JP2021046377A - 筋硬度低減剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】その課題は、天然物に由来する安全性の高い筋硬度低減剤を提供すること。【解決手段】マツ科モミ属の植物の圧搾液、抽出物または蒸留物を有効成分として含有することを特徴とする筋硬度低減剤。【選択図】図2

Description

本発明は、筋硬度低減剤に関する。
不慣れな運動や過度な運動を行ってから一定時間経過後に、筋肉の硬度(筋硬度)が上昇しているという報告がある。筋硬度が上昇している状態(いわゆる筋肉が固い状態)でさらに運動を継続することは、故障を誘発するリスクになるとともに、適切なパフォーマンスを発揮するためのフォームを崩してしまう原因にもなってしまう。
また、近年OA化に伴い、長時間椅子に座ったまま同じ姿勢でいたり、前かがみの姿勢をとりがちであり、このような一定の姿勢や姿勢の悪さが、腰痛や肩こりの原因となっている。腰痛や肩こりは、筋肉の緊張を原因とする筋肉の圧迫感や違和感、痛みなどを伴う症状である。
このような筋肉の緊張状態(筋肉が固い状態)を改善するために筋弛緩剤が使用されている。筋弛緩剤として、一般にエペリゾン、チザニジンなどが用いられているが、ふらつき、めまい、眠気、脱力感などの精神神経系症状、吐き気、食欲不振、腹痛などの消化器症状、発疹、痒みなどの過敏症といった様々な副作用があらわれる場合がある。
これに対し、油性成分、無機塩類、ビタミン類、ムコ多糖類及びアミノ酸などの有効成分とともに生薬成分を配合した皮膚緊張弛緩剤が開示されているが(特許文献1)、なお天然由来で、筋肉の緊張を緩和ないし弛緩し得る物質が求められている。
一方、後継者不足や、木材価格の下落により、山林の手入れが行き届かなくなり、その荒廃が大きな問題とされている。この山林の手入れは、主に間伐と枝打ちであるが、間伐材や、枝打ちで落とされた枝葉に何の経済的価値もなく、逆に経費がかかるのみであれば、このような手入れがおろそかになるのは当然のことである。そこで、山林の手入れが促されるよう、間伐や枝打ちされる樹木について、有効資源化するための加工方法や新規用途の開発が望まれていた。
本発明者らは、このような伐採される樹木の枝葉などを有効利用する方法として、減圧下におけるマイクロ波照射により加熱処理する方法を検討し、得られた蒸留物が、鼻症状改善剤、アレルゲン低減化剤や二酸化窒素等の有害酸化物除去剤等として利用し得ることを既に報告している(特許文献2、3及び4)。
特開11−246335号公報 特開2015−117197号公報 特開2015−30704号公報 国際公開WO2010/98439パンフレット
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、その課題は、天然物に由来する安全性の高い筋硬度低減剤を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため、筋肉の緊張を緩和する作用を有する成分の探索を行っていたところ、特定の針葉樹の枝葉中に筋硬度を有効に低減し得る物質が存在することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、マツ科モミ属の植物の圧搾液、抽出物または蒸留物を有効成分として含有することを特徴とする筋硬度低減剤である。
本発明の筋硬度低減剤を適用することにより、既に生じている筋肉の緊張状態を緩和・弛緩させることができ、また事前に適用しておくことで、筋肉の緊張を生じ難くするため、肩こりや腰痛を予防・改善することができる。また運動に伴い負荷が加わった筋肉は硬化し、負荷が大きい場合には、運動後数日間にわたって筋硬度が上昇する場合がある。本発明の筋硬度低減剤を運動前に適用することにより、運動時の筋肉の硬化が抑制され、故障を防止し、パフォーマンスを維持、発揮することが可能となるとともに、運動後の筋硬度の上昇を抑制し、疲労感を軽減することができる。
本発明の筋硬度低減剤の有効成分として用いるマツ科モミ属に属する植物の蒸留物を得るために使用するマイクロ波蒸留装置の構成を模式的に示す図である。 試験例1における筋硬度変化率を示すグラフである。
本発明の筋硬度低減剤の有効成分は、マツ科モミ属の植物の圧搾液、抽出物または蒸留物である。
原料となるマツ科モミ属に属する植物としては、トドマツ、モミウラジロモミ、シラビソ、オオシラビソ、シラベ、バルサムファー、ミツミネモミ、ホワイトファー、アマビリスファー、アオトドマツ、カリフォルニアレッドファー、グランドファー、ノーブルファー等を挙げることができる。これらのうちトドマツが筋硬度低減効果に優れるため好ましく用いられる。
