップ(S54)と、前記圧縮機(6)の回転数を決定する圧縮機制御量のステップ(S57)と、吹出モードを切り換える吹出口切替ドア制御のステップ(S60)とを行う基本演算手段(200)を有し、
    前記事前稼働制御手段(20)は、前記基本演算手段(200)の作動前の段階で実行されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の車両用空調システムの起動方法。
  6. 前記事前稼働制御手段(20)は、前記基本演算手段(200)とは車両内の離れた位置において、前記基本演算手段(200)とは別に設けられ、
    前記乗車予定信号(SG1)が、前記事前稼働制御手段(20)に入力されていることを特徴とする請求項5に記載の車両用空調システムの起動方法。
  7. 前記基本演算手段(200)と、前記事前稼働制御手段(20)とは、同じ前記空調制御装置(10)の筐体の中に設けられ、
    前記乗車予定信号(SG1)が、前記空調制御装置(10)に入力されることを特徴とする請求項5に記載の車両用空調システムの起動方法。
  8. 前記事前稼働制御手段(20)は、前記事前稼働機器(30)に一体に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の車両用空調システムの起動方法。
  9. 前記事前稼働制御手段(20)は、前記ブロワモータ(4)を制御する制御回路と、前記吹出口モータ(5)を制御する制御回路と、前記圧縮機(6)を制御する制御回路と、前記電気ヒータ(7)の通電を制御する通電回路との夫々の回路基板のいずれかの中に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調システムの起動方法。
  10. 前記事前稼働機器(30)に含まれる複数の機器のうち、制御開始から停止されるまでの時間が最も短い前記事前稼働機器(30)の制御を最初に実行することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載の車両用空調システムの起動方法。
  11. 前記事前稼働機器(30)に含まれる複数の機器のうち、事前稼働制御における消費電力が最も小さい前記事前稼働機器(30)の制御を最初に実行することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載の車両用空調システムの起動方法。
  12. 車両の乗員が乗車することを検知して乗車予定信号(SG1)を発する乗車検知手段(1)と、
    空調用ダクト(22)を通る空調風で車室内を空調する車両用空調装置(100)の一部を含む事前稼働機器(30)と、
    前記乗車予定信号(SG1)を認識し、前記事前稼働機器(30)を作動させる事前稼働制御手段(20)と、
    乗員乗車により前記車両用空調装置を制御する基本演算手段(200)と、を備えることを特徴とする車両用空調システム。
  13. 前記事前稼働制御手段(20)は、前記事前稼働機器の状態に応じてあらかじめ演算された演算時間の間、前記事前稼働機器(30)を作動させることを特徴とする請求項12に記載の車両用空調システム。
  14. 前記事前稼働制御手段(20)は、前記事前稼働機器(30)が、あらかじめ設定された設定位置に到達するまで、前記事前稼働機器(30)を作動させることを特徴とする請求項12に記載の車両用空調システム。
  15. 前記事前稼働機器(30)は、前記車室内に空気を吹出すためのブロワモータ(4)を含み、
    前記事前稼働制御手段(20)は、前記ブロワモータ(4)を、前記空調用ダクト(22)の中の空気を入れ替えるのに必要な前記演算時間となるブロワ駆動時間(T1)の間、駆動して前記空調用ダクト(22)内の空気を前記空調用ダクト(22)の外に排出した後、前記ブロワモータ(4)を停止させる風量切替制御手段(11)を含むことを特徴とする請求項13に記載の車両用空調システム。
  16. 前記ブロワ駆動時間(T1)は、前記空調用ダクト(22)の容積と単位時間当たり体積風量とから算出されることを特徴とする請求項15に記載の車両用空調システム。
  17. 前記事前稼働機器(30)は、前記車室内に空気を吹出す吹出口を切り換える吹出口モータ(5)を含み、
    前記事前稼働制御手段(20)は、前記吹出口の前記設定位置を乗員の顔面方向に吹出すフェイス吹出以外の位置に設定し、ブロワモータ(4)に通電せずに待機する吹出口切替制御手段(12)を含むことを特徴とする請求項14に記載の車両用空調システム。
  18. 前記事前稼働機器(30)は、前記車室内を空調する冷媒を吐出する圧縮機(6)を含み、
    前記事前稼働制御手段(20)は、前記圧縮機(6)の中の液冷媒を排出するのに必要な前記演算時間となる圧縮機駆動時間(T2)の間、前記圧縮機(6)を駆動して前記圧縮機(6)の中の液冷媒を排出し、前記圧縮機(6)を停止させる圧縮機制御手段(13)を含むことを特徴とする請求項13に記載の車両用空調システム。
