JPH09329087A - 可変容量型圧縮機の制御装置 - Google Patents
可変容量型圧縮機の制御装置Info
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- JPH09329087A JPH09329087A JP8149579A JP14957996A JPH09329087A JP H09329087 A JPH09329087 A JP H09329087A JP 8149579 A JP8149579 A JP 8149579A JP 14957996 A JP14957996 A JP 14957996A JP H09329087 A JPH09329087 A JP H09329087A
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- JP
- Japan
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- control
- compressor
- state
- valve
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- Air-Conditioning For Vehicles (AREA)
- Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
- Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 フォーミングに起因した内部のオイルレス状
態が長時間継続されることのない可変容量型圧縮機の制
御装置を提供すること。 【解決手段】 制御コンピュータ81は、圧縮機の起動
時に蒸発器温度ETH 、外気温度OTH 、車室内温度ITH 及
び日射量LOS を検出する。また、同制御コンピュータ8
1は、同検出値(ETH ,OTH ,ITH ,LOS )が設定値以
上であると、フォーミング対策用の制御を行うことを決
定する。さらに、同制御コンピュータ81は、所定時間
Time1 内に回転軸16の回転数NEが所定回転数以上とな
ると、フォーミング対策用の制御を所定時間Time2 の間
実行する。
態が長時間継続されることのない可変容量型圧縮機の制
御装置を提供すること。 【解決手段】 制御コンピュータ81は、圧縮機の起動
時に蒸発器温度ETH 、外気温度OTH 、車室内温度ITH 及
び日射量LOS を検出する。また、同制御コンピュータ8
1は、同検出値(ETH ,OTH ,ITH ,LOS )が設定値以
上であると、フォーミング対策用の制御を行うことを決
定する。さらに、同制御コンピュータ81は、所定時間
Time1 内に回転軸16の回転数NEが所定回転数以上とな
ると、フォーミング対策用の制御を所定時間Time2 の間
実行する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部駆動源との間
の動力伝達系にクラッチ機構を介在させる必要のない可
変容量型圧縮機の制御装置に関する。
の動力伝達系にクラッチ機構を介在させる必要のない可
変容量型圧縮機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、車両の空調システムに組み込ま
れる圧縮機として、車両エンジンとの間の動力伝達系に
電磁クラッチ等のクラッチ機構を介在させる必要のな
い、所謂、クラッチレス圧縮機が存在する。電磁クラッ
チを無くすことにより、圧縮機全体の軽量化及びコスト
の低減を図り得るし、同電磁クラッチのオン・オフショ
ックによる体感フィーリングの悪さを解消できる等の利
点がある。
れる圧縮機として、車両エンジンとの間の動力伝達系に
電磁クラッチ等のクラッチ機構を介在させる必要のな
い、所謂、クラッチレス圧縮機が存在する。電磁クラッ
チを無くすことにより、圧縮機全体の軽量化及びコスト
の低減を図り得るし、同電磁クラッチのオン・オフショ
ックによる体感フィーリングの悪さを解消できる等の利
点がある。
【0003】このような圧縮機においては、車両エンジ
ンの起動時には常に駆動されるため、冷房不要時の吐出
容量の多少或いは外部冷媒回路上の蒸発器におけるフロ
ストの発生が問題となる。そこで、従来から本出願人
は、冷房不要時或いはフロスト発生のおそれがある場合
に、吸入圧領域と外部冷媒回路との接続を遮断して、外
部冷媒回路上の冷媒循環を停止する構成の圧縮機を種々
提案している。同圧縮機において冷媒循環の停止は、吐
出容量を変更する斜板の最小傾角位置に連動され、冷房
不要時における吐出容量を最小として動力損失の低減を
図っている。
ンの起動時には常に駆動されるため、冷房不要時の吐出
容量の多少或いは外部冷媒回路上の蒸発器におけるフロ
ストの発生が問題となる。そこで、従来から本出願人
は、冷房不要時或いはフロスト発生のおそれがある場合
に、吸入圧領域と外部冷媒回路との接続を遮断して、外
部冷媒回路上の冷媒循環を停止する構成の圧縮機を種々
提案している。同圧縮機において冷媒循環の停止は、吐
出容量を変更する斜板の最小傾角位置に連動され、冷房
不要時における吐出容量を最小として動力損失の低減を
図っている。
【0004】そして、前記構成の圧縮機を備えた車両空
調システムにおいては、エアコンスイッチが車室内に備
えられている。制御装置は同エアコンスイッチのオン状
態、つまり、使用者の冷房要求により、車室温度を要求
温度に近づけるように各種パラメータに基づいて斜板を
最大傾角と最小傾角との間で変更する。また、同制御装
置は、エアコンスイッチのオフ状態、つまり、使用者の
冷房不要の要求により、斜板を最小傾角として吐出容量
を最小とするとともに、外部冷媒回路上の冷媒循環を停
止するように構成されている。
調システムにおいては、エアコンスイッチが車室内に備
えられている。制御装置は同エアコンスイッチのオン状
態、つまり、使用者の冷房要求により、車室温度を要求
温度に近づけるように各種パラメータに基づいて斜板を
最大傾角と最小傾角との間で変更する。また、同制御装
置は、エアコンスイッチのオフ状態、つまり、使用者の
冷房不要の要求により、斜板を最小傾角として吐出容量
を最小とするとともに、外部冷媒回路上の冷媒循環を停
止するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記車両空
調システムにおいて圧縮機はエンジンルーム内に配設さ
れており、外部冷媒回路の蒸発器は車室近傍に配設され
ている。外部から略密閉された空間である車室は、比較
的風通しの良いエンジンルームよりも外気温度の影響を
受けて高温となり易い(エンジン停止状態)。また、熱
交換器の役目をなす外部冷媒回路の熱容量は低く、逆に
圧縮機の熱容量は高い。
調システムにおいて圧縮機はエンジンルーム内に配設さ
れており、外部冷媒回路の蒸発器は車室近傍に配設され
ている。外部から略密閉された空間である車室は、比較
的風通しの良いエンジンルームよりも外気温度の影響を
受けて高温となり易い(エンジン停止状態)。また、熱
交換器の役目をなす外部冷媒回路の熱容量は低く、逆に
圧縮機の熱容量は高い。
【0006】従って、エンジン(圧縮機)が停止された
状態において、夏場の炎天下等の高温雰囲気の下では、
外部冷媒回路側の温度が圧縮機側と比較して速く、しか
も、大きく上昇される。このため、圧縮機と外部冷媒回
路との間で同外部冷媒回路側が大となる圧力差が生じ、
同外部冷媒回路内の液冷媒が吐出圧領域を介して多量に
圧縮機内部に流れ込んでいた。その結果、圧縮機内部の
各摺動部に付着された潤滑油が、流入された液冷媒によ
り洗い落とされていた。
状態において、夏場の炎天下等の高温雰囲気の下では、
外部冷媒回路側の温度が圧縮機側と比較して速く、しか
も、大きく上昇される。このため、圧縮機と外部冷媒回
路との間で同外部冷媒回路側が大となる圧力差が生じ、
同外部冷媒回路内の液冷媒が吐出圧領域を介して多量に
圧縮機内部に流れ込んでいた。その結果、圧縮機内部の
各摺動部に付着された潤滑油が、流入された液冷媒によ
り洗い落とされていた。
【0007】そして、このような状態からエンジンが起
動されると、回転軸や斜板等の回転により液冷媒が掻き
回されてフォーミングが発生し、さらには、同フォーミ
ングにより泡立った冷媒が、吐出圧領域を介して外部冷
媒回路に溢れ出ていた。従って、冷媒により洗い落とさ
れた潤滑油が、同冷媒と共に外部冷媒回路側に持ち出さ
れ、圧縮機内部のオイルレス状態を招いていた。
動されると、回転軸や斜板等の回転により液冷媒が掻き
回されてフォーミングが発生し、さらには、同フォーミ
ングにより泡立った冷媒が、吐出圧領域を介して外部冷
媒回路に溢れ出ていた。従って、冷媒により洗い落とさ
れた潤滑油が、同冷媒と共に外部冷媒回路側に持ち出さ
れ、圧縮機内部のオイルレス状態を招いていた。
【0008】ここで、エンジンの起動時にエアコンスイ
ッチがオン状態であれば、前記のような高温雰囲気の下
では冷房負荷が大きく、直ちに斜板が最小傾角から最大
傾角側に傾動制御されるとともに、吸入圧領域と外部冷
媒回路との遮断が解除されて循環状態となる。従って、
起動から一旦はオイルレス状態となるものの、所定時間
が経過された後には、外部冷媒回路から再び潤滑油を含
む冷媒ガスが吸入される。このため、圧縮機内部のオイ
ルレス状態は、実質的に各摺動部分に不具合を生じない
短時間である。
ッチがオン状態であれば、前記のような高温雰囲気の下
では冷房負荷が大きく、直ちに斜板が最小傾角から最大
傾角側に傾動制御されるとともに、吸入圧領域と外部冷
媒回路との遮断が解除されて循環状態となる。従って、
起動から一旦はオイルレス状態となるものの、所定時間
が経過された後には、外部冷媒回路から再び潤滑油を含
む冷媒ガスが吸入される。このため、圧縮機内部のオイ
ルレス状態は、実質的に各摺動部分に不具合を生じない
短時間である。
【0009】しかし、エンジンの起動時にエアコンスイ
ッチがオフ状態、つまり、吸入圧領域と外部冷媒回路と
の接続が遮断された状態では、外部冷媒回路からの潤滑
油を含む冷媒ガスの吸入は不能となる。このため、使用
者がエアコンスイッチをオン操作するまでオイルレス状
態が解消されず、それが圧縮機の起動から長時間である
と各摺動部の潤滑に不具合を生じることとなっていた。
ッチがオフ状態、つまり、吸入圧領域と外部冷媒回路と
の接続が遮断された状態では、外部冷媒回路からの潤滑
油を含む冷媒ガスの吸入は不能となる。このため、使用
者がエアコンスイッチをオン操作するまでオイルレス状
態が解消されず、それが圧縮機の起動から長時間である
と各摺動部の潤滑に不具合を生じることとなっていた。
【0010】また、前記のようなオイルレス状態をとも
なうフォーミングは、エンジンの起動後に同エンジンの
回転数、つまり、回転軸の回転数が高回転となった場合
において著しく発生されていた。
なうフォーミングは、エンジンの起動後に同エンジンの
回転数、つまり、回転軸の回転数が高回転となった場合
において著しく発生されていた。
【0011】本発明は、上記従来技術に存在する問題点
に着目してなされたものであって、その目的は、フォー
ミングに起因した内部のオイルレス状態が長時間継続さ
れることのない可変容量型圧縮機の制御装置を提供する
ことにある。
に着目してなされたものであって、その目的は、フォー
ミングに起因した内部のオイルレス状態が長時間継続さ
れることのない可変容量型圧縮機の制御装置を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明では、オン時には前記傾角変更手段に
よる吐出容量の変更を許容し、オフ時には傾角変更手段
による吐出容量の変更を規制して最小容量とするための
エアコンスイッチと、圧縮機の使用環境を検出するため
の使用環境検出手段と、圧縮機の起動時に、前記エアコ
ンスイッチがオフ状態であってなおかつ、使用環境検出
手段による検出値が設定値以上である場合には、前記冷
媒循環阻止手段を制御して外部冷媒回路上における冷媒
循環を許容するとともに、同冷媒循環状態を所定時間継
続させる制御手段とを備えた制御装置である。
に請求項1の発明では、オン時には前記傾角変更手段に
よる吐出容量の変更を許容し、オフ時には傾角変更手段
による吐出容量の変更を規制して最小容量とするための
エアコンスイッチと、圧縮機の使用環境を検出するため
の使用環境検出手段と、圧縮機の起動時に、前記エアコ
ンスイッチがオフ状態であってなおかつ、使用環境検出
手段による検出値が設定値以上である場合には、前記冷
媒循環阻止手段を制御して外部冷媒回路上における冷媒
循環を許容するとともに、同冷媒循環状態を所定時間継
続させる制御手段とを備えた制御装置である。
【0013】請求項2の発明では、前記制御手段は、傾