本発明における有効成分の調製にあたっては、上記マツ科モミ属に属する植物の植物体全てまたはその一部(例えば、果実、種子、葉、樹皮、根茎、花など)が用いられる。これらのうち、間伐・枝打ちされる樹木の有効利用の観点や、抑制効果が高いことから、枝及び/または葉の部分が好適に用いられる。枝及び/または葉の部分は、そのまま用いても良いが、好ましくは、粉砕機や圧砕機等により粉砕・圧砕して使用される。
本発明の有効成分は、マツ科モミ属に属する植物の植物体全体またはその一部からの、搾汁液、抽出物または蒸留物として得る。このうち、搾汁液の製造は、公知の圧搾機を用いて行うことができる。また、抽出物の製造も常法に従って行うことができるが、抽出溶媒として、極性溶媒を使用することが好ましく、具体的には、水、エタノール、メタノール、ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶媒;クロロホルム等の含ハロゲン系溶媒;ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトン、酢酸エチル等のカルボニル系溶媒、およびこれらの混液等が例示できる。蒸留物は、常圧蒸留、減圧蒸留、水蒸気蒸留等によって得ることができる。
これらのうち、筋硬度低減効果等の観点から、蒸留物が好ましく、特に減圧下で加熱して蒸留を行うことによって得られたものが好ましい。このものは、濃縮、精製等の手間をかけなくても、モノテルペン類を高濃度で含有するため、さわやかな香気を有し香りの嗜好性が高く、かつ筋硬度低減効果にも優れる。
なお、蒸留にあたっての加熱は、一般のヒーター等による加熱でもかまわないが、マイクロ波による加熱が加熱効率の点で好ましく、特に水を加えずにマイクロ波を照射して加熱することが好ましい。マイクロ波を照射することにより、植物中に含まれる水分子が直接加熱されて水蒸気が生じ、これが移動相として作用して植物中の揮発性成分が蒸留されるため、この蒸留方法は、揮発性成分の沸点による減圧蒸留的な要素と、水蒸気蒸留的な要素とを包含するものと考えられる。
このようなマイクロ波照射による蒸留物は、例えば図1に示す装置を使用することにより得ることができる。図中、1はマイクロ波蒸留装置、2は蒸留槽、3はマイクロ波加熱装置、4は撹拌はね、5は気流流入管、6は蒸留物流出管、7は冷却装置、8は加熱制御装置、9は減圧ポンプ、10は圧力調整弁、11は圧力制御装置、12は蒸留対象物、13は蒸留物をそれぞれ示す。
この装置1では、蒸留対象物12となる原料のマツ科モミ属に属する植物を蒸留槽2中に入れ、撹拌はね4で撹拌しながら、蒸留槽2の上面に設けられたマイクロ波加熱装置3からマイクロ波を放射し、原料を加熱する。この蒸留槽2は、気流流入口5および蒸留物流出管6と連通されている。気流流入管5は、空気あるいは窒素ガス等の不活性ガスを蒸留槽2中に導入するものであり、この気流は、蒸留槽2の下部から導入される。また、蒸留物流出管6は、原料からの蒸留物を、蒸留槽2の上部から外に導出するものである。
上記蒸留槽2内部は、これに取り付けられた温度センサおよび圧力センサ(共に図示せず)により温度および圧力が測定されるようになっており、加熱制御装置8および圧力制御装置11、圧力調整弁10を介してそれぞれ調整されるようになっている。
また、蒸留物流出管6を介して蒸留槽2から流出した気体状の蒸留物は、冷却装置7により液体に代えられ、蒸留物13として得られる。この蒸留物13には、油性画分13aと水性画分13bが含まれるが、このうち油性画分13aが好適に用いられる。
蒸留にあたっては、上記蒸留槽2内の圧力を、3ないし95キロパスカル、好ましくは、3ないし40キロパスカル、さらに好ましくは3ないし20キロパスカル程度として行なえば良く、その際の蒸気温度は40℃から100℃になる。圧力が3キロパスカル以下では植物中の揮散性成分の蒸気圧上昇が抑制され、また、水蒸気蒸留的要素より、各成分の沸点による減圧蒸留的要素が主となり、沸点の低いものから順に流出してしまうため、水よりも沸点の高い成分の抽出が効率的に行われないという点及び忌避効率が低くかつ香りの嗜好性で劣る高沸点成分が多く抽出されてしまう点で好ましくない。また、95キロパスカル以上では、原料の温度が高くなるため、エネルギーロスが大きく、原料の酸化も促進されてしまうという点で好ましくない。
