JP2017178874A - 鎮痛剤 - Google Patents

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吉則 大塚
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【課題】間伐・枝打ちされる樹木を利用した、鎮痛剤を提供すること。【解決手段】マツ科モミ属に属する植物の圧搾液、抽出物または蒸留物を有効成分として含有する鎮痛剤。【選択図】図2

Description

本発明は、鎮痛剤に関し、さらに詳細にはマツ科モミ属に属する植物を利用した鎮痛剤に関する。
従来より、痛みの治療として鎮痛剤が主に使用されているが、鎮痛剤は、その副作用が問題になることが多い。鎮痛薬は、麻薬性鎮痛薬と非麻薬性鎮痛薬に大別されるが、麻薬性鎮痛剤、例えばモルヒネにおいては、急性毒性としては、深い昏睡、呼吸抑制、瞳孔縮小、便秘等が起こり、慢性毒性としては薬物耐性を生じ、精神的及び身体的依存をも引き起こし、投与の中止によって激しい禁断症状を呈する。一方、非麻薬性鎮痛剤、例えばアスピリン、インドメタシン、イブプロフェン、エテンサミド、フェナセチン、アミノピリン等は、アレルギー反応、重篤な胃腸障害等の副作用をもたらすことが多い。
副作用が少ない漢方薬系の鎮痛剤として、生薬もしくは生薬抽出エキスを配合した鎮痛薬が提案されている(特許文献1及び2)。これらは、気血水を調整して痛みを緩和する作用を有する生薬および/または内臓機能を強化する生薬を配合することにより、胃腸障害の起こりにくい鎮痛剤を提供するものである。しかし、これら生薬配合の鎮痛剤であっても、例えば高齢者など投与対象者によっては副作用が発生することもあり、また鎮痛の効果が十分に得られないといった問題があった。
また、アスナロ、ヒノキなどのヒノキ科植物から得られた抽出物を用いることにより、疼痛緩和効果を付与した浴用剤も開発されている(特許文献3)。
一方、後継者不足や、木材価格の下落により、山林を手入れが行き届かなくなり、その荒廃が大きな問題とされている。この山林の手入れは、主に間伐と枝打ちであるが、間伐材や、枝打ちで落とされた枝葉に何の経済的価値もなく、逆に経費がかかるのみであれば、このような手入れがおろそかになるのは当然のことである。そこで、山林の手入れが促されるよう、間伐や枝打ちされる樹木について、有効資源化するための加工方法や新規用途の開発が望まれていた。
本発明者らは、このような伐採される樹木の枝葉などを有効利用する方法として、減圧下におけるマイクロ波照射により加熱処理する方法を検討し、得られた蒸留物が、芳香剤や二酸化窒素等の有害酸化物除去剤等として利用し得ることを報告している(特許文献4及び5)。
特開平6−107556号公報 特開2001−86953号公報 特開平11−158058号公報 特開2011−174021号公報 国際公開WO2010/98439号
本発明は、間伐・枝打ちされる樹木を利用した、痛みを有効に軽減または除去できる鎮痛剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく、鋭意研究を重ねた結果、マツ科モミ属の樹木から得られる抽出物や蒸留物等が優れた鎮痛効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、マツ科モミ属に属する植物の圧搾液、抽出物または蒸留物を有効成分として含有する鎮痛剤である。
本発明の鎮痛剤は、種々の疾患に伴う疼痛を有効に軽減ないし除去することができる。また本発明の鎮痛剤は、マツ科モミ属植物の蒸留物等を有効成分とするため、安全性に優れ、使用に際して特別な制限がないという利点を有し、医薬品、化粧品、飲食品などに好適に使用することができる。特に入浴剤や足浴剤等の形態にした場合には、日常的に使用することにより、疼痛の発生を予防したり、発生した疼痛を軽減ないし除去することが可能となる。
本発明の鎮痛剤に用いるマツ科モミ属に属する植物の蒸留物を得るために使用するマイクロ波蒸留装置の構成を模式的に示す図である。 試験例1における生理痛のVAS得点について、足浴を行わなかった場合の得点に対する、湯のみで足浴した場合(トドマツなし)または本発明の足浴剤を用いて足浴を行った場合(トドマツあり)の得点の減少値を示す図である。
本発明の鎮痛剤は、マツ科モミ属に属する植物の搾汁液、抽出物または蒸留物を有効成分とするものである。
マツ科モミ属に属する植物としては、トドマツ、モミ、ウラジロモミ、シラビソ、オオシラビソ、シラベ、バルサムファー、ミツミネモミ、ホワイトファー、アマビリスファー、アオトドマツ、カリフォルニアレッドファー、グランドファー、ノーブルファー等を挙げることができるが、これらのうちトドマツが好ましく用いられる。
本発明の鎮痛剤の原料としては、上記マツ科モミ属に属する植物の植物体全てまたはその一部(例えば、果実、種子、葉、樹皮、根茎、花など)が用いられる。これらのうち、間伐・枝打ちされる樹木の有効利用の観点から、葉の部分が好適に用いられる。葉の部分は、そのまま用いても良いが、好ましくは、粉砕機や圧砕機等により粉砕・圧砕して使用される。
