JP2015117441A - 繊維布帛 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、凹凸の少ない組織で織編成したものは外観が単調になるため意匠性に劣るおそれがあり、また、布帛を構成する糸条を撚糸する方法や布帛の密度を高めたものは風合いが硬くなったり、ストレッチ性が損なわれたり、通気性が低下し、清涼感に乏しいものとなるおそれがある。
また、これらを改善するために、トルク方向の異なる2種の高捲縮仮撚加工糸をエア混織させた低トルク複合糸を使用した編地が提案されている(特許文献3)。しかし、その効果は十分ではなく、使用する糸が限定される等の問題がある。
本発明は、
(1)に、繊維布帛と、該布帛の少なくとも一面に形成される親水性樹脂からなる内層と、該内層上に、平均粒径が10nm〜1μmの無機微粒子が、バインダー樹脂を介して、布帛に対し0.005〜2.0重量%付着してなる外層を有することを特徴とする繊維布帛である。
また、(2)に、無機微粒子がコロイダルシリカである(1)に記載の繊維布帛である。
また、(3)に、JIS−L−1058 D−3法におけるスナッグ試験評価結果が3級以上である(1)または(2)に記載の繊維布帛である。
また、(4)に、初期の吸水速度が15秒以内、初期の拡散性残留水分率10%に至る時間が45分以内であり、洗濯20回後の吸水速度が20秒以内、洗濯20回後の拡散性残留水分率10%に至る時間が50分以内である(1)〜(3)のいずれかに記載の繊維布帛である。
また、(5)に、繊維布帛の少なくとも一面に親水性樹脂からなる内層を形成した後、該内層上に、平均粒径が10nm〜1μmの無機微粒子を、バインダー樹脂を介して、布帛に対し0.005〜2.0重量%付着させた外層を形成することを特徴とする繊維布帛の製造方法である。
また、(6)に、内層を形成する親水性樹脂を吸尽法により付与する(5)記載の繊維布帛の製造方法である。
内層を形成する親水性樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂などを挙げることができる。なかでも、親和性の面から洗濯耐久性に優れるポリエステル系樹脂が好ましい。該ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラエチレングリコールなどのジオール成分と、テレフタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸とからなるポリエステル系樹脂が挙げられる。これらを用いることにより、吸水性が向上し、安定した洗濯耐久性が得られる。
なお、布帛は、必要に応じて、染料や顔料により着色されたものであってもよい。
なお、実施例における性能の評価は、以下の方法に従った。
JIS L 1058 D−3法に準拠して試験、評価を行った。3級以上を抗スナッギング性が良いと判断した。
JIS L 1096 A法 水滴滴下法に準拠して、測定した。
吸水速度が20秒未満であれば吸水性が良いと判断した。
10cm×10cmの試験片の質量(W)を測定し、試験片に水を0.6mL滴下し、質量(W0)を測定した。標準状態(20℃、65%RH)下で吊干して、所定時間ごとの重量(Wt)を測定し、時間毎の残留水分率(%)を算出した。残留水分率(%)が10%に至るまでの時間を算出した。
残留水分率={(Wt−W)/(W0−W)}×100
50分以内であれば速乾性があると判断した。
試験片に対してJIS L 0217 103法に準拠して、洗濯試験を20回実施し、よく乾燥させた後、上記(1)〜(3)の評価を行った。
84dtex/72フィラメントのポリエステルマルチフィラメント糸を用いて、天竺組織の丸編地を編成した。得られた編地の重量は200g/m2であった。この編地を、常法により精練、プレセットしたものを、供試布帛1とした。
84dtex/72フィラメントのポリエステルマルチフィラメント糸と30番手の綿糸を、交編率(重量比)50:50で用いて、天竺組織の丸編地を編成した。得られた編地の重量は200g/m2であった。この編地を、常法により精練、プレセットしたものを供試布帛2とした。
84dtex/72フィラメントのポリエステルマルチフィラメント糸を用いて、平織物(目付200g/m2)を織成し、常法により精練、プレセットしたものを、供試布帛3とした。
親水性ポリエステル樹脂(高松油脂株式会社製 SR−1000 固形分:10重量%)を布帛重量に対し0.5重量%の濃度で含み、かつ、酢酸でpH4.5に調整した処理液に、浴比が1:20となるように供試布帛1を浸漬し、130℃の浴中で30分間吸尽処理を行った。水洗後、120℃で2分間熱処理して乾燥した。かくして、該布帛表面に内層を形成した。この時の親水性ポリエステル樹脂の付着量は、布帛に対し0.5重量%であった。
次いで、コロイダルシリカを含む水分散体(平均粒径30nm、固形分15%)1重量%とバインダー樹脂としてポリエーテル系ウレタン樹脂(第一工業製薬株式会社製 エラストロンBAP 100%モジュラス:1.2N/mm2 固形分:20重量%)1重量%を含む処理液に浸漬後、圧搾機にて圧搾率が布帛重量に対して100重量%となるように圧搾し、次いで120℃で2分間処理して乾燥した。かくして、布帛表面に内層と外層を形成した。このとき、コロイダルシリカの付与量は、布帛に対して、0.15重量%であった。また、バインダー樹脂であるポリエーテル系ウレタン樹脂の付与量は、布帛に対して、0.3重量%であった。かくして、繊維布帛を得た。評価結果を表1に示す。
