JP2015117369A - 筆記板用水性インキ組成物及びそれを内蔵したマーキングペン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 着色剤と、水と、水溶性及び/又は水分散性の樹脂と、消去性付与剤としてポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物を含有してなる筆記板用水性インキ組成物。前記筆記板用水性インキ組成物を内蔵してなるマーキングペン。
【選択図】 なし
Description
また、特許文献2に記載されるアクリル樹脂の水性分散体等は、少量での剥離剤としての作用が低く、多量の添加を要するため、経時によるインキ安定性が得られ難いものであった。
そのため、いずれの剥離剤においても経時的に筆記性能及び消去性能が劣化するものであった。
更に、前記ポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物が、下記一般式(1)で示されるジグリセリンのアルキレンオキサイド付加物から選ばれる一種以上であることを要件とする。
更に、前記一般式におけるm〜pが、1≦m+n+o+p≦40の範囲にあること、前記消去性付与剤が、インキ組成物全量中0.5〜20重量%の範囲で添加されることを要件とする。
更に、両末端変性シリコーン又はフッ素系界面活性剤を含有してなることを要件とする。更に、前記両末端変性シリコーン又はフッ素系界面活性剤が、インキ組成物全量中0.5〜5重量%の範囲で添加されること、前記両末端側鎖変性シリコーンのHLB値が7〜9の範囲にあることを要件とする。
更には、前記いずれかに記載の筆記板用水性インキ組成物を内蔵してなるマーキングペンを要件とする。
また、前記ポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物とともに両末端変性シリコーン又はフッ素系界面活性剤を添加することにより、消去性を飛躍的に向上することができるので、擦過消去時により軽い力で筆跡消去できるとともに、経時後の筆跡も板面に残すことなく確実に擦過消去できる筆記板用水性インキ組成物となる。
特に、主鎖となるポリグリセリンとしては、ジグリセリンやトリグリセリン、テトラグリセリン等の結合度が小さいものは消去性付与力が大きくなるために有用である。
また、アルキレンオキサイド付加物としては、炭素数1〜8程度のものが好ましく、溶解安定性が高いことから炭素数2〜4のものが特に好適である。
そのため、消去性付与力と溶解安定性が特に高いものとして、前述の一般式(1)で示す化合物が例示できる。
また、前記化合物の平均分子量としては200〜3000、好ましくは350〜2500の範囲のものが特に有用である。
尚、前記両末端変性シリコーンやフッ素系界面活性剤は、水溶性であれば限定することなく広く用いることができるが、前記両末端側鎖変性シリコーンにおいては、特にHLB値が7〜9の範囲にあるものが、筆記時の筆跡表面へ配向性が高いことにより、消去性向上効果も高いため、特に有用である。具体的な製品としては、信越化学工業社製のX22−6266(HLB値:8)、KF−6004(HLB値:9)、東レ・ダウコーニング社製のペインタッド29(HLB値:7)等が挙げられる。
具体的には、シアネート変性ポリアルキレングリコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、部分けん化ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/ビニルアルコール/アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル/ビニルアルコール/メタクリル酸エステル共重合体、アラビアゴム、セルロース系樹脂等が例示できる。尚、前記シアネート変性ポリアルキレングリコールとしては、ジイソシアネートとポリアルキレングリコールの共重合体が好ましく、ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキシレンジイソシアネート等が好適である。また、ポリアルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール等の低級アルキレングリコールを単独または複数用い、共重合したものが例示され、特にポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体、ポリプロピレングリコールが好適である。
前記着色剤は一種又は二種以上で用いられ、インキ組成中0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重量%の範囲で適用される。
マーキングペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ等のマーキングペン用ペン先を筆記先端部に装着し、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させて筆記先端部に所定量のインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容して、弁機構により筆記先端部に所定量のインキを供給する構造のマーキングペンが挙げられる。
