JP7398589B1 - ショウガ成分含有疼痛緩和用外用剤 - Google Patents

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【課題】本発明は臭気と皮膚刺激性の少ないショウガ抽出物を作成し、それを用いた疼痛緩和用外用剤を提供するものである。【解決手段】本発明は、乾燥させたショウガ(乾姜)を植物油で抽出した抽出液を50重量%以上含む外用剤であって、6-ショウガオールを10~200ppm含有することを特徴とする外用剤である。臭気や皮膚刺激性が少なく、ローションやクリーム剤として外用することで特に神経障害性疼痛や冷感の緩和に好適に使用できる。【選択図】図1

Description

本発明は、ショウガ成分を含有する疼痛緩和のための外用剤に関するものである。
ショウガは古くから食用の他、風邪薬、健胃消化薬、鎮吐薬、鎮痛薬などとして漢方薬に配合されている。内服時の発熱、発汗作用、抗炎症作用等は良く知られており、風邪薬や健康食品等にも応用されている。これらの作用のうち、抗炎症作用については現在まで分子生物学的な機序はハッキリしていなかったが、近年6-ショウガオールに神経細胞を酸化ストレスから保護する作用があることが報告されており(非特許文献1)、そのような保護作用による作用の可能性が示された。ショウガを用いた外用剤も開発されているが一般的ではなく、血流改善による皮膚の老化防止や、保湿機能の向上などが期待されている程度である(特許文献1)。
ショウガの抽出方法としては、他の植物由来の抽出物と同様、有機溶媒による抽出か水蒸気蒸留が一般的である。一般的なショウガエキスと呼ばれるものは、エタノール等の親水性有機溶媒で生または乾燥したショウガの根茎を抽出し、それを濃縮したものである。ショウガのエッセンシャルオイルとして販売されているものは、ショウガの根茎を水蒸気蒸留して得られる精油である。これらの抽出物は非常に強い刺激臭を持つという特徴がある。ショウガにはシネオールやジンギベレン等の臭気のある成分が含まれており、これらはアルコール可溶性であり低沸点な化合物である。したがって、一般的な抽出方法ではこれらの臭気成分が濃縮されてしまい、必然的に刺激臭が強くなってしまうという欠点があった。
一方、我々は尋常性白斑の治療薬を探索する過程で、ショウガのゴマ油抽出物を発見したが(特許文献2)、この抽出物には従来の抽出物にあるような刺激臭はなかった。尋常性白斑の改善の機序は、ショウガの含有成分の1つである6-ショウガオールがメラノサイトを酸化ストレスから保護する作用が一因であると推定されている(非特許文献2)。メラノサイトと神経細胞は類似の細胞であるため、このような細胞をストレスから保護する作用は、神経の炎症抑制や疼痛緩和にも効果があると考え検討することとした。疼痛緩和用の外用剤としては、ケトプロフェンやイブプロフェンなど多種の有効成分が知られているが、帯状疱疹後神経痛などの神経障害性疼痛に関しては、今でも有効な鎮痛外用剤というものは少ないため、アンメットニーズが少なからず存在する。
特開2015-214519号 特開2019-73448号
Phtother.Res,Vol.27,ISSUE 12,2013,1795 Int.J.Mol.Sci,Vol.21,ISSUE10,2020,3537
本発明は臭気や皮膚刺激性の少ないショウガ抽出物を作成し、それを用いた疼痛緩和用外用剤を提供するものである。
本発明者は鋭意研究を重ねたところ、植物油を用いて乾燥させたショウガを抽出することにより、臭気や刺激性の少ない抽出物を得ることができ、外用剤に好適に使用できることを見出した。これはショウガの臭気の元である化合物の多くが親水性であるため抽出されにくく、かつ植物油の沸点が高いことにより、混合蒸気による臭気成分の拡散が起こりにくいことが理由であると考えられる。
本発明は、当該知見に基づいて完成されたものであり、以下の態様を含む。
項1.乾燥させたショウガ(乾姜)粉末を非焙煎ゴマ油を用いて抽出し、抽出後の乾姜粉末をろ過によって除去することを特徴とする抽出液を、50重量%以上含む外用剤であって、6-ショウガオールを10~200ppm含有することを特徴とする疼痛緩和用外用剤
項2.請求項1に記載の外用剤であって、シアバターを含むことを特徴とする外用クリーム剤
本発明によれば、臭気の少ないショウガ成分含有外用剤を得ることができ、神経障害性の疼痛緩和等の目的に好適に使用できる。
図1は実施例で作成した疼痛緩和用外用剤の構成要素をまとめたものである。 図2は実施例で作成した疼痛緩和用外用剤の効果をまとめたものである。
1.外用剤
本発明にかかる外用剤は、乾燥させたショウガ(乾姜)を、植物油を用いて抽出した抽出液を含む。抽出原料には抽出効率や保存安定性の観点から乾姜の乾燥粉末を用いることが好ましい。乾姜の乾燥粉末については、国内の漢方薬局から容易に調達することが可能である。