また、蒸留時間は、0.2ないし8時間程度、好ましくは、0.4ないし6時間程度とすれば良い。0.2時間以下では植物中の未抽出成分が多く残存してしまい、8時間以上では原料が乾固に近い状態となってしまうため、抽出効率が低下するという点で好ましくない。
更に、蒸留槽2内に導入する気体としては、空気でもかまわないが、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等の不活性ガスが好ましく、その流量としては、1分当たりの流量が、蒸留槽2の0.001ないし0.1容量倍程度とすれば良い。
本発明の筋硬度低減剤における有効成分として、以上のようにして得られたマツ科モミ属に属する植物の搾汁液、抽出物または蒸留物をそのまま用いることもできるが、必要に応じて、常法により、更に濃縮したり、精製して使用してもよい。
本発明の筋硬度低減剤中のマツ科モミ属に属する植物の搾汁液、抽出物または蒸留物の含有量は、0.1〜20質量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、さらに好ましくは1.0〜5質量%である。含有量が0.1質量%より少ないと、筋硬度低減効果が十分に得られない場合があり、一方、含有量が20質量%より多いと皮膚刺激等が生じる場合がある。
本発明の筋硬度低減剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧品、医薬品などにおいて一般に用いられる各種成分、例えば油脂、ロウ類、エステル油、炭化水素油、シリコーン、界面活性剤、低級アルコール、保湿剤、水溶性高分子、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、酸化防止剤、抗菌剤、抗炎症剤および香料などを適宜配合することができる。
油脂としては、例えば、アマニ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、カカオ脂、牛脂、羊脂、豚脂、馬脂、硬化油および硬化ヒマシ油などが挙げられ、1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、カポックロウ、サトウキビロウおよびホホバロウなどが挙げられ、1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
エステル油としては、例えば、オクタン酸エステル、トリ−2−エチルヘキサエン酸グリセリン、イソオクタン酸エステル、ラウリン酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、イソステアリン酸エステル、イソパルミチン酸エステル、オレイン酸エステルおよびセバシン酸ジエステルなどが挙げられ、1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、プリスタン、パラフィン、イソパラフィン、セレシン、ワセリンおよびマイクロクリスタリンワックスなどが挙げられ、1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
シリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどの鎖状シリコーン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンおよびドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどが挙げられ、1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウムおよびモノオレイン酸ソルビタンなどが挙げられ、1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
低級アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールおよびブタノールなどが挙げられ、1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
保湿剤としては、例えば、ソルビトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンおよびジグリセリンなどが挙げられ、1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