供試布帛1を用いて、実施例1と同様に処理し、内層を形成した。更に、布帛に対してコロイダルシリカの付与量を0.3重量%、バインダー樹脂の付与量を0.6重量%とした以外は、実施例1と同様に処理し、外層を形成し、実施例2の繊維布帛を得た。評価結果を表1に示す。
供試布帛1を実施例1と同様に処理し、内層を形成した。更に、平均粒径が500nmのコロイダルシリカを用いた以外は、実施例1と同様に処理し、外層を形成し、実施例3の繊維布帛を得た。このとき、コロイダルシリカの付与量は、布帛に対して、0.3重量%であった。また、バインダー樹脂であるポリエーテル系ウレタン樹脂の付与量は、布帛に対して、0.6重量%であった。評価結果を表1に示す。
供試布帛2を用いた以外は、実施例1と同様に処理し、内層を形成した。更に、実施例1と同様に処理して、外層を形成し、実施例4の繊維布帛を得た。このとき、コロイダルシリカの付与量は、布帛に対して、0.45重量%であった。また、バインダー樹脂であるポリエーテル系ウレタン樹脂の付与量は、繊維に対して、0.9重量%であった。評価結果を表1に示す。
供試布帛3を用いた以外は、実施例1と同様に処理し、内層を形成した。更に、実施例1と同様に処理して、外層を形成し、実施例5の繊維布帛を得た。このとき、コロイダルシリカの付与量は、布帛に対して、0.75重量%であった。また、バインダー樹脂であるポリエーテル系ウレタン樹脂の付与量は、布帛に対して、1.5重量%であった。評価結果を表1に示す。
供試布帛1を用い、内層の形成を行わなかった以外は実施例1と同様に処理して、外層を形成し、比較例1の繊維布帛を得た。このとき、コロイダルシリカの付与量は、布帛に対して、0.45重量%であった。また、バインダー樹脂であるポリエーテル系ウレタン樹脂の付与量は、布帛に対して、0.9重量%であった。評価結果を表1に示す。
供試布帛1を用い、実施例1と同様に処理し、内層のみを形成し、比較例2の繊維布帛を得た。評価結果を表1に示す。
供試布帛1を用い、疎水性シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング株式会社製 FZ−4658 固形分:23重量%)2重量%を含む処理液に浸漬後、圧搾機にて圧搾率が布帛重量に対して100重量%となるように圧搾し、次いで120℃で2分間処理して乾燥し内層を形成した。次いで、実施例1と同様に処理して外層を形成し、比較例3の繊維布帛を得た。このとき、コロイダルシリカの付与量は、布帛に対して、0.75重量%であった。また、バインダー樹脂であるポリエーテル系ウレタン樹脂の付与量は、布帛に対して、1.5重量%であった。評価結果を表1に示す。
供試布帛1を実施例1と同様に処理し、内層を形成した。更に、布帛に対し、コロイダルシリカの付与量を0.002重量%、バインダー樹脂の付与量を0.004重量%とした以外は、実施例1と同様に処理し、外層を形成し、比較例4の繊維布帛を得た。評価結果を表1に示す。
一方、比較例1のポリエステル繊維布帛では、十分な吸水性が得られなかった。また、比較例2のポリエステル繊維編物では、十分な抗スナッギング性が得られなかった。比較例3のポリエステル繊維布帛では、十分な吸水性、速乾性が得られなかった。
Claims (6)
- 繊維布帛と、該布帛の少なくとも一面に形成される親水性樹脂からなる内層と、該内層上に、平均粒径が10nm〜1μmの無機微粒子が、バインダー樹脂を介して、布帛に対し0.005〜2.0重量%付着してなる外層を有することを特徴とする繊維布帛。
- 無機微粒子がコロイダルシリカである請求項1に記載の繊維布帛。
- JIS−L−1058 D−3法におけるスナッグ試験評価結果が3級以上である請求項1または請求項2に記載の繊維布帛。
- 初期の吸水速度が15秒以内、初期の拡散性残留水分率10%に至る時間が45分以内であり、洗濯20回後の吸水速度が20秒以内、洗濯20回後の拡散性残留水分率10%に至る時間が50分以内である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の繊維布帛。
- 繊維布帛の少なくとも一面に親水性樹脂からなる内層を形成した後、該内層上に、平均粒径が10nm〜1μmの無機微粒子を、バインダー樹脂を介して、布帛に対し0.005〜2.0重量%付着させた外層を形成することを特徴とする繊維布帛の製造方法。
- 内層を形成する親水性樹脂を吸尽法により付与する請求項5記載の繊維布帛の製造方法。
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5846181A (ja) * | 1981-09-08 | 1983-03-17 | カネボウ株式会社 | ピリング防止加工法 |
JPH10273881A (ja) * | 1997-03-28 | 1998-10-13 | Teijin Ltd | 制電・吸汗且つ抗菌性二重織物構造体 |
JP2002363843A (ja) * | 2001-06-06 | 2002-12-18 | Teijin Ltd | 保温編地 |
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- 2013-12-18 JP JP2013261294A patent/JP2015117441A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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