上記マツ科モミ属に属する植物の植物体全体またはその一部から、搾汁液、抽出物または蒸留物を得る。搾汁液の製造は、公知の圧搾機を用いて行うことができる。抽出物の製造も常法に従って行うことができるが、抽出溶媒としては、極性溶媒が好ましく、具体的には、水、エタノール、メタノール、ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶媒;クロロホルム等の含ハロゲン系溶媒;ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトン、酢酸エチル等のカルボニル系溶媒、およびこれらの混液等が例示できる。蒸留物は、常圧蒸留、減圧蒸留、水蒸気蒸留等によって得ることができる。
これらのうち、蒸留物が好ましく、特に減圧下で加熱して蒸留を行う減圧加熱水蒸気蒸留によって得られたものが好ましい。また、加熱はヒーターによる加熱でもかまわないが、マイクロ波による加熱が好ましく、特に水を加えずに本来植物体に含まれる水分のみでマイクロ波を照射することが好ましい。マイクロ波を照射することにより、植物中に含まれる水分子が直接加熱されて水蒸気が生じ、これが移動相として作用して植物中の揮発性成分が蒸留されるため、この蒸留方法は、揮発性成分の沸点による減圧蒸留的な要素と、水蒸気蒸留的な要素とを包含するものと考えられる。このような蒸留物は、例えば図1に示す装置を使用することにより得ることができる。図中、1はマイクロ波蒸留装置、2は蒸留槽、3はマイクロ波加熱装置、4は撹拌はね、5は気流流入管、6は蒸留物流出管、7は冷却装置、8は加熱制御装置、9は減圧ポンプ、10は圧力調整弁、11は圧力制御装置、12は蒸留対象物、13は蒸留物をそれぞれ示す。
この装置1では、蒸留対象物12となる原料のマツ科モミ属に属する植物を蒸留槽2中に入れ、撹拌はね4で撹拌しながら、蒸留槽2の上面に設けられたマイクロ波加熱装置3からマイクロ波を放射し、原料を加熱する。この蒸留槽2は、気流流入口5および蒸留物流出管6と連通されている。気流流入管5は、空気あるいは窒素ガス等の不活性ガスを反応槽2中に導入するものであり、この気流は、反応槽2の下部から導入される。また、蒸留物流出管6は、原料からの蒸留物を、反応槽2の上部から外に導出するものである。
上記反応槽2内部は、これに取り付けられた温度センサおよび圧力センサ(共に図示せず)により温度および圧力が測定されるようになっており、加熱制御装置8および圧力制御装置11、圧力調整弁10を介してそれぞれ調整されるようになっている。
また、蒸留物流出管6を介して蒸留槽2から流出した気体状の蒸留物は、冷却装置7により液体に代えられ、蒸留物13として得られる。この蒸留物13には、油性画分13aと水性画分13bが含まれるが、入浴剤や足浴剤として用いる場合は水性画分13bが好適に用いられる。水性画分13bは水に対する溶解性が高いため、界面活性剤等を用いることなく、浴湯にそのまま添加することができ、また大量に添加することも可能である。
蒸留にあたっては、上記蒸留槽2内の圧力を、3ないし95キロパスカル、好ましくは、3ないし40キロパスカル、さらに好ましくは3ないし25キロパスカル程度として行なえば良く、その際の蒸気温度は40℃から100℃になる。圧力が3キロパスカル以下では植物中の揮散性成分の蒸気圧上昇が抑制され、また、水蒸気蒸留的要素より、各成分の沸点による減圧蒸留的要素が主となり、沸点の低いものから順に流出してしまうため、水よりも沸点の高い成分の抽出が効率的に行われないという点で好ましくない。また、95キロパスカル以上では、原料の温度が高くなるため、エネルギーロスが大きく、原料の酸化も促進されてしまうという点で好ましくない。また、蒸留時間は、0.2ないし8時間程度、好ましくは、0.4ないし6時間程度とすれば良い。0.2時間以下では植物中の未抽出成分が多く残存してしまい、8時間以上では原料が乾固に近い状態となってしまうため、抽出効率が低下するという点で好ましくない。
更に、蒸留槽2内に導入する気体としては、空気でもかまわないが、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等の不活性ガスが好ましく、その流量としては、1分当たりの流量が、蒸留槽2の0.001ないし0.1容量倍程度とすれば良い。
以上のようにして得られたマツ科モミ属に属する植物の搾汁液、抽出物または蒸留物はそのまま本発明の鎮痛剤に用いることもできるが、必要に応じて、常法により、更に濃縮したり、精製しても良い。
