JP2015117193A - 環状アルキレン基を有するジカルボン酸 - Google Patents

環状アルキレン基を有するジカルボン酸 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、多価カルボン酸のうち、特に電解コンデンサ用電解液の電解質成分として有用なジカルボン酸及びこれを用いた電解コンデンサ用電解液並びに電解コンデンサの提供を課題とする。
【解決手段】 本発明の課題は、下記式(1)で表される環状構造を含有する新規なジカルボン酸によって解決される。
Figure 2015117193

(式中、R〜R及びZは、それぞれ特定の基を表し、nは、特定の範囲のメチレン基の個数を表す。なお、このジカルボン酸化合物の炭素数の合計は10以上50以下である。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、例えば、電解コンデンサのような電気化学デバイス用電解液の電解質等として有用な新規ジカルボン酸に関する。
分子内にカルボキシル基を多数有する多価カルボン酸において、例えば、2つのカルボキシル基を有するジカルボン酸については、既に電解コンデンサ電解液の電解質として、その有用性が知られている化合物がある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特開2005−072182号公報 特開平10−120616号公報
しかしながら、このようなジカルボン酸のうち、電解コンデンサ用電解液成分として報告されている多くの化合物は、例えば、特許文献2等に記載されているようなシクロヘキサノン類を原料に使用して製造された直鎖状又は分岐鎖状のアルキレンジカルボン酸が中心で、分子中に環状アルキレン基を有するジカルボン酸についてはほとんど知られていない。
そこで、本発明は、高い火花開始電圧、高い電気伝導度を有し、かつ低温での動作中においても結晶(固体)が析出しにくい電解液用の電解質として、特にアルミニウム電解コンデンサ用電解液に使用可能な電解質として有用なジカルボン酸の提供を課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、上記課題が、次の[1]〜[11]の発明技術を有する、新規な環状アルキレン基を有するジカルボン酸によって解決されることを見出し、本発明に至った。
[1] 下記式(1)で表される、環状アルキレン基を有するジカルボン酸。
Figure 2015117193
(式(1)中、
〜Rは、それぞれ、水素原子、フッ素原子、水酸基及びフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基からなる群より選ばれる一つの置換基を表す。なお、RとR及びRとRは、それぞれ異なっていても又は互いに同一であってもよく、RとR、RとR又は2つのRは一緒になってオキソ基(=O)、チオキソ基(=S)を形成してもよい。さらに、RとR、RとR又は2つのRが結合して形成した、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、環状アセタール基又は環状チオアセタール基を形成してもよい。
Zは、下記式(Z−1)〜(Z−6)に示す2価の脂環連結基を示す。
Figure 2015117193
〔式(Z−1)中、R及びRは、それぞれ、水素原子、フッ素原子、水酸基及びフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基からなる群より選ばれる一つの置換基であり、式(Z−4)中、Rは、水素原子、フェニル基、一個以上のニトロ基若しくはメトキシ基で芳香族環が置換されていてもよいベンジル基、ジフェニルメチル基又はトリチル基、及びフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基からなる群より選ばれる一つの置換基である。なお、波線を付した結合は、環状アルキレン基の炭素との結合部位である。〕
nは、メチレン基の個数を表し、0又は1〜7の整数を表す。但し、式(1)で表される化合物の炭素数は10以上50以下である。)
[2] 下記式(1−a)〜(1−h)で示される、前記[1]に記載の式(1)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸。
Figure 2015117193
(式(1−a)〜(1−h)中、R1a、R2a及びR4a〜R8aは、それぞれ、水素原子、フッ素原子、水酸基、フッ素原子で置換されていてもよいメチル基若しくはエチル基からなる群より選ばれる一つの置換基である。また、nは、それぞれ、0又は1である。)
[3] 下記式(1M)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸又はその塩を一種以上含有する、電気化学デバイス用電解質組成物。
Figure 2015117193
(式(1M)中、R〜R、Z及びnは、それぞれ、前記式(1)に記載のものと同じものを表わす。また、Mは水素原子又はアンモニウムイオン若しくは有機アミンイオンである。)
[4] 水とエチレングリコール及びγ−ブチロラクトンから選択された一種以上の有機溶媒との混合溶液に溶解する水とエチレングリコール又はγ−ブチロラクトンとの混合溶液に溶解する、前記[3]に記載の電気化学デバイス用電解質組成物。
[5] 水の含有量が30質量%以下である混合溶液に溶解する、前記[4]に記載の電気化学デバイス用電解質組成物。
[6] 電気化学デバイス用電解質組成物がアルミニウム電解コンデンサ用電解液である、前記[3]〜[5]のいずれか1つに記載の電解コンデンサ用電解質組成物。
[7] 前記[3]〜[6]のいずれか1つに記載の電気化学デバイス用電解質組成物を含有する、電気化学デバイス用電解液。
[8] 電気化学デバイス用電解液がアルミニウム電解コンデンサ用電解液である、前記[7]に記載の電解コンデンサ用電解液。
[9] 前記[3]〜[6]のいずれか1つに記載の電気化学デバイス用電解質組成物を0.01〜50質量%含有する、前記[8]に記載の電気化学デバイス用電解液。
[10] 前記[7]〜[9]のいずれか1つに記載の電気化学デバイス用電解液を用いて製造された、電解コンデンサ。
[11] 電解コンデンサがアルミニウム電解コンデンサある、前記[10]に記載の電解コンデンサ。
本発明の新規な環状アルキレン基を有するジカルボン酸は、その分子中の炭素数(合計炭素数)が10以上50以下の化合物である。本発明の新規な環状アルキレン基を有するジカルボン酸は、前記の総炭素数の範囲であることにより、水及び多くの有機溶媒に良好な溶解性を示すことから、例えば、電解コンデンサのような電気化学デバイス用電解液の電解質;洗剤、クリーニング剤のビルダー;潤滑油;水垢防止剤;エポキシ樹脂硬化剤;ポリマー用原料等として新たな有用性が期待される。特に、水溶液からの析出が少ない点で、アルミニウム電解コンデンサ用電解液の電解質成分等としての利用が期待される。
次に、本発明の環状アルキレン基を有するジカルボン酸について説明する。
<本発明の環状アルキレン基を有するジカルボン酸>
本発明の環状アルキレン基を有するジカルボン酸は、分子内に2つのカルボキシル基を有し、炭素数が10以上50以下である、下記式(1)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸である。
Figure 2015117193
水素原子、フッ素原子、水酸基及びフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基からなる群より選ばれる一つの置換基であり、RとR及びRとRは、それぞれ異なっても又は互いに同一であってもよい。そこで、炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基等を示し、さらに、これらのアルキル基の水素原子がフッ素原子に置換されていてもよい。
また、式(1)中、R〜Rは、RとR、RとR又は2つのRは一緒になってオキソ基(=O)、チオキソ基(=S)を形成してもよい。さらに、RとR、RとR又は2つのRが結合して、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、カーボネート基、チオカーボネート基、環状アセタール基(例えば、エチレンアセタール基、プロピレンアセタール基など)又は環状チオアセタール基(例えば、エチレンチオアセタール基、プロピレンチオアセタール基など)の環状骨格を形成していてもよい。
式(1)中、nは、環状アルキレン基中のメチレン基の個数を表し、0又は1〜7の整数を表す。
式(1)中、Zは、下記(Z−1)〜(Z−6)に示す2価の置換基を示す。
Figure 2015117193
式(Z−1)中、R及びRは、それぞれ、水素原子、フッ素原子、水酸基及びフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基からなる群より選ばれる一つの置換基である。
式(Z−4)中、Rは、水素原子、フェニル基、一個以上のニトロ基若しくはメトキシ基で芳香族環が置換されていてもよいベンジル基、ジフェニルメチル基又はトリチル基、及びフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基からなる群より選ばれる一つの置換基である。なお、波線を付した結合は、環状アルキレン基の炭素との結合部位である。
式(1)中、R又はRは、それぞれ異なるものであっても又は同一であってもどちらであってもよい。
上記より、式(1)中、R及びRとして、好ましくは水素原子、フッ素原子、水酸基、メチル基、エチル基、並びに、RとRが一緒になったオキソ基(=O)、チオキソ基(=S)及びRとRが結合して形成したシクロプロピル基である。
式(1)中、Rとして、好ましくは水素原子、フッ素原子、水酸基、メチル基、エチル基、並びに、2つのRが一緒になったオキソ基(=O)、チオキソ基(=S)及びRとRが結合して形成したシクロプロピル基である。
式(1)中、R及びRとして、好ましくは水素原子、フッ素原子、水酸基、メチル基、エチル基、並びに、RとRが一緒になったオキソ基(=O)、チオキソ基(=S)及びRとRが結合して形成したシクロプロピル基である。
式(Z−1)中、R及びRとして、好ましくは水素原子、フッ素原子、水酸基、メチル基、エチル基、並びに、RとRが結合したシクロプロピル基である。
式(Z−4)中、Rとして、好ましくはメチル基、エチル基、アリル基、ベンジル基、2−メトキシベンジル基、4−メトキシベンジル基、2,4−ジメトキシベンジル基、2−ニトロベンジル基、2,4−ジニトロベンジル基、トリチル基、ジフェニルメチル基、オキソ基(>N→O基)である。