水溶性高分子としては、例えば、アラビアゴム、トラガカントガム、ガラクタン、キャロブガム、グァーガム、キサンタンガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、ベントナイトおよびケイ酸アルミニウムマグネシウムなどが挙げられ、1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸などの安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸メチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンおよび2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられ、1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
金属イオン封鎖剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムおよびリン酸などが挙げられ、1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
pH調整剤としては、例えば、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素アンモニウムなどが挙げられ、1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
酸化防止剤としては、例えば、アスコルビン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエンおよびブチルヒドロキシアニソールなどが挙げられ、1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
抗菌剤としては、例えば、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリドおよびフェノキシエタノールなどが挙げられ、1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
抗炎症剤としては、例えばメントール、カンフル、酸化亜鉛、メフェナム酸およびその誘導体、フェニルブタゾンおよびその誘導体、インドメタシンおよびその誘導体、イブプロフェンおよびその誘導体、ケトプロフェンおよびその誘導体、ジクロフェナクナトリウム、ジフェンヒドラミン、トラネキサム酸およびその誘導体、デキサメタゾン、コルチゾンおよびそのエステル、ヒドロコルチゾンおよびそのエステル、プレドニゾン、プレドニゾロンなどの副腎皮質ホルモン、抗ヒスタミン剤、エイジツ、オウバク、カンゾウ、センキョウ、センブリ、ハッカ、ビワ、ラベンダー、ローズマリーなどの植物または植物に由来する成分などが挙げられ、1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
香料成分としては、例えば、ピネン、リモネン等の炭化水素系香料、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、メントール、ボルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール、β−フェネチルアルコール等のアルコール系香料、アネトール、オイゲノール等のフェノール系香料、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、シトラール、シトロネラール、ベンズアルデヒド、シンナミックアルデヒド等のアルデヒド系香料、カルボン、メントン、樟脳、アセトフェノン、イオノン等のケトン系香料、γ―ブチルラクトン、クマリン、シネオール等のラクトン系香料、オクチルアセテート、ベンジルアセテート、シンナミルアセテート、プロピオン酸ブチル、安息香酸メチル等のエステル系香料等が挙げられる。
本発明の筋硬度低減剤の剤型としては、例えば、軟膏状、ゲル状、スチック状、クリーム状、テープ状、パップ状およびローション状などの外用剤が好適であるが、素手で皮膚に直接塗擦する際にべたつかない点で特にゲル状が好ましい。
ゲル状の剤型とする場合、上記マツ科モミ属の植物の圧搾液、抽出物または蒸留物の他、ゲル化剤および水を含有する。