角変更手段を制御して非最小容量状態とするものであ
る。請求項3の発明では、前記使用環境検出手段は外気
温度検出手段であり、前記制御手段は外気温度が設定値
以上の場合に前記制御を行うものである。
角変更手段を制御して非最小容量状態とするものであ
る。請求項3の発明では、前記使用環境検出手段は外気
温度検出手段であり、前記制御手段は外気温度が設定値
以上の場合に前記制御を行うものである。
【0014】請求項4の発明では、前記圧縮機及び外部
冷媒回路が車両に組み込まれて車両空調システムが構築
されており、前記使用環境検出手段を車室温度検出手段
とするとともに、前記制御手段は、車室温度が設定値以
上の場合に前記制御を行うものである。
冷媒回路が車両に組み込まれて車両空調システムが構築
されており、前記使用環境検出手段を車室温度検出手段
とするとともに、前記制御手段は、車室温度が設定値以
上の場合に前記制御を行うものである。
【0015】請求項5の発明では、前記使用環境検出手
段は日射量検出手段であり、前記制御手段は日射量が設
定値以上の場合に前記制御を行うものである。請求項6
の発明では、前記使用環境検出手段は蒸発器温度検出手
段であり、前記制御手段は蒸発器の温度が設定値以上の
場合に前記制御を行うものである。
段は日射量検出手段であり、前記制御手段は日射量が設
定値以上の場合に前記制御を行うものである。請求項6
の発明では、前記使用環境検出手段は蒸発器温度検出手
段であり、前記制御手段は蒸発器の温度が設定値以上の
場合に前記制御を行うものである。
【0016】請求項7の発明では、前記回転軸の回転数
を検出するための回転数検出手段を備え、前記制御手段
は、同回転数検出手段による検出値が設定回転数以上の
場合に前記制御を行うものである。
を検出するための回転数検出手段を備え、前記制御手段
は、同回転数検出手段による検出値が設定回転数以上の
場合に前記制御を行うものである。
【0017】(作用)上記構成の請求項1の発明におい
ては、外部駆動源の駆動による回転軸の回転にともない
斜板が回転される。同斜板の回転運動がピストンの往復
運動に変換されて、冷媒ガスの圧縮がなされる。そし
て、傾角変更手段により斜板の傾角を変更することで、
吐出容量が最大容量と、零ではない最小容量との間で変
更される。また、同最小容量状態において、冷媒循環阻
止手段により外部冷媒回路上の冷媒循環が阻止され、冷
房不要時における動力損失の低減が図られる。
ては、外部駆動源の駆動による回転軸の回転にともない
斜板が回転される。同斜板の回転運動がピストンの往復
運動に変換されて、冷媒ガスの圧縮がなされる。そし
て、傾角変更手段により斜板の傾角を変更することで、
吐出容量が最大容量と、零ではない最小容量との間で変
更される。また、同最小容量状態において、冷媒循環阻
止手段により外部冷媒回路上の冷媒循環が阻止され、冷
房不要時における動力損失の低減が図られる。
【0018】さて、前記圧縮機の起動時、エアコンスイ
ッチがオフ状態であってなおかつ、使用環境検出手段に
よる検出値が設定値以上であるとする。このような状況
下で制御手段は、このまま圧縮機の最小容量運転を継続
すると、オイルレス状態をともなうフォーミングが発生
される可能性があると判断する。
ッチがオフ状態であってなおかつ、使用環境検出手段に
よる検出値が設定値以上であるとする。このような状況
下で制御手段は、このまま圧縮機の最小容量運転を継続
すると、オイルレス状態をともなうフォーミングが発生
される可能性があると判断する。
【0019】従って、同制御手段は、前記冷媒循環阻止
手段を制御して外部冷媒回路上における冷媒循環を許容
する。このため、圧縮機内部は、潤滑油が液冷媒と共に
外部冷媒回路に排出されて、一旦オイルレス状態とな
る。しかし、同冷媒循環状態が所定時間継続されること
により、所定量の潤滑油が冷媒ガスとともに圧縮機内部
に吸入され、オイルレス状態は解消される。
手段を制御して外部冷媒回路上における冷媒循環を許容
する。このため、圧縮機内部は、潤滑油が液冷媒と共に
外部冷媒回路に排出されて、一旦オイルレス状態とな
る。しかし、同冷媒循環状態が所定時間継続されること
により、所定量の潤滑油が冷媒ガスとともに圧縮機内部
に吸入され、オイルレス状態は解消される。
【0020】請求項2の発明において制御手段は、傾角
変更手段を制御して非最小容量状態とする。従って、最
小傾角状態と比較して圧縮機の吐出量が大きくなると同
時に、外部冷媒回路からの冷媒ガスの吸入量も多くな
る。従って、速やかに圧縮機内部に十分な潤滑油が供給
され、オイルレス状態が解消されるまでの時間が短縮さ
れる。
変更手段を制御して非最小容量状態とする。従って、最
小傾角状態と比較して圧縮機の吐出量が大きくなると同
時に、外部冷媒回路からの冷媒ガスの吸入量も多くな
る。従って、速やかに圧縮機内部に十分な潤滑油が供給
され、オイルレス状態が解消されるまでの時間が短縮さ
れる。
【0021】請求項3の発明において制御手段は、外気
温度検出手段により検出された外気温度が設定値以上の
場合に前記制御を行う。請求項4の発明において制御手
段は、車室温度検出手段により検出された車室温度が設
定値以上の場合に前記制御を行う。
温度検出手段により検出された外気温度が設定値以上の
場合に前記制御を行う。請求項4の発明において制御手
段は、車室温度検出手段により検出された車室温度が設
定値以上の場合に前記制御を行う。
【0022】請求項5の発明において制御手段は、日射
量検出手段により検出された日射量が設定値以上の場合
に前記制御を行う。請求項6の発明において制御手段
は、蒸発器温度検出手段により検出された蒸発器の温度
が設定値以上の場合に前記制御を行う。
量検出手段により検出された日射量が設定値以上の場合
に前記制御を行う。請求項6の発明において制御手段
は、蒸発器温度検出手段により検出された蒸発器の温度
が設定値以上の場合に前記制御を行う。
【0023】請求項7の発明において制御手段は、回転
数検出手段により検出された回転軸の回転数が設定回転
数以上の場合にのみ前記制御を行う。
数検出手段により検出された回転軸の回転数が設定回転
数以上の場合にのみ前記制御を行う。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施形
態について説明する。なお、第2実施形態においては第
1実施形態との相違点についてのみ説明し、同第1実施
形態と同一又は相当部材には、同じ番号を付してその説
明を省略する。
態について説明する。なお、第2実施形態においては第
1実施形態との相違点についてのみ説明し、同第1実施
形態と同一又は相当部材には、同じ番号を付してその説
明を省略する。
【0025】(第1実施形態)図1に示すように、フロ
ントハウジング11はシリンダブロック12の前端に接
合されている。リヤハウジング13は、シリンダブロッ
ク12の後端にバルブプレート14を介して接合固定さ
れている。クランク室15は、フロントハウジング11
とシリンダブロック12とにより囲まれて閉空間に形成
されている。回転軸16は、同クランク室15内を通る
ようにフロントハウジング11とシリンダブロック12
との間に回転可能に架設支持されている。被動プーリ1
7は、フロントハウジング11にアンギュラベアリング
18を介して回転可能に支持されている。同被動プーリ
17は、前記回転軸16のフロントハウジング11から
の突出端部に連結されており、その外周部に巻き掛けら
れたベルト19を介して外部駆動源としての車両エンジ
ン20に、電磁クラッチ等のクラッチ機構を介すること
なく直結されている。
ントハウジング11はシリンダブロック12の前端に接
合されている。リヤハウジング13は、シリンダブロッ
ク12の後端にバルブプレート14を介して接合固定さ
れている。クランク室15は、フロントハウジング11
とシリンダブロック12とにより囲まれて閉空間に形成
されている。回転軸16は、同クランク室15内を通る
ようにフロントハウジング11とシリンダブロック12
との間に回転可能に架設支持されている。被動プーリ1
7は、フロントハウジング11にアンギュラベアリング
18を介して回転可能に支持されている。同被動プーリ
17は、前記回転軸16のフロントハウジング11から
の突出端部に連結されており、その外周部に巻き掛けら
れたベルト19を介して外部駆動源としての車両エンジ
ン20に、電磁クラッチ等のクラッチ機構を介すること
なく直結されている。
【0026】リップシール21は、回転軸16の前端側
とフロントハウジング11との間に介在され、クランク
室15を圧縮機外部よりシールしている。回転支持体2
2は、クランク室15内において前記回転軸16に止着
されている。斜板23は回転軸16に対して、同回転軸
16の軸線L方向へスライド可能かつ傾動可能に支持さ
れている。支持アーム24は回転支持体22に突設され
ており、そのガイド孔24aを以て前記斜板23に設け
られたガイドピン25の球状部25aに係合されてい
る。そして、前記斜板23は、支持アーム24とガイド
ピン25との連係により、回転軸16の軸線L方向へ傾
動可能かつ同回転軸16と一体的に回転可能となってい
る。同斜板23の傾動は、ガイド孔24aと球状部25
aとの間のスライドガイド関係、回転軸16のスライド
支持作用により案内される。斜板23の半径中心部がシ
リンダブロック12側に移動されると、同斜板23の傾
角が減少される。傾角減少バネ26は、前記回転支持体
22と斜板23との間に介在されている。同傾角減少バ
ネ26は、斜板23を傾角の減少方向に付勢する。傾角
規制突部22aは回転支持体22の後面に形成され、斜
板23の最大傾角を規制する。
とフロントハウジング11との間に介在され、クランク
室15を圧縮機外部よりシールしている。回転支持体2
2は、クランク室15内において前記回転軸16に止着
されている。斜板23は回転軸16に対して、同回転軸
16の軸線L方向へスライド可能かつ傾動可能に支持さ
れている。支持アーム24は回転支持体22に突設され
ており、そのガイド孔24aを以て前記斜板23に設け
られたガイドピン25の球状部25aに係合されてい
る。そして、前記斜板23は、支持アーム24とガイド
ピン25との連係により、回転軸16の軸線L方向へ傾
動可能かつ同回転軸16と一体的に回転可能となってい
る。同斜板23の傾動は、ガイド孔24aと球状部25
aとの間のスライドガイド関係、回転軸16のスライド
支持作用により案内される。斜板23の半径中心部がシ
リンダブロック12側に移動されると、同斜板23の傾
角が減少される。傾角減少バネ26は、前記回転支持体
22と斜板23との間に介在されている。同傾角減少バ
ネ26は、斜板23を傾角の減少方向に付勢する。傾角
規制突部22aは回転支持体22の後面に形成され、斜
板23の最大傾角を規制する。
【0027】図2に示すように、収容孔27は、シリン
ダブロック12の中心部において回転軸16の軸線L方
向に貫設されている。冷媒循環阻止手段を構成する遮断
体28は筒状をなし、収容孔27内にスライド可能に収
容されている。同遮断体28は、収容孔27の内周面に
案内される大径部28aと、同大径部28aの後部に設
けられた小径部28bとからなっている。吸入通路開放
バネ29は、収容孔27の端面と遮断体28の大径部2
8aと小径部28bとの段差部分に介在され、同遮断体
28を斜板23側へ付勢している。
ダブロック12の中心部において回転軸16の軸線L方
向に貫設されている。冷媒循環阻止手段を構成する遮断
体28は筒状をなし、収容孔27内にスライド可能に収
容されている。同遮断体28は、収容孔27の内周面に
案内される大径部28aと、同大径部28aの後部に設
けられた小径部28bとからなっている。吸入通路開放
バネ29は、収容孔27の端面と遮断体28の大径部2
8aと小径部28bとの段差部分に介在され、同遮断体
28を斜板23側へ付勢している。
【0028】前記回転軸16は、その後端部を以て遮断
体28の内部に挿入されている。ラジアルベアリング3
0は、回転軸16の後端部と遮断体28の大径部28a
の内周面との間に介在されている。同ラジアルベリング
30は、サークリップ31によって遮断体28からの抜
けが阻止されており、同遮断体28とともに回転軸16
に対して軸線L方向へスライド移動可能である。従っ
て、回転軸16の後端部は、ラジアルベアリング30及
び遮断体28を介して収容孔27の内周面で回転可能に
支持されている。
体28の内部に挿入されている。ラジアルベアリング3
0は、回転軸16の後端部と遮断体28の大径部28a
の内周面との間に介在されている。同ラジアルベリング
30は、サークリップ31によって遮断体28からの抜
けが阻止されており、同遮断体28とともに回転軸16
に対して軸線L方向へスライド移動可能である。従っ
て、回転軸16の後端部は、ラジアルベアリング30及