式(1)中、nとして、好ましくは、0又は1であり、また、Zとして、好ましくは、式(Z−1)、式(Z−2)、式(Z−4)であり、より好ましくは、式(Z−1)又は式(Z−2)であり、特に好ましくはR及びRが共に水素原子、メチル基若しくはエチル基である(Z−1)又は式(Z−2)である。
従って、本発明の前記式(1)で示される環状アルキレン基を有するジカルボン酸として、好ましくは下記式(1−a)〜(1−l)が挙げられる。
Figure 2015117193
Figure 2015117193
(式(1−a)〜(1−l)中、R1a、R2a及びR4a〜R8aは、それぞれ、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子で置換されていてもよいメチル基若しくはエチル基からなる群より選ばれる一つの置換基である。また、nは、それぞれ、0又は1である。)
また、本発明の前記式(1)で示される環状アルキレン基を有するジカルボン酸として、より好ましくは下記(1−a)〜(1−d)が挙げられる。
Figure 2015117193
(式(1−a1)、式(1−b1)、式(1−c1)、式(1−h1)中、R1a、R2a、R4a及びR5aは、それぞれ、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子で置換されていてもよいメチル基若しくはエチル基からなる群より選ばれる一つの置換基である。)
本発明の式(1)で示される環状アルキレン基を有するジカルボン酸の分子中の炭素数の合計は、10以上50以下であるが、好ましくは8以上24以下、より好ましくは8以上18以下の化合物である。前記の炭素数の範囲であることにより、本発明の新規な環状アルキレン基を有するジカルボン酸は、水及び多くの有機溶媒並びにこれらの混合溶媒に良好な溶解性を示し易い。そこで、本発明の新規な環状アルキレン基を有するジカルボン酸の使用用途としては、例えば、電解コンデンサ用電解液の電解質;洗剤、クリーニング剤のビルダー;潤滑油;水垢防止剤;エポキシ樹脂硬化剤;ポリマー用原料等が期待される。特に、水溶液からの再析出が少ない点で、電解コンデンサ用電解液の電解質等としての使用が期待される。
<本発明の式(1)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸を用いた電気化学デバイス用電解質組成物、電解液、及び電解コンデンサ>
本発明の式(1)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸又はその塩は、電気化学デバイス用電解液の構成成分のひとつである電解質組成物として使用することができる。従って、本発明の範囲は、下記式(1M)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸及びその塩からなる群より選ばれる一種以上の化合物を含有する環状アルキレン基を有するジカルボン酸電解質組成物、並びにこの電解質組成物を用いた電気化学デバイス用電解液及び電解コンデンサに及ぶ。
Figure 2015117193
前記式(1M)中、R〜R、Z、nは、それぞれ、前記式(1)に記載のものと同じものを表わす。また、Mは水素原子又はアンモニウムイオン若しくは有機アミンイオンである。
ここで、本発明における電気化学デバイスとは、例えば、電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、イオンの電荷移動により充電/放電される電池、エレクトロルミネッセンスなどの固体表示素子、電流センサーやガスセンサーなどのセンサーなどが挙げられるが、特に、本発明の前記式(1M)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸又はその塩は、高い火花開始電圧と高い電気伝導度が期待されることから、アルミニウム電解コンデンサ用電解液の電解質成分としての使用が期待される。
[式(1M)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸又はその塩を含有する環状アルキレン基を有するジカルボン酸電解質組成物]
本発明の環状アルキレン基を有するジカルボン酸電解質組成物は、電気化学デバイス用電解液の電解質成分として有用な、前記式(1M)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸又はその塩を含有する組成物である。従って、前記式(1)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸のほか、例えば、当該ジカルボン酸のアンモニウム塩(アンモニウムイオン;NH +)や有機アミン塩(有機アミンイオン)等の式(1M)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸アミン塩化合物も含まれる。
ここで、式(1M)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸アミン塩化合物としては、式(1)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸アンモニウム;
メチルアミン、エチルアミン、t−ブチルアミン等の第一級アミンと式(1)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸との塩;ジメチルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン等の第二級アミンと式(1)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸との塩;トリメチルアミン、ジエチルメチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエチルアミン等の第三級アミンと式(1)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸との塩;テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等の第四級アンモニウムと式(1)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸のアニオンとの塩;1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジメチルイミダゾリニウム等のイミダゾリニウムと式(1)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸のアニオンとの塩;1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム等のイミダゾリウムと式(1)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸のアニオンとの塩;1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリジニウム等のテトラヒドロピリジニウムと式(1)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸のアニオンとの塩;1,3−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジニウム若しくは1,3−ジメチル−1,6−ジヒドロピリジニウム等のジヒドロピリジニウムと式(1)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸のアニオンとの塩などの式(1M)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸アミン塩化合物が挙げられる。なお、前記アミン塩化合物として、好ましくは前記式(1−a)〜式(1−l)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸のアンモニウム塩であり、より好ましくは、前記式(1−a1)〜式(1−d1)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸のアンモニウム塩である。
本発明の環状アルキレン基を有するジカルボン酸電解質組成物において、式(1M)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸電解質は、単独(1種類)の電解質であっても、または、これらの複数種類を混合した電解質であってもいずれであってもよい。すなわち、本発明の環状アルキレン基を有するジカルボン酸電解質は、環状アルキレン基を有するジカルボン酸及びその塩からなる群より選ばれる一種類以上の化合物を含有する組成物である。
[式(1M)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸又はその塩を含有する電解液]
本発明の環状アルキレン基を有するジカルボン酸電解液は、前記式(1M)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸又はその塩を含有する溶液である。従って、前記式(1)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸のほか、当該ジカルボン酸のアンモニウム塩(アンモニウムイオン;NH +)や有機アミン塩(有機アミンイオン)のようなアミン塩化合物を含んだ溶液である。
(電解質組成物の使用量)
本発明の電気化学デバイス用電解液における、環状アルキレン基を有するジカルボン酸電解質組成物の使用量は、電気化学デバイスの性能に悪影響を与えない量であれば、特に制限されない。
(溶媒種とその使用量)
本発明の環状アルキレン基を有するジカルボン酸電解質を含有する電気化学デバイス用電解液において、使用する溶媒は、本発明の式(1M)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸又はその塩を溶解できるものであれば、特に制限されない。