ゲル化剤としては、例えば、キサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、ペクチン、ポリエチレン、ビーズワックス、パラフィンおよびポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられ、1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。ゲル化剤の含有量は、ゲル化剤の種類にもよるが、一般的には0.01〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。ゲル化剤の含有量が0.01質量%より少ないと、ゲル組成物として十分な粘度を得ることが出来ない場合があり、また、ゲル化剤の含有量が10質量%より多いと、ゲル組成物として粘度が高すぎべたつきが生じる場合がある。
一方、水の含有量は特に制限されないが、べたつきのなさ等使用性の観点から、例えば、75.0〜99.5質量%が好ましく、80.0〜90.0質量%がより好ましい。
本発明の筋硬度低減剤は、公知の方法に従って製剤化することができ、例えば、上記有効成分及びその他の任意成分を、攪拌機などで均一になるまで撹拌することにより製造することができる。
本発明の筋硬度低減剤の用法としては、筋硬度を低減させたいまたは筋硬度の上昇を抑制したい部位に、適量を塗布、噴霧、貼付等して適用させればよく、運動など筋肉に負荷が加わる前に適用しても、その後に適用してもよいが、運動に伴って筋肉の緊張が生じる部位や、肩こり、腰痛の発生しそうな部位に、あらかじめ適用することが好ましい。
本発明において、「筋硬度低減」には、運動など筋肉に負荷を与えることに伴う筋硬度の上昇を抑制ないし緩和する効果、一定の負荷を与えた後の経時的な筋硬度の上昇を抑制ないし緩和する効果、負荷を与えない状態で既に生じている筋肉の緊張を弛緩させ筋硬度を低減する効果などが包含される。
以下に製造例、実施例及び製剤例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらに製造例等に何ら制約されるものではない。
製 造 例 1
原料として、トドマツの葉を用い、以下のようにしてトドマツ精油を得た。すなわち、トドマツ葉を圧砕式粉砕機(KYB製作所製)で粉砕したもの約50kgを、図1に示すマイクロ波蒸留装置の蒸留槽に投入し、攪拌しながら蒸留槽内の圧力を、約20KPaの減圧条件下に保持し、(蒸気温度は約67℃)1時間マイクロ波照射し蒸留した。得られた蒸留物から180g(約180mL)の油性画分を採取した。
実 施 例 1
下記調製法により調製し、ゲル状の筋硬度低減外用剤(本発明品)を得た。
(調製法)
カルボキシビニルポリマー(商品名:カーボポール941 BF Goodrich社製)0.4gを精製水16.6gに加え攪拌して膨潤させた。これに製造例1で得られたトドマツ蒸留物油性画分3.0gを加えて更に均一になるまで撹拌し、ゲル状外用剤を得た。
試 験 例 1:運動に伴う筋硬度の上昇抑制試験
運動による筋硬度の上昇を抑制する効果を確認する試験を行った。まず、被験者5名(男性3名、女性2名)の大腿四頭筋ひざ上20cmの場所をデジタル筋硬度計(NEUTON TDMーZ1(RB):(有)トライオール社製)にて測定した。その後、大腿四頭筋全体に実施例1で調製したゲル状外用剤(本発明品)を満遍なく塗り込み、塗布後5分経過後にスクワットを100回実施した。その後2分休息し、さらにスクワット100回を3セット実施した。3セット実施直後(0日経過後)、1日経過後、2日経過後、3日経過後の筋硬度を同様に測定した。スクワット前の筋硬度に対する経過日数ごとの筋硬度の変化率を下記式により算出した。結果を表1(筋硬度)及び3(筋硬度の変化率)、図2に示す。比較として、同じ被験者に対し、上記試験終了から1週間後、本発明品を塗布しなかったこと以外は上記試験と同様にして、スクワット3セットを実施し、筋硬度を測定してその変化率を求めた。結果を表2(筋硬度)及び4(筋硬度の変化率)、図2に示す。
Figure 2021046377
Figure 2021046377
筋硬度変化率(%)={(経過日数ごとの筋硬度−スクワット前の筋硬度)/スクワット前の筋硬度}×100
Figure 2021046377
Figure 2021046377
以上の結果より、本発明品を塗布しなかった場合はスクワット前と比べ、スクワット直後から筋硬度が上昇し、さらに経時的に徐々に上昇していく傾向が認められたのに対し、本発明品を塗布した場合は、スクワット前と比べ、スクワット直後、1日後、2日後、3日後のいずれの時点においても筋硬度に大きな変化が認められなかった。本発明品を適用することによって、運動時の筋肉の硬化を抑制し、運動後においても経時的な筋硬度の上昇を抑制ないし緩和していることが確認された。
試 験 例 2:筋硬度低減試験