び遮断体28を介して収容孔27の内周面で回転可能に
支持されている。
【0029】吸入圧領域を構成する吸入通路32は、リ
ヤハウジング13の中心部に形成されている。同吸入通
路32は前記収容孔27に連通されており、そのバルブ
プレート14に表れる収容孔27側の開口周囲には、位
置決め面33が形成されている。遮断面34は、前記遮
断体28における小径部28bの先端面に形成され、同
遮断体28の移動により前記位置決め面33に接離され
る。同遮断面34が位置決め面33に当接されることに
より、両者間33,34のシール作用で吸入通路32と
収容孔27の内空間との連通が遮断される。
ヤハウジング13の中心部に形成されている。同吸入通
路32は前記収容孔27に連通されており、そのバルブ
プレート14に表れる収容孔27側の開口周囲には、位
置決め面33が形成されている。遮断面34は、前記遮
断体28における小径部28bの先端面に形成され、同
遮断体28の移動により前記位置決め面33に接離され
る。同遮断面34が位置決め面33に当接されることに
より、両者間33,34のシール作用で吸入通路32と
収容孔27の内空間との連通が遮断される。
【0030】スラストベアリング35は斜板23と遮断
体28との間に介在され、回転軸16上にスライド移動
可能に支持されている。同スラストベアリング35は、
吸入通路開放バネ29に付勢されて、常には斜板23と
遮断体28の大径部28aとの間で挟持されている。
体28との間に介在され、回転軸16上にスライド移動
可能に支持されている。同スラストベアリング35は、
吸入通路開放バネ29に付勢されて、常には斜板23と
遮断体28の大径部28aとの間で挟持されている。
【0031】そして、前記斜板23が遮断体28側へ傾
動するのに伴い、同斜板23の傾動がスラストベアリン
グ35を介して遮断体28に伝達される。従って、同遮
断体28が吸入通路開放バネ29の付勢力に抗して位置
決め面33側に移動され、同遮断体28は遮断面34を
以て位置決め面33に当接される。同遮断面34が位置
決め面33に当接された状態にて、斜板23のそれ以上
の傾動が規制され、この規制された状態にて同斜板23
は、0°よりも僅かに大きな最小傾角となる。斜板23
の回転は、スラストベアリング35の存在によって遮断
体28への伝達を阻止される。
動するのに伴い、同斜板23の傾動がスラストベアリン
グ35を介して遮断体28に伝達される。従って、同遮
断体28が吸入通路開放バネ29の付勢力に抗して位置
決め面33側に移動され、同遮断体28は遮断面34を
以て位置決め面33に当接される。同遮断面34が位置
決め面33に当接された状態にて、斜板23のそれ以上
の傾動が規制され、この規制された状態にて同斜板23
は、0°よりも僅かに大きな最小傾角となる。斜板23
の回転は、スラストベアリング35の存在によって遮断
体28への伝達を阻止される。
【0032】シリンダボア12aは前記シリンダブロッ
ク12に貫設形成され、片頭ピストン(以下、単にピス
トンとする)36は同シリンダボア12a内に収容され
ている。前記斜板23はシュー37を介してピストン3
6に係合されており、同斜板23の回転運動がピストン
36の前後往復運動に変換される。
ク12に貫設形成され、片頭ピストン(以下、単にピス
トンとする)36は同シリンダボア12a内に収容され
ている。前記斜板23はシュー37を介してピストン3
6に係合されており、同斜板23の回転運動がピストン
36の前後往復運動に変換される。
【0033】吸入圧領域を構成する吸入室38及び吐出
圧領域を構成する吐出室39は、前記リヤハウジング1
3内にぞれぞれ区画形成されている。吸入ポート40、
同吸入ポート40を開閉する吸入弁41、吐出ポート4
2、同吐出ポート42を開閉する吐出弁43は、それぞ
れ前記バルブプレート14に形成されている。そして、
吸入室38内の冷媒ガスは、ピストン36の復動動作に
より吸入ポート40及び吸入弁41を介してシリンダボ
ア12a内に吸入される。同シリンダボア12a内に流
入された冷媒ガスは、ピストン36の往動動作により吐
出ポート42及び吐出弁43を介して吐出室39に吐出
される。なお、同吐出弁43の開度は、バルブプレート
14に形成されたリテーナ91により規定される。
圧領域を構成する吐出室39は、前記リヤハウジング1
3内にぞれぞれ区画形成されている。吸入ポート40、
同吸入ポート40を開閉する吸入弁41、吐出ポート4
2、同吐出ポート42を開閉する吐出弁43は、それぞ
れ前記バルブプレート14に形成されている。そして、
吸入室38内の冷媒ガスは、ピストン36の復動動作に
より吸入ポート40及び吸入弁41を介してシリンダボ
ア12a内に吸入される。同シリンダボア12a内に流
入された冷媒ガスは、ピストン36の往動動作により吐
出ポート42及び吐出弁43を介して吐出室39に吐出
される。なお、同吐出弁43の開度は、バルブプレート
14に形成されたリテーナ91により規定される。
【0034】スラストベアリング44は、前記回転支持
体22とフロントハウジング11との間に介在されてい
る。同スラストベアリング44は、ピストン36を介し
て回転支持体22に作用される、冷媒圧縮時の圧縮反力
を受け止める。
体22とフロントハウジング11との間に介在されてい
る。同スラストベアリング44は、ピストン36を介し
て回転支持体22に作用される、冷媒圧縮時の圧縮反力
を受け止める。
【0035】吸入室38は通口45を介して収容孔27
に連通されている。そして、前記遮断体28がその遮断
面34を以て位置決め面33に当接されると、通口45
は吸入通路32から遮断される。
に連通されている。そして、前記遮断体28がその遮断
面34を以て位置決め面33に当接されると、通口45
は吸入通路32から遮断される。
【0036】通路46は回転軸16内に形成され、その
入口46aは回転軸16の前端側においてリップシール
21付近で、出口46bは遮断体28の内部でそれぞれ
開口されている。放圧通口47は前記遮断体28の周面
に貫設され、同放圧通口47を介して遮断体28の内部
と収容孔27とが連通されている。
入口46aは回転軸16の前端側においてリップシール
21付近で、出口46bは遮断体28の内部でそれぞれ
開口されている。放圧通口47は前記遮断体28の周面
に貫設され、同放圧通口47を介して遮断体28の内部
と収容孔27とが連通されている。
【0037】圧力供給通路48は前記吐出室39とクラ
ンク室15とを接続し、同通路48上には傾角変更手段
及び冷媒循環阻止手段を構成する容量制御弁49が介在
されている。検圧通路50は、前記吸入通路32と容量
制御弁49との間に形成されている。
ンク室15とを接続し、同通路48上には傾角変更手段
及び冷媒循環阻止手段を構成する容量制御弁49が介在
されている。検圧通路50は、前記吸入通路32と容量
制御弁49との間に形成されている。
【0038】前記容量制御弁49は、バルブハウジング
51とソレノイド部52とが中央付近において接合され
ている。弁室53は、バルブハウジング51とソレノイ
ド部52との間に区画形成されている。弁体54は同弁
室53内に収容されている。弁孔55は、前記弁室53
においてバルブハウジング51の軸線上に形成され、弁
体54と対向するように開口されている。強制開放バネ
56は、弁体54と弁室53の内壁との間に介在され、
弁孔55を開放する方向に弁体54を付勢している。弁
室53は、弁室ポート57及び圧力供給通路48を介し
て吐出室39に連通されている。
51とソレノイド部52とが中央付近において接合され
ている。弁室53は、バルブハウジング51とソレノイ
ド部52との間に区画形成されている。弁体54は同弁
室53内に収容されている。弁孔55は、前記弁室53
においてバルブハウジング51の軸線上に形成され、弁
体54と対向するように開口されている。強制開放バネ
56は、弁体54と弁室53の内壁との間に介在され、
弁孔55を開放する方向に弁体54を付勢している。弁
室53は、弁室ポート57及び圧力供給通路48を介し
て吐出室39に連通されている。
【0039】感圧室58は、バルブハウジング51の上
部に区画形成されている。同感圧室58は、吸入圧導入
ポート59及び検圧通路50を介して吸入通路32に連
通されている。ベローズ60は前記感圧室58内に収容
されている。感圧ロッドガイド61は感圧室58と弁室
53との間に形成され、前記弁孔55に連続されてい
る。感圧ロッド62は、同感圧ロッドガイド61内に摺
動可能に挿通されている。前記弁体54とベローズ60
は、同感圧ロッド62によって作動連結されている。ま
た、同感圧ロッド62の弁体54側部分は、弁孔55内
の冷媒ガスの通路を確保するために小径となっている。
部に区画形成されている。同感圧室58は、吸入圧導入
ポート59及び検圧通路50を介して吸入通路32に連
通されている。ベローズ60は前記感圧室58内に収容
されている。感圧ロッドガイド61は感圧室58と弁室
53との間に形成され、前記弁孔55に連続されてい
る。感圧ロッド62は、同感圧ロッドガイド61内に摺
動可能に挿通されている。前記弁体54とベローズ60
は、同感圧ロッド62によって作動連結されている。ま
た、同感圧ロッド62の弁体54側部分は、弁孔55内
の冷媒ガスの通路を確保するために小径となっている。
【0040】ポート63は、バルブハウジング51にお
いて弁室53と感圧室58との間に形成され、前記弁孔
55と直交されている。同ポート63は、圧力供給通路
48を介してクランク室15に連通されている。つま
り、弁室ポート57、弁室53、弁孔55及びポート6
3は、前記圧力供給通路48の一部を構成している。
いて弁室53と感圧室58との間に形成され、前記弁孔
55と直交されている。同ポート63は、圧力供給通路
48を介してクランク室15に連通されている。つま
り、弁室ポート57、弁室53、弁孔55及びポート6
3は、前記圧力供給通路48の一部を構成している。
【0041】固定鉄芯64は、前記ソレノイド部52の
収容室65の上方開口部に嵌合され、同固定鉄芯64に
よってソレノイド室66が区画形成されている。略有蓋
円筒状をなす可動鉄芯67は、同ソレノイド室66内に
往復動可能に収容されている。追従バネ68は、可動鉄
芯67と収容室65の底面との間に介装されている。な
お、同追従バネ68は、前記強制開放バネ56よりも弾
性係数が小さいものが使用されている。ソレノイドロッ
ドガイド69は前記固定鉄芯64に形成され、ソレノイ
ド室66と弁室53とを連通している。ソレノイドロッ
ド70は前記弁体54と一体形成されており、ソレノイ
ドロッドガイド69内に摺動可能に挿通されている。ソ
レノイドロッド70の可動鉄芯67側端は、前記強制開
放バネ56及び追従バネ68の付勢力によって可動鉄芯
67に当接される。そして、可動鉄芯67と弁体54と
は、ソレノイドロッド70を介して作動連結されてい
る。
収容室65の上方開口部に嵌合され、同固定鉄芯64に
よってソレノイド室66が区画形成されている。略有蓋
円筒状をなす可動鉄芯67は、同ソレノイド室66内に
往復動可能に収容されている。追従バネ68は、可動鉄
芯67と収容室65の底面との間に介装されている。な
お、同追従バネ68は、前記強制開放バネ56よりも弾
性係数が小さいものが使用されている。ソレノイドロッ
ドガイド69は前記固定鉄芯64に形成され、ソレノイ
ド室66と弁室53とを連通している。ソレノイドロッ
ド70は前記弁体54と一体形成されており、ソレノイ
ドロッドガイド69内に摺動可能に挿通されている。ソ
レノイドロッド70の可動鉄芯67側端は、前記強制開
放バネ56及び追従バネ68の付勢力によって可動鉄芯
67に当接される。そして、可動鉄芯67と弁体54と
は、ソレノイドロッド70を介して作動連結されてい
る。
【0042】前記ソレノイド室66は、固定鉄芯64の
側面に形成された連通溝71、バルブハウジング51に
形成された連通孔72及び容量制御弁49の装着状態に
おいてリヤハウジング13の内壁面との間に形成される
小室73を介して前記ポート63に連通されている。つ
まり、ソレノイド室66内は、ソレノイドロッド70及
び弁体54を介して対向する弁孔55内と同じ圧力環境
下、ここではともにクランク室圧力となるように構成さ
れている。
側面に形成された連通溝71、バルブハウジング51に
形成された連通孔72及び容量制御弁49の装着状態に
おいてリヤハウジング13の内壁面との間に形成される
小室73を介して前記ポート63に連通されている。つ
まり、ソレノイド室66内は、ソレノイドロッド70及
び弁体54を介して対向する弁孔55内と同じ圧力環境
下、ここではともにクランク室圧力となるように構成さ
れている。
【0043】円筒状をなすソレノイド74は、前記固定
鉄芯64及び可動鉄芯67の外側において、両鉄芯6
4,67を跨ぐようにして配置されている。上記構成の
圧縮機は、その吸入室38に冷媒ガスを導入する通路と
なる吸入通路32と、吐出室39から冷媒ガスを排出す
る吐出フランジ75とが外部冷媒回路76により接続さ
れている。凝縮器77、膨張弁78及び蒸発器79は、
同外部冷媒回路76上に介在されている。そして、図示
しないが、前記圧縮機、凝縮器77、膨張弁78及び蒸
発器79は車両に搭載されて、車両空調システムが構築
されている。
鉄芯64及び可動鉄芯67の外側において、両鉄芯6
4,67を跨ぐようにして配置されている。上記構成の
圧縮機は、その吸入室38に冷媒ガスを導入する通路と
なる吸入通路32と、吐出室39から冷媒ガスを排出す
る吐出フランジ75とが外部冷媒回路76により接続さ
れている。凝縮器77、膨張弁78及び蒸発器79は、
同外部冷媒回路76上に介在されている。そして、図示
しないが、前記圧縮機、凝縮器77、膨張弁78及び蒸
発器79は車両に搭載されて、車両空調システムが構築
されている。
【0044】次に、上記構成の可変容量型圧縮機の制御
装置について説明する。図4に示すように、制御手段と
しての制御コンピュータ81は、記憶部81a及びタイ
マ回路81bを備えている。各種センサ82〜86、エ
アコンスイッチ87、車室温度設定器88及び前記容量
制御弁49のソレノイド74は、同制御コンピュータ8
1に接続されている。
装置について説明する。図4に示すように、制御手段と
しての制御コンピュータ81は、記憶部81a及びタイ
マ回路81bを備えている。各種センサ82〜86、エ
アコンスイッチ87、車室温度設定器88及び前記容量
制御弁49のソレノイド74は、同制御コンピュータ8
1に接続されている。
【0045】さらに詳述すると、蒸発器温度検出手段を
構成する蒸発器温度センサ82は、前記蒸発器79の近
傍に配設されて同蒸発器79の温度ETH を検出する。外
気温度検出手段を構成する外気温度センサ83は、車両
外部に配設されて外気温度OTH を検出する。車室温度検
出手段を構成する車室温度センサ84は、車両の車室内
に配設されて同車室内の温度ITH を検出する。日射量検
出手段を構成する日射量センサ85は、車室内におい
て、例えば、フロントガラス近傍に配設され、車室内に
注ぐ日射量LOS を検出する。回転数検出手段を構成する
回転数センサ86は、例えば、車両エンジン20に配設
され、エンジン回転数を検出する。車両エンジン20と
圧縮機とは所定のプーリ比で連結されているため、前記
制御コンピュータ81は、検出された同エンジン回転数
から回転軸16の回転数NEを算出する。
構成する蒸発器温度センサ82は、前記蒸発器79の近
傍に配設されて同蒸発器79の温度ETH を検出する。外
気温度検出手段を構成する外気温度センサ83は、車両
外部に配設されて外気温度OTH を検出する。車室温度検
出手段を構成する車室温度センサ84は、車両の車室内
に配設されて同車室内の温度ITH を検出する。日射量検
出手段を構成する日射量センサ85は、車室内におい
て、例えば、フロントガラス近傍に配設され、車室内に
注ぐ日射量LOS を検出する。回転数検出手段を構成する
回転数センサ86は、例えば、車両エンジン20に配設
され、エンジン回転数を検出する。車両エンジン20と
圧縮機とは所定のプーリ比で連結されているため、前記
制御コンピュータ81は、検出された同エンジン回転数
から回転軸16の回転数NEを算出する。
【0046】前記エアコンスイッチ87及び車室温度設
定器88は車室内に配設されている。前記制御コンピュ
ータ81は、同エアコンスイッチ87のオンにより、使
用者が車室内の冷房を要求しているものとみなし、ま
た、オフにより使用者が冷房を必要としていないものと
みなしている。車室温度設定器88は、制御コンピュー
タ81の制御目標となる車室の設定温度を、使用者が任
意に変更するためのものである。
定器88は車室内に配設されている。前記制御コンピュ
ータ81は、同エアコンスイッチ87のオンにより、使
用者が車室内の冷房を要求しているものとみなし、ま
た、オフにより使用者が冷房を必要としていないものと
みなしている。車室温度設定器88は、制御コンピュー
タ81の制御目標となる車室の設定温度を、使用者が任
意に変更するためのものである。
【0047】前記制御コンピュータ81の記憶部81a
には、後述するフォーミング対策用の制御(以下、単に
フォーミング制御とする)を実行するまでの手順となる
プログラムが記憶されている。また、同記憶部81aに
は、設定値として、例えば蒸発器温度ETH に対応する
「70℃」、外気温度OTH に対応する「25℃」、車室
温度ITH に対応する「70℃」、日射量LOS に対応する
「1000W/m・min」がそれぞれ記憶されてい
る。各設定値は、前記車両空調システムが、エンジン2
0の停止状態にて同設定値の一つでも越えるような環境
下におかれた場合、次回のエンジン起動時に、オイルレ
ス状態を招くようなフォーミングが発生するほど、多量
の液冷媒が圧縮機内部に停留していると判断するための
しきい値である。
には、後述するフォーミング対策用の制御(以下、単に
フォーミング制御とする)を実行するまでの手順となる
プログラムが記憶されている。また、同記憶部81aに
は、設定値として、例えば蒸発器温度ETH に対応する
「70℃」、外気温度OTH に対応する「25℃」、車室
温度ITH に対応する「70℃」、日射量LOS に対応する
「1000W/m・min」がそれぞれ記憶されてい
る。各設定値は、前記車両空調システムが、エンジン2
0の停止状態にて同設定値の一つでも越えるような環境
下におかれた場合、次回のエンジン起動時に、オイルレ
ス状態を招くようなフォーミングが発生するほど、多量
の液冷媒が圧縮機内部に停留していると判断するための
しきい値である。
【0048】また、前記記憶部81aには、回転数NEに
対応する設定値として「4000r/m」が記憶さてい
る。同設定値は、前記検出値(ETH ,OTH,ITH,LOS)の少
なくとも一つが設定値以上となるような状況下におい
て、回転軸16の回転数NEがそれ以上となると、オイル
レス状態を伴うフォーミングが発生すると判断されるし
きい値である。
対応する設定値として「4000r/m」が記憶さてい
る。同設定値は、前記検出値(ETH ,OTH,ITH,LOS)の少
なくとも一つが設定値以上となるような状況下におい
て、回転軸16の回転数NEがそれ以上となると、オイル
レス状態を伴うフォーミングが発生すると判断されるし
きい値である。
【0049】前記タイマ回路81bには、タイマA及び
タイマBが構成されている。また、前記記憶部81aに
は、各タイマA及びタイマBにそれぞれ対応する所定時
間Time1 ,Time2 が記憶されている。同所定時間Time1
は、圧縮機の起動によりフォーミングが発生した場合、
その間に回転軸16の回転数NEが所定回転数以上となら
なければ、同フォーミングによる泡が立ち消えて潤滑油
が冷媒から分離されることが期待できる時間である。ま
た、所定時間Time2 は、前記各検出値(ETH ,OTH,ITH,L
OS)の少なくとも一つが設定値以上となるような使用環
境において、最大吐出容量でかつエンジン20がアリド
リング付近の極低回転状態において圧縮機が起動された
場合に、オイルレス状態から再び十分な潤滑油が供給さ
れるまでの時間である。両設定時間Time1 ,Time2 は、
試験等に基づいて、各タイプの車両空調システム毎に設
定される。
タイマBが構成されている。また、前記記憶部81aに
は、各タイマA及びタイマBにそれぞれ対応する所定時
間Time1 ,Time2 が記憶されている。同所定時間Time1
は、圧縮機の起動によりフォーミングが発生した場合、
その間に回転軸16の回転数NEが所定回転数以上となら
なければ、同フォーミングによる泡が立ち消えて潤滑油
が冷媒から分離されることが期待できる時間である。ま
た、所定時間Time2 は、前記各検出値(ETH ,OTH,ITH,L
OS)の少なくとも一つが設定値以上となるような使用環
境において、最大吐出容量でかつエンジン20がアリド
リング付近の極低回転状態において圧縮機が起動された
場合に、オイルレス状態から再び十分な潤滑油が供給さ
れるまでの時間である。両設定時間Time1 ,Time2 は、
試験等に基づいて、各タイプの車両空調システム毎に設
定される。
【0050】そして、前記制御コンピュータ81は各セ
ンサ82〜86による検出値、エアコンスイッチ87の
オン・オフ、車室温度設定器88による設定温度等に基
づいて入力電流値を決定し、ソレノイド74へ出力す
る。また、車両エンジン20の起動時に同制御コンピュ
ータ81は、エアコンスイッチ87からのオン又はオフ
信号、各センサ82〜85による検出値と設定値との比
較参照結果等に基づいてフォーミング対策用の制御を行
うか否かを決定する。また、同制御コンピュータ81
は、フォーミング対策用の制御を行うことが決定された
後、回転数センサ86の検出による回転軸16の回転数
NEに基づいて、同制御を実行する。
ンサ82〜86による検出値、エアコンスイッチ87の
オン・オフ、車室温度設定器88による設定温度等に基
づいて入力電流値を決定し、ソレノイド74へ出力す
る。また、車両エンジン20の起動時に同制御コンピュ
ータ81は、エアコンスイッチ87からのオン又はオフ
信号、各センサ82〜85による検出値と設定値との比
較参照結果等に基づいてフォーミング対策用の制御を行
うか否かを決定する。また、同制御コンピュータ81
は、フォーミング対策用の制御を行うことが決定された
後、回転数センサ86の検出による回転軸16の回転数
NEに基づいて、同制御を実行する。
【0051】次に、前記構成の圧縮機の作用について説
明する。制御コンピュータ81は、エアコンスイッチ8
7がオン状態の下で、車室温度センサ84の検出値ITH
が車室温度設定器88の設定温度以上である場合に、ソ
レノイド74の励磁を指令する。そして、ソレノイド7
4に所定の電流が供給され、図2に示すように、両鉄芯
64,67間に入力電流値に応じた吸引力が生じる。こ
の吸引力は、強制開放バネ56の付勢力に抗して、弁開
度が減少する方向の力としてソレノイドロッド70を介
して弁体54に伝達される。一方、ベローズ60は、吸
入通路32から検圧通路50を介して感圧室58に導入
される吸入圧の変動に応じて変位する。そして、同ベロ
ーズ60はソレノイド74の励磁状態において吸入圧に
感応し、その変位が感圧ロッド62を介して弁体54に
伝達される。容量制御弁49の弁開度は、ソレノイド部
52からの付勢力、ベローズ60からの付勢力及び強制
開放バネ56の付勢力のバランスにより決定される。
明する。制御コンピュータ81は、エアコンスイッチ8
7がオン状態の下で、車室温度センサ84の検出値ITH
が車室温度設定器88の設定温度以上である場合に、ソ
レノイド74の励磁を指令する。そして、ソレノイド7
4に所定の電流が供給され、図2に示すように、両鉄芯
64,67間に入力電流値に応じた吸引力が生じる。こ
の吸引力は、強制開放バネ56の付勢力に抗して、弁開
度が減少する方向の力としてソレノイドロッド70を介
して弁体54に伝達される。一方、ベローズ60は、吸
入通路32から検圧通路50を介して感圧室58に導入
される吸入圧の変動に応じて変位する。そして、同ベロ
ーズ60はソレノイド74の励磁状態において吸入圧に
感応し、その変位が感圧ロッド62を介して弁体54に
伝達される。容量制御弁49の弁開度は、ソレノイド部
52からの付勢力、ベローズ60からの付勢力及び強制
開放バネ56の付勢力のバランスにより決定される。
【0052】冷房負荷が大きい場合には、例えば車室温
度センサ84によって検出された車室温度ITH と、車室
温度設定器88の設定温度との差が大きい。制御コンピ
ュータ81は、車室温度ITH と設定温度とに基づいて設
定吸入圧を変更するようにソレノイド74への入力電流
値を制御する。制御コンピュータ81は車室温度ITHと
設定温度との差が大きいほど入力電流値を大きくする。
従って、固定鉄芯64と可動鉄芯67との間の吸引力が
強くなり、弁体54の弁開度が小さくなる方向の付勢力
が増大する。そして、より低い吸入圧にて、弁体54の
開閉が行われる。従って、容量制御弁49は、入力電流
値が増大されることにより、より低い吸入圧を保持する
ように作動される。
度センサ84によって検出された車室温度ITH と、車室
温度設定器88の設定温度との差が大きい。制御コンピ
ュータ81は、車室温度ITH と設定温度とに基づいて設
定吸入圧を変更するようにソレノイド74への入力電流
値を制御する。制御コンピュータ81は車室温度ITHと