そこで、この電解液として使用することができる溶媒としては、例えば、水;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,4−ブタンジオール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブなどのアルコール類;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類; エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート類;メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、エチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、エチルアセトアミド、ジエチルアセトアミドなどのアミド類;アセトニトリルなどのニトリル類;ジメチルスルホキシドなどのオキシド類;スルホラン、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。なお、これらの溶媒は、単独で使用しても、複数種類を混合した混合溶媒として使用してもよい。また、本発明の電気化学デバイス用電解液に使用する溶媒(溶液)として、好ましくは水、エチレングリコール、及びγ−ブチロラクトンからなる群から選ばれる一種以上の溶媒、より好ましくは水とエチレングリコール又はγ−ブチロラクトンとの混合溶液が使用される。さらに、電解コンデンサ用電解液として水を使用する場合、電解液中の水の含有量は特に制限されないが、通常90質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは30質量%以下になるように使用する。
(その他添加物:電解コンデンサ用電解液)
本発明の電気化学デバイス用電解液では、前記環状アルキレン基を有するジカルボン酸電解質及び上記の溶媒のほか、例えば、漏れ電流の低減、耐電圧向上、ガス吸収等の目的で種々の添加剤を加えることができる。
そこで、例えば、添加剤としては、リン酸、リン酸エステル化合物、ニトロ化合物、ホウ酸、多価アルコール類、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンランダム共重合体、及びブロック共重合体に代表される高分子化合物が挙げられる。また、上記リン酸およびリン酸エステル化合物としては、例えば、オルトリン酸、ピロリン酸、次亜リン酸、次二リン酸、亜リン酸、二亜リン酸、ピロ亜リン酸、イソ次リン酸、次リン酸、リン酸ブチル、リン酸イソブチル、リン酸オクチル等があげられ、リン酸、及びリン酸エステル化合物の塩としてはアンモニウム塩、アルミニウム塩等が挙げられ、一方、ニトロ化合物としては、例えば、ニトロアニソール、ニトロアニリン、ニトロ安息香酸、ニトロトルエン、ニトロフェノール、ニトロベンジルアルコール、ニトロアセトフェノン等があげられる。さらに、前記環状アルキレン基を有するジカルボン酸電解質を含有する電解コンデンサ用電解液では、必要に応じて、電解液の電導度の増加および特性向上等を目的として、本発明の式(1a)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸又はその塩以外の、その他のカルボン酸又はカルボン酸の塩を添加することができる。このようなその他のカルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、デカン酸、安息香酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フタル酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、2−メチルアゼライン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、7−ビニルヘキサデセン−1,16−ジカルボン酸等のジカルボン酸、1,3,6−ヘキサン環状アルキレン基を有するジカルボン酸、1,3−ジメチル−13,9−ノナン環状アルキレン基を有するジカルボン酸等の環状アルキレン基を有するジカルボン酸などが挙げられる。さらに、前記カルボン酸の塩としては、前記、本発明の式(1)で示される環状アルキレン基を有するジカルボン酸の塩で使用される塩と同じ種類のものが挙げられる。
そこで、本発明の電気化学デバイス用電解液において、この電解液の溶質量と溶媒量は、例えば、電気化学デバイスが電解コンデンサの場合、その用途および定格電圧等によりそれぞれ異なるために、特に制限されないが、例えば、電解コンデンサ用電解質組成物の含有濃度が、通常0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.3〜20質量%である。
前記環状アルキレン基を有するジカルボン酸を含有する電解コンデンサ用電解液において、ハロゲン化物イオンが性能上に影響を与えないようなハロゲン化物イオンの量(ハロゲン化物イオン許容量)は、当該電解コンデンサ用電解液の総質量に対して、500ppm(0.05質量%)以下であることが好ましく、200ppm(0.02質量%)以下であることがより好ましく、150ppm(0.015質量%)以下であることがさらに好ましく、50質量ppm(0.005質量%)以下であることが特に好ましい。なお、ハロゲン化物イオン量の下限値は、0ppmである。この範囲内の許容量であれば、電極の腐食問題だけではなく、電解コンデンサ用電解液としても性能上に影響を与えないことが、本発明者の検討により、既に確認されている。
[本発明の式(1M)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸を含有する電気化学デバイス用電解コンデンサ]
本発明の式(1M)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸を含有した電解液は、電解コンデンサ、特にアルミニウム電解コンデンサ用電解液として有用性が期待されている。
