JP2015117197A - 鼻症状改善剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】間伐や枝打ちされる樹木を資源として有効利用した、くしゃみ、鼻水、鼻づまり等の鼻症状改善剤の提供。
【解決手段】マツ科モミ属、コウヤマキ科コウヤマキ属及びヒノキ科アスナロ属よりなる群から選ばれた樹木の1種または2種以上の木質部及び/又は葉の精油を有効成分として含有する鼻症状改善剤。前記精油は、マツ科モミ属の樹木、特に、トドマツの葉の精油が好ましい。前記精油は、樹木の木質部及び/又は葉を減圧下で加熱して蒸留を行うことによって得られるものが好ましい。前記蒸留は、水を加えずに、マイクロ波照射による加熱、40〜100℃の蒸気温度、10〜95キロパスカルの減圧下で行われることが好ましい。前記精油には、β−フェランドレン、ミルセン、テルピノレン及びγ−テルピネンよりなる群から選択される1種または2種以上の共役二重結合を有するモノテルペン化合物を含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり等の鼻の不快な症状を緩和、解消し得る鼻症状改善剤に関する。
くしゃみ、鼻水、鼻づまり等の鼻の諸症状に対しては、多方面からの医学的アプローチがなされているが、医薬品等によるものは眠気をもよおすなどの副作用があったり、妊婦などに用いる場合注意が必要など、使用上問題が生じる場合がある。
一方、植物由来の精油は、植物の香りの成分で、香料並びに合成香料用原料として、化粧品、トイレタリー用品、室内芳香剤、さらには芳香療法(アロマテラピー)等の分野にまで広く応用されているが、特定の植物の精油や香料成分が、くしゃみ、鼻水、鼻づまり等を解消する作用を有することが公知である。
例えば、特許文献1にはメントールを含有させたマスクが、くしゃみ、鼻汁、鼻づまりの予防改善に有用であることが開示されている。また特許文献2にはペパーミント油、L−メントール、ヒバ油、ヒノキチオール及び精油成分から選ばれた少なくとも1種以上を担持したマスクが、くしゃみ、鼻水、鼻づまりを緩和させることが記載されている。さらに、特許文献3にはオリーブ油、桂皮油、ホホバ油、ひまし油、ツバキ油、月見草油、サフラワー油、ベニバナ油、落花生油、スクワラン、ベルガモット油、アボガド油、ひまわり油、ユーカリ油、テレピン油、カカオ油、ローズ油、トウモロコシ油、ナタネ油、綿実油、椰子油及びケシ油から選ばれる1種又は2種以上の植物性精油とdl−メントールを有効成分とする徐放性抗アレルギー剤が記載されており、特許文献4にはスギ枝葉、ヒノキ枝葉、ユーカリ枝葉の精油がくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ等に効果があることが開示されている。その他にも、ゴマ油とユーカリ油またはシネオールを含有する鼻用スプレーや(特許文献5)、ウイキョウ、セージ等の精油、l−メントール、dl−カンフル、d−ボルネオールなどの精油成分、ペパーミント油、ユーカリ油等の精油を含有する点鼻剤又は洗鼻剤が開示されている(特許文献6)。
しかしながら、メントールを用いたものは刺激が強すぎたり、その他の精油を用いたものはくしゃみ等の鼻症状を十分に緩和できないのが実情である。
ところで、後継者不足や、木材価格の下落により、山林を手入れが行き届かなくなり、その荒廃が大きな問題とされている。この山林の手入れは、主に間伐と枝打ちであるが、間伐材や、枝打ちで落とされた枝葉に何の経済的価値もなく、逆に経費がかかるのみであれば、このような手入れがおろそかになるのは当然のことである。そこで、山林の手入れが促されるよう、間伐や枝打ちされる樹木について、有効資源化するための加工方法や新規用途の開発が望まれていた。
本発明者らは、マツ科モミ属に属する植物の圧搾液、抽出物または蒸留物を有効成分とする抗ウイルス剤を開発し、別途特許出願を行っている(特許文献7)。
特開招63−209666号公報 特開平7−148280号公報 特開2002−370974号公報 特開2000−327580号公報 特開2012−193159号公報 特許第4733333号公報 特開2011−173805号公報