設定温度との差が大きいほど入力電流値を大きくする。
従って、固定鉄芯64と可動鉄芯67との間の吸引力が
強くなり、弁体54の弁開度が小さくなる方向の付勢力
が増大する。そして、より低い吸入圧にて、弁体54の
開閉が行われる。従って、容量制御弁49は、入力電流
値が増大されることにより、より低い吸入圧を保持する
ように作動される。
【0053】弁体54の弁開度が小さくなれば、吐出室
39から圧力供給通路48を経由してクランク室15へ
流入する冷媒ガス量が少なくなる。この一方で、クラン
ク室15内の冷媒ガスは、通路46及び放圧通口47を
経由して吸入室38へ流出している。このため、クラン
ク室15内の圧力が低下する。また、冷房負荷が大きい
状態では、シリンダボア12a内の吸入圧も高く、クラ
ンク室15内の圧力とシリンダボア12a内の吸入圧と
の差が小さくなる。従って、斜板23の傾角が大きくな
る。
39から圧力供給通路48を経由してクランク室15へ
流入する冷媒ガス量が少なくなる。この一方で、クラン
ク室15内の冷媒ガスは、通路46及び放圧通口47を
経由して吸入室38へ流出している。このため、クラン
ク室15内の圧力が低下する。また、冷房負荷が大きい
状態では、シリンダボア12a内の吸入圧も高く、クラ
ンク室15内の圧力とシリンダボア12a内の吸入圧と
の差が小さくなる。従って、斜板23の傾角が大きくな
る。
【0054】圧力供給通路48における通過断面積が
零、つまり容量制御弁49の弁体54が弁孔55を完全
に閉止した状態になると、吐出室39からクランク室1
5への高圧冷媒ガスの供給は行われない。そして、クラ
ンク室15内の圧力は、吸入室38内の圧力と略同一に
なり、斜板23の傾角は最大となる。
零、つまり容量制御弁49の弁体54が弁孔55を完全
に閉止した状態になると、吐出室39からクランク室1
5への高圧冷媒ガスの供給は行われない。そして、クラ
ンク室15内の圧力は、吸入室38内の圧力と略同一に
なり、斜板23の傾角は最大となる。
【0055】逆に、冷房負荷が小さい場合には、例え
ば、車室温度ITH と設定温度との差は小さい。制御コン
ピュータ81は車室温度ITH が低いほど入力電流値を小
さくするように指令する。このため、固定鉄芯64と可
動鉄芯67との間の吸引力は弱く、弁体54の弁開度が
小さくなる方向の付勢力が減少する。そして、より高い
吸入圧にて、弁体54の開閉が行われる。従って、容量
制御弁49は、入力電流値が減少されることにより、よ
り高い吸入圧を保持するように作動する。
ば、車室温度ITH と設定温度との差は小さい。制御コン
ピュータ81は車室温度ITH が低いほど入力電流値を小
さくするように指令する。このため、固定鉄芯64と可
動鉄芯67との間の吸引力は弱く、弁体54の弁開度が
小さくなる方向の付勢力が減少する。そして、より高い
吸入圧にて、弁体54の開閉が行われる。従って、容量
制御弁49は、入力電流値が減少されることにより、よ
り高い吸入圧を保持するように作動する。
【0056】弁体54の弁開度が大きくなれば、吐出室
39からクランク室15へ流入する冷媒ガス量が多くな
り、クランク室15内の圧力が上昇する。また、この冷
房負荷が小さい状態では、シリンダボア12a内の吸入
圧が低く、クランク室15内の圧力とシリンダボア12
a内の吸入圧との差が大きくなる。従って、斜板23の
傾角が小さくなる。
39からクランク室15へ流入する冷媒ガス量が多くな
り、クランク室15内の圧力が上昇する。また、この冷
房負荷が小さい状態では、シリンダボア12a内の吸入
圧が低く、クランク室15内の圧力とシリンダボア12
a内の吸入圧との差が大きくなる。従って、斜板23の
傾角が小さくなる。
【0057】冷房負荷がない状態に近づいてゆくと、蒸
発器79における温度ETH がフロスト発生をもたらす温
度に近づいてゆく。制御コンピュータ81は、蒸発器温
度ETH がフロスト判定温度以下になるとソレノイド74
の消磁を指令する。同フロスト判定温度は、蒸発器79
においてフロストが発生しそうな状況を反映する。そし
て、ソレノイド74は電流供給の停止により消磁され、
固定鉄芯64と可動鉄芯67との吸引力が消失する。こ
のため、図3に示すように、弁体54は、強制開放バネ
56の付勢力により、可動鉄芯67及びソレノイド74
を介して作用する追従バネ68の付勢力に抗して下方に
移動される。そして、弁体54が弁孔55を最大に開い
た弁開度位置に移行する。このため、吐出室39内の高
圧冷媒ガスが多量に圧力供給通路48を介してクランク
室15へ供給され、同クランク室15内の圧力が高くな
る。クランク室15内の圧力上昇により、斜板23の傾
角が最小傾角へ移行する。
発器79における温度ETH がフロスト発生をもたらす温
度に近づいてゆく。制御コンピュータ81は、蒸発器温
度ETH がフロスト判定温度以下になるとソレノイド74
の消磁を指令する。同フロスト判定温度は、蒸発器79
においてフロストが発生しそうな状況を反映する。そし
て、ソレノイド74は電流供給の停止により消磁され、
固定鉄芯64と可動鉄芯67との吸引力が消失する。こ
のため、図3に示すように、弁体54は、強制開放バネ
56の付勢力により、可動鉄芯67及びソレノイド74
を介して作用する追従バネ68の付勢力に抗して下方に
移動される。そして、弁体54が弁孔55を最大に開い
た弁開度位置に移行する。このため、吐出室39内の高
圧冷媒ガスが多量に圧力供給通路48を介してクランク
室15へ供給され、同クランク室15内の圧力が高くな
る。クランク室15内の圧力上昇により、斜板23の傾
角が最小傾角へ移行する。
【0058】また、制御コンピュータ81は、エアコン
スイッチ87がオフとなるとソレノイド74を消磁し、
それに応じて斜板23が最小傾角に傾動される。このよ
うに、容量制御弁49の開閉動作は、ソレノイド74に
対する入力電流値の大小に応じて変化される。入力電流
値が大きくなると低い吸入圧にて開閉が実行され、入力
電流値が小さくなると高い吸入圧にて開閉動作が行われ
る。圧縮機は設定された吸入圧を維持すべく、斜板23
の傾角を変更し、その吐出容量を変更する。つまり、前
記容量制御弁49は、入力電流値を変えて設定吸入圧を
変更する役割、及び、吸入圧に関係なく最小容量運転を
行う役割を担っている。このような容量制御弁49を具
備することにより、圧縮機は冷凍回路の冷凍能力を変更
する役割を担っている。
スイッチ87がオフとなるとソレノイド74を消磁し、
それに応じて斜板23が最小傾角に傾動される。このよ
うに、容量制御弁49の開閉動作は、ソレノイド74に
対する入力電流値の大小に応じて変化される。入力電流
値が大きくなると低い吸入圧にて開閉が実行され、入力
電流値が小さくなると高い吸入圧にて開閉動作が行われ
る。圧縮機は設定された吸入圧を維持すべく、斜板23
の傾角を変更し、その吐出容量を変更する。つまり、前
記容量制御弁49は、入力電流値を変えて設定吸入圧を
変更する役割、及び、吸入圧に関係なく最小容量運転を
行う役割を担っている。このような容量制御弁49を具
備することにより、圧縮機は冷凍回路の冷凍能力を変更
する役割を担っている。
【0059】前述した斜板23に連動する遮断体28
は、同斜板23の最小傾角側への傾動により吸入通路3
2の通過断面積を徐々に減少していく。この緩慢な通過
断面積変化による絞り作用が、吸入通路32から吸入室
38への冷媒ガス流入量を徐々に減少させる。このた
め、吸入室38からシリンダボア12a内へ吸入される
冷媒ガス量も徐々に減少してゆき、吐出容量が徐々に減
少していく。従って、吐出圧が徐々に減少していき、圧
縮機における負荷トルクが短時間で大きく変動すること
はない。その結果、最大吐出容量から最小吐出容量に至
る間の圧縮機における負荷トルクの変動が緩慢になり、
負荷トルクの変動による衝撃が緩和される。
は、同斜板23の最小傾角側への傾動により吸入通路3
2の通過断面積を徐々に減少していく。この緩慢な通過
断面積変化による絞り作用が、吸入通路32から吸入室
38への冷媒ガス流入量を徐々に減少させる。このた
め、吸入室38からシリンダボア12a内へ吸入される
冷媒ガス量も徐々に減少してゆき、吐出容量が徐々に減
少していく。従って、吐出圧が徐々に減少していき、圧
縮機における負荷トルクが短時間で大きく変動すること
はない。その結果、最大吐出容量から最小吐出容量に至
る間の圧縮機における負荷トルクの変動が緩慢になり、
負荷トルクの変動による衝撃が緩和される。
【0060】斜板23の傾角が最小となると、遮断体2
8はその遮断面34を以て位置決め面33に当接され、
吸入通路32が遮断される。この状態では、吸入通路3
2における通過断面積が零となり、外部冷媒回路76か
ら吸入室38への冷媒ガスの流入が阻止される。同斜板
23の最小傾角は、0°よりも僅かに大きくなるように
設定されている。この最小傾角状態は、遮断体が吸入通
路と収容孔との連通を遮断する閉位置に配置されたとき
にもたらされる。遮断体は、前記閉位置とこの位置から
離間された開位置とへ斜板23に連動して切り換え配置
される。
8はその遮断面34を以て位置決め面33に当接され、
吸入通路32が遮断される。この状態では、吸入通路3
2における通過断面積が零となり、外部冷媒回路76か
ら吸入室38への冷媒ガスの流入が阻止される。同斜板
23の最小傾角は、0°よりも僅かに大きくなるように
設定されている。この最小傾角状態は、遮断体が吸入通
路と収容孔との連通を遮断する閉位置に配置されたとき
にもたらされる。遮断体は、前記閉位置とこの位置から
離間された開位置とへ斜板23に連動して切り換え配置
される。
【0061】斜板23の最小傾角は0°ではないため、
最小傾角状態においても、シリンダボア12aから吐出
室39への冷媒ガスの吐出は行われている。シリンダボ
ア12aから吐出室39へ吐出された冷媒ガスは、圧力
供給通路48を通ってクランク室15へ流入する。クラ
ンク室15内の冷媒ガスは、通路46及び放圧通口47
を通って吸入室38へ流入する。吸入室38内の冷媒ガ
スは、シリンダボア12a内へ吸入されて、再度吐出室
39へ吐出される。すなわち、最小傾角状態では、吐出
圧領域である吐出室39、圧力供給通路48、クランク
室15、通路46、放圧通口47、収容孔27、吸入圧
領域である吸入室38、シリンダボア12aを経由する
循環通路が圧縮機内に形成されている。そして、吐出室
39、クランク室15及び吸入室38の間では、圧力差
が生じている。従って、冷媒ガスが前記循環通路を循環
し、冷媒ガスとともに流動する潤滑油が圧縮機内の各摺
動部を潤滑する。
最小傾角状態においても、シリンダボア12aから吐出
室39への冷媒ガスの吐出は行われている。シリンダボ
ア12aから吐出室39へ吐出された冷媒ガスは、圧力
供給通路48を通ってクランク室15へ流入する。クラ
ンク室15内の冷媒ガスは、通路46及び放圧通口47
を通って吸入室38へ流入する。吸入室38内の冷媒ガ
スは、シリンダボア12a内へ吸入されて、再度吐出室
39へ吐出される。すなわち、最小傾角状態では、吐出
圧領域である吐出室39、圧力供給通路48、クランク
室15、通路46、放圧通口47、収容孔27、吸入圧
領域である吸入室38、シリンダボア12aを経由する
循環通路が圧縮機内に形成されている。そして、吐出室
39、クランク室15及び吸入室38の間では、圧力差
が生じている。従って、冷媒ガスが前記循環通路を循環
し、冷媒ガスとともに流動する潤滑油が圧縮機内の各摺
動部を潤滑する。
【0062】エアコンスイッチ87がオン状態にあっ
て、斜板23が最小傾角位置にある状態において、車室
温度ITH が上昇して冷房負荷が増大すると、車室温度セ
ンサ84によって検出された車室温度ITH が車室温度設
定器88の設定温度を越える。制御コンピュータ81
は、この車室温度ITH の変位に基づいてソレノイド74
を励磁し、圧力供給通路48が閉じられる。従って、ク
ランク室15の圧力は通路45及び放圧通口47を介し
た放圧に基づいて減圧される。この減圧により、吸入通
路開放バネ29が図3の縮小状態から伸長する。そし
て、遮断体28の移動により遮断面34と位置決め面3
3とが離間され、斜板23の傾角が図3の最小傾角状態
から増大する。遮断体28の離間に伴い、吸入通路32
における通過断面積が緩慢に増大していき、吸入通路3
2から吸入室38への冷媒ガス流入量は徐々に増えてい
く。従って、吸入室38からシリンダボア12a内へ吸
入される冷媒ガス量も徐々に増大してゆき、吐出容量が
徐々に増大してゆく。そのため、吐出圧が徐々に増大し
てゆき、圧縮機における負荷トルクが短時間で大きく変
動することはない。その結果、最小吐出容量から最大吐
出容量に至る間の圧縮機における負荷トルクの変動が緩
慢になり、負荷トルクの変動による衝撃が緩和される。
て、斜板23が最小傾角位置にある状態において、車室