また、本発明の環状アルキレン基を有するジカルボン酸を含有した電解液を使用した電解コンデンサは、その使用形態や使用用途が特に限定されることなく、例えば、陽極表面に酸化アルミニウムが形成された陽極(酸化アルミニウム箔)と陰極アルミニウム箔との間に、セパレーターを介在させて捲回することにより構成された捲き取り形のアルミニウム電解コンデンサ等が挙げられる。このようなアルミニウム電解コンデンサは、公知の方法で製造することができる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、実施例に示す材料、使用量、割合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。なお、塩素イオン濃度は、イオンクロマトグラフィーによって測定した(ダイオネクス社製;ICS-3000型)。
<参考例1;1−(シクロヘキ−1−エン−1−イル)ピペリジンの合成>
シクロヘキサノン948gとピペリジン1268gとをトルエン4000mLに溶解させ、p−トルエンスルホン酸・1水和物36.8gを添加した。次いで、この混合液を109〜123℃で21時間反応させた後、更にピペリジン200gとp−トルエンスルホン酸・1水和物4.3gを添加し、123℃にて38時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、減圧下トルエンを留去後、得られた残渣物を減圧蒸留(98〜111℃、12〜18torr)して、目的物である1−(シクロヘキ−1−エン−1−イル)ピペリジンを1040g得た(取得収率:65.2%)。得られた目的物の分析データは、以下のとおりである。
(分析データ)
1H-NMR(CDCl3, δppm) :1.4〜1.8(m, 10H) ,2.1〜2.2(m, 4H), 2.7〜2.9(m, 4H) , 4.7(t, 1H)
<参考例2;ジエチル 3,3’−(2−オキソシクロヘキサン−1,3−ジイル)ジプロパノエートの合成:式(1−b−Et)>
1−(シクロヘキ−1−エン−1−イル)ピペリジン930gをエタノール2820mLに溶解させ、これにアクリル酸エチル1425gを添加した。次いで、この混合液を81〜82℃で20時間反応させた後、さらに希塩酸水溶液(濃塩酸70.5mL+イオン交換水1415mL)を加えて81〜85℃で7時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却後、析出物をろ別し、ろ物とろ液を得た。得られたろ液は減圧濃縮し、濃縮残渣物にジエチルエーテル1500mLを投入して分液し、有機相溶液を抽出した。得られた有機相溶液は、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去後、さらに182℃(バス温)、減圧度3torrにして濃縮し、濃縮物を得た。得られた濃縮物と反応終了時のろ物を合せて50%エタノール水溶液9020mLを加え、50℃に加熱し、溶解させた後、イオン交換水465mLを添加した。室温まで放冷した後、内部温度5℃まで冷却した。析出した結晶をろ別し、ジエチル 3,3’−(2−オキソシクロヘキサン−1,3−ジイル)ジプロパノエート1182gを取得した(式(1−b1−Et):取得収率:70.4%)。得られた化合物の分析データは、以下のとおりである。
Figure 2015117193
(分析データ)
1H NMR(CDCl3, δppm) :1.2〜1.3(tr, 6H) , 1.3〜1.4(m, 2H) , 1.5〜1.6(m, 2H) , 1.7〜1.9(m, 2H) ,2.0〜2.2(m, 4H), 2.2〜2.5(m, 6H) , 4.1〜4.2 (q, 4H)
<実施例1:3,3’−(2−オキソシクロヘキサン−1,3−ジイル)ジプロパン酸の合成>
ジエチル 3,3’−(2−オキソシクロヘキサン−1,3−ジイル)ジプロパノエート600gとイオン交換水5880mLと8規定水酸化カリウム水溶液1250mLを加えて、22〜26℃で17時間反応させた。反応終了後、氷冷下にて反応液に濃硫酸516gを加え、18℃で30分攪拌した。析出物をろ別し、ろ過物をイオン交換水3000mLで4回洗浄した。このろ物を減圧下にて乾燥し、淡黄色固体330.7gを得た。
次に、得られた淡黄色固体のうち150gをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル量:450g、溶離液:クロロホルム/メタノール=9/1)にて単離精製し、3,3’−(2−オキソシクロヘキサン−1,3−ジイル)ジプロパン酸144.8gを得た。さらに、得られた3,3’−(2−オキソシクロヘキサン−1,3−ジイル)ジプロパン酸118gを超純水354mLに加熱溶解後、室温まで冷却して再結晶を行った。析出した結晶をろ別にて取得した後、これを87℃/1torrにて60時間乾燥して、下記式(1−b1−H)で表される3,3’−(2−オキソシクロヘキサン−1,3−ジイル)ジプロパン酸108gを得た。得られた化合物の分析データは、以下のとおりである。
Figure 2015117193
(分析データ)
水分量:957ppm
イオン分析値:ナトリウムイオン 1ppm
カリウムイオン 1ppm
塩素イオン 10ppm以下
硫酸イオン 10ppm以下