尚、前記マーキングペンは、ペン先を覆うキャップを備えたキャップ式のマーキングペンの他、ノック式、回転式、スライド式等の出没機構を有し、軸筒内にペン先を収容可能な出没式のマーキングペンであってもよい。
(1)カーボンブラック20%、ポリビニルアルコール8%を含む水性顔料分散体
(2)レーキレッドC(C.I.ピグメントレッド53:1)20%、ポリビニルアルコール7%を含む水性顔料分散体
(3)フタロシアニングリーン(C.I.ピグメントグリーン7)20%、ノニオン性界面活性剤8%を含む水性顔料分散体
(4)ポリビニルアルコール(けん化度78.5〜81.5モル%、重合度500)の10%水溶液
(5)ポリビニルアセタール、積水化学工業(株)製、商品名:エスレックKW−10(有効成分25%)
(6)シアネート変性ポリオキシエチレン樹脂、三洋化成(株)製、商品名:メルポールF−220
(7)ポリウレタン樹脂、第一工業製薬(株)製、商品名:スーパーフレックス150(有効成分30%)
(8)ポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテル(平均分子量750、一般式におけるm〜pがm+n+o+p=9)
(9)ポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテル(平均分子量1000、一般式におけるm〜pがm+n+o+p=14)
(10)ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテル(平均分子量450、一般式におけるm〜pがm+n+o+p=6)
(11)ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテル(平均分子量750、一般式におけるm〜pがm+n+o+p=13)
(12)ステアリン酸ブチルの乳化液(有効成分20%)
(13)アクリル/スチレン共重合体のエマルジョン(有効成分45%)
(14)住友スリーエム(株)製、商品名:フロラードFC−430
(15)AGCセイミケミカル(株)製、商品名:サーフロンS−241
(16)信越化学工業(株)製、商品名:KF−6004(HLB値:9)
攪拌用容器中に消去性付与剤以外の成分を入れ、ディスパーにて20℃で1時間攪拌した後、消去性付与剤を投入し、更に攪拌(均一分散化)することによりインキ組成物を得た。
前記実施例及び比較例のインキ組成物を市販のマーキングペン(パイロットコーポレーション製;WBMVM−20L)に各5g充填することで水性マーキングペンを得た。
前記マーキングペンを用いて以下の試験を行なった。
各マーキングペンを25℃の環境下に60日間放置した後、二種類の筆記板(ホワイトボード)に5個連続して丸を書き、25℃で1時間放置した後の筆跡に対して、100g及び50gの分銅を載せたティッシュペーパーで筆跡上を5往復移動させた際の消去性を目視により観察した。
尚、前記筆記板としては、表面光沢値70°グロスのホーロー板、基板表面にアクリル樹脂を塗装したものを使用した。
インキ安定性試験
調製した各インキ5gをサンプル瓶に移し取り蓋をした後、25℃の環境下に60日間放置した。期間放置後、室温にて内部のインキの状態を目視により確認した。
各試験結果を以下の表に示す。
消去性試験
◎:3往復以内の移動で筆跡がきれいに消去できる。
○:筆跡がきれいに消去できる。
×:筆跡が広がってしまい、白板が汚れる、又は、筆跡の一部が消去できず残る。
インキ安定性試験
○:異常なし。
×:インキ中に凝集や沈降物が見られる。
Claims (8)
- 着色剤と、水と、水溶性及び/又は水分散性の樹脂と、消去性付与剤としてポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物を含有してなる筆記板用水性インキ組成物。
- 前記一般式におけるm〜pが、1≦m+n+o+p≦40の範囲にある請求項2に記載の筆記板用水性インキ組成物。
- 前記消去性付与剤が、インキ組成物全量中0.5〜20重量%の範囲で添加される請求項1乃至3のいずれかに記載の筆記板用水性インキ組成物。
- 両末端変性シリコーン又はフッ素系界面活性剤を含有してなる請求項1乃至4のいずれかに記載の筆記板用水性インキ組成物。
- 前記両末端変性シリコーン又はフッ素系界面活性剤が、インキ組成物全量中0.5〜5重量%の範囲で添加される請求項5に記載の筆記板用水性インキ組成物。
- 前記両末端側鎖変性シリコーンのHLB値が7〜9の範囲にある請求項5又は6に記載の筆記板用水性インキ組成物。
- 前記請求項1乃至7のいずれかに記載の筆記板用水性インキ組成物を内蔵してなるマーキングペン。
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