温度ITH が上昇して冷房負荷が増大すると、車室温度セ
ンサ84によって検出された車室温度ITH が車室温度設
定器88の設定温度を越える。制御コンピュータ81
は、この車室温度ITH の変位に基づいてソレノイド74
を励磁し、圧力供給通路48が閉じられる。従って、ク
ランク室15の圧力は通路45及び放圧通口47を介し
た放圧に基づいて減圧される。この減圧により、吸入通
路開放バネ29が図3の縮小状態から伸長する。そし
て、遮断体28の移動により遮断面34と位置決め面3
3とが離間され、斜板23の傾角が図3の最小傾角状態
から増大する。遮断体28の離間に伴い、吸入通路32
における通過断面積が緩慢に増大していき、吸入通路3
2から吸入室38への冷媒ガス流入量は徐々に増えてい
く。従って、吸入室38からシリンダボア12a内へ吸
入される冷媒ガス量も徐々に増大してゆき、吐出容量が
徐々に増大してゆく。そのため、吐出圧が徐々に増大し
てゆき、圧縮機における負荷トルクが短時間で大きく変
動することはない。その結果、最小吐出容量から最大吐
出容量に至る間の圧縮機における負荷トルクの変動が緩
慢になり、負荷トルクの変動による衝撃が緩和される。
【0063】車両エンジン20が停止すれば、圧縮機の
運転も停止、つまり斜板23の回転も停止し、容量制御
弁49のソレノイド74への通電も停止される。このた
め、ソレノイド74が消磁されて、圧力供給通路48が
開放され、斜板23の傾角は最小となる。圧縮機の運転
停止状態が続けば、圧縮機内の圧力が均一化するが、斜
板23の傾角は傾角減少バネ26の付勢力によって小さ
い傾角に保持される。従って、車両エンジン20の起動
によって圧縮機の運転が開始されると、斜板23は、負
荷トルクの最も少ない最小傾角状態から回転開始し、圧
縮機の起動時のショックもほとんどない。
運転も停止、つまり斜板23の回転も停止し、容量制御
弁49のソレノイド74への通電も停止される。このた
め、ソレノイド74が消磁されて、圧力供給通路48が
開放され、斜板23の傾角は最小となる。圧縮機の運転
停止状態が続けば、圧縮機内の圧力が均一化するが、斜
板23の傾角は傾角減少バネ26の付勢力によって小さ
い傾角に保持される。従って、車両エンジン20の起動
によって圧縮機の運転が開始されると、斜板23は、負
荷トルクの最も少ない最小傾角状態から回転開始し、圧
縮機の起動時のショックもほとんどない。
【0064】さて、圧縮機は回転軸16の回転数NEが大
きいほど、単位時間当たりの吐出容量が大きくなる。従
って、外部冷媒回路76内に供給される冷媒ガス量が多
くなって、冷房能力が増大する。外部冷媒回路76内の
冷媒ガスの流量は、蒸発器79の出口側の冷媒ガス温度
の変動に応じて、膨張弁78により制御されている。つ
まり、冷房負荷が一定であれば、蒸発器79で気化され
圧縮機に供給される冷媒ガス量も一定となる。この状態
で、回転軸16の回転数NEが上昇されると、シリンダボ
ア12a内への冷媒ガスの吸入量が増大され、吸入圧が
低下する。このため、容量制御弁49の感圧室58に導
入される吸入圧が低くなって、ベローズ60が伸長す
る。このベローズ60の変位が、感圧ロッド62を介し
て弁体54に伝達されて圧力供給通路48の開度が増大
される。そして、吐出室39からクランク室15への高
圧の冷媒ガスの供給量が増大され、斜板23の傾角が減
少されて、吐出容量が減少される。つまり、回転軸16
の回転数NEが上昇するほど、シリンダボア12a内への
冷媒ガスの吸入量が増大されて、圧縮機の吐出容量が自
動的に減少される。
きいほど、単位時間当たりの吐出容量が大きくなる。従
って、外部冷媒回路76内に供給される冷媒ガス量が多
くなって、冷房能力が増大する。外部冷媒回路76内の
冷媒ガスの流量は、蒸発器79の出口側の冷媒ガス温度
の変動に応じて、膨張弁78により制御されている。つ
まり、冷房負荷が一定であれば、蒸発器79で気化され
圧縮機に供給される冷媒ガス量も一定となる。この状態
で、回転軸16の回転数NEが上昇されると、シリンダボ
ア12a内への冷媒ガスの吸入量が増大され、吸入圧が
低下する。このため、容量制御弁49の感圧室58に導
入される吸入圧が低くなって、ベローズ60が伸長す
る。このベローズ60の変位が、感圧ロッド62を介し
て弁体54に伝達されて圧力供給通路48の開度が増大
される。そして、吐出室39からクランク室15への高
圧の冷媒ガスの供給量が増大され、斜板23の傾角が減
少されて、吐出容量が減少される。つまり、回転軸16
の回転数NEが上昇するほど、シリンダボア12a内への
冷媒ガスの吸入量が増大されて、圧縮機の吐出容量が自
動的に減少される。
【0065】次に、本実施形態の特徴点である、フォー
ミング対策用のプログラムに基づく制御コンピュータ8
1の動作について、図5のフローチャートに従って説明
する。
ミング対策用のプログラムに基づく制御コンピュータ8
1の動作について、図5のフローチャートに従って説明
する。
【0066】エンジン20(圧縮機)の起動と略同時に
プログラムがスタートし、エアコンスイッチ判定手段と
してのステップ101において、エアコンスイッチ87
のオン・オフ状態が判定される。同ステップ101にお
いてエアコンスイッチ87がオン状態であると判定され
たのなら、後述するステップ110に移行される。
プログラムがスタートし、エアコンスイッチ判定手段と
してのステップ101において、エアコンスイッチ87
のオン・オフ状態が判定される。同ステップ101にお
いてエアコンスイッチ87がオン状態であると判定され
たのなら、後述するステップ110に移行される。
【0067】前記ステップ101においてエアコンスイ
ッチ87がオフ状態であると判定されたのなら、環境状
態検出手段としてのステップ102に移行される。同ス
テップ102においては、前記蒸発器温度センサ82に
よる蒸発器温度ETH の検出、外気温度センサ83による
外気温度OTH の検出、車室温度センサ84による車室内
の温度ITH の検出、そして、日射量センサ85による日
射量LOS の検出が行われる。
ッチ87がオフ状態であると判定されたのなら、環境状
態検出手段としてのステップ102に移行される。同ス
テップ102においては、前記蒸発器温度センサ82に
よる蒸発器温度ETH の検出、外気温度センサ83による
外気温度OTH の検出、車室温度センサ84による車室内
の温度ITH の検出、そして、日射量センサ85による日
射量LOS の検出が行われる。
【0068】前記ステップ102から環境状態判定手段
としてのステップ103に移行され、ステップ102に
おいて検出された各検出値(ETH ,OTH ,ITH ,LOS )
と、予め記憶部81aに記憶された設定値(70℃,2
5℃,70℃、1000W/m・min)との比較がな
される。同ステップ103において各検出値のいずれも
設定値以上ではないと判定されたのなら、圧縮機の内部
には、フォーミングが発生してもオイルレス状態を招く
ほどの量の液冷媒は溜まっていないものと判断され、プ
ログラムは終了される。また、前記ステップ103にお
いて各検出値(ETH ,OTH ,ITH ,LOS )の一つでも設
定値以上と判定されたのなら、回転軸16の回転数NE如
何では、オイルレス状態をともなうフォーミングが発生
するほど、多量の液冷媒が圧縮機内部に溜まっているも
のと判断される。従って、同ステップ103からステッ
プ104に移行されて、フォーミング制御を行うことが
決定(必ずしも実行されるとは限らない)される。
としてのステップ103に移行され、ステップ102に
おいて検出された各検出値(ETH ,OTH ,ITH ,LOS )
と、予め記憶部81aに記憶された設定値(70℃,2
5℃,70℃、1000W/m・min)との比較がな
される。同ステップ103において各検出値のいずれも
設定値以上ではないと判定されたのなら、圧縮機の内部
には、フォーミングが発生してもオイルレス状態を招く
ほどの量の液冷媒は溜まっていないものと判断され、プ
ログラムは終了される。また、前記ステップ103にお
いて各検出値(ETH ,OTH ,ITH ,LOS )の一つでも設
定値以上と判定されたのなら、回転軸16の回転数NE如
何では、オイルレス状態をともなうフォーミングが発生
するほど、多量の液冷媒が圧縮機内部に溜まっているも
のと判断される。従って、同ステップ103からステッ
プ104に移行されて、フォーミング制御を行うことが
決定(必ずしも実行されるとは限らない)される。
【0069】前記ステップ104からステップ105に
移行されてタイマAが作動され、回転数検出手段として
のステップ106において、エンジン回転数に基づいて
回転軸16の回転数NEが検出される。検出された回転数
NEは、回転数判定手段としてのステップ107におい
て、予め記憶部81aに記憶された設定値(4000r
/m)と比較される。同ステップ107において回転数
NEが設定値に満たないと判定されたのなら、フォーミン
グ制御の実行を保留してステップ108に移行される。
同ステップ108においてはタイマAが所定時間Time1
以上となったか否かが判定される。同ステップ108に
おいてタイマAが所定時間Time1 以上と判定されたのな
ら、フォーミングによる泡立ちが解消されて、このまま
回転軸16の回転数NEが所定値以上となったとしても、
オイルレス状態は引き起こされないと判断され、プログ
ラムが終了される。
移行されてタイマAが作動され、回転数検出手段として
のステップ106において、エンジン回転数に基づいて
回転軸16の回転数NEが検出される。検出された回転数
NEは、回転数判定手段としてのステップ107におい
て、予め記憶部81aに記憶された設定値(4000r
/m)と比較される。同ステップ107において回転数
NEが設定値に満たないと判定されたのなら、フォーミン
グ制御の実行を保留してステップ108に移行される。
同ステップ108においてはタイマAが所定時間Time1
以上となったか否かが判定される。同ステップ108に
おいてタイマAが所定時間Time1 以上と判定されたのな
ら、フォーミングによる泡立ちが解消されて、このまま
回転軸16の回転数NEが所定値以上となったとしても、
オイルレス状態は引き起こされないと判断され、プログ
ラムが終了される。
【0070】前記ステップ108においてタイマAが所
定時間Time1 に満たないと判定されたのなら、この状態
で回転軸16の回転数NEが所定値以上となると、オイル
レス状態を引き起こすと判断され、フォーミング制御を
保留してステップ106にジャンプされる。
定時間Time1 に満たないと判定されたのなら、この状態
で回転軸16の回転数NEが所定値以上となると、オイル
レス状態を引き起こすと判断され、フォーミング制御を
保留してステップ106にジャンプされる。
【0071】以上ステップ106〜ステップ108にお
いて、圧縮機の起動から所定時間Time1 が経過されるま
で、言い換えれば、回転軸16の回転開始にともない発
生されたフォーミングによる液冷媒の泡立ちが、オイル
レス状態を引き起こさない程度に落ちつくまで、回転軸
16の回転数NEがモニタされる。
いて、圧縮機の起動から所定時間Time1 が経過されるま
で、言い換えれば、回転軸16の回転開始にともない発
生されたフォーミングによる液冷媒の泡立ちが、オイル
レス状態を引き起こさない程度に落ちつくまで、回転軸
16の回転数NEがモニタされる。
【0072】前記ステップ107において、回転軸16
の回転数NEが設定値以上であると判定されたのなら、ス
テップ110に移行されてタイマBが作動される。そし
て、同ステップ110から制御手段としてのステップ1
11に移行され、フォーミング制御が実行される。すな
わち、容量制御弁49のソレノイド74への入力電流値
を大きくして、弁体54により弁孔55を完全に閉止さ
せる。従って、クランク室15内の圧力は、放圧により
吸入室38内の圧力と略同一になり、斜板23の傾角は
最大となる。その結果、圧縮機は最大吐出容量で運転さ
れ、液冷媒は外部冷媒回路76に向けて直ちに排出され
るとともに、同外部冷媒回路76から潤滑油を含む冷媒
ガスの速やかな吸入が期待できる。
の回転数NEが設定値以上であると判定されたのなら、ス
テップ110に移行されてタイマBが作動される。そし
て、同ステップ110から制御手段としてのステップ1
11に移行され、フォーミング制御が実行される。すな
わち、容量制御弁49のソレノイド74への入力電流値
を大きくして、弁体54により弁孔55を完全に閉止さ
せる。従って、クランク室15内の圧力は、放圧により
吸入室38内の圧力と略同一になり、斜板23の傾角は
最大となる。その結果、圧縮機は最大吐出容量で運転さ
れ、液冷媒は外部冷媒回路76に向けて直ちに排出され
るとともに、同外部冷媒回路76から潤滑油を含む冷媒