抽出のための溶媒は、植物油であれば特に制限されない。例えば、オリーブオイル、グレープシードオイル、ゴマ油等が挙げられるが、皮膚との親和性や品質面での安定性、凝固点の点からゴマ油が好ましい。ゴマ油としては、制限されないが、焙煎していないゴマ油を使用することが好ましい。焙煎したゴマ油は、加熱(150℃~220℃程度)や脱臭の加工により成分が変性してしまうため、可能な限り搾油後の処置をしない油を選択するのが好ましい。
本発明においては、抽出操作を行う前に、使用する植物油を80~130℃で10~30分程度加熱処理するのが好ましい。この処理により、刺激性のある揮発分を除去できることが期待される。
本発明の抽出液は、植物油に乾姜を浸漬し、30分~24時間程度、好ましくは6~8時間程度、常温(15℃~35℃程度)で放置し、その後、濾過により固形物を除去して液層を回収することにより得ることができる。抽出時の乾姜と植物油の比率は、乾姜1重量部に対して植物油10~100重量部に調整することが好ましい。
抽出液中における乾姜から抽出される成分の濃度は、抽出時の乾姜と植物油の量比と正の相関があるが、一般的には溶質の比率が溶媒に対して大きくなりすぎると、溶質側に残留する割合が大きくなるため抽出効率が低下する。上記の量比が小さすぎると成分の抽出量が少なすぎて有効成分濃度が薄くなり、大きすぎても抽出効率の低下によって有効成分がそれほど抽出されなくなるため、その量比は1:10~100程度とするのが好ましい。
抽出される成分のすべてを管理することは技術的に困難であるため、有効性の指標となる化合物濃度を代表値として管理することが好ましい。抽出液中の濃度の指標として6-ショウガオールを代表値とする場合、その濃度は10ppm以上、200ppm以下とすることが好ましい。6-ショウガオールの濃度は原料となる乾姜に含まれる量および抽出時の植物油との量比に依存するため、原料ごとの管理が必要となる。また本発明の抽出方法においては、溶剤の揮発による濃縮が技術的に困難であるため、抽出液に含まれる6-ショウガオールの濃度には上限がある。実験により求めた乾姜と一般的な植物油間での6-ショウガオールの分配係数と、乾姜に含まれる6-ショウガオールの文献値を参照して検討を行ったところ、本発明の抽出方法によって200ppmを超える6-ショウガオールを抽出するのは技術的に困難であった。
前述しているように、6-ショウガオールには神経細胞を酸化ストレス等の障害から保護する作用が報告されており、帯状疱疹後神経痛や関節痛のように神経細胞そのものや近縁の細胞の炎症によって生じる神経組織へのストレスを軽減し、疼痛を緩和する作用が期待される。上記の濃度範囲において個人差はあるものの疼痛緩和の効果が得られる。
例えば植物油やエタノールなどのキャリアに、6-ショウガオールを含有するアルコール抽出物やエッセンシャルオイルを混合することにより、同様の組成物を得ることは可能であるが、これらの抽出物やエッセンシャルオイルには臭気成分を含む刺激成分が多く含まれているため、非常に皮膚刺激の強い組成物となってしまい実用に耐えないものとなる。このような理由のため、本発明の外用剤は乾姜を植物油で直接抽出して外用剤を得る。
本発明の外用剤は、上記抽出液を希釈せずに用いるか、上記の抽出液を下記基剤原料と混合することにより調製することができる。本発明の外用剤の剤形として、クリーム、液剤を挙げることができる。好ましくは油性クリーム剤である。
基剤原料は、疎水性であることが好ましい。本発明の外用剤は、ゴマ油によって有効成分の皮膚内への浸透が促進されることが期待される。また、疎水性基剤よって有効成分が皮膚のバリア機能を通過しやすくなることが期待される。このため、これらの作用を妨げないよう、本発明の外用剤には、過剰な水分や水分と疎水性の基剤原料を乳化させるような界面活性剤は用いないことが好ましい。
本発明の外用剤の基剤原料は、医薬品、医薬部外品及び化粧品を調製するために使用されるものであれば特に制限されない。
基剤原料としては、油脂類(アボガドオイル、ツバキ油、米ぬか油、サフラワーオイル、大豆油、コーン油、ナタネ油、杏仁油、パーシック油、ヒマワリ油、桃仁油、コットンシードオイル、ココナッツ油、小麦胚芽油、米胚芽油、月見草油、ハイブリットヒマワリ油、マカデミアナッツオイル、メドウファームオイル、ヘーゼルナッツオイル、オリーブオイル、ひまし油、ゴマ油、アーモンドオイル、グレープシードオイル、シアバター、パーム核油、パーム油、ヤシ油、カカオ脂、木ロウ、アルガンオイル、ローズヒップオイル、ミンク油、タートル油、卵黄油、牛脂、乳脂、豚脂、馬油等)、炭化水素類(植物性スクワレン、植物性スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワセリン、スクワレン、スクワラン、流動パラフィン、パラフィン、軟質イソパラフィン、流動イソパラフィン、流動ポリイソブチレン、水添ポリイソブチレン、オゾケライト、セレシン、合成スクワラン、α-オレフィンオリゴマー、ポリブテン、ポリエチレン等)、脂肪酸エステル類(ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸エチル、パルミチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミスチリン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、ステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、トリカプリリン、トリミリスチン、トリオクタノイン、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸エチル、エチルヘキサン酸セチル、エチルヘキサン酸ステアリル、トリエチルヘキサン酸グリセリル、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン等、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、イソステアリン酸イソセチル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、クエン酸トリオクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル等)、ロウ類(ミツロウ、ラノリン、還元ラノリン、ホホバ油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、米ぬかロウ、オレンジラフィー油、セラック、モンタンロウ等)、高級脂肪酸(ラウリル酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、エチルヘキサン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸、イソトリデカン酸、イソノナン酸、ペンタデカン酸等)、高級アルコール(ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、セタノール、コレステロール、イソコレステロール、シトステロール、スチグマステロール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール等)、シリコーンオイル等が挙げられる。
基剤原料として好ましくは、油脂類(アボガドオイル、ツバキ油、米ぬか油、マカデミアナッツオイル、ヘーゼルナッツオイル、オリーブオイル、ひまし油、ゴマ油、アーモンドオイル、グレープシードオイル、シアバター、パーム核油、パーム油、ヤシ油、カカオ脂、木ロウ、アルガンオイル、ローズヒップオイル)、炭化水素類(植物性スクワレン、植物性スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワセリン、スクワレン、スクワラン、合成スクワラン)、及びロウ類(ミツロウ、ラノリン、還元ラノリン、ホホバ油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、米ぬかロウ)からなる群から選択される少なくとも一種である。基剤原料としてより好ましくは、ゴマ油、スイートアーモンドオイル、植物性スクワラン、スクワラン、ワセリン、ミツロウ、シアバター、ホホバ油等である。基剤原料としてさらに好ましくはシアバターである。シアバターの軟化点は体温に近いため、混合物が非常に肌になじみやすく好適である。
抽出液を基剤原料で希釈する場合には、前記抽出液の含有量は、外用剤全体の量を100重量%とした場合、50~80重量%の範囲で含まれればよい。希釈の目的はクリーム状とするための増粘であり、シアバターやミツロウのような固形成分を20~50重量%含有させることで、目的とする粘度・軟化点の外用剤を調整することが可能となる。
本発明の外用剤は植物油がベースとなっているため、抗酸化剤であるビタミンE化合物を含むことが好ましい。ビタミンE化合物としては、トコフェロール、酢酸トコフェロール、トコフェリン、酢酸トコフェリン等を挙げることができる。ビタミンE化合物の含有量は、外用剤全体の量を100重量%とした場合、同成分が0.01~5重量%の範囲で含まれればよい。
本発明の外用剤は、抗炎症効果、抗菌効果、抗真菌効果、創傷治癒効果、肌荒れ防止効果、皮脂分泌抑制効果等を有するショウガ以外の植物抽出物(精油、浸出油、乾燥エキス等)、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤等の添加剤を含んでいてもよい。