本発明は、間伐・枝打ちされる樹木を利用し、くしゃみ、鼻水、鼻づまり等の鼻症状改善剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく、鋭意研究を重ねていたところ、特定の樹木から得られる精油が、くしゃみ、鼻水等に対して優れた改善効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、マツ科モミ属、コウヤマキ科コウヤマキ属及びヒノキ科アスナロ属よりなる群から選ばれた樹木の1種または2種以上の木質部及び/または葉の精油を有効成分として含有する鼻症状改善剤である。
本発明によれば、くしゃみ、鼻水、鼻づまり等の鼻の症状及びそれらに由来する不快感等を有効に緩和、改善することができ、その効果を長期間に渡って持続し得るものである。
また、その有効成分は天然植物由来の精油であるため、生分解性に優れ、生体内のホルモンバランスに影響しないなど安全性が高く、また使用を継続しても抵抗性が発現しないなどの利点を有する。
さらに、本発明の鼻症状改善剤の原料として、伐木造材現場で発生する枝葉や間伐材を利用すれば、これらの有効利用に資することができ、森林荒廃を防ぐことが可能となる。
本発明の鼻症状改善剤の有効成分として用いる植物の蒸留物を得るために使用するマイクロ波蒸留装置の構成を模式的に示す図である。 本発明の鼻症状改善剤を空間に揮散させるために使用する揮散装置を示す図である。 本発明の鼻症状改善剤を空間に噴霧させるために使用する加圧空気霧化装置を示す図である。
本発明の鼻症状改善剤は、マツ科モミ属、コウヤマキ科コウヤマキ属及びヒノキ科アスナロ属よりなる群から選ばれた樹木の1種または2種以上の木質部及び/または葉の精油を有効成分とするものである。
マツ科モミ属の樹木としては、トドマツ、モミ、ウラジロモミ、シラビソ、オオシラビソ、シラベ、バルサムファー、ミツミネモミ、ホワイトファー、アマビリスファー、アオトドマツ、カリフォルニアレッドファー、グランドファー、ノーブルファー等が、コウヤマキ科コウヤマキ属の樹木としては、コウヤマキ等が、ヒノキ科アスナロ属の樹木としては、ヒバ、アスナロ、ヒノキアスナロ、ホソバアスナロ等がそれぞれ挙げられ、これらの中でも、トドマツ、モミ、コウヤマキ、ヒバ等が好適に用いられる。
樹木の種類としては、マツ科モミ属の樹木が鼻症状の改善効果に優れるため好適であり、特にトドマツ、モミが好ましい。
これらの樹木の木質部及び/または葉が用いられ、例えば、葉のついた木の枝を細断したものやチップ化した樹木の木質部等を使用できる。このうち、鼻症状改善効果に優れることから葉が好適である。葉の部分はそのまま用いてもよいが、細断、粉砕等の処理をして使用することが好ましい。
精油を得る方法としては、抽出、蒸留等従来公知の方法で得ることができる。具体的には、水、エタノール、メタノール、ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶媒;クロロホルム等の含ハロゲン系溶媒;ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトン、酢酸エチル等のカルボニル系溶媒、およびこれらの混液等による溶媒抽出や、常圧蒸留、減圧蒸留、水蒸気蒸留等の蒸留によって得ることができる。
これらのうち、鼻症状改善効果に優れることから、蒸留によって得られた精油が好適であり、特に減圧下で加熱して蒸留を行うことによって得られたものが好ましい。また、加熱はヒーターによる加熱でもかまわないが、鼻症状に対する効果等の観点から、マイクロ波による加熱が好ましく、特に水を加えずにマイクロ波を照射する方法が好ましい。マイクロ波を照射することにより、植物中に含まれる水分子が直接加熱されて水蒸気が生じ、これが移動相として作用して植物中の揮発性成分が蒸留されるため、この蒸留方法は、揮発性成分の沸点による減圧蒸留的な要素と、水蒸気蒸留的な要素とを包含するものと考えられる。このような蒸留物は、例えば図1に示す装置を使用することにより得ることができる。図中、1はマイクロ波蒸留装置、2は蒸留槽、3はマイクロ波加熱装置、4は撹拌はね、5は気流流入管、6は蒸留物流出管、7は冷却装置、8は加熱制御装置、9は減圧ポンプ、10は圧力調整弁、11は圧力制御装置、12は蒸留対象物、13は蒸留物をそれぞれ示す。