  19. 前記圧縮機駆動時間(T2)は、前記圧縮機(6)の容積と単位時間当たり吐出容量から予め設定されることを特徴とする請求項18に記載の車両用空調システム。
  20. 前記事前稼働機器(30)は、通電されることにより前記車室内を暖房する電気ヒータ(7)を含み、
    前記事前稼働制御手段(20)は、前記電気ヒータ(7)に、前記演算時間となる電気ヒータ作動時間(T3)の間通電して前記車室内を暖房し、前記電気ヒータ(7)への通電を停止させる電気ヒータ制御手段(14)を含むことを特徴とする請求項13に記載の車両用空調システム。
  21. 前記電気ヒータ作動時間(T3)は、前記電気ヒータ(7)の発熱体及び伝熱媒体の予熱に必要な時間として、予め設定されることを特徴とする請求項20に記載の車両用空調システム。
  22. 乗員の乗車の前に乗員が乗車することを検知して乗車予定信号(SG1)を発する乗車検知手段(1)と、
    空調用ダクトを通る空調風で車室内を空調する車両用空調装置(100)の一部を含み、乗員乗車前に作動する事前稼働機器(30)と、
    前記乗車予定信号(SG1)により前記事前稼働機器(30)を作動させる事前稼働制御手段(20)と、を備え、
    前記事前稼働機器(30)は、前記車室内に空気を吹出すためのブロワモータ(4)と、前記車室内を空調する冷媒を吐出する圧縮機(6)とを有し、
    前記事前稼働制御手段(20)は、前記ブロワモータ(4)を予め設定されたブロワ駆動時間(T1)の間、駆動して前記車両用空調装置の前記空調用ダクト(22)内の空気を前記空調用ダクト(22)の外に排出して、前記ブロワモータ(4)を停止させる風量切替制御手段(11)と、前記圧縮機(6)を予め設定された圧縮機駆動時間(T2)の間、駆動して前記圧縮機(6)の中の液冷媒を排出して、前記圧縮機(6)を停止させる圧縮機制御手段(13)と、を有し、
    かつ、前記事前稼働制御手段(20)は、前記ブロワモータ(4)の作動のタイミングと前記圧縮機(6)の作動のタイミングとが異なることを特徴とする車両用空調システム。
  23. 乗員の乗車の前に乗員が乗車することを検知して乗車予定信号(SG1)を発する乗車検知手段(1)と、
    空調用ダクトを通る空調風で車室内を空調する車両用空調装置(100)の一部を含み、乗員乗車前に作動する事前稼働機器(30)と、
    前記乗車予定信号(SG1)により前記事前稼働機器(30)を作動させる事前稼働制御手段(20)と、を備え、
    前記事前稼働機器(30)は、前記車室内に空気を吹出すためのブロワモータ(4)と、前記車室内を空調する冷媒を吐出する圧縮機(6)とを有し、
    前記事前稼働制御手段(20)は、前記ブロワモータ(4)を予め設定されたブロワ駆動時間(T1)の間、駆動して前記車両用空調装置の前記空調用ダクト(22)内の空気を前記空調用ダクト(22)の外に排出した後、前記ブロワモータを停止させる風量切替制御手段(11)と、前記圧縮機(6)を予め設定された圧縮機駆動時間(T2)の間、駆動して前記圧縮機(6)の中の液冷媒を排出した後、前記圧縮機(6)を停止させる圧縮機制御手段(13)と、を有し、
    前記事前稼働制御手段(20)は、前記ブロワモータ(4)の作動開始タイミングと前記圧縮機(6)の作動開始タイミングとが異なることを特徴とする車両用空調システム。
  24. 前記基本演算手段(200)は、センサ(61)からのデータの読み込み、少なくともブロワモータ(4)の風量を決定するブロワ制御電圧のステップ(S54)と、圧縮機(6)の回転数を決定する圧縮機制御量のステップ(S57)と、吹出モードを切り換える吹出口切替ドア制御のステップ(S60)とを行ない、
    前記事前稼働制御手段(20)は、前記基本演算手段(200)とは別のプログラム又は制御回路により実行されることを特徴とする請求項12に記載の車両用空調システム。
  25. 前記事前稼働制御手段(20)は、前記基本演算手段(200)とは車両内の離れた位置において、前記基本演算手段(200)とは別の場所で実行され、
    前記乗車予定信号(SG1)が、前記事前稼働制御手段(20)に入力されていることを特徴とする請求項24に記載の車両用空調システム。
  26. 前記基本演算手段(200)と、前記事前稼働制御手段(20)とは、同じ空調制御装置(10)の筐体の中に設けられ、
    前記乗車予定信号(SG1)が、前記空調制御装置(10)に入力されることを特徴とする請求項24に記載の車両用空調システム。
  27. 前記事前稼働制御手段(20)は、前記事前稼働機器(30)に一体に設けられていることを特徴とする請求項12ないし21のいずれか一項に記載の車両用空調システム。
  28. 前記事前稼働制御手段(20)は、前記ブロワモータ(4)を制御する制御回路と、吹出口モータ(5)を制御する制御回路と、前記圧縮機(6)を制御する制御回路と、電気ヒータ(7)の通電を制御する通電回路との夫々の回路のいずれかの中に設けられていることを特徴とする請求項25に記載の車両用空調システム。
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