乾姜以外の植物抽出物としては、カレンデュラ抽出物(花の精油、浸出油、チンキ、エキス等)、アルニカ抽出物(花の浸出油等)、セージ抽出物(葉の精油、浸出油、チンキ、エキス等)、ローズマリー抽出物(葉の精油、浸出油、チンキ、エキス等)、ティートリー抽出物(葉の精油等)、ニーム抽出物(実の核から圧搾機で絞ったニームオイル等)、バードック抽出物(根の浸出油、エキス等)、ユーカリ抽出物(葉の精油等)、ラベンダー抽出物(花の精油、チンキ、エキス、芳香蒸留水等)、レモンバーム抽出物(葉の精油等)、ドクダミ抽出物(葉のチンキ、エキス等)、ハトムギ抽出物(実のエキス、チンキ等)、ヒース抽出物(花のエキス、チンキ等)、エキセアナ抽出物(全草のチンキ、エキス等)、ウスベニアオイ抽出物(花又は葉のエキス、チンキ等)、ジャーマンカモミール(抽出物花の精油、チンキ、エキス等)、マシュマロウ抽出物(根又は葉のエキス等)、ヤロー抽出物(花の精油、エキス、チンキ等)を挙げることができる。好ましくは、カレンデュラ抽出物(特にカレンデュラオイル)、ティートリー抽出物(葉の精油)、ドクダミ抽出物(特に葉のチンキ、エキス)、ハトムギ抽出物(実のエキス、チンキ等)であり、特に好ましくはカレンデュラオイルである。有効成分濃度を調整する目的で、少量のジンジャー抽出エキスの添加は可能である。
これらの植物抽出物は、公知の方法に従って調製してもよいが、株式会社生活の木、ナチュラスサイコス(ハーバルインデックス有限会社)、株式会社ニールズヤードレメディーズ等から購入することができる。
殺菌剤又は防腐剤としては、安息香酸、デヒドロ酢酸、フェニルエタノール、フェノキシイソプロピルアルコール、ヒドロキシ安息香酸エステル類、クロルクレゾール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、プロピレングリコール、パラオキシ安息香酸エステル、ソルビテン酸、チモール等を挙げることができる。
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アルブチン、コウジ酸、エラグ酸、ルシノール、ビタミンC及びその誘導体、リノール酸等を挙げることができる。
乾姜以外の植物抽出物の含有量は、抽出物が乾燥エキスの場合には、外用剤全体の量を100重量%とした場合、当該乾燥エキスが0.001~5重量%の範囲で含まれればよく、当該乾燥エキスの含有量の下限値として、好ましくは0.01重量%、より好ましくは0.05重量%である。当該乾燥エキスの含有量の上限として、好ましくは2重量%、より好ましくは1重量%である。
乾姜以外の植物抽出物が、浸出油の場合には、外用剤全体の量を100容量とした場合、当該植物抽出物が5~50容量の範囲で含まれればよく、含有量は剤形の形状を維持できる範囲において調製することができる。当該植物浸出油の含有量の下限値として、好ましくは20容量である。当該植物抽出物の含有量の上限として、好ましくは50容量である。
乾姜以外の植物抽出物が、精油の場合には、外用剤全体の量を100容量とした場合、当該植物抽出物が0.01~1容量の範囲で含まれればよく、含有量は剤形の形状を維持できる範囲において調製することができる。当該植物浸出油の含有量の下限値として、好ましくは0.1容量である。当該植物抽出物の含有量の上限として、好ましくは0.3容量である。
このほかに添加剤として、紫外線吸収剤(パラアミノ安息香酸及びその誘導体、ケイ皮酸及びその誘導体、ベンゾフェノン及びその誘導体、サリチル酸及びその誘導体等)、紫外線散乱剤(酸化チタン、酸化亜鉛等)、生体成分(コラーゲン、ヒアルロン酸、セラミド、ホルモン、胎盤抽出物等)を含んでいてもよい。
また、本発明の外用剤には、必要に応じて色材や香料(ローズ、ゼラニューム、ラベンダー、ハッカ、レモン、ネロリ、グレープフルーツ、オレンジ等の精油等)、pH調整剤(リン酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、乳酸、ジイソプロパノールアミン、酢酸、酢酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム等)を添加してもよい。
殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、生体成分等の添加剤は、外用剤の0.00001~10重量%の範囲の間で適宜添加することができる。
各剤形の基剤に含まれる各原料の含有量は、調製しようとする剤形を維持できる範囲において適宜設定することができる。
2.外用剤の調製方法
本発明の外用剤は、公知の方法等によって調製することができる。例えば、本発明の抽出液を約60~80℃加熱して、上記原料あるいはその他の抽出物を加えて5~10分程度混合し、ビタミンE化合物、精油等の添加剤を加えて撹拌後、不溶物等を濾過すれば液剤を得ることができる。ミツロウなどの高融点基材を加えておけば、冷却後にクリームなどの形態の外用組成物を調整可能である。