ガスの速やかな吸入が期待できる。
【0073】そして、ステップ112において、タイマ
Bが所定時間Time2 と判定されるまでの間、前述したフ
ォーミング制御、つまり、内部循環状態を解除するとと
もに最大吐出容量による圧縮機の運転が継続される。従
って、圧縮機内部は一旦オイルレス状態となるものの、
所定時間Time2 が経過された後には潤滑油を含む冷媒ガ
スの吸入により、各摺動部分に十分な潤滑油が供給さ
れ、同オイルレス状態は実質的に各摺動部分に影響を与
えない短時間で解消される。
Bが所定時間Time2 と判定されるまでの間、前述したフ
ォーミング制御、つまり、内部循環状態を解除するとと
もに最大吐出容量による圧縮機の運転が継続される。従
って、圧縮機内部は一旦オイルレス状態となるものの、
所定時間Time2 が経過された後には潤滑油を含む冷媒ガ
スの吸入により、各摺動部分に十分な潤滑油が供給さ
れ、同オイルレス状態は実質的に各摺動部分に影響を与
えない短時間で解消される。
【0074】前記ステップ112において、タイマBが
所定時間Time2 以上であると判定されたのなら、ステッ
プ114においてフォーミング対策は完了されたものと
みなされて前述したフォーミング制御が終了され、タイ
マA及びタイマBがリセットされるとともにプログラム
は終了される。そして、制御コンピュータ81は、通常
の圧縮機の制御を開始する。
所定時間Time2 以上であると判定されたのなら、ステッ
プ114においてフォーミング対策は完了されたものと
みなされて前述したフォーミング制御が終了され、タイ
マA及びタイマBがリセットされるとともにプログラム
は終了される。そして、制御コンピュータ81は、通常
の圧縮機の制御を開始する。
【0075】上記構成の本実施形態においては、次のよ
うな効果を奏する。 (1)制御コンピュータ81は、圧縮機の起動時にその
使用環境状態を検出して内部の液冷媒の停留量を推定す
る。そして、同液冷媒量が、オイルレス状態を伴うフォ
ーミングが発生するほど多量であると推定されたのな
ら、前述したフォーミング制御を実行して、圧縮機の内
部循環状態を強制的に解除するようになっている。従っ
て、潤滑油を含む外部冷媒回路76上の冷媒ガスの吸入
が可能となり、フォーミングに起因した圧縮機内部のオ
イルレス状態を経時的に解消できる。その結果、スラス
トベアリング35,44やラジアルベアリング30等の
各摺動部分の潤滑が確保され、スムーズな摺動を継続し
得る。
うな効果を奏する。 (1)制御コンピュータ81は、圧縮機の起動時にその
使用環境状態を検出して内部の液冷媒の停留量を推定す
る。そして、同液冷媒量が、オイルレス状態を伴うフォ
ーミングが発生するほど多量であると推定されたのな
ら、前述したフォーミング制御を実行して、圧縮機の内
部循環状態を強制的に解除するようになっている。従っ
て、潤滑油を含む外部冷媒回路76上の冷媒ガスの吸入
が可能となり、フォーミングに起因した圧縮機内部のオ
イルレス状態を経時的に解消できる。その結果、スラス
トベアリング35,44やラジアルベアリング30等の
各摺動部分の潤滑が確保され、スムーズな摺動を継続し
得る。
【0076】(2)前記フォーミング制御は、内部循環
状態の解除と共に、斜板23を最大傾角に制御して吐出
容量を最大とする。従って、外部冷媒回路76からの冷
媒ガスの吸入量も多くなり、圧縮機内部のオイルレス状
態を短時間で解消することができる。言い換えれば、設
定値Time1 を短く設定でき、使用者の意(エアコンスイ
ッチ87がオフ=冷房不要)にそぐわないフォーミング
制御を短時間で済ませることができる。
状態の解除と共に、斜板23を最大傾角に制御して吐出
容量を最大とする。従って、外部冷媒回路76からの冷
媒ガスの吸入量も多くなり、圧縮機内部のオイルレス状
態を短時間で解消することができる。言い換えれば、設
定値Time1 を短く設定でき、使用者の意(エアコンスイ
ッチ87がオフ=冷房不要)にそぐわないフォーミング
制御を短時間で済ませることができる。
【0077】(3)制御コンピュータ81は、圧縮機の
使用環境として、蒸発器温度ETH ,外気温度OTH ,車室
内温度ITH 及び日射量LOS をそれぞれ検出する。また、
同制御コンピュータ81は、検出値(ETH ,OTH ,ITH
,LOS )の一つでも設定値以上となった場合にフォー
ミング制御を行う。従って、例えば、車室内温度ITH が
設定値以上となり外気温度OTH が設定値に満たないよう
な微妙な状況下でも、液冷媒が多量に停留されている、
と安全サイドに判断されてフォーミング制御が行われ
る。このため、各摺動部分の潤滑の確保が確実となる。
使用環境として、蒸発器温度ETH ,外気温度OTH ,車室
内温度ITH 及び日射量LOS をそれぞれ検出する。また、
同制御コンピュータ81は、検出値(ETH ,OTH ,ITH
,LOS )の一つでも設定値以上となった場合にフォー
ミング制御を行う。従って、例えば、車室内温度ITH が
設定値以上となり外気温度OTH が設定値に満たないよう
な微妙な状況下でも、液冷媒が多量に停留されている、
と安全サイドに判断されてフォーミング制御が行われ
る。このため、各摺動部分の潤滑の確保が確実となる。
【0078】(4)制御コンピュータ81は、液冷媒が
多量に停留されているような状況下であっても、回転数
NEが所定値以上でなければフォーミング制御は行わな
い。従って、使用者の意にそぐわないフォーミング制御
が、無用に行われることを低減できる。
多量に停留されているような状況下であっても、回転数
NEが所定値以上でなければフォーミング制御は行わな
い。従って、使用者の意にそぐわないフォーミング制御
が、無用に行われることを低減できる。
【0079】(第2実施形態)図6及び図7においては
第2実施形態を示す。上記実施形態において斜板23の
傾角制御は、クランク室15と吸入室38との間の差圧
を容量制御弁49により調整することで行われていた。
本実施形態においてもその概念は同様ではあるが、上記
実施形態のようにクランク室15の調圧を行うのではな
く、吸入室38の調圧を行うことにより斜板23の傾角
を制御するようになっている。
第2実施形態を示す。上記実施形態において斜板23の
傾角制御は、クランク室15と吸入室38との間の差圧
を容量制御弁49により調整することで行われていた。
本実施形態においてもその概念は同様ではあるが、上記
実施形態のようにクランク室15の調圧を行うのではな
く、吸入室38の調圧を行うことにより斜板23の傾角
を制御するようになっている。
【0080】すなわち、第1導入通路101は、シリン
ダブロック12に形成されている。前記収容孔27とク
ランク室15とは、同第1導入通路101により連通さ
れている。そして、吸入通路32から収容孔27内に供
給される冷媒ガスが、この第1導入通路101を介して
クランク室15内に導入される。
ダブロック12に形成されている。前記収容孔27とク
ランク室15とは、同第1導入通路101により連通さ
れている。そして、吸入通路32から収容孔27内に供
給される冷媒ガスが、この第1導入通路101を介して
クランク室15内に導入される。
【0081】第2導入通路102は、前記クランク室1
5と吸入室38との間に貫通形成され、同第2導入通路
102を介して、冷媒ガスがクランク室15から吸入室
38内に導入されるようになっている。同第2導入通路
102は、前記通路46と、シリンダブロック12から
バルブプレート14及びリヤハウジング13にかけて形
成された調整通路103とを備えている。同調整通路1
03は、遮断体28に貫設された連通孔104を介して
同遮断体28の内部に連通されている。
5と吸入室38との間に貫通形成され、同第2導入通路
102を介して、冷媒ガスがクランク室15から吸入室
38内に導入されるようになっている。同第2導入通路
102は、前記通路46と、シリンダブロック12から
バルブプレート14及びリヤハウジング13にかけて形
成された調整通路103とを備えている。同調整通路1
03は、遮断体28に貫設された連通孔104を介して
同遮断体28の内部に連通されている。
【0082】弁室105は、前記第2導入通路102に
おける調整通路103の途中に形成され、その前端には
テーパ状の弁孔106が形成されている。スプール弁1
07は、弁室105内に移動可能に収容されている。同
スプール弁107は、その前端に弁孔106の通路断面
積を調整するためのテーパ状の絞り弁部107aを有し
ている。バネ108は、スプール弁107と弁室105
の前端との間に介装され、スプール弁107を弁孔10
6から離間する方向に付勢する。
おける調整通路103の途中に形成され、その前端には
テーパ状の弁孔106が形成されている。スプール弁1
07は、弁室105内に移動可能に収容されている。同
スプール弁107は、その前端に弁孔106の通路断面
積を調整するためのテーパ状の絞り弁部107aを有し
ている。バネ108は、スプール弁107と弁室105
の前端との間に介装され、スプール弁107を弁孔10
6から離間する方向に付勢する。
【0083】制御通路109はリヤハウジング13に形
成され、吐出室39とスプール弁107の背面側に形成
された制御室105aとを連通している。連通路110
はリヤハウジング13、バルブプレート14及びシリン
ダブロック11にかけて形成され、前記弁室105をク
ランク室15に連通させている。
成され、吐出室39とスプール弁107の背面側に形成
された制御室105aとを連通している。連通路110
はリヤハウジング13、バルブプレート14及びシリン
ダブロック11にかけて形成され、前記弁室105をク
ランク室15に連通させている。
【0084】そして、前記容量制御弁49と同様な構成
の容量制御弁111は、前記制御通路109の途中位置
に介在されている。つまり、同容量制御弁111のポー
ト63は、制御通路109を介して制御室105aに連
通され、弁室ポート57は、制御通路109を介して吐
出室39に連通されている。
の容量制御弁111は、前記制御通路109の途中位置
に介在されている。つまり、同容量制御弁111のポー
ト63は、制御通路109を介して制御室105aに連
通され、弁室ポート57は、制御通路109を介して吐
出室39に連通されている。
【0085】さて、容量制御弁111による制御通路1
09の開放時には、その開放量に応じて吐出室39の圧
力が、制御通路109を介して制御室105aに供給付
与される。従って、図7に示すように、同制御室105
a内の昇圧により、スプール弁107がバネ108に抗
して前方側に移動されて、絞り弁部107aの絞り度が
大きくなる方向に弁孔106の通路断面積が調整され
る。そして、同絞り弁部107aの絞り度に応じて、第
2導入通路102を介してクランク室15から吸入室3
8に供給される冷媒ガスの流量が変更されて、吸入室3
8の調圧が行われる。
09の開放時には、その開放量に応じて吐出室39の圧
力が、制御通路109を介して制御室105aに供給付
与される。従って、図7に示すように、同制御室105
a内の昇圧により、スプール弁107がバネ108に抗
して前方側に移動されて、絞り弁部107aの絞り度が
大きくなる方向に弁孔106の通路断面積が調整され
る。そして、同絞り弁部107aの絞り度に応じて、第
2導入通路102を介してクランク室15から吸入室3
8に供給される冷媒ガスの流量が変更されて、吸入室3
8の調圧が行われる。
【0086】そして、本実施形態においても第1実施形
態と同様に、制御コンピュータ81は、図5のフローチ
ャートに示すプログラムに従って動作される。従って、
本実施形態においても第1実施形態と同様な効果を奏す
る。
態と同様に、制御コンピュータ81は、図5のフローチ
ャートに示すプログラムに従って動作される。従って、
本実施形態においても第1実施形態と同様な効果を奏す
る。
【0087】なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で
以下の態様でも実施できる。 (1)蒸発器温度ETH ,外気温度OTH ,車室内温度ITH
及び日射量LOS の少なくとも2つ以上が設定値以上とな
った場合に限り、図5のステップ103においてYes 判
定となるように構成すること。なお、各検出値に対応す
る設定値は、車両の特性等によって調節すれば、液冷媒
量の推定が正確となる。
以下の態様でも実施できる。 (1)蒸発器温度ETH ,外気温度OTH ,車室内温度ITH
及び日射量LOS の少なくとも2つ以上が設定値以上とな
った場合に限り、図5のステップ103においてYes 判
定となるように構成すること。なお、各検出値に対応す
る設定値は、車両の特性等によって調節すれば、液冷媒
量の推定が正確となる。