本発明の鎮痛剤中のマツ科モミ属に属する植物の圧搾液、抽出物または蒸留物の含有量は特に制限されないが、通常0.001〜100質量%(以下、単に「%」で示す)、好ましくは0.01〜100%、より好ましくは0.1〜100%である。本発明の鎮痛剤の投与経路として、経口、経皮、経鼻、吸入等が挙げられ、医薬品、医薬部外品、化粧品、飲食品等の製品形態とすることができる。剤型としては、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、腸溶剤、トローチ、内用液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤などの経口剤、外用液剤、湿布剤、軟膏剤、ローション剤、入浴剤、足浴剤等の皮膚外用剤、点鼻剤、吸入剤、噴霧剤、散布剤等が例示される。これらの中でも、有効成分中に含まれる芳香成分が持続的に鼻腔からも吸収され、鎮痛効果の向上が期待されることから、皮膚外用剤、点鼻剤、吸入剤、噴霧剤、散布剤等が好適である。
上記製剤中の鎮痛剤の配合量は特に限定されるものではなく、剤型等に応じて決定すればよいが、例えば、0.1〜50%、好ましくは0.5〜20%、より好ましくは1〜10%である。
上記皮膚外用剤の中でも、日常的に適用可能で、芳香作用、血流改善作用等の作用も併せて頭痛、生理痛などに対し優れた鎮痛効果が得られるため入浴剤または足浴剤の形態とすることが好適である。
入浴剤または足浴剤の形態とする場合、入浴剤等に一般に使用される添加剤を本発明の性能を損なわない範囲で配合することも可能である。例えば、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、マルチトール等の多価アルコール類;流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、ワセリン、固形パラフィン等の炭化水素系油;牛脂、豚脂、魚油等の天然油脂類;トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル等の合成トリグリセライド;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、オレイン酸エチル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オクチルドデシル等のエステル油;ミツロウ、カルナウバロウ等のロウ類;直鎖および環状のジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサン等のシリコーン誘導体;セラミド、コレステロール、蛋白誘導体、ラノリン、ラノリン誘導体、レシチン等の油性基剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、アルカノールアミド等の非イオン性界面活性剤;石鹸、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アシルメチルタウリン塩、アシルグルタミン酸塩、アシルグリシン塩、アシルザルコシン塩、アシルイセチオン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アミドエーテル硫酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸べタイン、アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アミドアミノ酸塩、アルキルイミノジ酢酸塩等の両性界面活性剤;アルキルアミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミンオキシド等の半極性界面活性剤;塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム等の陽イオン性界面活性剤;アルキルアミンやアミドアミンの塩酸塩あるいは酢酸塩;タルク、カオリン、セリサイト、雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪ソウ土、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸バリウム、珪酸ストロンチウム、硫酸バリウム、タングステン酸金属塩、シリカ、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素、セラミックスパウダー等の無機粉末; 結晶セルロース、ポリエチレン粉末、ポリ四フッ化エチレン粉末等の有機粉末;酸化チタン、酸化亜鉛等の無機白色顔料;赤色酸化鉄(ベンガラ)チタン酸鉄等の無機赤色系顔料;γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料; 黄色酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料;黒色酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色系顔料;マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色系顔料;酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料; 