3.外用剤の用途及び治療方法
本発明の外用剤は、医薬品、医薬部外品、化粧品として使用することができる。ここで、化粧品には、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に規定される薬用化粧品(有効成分が配合された化粧品)が含まれる。
本発明の外用剤は、ショウガの含有成分による神経細胞保護作用等による疼痛緩和や、発熱・発汗・血流向上の作用による、保湿・皮膚機能の維持が期待される。
以下本発明の実施例を示すが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
外用剤の調製
以下に記載の実施例1~4、および比較例1~2に従い外用剤の配合を行った。使用した乾姜は漢方薬局、ゴマ油はサミット精油(株)より購入した。トコフェロールおよび各種精油類は、一般的に化粧品原料として市販されているものを購入した。
実施例1
ゴマ油100gを80℃で30分予備加熱を行った。その後加熱を止め、乾姜粉末1gを加え、自然放冷を行いながら24時間放置した。得られた抽出液にトコフェロール0.3gを加え、室温で10分撹拌し溶解させた。溶解後、1μmの粒子をカットできるフィルターで抽残渣を除去し外用剤1を得た。得られた外用剤1のショウガ由来成分の含有量を(財)日本食品分析センターに委託して高速液体クロマトグラフィーにより分析した。その結果、6-ショウガオールの濃度は17ppmであった。
実施例2
ゴマ油100gを80℃で30分予備加熱を行った。その後加熱を止め、乾姜粉末10gを加え、自然放冷を行いながら24時間放置した。この抽出液にトコフェロール0.3gを加え、室温で10分撹拌し溶解させた。溶解後、1μmの粒子をカットできるフィルターで抽残渣を除去し外用剤2を得た。得られた外用剤2の6-ショウガオールの濃度は77ppmであった。
実施例3
ゴマ油100gを80℃で30分予備加熱を行った。その後加熱を止め、乾姜粉末3gを加え、自然放冷を行いながら24時間放置した。この抽出液にトコフェロール0.3gを加え、室温で10分撹拌し溶解させた。溶解後、1μmの粒子をカットできるフィルターで抽残渣を除去し外用剤3を得た。得られた外用剤3の6-ショウガオールの濃度は35ppmであった。
実施例4
実施例3で得られた外用剤2を100g、ガラス容器に入れ、シアバター15gとミツロウ15gを加え、加熱して70℃で10分程攪拌し、シアバターとミツロウを完全溶解させたあと冷却し、クリーム状の外用剤4を得た。得られた外用剤4の6-ショウガオールの濃度は60ppmであった。
比較例1
ゴマ油100gを80℃で30分予備加熱を行った。市販のショウガ精油(株式会社インセント製)を0.1g添加し、比較剤1とした。
比較例2
ゴマ油100gを80℃で30分予備加熱を行った。市販のショウガ精油(株式会社インセント製)を0.5g添加し、比較剤2とした。

各外用組成物の構成を図1に示す。

評価方法
ボランティア5名に実施例1~5および比較例1~2の外用剤を疼痛部に外用してもらい、温かく感じるか(温感)と疼痛の緩和効果、および使用後の臭気があるかについてアンケートを行った。その結果、実施例1については、5名中3名が効果を感じると回答し、2名は効果を感じないと回答した。実施例2~5については全員が効果を感じると回答した。使用後の臭気については、実施例1~5すべてに対して、“臭いはない”または“気にならない”と回答した。一方比較例1~2については、全員が効果を感じず、使用後に強い刺激臭があると回答した。

評価の結果を図2に示す。
今回の評価の結果について、その効果を単一の成分に帰属させるのは困難であるが、発明者らは6-ショウガオールが有効成分の一つであると考えている。したがって、抽出において6-ショウガオールの濃度を管理対象としている。本発明の抽出方法は、刺激臭の元になる成分が相対的にかなり少ないことが特徴であり、そのためか外用時の副反応はなく臭気も気にならないレベルであった。臭気が少ないため、他の精油類を添加することで外用剤の匂いを調整可能である。また基材が親油性であるため皮膚への浸透が速いためか、効果に即効性があった。

Claims (2)

  1. 乾燥させたショウガ(乾姜)粉末を非焙煎ゴマ油を用いて抽出し、抽出後の乾姜粉末をろ過によって除去することを特徴とする抽出液を、50重量%以上含む外用剤であって、6-ショウガオールを10~200ppm含有することを特徴とする疼痛緩和用外用剤
  2. 請求項1に記載の外用剤であって、シアバターを含むことを特徴とする外用クリーム剤
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