1H NMR(CDCl3, δppm) :1.2〜1.3(tr, 6H) , 1.3〜1.4(m, 2H) , 1.5〜1.6(m, 2H) , 1.7〜1.9(m, 2H) ,2.0〜2.2(m, 4H), 2.2〜2.5(m, 6H) , 4.1〜4.2 (q, 4H) , 12.0 (brs, 2H)
<実施例2:3,3’−(シクロヘキサン−1,3−ジイル)ジプロパン酸の合成>
エチレングリコール1500mLと85%水酸化カリウムを混合し、75℃まで加熱した(このとき、水酸化カリウムはほぼ溶解した。)。この溶液に実施例1で合成した3,3’−(2−オキソシクロヘキサン−1,3−ジイル)ジプロパン酸180g(式(1−b1)及び無水ヒドラジン50mLを加え、97〜106℃にて2時間反応させた。その後、還流冷却器を外して、108〜181℃で4時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、イオン交換水2500mLで希釈した後、98%硫酸193gを加え水溶液を得た。得られた水溶液に、酢酸エチル1500mL用いて4回抽出した(計6L)。得られた酢酸エチル相溶液を混合して、5%炭酸水素ナトリウム水溶液2500gで2回洗浄し、アルカリ性水溶液を得た。得られたアルカリ性水溶液に活性炭5gを加え、室温で30分攪拌した後、活性炭をろ別し、活性炭処理水溶液を得た。得られた活性炭処理水溶液に濃硫酸154gを加えて、液性をpH2.0(酸性)に調製し、ジエチルエーテル1500mLを用いて2回抽出した。得られたジエチルエーテル相溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮して白色固体の粗3,3’−(シクロヘキサン−1,3−ジイル)ジプロパン酸162.6gを得た。得られた粗3,3’―(シクロヘキサン−1,3−ジイル)ジプロパン酸をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル量:486g、溶離液:クロロホルム/メタノール=9/1)にて単離精製し、3,3’―(シクロヘキサン−1,3−ジイル)ジプロパン酸161.5gを結晶として得た。
最後に、得られた結晶のうち141gをナスフラスコに入れ、80〜90℃にて60時間減圧乾燥した。乾燥終了後、冷却後、結晶をナスフラスコから取り出し、乳鉢で粉砕して、目的物である下記式(1−a1−H)に記載の3,3’−(シクロヘキサン−1,3−ジイル)ジプロパン酸135.4gを得た。
Figure 2015117193
(分析データ)
水分量:931ppm
イオン分析値:ナトリウムイオン 5.3ppm
カリウムイオン 1ppm以下
塩素イオン 10ppm以下
硫酸イオン 10ppm以下
1H NMR(DMSO-d6, δppm) : 0.48-1.75(m, 14H), 2.15-2.25(m, 4H), 11.96 (brs, 2H)
<参考例3:その他化合物>
前記参考例1に記載のシクロヘキサノンの代わりに、例えば、ピラン−4−オンなどの前記式(Z−1)〜(Z−6)に示す2価の脂環連結基を有する環状ケトン化合物を使用して、参考例1、参考例2及び実施例1の順で同様に製造していくことで、本発明の式(1)を有する環状アルキレン基を有するジカルボン酸を製造することができる。
<実施例3〜5:物性評価>
実施例1又は実施例2に記載のジカルボン酸、エチレングリコール及び水を、下記表1に記載の割合で混合した混合液を調製し、さらに、得られた混合液にアンモニアを加えて、pH6に調整した電解コンデンサ用電解液を得た。得られた電解コンデンサ用電解液は、アルミニウム箔を用いて10mA/cmの電流密度の定電流で化成した際の耐電圧を測定した(測定方法は、例えば、特開2005−302774など参照)。さらに、各電解液の室温及び−25℃での溶解性を目視で評価した。これらの結果を表1に併せて示す。
Figure 2015117193
*1:−25℃での溶解性の評価; ○:溶解, ×:固体析出,−:未検討。
本発明の環状アルキレン基を有するジカルボン酸を含有する電解液は、ハロゲン化物イオンの含有量が500ppm(0.05質量%)以下であり、また、上記の表1から明らかなように耐電圧、化成性、溶解性等の点で物性のバランスが良い電解液である。
本発明の新規な環状アルキレン基を有するジカルボン酸は、前記の炭素数の範囲であることにより、例えば、電解コンデンサ用電解液の電解質;洗剤、クリーニング剤のビルダー;潤滑油;水垢防止剤;エポキシ樹脂硬化剤;ポリマー用原料等として新たな有用性が期待される。

Claims (11)

  1. 下記式(1)で表される、環状アルキレン基を有するジカルボン酸。
    Figure 2015117193
    (式中、
    〜Rは、水素原子、フッ素原子、水酸基及びフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基からなる群より選ばれる一つの置換基を表す。なお、RとR及びRとRは、それぞれ異なっていても又は互いに同一であってもよく、RとR、RとR又は2つのRは一緒になってオキソ基(=O)、チオキソ基(=S)を形成してもよい。さらに、RとR、RとR又は2つのRが結合して形成した、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、環状アセタール基又は環状チオアセタール基を形成してもよい。
    Zは、下記(Z−1)〜(Z−6)に示す2価の置換基を示す。
    Figure 2015117193