この装置1では、蒸留対象物12となる原料のマツ科モミ属に属する植物等を蒸留槽2中に入れ、撹拌はね4で撹拌しながら、蒸留槽2の上面に設けられたマイクロ波加熱装置3からマイクロ波を放射し、原料を加熱する。この蒸留槽2は、気流流入口5および蒸留物流出管6と連通されている。気流流入管5は、空気あるいは窒素ガス等の不活性ガスを反応槽2中に導入するものであり、この気流は、反応槽2の下部から導入される。また、蒸留物流出管6は、原料からの蒸留物を、反応槽2の上部から外に導出するものである。
上記反応槽2内部は、これに取り付けられた温度センサおよび圧力センサ(共に図示せず)により温度および圧力が測定されるようになっており、加熱制御装置8および圧力制御装置11、圧力調整弁10を介してそれぞれ調整されるようになっている。
また、蒸留物流出管6を介して蒸留槽2から流出した気体状の蒸留物は、冷却装置7により液体に代えられ、蒸留物13として得られる。この蒸留物13には、油性画分13aと水性画分13bが含まれるが、このうち油性画分13aが好適に用いられる。
蒸留にあたっては、上記蒸留槽2内の圧力を、10ないし95キロパスカル、好ましくは、15ないし60キロパスカル、さらに好ましくは20ないし40キロパスカル程度として行なえば良く、その際の蒸気温度は40℃から100℃になる。圧力が10キロパスカル以下では植物中の揮散性成分の蒸気圧上昇が抑制され、また、水蒸気蒸留的要素より、各成分の沸点による減圧蒸留的要素が主となり、沸点の低いものから順に流出してしまうため、水よりも沸点の高い成分の抽出が効率的に行われないという点で好ましくない。また、95キロパスカル以上では、原料の温度が高くなるため、エネルギーロスが大きく、原料の酸化も促進されてしまうという点で好ましくない。また、蒸留時間は、0.2ないし8時間程度、好ましくは、0.4ないし6時間程度とすれば良い。0.2時間以下では
植物中の未抽出成分が多く残存してしまい、8時間以上では原料が乾固に近い状態となってしまうため、抽出効率が低下するという点で好ましくない。
更に、蒸留槽2内に導入する気体としては、空気でもかまわないが、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等の不活性ガスが好ましく、その流量としては、1分当たりの流量が、蒸留槽2の0.001ないし0.1容量倍程度とすれば良い。
かくして得られる精油には、共役二重結合を有するモノテルペン化合物が含まれ、例えば、α−テルピネン、ミルセン、アロオシメン、イソプレン、オシメン、ピロネン、クリプトテネン、β-フェランドレン、2,4(8)−p−メンタジエン、メノゲレン、セスキシトロネン、ジンギベレン、サビネン、3,8(9)−p−メンタジエン、テルピネン−4−オール、シトロネラール、ボルニルアセテート、α−テルピネオール、δ−3−カレン、テルピノレン、γ−テルピネンおよび1,8−シネオールなどが含有され得る。これらのうち、β-フェランドレン、ミルセン、テルピノレン、γ-テルピネンなどを含有することが好ましく、特にβ-フェランドレンを含有することが好ましい。
本発明の鼻症状改善剤の有効成分として、以上のようにして得られた精油をそのまま用いることもできるが、必要に応じて、常法により、更に濃縮したり、精製してもよい。また、これらの精油をそのまま本発明の鼻症状改善剤としてもよいが、さらに適当な溶剤と組み合わせてもよく、例えば、水、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系溶剤、プロピレングリコール、エチレングリコール等のグリコール系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレンアルコールモノエチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のグリコールエーテル系溶剤等の溶剤中に、上記有効成分を、0.01質量%ないし99質量%程度の濃度で溶解させることにより、本発明の鼻症状改善剤を調製することができる。