群青、紺青等の無機青色系顔料;酸化チタン被覆雲母、オキシ塩化ビヒマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビヒマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、着色酸化チタン被覆雲母等のパール顔料、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等の金属粉末顔料;赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、青色404号等の有機顔料;赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム;バリウムまたはアルミのニウムレーキ等の有機顔料;クロロフィル、β−カロチン等の天然色素;アルギン酸、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、ヒアルロン酸等の水溶性高分子;ホウ砂、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫化ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等の無機または有機塩類;pH調製剤である酸およびアルカリ;殺菌剤、キレート剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、動植物由来の天然エキス、香料等を配合できる。
本発明の鎮痛剤を用いた入浴剤、足浴剤は、常法に基づき製造することができ、粉末、顆粒、錠剤、水性または油性の液状などの通常の剤形とすることができる。これらのうち、加工性や使用性の観点から水性の液状が好適である。鎮痛剤を、例えば、浴湯中にマツ科モミ属に属する植物の圧搾液、抽出物または蒸留物の含有量が、0.1〜50%、好ましくは0.5〜20%、より好ましくは1〜10%となるように添加すれば良い。このような範囲とすることにより、優れた鎮痛効果を得ることができる。
本発明の鎮痛剤を用いた入浴剤、足浴剤は、浴湯に溶解ないし分散させ、身体の少なくとも一部を浸漬して使用する。浸漬する身体の部位は、身体全体を浸漬する全身浴であってもよく、首や肩、手や腕、足や脚等、身体の一部のみであっても良い。なかでも、足浴剤は全身入浴に比べ場所も選ばず手軽に利用でき、鎮痛効果が得られるため好ましい。
また上記噴霧剤、散布剤は、本発明の鎮痛剤をそのまま、あるいはこれを水、エタノール、イソプロピルアルコール等の適当な溶媒に溶解ないし分散させることにより調製することができる。この噴霧剤または散布剤を適用する方法としては、常温揮散装置、ファン等による送風揮散装置、火や熱源等による加熱揮散装置などの適当な揮散装置を用いて揮散させる方法、ポンプスプレー、エアゾール、超音波振動子、加圧液噴霧スプレー、加圧空気霧化噴霧装置等の霧化装置を用い、霧化させた状態で散布する方法等が挙げられる。これらの方法により、芳香成分が鼻腔等から吸収され、鎮痛効果を発揮する。空間に適用する場合には、本発明の鎮痛剤を1mあたりマツ科モミ属に属する植物の搾汁液、抽出物または蒸留物として0.01〜1g程度適用すればよい。
その他の具体的な製品形態としては、ビスケットなどの菓子類、調味料、清酒、薬洋酒などの酒類、茶、清涼飲料などの飲料等の飲食品、室内芳香剤、車内芳香剤、防臭剤等の日用品、香水、コロン、シャンプー・リンス類、スキンケア、ボディシャンプー、ボディリンス、ボディパウダー類、ローション、クリーム、石鹸、歯磨剤等の化粧品等を例示することができる。
本発明の鎮痛剤は、種々の疼痛に対して鎮痛効果を示すものであり、例えば、頭痛、生理痛、腹痛等における痛みを緩和ないし除去することができる。生理痛に関しては、生理中の痛みだけでなく、生理前の痛みに対しても優れた鎮痛効果が得られる。
次に実施例等を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら制約されるものではない。
製 造 例 1
トドマツの葉を圧砕式粉砕機(KYB製作所製)で粉砕したもの約50kgを、図1に示すマイクロ波水蒸気蒸留装置の蒸留槽に投入し、攪拌しながら蒸留槽内の圧力を、約20KPaの減圧条件下に保持し(蒸気温度は約67℃)、1時間マイクロ波照射し蒸留した。得られた蒸留物から水性画分を採取しトドマツ減圧水蒸気蒸留水性画分を得た。
試 験 例 1
生理痛に対する鎮痛効果:
製造例1で得られたトドマツ減圧水蒸気蒸留水性画分(以下、「トドマツ水性画分」ということがある)を用いた足浴剤での生理痛に対する鎮痛効果を確認した。健康な女子大学生(平均年齢22.6歳)10名を被験者とし、生理予定日の2週前からシャワー浴のみとし、生理期の1週前から生理終了時まで毎日連続して家庭で足浴を行ってもらった。被験者10名のうち、毎回生理痛を自覚する者は7名、生活に差支えが出る程度の者は8名、鎮痛剤を使用する者は5名であった。被験者を2グループに分け、一方のグループは、製造例1で得られたトドマツ水性画分0.4Lをお湯9Lに加えたものを足浴湯として用い(トドマツあり)、他方のグループは、お湯9Lのみを用いた(トドマツなし)。足浴の開始日(生理期1週前)と最終日(生理終了時)に、以下の方法により、生理痛のVAS(Visual Analog Scale)による評価を行った。また連続足浴前と比較した生理前及び生理中の痛みの変化を3段階で評価してもらった。さらに、8週間後に条件をクロスオーバーさせて家庭で足浴を行い、足浴の最終日(生理終了時)に生理痛のVASによる評価と3段階評価を再度施行した。足浴条件は、水温41℃、20分間とし、1日最後の食事の1時間後から就寝の1時間前までの間で行った。足浴装置は、市販の発泡樹脂フットバス(商品名:フットバスプロ、幅35cm×奥行き35cm×高さ30cm)を使用した。一方、予め連続足浴実施前における生理痛についても同様にVASによる評価を行った。統計処理には統計解析アドインソフトエクセル統計2012 for Windows(登録商標)を使用し、p値は0.05未満を統計学的に有意とみなした。VAS得点を表1に示す。また連続足浴実施前のVAS得点に対する連続足浴実施後のVAS得点の減少値を求めた。その結果を図2に示す。また3段階評価の結果を表2に示す。
(VAS評価方法)
「0」を「痛みはない」状態、「100」を「これ以上の痛みはないくらい痛い(これまで経験した一番強い痛み)」状態として、現在の痛みが10cmの直線上のどの位置にあるかを示す方法により測定した。
Figure 2017178874
Figure 2017178874
VASによる生理痛評価は、湯のみで足浴をした場合(トドマツなし)では、足浴を行わなかった場合と有意差が認められなかったのに対し、トドマツ水性画分を添加した浴湯で足浴をした場合(トドマツあり)では、痛みの程度が有意に軽減した(p<0.05;表1及び図1)。またトドマツ水性画分を用いた足浴には、湯のみの足浴に比べて、生理中の痛みだけでなく、生理前の痛みに対しても有意な軽減作用が認められた(p<0.01;表2)。
実 施 例 1
鎮痛薬(錠剤):
以下の処方で鎮痛薬(錠剤)を調製した。
乳糖 54.0%
結晶セルロース 30.0%
澱粉分解物 10.0%
グリセリン脂肪酸エステル 5.0%
製造例1のトドマツ減圧水蒸気蒸留水性画分 1.0%
実 施 例 2
化粧クリーム:
以下の処方で化粧クリームを調製した。
スクワラン 20.0%
ミツロウ 5.0%
精製ホホバ油 5.0%
グリセリン 5.0%
グリセリンモノステアレート 2.0%
ポリオキシエチレン(20)ソルビタン−モノステアレート 2.0%
製造例1のトドマツ減圧水蒸気蒸留水性画分 2.0%
防腐剤 適 量
香料 適 量
精製水 残 量
実 施 例 3
清涼飲料:
以下の処方で清涼飲料を調製した。
果糖ブドウ糖液糖 30.0%
乳化剤 0.5%
製造例1のトドマツ減圧水蒸気蒸留水性画分 0.05%
香料 適 量
精製水 残 量
実 施 例 4
入浴剤:
以下の処方で液状の入浴剤を調製した。
プロピレングリコール 50.0%
エタノール 20.0%
硫酸ナトリウム 5.0%
製造例1のトドマツ減圧水蒸気蒸留水性画分 0.5%
ラノリン 0.5%
アボガド油 0.5%
色素 1.5%
香料 22.0%
本発明の鎮痛剤は、鎮痛作用に優れ、安全性が高いため、医薬品、飲食品等に利用できる。また入浴剤や足浴剤として使用した場合には、例えば、生理痛に対し優れた鎮痛効果を発揮するものであり、従来の「我慢する」、「鎮痛剤服用」などの生理痛の対処行動と比べて、心身への負担は少なく、日常生活に取り入れられる積極的なセルフケア方法として利用可能なものである。

Claims (9)

  1. マツ科モミ属に属する植物の圧搾液、抽出物または蒸留物を有効成分として含有する鎮痛剤。
  2. マツ科モミ属に属する植物の圧搾液、抽出物または蒸留物が、マツ科モミ属に属する植物の葉の圧搾液、抽出物または蒸留物である請求項1記載の鎮痛剤。
  3. マツ科モミ属に属する植物の蒸留物が、マツ科モミ属の植物の減圧加熱水蒸気蒸留物である請求項1記載の鎮痛剤。
  4. マツ科モミ属に属する植物の蒸留物が、マツ科モミ属の植物の減圧加熱水蒸気蒸留物の水性画分である請求項3記載の鎮痛剤。
  5. 加熱がマイクロ波加熱である請求項3または4記載の鎮痛剤。
  6. マツ科モミ属に属する植物が、トドマツである請求項1〜5のいずれかの項記載の鎮痛剤。
  7. 皮膚外用剤である請求項1〜6のいずれかの項記載の鎮痛剤。
  8. 入浴剤である請求項7記載の皮膚外用剤。
  9. 足浴剤である請求項7記載の皮膚外用剤。


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