【0088】(2)ステップ106〜108を削除する
こと。つまり、フォーミング制御を実行するか否かの判
断に回転数NEを加えないこと。 (3)エンジン20(圧縮機)の停止と同時に作動され
るタイマ回路を設け、同タイマ回路により、エンジン停
止から所定時間が経過された場合の次回のエンジン起動
に限り、フォーミング対策用のプログラムが起動される
ように構成すること。このようにすれば、エンジン20
の停止から次回の起動が間もなく行われた場合におい
て、無用にフォーミング制御が行われることを防止でき
る。
こと。つまり、フォーミング制御を実行するか否かの判
断に回転数NEを加えないこと。 (3)エンジン20(圧縮機)の停止と同時に作動され
るタイマ回路を設け、同タイマ回路により、エンジン停
止から所定時間が経過された場合の次回のエンジン起動
に限り、フォーミング対策用のプログラムが起動される
ように構成すること。このようにすれば、エンジン20
の停止から次回の起動が間もなく行われた場合におい
て、無用にフォーミング制御が行われることを防止でき
る。
【0089】(4)斜板23の傾角を変更するのにあた
り、上記第1実施形態においては吐出室39内の圧力の
クランク室15内への導入量を調整することにより同ク
ランク室15内の調圧を行っていた。これを変更し、ク
ランク室15と吐出室29とは常に連通させておき、同
クランク室15から吸入圧領域への圧力の逃がし量を調
整することにより、同クランク室15内の調圧を行うよ
うにしても良い。
り、上記第1実施形態においては吐出室39内の圧力の
クランク室15内への導入量を調整することにより同ク
ランク室15内の調圧を行っていた。これを変更し、ク
ランク室15と吐出室29とは常に連通させておき、同
クランク室15から吸入圧領域への圧力の逃がし量を調
整することにより、同クランク室15内の調圧を行うよ
うにしても良い。
【0090】上記実施形態から把握できる技術的思想に
ついて記載する。シリンダブロック12に形成されたシ
リンダボア12a内には片頭ピストン36が往復運動可
能に収容され、ハウジング11内に配設された回転軸1
6には回転支持体22が止着されるとともに、同回転支
持体22にはピストン36を往復動させるための斜板2
3が傾動可能に支持され、傾角変更手段(49,81
等)により斜板23を収容するクランク室15内の圧力
とシリンダボア12a内の圧力とのピストン36を介し
た差圧に応じて斜板23の傾角を変更することで、吐出
容量を最大容量と零ではない最小容量との間で変更可能
であり、さらには、冷媒循環阻止手段(28,81等)
により、最小容量状態では、吸入圧領域32と蒸発器7
9を含む外部冷媒回路76との接続を遮断して同外部冷
媒回路76上における冷媒循環を阻止するようにした可
変容量型圧縮機において、オン時には前記傾角変更手段
(49,81等)による吐出容量の変更を許容し、オフ
時には傾角変更手段(49,81等)による吐出容量の
変更を規制して一義的に最小容量とするためのエアコン
スイッチ87と、圧縮機の使用環境を検出するための使
用環境検出手段82〜85と、圧縮機の起動時に、前記
エアコンスイッチ87がオフ状態であってなおかつ、使
用環境検出手段82〜85による検出値が設定値以上で
ある場合には、前記冷媒循環阻止手段(28,81等)
を制御して外部冷媒回路76上における冷媒循環を許容
するとともに、同冷媒循環状態を所定時間継続させる制
御手段とを備えた制御装置。
ついて記載する。シリンダブロック12に形成されたシ
リンダボア12a内には片頭ピストン36が往復運動可
能に収容され、ハウジング11内に配設された回転軸1
6には回転支持体22が止着されるとともに、同回転支
持体22にはピストン36を往復動させるための斜板2
3が傾動可能に支持され、傾角変更手段(49,81
等)により斜板23を収容するクランク室15内の圧力
とシリンダボア12a内の圧力とのピストン36を介し
た差圧に応じて斜板23の傾角を変更することで、吐出
容量を最大容量と零ではない最小容量との間で変更可能
であり、さらには、冷媒循環阻止手段(28,81等)
により、最小容量状態では、吸入圧領域32と蒸発器7
9を含む外部冷媒回路76との接続を遮断して同外部冷
媒回路76上における冷媒循環を阻止するようにした可
変容量型圧縮機において、オン時には前記傾角変更手段
(49,81等)による吐出容量の変更を許容し、オフ
時には傾角変更手段(49,81等)による吐出容量の
変更を規制して一義的に最小容量とするためのエアコン
スイッチ87と、圧縮機の使用環境を検出するための使
用環境検出手段82〜85と、圧縮機の起動時に、前記
エアコンスイッチ87がオフ状態であってなおかつ、使
用環境検出手段82〜85による検出値が設定値以上で
ある場合には、前記冷媒循環阻止手段(28,81等)
を制御して外部冷媒回路76上における冷媒循環を許容
するとともに、同冷媒循環状態を所定時間継続させる制
御手段とを備えた制御装置。
【0091】このようにすれば、フォーミングに起因し
た圧縮機内部のオイルレス状態を短時間で確実に解消で
きる。
た圧縮機内部のオイルレス状態を短時間で確実に解消で
きる。
【0092】
【発明の効果】上記構成の請求項1及び3〜6の発明に
よれば、フォーミングに起因した圧縮機内部のオイルレ
ス状態を短時間で確実に解消でき、各摺動部分の潤滑を
不具合が生じない状態に保持できる。
よれば、フォーミングに起因した圧縮機内部のオイルレ
ス状態を短時間で確実に解消でき、各摺動部分の潤滑を
不具合が生じない状態に保持できる。
【0093】請求項2の発明によれば、オイルレス状態
をさらに短時間で解消することができ、使用者の意にそ
ぐわないフォーミング対策用の制御を短時間で終了させ
ることが可能となる。
をさらに短時間で解消することができ、使用者の意にそ
ぐわないフォーミング対策用の制御を短時間で終了させ
ることが可能となる。
【0094】請求項7の発明によれば、回転軸の回転数
がフォーミング対策用の制御を実行するか否かの判定に
加えられており、無用に同フォーミング対策用の制御が
実行されることを極力低減できる。
がフォーミング対策用の制御を実行するか否かの判定に
加えられており、無用に同フォーミング対策用の制御が
実行されることを極力低減できる。
【図1】 第1実施形態の可変容量型圧縮機の縦断面
図。
図。
【図2】 図1の要部拡大図。
【図3】 圧縮機の動作を説明する要部拡大図。
【図4】 制御装置の電気的構成を示すブロック図。
【図5】 制御コンピュータの動作を示すフローチャー
ト。
ト。
【図6】 第2実施形態の可変容量型圧縮機の縦断面
図。
図。
【図7】 圧縮機の動作を説明する図。
11…ハウジングとしてのフロントハウジング、12…
シリンダブロック、12a…シリンダボア、16…回転
軸、22…回転支持体、23…斜板、28…冷媒循環阻
止手段を構成する遮断体、32…吸入圧領域としての吸
入通路、36…片頭ピストン、49…傾角変更手段及び
冷媒循環阻止手段を構成する容量制御弁、76…外部冷
媒回路、79…蒸発器、81…制御手段を構成する制御
コンピュータ、82…使用環境検出手段としての蒸発器
温度センサ、83…同じく外気温度センサ、84…同じ
く車室温度センサ、85…同じく日射量センサ、87…
エアコンスイッチ。
シリンダブロック、12a…シリンダボア、16…回転
軸、22…回転支持体、23…斜板、28…冷媒循環阻
止手段を構成する遮断体、32…吸入圧領域としての吸
入通路、36…片頭ピストン、49…傾角変更手段及び
冷媒循環阻止手段を構成する容量制御弁、76…外部冷
媒回路、79…蒸発器、81…制御手段を構成する制御
コンピュータ、82…使用環境検出手段としての蒸発器
温度センサ、83…同じく外気温度センサ、84…同じ
く車室温度センサ、85…同じく日射量センサ、87…
エアコンスイッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳永 英二 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内
Claims (7)
- 【請求項1】 シリンダブロックに形成されたシリンダ
ボア内にはピストンが往復運動可能に収容され、ハウジ
ング内に配設された回転軸にはピストンを往復動させる
ための斜板が傾動可能に支持され、傾角変更手段により
同斜板の傾角を変更することで、吐出容量を最大容量
と、零ではない最小容量との間で変更可能であり、さら
には、冷媒循環阻止手段により、最小容量状態では、吸
入圧領域と蒸発器を含む外部冷媒回路との接続を遮断し
て同外部冷媒回路上における冷媒循環を阻止するように
した可変容量型圧縮機において、 オン時には前記傾角変更手段による吐出容量の変更を許
容し、オフ時には傾角変更手段による吐出容量の変更を
規制して最小容量とするためのエアコンスイッチと、 圧縮機の使用環境を検出するための使用環境検出手段
と、 圧縮機の起動時に、前記エアコンスイッチがオフ状態で
あってなおかつ、使用環境検出手段による検出値が設定
値以上である場合には、前記冷媒循環阻止手段を制御し
て外部冷媒回路上における冷媒循環を許容するととも
に、同冷媒循環状態を所定時間継続させる制御手段とを
備えた制御装置。 - 【請求項2】 前記制御手段は、傾角変更手段を制御し
て非最小容量状態とする請求項1に記載の制御装置。 - 【請求項3】 前記使用環境検出手段は外気温度検出手
段であり、前記制御手段は外気温度が設定値以上の場合
に前記制御を行う請求項1又は2に記載の制御装置。 - 【請求項4】 前記圧縮機及び外部冷媒回路が車両に組
み込まれて車両空調システムが構築されており、前記使
用環境検出手段を車室温度検出手段とするとともに、前
記制御手段は、車室温度が設定値以上の場合に前記制御
を行う請求項1又は2に記載の制御装置。 - 【請求項5】 前記使用環境検出手段は日射量検出手段
であり、前記制御手段は日射量が設定値以上の場合に前
記制御を行う請求項1又は2に記載の制御装置。 - 【請求項6】 前記使用環境検出手段は蒸発器温度検出
手段であり、前記制御手段は蒸発器の温度が設定値以上
の場合に前記制御を行う請求項1又は2に記載の制御装
置。 - 【請求項7】 前記回転軸の回転数を検出するための回
転数検出手段を備え、前記制御手段は、同回転数検出手
段による検出値が設定回転数以上の場合に前記制御を行
う請求項1〜6のいずれかに記載の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8149579A JPH09329087A (ja) | 1996-06-11 | 1996-06-11 | 可変容量型圧縮機の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8149579A JPH09329087A (ja) | 1996-06-11 | 1996-06-11 | 可変容量型圧縮機の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09329087A true JPH09329087A (ja) | 1997-12-22 |
Family
ID=15478290
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8149579A Pending JPH09329087A (ja) | 1996-06-11 | 1996-06-11 | 可変容量型圧縮機の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09329087A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11294876A (ja) * | 1998-04-16 | 1999-10-29 | Toyota Autom Loom Works Ltd | 冷房装置の制御方法 |
JP2008151010A (ja) * | 2006-12-15 | 2008-07-03 | Calsonic Kansei Corp | 可変容量コンプレッサの制御弁 |
US10220679B2 (en) | 2013-11-19 | 2019-03-05 | Denso Corporation | Vehicle air-conditioning system and starting method thereof |
-
1996
- 1996-06-11 JP JP8149579A patent/JPH09329087A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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