また、本発明の鼻症状改善剤の製造にあたって、水または水溶性溶剤に可溶化させて使用する場合は、必要により、殺菌剤、界面活性剤、ハイドロトロープ剤等を使用することができる。
また、本発明の鼻症状改善剤には、他の香料成分を配合することにより、調合香料ともなる製剤とすることも可能である。他の香料成分としては、例えば、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、メントール、ボルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール、β−フェネチルアルコール等のアルコール系香料、アネトール、オイゲノール等のフェノール系香料、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、シトラール、ベンズアルデヒド、シンナミックアルデヒド等のアルデヒド系香料、カルボン、メントン、樟脳、アセトフェノン、イオノン等のケトン系香料、γ―ブチルラクトン、クマリン等のラクトン系香料、オクチルアセテート、ベンジルアセテート、シンナミルアセテート、プロピオン酸ブチル、安息香酸メチル等のエステル系香料等が挙げられる。
本発明の鼻症状改善剤には、さらに抗炎症作用を有する成分を併用することができる。このような成分としては、ペパーミント油、メントール、ヒバ油、ヒノキチオール、オリーブ油、桂皮油、ホホバ油、ひまし油、ツバキ油、月見草油、サフラワー油、ベニバナ油、落花生油、スクワラン、ベルガモット油、アボガド油、ひまわり油、ユーカリ油、テレピン油、カカオ油、ローズ油、トウモロコシ油、ナタネ油、綿実油、椰子油、ケシ油スギ枝葉、ヒノキ精油、ユーカリ精油等の精油が挙げられる。さらに市販又は医療用の吸入用の気管支拡張薬、吸入用ステロイド薬、抗アレルギー薬、抗コリン薬などと併用することも可能である。
このようにして得られる本発明の鼻症状改善剤は、例えば、噴霧剤、吸入剤、スプレー剤、点鼻剤等の剤形として、吸引、点鼻、噴霧等により鼻腔内に直接適用して使用することができる。このように吸引等により作用させることによって、患部に直接作用させることができ即効性に優れ、また、微量でも効果を発揮することができる。さらに体内解毒期間、排泄器官への影響等の副作用が極めて少なく安全性にも優れるものである。
また、本発明の鼻症状改善剤を使用する一つの態様として、本発明の鼻症状改善剤を液状もしくはスプレー等を用いてティッシュや布、不織布に滲み込ませてそこから発生する揮散成分を吸引して使用したり、さらには鼻症状改善剤をマスクにしみこませて装着することによって吸引して使用することもできる。
また、市販又は医療用の電動式吸入器、ネブライザー、スポイトタイプの鼻吸入器、点鼻薬用の装置、機械、器具等を用いて吸引させるようにすることもできる。
さらに、本発明の鼻症状改善剤は、エアゾール剤、加熱蒸散剤、送風蒸散剤、非加熱蒸散剤、燻蒸剤、ゲル剤等の剤形とし、大気中に揮散ないしは噴霧させることにより、有効成分を吸引させ鼻症状改善効果を発揮させることも可能である。具体的には鼻症状改善剤をそのままあるいは適当な揮散装置を用いて揮散させる方法や、ポンプスプレー、エアゾール、超音波振動子、加圧液噴霧スプレー、加圧空気霧化噴霧装置等の霧化装置を用い、霧化させた状態で揮散させる方法等が挙げられ、これらの方法により、通常の生活空間中に鼻症状改善剤を漂わせることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は当該実施例によって制限されるものではない。
製 造 例 1