    〔式(Z−1)中、R及びRは、それぞれ、水素原子、フッ素原子、水酸基及びフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基からなる群より選ばれる一つの置換基であり、式(Z−4)中、Rは、水素原子、フェニル基、一個以上のニトロ基若しくはメトキシ基で芳香族環が置換されていてもよいベンジル基、ジフェニルメチル基又はトリチル基、及びフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基からなる群より選ばれる一つの置換基である。なお、波線を付した結合は、環状アルキレン基の炭素との結合部位である。〕
    nは、環状アルキレン基中のメチレン基の個数を表し、0又は1〜7の整数を表す。また、R又はRは、それぞれ異なるものであっても又は同一であってもどちらであってもよい。但し、式(1)で表される化合物の炭素数は10以上50以下である。)
  2. 下記式(1−a)〜(1−h)で示される、前記[1]に記載の式(1)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸。
    Figure 2015117193
    (式(1−a)〜(1−h)中、R1a、R2a及びR4a〜R8aは、それぞれ、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子で置換されていてもよいメチル基若しくはエチル基からなる群より選ばれる一つの置換基である。また、nは、それぞれ、0又は1である。)
  3. 下記式(1M)で表される環状アルキレン基を有するジカルボン酸又はその塩を含有する電気化学デバイス用電解質組成物。
    Figure 2015117193
    (式中、
    〜Rは、水素原子、フッ素原子、水酸基及びフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基からなる群より選ばれる一つの置換基を表す。なお、RとR及びRとRは、それぞれ異なっていても又は互いに同一であってもよく、RとR、RとR又は2つのRは一緒になってオキソ基(=O)、チオキソ基(=S)を形成してもよい。さらに、R1とR2、R4とR5又は2つのR3が結合して形成した、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、環状アセタール基又は環状チオアセタール基を形成してもよい。
    Zは、下記(Z−1)〜(Z−6)に示す2価の置換基を示す。
    Figure 2015117193
    〔式(Z−1)中、R及びRは、それぞれ、水素原子、フッ素原子、水酸基及びフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基からなる群より選ばれる一つの置換基であり、式(Z−4)中、Rは、水素原子、フェニル基、一個以上のニトロ基若しくはメトキシ基で芳香族環が置換されていてもよいベンジル基、ジフェニルメチル基又はトリチル基、及びフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基からなる群より選ばれる一つの置換基である。なお、波線を付した結合は、環状アルキレン基の炭素との結合部位である。〕
    nは、環状アルキレン基中のメチレン基の個数を表し、0又は1〜7の整数を表す。また、R又はRは、それぞれ異なるものであっても又は同一であってもどちらであってもよい。但し、式(1M)で表される化合物の炭素数は10以上50以下である。また、Mは水素原子又はアンモニウムイオン若しくは有機アミンイオンである。)
  4. 水とエチレングリコール及びγ−ブチロラクトンから選択された一種以上の有機溶媒
    との混合溶液に溶解する、請求項3に記載の電気化学デバイス用電解質組成物。
  5. 水の含有量が30質量%以下である混合溶液に溶解する、請求項4に記載の電気化学デバイス用電解質組成物。
  6. 電気化学デバイス用電解質組成物がアルミニウム電解コンデンサ用電解液である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用電解質組成物。
  7. 請求項3〜6のいずれか1項に記載の電気化学デバイス用電解質組成物を含有する、電気化学デバイス用電解液。
  8. 電気化学デバイス用電解液がアルミニウム電解コンデンサ用電解液である、請求項7に記載の電解コンデンサ用電解液。
  9. 請求項3〜6のいずれか1項に記載の電気化学デバイス用電解質組成物を0.01〜50質量%含有する、請求項7又は8に記載の電気化学デバイス用電解液。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項に記載の電気化学デバイス用電解液を用いて製造された、電解コンデンサ。
  11. 電解コンデンサがアルミニウム電解コンデンサある、請求項10に記載の電解コンデンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106024390A (zh) * 2016-05-31 2016-10-12 常州工程职业技术学院 一种2-丁基癸二酸铵乙二醇电解质溶液的制备方法

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