実施例1で作成したゲル状外用剤を用いて筋弛緩作用による筋硬度低減効果を確認する試験を行った。被験者2名(男性)の右大腿四頭筋ひざ上20cmの場所を筋硬度計(TDM−NA1:(株)佐藤商事社製)にて測定した。その後、大腿四頭筋に実施例1で調製した本発明品を満遍なく塗り込んだ後、通常の生活をしてもらい、塗布1時間経過後、同じ場所の筋硬度を測定した。試験は間隔を開けて5回行い、平均値を求めた。結果を表5に示す。
Figure 2021046377
以上の結果より、本発明品を塗布することにより、負荷を与えない状態において、筋肉の緊張状態を緩和ないし弛緩させ、筋硬度を低減できることが確認された。
製 剤 例 1(スチック剤)
下記処方に基づき、下記調製法により、スチック状の筋硬度低減外用剤を調製した。
(処方)
(成分) (質量%)
1.ステアリン酸ナトリウム※1 7.0
2.乳酸ナトリウム50%水溶液※2 5.0
3.ポリエチレングリコール※3 30.0
4.イソプロパノール※4 15.0
5.精製水 39.3
6.製造例1のトドマツ蒸留物油性画分 3.0
※1・・・エフコメムAB:(株)ADEKA製
※2・・・和光純薬工業(株)製
※3・・・マクロゴール400:三洋化成工業(株)製
※4・・・和光純薬工業(株)製
(製法)
製造例1のトドマツ蒸留物油性画分を除く5成分を混合し、70〜90℃にて攪拌しながら30分間加熱還流した。さらに、製造例1のトドマツ蒸留物油性画分0.3gを加え撹拌し、得られた均一な溶液をスチック容器に入れ室温で固め、形状がスチック状である筋硬度低減剤を得た。この製剤を肩こり症の男性に肩に満遍なく塗布し、事務作業を行ってもらったところ、肩こり症状を緩和することができた。
製 剤 例 2(ハップ剤)
(処方)
(成分) (質量%)
1.製造例1のトドマツ蒸留物油性画分 0.075
2.サリチル酸メチル 1.500
3.l−メントール 4.500
4.ハッカ油 1.120
5.酢酸トコフェロール 0.500
6.dl−カンフル 1.800
7.紫雲膏 30.000
8.水酸化アルミニウム 0.100
9.ポリアクリル酸ナトリウム 7.000
10.カルボキシメチルセルロースナトリウム 2.500
11.カルボキシビニルポリマー 1.000
12.グリセリン 12.000
13.酸化チタン 1.000
14.ソルビトール 15.000
15.精製水 残 量
(製法)
カルボキシビニルポリマーを精製水に膨潤し、ソルビトールを加えて攪拌する。これにポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウムをグリセリンに分散させた混合物を投入して混練し、パップ剤基剤組成物を得た。次に紫雲膏を加熱溶解し、それに製造例1のトドマツ蒸留物油性画分以下dl−カンフルまで(成分1〜6)を加え攪拌溶解し、パップ剤基剤組成物に投入して混練し、パップ剤基剤を得た。得られたパップ剤基剤を展延機により支持体上に均一に展延塗布し、剥離ライナーを重ねて所定の形状に裁断することによりパップ剤を得た。
本発明の筋硬度低減剤は、既に生じている筋肉の緊張を緩和・弛緩できるとともに、事前に塗布することにより筋硬度の上昇を抑制することができるため、肩こりや腰痛などの予防・改善を目的とする医薬品、医薬部外品等として有効に利用できるものである。
1 … … マイクロ波蒸留装置
2 … … 蒸留槽
3 … … マイクロ波加熱装置
4 … … 撹拌はね
5 … … 気流流入管
6 … … 蒸留物流出管
7 … … 冷却装置
8 … … 加熱制御装置
9 … … 減圧ポンプ
10 … … 圧力調整弁
11 … … 圧力制御装置
12 … … 蒸留対象物
13 … … 蒸留物
13a… … 油性画分
13b… … 水性画分

Claims (6)

  1. マツ科モミ属の植物の圧搾液、抽出物または蒸留物を有効成分として含有することを特徴とする筋硬度低減剤。
  2. 前記マツ科モミ属の植物がトドマツである請求項1に記載の筋硬度低減剤。
  3. 前記マツ科モミ属の植物の圧搾液、抽出物または蒸留物の含有量が、0.1〜20質量%である請求項1または2記載の筋硬度低減剤。
  4. 前記マツ科モミ属の植物として、マツ科モミ属の植物の枝及び/または葉の部分を用いるものである請求項1〜3のいずれかの項に記載の筋硬度低減剤。
  5. ゲル状である請求項1〜4のいずれかの項に記載の筋硬度低減剤。
  6. 外用剤である請求項1〜5のいずれかの項に記載の筋硬度低減剤。
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