原料として、トドマツの葉を用い、以下のようにしてトドマツ精油を得た。すなわち、トドマツ葉を圧砕式粉砕機(KYB製作所製)で粉砕したもの約50kgを、図1に示すマイクロ波水蒸気蒸留装置の蒸留槽に投入し、攪拌しながら蒸留槽内の圧力を、約20KPaの減圧条件下に保持し、(蒸気温度は約67℃)1時間マイクロ波照射し精油を蒸留した。得られた精油の量は180mLであり、投入試料に対する精油の割合は、0.34%であった。
製 造 例 2
製造例1と同じトドマツの葉を用い、以下の水蒸気蒸留法により、トドマツ精油を得た。すなわち、圧搾式粉砕機(KYB製作所製)で粉砕したスギ葉約101gをパイレックス(登録商標)ガラス製フラスコに入れ、5〜8倍量の水を加えた後、当該フラスコを湯浴中で90〜100℃に加熱し沸騰させる。精油採取管には加熱前に基準線まで水を入れておいた。6時間煮沸を続けて精油を蒸留したところ、精油を0.8mLが得られた。投入試料に対する精油の割合は、0.79%であった。
実 施 例 1
製造例1で製造した精油を用いて、鼻づまり症状の患者に、ヘッドスペース蒸気を吸引させ、その前後での鼻かみ回数をカウントした。すなわち、吸引前の45分間において15分毎に鼻かみ回数をカウントした。その後、予め精油20ml入れて蓋をしておいたねじ口瓶スクリューバイアル20ml(商品名SV−20:株式会社テックジャム製)を開口し、ヘッドスペース蒸気を3回吸引させた。吸引後の1時間において15分毎に鼻かみ回数をカウントした。結果を表1に示す。
Figure 2015117197
以上の結果より、本発明の鼻症状改善剤の吸引前後で明らかに鼻かみ回数は減少した。その効果は吸引後約15分後から顕れ、約1時間以上その効果は持続した。
実 施 例 2
下記処方で鼻症状改善用エアゾールA、Bを製造した。
(鼻症状改善用エアゾールA)
製造例1のトドマツ精油 6.3g
噴射剤(LPG) 18.7g
(鼻症状改善用エアゾールB)
製造例1のトドマツ精油 4.0g
メントール 0.3g
溶剤(エタノール) 2.0g
噴射剤(LPG) 18.7g
鼻づまり症状のある男性患者に鼻症状改善用エアゾールBを約2秒間ティッシュに噴霧しその精油蒸気を吸引させたところ、約30分後には鼻づまり症状が改善した。
鼻づまり症状のある男性患者に鼻症状改善用エアゾールAを約2秒間ティッシュに噴霧しその精油蒸気を吸引させたところ、約15分後には鼻づまり症状が改善した。この改善効果は約4時間以上持続した。
実 施 例 3
マスクに製造例1で製造したトドマツ精油2滴(約0.05g)を添加した。このマスクを鼻づまり症状のある男性患者に装着させたところ、鼻づまり症状が改善した。
実 施 例 4
強度の鼻づまり等の症状を有する患者に対し、実施例2で製造した鼻症状改善用エアゾールAを約2秒間ティッシュに噴霧し、その精油蒸気を吸引させた。一定時間経過後、同様にして精油蒸気を吸引させた。1回目の吸引直後から、鼻をかんだ後、再び鼻がつまるまでの間隔が長くなり、その効果は約1.5時間持続した。2回目の吸引後、再び鼻がつまるまでの間隔が長くなり、鼻づまり症状の改善が認められた。
製 剤 例 1
スプレー剤:
以下の処方のスプレー剤を、市販の150mlトリガー式スプレー容器に収納してスプレー式の鼻症状改善剤を調製した。
有効成分:製造例1のトドマツ精油 0.1g
溶剤 :エタノール 10g
香料 0.05g
界面活性剤 0.1g
イオン交換水 88.85g
これを約2時間に1回室内空間に噴霧したところ、鼻づまり改善効果が認められた。
製 剤 例 2
燻蒸剤:
製造例1のトドマツ精油10g、アゾジカルボンアミド55g及びタルク35gを混練し、造粒、乾燥して燻蒸タイプの鼻症状改善剤を調製した。
製 剤 例3
加熱蒸散剤:
製造例1のトドマツ精油100mgを3cm×3cmのパルプ製マットに含浸させ加熱蒸散タイプの鼻症状改善剤を得た。このものを、市販の蒸散器(商品名:ベープマット:フマキラー製)を用いて加熱し、室内に鼻症状改善剤を蒸散させた。
製 剤 例 4
送風蒸散剤:
パルプ製の粒状含浸体(平均粒径5mm)50gに、製造例1のトドマツ精油50mLを含浸させ、送風蒸散剤を得た。これをファン式の薬剤揮散装置を用いて有効成分を蒸散させた。
製 剤 例 5
製造例1で得たトドマツ精油0.1質量%を、水99.9質量%に分散させて、空間噴霧用鼻症状改善剤を製造した。この鼻症状改善剤を超音波霧化装置(エコーテック(株)製)を用いて空間に噴霧したところ、鼻づまりが解消された。
製 剤 例 6
製造例1で得たトドマツ精油3.0g、プロピレングリコール10gおよび水84gの混合液中に、ゲル化剤としてκ−カラギーナン3gを分散させ、約60℃に加熱分散後、上面開放のカップ型容器に充填し、冷却固化してゲル状の揮散性鼻症状改善剤を製造した。このもの室内空間に設置し、揮散させたところ、約1ヶ月間、鼻づまり解消効果が持続した。
製 剤 例 7
製造例1で得たトドマツ精油2質量%を、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキル
エーテル)5質量%で水に可溶化させて、空間揮散用鼻症状改善剤を製造した。この鼻症状改善剤を図2に示すような揮散装置を用い室内空間に設置し、揮散させたところ、約3ヶ月間、鼻づまり解消効果が持続した。
製 剤 例 8
製造例1で得たトドマツ精油を、図3に示すような加圧空気霧化噴霧装置を用い、室内に5ml/分で8時間噴霧した。使用前に比べ鼻づまりが解消した。
本発明の鼻症状改善剤は、植物由来のものであるため、動物や人体に対して安全性が高く、副作用の心配なく使用することができる。このため、くしゃみ、鼻水、鼻づまり等の鼻症状の改善を目的として、広く利用することができる。
また、本発明は、ほとんど廃棄されていた針葉樹の葉から経済性のある物質を生産する技術として、資源のリサイクルや林業経営等において利用可能なものである。
1 … … マイクロ波蒸留装置
2 … … 蒸留槽
3 … … マイクロ波加熱装置
4 … … 撹拌はね
5 … … 気流流入管
6 … … 蒸留物流出管
7 … … 冷却装置
8 … … 加熱制御装置
9 … … 減圧ポンプ
10 … … 圧力調整弁
11 … … 圧力制御装置
12 … … 蒸留対象物
13 … … 抽出物
21 … … 揮散装置
22 … … 揮散体
23 … … 吸上芯
24 … … 容器
25 … … 除去剤
30 … … 加圧空気霧化噴霧装置
31 … … 気液混合噴霧ノズル
32 … … 2液流量調整供給装置
33 … … コンプレッサ
34 … … 精油
35 … … 水
36 … … 空気

Claims (10)

  1. マツ科モミ属、コウヤマキ科コウヤマキ属及びヒノキ科アスナロ属よりなる群から選ばれた樹木の1種または2種以上の木質部及び/または葉の精油を有効成分として含有する鼻症状改善剤。
  2. 精油が、マツ科モミ属の樹木の葉の精油である請求項1記載の鼻症状改善剤。
  3. マツ科モミ属の樹木が、トドマツ、モミ、ウラジロモミ、シラビソ、オオシラビソ、シラベ、バルサムファー、ミツミネモミ、ホワイトファー、アマビリスファー、アオトドマツ、カリフォルニアレッドファー、グランドファー及びノーブルファーよりなる群から選ばれたものである請求項2記載の鼻症状改善剤。
  4. 精油が、樹木の木質部及び/または葉を減圧下で加熱して蒸留を行うことによって得られる蒸留物である請求項1〜3のいずれかの項記載の鼻症状改善剤。
  5. 加熱が、マイクロ波照射により行われるものである請求項4記載の鼻症状改善剤。
  6. 蒸留時の圧力が、10〜95キロパスカルである請求項4または5に記載の鼻症状改善剤。
  7. 蒸留時の蒸気温度が、40〜100℃である請求項4〜6のいずれかの項記載の鼻症状改善剤。
  8. 精油が、β-フェランドレン、ミルセン、テルピノレン及びγ-テルピネンよりなる群から選ばれる1種または2種以上の共役二重結合を有するモノテルペン化合物を含有するものである請求項1〜7のいずれかの項記載の鼻症状改善剤。
  9. 剤形が、吸引剤、点鼻剤又は噴霧剤である請求項1〜8のいずれかの項記載の鼻症状改善剤。
  10. 剤形が、エアゾール剤、加熱蒸散剤、送風蒸散剤、非加熱蒸散剤、燻蒸剤又はゲル剤である請求項1〜8のいずれかの項記載の鼻症状改善剤。

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